JP6623262B2 - ノッチ形成刃 - Google Patents
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Description
積層シートの熱可塑性樹脂フィルムには、例えば相互に剥離しやすい2つの樹脂層を積層してなるものが用いられる。この場合、ノッチは、熱可塑性樹脂フィルムの2つの樹脂層のうち少なくともフランジ部上面側の樹脂層を貫通して同樹脂層を径方向に分断するように形成される。
容器の内部に食品が収容された状態で、容器のフランジ部上面におけるノッチよりも外側部分に、蓋材の熱可塑性樹脂よりなる下面の周縁部分が熱融着されることにより、食品が密封包装された包装体が得られる。
包装体の開封は、蓋材をフランジ部上面から剥離することにより行われる。容器を構成する積層シートの熱可塑性樹脂フィルムが2つの樹脂層を積層したものである場合、蓋材の剥離は、容器のフランジ部におけるノッチよりも外側部分において、上記2つの樹脂層間で行われる。
ノッチ形成刃は、金属材料からなり、ブロック状の基部と、基部の下面に環状に形成された横断面略V形の刃部とを備えている。
そして、ヒータ等によって所定温度に加熱された刃部を、容器のフランジ部上面に押し付けることにより、フランジ部上面に所定深さの開封用ノッチが形成される(下記の特許文献1〜3参照)。
1回のノッチ形成加工によって刃部の表面に付着する樹脂の量は僅かであるが、加工が長時間にわたって繰り返し行われると、刃部の表面への樹脂の付着量が多くなる。そうすると、形成されるノッチのサイズが大きくなり、ひいては、溶融した樹脂がノッチの両側部分に押し出されてフランジ部上面に形成される盛上り部が高くなってしまう。そのため、容器のフランジ部上面に蓋材下面を熱融着する際、フランジ部上面の盛上り部も一緒に蓋材下面に熱融着され、それによって、包装体の開封時に蓋材をきれいに剥離することができなくなる場合があった。
また、表面に樹脂が付着した刃部によってノッチ形成加工が繰り返し行われると、刃部の表面に付着した樹脂が高温の熱によって劣化する。この劣化した樹脂が、刃部の表面から剥がれて容器内に落下し、そのまま残留すると、衛生上問題が生じる。
これらの問題を回避するためには、容器の製造ラインを停止して、ノッチ形成刃の刃部の表面に付着した樹脂をブラシ等で落とすクリーニング作業を頻繁に行う必要があるが、その作業負担は大きく、また、容器の製造効率も低下してしまう。
刃部は、その上側の刃元部分の角度が、下側の刃先部分の角度よりも大きくなされている、ノッチ形成刃。
開封用ノッチが、上記1)〜7)のいずれか1つのノッチ形成刃によって形成されている、容器。
したがって、上記4)のノッチ形成刃によれば、刃部のクリーニング作業を頻繁に行わなくても、容器のフランジ部上面の盛上り部が蓋材下面に熱融着されることがなく、包装体の開封時に蓋材をきれいに剥離することができ、また、刃部の表面に付着して劣化した樹脂が容器内に落下して残留するという問題を確実に回避することができる。また、上記4)のノッチ形成刃によれば、刃部のクリーニング作業の負担が大幅に軽減され、容器の製造効率も低下しない。
すなわち、刃部の表面の中心線平均粗さ(Ra)が1μm未満であると、刃部の表面への表面処理膜の密着性が不十分となり、膜の耐久性に欠けるおそれがある。
一方、刃部の表面の中心線平均粗さ(Ra)が4μmを越えると、刃部によって形成されるノッチの形状がシャープにならず、ひいては、ノッチの両側部分に形成される樹脂の盛上り部の高さが大きくなってしまうおそれがある。
ノッチ形成装置(1)は、ノッチ形成刃(2)と、ノッチ形成刃(2)の下方に所定間隔をあけて配置された容器保持プレート(3)と、ノッチ形成刃(2)を容器保持プレート(3)に向かって垂直方向に進退駆動させる昇降装置(4)とを備えている。
基部(21)は、方形板部(211)と、方形板部(211)の下面から下方に突出した円形板部(212)とを有している。方形板部(211)と円形板部(212)との間に、下向きの水平な第1環状段差(213)が形成されている。
方形板部(211)には、複数のカートリッジ型電気ヒータ(23)が内蔵されている。ノッチ形成加工が行われる間、これらの電気ヒータ(23)によって、刃部(22)が所定温度(例えば、200℃前後)に加熱される。
円形板部(212)の外周面には、その下端からやや上方位置に、下向きの水平な第2環状段差(214)が形成されている。そして、円形板部(212)下面の周縁部に、環状の刃部(22)が形成されている。
ノッチ形成刃(2)の材料としては、金属が用いられ、好適には、耐腐食性および熱伝導性に優れた鉄、アルミニウムや黄銅(これらの合金を含む)が用いられる。鉄としては、例えば、S55Cのような加工適性のよい材質が用いられる。但し、鉄の場合、錆び防止のためにメッキ等の表面処理が必要になる。アルミニウムとしては、例えば、強度が高く、切削加工性が良いJIS H4040の5000番系の棒材が用いられる。中でも、5052、5056の棒材が好ましい。
基部(21)の下向き第1環状段差(213)における対角をなす2つの位置には、それぞれノッチ深さ調整用ストッパー(24)が設けられている。
各ストッパー(24)は、基部(21)の第1環状段差(213)に形成されたねじ孔(図示略)にねじ込まれるボルト(241)と、ボルト(241)の頭部表面を覆うシリコンゴム製の当接部材(242)とで構成されている。
エアシリンダ装置(4)のシリンダ(図示略)内へのエアの注入により、ピストン(41)が降下し、それに伴い、ノッチ形成刃(2)が容器保持プレート(3)に向かって降下する。そして、ノッチ形成刃(2)の加熱された刃部(22)が、容器(5)のフランジ部(51)上面に押し付けられることによって、フランジ部(51)に開封用ノッチ(52)が形成される。
ノッチ形成刃(2)の降下は、ストッパー(24)下端の当接部材(242)が容器保持プレート(3)上面に当接した時点で停止する。したがって、ストッパー(24)のボルト(241)のねじ込み量を適宜調整することにより、容器(5)のフランジ部(51)上面に形成されるノッチ(52)の深さを調整することができる。
ノッチ形成後は、容器(5)を容器保持プレート(3)の収容孔(31)から取り出すために、まず、ノッチ形成刃(2)を上方の待機位置(図1参照)まで後退させる。ノッチ形成刃(2)の上方への移動は、例えば、ノッチ形成刃(2)に対して上向きの付勢力を作用させるようにノッチ形成装置(1)に設けられたバネ(図示略)によって行われる。続いて、容器保持プレート(3)を図1の左右方向にスライドさせた後に、容器保持プレート(3)の下方から上昇してくる垂直な突き上げ棒(図示略)で容器(5)の底部が押されることにより、容器(5)が容器保持プレート(3)の収容孔(31)から取り出される。
図示は省略したが、容器保持プレート(3)に複数の収容孔(31)を長さ方向に所定間隔おきに形成するとともに、各収容孔(31)の上方にノッチ形成刃(2)を配置し、全てのノッチ形成刃(2)を、共通のエアシリンダ装置等の昇降装置によって昇降駆動させるようにしてもよい。このような構成とすれば、1工程で複数の容器のフランジ部にノッチを形成することができるので、製造効率がさらに向上し、コストが抑えられる。但し、収容孔の数を増やし過ぎると、装置そのものの大きさが大きくなるため、設置スペース等の問題が発生し、また、個別の深さ調整が困難になる。よって、収容孔の数は、4個程度までとするのが好ましい。
刃部(22)は、全体として、先端に向かって次第に細くなる略V形の横断面を有している。より詳細には、図示の刃部(22)は、その上側の刃元部分(221)の角度が、下側の刃先部分(222)の角度よりも大きくなされている。刃元部分(221)の角度は、例えば30〜90°となされ、刃先部分(222)の角度は、例えば15〜30°となされる。刃部(22)の表面全体のうち、ノッチ形成加工時に容器(5)のフランジ部(51)上面に押し付けられる部分、すなわち、フランジ部(51)上面側の溶融した樹脂と接触する部分は、通常、刃先部分(222)の表面である。刃部(22)は、太すぎる(すなわち角度が大きすぎる)と、ノッチ形成加工時に溶融してノッチ(52)の両側部分に押し出された樹脂により形成される盛上り部(53)が高くなり(図5参照)、この盛上り部(53)が蓋材(6)下面と熱融着しやすくなる。そうすると、包装体の開封時に不具合が発生するため、刃部(22)は、できるだけ細い(すなわち角度が小さい)方がよい。その反面、刃部(22)が細すぎると、ノッチ形成加工中に衝撃により欠けやすくなる。よって、これらの問題のバランスを考慮すると、刃部(22)の形状は、図3に示すものが好ましい。
刃部(22)の高さは、通常、2mm程度となされ、ノッチ形成加工時に容器(5)のフランジ部(51)上面側に侵入する深さは、60〜300μm程度となされる。従って、刃部(22)の刃先部分(222)の高さは、少なくとも0.3mm〜0.5mmあれば足りるが、好適には1mm程度となされる。
図3のノッチ形成刃(2)の場合、刃部(22)の表面全体に表面処理膜(25)が形成され、さらに、基部(21)の下面全体にも表面処理膜(25)が形成されている。
表面処理膜(25)は、少なくとも、刃部(22)の表面のうちノッチ形成加工時にフランジ部(51)上面に押し付けられる部分、すなわち、刃部(22)の刃先部分(222)の表面に形成されていれば足りる。もっとも、図3に示すように、刃部(22)の表面全体、さらには、刃部(22)に連なる基部(21)の下面全体に表面処理膜(25)が形成されることによって、ノッチ形成刃(2)の表面への溶融樹脂の付着がより確実に防止されて、クリーニング作業の負担が軽減し、また、後述する無電解メッキによる表面処理膜(25)の形成を容易に行いうる。
表面処理膜(25)は、刃部(22)の表面および基部(21)の下面に、無電解メッキを施すことにより形成されている。無電解メッキにより形成された表面処理膜(25)は、アルマイト処理による表面処理膜と比べて樹脂の離型性に優れており、また、蒸着メッキやコーティングによる表面処理膜と比べて膜厚を大きくすること(例えば10〜20μm程度)ができるので、優れた耐久性が得られ、厚みのバラツキも少なく、さらには、200℃以上の耐熱性を有するものとすることができ、硬度、耐摩耗性にも優れている。
無電解メッキは、一般的には、無電解ニッケルメッキであるが、好適には、無電解ニッケル−フッ素樹脂複合メッキが用いられ、それによって、表面潤滑性および樹脂の離型性が更に向上した表面処理膜(25)が形成される。
なお、表面処理膜(25)は、上記以外の方法、例えば、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティング、CVDダイヤモンドコーティング、窒化ケイ素コーティングによって形成することも可能である。
また、容器(5)の内容物が食品である場合、ノッチ形成刃(2)の刃部(22)の表面等に表面処理膜(25)を形成するための処理液として、食品衛生に適したもの、例えば、無電解ニッケルにフッ素樹脂を含有した処理液を使用するのが好ましい。
そのため、表面処理膜(25)が形成される刃部(22)の表面は、中心線平均粗さ(Ra)が1〜4μmであるのが好ましい。
図示の容器(5)は、複合シート(50)をカップ状に成形してなり、その上方開口周縁に水平状のフラットなフランジ部(51)を有している。
容器(5)を構成している複合シート(50)は、金属箔(501)と、金属箔(501)の一方の面に積層された熱可塑性樹脂フィルム(502)と、金属箔(501)の他方の面に積層された熱可塑性樹脂フィルム(503)とよりなる。
金属箔(501)の片面または両面には、必要に応じて、クロメート処理などの下地処理を行うことができる。
図示の熱融着性樹脂フィルム(502)は、相互に剥離しやすい2つの熱可塑性樹脂フィルム、例えば、ポリエチレン樹脂フィルム(502a)およびポリプロピレン樹脂フィルム(502b)を積層した複合フィルムよりなり、ポリプロピレン樹脂フィルム(502b)側の面が金属箔(501)に接合されている。
金属箔(501)と熱可塑性樹脂フィルム(502)との接合は、接着剤層(図示略)を介して行われる。接着剤層には、二液硬化型のポリエステル−ポリウレタン樹脂系接着剤、またはポリエーテル−ポリウレタン樹脂系接着剤が用いられる。
金属箔(501)と熱可塑性樹脂フィルム(503)との接合は、接着剤層(図示略)を介して行われる。接着剤層には、二液硬化型のポリエステル−ポリウレタン樹脂系接着剤、またはポリエーテル−ポリウレタン樹脂系接着剤が用いられる。
そうすると、図5に示すように、刃部(22)の刃先部分(222)が、フランジ部(51)上面を構成する熱可塑性樹脂フィルム(502)を部分的に溶融させながら同フィルム(502)内に入り込む。刃部(22)の侵入は、ノッチ形成刃(2)に設けられた2つのストッパー(24)の当接部材(242)が、容器保持プレート(3)上面に当接した時点で停止させられる(図1,2参照)。
以上の工程により、容器(5)のフランジ部(51)上面の適正な位置に、周方向に沿って環状にのびる横断面略V形の開封用ノッチ(52)が形成される。また、ノッチ形成加工時に溶融した樹脂が、刃先部分(222)によりノッチ(52)の両側部分に押し出されて、フランジ部(51)上面に盛上り部(53)が形成される。盛上り部(53)は、蓋材(6)下面との熱融着を避けるために、低い程よく、好適には150μm以下となされる。
図5に示すように、ノッチ(52)は、フランジ部(51)上面を構成する複合フィルム(502)の上側ポリエチレン樹脂フィルム(502a)層を貫通して下側ポリプロピレン樹脂フィルム(502b)層の上部まで達する深さを有している。つまり、ノッチ(52)により、上側ポリエチレン樹脂フィルム(502a)層が径方向に2つに分断されている。ノッチ(52)のサイズは、使用するノッチ形成刃(2)の刃部(22)のサイズおよび刃部(22)の侵入深さによって決まるが、例えば、深さ90〜240μm、角度15〜30°となされる。また、ノッチ(52)の横断面形状は、通常、左右対称な略V形となされるが、左右非対称としてもよい。
この実施形態のノッチ形成刃(2)の場合、刃部(22)の表面が、無電解ニッケル−フッ素樹脂複合メッキ等を施すことにより形成された表面処理膜(25)で覆われているため、溶融した樹脂が刃部(22)の表面に付着し難い。そのため、ノッチ形成刃(2)を使用してノッチ形成加工を繰り返し行っても、形成されるノッチ(52)の幅が大きくなって、ノッチ(52)の両側部分に形成される盛上り部(53)が高くなるおそれがない。
また、上記のノッチ形成刃(2)の場合、刃部(22)の表面のクリーニングを行う頻度が少なくなり(例えば2カ月に1回程度で足りる)、刃部のクリーニング等のメンテナンス作業の負担が少なくなる上、容器の製造効率も低下しない。
包装体(7)は、食品が収容された容器(5)のフランジ部(51)上面における開封用ノッチ(52)よりも外側部分に、蓋材(6)下面の周縁部を熱融着することにより形成されている。
蓋材(6)は、例えば、図6に示すように、金属箔(61)と、金属箔(61)の内面に積層された熱可塑性樹脂フィルム(62)とよりなる複合シート(60)によって構成される。
金属箔(61)は、蓋材(6)にバリア性等を付与するものであり、例えばアルミニウム箔、ステンレス鋼箔、銅箔、ニッケル箔等によって構成されるが、好適には、アルミニウム箔が用いられる。アルミニウム箔の場合、純アルミニウム箔、アルミニウム合金箔のいずれでもよく、また、軟質、硬質のいずれでもよいが、例えば、JIS H4160で分類されるA8021の焼鈍済の軟質材(O材)が、好適に用いられる。
蓋材(6)の最内層を構成する熱可塑性樹脂フィルム(62)は、蓋材(6)に熱融着性を付与するとともに、金属箔(61)を内容物(C)から保護する役割を担うものである。
熱可塑性樹脂フィルム(62)は、容器(5)のフランジ部(51)上面を構成する熱可塑性樹脂フィルム(502)との熱融着性に優れた熱可塑性樹脂フィルム、具体的には、例えばポリエチレン樹脂フィルムやポリプロピレン樹脂フィルムによって形成される。
熱可塑性樹脂フィルム(62)には、酸化チタン等の着色顔料、酸化防止剤、スリップ剤、耐電防止剤、安定剤等の添加剤、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、シリカ等の充填剤、消臭剤を添加しても良い。
更に、熱可塑性樹脂フィルム(62)に、内容物の保存性を付与するために、鉄粉と助剤のハロゲン化金属の混合物を酸素吸収成分として配合した酸素吸収樹脂組成物からなる酸素吸収層を設けることができる。
また、蓋材(6)は、上記複合シート(60)の金属箔(61)の外面に外側樹脂フィルム層を積層してなる3層構造の複合シートによって構成してもよい。この場合、最外層を構成する外側樹脂フィルムによって、蓋材(6)の断熱性が向上し、また、金属箔(61)の表面保護や印刷面が保護される。
外側樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルムを挙げることができる、好適には、これらの延伸フィルムが用いられる。中でも、耐熱性および強度の点で、二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム、二軸延伸ポリアミド樹脂フィルム、あるいはこれらを含む複層フィルムが好ましく、さらに、二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムと二軸延伸ポリアミド樹脂フィルムとが貼り合わされた複層フィルムを用いてもよい。ポリアミド樹脂フィルムの種類は、特に限定されるものではないが、例えば、6ナイロン樹脂フィルム、6,6ナイロン樹脂フィルム、MXDナイロン樹脂フィルム等が挙げられる。また、二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムとしては、二軸延伸ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム等が挙げられる。これらのフィルムを積層する場合、例えば、ドライラミネート法により接着剤を介して行われる。
金属箔(61)と熱可塑性樹脂フィルム(62)との接合は、接着剤層(図示略)を介して行われる。金属箔(61)に外側樹脂フィルムを接合する場合も、同様に接着剤層を介して行われる
これらの接着剤層は、例えば、ポリウレタン樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、ポリオレフィン樹脂系接着剤、エラストマー系接着剤、フッ素系接着剤等により形成される。中でも、主剤としてのポリエステル樹脂と硬化剤としての多官能イソシアネート化合物とによる二液硬化型ポリエステル−ウレタン樹脂、あるいは、ポリエーテル−ウレタン樹脂を含む接着剤を用いることが好ましい。
また、上記外側樹脂フィルム層に代えて、表面コート層により蓋材(6)の最外層を形成するようにしてもよい。表面コート層は、例えば、エポキシ樹脂、硝化綿系樹脂、エポキシメラミン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等のコート用樹脂を溶媒に溶解または分散してなる塗布剤を、金属箔(61)の表面に塗布して乾燥することにより形成される。
上記の包装体(7)によれば、容器(5)のフランジ部(51)上面におけるノッチ(52)の両側部分に形成された樹脂の盛上り部(53)が常に低く抑えられるため、容器(5)のフランジ部(51)上面に蓋材(6)下面を熱融着する際、盛上り部(53)が蓋材(6)下面に熱融着されることがなく、開封時に蓋材(6)をきれいに剥離することができる。また、上記の包装体(7)によれば、刃部(22)の表面に付着して劣化した樹脂が、刃部(22)の表面から剥がれて容器(5)内に落下し、そのまま残留するといった衛生上の問題も生じない。
図1〜図3に示す形態を有する黄銅製(JIS H3100のC2801)のノッチ形成刃を用意した。ノッチ形成刃の刃部の寸法は、全高2mm、刃元部分の高さ1mm、刃先部分の高さ1mm、刃元部分の角度60°、刃先部分の角度22°とした。刃部の表面は、中心線平均粗さ(Ra)が3μmとなるように研磨加工を行った。そして、ノッチ形成刃の刃部の表面および基部の下面に、無電解ニッケル−フッ素樹脂複合メッキを施すことにより、厚さ15μmの表面処理膜を形成した。こうして得られたノッチ形成刃を、実施例1とした。
刃部の表面および基部の下面に表面処理膜を形成していない点を除いて、実施例1と同一のノッチ形成刃を用意し、これを比較例1とした。
実施例1のノッチ形成刃および比較例1のノッチ形成刃を、図1〜図3に示すノッチ形成装置に個別にセッティングして、容器のフランジ部へのノッチ形成加工を、それぞれ8時間で計40000回行った。
加工対象の容器としては、ポリエチレン−ポリプロピレン複合樹脂フィルム、アルミニウム箔(JIS H4160のA8079H)および無延伸ポリプロピレン樹脂フィルムを順次積層してなる積層シートを、ポリエチレン−ポリプロピレン複合樹脂フィルムが容器内側となるようにカップ状に成形してなるものを使用した。
また、ノッチ形成加工は、ノッチ形成刃の刃部を電気ヒータにより200℃に加熱した状態で行った。
そして、実施例1および比較例1それぞれのノッチ形成刃を使用してノッチ形成加工を40000回行った時点で、ノッチ形成刃の刃部および容器への樹脂の付着の有無を目視により観察した。
比較例1のノッチ形成刃を使用した場合、その刃部の表面に、熱により劣化して黒褐色に焦げた状態の樹脂が付着していた。また、40000回目にノッチ形成加工を行った容器のフランジ部上面にも、黒褐色の焦げた樹脂が付着していた。したがって、比較例1のノッチ形成刃の場合、次の加工を行う前に、刃部の表面に付着した樹脂を落とすために、ワイヤーブラシでクリーニングを行う必要があった。
これに対して、実施例1のノッチ形成刃を使用した場合、その刃部の表面に樹脂は付着していなかった。また、40000回目にノッチ形成加工を行った容器にも、樹脂の付着は見られなかった。したがって、実施例1のノッチ形成刃の場合、刃部の表面を布で拭く簡単なクリーニングを行うだけで、次の加工を開始することができた。
(2):ノッチ形成刃
(21):基部
(22):刃部
(221):刃元部分
(222):刃先部分
(25):表面処理膜
(5):容器
(50):積層シート
(502):熱可塑性樹脂フィルム(熱可塑性樹脂層)
(51):フランジ部
(52):開封用ノッチ
Claims (8)
- 金属材料よりなり、ブロック状の基部と、基部の下面に環状に形成された刃部とを備えており、少なくとも片面が熱可塑性樹脂層よりなる積層シートを熱可塑性樹脂層が容器内側となるようにカップ状に成形してなりかつ開口周縁にフランジ部を有している容器のフランジ部上面に、加熱された刃部を押し付けることにより、開封用ノッチを形成する、ノッチ形成刃であって、
刃部は、
その上側の刃元部分の角度が、下側の刃先部分の角度よりも大きくなされており、
刃元部分の角度が30〜90°となされ、かつ刃先部分の角度が15〜30°となされており、
刃先部分の高さが0.3mm〜1mmであって、ノッチ形成加工時に容器のフランジ部上面側に侵入する深さ以上であることを特徴とする、
ノッチ形成刃。 - 刃部の表面のうち少なくとも刃先部分の表面に、熱可塑性樹脂の離型性を有する表面処理膜が形成されている、請求項1のノッチ形成刃。
- 表面処理膜が、刃部の表面に無電解メッキを施すことにより形成されている、請求項2のノッチ形成刃。
- 無電解メッキが、無電解ニッケル−フッ素樹脂複合メッキである、請求項3のノッチ形成刃。
- 刃部の表面の中心線平均粗さ(Ra)が1〜4μmである、請求項2〜4のいずれかのノッチ形成刃。
- 金属箔と、金属箔の一方の面に積層された第1の熱可塑性樹脂フィルムと、金属箔の他方の面に積層された第2の熱可塑性樹脂フィルムとよりなる複合シートを、第1の熱可塑性樹脂フィルムが容器内側となるようにカップ状に成形してなり、開口周縁にフランジ部を有し、かつフランジ部上面に開封用ノッチが形成されている容器の製造方法であって、
前記第1の熱可塑性樹脂フィルムが、ポリエチレン樹脂フィルムおよびポリプロピレン樹脂フィルムを積層した複合フィルムよりなるものであり、
前記第2の熱可塑性樹脂フィルムが、無延伸ポリプロピレン樹脂フィルムよりなるものであり、
前記開封用ノッチが、請求項1〜5のいずれかのノッチ形成刃によって、前記ポリエチレン樹脂フィルムおよび前記ポリプロピレン樹脂フィルムのうち前記フランジ部上面を構成する一方のフィルムを貫通して同他方のフィルムの上部まで達する深さを有するように形成されていることを特徴とする、
容器の製造方法。 - 前記金属箔と、前記第1の熱可塑性樹脂フィルムとが、接着剤層としての二液硬化型ポリエステル−ポリウレタン樹脂系接着剤またはポリエーテル−ポリウレタン樹脂系接着剤を介して接合されている、請求項6の容器の製造方法。
- 前記金属箔と、前記第2の熱可塑性樹脂フィルムとが、接着剤層としての二液硬化型ポリエステル−ポリウレタン樹脂系接着剤またはポリエーテル−ポリウレタン樹脂系接着剤を介して接合されている、請求項6又は7の容器の製造方法。
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