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JP6623951B2 - 回転電機の冷却装置 - Google Patents

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JP6623951B2
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Description

回転子及び固定子のいずれか一方に導体が設けられ、他方に永久磁石が設けられた回転電機の冷却装置に関する。
ハイブリッド自動車や電気自動車などに搭載されているモータや、ジェネレーターや(発電機)、モータジェネレータといった回転電機において、その回転電機の出力向上やエネルギー損失の低減を目的として、冷却装置が用いられている。
回転子及び固定子のいずれか一方に巻線が設けられ、他方に永久磁石が設けられた回転電機におけるエネルギー損失の低減を目的として、巻線と永久磁石とをそれぞれ冷却する技術が提案されている。より具体的には、巻線及び永久磁石それぞれの発熱量に基づいて、巻線及び永久磁石をそれぞれ冷却する技術が特許文献1に記載されている。例えば、永久磁石が発熱しやすい状況下では永久磁石を冷却し、巻線が発熱しやすい状況下では巻線を冷却している。
特開2014−110705号公報
ここで、本願発明者は、永久磁石により生じる最大磁束密度が大きくなるほど、回転電機における鉄損(磁気損失)が大きくなることに着目した。即ち、回転電機に生じる鉄損は、主として渦電流損とヒステリシス損とから構成され、渦電流損は、最大磁束密度の2乗に比例し、ヒステリシス損は、最大磁束密度の1.6乗に比例する。また、永久磁石の温度低下に伴い、最大磁束密度は増加する。つまり、上記構成の特許文献1に記載の技術では、永久磁石が冷却されることで永久磁石の最大磁束密度が上昇して鉄損が大きくなり、かえってエネルギー損失が大きくなることが懸念される。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、回転子及び固定子のいずれか一方に電流が流れることで磁束を発生させる導体が設けられ、他方に永久磁石が設けられた回転電機の冷却装置において、回転電機に生じるエネルギー損失の増加を抑制することを主たる目的とする。
本構成は、回転子(11)及び固定子(13)のいずれか一方に電流が流れることで磁束を発生させる導体(14)が設けられ、他方に永久磁石(12)が設けられた回転電機(10)の冷却装置であって、前記導体を冷媒によって冷却する第1冷却経路(51)と、前記永久磁石を冷媒によって冷却する、前記第1冷却経路と異なる第2冷却経路(52)と、前記回転電機に生じる鉄損が判定値より大きいことを条件として、前記第2冷却経路に流れる前記冷媒の流量である第2流量を減少させる制御を実施する制御部(30)と、を備えることを特徴とする。
鉄損が判定値より大きい場合、永久磁石を冷却する第2冷却経路に流れる冷媒の流量を減少させる制御を実施する。当該制御により、永久磁石の温度低下を抑制できる。永久磁石の温度低下を抑制することで最大磁束密度の増加を抑制できる。即ち、鉄損が判定値より大きい場合に、鉄損の増加を抑制できる。ここで、渦電流損は、回転電機の回転速度の2乗、及び最大磁束密度の2乗にそれぞれ比例する。また、ヒステリシス損は、回転電機の回転速度、及び最大磁束密度の1.6乗にそれぞれ比例する。つまり、回転速度、及び最大磁束密度の高い領域において、回転電機における鉄損が大きくなる。
また、鉄損が判定値以下の場合、第2冷却経路に流れる冷媒の流量を減少させる制御は行われない。これにより、鉄損が判定値以下の場合に、永久磁石の温度上昇が抑制される。永久磁石の温度上昇が抑制されることで、最大磁束密度の低下が抑制される。これにより、最大磁束密度の低下に伴う回転電機の出力低下や、当該出力低下を補うために回転電機の入出力電流が増加することで、銅損が増加することを抑制できる。
また、導体の温度が上昇すると、導体の抵抗値が増加し、導体に生じる銅損は増加する。導体の冷却と永久磁石の冷却とが異なる冷却経路を用いて実施される本構成では、鉄損の大きさに関わらず導体の冷却が実施されることで、導体の温度上昇が抑制され、銅損の増加を抑制できる。このため、回転電機に生じるエネルギー損失を低減することができる。
第1実施形態の電気的構成を表す図。 永久磁石の温度と磁束密度及び磁界の強さとの関係を表す図。 第1実施形態の回転電機の構造を表す概略図。 トルク及び回転速度と、鉄損及び銅損との関係を表す図。 第1実施形態の冷却制御を表すフローチャート。 第2実施形態の冷却制御を表すフローチャート。 第3実施形態の冷却制御を表すフローチャート。 第4実施形態の冷却制御を表すフローチャート。 第5実施形態の回転電機の構造を表す概略図。
(第1実施形態)
以下、本発明にかかる回転電機の制御装置を具体化した実施形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態では、車両に搭載された電源システムを具体化するものとしている。本システムの全体概略図を図1に示す。
図1に示すように、回転電機10、インバータ20、及び、インバータ20を制御する制御装置30を備えている。回転電機10のロータ11(回転子)には、界磁を行う永久磁石12が設けられている。つまり、回転電機10は、永久磁石12により界磁を行う永久磁石界磁型回転電機である。また、回転電機10のステータ13(固定子)には、U相、V相、及び、W相の各相に対応した電機子巻線14が設けられている。永久磁石12は、具体的にはネオジム磁石である。電機子巻線14は、巻線であって、「電流が流れることで磁束を発生させる導体」に相当する。
回転電機10は、回生発電及び力行駆動の機能を有し、具体的には、MG(Motor Generator)である。回転電機10は、力行時には、車両に推進力を付与し、回生時には、車両の減速エネルギーを用いて発電を行い、バッテリ40の充電を行うものである。
回転電機10の電機子巻線14は、インバータ20を介して、直流の電源部であるバッテリ40に接続されている。バッテリ40の出力電圧は、例えば200V以上の高電圧である。バッテリ40は、具体的には、複数のリチウムイオン蓄電池が直列接続された組電池である。なお、他の種類の蓄電池であってもよい。
インバータ20は、高電位側のスイッチング素子22a,22b,22c(上アームスイッチ)及び低電位側のスイッチング素子23a,23b,23c(下アームスイッチ)の直列接続体が、3つ並列に接続されて構成されている。各相上、上アームスイッチと下アームスイッチの接続点には、回転電機10の対応する相が接続されている。なお、本実施形態では、スイッチ22,23として、電圧制御形の半導体スイッチング素子を用いており、より具体的にはIGBTを用いている。そして、各スイッチには、フリーホイールダイオード24が逆並列にそれぞれ接続されている。
制御装置30は、回転電機10を構成する電機子巻線14の各相に流れる電流を検出する相電流センサや回転電機10の回転角を検出する回転角センサ等から検出値を取得する。そして、取得した検出値に基づいて、インバータ20を構成する各スイッチ22,23をオンオフ操作すべく、各操作信号を生成し、生成した各操作信号を各スイッチに出力する。ここで、上アーム側の操作信号と、対応する下アーム側の操作信号とは、互いに相補的な信号となっている。すなわち、上アームスイッチ22a,22b,22cと、対応する下アームスイッチ23a,23b,23cとは、交互にオン状態とされる。
ここで、回転電機10における力行時及び発電時、回転電機10においてエネルギー損失が生じる。当該エネルギー損失は、銅損、鉄損、機械損、及び、漂遊負荷損から構成される。銅損は、電機子巻線14の抵抗成分に電流が流れることで生じる。鉄損は、ロータ11が回転することで、電機子巻線14の鉄心部(ステータコア)の磁束が周期的に変化することで生じる。なお、鉄心部は、鋼板が積層されて構成されている。機械損は、回転電機10のロータ11などの回転部分と、ステータ13などの静止部分との摩擦や回転部分の扇風作用による損失である。漂遊負荷損は、銅損、鉄損、及び、機械損に含まれない損失である。
回転電機10におけるエネルギー損失は、主として銅損及び鉄損によるものである。銅損Pcuは、電機子巻線14に流れる入力電流のU相成分iu、V相成分iv、W相成分iw、及び、電機子巻線14のU相抵抗成分Ru、V相抵抗成分Rv、W相抵抗成分Rwを用いて、
Pcu=iu^2・Ru+iv^2・Rv+iw^2・Rw …(1)
と表すことができる。電機子巻線14の抵抗成分Ru,Rv,Rwは、電機子巻線14の温度が上昇すると増加する。このため、電機子巻線14の温度が上昇するほど、銅損Pcuは増加する。
また、鉄損のうち渦電流損Peは、損失係数ke、ステータコアを構成する鋼板の板厚t、鋼板の抵抗率ρ、周波数f(回転電機10の回転速度)、及び、永久磁石12による最大磁束密度Bmを用いて、
Pe=ke(t・f・Bm)^2/ρ …(2)
と表すことができる。鉄損のうちヒステリシス損Phは、損失係数kh、周波数(回転電機10の回転速度)f、及び、永久磁石12による最大磁束密度Bmを用いて、
Ph=kh・f・Bm^1.6 …(3)
として表すことができる。
つまり、渦電流損Peは、回転電機10の回転速度の2乗、及び最大磁束密度の2乗にそれぞれ比例する。また、ヒステリシス損Phは、回転電機10の回転速度、及び最大磁束密度の1.6乗にそれぞれ比例する。つまり、回転速度が高いほど、回転電機10における鉄損は大きくなる。
ここで、図2に、永久磁石12の温度を変化させた場合に、各温度における磁界の強さHと磁束密度Bとの関係を表す減磁曲線の第2象限を示す。各温度T1,T2,T3は、T1<T2<T3という関係を有する。具体的には、温度T1は約20度、温度T2は、約80度、温度T3は、約140度である。永久磁石12の温度が高いほど、磁束密度Bは小さくなる。即ち、永久磁石12の温度が高いほど、最大磁束密度Bmは小さくなる。
そこで、本実施形態では、鉄損が大きい領域において、永久磁石12の温度を上昇させることで、最大磁束密度Bmを減少させ、渦電流損Pe及びヒステリシス損Phを減少させることができる。
図3に本実施形態の回転電機10の構造の概略図を示す。回転電機10の入出力軸であるシャフト15は、円筒状の筐体16に設けられたベアリング17によって回転可能に支持されている。筐体16の内部において、シャフト15の外周部には円筒状のロータ11が連結されている。また、筐体16の内周には、ロータ11と対向するようにステータコア18が設けられている。ステータコア18には、電機子巻線14が巻回されている。
本実施形態の回転電機10は、冷却経路51〜54、第2冷却経路52に流れる調整部50、及び、調整部50を制御する制御装置30(制御部)を備えて構成される冷却装置によって冷却される。第1冷却経路51及び第2冷却経路52は、上流側において共通の冷却経路53から分岐されている。共通の冷却経路53には、冷媒が蓄えられたリザーバタンク(図示略)から冷媒を吐出するポンプ(図示略)と、第1冷却経路51に流れる冷媒の流量(第1流量)と第2冷却経路52に流れる冷媒の流量(第2流量)とを調整する調整部50とが設けられている。調整部50は、制御装置30(図1)によって制御されている。
第1冷却経路51は、主としてステータ13側に冷媒を供給する。第1冷却経路51は、筐体16の径方向に穿設された冷媒吐出口161に連結されている。冷媒吐出口161は、電機子巻線14に対応する位置、より具体的には、電機子巻線14に対向する位置にそれぞれ設けられている。第1冷却経路51は、冷媒吐出口161を介して筐体16内部に冷媒を供給することで、ステータ13、特に、発熱源である電機子巻線14を冷却する。
第2冷却経路52は、主としてロータ11側に冷媒を供給する。第2冷却経路52は、シャフト15の軸方向に穿設された中空部151に連通されている。また、ロータ11には、永久磁石12に近接する複数の冷却通路111がシャフト15を中心として所定角度毎に穿設されている。冷却通路121は、それぞれ一端が中空部151に連通され、他端が筐体16内部に開放されている。第2冷却経路52は、中空部151及び冷却通路111を介して冷媒を供給することで、ロータ11、特に、発熱源である永久磁石12を冷却する。
排出経路54は、ロータ11及びステータ13を冷却した後の冷媒を筐体16の内部から排出する。排出経路54の一端は、筐体16内部の底面に設けられた排出口162に連通されている。排出経路54の他端は、リザーバタンクに連通されている。回転電機10は、排出口162が下面に位置するように車両に取り付けられる。このため、冷媒吐出口161及び冷却通路111を介して筐体16内部に吐出された冷媒は、排出口162を介して排出経路54に流れ込む。そして、排出口162から排出経路54に流れる冷媒は、排出経路54において冷却された上で、リザーバタンクに環流される。
図4に回転電機10の力行時における回転電機10の出力トルク及び回転速度と、銅損及び鉄損との関係を表す図を示す。回転速度が低く、かつ、出力トルクが大きい領域では、その出力トルクを実現するために電機子巻線14への入力電流が大きくなる。このため、鉄損に比して銅損が大きい(式(1)参照)。一方、回転速度が高く、かつ、出力トルクが小さい領域では、銅損に比して鉄損が大きい(式(2),(3)参照)。
また、回転電機10の回生時における回転電機10の入力トルク及び回転速度と、銅損及び鉄損との関係は図4と同様の傾向を示す。即ち、回転速度が低く、かつ、入力トルクが大きい領域では、その入力トルクに応じて電機子巻線14の出力電流が大きくなる。このため、鉄損に比して銅損が大きい。一方、回転速度が高く、かつ、入力トルクが小さい領域では、銅損に比して鉄損が大きい。
ここで、永久磁石12の温度が基準温度(80度)である場合と、永久磁石12の温度が基準温度より低い低温(20度)である場合と、永久磁石12の温度が基準温度より高い高温(140度)である場合の回転電機10の力行時におけるエネルギー損失をシミュレーションによりそれぞれ取得した。なお、いずれの場合も、電機子巻線14の温度は基準温度としている。
永久磁石12の温度が低温である場合、永久磁石12の温度が基準温度である場合と比較して、回転速度が低く、出力トルクが大きい領域で、エネルギー損失が1.5%減少した。また、回転速度が高く、出力トルクが小さい領域で、エネルギー損失が3%増加した。また、永久磁石12の温度が高温である場合、永久磁石12の温度が基準温度である場合と比較して、回転速度が低く、出力トルクが大きい領域で、エネルギー損失が2%増加した。また、回転速度が高く、出力トルクが小さい領域で、エネルギー損失が2.5%減少した。
即ち、鉄損が判定値より大きい領域(回転速度が高く、かつ、トルクが小さい領域)において、永久磁石12の温度を増加させると、鉄損が減少する結果、エネルギー損失が全体として減少する。また、銅損が判定値より大きい領域(回転速度が低く、かつ、トルクが大きい領域)において、永久磁石12の温度を低下させると、銅損が減少する結果、エネルギー損失が全体として減少する。
そこで、本実施形態では、鉄損が判定値より大きいことを条件として、制御装置30が調整部50を制御することで、第2冷却経路52に流れる冷媒の流量である第2流量を減少させる。第2流量を減少させることで、永久磁石12の温度低下を抑制し、鉄損の増加による回転電機10全体としてのエネルギー損失の増加を抑制する。
さらに、鉄損が判定値より大きいことを条件として、第2冷却経路52に冷媒が流れることで永久磁石12から吸収される吸熱量が、永久磁石12の発熱量より小さくなるように、第2冷却経路52に流れる冷媒の量を減少させる。これにより、永久磁石12の温度が上昇し、永久磁石12により生じる最大磁束密度Bmが減少することで、鉄損を減少させることができ、回転電機10全体としてのエネルギー損失の増加を抑制できる。
また、鉄損と比較する「判定値」を銅損が大きくなるほど大きくなるように設定する。より具体的には、銅損を判定値として設定する。永久磁石12の温度が上昇すると、永久磁石12によって生じる最大磁束密度Bmが低下し、最大磁束密度Bmの低下に伴って回転電機10の出力(力行時は機械出力、及び、回生時は出力電力)が低下する。当該出力低下を補うために回転電機10の入出力電流が増加することで銅損が増加し、回転電機10に生じるエネルギー損失が全体として増加することが懸念される。ここで、銅損が大きい領域において、永久磁石12の温度上昇を抑制し、回転電機10に生じるエネルギー損失が全体として増加することを抑制できる。ここで、銅損を直接的に算出して取得し、その算出した銅損を制御に用いることで、エネルギー損失の低減効果がより向上する。
図5に本実施形態の回転電機10の冷却制御を表すフローチャートを示す。当該制御は制御装置30によって所定周期毎に実施される。
ステップS01において、回転電機10が力行動作中であるか、又は、回生動作中であるかを判定する。ステップS02において、回転電機10のトルク及び回転速度と、トルク及び回転速度と鉄損とを対応付けるマップに基づいて、鉄損を取得する。ここで、回転電機10のトルク及び回転速度と鉄損とを対応付けるマップとして、回転電機10が力行動作中の場合と、回生動作中である場合とで異なるものを用いる。なお、力行動作中と回生動作中とで同じマップを用いてもよい。
ステップS03において、回転電機10への入力電流又は出力電流に基づいて、回転電機10の銅損を取得する。具体的には、回転電機10の入出力電流、電機子巻線14の抵抗成分、及び、式(1)に基づいて銅損を取得する。ステップS04において、銅損と鉄損との比率に基づいて、第1冷却経路51に流れる冷媒の流量である第1流量と第2流量との比率の目標値である目標比率を設定する。より具体的には、銅損と鉄損との比率を、目標比率として設定する。
ステップS05において、鉄損が「判定値」である銅損より小さいか否かを判定する。鉄損が銅損以下の場合(S05:YES)、ステップS06において、第1流量と第2流量との比率がステップS04で設定された目標比率となるように調整部50を制御し、処理を終了する。
鉄損が銅損より大きい場合(S06:NO)、ステップS07において、回転電機10のトルク及び回転電機10への入出力電流に基づいて、永久磁石12の温度を取得する。永久磁石12による最大磁束密度Bmは、永久磁石12と相関を有する。また、回転電機10のトルクは、回転電機10の入出力電流及び永久磁石12の最大磁束密度Bmと相関を有する。このため、制御装置30は、回転電機10のトルク及び回転電機10への入出力電流に基づいて、永久磁石12の温度を取得することができる。ステップS08において、永久磁石12の温度が所定温度を超えるか否かを判定する。ここで、所定温度とは、具体的には、永久磁石12において不可逆減磁が生じる温度より低く設定されている。永久磁石12において不可逆減磁が生じる温度は、永久磁石12の材質及び形状によって定まる値である。
永久磁石12の温度が所定温度以下の場合(S08:NO)、ステップS09において、鉄損が判定値より大きいことを条件として、第1流量に対する第2流量の比率が目標比率より小さくなるように調整部50を制御し、処理を終了する。また、永久磁石12の温度が所定温度を超えることを条件として(S08:YES)、ステップS04の制御を実施し、処理を終了する。即ち、鉄損が銅損より大きい場合であっても、第2流量を減少させる制御を実施しない。
以下、本実施形態の構成による効果を述べる。
鉄損が判定値より大きい場合、永久磁石12を冷却する第2冷却経路52に流れる冷媒の流量を減少させる制御を実施する。当該制御により、永久磁石12の温度低下を抑制できる。永久磁石12の温度低下を抑制することで最大磁束密度Bmの増加を抑制できる。即ち、鉄損が判定値より大きい場合に、鉄損の増加を抑制できる。ここで、渦電流損Peは、回転電機10の回転速度の2乗に比例する。また、ヒステリシス損Phは、回転電機10の回転速度の1.6乗に比例する。つまり、回転速度が高いほど、回転電機10における鉄損が大きくなる。
また、鉄損が判定値以下の場合、第2冷却経路52に流れる冷媒の流量を減少させる制御は行われない。これにより、鉄損が判定値以下の場合に、永久磁石12の温度上昇が抑制される。永久磁石12の温度上昇が抑制されることで、最大磁束密度Bmの低下が抑制され、最大磁束密度Bmの低下に伴う回転電機10の出力低下や、当該出力低下を補うために回転電機10の入出力電流が増加することを抑制できる。
また、電機子巻線14の温度が上昇すると、電機子巻線14の抵抗値が増加し、電機子巻線14に生じる銅損は増加する。電機子巻線14の冷却と永久磁石12の冷却とが異なる冷却経路51,52を用いて実施される本構成では、鉄損の大きさに関わらず電機子巻線14の冷却が実施されることで、電機子巻線14の温度上昇が抑制され、銅損の増加を抑制できる。このため、回転電機10に生じるエネルギー損失を低減することができる。
さらに、本実施形態の構成では、第2冷却経路52に流れる冷媒による吸熱量が、永久磁石12における発熱量より小さくなるように、第2冷却経路52に流れる冷媒の流量を減少させる制御を実施する。これにより、永久磁石12の温度が増加するため、永久磁石12による界磁磁束が小さくなり、鉄損を減少させることができる。
鉄損が判定値より大きい場合に、永久磁石12の温度低下を抑制する。ここで、永久磁石12の温度が上昇すると、永久磁石12によって生じる最大磁束密度Bmが低下し、最大磁束密度Bmの低下に伴って回転電機10の出力が低下する。当該出力低下を補うために回転電機10に入力される電力が増加することで銅損が増加し、回転電機10に生じるエネルギー損失が全体として増加することが懸念される。
そこで、本実施形態の構成では、回転電機10に生じる銅損が大きいほど、第2流量の抑制の判定に用いる判定値を大きく設定する。より具体的には、銅損を判定値として用いる構成とした。本実施形態の構成によれば、銅損が大きい領域において、永久磁石12の温度上昇を抑制し、回転電機10に生じるエネルギー損失が全体として増加することを抑制できる。銅損を直接的に制御に用いることで、エネルギー損失の低減効果がより向上する。
本実施形態における第1冷却経路51及び第2冷却経路52は、上流側において共通の冷却経路53から分岐されたものである。また、共通の冷却経路53にはポンプが設けられているとともに、冷媒の配分を調整する調整部50が設けられている。
そして、制御装置30は、調整部50を制御することで、第1流量に対する第2流量の比率を、銅損に対する鉄損の比率に基づく目標比率に設定する構成とした。このような構成にすることで、鉄損及び銅損のそれぞれによって発生する熱に応じて、永久磁石12と電機子巻線14とを冷却することができる。そして、鉄損が判定値より大きいことを条件に、第1流量に対する第2流量の比率を目標比率より小さくなるように制御することで、永久磁石12の温度低下に伴う鉄損の増加を抑制できる。また、鉄損が判定値より大きいことを条件として、第2流量を減少させると、第1流量が増加する。このため、銅損が減少し、回転電機10におけるエネルギー損失を効果的に減少させることができる。
鉄損は、回転電機10のトルク及び回転速度と、トルク及び回転速度と鉄損とを対応付けるマップと、に基づいて算出することができる。本実施形態の構成によれば、鉄損を直接的に算出するため、鉄損の算出精度がよい。そして、その算出された鉄損を制御に用いることで、エネルギー損失の低減効果がより向上する。
鉄損が大きい場合に、永久磁石12の冷却を抑制すると、永久磁石12の温度が過上昇し、永久磁石12に不可逆減磁が生じることが懸念される。そこで、永久磁石12の温度が所定温度を超えることを条件として、鉄損が判定値より大きい場合であっても、第2冷却経路52に流れる冷媒の流量を減少させる制御を実施しない構成とした。これにより、永久磁石12において不可逆減磁が生じることを抑制できる。
回転電機10のトルクは、主として、回転電機10の入出力電流、及び、永久磁石12により生じる磁束密度Bに依存する。また、永久磁石12により生じる磁束密度Bは、永久磁石12の温度に依存する。即ち、制御装置30は、回転電機10のトルク及び入出力電流に基づいて、永久磁石12の温度を取得することができ、永久磁石12の温度を検出する温度センサを省略することができる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、銅損が大きいほど「判定値」を大きくする構成とした。本実施形態では、当該構成を変更し、回転電機10に生じる全エネルギー損失が増加するほど、その全エネルギー損失の増加量を超えない範囲(又は、その全エネルギー損失の増加量より小さい範囲)で「判定値」を増加させる構成とする。より具体的には、全エネルギー損失に1未満の所定の係数(例えば、1/2)を積算した値を「判定値」として用いる。なお、これを変更し、全エネルギー損失から機械損や漂遊負荷損に相当する所定値を減算した上で、1未満の所定の係数(例えば、1/2)を積算した値を「判定値」とする構成としてもよい。
また、第1実施形態では、鉄損の大きさと銅損の大きさとの比率に基づいて、第1流量と第2流量との目標比率を設定する構成とした。本実施形態では、当該構成を変更し、鉄損の大きさと回転電機10に生じる全エネルギー損失の大きさとの比率に基づいて、第1流量と第2流量との目標比率を設定する。
図6に本実施形態の回転電機10の冷却制御を表すフローチャートを示す。当該制御は制御装置30によって所定周期毎に実施される。なお、図5と同一の処理については同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
ステップS02の後、ステップS11において、回転電機10の力行動作時には、回転電機10の入力電力と、回転電機10の機械出力とを算出する。そして、その入力電力から機械出力を減算することで、回転電機10の全エネルギー損失を算出する。また、回転電機10の回生動作時には、回転電機10の機械入力と回転電機10が車両に取り付けられる場合に、回転電機10の出力電力とを算出する。そして、その機械入力から出力電力を減算することで、回転電機10の全エネルギー損失を算出する。
ステップS12において、鉄損と全エネルギー損失との比率に基づいて、第1流量と第2流量との比率の目標値である目標比率を設定する。即ち、全エネルギー損失を鉄損及び銅損の和と見なし、鉄損:全エネルギー損失=第1流量:(第1流量+第2流量)となるように目標比率を設定する。なお、全エネルギー損失を鉄損、銅損、及び、機械損の和と見なし、鉄損:(全エネルギー損失−機械損)=第1流量:(第1流量+第2流量)となるように目標比率を設定してもよい。
ステップS13において、鉄損が「判定値」である全エネルギー損失の1/2以下か否かを判定する。鉄損が全エネルギー損失の1/2以下の場合(S13:YES)、ステップS06において、第1流量と第2流量との比率がステップS12で設定された目標比率となるように調整部50を制御し、処理を終了する。鉄損が全エネルギー損失の1/2より大きい場合(S13:NO)、永久磁石12の温度が所定温度以下であれば(S08:YES)、第2流量を抑制する制御を実施し、処理を終了する。即ち、第1流量に対する第2流量の比率がステップS12で設定した目標比率から減少するように、調整部50の制御を実施し、処理を終了する。
鉄損が判定値より大きい場合に、永久磁石12の温度低下を抑制する。ここで、永久磁石12の温度が上昇すると、永久磁石12によって生じる最大磁束密度Bmが低下し、最大磁束密度Bmの低下に伴って回転電機10の出力が低下する。当該出力低下を補うために回転電機10の入出力電流が増加することで銅損が増加し、回転電機10に生じるエネルギー損失が全体として増加することが懸念される。
そこで、銅損、鉄損、及び、機械損を含む回転電機10に生じる全エネルギー損失に基づいて、判定値を設定する構成とした。当該構成により、銅損が大きい領域において、永久磁石12の温度上昇を抑制し、回転電機10に生じるエネルギー損失が全体として増加することを抑制できる。また、回転電機10に生じる全エネルギー損失は、簡易な構成で算出できる。即ち、回転電機10の力行動作時には、回転電機10の入力電力から回転電機10の機械出力(回転電機10の出力トルクと回転電機10の角速度の積)を引いた値として算出できる。同様に、回転電機10の回生動作時には、回転電機10の機械入力(回転電機10の入力トルクと回転電機10の角速度の積)から回転電機10の電力出力を引いた値として算出できる。
第1冷却経路51及び第2冷却経路52は、上流側において共通の冷却経路53から分岐されたものである。また、共通の冷却経路53にはポンプが設けられているとともに、冷媒の配分を調整する調整部50が設けられている。回転電機10に生じる全エネルギー損失は、主として、鉄損、銅損、機械損、及び、漏れ磁束などにより生じる漂遊負荷損から構成されている。また、鉄損及び銅損は、他の損失に比べて変動が大きい。そこで、第1流量に対する第2流量の比率が、全エネルギー損失に対する鉄損の比率に基づき設定される目標比率となるように制御する構成とした。このような構成にすることで、鉄損及び銅損によりそれぞれ発生する熱に応じて、永久磁石12と電機子巻線14とをそれぞれ冷却することができる。回転電機10に生じる全エネルギー損失は上述した通り、簡易な構成で算出できる。
そして、鉄損が判定値より大きいことを条件に、第1流量に対する第2流量の比率が鉄損及び全エネルギー損失に基づく目標比率より小さくなるように制御することで、永久磁石12の温度低下に伴う鉄損の増加を抑制できる。
(第3実施形態)
第3実施形態の構成は、第1,2実施形態の構成と同様に、第1冷却経路51及び第2冷却経路52は、上流側において共通の冷却経路53から分岐されたものである。また、共通の冷却経路53にはポンプが設けられているとともに、第1冷却経路51及び第2冷却経路52に対する冷媒の配分を調整する調整部50が設けられている。
第3実施形態の構成では、第1流量に対する第2流量の比率を、所定の初期比率(例えば、1:1)に設定する構成とした。そして、鉄損が判定値より大きいことを条件に、第1流量に対する第2流量の比率を初期比率から減少させることで、永久磁石12の温度低下に伴う鉄損の増加を抑制する。
図7に第3実施形態における回転電機10の冷却制御を表すフローチャートを示す。当該制御は制御装置30によって所定周期毎に実施される。なお、図5と同一の処理については同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態では、図5におけるステップS04の処理を省略している。即ち、鉄損及び銅損それぞれの大きさに関わらず、第1流量に対する第2流量の比率を、所定の初期比率(例えば、1:1)に設定する。そして、ステップS05において、鉄損が「判定値」である銅損以下であると判定されると(S05:YES)、ステップS06において、通常制御、即ち、第1流量と第2流量との比率が所定比率(1:1)となるように調整部50の制御を実施する。また、ステップS05において、鉄損が「判定値」である銅損より大きいと判定されると(S05:NO)、永久磁石12の温度が所定温度以下であれば(S08:YES)、第2流量を抑制する制御を実施する。即ち、第1流量に対する第2流量の比率が所定比率(1:1)から減少するように、調整部50の制御を実施する。
(第4実施形態)
第4実施形態の構成では、鉄損が判定値より大きい場合、第2冷却経路52の冷媒の通流を停止することで、永久磁石12を冷却する第2冷却経路52に流れる冷媒の流量を減少させる。本構成では、鉄損が判定値より大きい場合に永久磁石12に対する冷却が停止されるため、永久磁石12の温度が増加する。永久磁石12の温度が増加することで、最大磁束密度Bmを低下させて、鉄損の増加を抑制できる。また、制御の構成を簡易化できる。
図8に第4実施形態における回転電機10の冷却制御を表すフローチャートを示す。当該制御は制御装置30によって所定周期毎に実施される。なお、図5と同一の処理については同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態の構成では、ステップS05において、鉄損が「判定値」である銅損より大きいと判定されると(S05:NO)、永久磁石12の温度が所定温度以下であれば(S08:YES)、ステップS20において、第2冷却経路52の冷媒の通流を停止する制御を実施する。
(第5実施形態)
図9に第5実施形態の回転電機10の構造の概略図を示す。図3と同一の構成については、同一の符号を付し適宜説明を省略する。
本実施形態の構成における第1冷却経路51と第2冷却経路52は、上流側において共通の冷却経路53から分岐される第1〜4実施形態の構成と異なり、それぞれの経路に対して冷媒を吐出するポンプ(図示略)が設けられている。そして、第2冷却経路52にのみ冷媒の通流を調整する調整部50aが設けられている。本実施形態の構成において、図5に示す第1実施形態と同様の制御を実施すれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
即ち、鉄損が判定値より大きい場合に、第2冷却経路52に流れる冷媒の流量を減少させることで、鉄損の増加を抑制できる。また、鉄損が判定値以下の場合、第2冷却経路52に流れる冷媒の流量を減少させる制御を行わないことで、鉄損が判定値以下の場合に、永久磁石12の温度上昇が抑制される。永久磁石12の温度上昇が抑制されることで、最大磁束密度Bmの低下が抑制され、最大磁束密度Bmの低下に伴う回転電機10の出力低下や、当該出力低下を補うために回転電機10の入出力電流が増加することを抑制できる。
また、電機子巻線14の温度が上昇すると、電機子巻線14の抵抗値が増加し、電機子巻線14に生じる銅損は増加する。電機子巻線14の冷却と永久磁石12の冷却とが異なる冷却経路51,52を用いて実施される本構成では、鉄損の大きさに関わらず電機子巻線14の冷却が実施されることで、電機子巻線14の温度上昇が抑制され、銅損の増加を抑制できる。このため、回転電機10に生じるエネルギー損失を低減することができる。
また、銅損が大きい領域において、永久磁石12の温度上昇を抑制し、回転電機10に生じるエネルギー損失が全体として増加することを抑制できる。銅損を直接的に制御に用いることで、エネルギー損失の低減効果がより向上する。
(他の実施形態)
・力行動作時において、回転電機10に生じるエネルギー損失は、主として、鉄損、銅損、機械損、及び、漏れ磁束などにより生じる漂遊負荷損から構成されている。また、漂遊負荷損は、鉄損、銅損及び機械損に比べて充分に小さい。そこで、制御装置30は、回転電機10の力行動作時において、回転電機10に入力される入力電力から回転電機10の機械出力及び銅損の和を引いた値、即ち、銅損以外のエネルギー損失に基づいて、鉄損を取得する構成としてもよい。同様に、制御装置30は、回転電機10の回生動作時において、回転電機10に入力される機械入力から回転電機10の出力電力及び銅損の和を引いた値、即ち、銅損以外のエネルギー損失に基づいて、鉄損を取得する構成としてもよい。本変形例によれば、簡易な構成で、鉄損を取得することができる。
・図5に示すフローチャートにおいて、ステップS07,S08の処理を省略する構成としてもよい。
・図5に示すステップS07の処理において、回転電機10のトルク及び回転電機10への入出力電流に基づいて、永久磁石12の温度を取得する構成としたがこれを変更してもよい。即ち、例えば、永久磁石12に温度センサを設け、制御装置30がその温度センサから検出値を取得することで、永久磁石12の温度を取得する構成としてもよい。
・永久磁石12について、ネオジム磁石以外の永久磁石であってもよい。即ち、フェライト磁石やアルニコ磁石を用いてもよい。
・ロータ11に対して、永久磁石12に加え、界磁巻線を設ける構成としてもよい。
・回転電機は、ロータに巻線を備え、ステータに永久磁石を備える、DCモータなどであってもよい。また、回転電機は、ステッピングモータであってもよい。また、回転電機は、発電機としての機能、及び、電動機としての機能のいずれか一方のみを有する構成であってもよい。
・第5実施形態の構成において、調整部50aを用いて第2流量を調整する制御を実施する構成に代えて、第2冷却経路52に設けられているポンプの吐出量を調整する制御を実施する構成に変更してもよい。
10…回転電機、11…ロータ、12…永久磁石、13…ステータ、14…電機子巻線、30…制御装置、51…第1冷却経路、52…第2冷却経路。

Claims (13)

  1. 回転子(11)及び固定子(13)のいずれか一方に電流が流れることで磁束を発生させる導体(14)が設けられ、他方に永久磁石(12)が設けられた回転電機(10)の冷却装置であって、
    前記導体を冷媒によって冷却する第1冷却経路(51)と、
    前記永久磁石を冷媒によって冷却する、前記第1冷却経路と異なる第2冷却経路(52)と、
    前記回転電機に生じる鉄損が判定値より大きいことを条件として、前記第2冷却経路に流れる前記冷媒の流量である第2流量を減少させる制御を実施する制御部(30)と、を備えることを特徴とする冷却装置。
  2. 前記制御部は、前記回転電機に生じる鉄損が前記判定値より大きいことを条件として、前記第2冷却経路の冷媒による吸熱量が、前記永久磁石における発熱量より小さくなるように、前記第2流量を減少させる制御を実施することを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記制御部は、前記回転電機に生じる全エネルギー損失が増加するほど、その全エネルギー損失の増加量を超えない範囲で前記判定値を増加させることを特徴とする請求項1又は2に記載の冷却装置。
  4. 前記制御部は、前記回転電機に生じる銅損が大きいほど、前記判定値を大きく設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の冷却装置。
  5. 前記第1冷却経路及び前記第2冷却経路は、上流側において共通の冷却経路(53)から分岐されており、
    前記共通の冷却経路には、前記冷媒を吐出するポンプと、前記冷媒の前記第1冷却経路への配分と前記第2冷却経路への配分とを調整する調整部(50)とが設けられており、
    前記制御部は、
    前記回転電機に生じる全エネルギー損失に対する前記鉄損の比率に基づいて、前記第1冷却経路に流れる前記冷媒の流量である第1流量に対する前記第2流量の比率の目標値である目標比率を設定し、
    前記第1流量に対する前記第2流量の比率が、前記目標比率となるように、前記調整部を制御するものであって、
    前記鉄損が前記判定値より大きいことを条件として、前記第1流量に対する前記第2流量の比率が前記目標比率より小さくなるように前記調整部を制御することで、前記第2流量を減少させる制御を実施することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の冷却装置。
  6. 前記第1冷却経路及び前記第2冷却経路は、上流側において共通の冷却経路(53)から分岐されており、
    前記共通の冷却経路には、前記冷媒を吐出するポンプと、前記冷媒の前記第1冷却経路への配分と前記第2冷却経路への配分とを調整する調整部(50)とが設けられており、
    前記制御部は、
    前記回転電機に生じる銅損に対する前記鉄損の比率に基づいて、前記第1冷却経路に流れる前記冷媒の流量である第1流量に対する前記第2流量の比率の目標値である目標比率を設定し、
    前記第1流量に対する前記第2流量の比率が前記目標比率となるように、前記調整部を制御するものであって、
    前記鉄損が前記判定値より大きいことを条件として、前記第1流量に対する前記第2流量の比率が前記目標比率より小さくなるように前記調整部を制御することで、前記第2流量を減少させる制御を実施することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の冷却装置。
  7. 前記第1冷却経路及び前記第2冷却経路は、上流側において共通の冷却経路(53)から分岐されており、
    前記共通の冷却経路には、前記冷媒を吐出するポンプと、前記冷媒の前記第1冷却経路への配分と前記第2冷却経路への配分とを調整する調整部(50)とが設けられており、
    前記制御部は、
    前記第1冷却経路に流れる前記冷媒の流量である第1流量に対する前記第2流量の比率が所定の初期比率となるように前記調整部を制御するものであって、
    前記回転電機に生じる鉄損が判定値より大きいことを条件として、前記調整部を制御し、前記第1流量に対する前記第2流量の比率を前記初期比率より減少させることで、前記第2流量を減少させる制御を実施することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の冷却装置。
  8. 前記制御部は、前記回転電機に生じる鉄損が前記判定値より大きいことを条件として、前記第2冷却経路の前記冷媒の通流を停止することで、前記第2流量を減少させる制御を実施することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の冷却装置。
  9. 前記制御部は、前記回転電機のトルク及び回転速度と、前記トルク及び前記回転速度と前記鉄損とを対応付けるマップに基づいて、前記鉄損を取得することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の冷却装置。
  10. 前記制御部は、前記回転電機の力行動作時において、前記回転電機に入力される入力電力から前記回転電機の機械出力及び前記回転電機に生じる銅損の和を引いた値に基づいて、前記鉄損を取得することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の冷却装置。
  11. 前記制御部は、前記回転電機の回生動作時において、前記回転電機に入力される機械入力から前記回転電機の出力電力及び前記回転電機に生じる銅損の和を引いた値に基づいて、前記鉄損を取得することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の冷却装置。
  12. 前記制御部は、前記永久磁石の温度が所定温度を超えることを条件として、前記鉄損が前記判定値より大きい場合であっても、前記第2流量を減少させる制御を実施しないことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の冷却装置。
  13. 前記制御部は、前記回転電機のトルク及び前記回転電機への入出力電流に基づいて、前記永久磁石の温度を取得することを特徴とする請求項12に記載の冷却装置。
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