JP6613956B2 - 動吸振器の開発支援方法,開発支援装置及び開発支援プログラム - Google Patents
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Description
(4)また、前記第二手法では、前記剛性パラメータの下限値が、前記周波数帯において前記第一振動パワーが最大となる剛性パラメータに設定されることがより好ましい。
(6)また、前記第二手法では、前記減衰パラメータの下限値が、前記周波数帯において前記第一振動パワーが最大となる減衰パラメータに設定されることがより好ましい。
本実施形態に係る動吸振器の開発支援装置は、振動が入力される様々な構造物を制振する動吸振器を適切に設計するための設計処理を実行する装置である。また、本実施形態に係る開発支援方法および開発支援プログラムは、上述した設計処理をコンピュータに実行させる方法及びプログラムである。本実施形態の動吸振器は、ダイナミックダンパやマスダンパとも称される受動型の動吸振器であり、例えば車両に設けられた制振構造に適用される。
まず、図1を参照して、本実施形態の制振構造のモデルを説明する。この制振構造は、第一質量体1A及び第一弾性体1Bを持つ主系1と、第二質量体2A,第二弾性体2B及びダンパ2C(減衰器)を持ち受動型の動吸振器を構成する付加系2とが連結されて構成される。したがって、本実施形態のモデルは、図1に示すように、主系1と付加系2との二つの系に大別される。なお、ここでいう受動型の動吸振器とは、外力を印加することなく主系1の振動を吸収する装置(構造)である。
ここで、図1に示すモデルの数理モデル化について説明する。まず、図1の2自由度系の運動方程式は、以下の式1,2になる。
次に、振動パワーPの導出について説明する。振動パワーPとは、構造物を振動させる要因となる力(エネルギ)であり、例えば仕事率[W]で表現される。振動パワーPは、正の値であれば構造物の振動を増大させ、負の値であれば構造物の振動を抑制(吸収)する。振動パワーPは、入力をF,モビリティをMとすると、以下の式11で与えられる。なお、式11中のRe(M)はMの実部を意味する。
まず、第一手法について説明する。上記の式12より、s=λi(ただしiは虚数単位)としてダンパパワーP21を求めると、以下の式14で与えられる。ただし、式14中のλ,ω0は式15の等式に示すとおりである。なお、λは主系1の固有角周波数ω0に対する入力される振動f1の角周波数ωの割合を示す周波数比である。
次に、第二手法について説明する。上記の式13より、s=λiとして入力パワーP11を求めると、以下の式22で与えられる。なお、上記の式17の等式を用いて式22を変形すると式23となる。
ここで、式9において剛性パラメータpを無限大(p→∞)にすると、モビリティM11は以下の式24となる。
同様に、式9において減衰パラメータzを無限大(z→∞)にすると、モビリティM11は以下の式25となる。
本実施形態の開発支援装置は、上述した設計処理用のコンピュータプログラム17(開発支援プログラム)を実行可能な汎用のコンピュータによって実現される。図6は、コンピュータ10を用いて開発支援装置を構成する場合の概略構成図である。
図7は、上記のコンピュータ10がコンピュータプログラム17を実行する際の手順(開発支援方法)を示すフローチャートである。図7に示すように、ステップS1は初期設定のステップである。このステップS1では、設計処理に必要なデータ(第一質量m1,第一弾性係数k1,第二質量m2等)が用意され、あるいは外部記憶装置13や入力装置14等から入力される。
ステップS3は、上述した第二弾性係数k2及び減衰係数c2を演算するステップ(演算工程)であり、上述した演算部17bにより実施される。このステップS3では、主系1に入力される振動f1の角周波数ωが固有角周波数ω0以上の周波数帯である場合に、第一手法及び第二手法の少なくとも一方が用いられて、第二弾性係数k2及び減衰係数c2が演算される。なお、ステップS4では、これらの係数k2,c2が記憶,出力される。
(1)上述の開発支援方法,開発支援装置10及び開発支援プログラム17では、ω≧ω0の周波数帯である場合に、ダンパパワーP21を最大化する第一手法及び入力パワーP11を最小化する第二手法との少なくとも一方を用いて、付加系2の係数k2,c2が演算されることから、この周波数帯における制振性能を向上させることができる。これにより、制振構造(制振対象物)の振動を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述した開発支援方法の具体的な内容は一例であって、上述したものに限られない。例えば、付加系2の係数k2,c2の演算において、第一手法のみを用いてもよいし、第二手法を用いる場合に、剛性パラメータp及び減衰パラメータzのうちの何れか一方の下限値の設定にのみ第一手法を盛り込んでもよい。あるいは、第二手法に第一手法を盛り込まなくてもよい。すなわち、各パラメータp,zの下限値を特に設定せず、いずれのパラメータp,zもできる限り大きな値に設定してもよい。
1A 第一質量体
1B 第一弾性体
2 付加系,動吸振器
2A 第二質量体
2B 第二弾性体
2C ダンパ(減衰器)
10 コンピュータ(開発支援装置)
11 CPU
12 メモリ
13 外部記憶装置
14 入力装置
15 出力装置
16 通信装置
17 コンピュータプログラム(開発支援プログラム)
18 バス
19 記録媒体
m1 第一質量
m2 第二質量
k1 第一弾性係数
k2 第二弾性係数
c2 減衰係数
P 振動パワー
P11 入力パワー(第一振動パワー)
P21 ダンパパワー(第二振動パワー)
f1 振動,ロードノイズ
ω 振動f1の角周波数
ω0 主系1の固有角周波数
p 剛性パラメータ
p21 ω≧ω0でダンパパワーP21が最大となる剛性パラメータ
z 減衰パラメータ
z21 ω≧ω0でダンパパワーP21が最大となる減衰パラメータ
λ 周波数比
μ 質量比
x0 静止状態の位置
x1 第一質量体の変位量
x2 第二質量体の変位量
M11,M21 伝達関数(モビリティ)
Claims (9)
- 第一質量体及び第一弾性体を持つ主系と、第二質量体,第二弾性体及び減衰器を持ち受動型の動吸振器を構成する付加系とが連結されてなる制振構造について、前記動吸振器を設計する処理をコンピュータに実行させる開発支援方法であって、
前記第一質量体に対し、前記第二弾性体及び前記減衰器を介して設けられた前記第二質量体を有する前記制振構造のモデルを構築する構築工程と、
前記主系に入力される振動の角周波数が前記主系の固有角周波数以上の周波数帯である場合に、前記付加系で消費される第一振動パワーを最大化する第一手法と前記主系に入力される第二振動パワーを最小化する第二手法との少なくとも一方を用いて、前記第二弾性体の弾性係数及び前記減衰器の減衰係数を演算する演算工程と、
を備えたことを特徴とする、動吸振器の開発支援方法。 - 前記第二手法では、前記主系と前記付加系との剛性比に関する剛性パラメータが、前記制振構造の全体的な振動が所定範囲内に収まるときの最大値に設定される
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の動吸振器の開発支援方法。 - 前記第二手法では、前記剛性パラメータの下限値が、前記周波数帯において前記第一振動パワーが最大となる剛性パラメータに設定される
ことを特徴とする、請求項3記載の動吸振器の開発支援方法。 - 前記第二手法では、前記付加系の減衰性能に関する減衰パラメータが、前記制振構造の全体的な振動が所定範囲内に収まるときの最大値に設定される
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の動吸振器の開発支援方法。 - 前記第二手法では、前記減衰パラメータの下限値が、前記周波数帯において前記第一振動パワーが最大となる減衰パラメータに設定される
ことを特徴とする、請求項5記載の動吸振器の開発支援方法。 - 前記構築工程では、前記第一質量体としてのホイールに対して、前記第二弾性体及び前記減衰器としてのサスペンション装置を介して前記第二質量体としての車体を連結したモデルを構築する
ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の動吸振器の開発支援方法。 - 第一質量体及び第一弾性体を持つ主系と、第二質量体,第二弾性体及び減衰器を持ち受動型の動吸振器を構成する付加系とが連結されてなる制振構造について、前記動吸振器を設計する処理を実行する開発支援装置であって、
前記第一質量体に対し、前記第二弾性体及び前記減衰器を介して設けられた前記第二質量体を有する前記制振構造のモデルを構築する構築部と、
前記主系に入力される振動の角周波数が前記主系の固有角周波数以上の周波数帯である場合に、前記付加系で消費される第一振動パワーを最大化する第一手法と前記主系に入力される第二振動パワーを最小化する第二手法との少なくとも一方を用いて、前記第二弾性体の弾性係数及び前記減衰器の減衰係数を演算する演算部と、
を備えたことを特徴とする、動吸振器の開発支援装置。 - 第一質量体及び第一弾性体を持つ主系と、第二質量体,第二弾性体及び減衰器を持ち受動型の動吸振器を構成する付加系とが連結されてなる制振構造について、前記動吸振器を設計する処理を実行する開発支援プログラムであって、
前記第一質量体に対し、前記第二弾性体及び前記減衰器を介して設けられた前記第二質量体を有する前記制振構造のモデルを構築する構築工程と、
前記主系に入力される振動の角周波数が前記主系の固有角周波数以上の周波数帯である場合に、前記付加系で消費される第一振動パワーを最大化する第一手法と前記主系に入力される第二振動パワーを最小化する第二手法との少なくとも一方を用いて、前記第二弾性体の弾性係数及び前記減衰器の減衰係数を演算する演算工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする、動吸振器の開発支援プログラム。
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JP2016035574A JP6613956B2 (ja) | 2016-02-26 | 2016-02-26 | 動吸振器の開発支援方法,開発支援装置及び開発支援プログラム |
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