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JP6613956B2 - 動吸振器の開発支援方法,開発支援装置及び開発支援プログラム - Google Patents

動吸振器の開発支援方法,開発支援装置及び開発支援プログラム Download PDF

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JP6613956B2 JP2016035574A JP2016035574A JP6613956B2 JP 6613956 B2 JP6613956 B2 JP 6613956B2 JP 2016035574 A JP2016035574 A JP 2016035574A JP 2016035574 A JP2016035574 A JP 2016035574A JP 6613956 B2 JP6613956 B2 JP 6613956B2
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Description

本発明は、制振構造に適用される動吸振器を適切に設計するための開発支援方法,開発支援装置及び開発支援プログラムに関する。
動吸振器は、振動を抑制したい構造物(例えば建物,機械,車両,船舶など)に対し、弾性体や減衰器(ダンパ)を介して付加物が連結されることで構成される(例えば特許文献1,2参照)。動吸振器の一つとして、構造物(以下「制振対象物」という)に入力された力(振動パワー)を弾性体及び減衰器と付加物とからなる付加系によって吸収する受動型の動吸振器が知られている。受動型の動吸振器では、制振用の動力を外部から印加することなく制振対象物(主系)が制振されることから、装置構成や制御構成を簡素化することができる。
一般的に、受動型の動吸振器を設計する場合には、主系における制振対象物の質量及び剛性を測定し、他の要件から付加系における付加物の質量を決定する。そして、これら二つの質量の比から、従来の設計手法(例えば定点理論や最小分散規範など)に基づいて伝達関数を演算することで、振動入力時における主系及び付加系の挙動に関するパラメータを決定する。ここで決定されるパラメータには、付加系における付加物の質量,弾性係数,減衰係数などが含まれる。
特開2011−144605号公報 特開2006−077812号公報
ところで、上述した定点理論は、制振対象物に入力された力(振動パワー)によって発生した振動が全ての周波数帯(角周波数域)で小さくなるように、付加系の弾性係数や減衰係数等を決定する手法である。つまり、この手法では、制振対象物に振動が発生してからその振動を減衰,抑制するため、振動の発生自体を抑制することは困難である。また、振動がある特定の周波数帯である場合には、その周波数帯での制振性能に着目して設計,開発する方が効率的な場合がある。
本件は、このような課題に鑑み案出されたもので、特定の周波数帯における制振性能を向上させて、制振対象物(構造物)の振動を抑制することができるようにした動吸振器の開発支援方法,開発支援装置及び開発支援プログラムを提供することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的である。
(1)ここで開示する動吸振器の開発支援方法は、第一質量体及び第一弾性体を持つ主系と、第二質量体,第二弾性体及び減衰器を持ち受動型の動吸振器を構成する付加系とが連結されてなる制振構造について、前記動吸振器を設計する処理をコンピュータに実行させる開発支援方法であって、前記第一質量体に対し、前記第二弾性体及び前記減衰器を介して設けられた前記第二質量体を有する前記制振構造のモデルを構築する構築工程と、前記主系に入力される振動の角周波数が前記主系の固有角周波数以上の周波数帯である場合に、前記付加系で消費される第一振動パワーを最大化する第一手法と前記主系に入力される第二振動パワーを最小化する第二手法との少なくとも一方を用いて、前記第二弾性体の弾性係数及び前記減衰器の減衰係数を演算する演算工程と、を備えている。
(2)前記第一手法では、前記周波数帯において前記第一振動パワーが最大となる剛性パラメータ及び減衰パラメータが、以下の式A及び式Bで示すように前記第一質量体と前記第二質量体との質量比の関数として与えられることが好ましい。
Figure 0006613956
(3)前記第二手法では、前記主系と前記付加系との剛性比に関する剛性パラメータが、前記制振構造の全体的な振動が所定範囲内に収まるときの最大値に設定されることが好ましい。
(4)また、前記第二手法では、前記剛性パラメータの下限値が、前記周波数帯において前記第一振動パワーが最大となる剛性パラメータに設定されることがより好ましい。
(5)前記第二手法では、前記付加系の減衰性能に関する減衰パラメータが、前記制振構造の全体的な振動が所定範囲内に収まるときの最大値に設定されることが好ましい。
(6)また、前記第二手法では、前記減衰パラメータの下限値が、前記周波数帯において前記第一振動パワーが最大となる減衰パラメータに設定されることがより好ましい。
(7)前記構築工程では、前記第一質量体としてのホイールに対して、前記第二弾性体及び前記減衰器としてのサスペンション装置を介して前記第二質量体としての車体を連結したモデルを構築することが好ましい。この場合、前記主系に入力される前記振動は、路面から伝達されるロードノイズとなる。
(8)ここで開示する動吸振器の開発支援装置は、第一質量体及び第一弾性体を持つ主系と、第二質量体,第二弾性体及び減衰器を持ち受動型の動吸振器を構成する付加系とが連結されてなる制振構造について、前記動吸振器を設計する処理を実行する開発支援装置であって、前記第一質量体に対し、前記第二弾性体及び前記減衰器を介して設けられた前記第二質量体を有する前記制振構造のモデルを構築する構築部と、前記主系に入力される振動の角周波数が前記主系の固有角周波数以上の周波数帯である場合に、前記付加系で消費される第一振動パワーを最大化する第一手法と前記主系に入力される第二振動パワーを最小化する第二手法との少なくとも一方を用いて、前記第二弾性体の弾性係数及び前記減衰器の減衰係数を演算する演算部と、を備えている。
(9)ここで開示する動吸振器の開発支援プログラムは、第一質量体及び第一弾性体を持つ主系と、第二質量体,第二弾性体及び減衰器を持ち受動型の動吸振器を構成する付加系とが連結されてなる制振構造について、前記動吸振器を設計する処理を実行する開発支援プログラムであって、前記第一質量体に対し、前記第二弾性体及び前記減衰器を介して設けられた前記第二質量体を有する前記制振構造のモデルを構築する構築工程と、前記主系に入力される振動の角周波数が前記主系の固有角周波数以上の周波数帯である場合に、前記付加系で消費される第一振動パワーを最大化する第一手法と前記主系に入力される第二振動パワーを最小化する第二手法との少なくとも一方を用いて、前記第二弾性体の弾性係数及び前記減衰器の減衰係数を演算する演算工程と、をコンピュータに実行させる。
開示の開発支援方法,開発支援装置及び開発支援プログラムで設計された動吸振器によれば、制振構造(制振対象物)の振動を抑制することができる。つまり、主系の固有角周波数以上の周波数帯における制振性能を向上させた動吸振器を設計,開発することができる。
実施形態に係る動吸振器を備えた制振構造のモデルを示す模式図である。 第一手法を用いた場合の二つの振動パワーを示すグラフである。 第一手法による制振性能を従来手法と比較して示すグラフである。 第二手法を用いた場合の二つの振動パワーを示すグラフである。 第一,第二手法による制振性能を従来手法と比較して示すグラフである。 実施形態に係る開発支援装置を示すブロック図である。 実施形態に係る開発支援方法の手順を例示するフローチャートである。
図面を参照して、実施形態としての動吸振器の開発支援装置,開発支援方法および開発支援プログラムを説明する。以下に示す実施形態はあくまで例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
[1.概要]
本実施形態に係る動吸振器の開発支援装置は、振動が入力される様々な構造物を制振する動吸振器を適切に設計するための設計処理を実行する装置である。また、本実施形態に係る開発支援方法および開発支援プログラムは、上述した設計処理をコンピュータに実行させる方法及びプログラムである。本実施形態の動吸振器は、ダイナミックダンパやマスダンパとも称される受動型の動吸振器であり、例えば車両に設けられた制振構造に適用される。
[1−1.制振構造のモデル]
まず、図1を参照して、本実施形態の制振構造のモデルを説明する。この制振構造は、第一質量体1A及び第一弾性体1Bを持つ主系1と、第二質量体2A,第二弾性体2B及びダンパ2C(減衰器)を持ち受動型の動吸振器を構成する付加系2とが連結されて構成される。したがって、本実施形態のモデルは、図1に示すように、主系1と付加系2との二つの系に大別される。なお、ここでいう受動型の動吸振器とは、外力を印加することなく主系1の振動を吸収する装置(構造)である。
主系1の第一弾性体1Bは、その一端が第一質量体1Aに固定され、その他端が固定端Eに接触(支持)されている。また、付加系2の第二弾性体2B及びダンパ2Cは並列に設けられ、各一端が第二質量体2Aに固定され、各他端が第一質量体1Aに固定されている。すなわち、本制振構造のモデルは、第一質量体1Aに対し、第二弾性体2B及びダンパ2Cを介して設けられた第二質量体2Aを有している。
以下、第一質量体1Aの質量を「第一質量m1」とし、第一弾性体1Bの弾性係数を「第一弾性係数k1」とする。また、第二質量体2Aの質量を「第二質量m2」とし、第二弾性体2Bの弾性係数を「第二弾性係数k2」とし、ダンパ2Cの減衰係数を「減衰係数c2」とする。なお、本実施形態の設計処理では、第一質量体1A及び第二質量体2Aをいずれも剛体とみなし、第一弾性体1Bの第一弾性係数k1を主系1の剛性とみなす。また、第一弾性体1B,第二弾性体2B及びダンパ2Cの質量をいずれも無視し、第一質量体1Aの第一質量m1を主系1の質量とみなすとともに、第二質量体2Aの第二質量m2を付加系2の質量とみなす。
本実施形態の設計処理では、図1に示すように、主系1(第一質量体1A)に振動f1(「加振力」とも称される)が入力されるモデルを構築する。振動f1が入力されると、二つの質量体1A,2Aはいずれも変位する。具体的には、振動f1の入力時には、第一質量体1Aが静止状態(平衡状態)の位置x0に対して距離x1だけ変位し、同様に、第二質量体2Aが静止状態の位置x0に対して距離x2だけ変位する。このように、本設計処理では、主系1の第一質量体1Aと付加系2の第二質量体2Aとのそれぞれが変位するダンパ付きの2自由度系のモデルが構築される。
本設計処理では、主系1及び付加系2の振動を共に抑制しうる付加系2の第二弾性係数k2及び減衰係数c2を設計する。なお、主系1の第一質量m1,第一弾性係数k1及び付加系2の第二質量m2は本設計処理の前段階において設定されている。また、本設計処理では、主系1に入力される振動f1の角周波数ωが、主系1の固有角周波数ω0以上の高周波数帯(ω≧ω0)である場合について検討する。
[1−2.2自由度系の運動方程式]
ここで、図1に示すモデルの数理モデル化について説明する。まず、図1の2自由度系の運動方程式は、以下の式1,2になる。
Figure 0006613956
これらの式を無次元化すると、式3,4になる。ただし、これらの式におけるμ,z,p2などの関数は、等式5に示すとおりである。なお、μは第一質量体1Aと第二質量体2Aとの質量比を表すパラメータであり、zは付加系2の減衰性能に関するパラメータであり、pは主系1と付加系2との剛性比に関するパラメータである。以下、それぞれを「質量比μ」,「減衰パラメータz」,「剛性パラメータp」と呼ぶ。
Figure 0006613956
上記の式3,4の各両辺をラプラス変換し、行列形式で表したものが式6である。さらに、この式6を解いたものが式7である。ただし、式7のデルタΔは、等式8に示すとおりである。
Figure 0006613956
式7より、式9,10に示す伝達関数(モビリティ)が得られる。これらの伝達関数は、周波数が複素表現された複素数sの応答関数である。
Figure 0006613956
[1−3.振動パワーの導出]
次に、振動パワーPの導出について説明する。振動パワーPとは、構造物を振動させる要因となる力(エネルギ)であり、例えば仕事率[W]で表現される。振動パワーPは、正の値であれば構造物の振動を増大させ、負の値であれば構造物の振動を抑制(吸収)する。振動パワーPは、入力をF,モビリティをMとすると、以下の式11で与えられる。なお、式11中のRe(M)はMの実部を意味する。
Figure 0006613956
したがって、図1に示す2自由度系において、付加系2で消費される振動パワーP21(第一振動パワー、以下「ダンパパワーP21」という)は、式6,7より、以下の式12となる。また、主系1に入力される振動パワーP11(第二振動パワー、以下「入力パワーP11」という)は、式5,7より、以下の式13となる。ダンパパワーP21は、おもに第二弾性体2Bによって吸収,消費される振動パワーであることから0以下の値(P21≦0)となり、入力パワーP11は、主系1に入力される振動パワーであることから0以上の値(P11≧0)となる。
Figure 0006613956
本実施形態の設計処理では、主系1に対して振動f1(ω≧ω0)が入力された場合に、次の二つの方法の少なくとも一方を用いて、主系1及び付加系2を共に制振させることを目的とする。第一手法は、付加系2で消費されるダンパパワーP21を最大化する方法である。すなわちこの方法では、負の値であるダンパパワーP21の絶対値をできる限り大きくする。一方、第二手法は、主系1に入力される入力パワーP11を最小化する方法である。すなわちこの方法では、正の値である入力パワーP11の絶対値をできる限り小さくする。
[1−4.第一手法:ダンパパワーP21の最大化]
まず、第一手法について説明する。上記の式12より、s=λi(ただしiは虚数単位)としてダンパパワーP21を求めると、以下の式14で与えられる。ただし、式14中のλ,ω0は式15の等式に示すとおりである。なお、λは主系1の固有角周波数ω0に対する入力される振動f1の角周波数ωの割合を示す周波数比である。
Figure 0006613956
さらに、式14を式17に示す各等式を用いて変形すると、以下の式16となる。
Figure 0006613956
上記の式16における振動パワーP21を負の値にするとともにその絶対値を最大化することで、付加系2で消費されるダンパパワーP21が最大となり、主系1及び付加系2の振動を抑制することが可能となる。ω≧ω0(すなわちL≧1)の周波数帯では、相加平均と相乗平均との関係に基づいて以下の式18が得られる。ただし、a≧0,c≧0である。
Figure 0006613956
したがって、a=0,c=0のときにダンパパワーP21が最大となる。このとき(a=0,c=0のとき)のダンパパワーP21は以下の式19で表される。
Figure 0006613956
この式19によれば、ω≧ω0(すなわちL≧1)の周波数帯でダンパパワーP21は負の値になることがわかる。このことは、この周波数帯(ω≧ω0)においてダンパパワーP21が最大となる周波数比λが存在することを意味する。すなわち、a=0,c=0のときにω≧ω0の周波数帯でダンパパワーP21が最大化される。このとき(a=0,c=0のとき)の剛性パラメータp21及び減衰パラメータz21は、式17のa,cに関する等式から以下の式20,21で与えられる。
Figure 0006613956
したがって、第一手法では、ω≧ω0の周波数帯においてダンパパワーP21が最大となる剛性パラメータp21及び減衰パラメータz21が、上記の式20,21で示すように質量比μの関数として与えられる。つまり、第一手法を用いて主系1及び付加系2を共に制振させる場合には、第一質量体1A及び第二質量体2Aの質量比μを式20,21にそれぞれ代入して、ダンパパワーP21が最大となる剛性パラメータp21及び減衰パラメータz21を算出する。そして、算出されたパラメータp21,z21を式5に示すp,zに関する等式に代入することで、付加系2の第二弾性係数k2及び減衰係数c2を演算,設計する。
ここで、図2,3を用いて、第一手法により設計した付加系2(k2,c2)を主系1に対して設けたモデルの制振性能を評価する。図2は、横軸に周波数比λをとり、縦軸に振動パワーをとったグラフであり、第一手法を用いた場合のダンパパワーP21,入力パワーP11をそれぞれ実線,破線で示す。一方、図3は、横軸に周波数比λをとり、縦軸にコンプライアンス(制振性能,全体的な振動)をとったグラフであり、第一手法により付加系2を設計した場合の制振性能を実線で示し、従来の定点理論により付加系を設計した場合の制振性能を破線で示す。なお、これらの図では、質量比μを0.5として計算している。
図2によれば、第一手法を用いることで、周波数比λが1以上の周波数帯(すなわちω≧ω0)において、ダンパパワーP21が負の値になるとともに最小値(絶対値が最大値)をとることがわかる。また、これに伴って入力パワーP11も小さくなっている。さらに、図3によれば、周波数比λが1以上の周波数帯(ω≧ω0)では、第一手法で設計した場合の方が従来手法と比べて、制振性能が向上していることがわかる。つまり、上記の式20,21から付加系2を設計することで、ダンパパワーP21を最大化でき、主系1及び付加系2の振動を抑制することが可能となる。
[1−5.第二手法:入力パワーP11の最小化]
次に、第二手法について説明する。上記の式13より、s=λiとして入力パワーP11を求めると、以下の式22で与えられる。なお、上記の式17の等式を用いて式22を変形すると式23となる。
Figure 0006613956
上記の式22,23によれば、入力パワーP11は正の値となる。
ここで、式9において剛性パラメータpを無限大(p→∞)にすると、モビリティM11は以下の式24となる。
Figure 0006613956
したがって、s=λiとすると、式13より式24の実部は0であることから、入力パワーP11は「P11→0」となる。
同様に、式9において減衰パラメータzを無限大(z→∞)にすると、モビリティM11は以下の式25となる。
Figure 0006613956
したがってこの場合も、s=λiとすると、式13より式25の実部は0であることから、入力パワーP11は「P11→0」となる。つまり、剛性パラメータpを無限大に設定するか、あるいは減衰パラメータzを無限大に設定することで、入力パワーP11が最小化(すなわち略0に)される。
ここで、パラメータp,zを無限大に設計した場合の入力パワーP11及びダンパパワーP21を図4に示す。図4は図2に対応するグラフである。図4によれば、入力パワーP11が0近傍の値になっていることがわかる。また、これに伴ってダンパパワーP21も同じく0近傍の値になっている。つまり、入力パワーP11を最小化(すなわち略0)にするためには、二つのパラメータp,zの少なくとも一方を無限大に設定すればよいことがわかる。
剛性パラメータpを無限大に設定することは、付加系2の第二弾性係数k2を無限大に設定することを意味し、このことは、第一質量体1Aと第二質量体2Aとを一体で振動させることに相当する。言い換えると、剛性パラメータpを無限大に設定すると、主系1の第一質量m1を付加系2の第二質量m2の分だけ増大させることとなるため、振動f1が入力されたときの全体的な振動を抑制することが可能となる。また、減衰パラメータzを無限大に設定することは、付加系2の減衰係数c2を無限大に設定することを意味する。言い換えると、減衰パラメータzを無限大に設定すると、入力された振動f1をほぼ全て吸収することができ、全体的な振動を抑制することが可能となる。
しかしながら、実際の設計では、パラメータp,zを無限大にする(すなわちk2,c2を無限大にする)ことはできない。そのため、実際には、主系1及び付加系2(制振構造)の全体的な振動が所定範囲内に収まるか否かを考慮してパラメータp,zの少なくとも一方をできる限り大きな値に設定する。この所定範囲は、例えば体性感覚に基づいて設定される。体性感覚とは、人間が感じる触覚や圧覚などの表面感覚(皮膚感覚)と運動感覚や深部痛などの深部感覚とを合わせた感覚であり、例えば、車両を運転するドライバが、路面から伝わってくる振動を感じる感覚や、エンジンやサスペンション装置等の車載機器から伝わってくる振動を感じる感覚がこれに該当する。体性感覚に基づいて設定される所定範囲としては、例えば「ドライバが感じる振動を不快と思わない範囲」が挙げられる。このように体性感覚に基づく場合には、官能評価(官能検査)やシミュレーション等を実施することで所定範囲を設定可能である。また、上記の所定範囲を、第二弾性体2Bやダンパ2Cに要求される性能(例えば弾性性能,減衰性能,安全性,信頼性など)等に基づいて設定してもよい。
つまり、第二手法では、二つのパラメータp,zの少なくとも一方が、制振構造の全体的な振動(第二弾性体2B及びダンパ2Cで制振されたのちの振動)を所定範囲内に収めながらできる限り大きな値に設定される。言い換えると、第二手法を用いて主系1及び付加系2を共に制振させる場合には、パラメータp,zの少なくとも一方を、全体的な振動が所定範囲内に収まるときの最大値に設定する。パラメータp,zを大きな値に設定すればするほど、入力パワーP11を0に近付けることができる。
また、上述した第二手法に対し、上述した第一手法を盛り込むことも可能である。具体的には、剛性パラメータp及び減衰パラメータzの各下限値を、ω≧ω0の周波数帯においてダンパパワーP21が最大となる剛性パラメータp21,減衰パラメータz21に設定する。つまり、第一手法を盛り込んだ第二手法では、全体的な振動を考慮しながら、剛性パラメータpが式20で与えられる剛性パラメータp21以上の値に設定されるとともに、減衰パラメータzが式21で与えられる減衰パラメータz21以上に設定される。
このような第二手法を用いて主系1及び付加系2を共に制振させる場合には、例えば、減衰パラメータzを式21で与え(すなわちz=z21に設定し)、剛性パラメータpを全体的な振動を考慮してp≧p21に設定する。あるいは、剛性パラメータpを式20で与え(すなわちp=p21に設定し)、減衰パラメータzを全体的な振動を考慮してz≧z21に設定する。そして、設定されたパラメータp,zを式5に示すp,zに関する等式に代入することで、付加系2の第二弾性係数k2及び減衰係数c2を演算,設計する。
ここで、第一手法を盛り込んだ第二手法によって付加系2を設計した場合の制振性能を図5中に太実線で示す。なお、図5は図3のグラフに対して太実線で追加したグラフである。図5によれば、周波数比λが1以上の周波数帯(ω≧ω0)では、第一手法を盛り込んだ第二手法で設定した場合の方が、第一手法のみの場合に比べて制振性能がより向上していることがわかる。つまり、上記の式20,式21で与えられるパラメータp21,z21の何れか一方を下限値としつつ、もう一方のパラメータp,zを全体的な振動を考慮して設定し、付加系2を設計すれば、ダンパパワーP21を最大化しながら入力パワーP11を最小化することができ、主系1及び付加系2の振動をより効果的に抑制することが可能となる。
[2.装置構成]
本実施形態の開発支援装置は、上述した設計処理用のコンピュータプログラム17(開発支援プログラム)を実行可能な汎用のコンピュータによって実現される。図6は、コンピュータ10を用いて開発支援装置を構成する場合の概略構成図である。
コンピュータ10(開発支援装置)は、CPU11(Central Processing Unit),メモリ12〔Read Only Memory(ROM),Random Access Memory(RAM)等〕,外部記憶装置13〔Hard Disk Drive(HDD),Solid State Drive(SSD),光学ドライブ,フラッシュメモリ,リーダライター等〕,入力装置14(キーボード,マウス等),出力装置15(ディスプレイ,プリンター装置等)および通信装置16(無線または有線の送受信装置)を備える。これらは、コンピュータ10の内部に設けられたバス18(制御バス,データバス等)を介して互いに通信可能に接続される。コンピュータプログラム17は、外部記憶装置13にインストールされる。
なお、光学ドライブ,フラッシュメモリ,リーダライター等で読み取り可能な記録媒体19にコンピュータプログラム17を記録しておいてもよい。あるいは、コンピュータ10が接続可能なネットワーク上のオンラインストレージにコンピュータプログラム17を記録しておいてもよい。いずれにしても、コンピュータプログラム17をコンピュータ10のHDD,SSD等にダウンロードすることで、あるいはCPU11,メモリ12に読み込むことで実行可能となる。
本実施形態のCPU11は、外部記憶装置13にインストールされたプログラムをメモリ12上に読み込んで実行し、計算結果を出力装置15に出力する。設計処理に必要なデータは、入力装置14からの入力に基づいて、あるいは予め与えられた値として設定される。設計処理に必要なデータには、主系1の第一質量m1及び第一弾性係数k1と、付加系2の第二質量m2とが含まれる。なお、モデル化に際し各質量体1A,2Aの形状等のデータが必要な場合には、汎用の三次元CAD(Computer Aided Design)ソフトウェアで作成されたデータがコンピュータプログラム17に流用することによって、あるいは入力装置14からの入力によって設定される。
上述した設計処理を実施するコンピュータプログラム17の機能を図6中に模式的に示す。このコンピュータプログラム17には、構築部17a及び演算部17bが設けられる。なお、これらの各要素は、電子回路(ハードウェア)によって実現してもよく、あるいはこれらの機能のうちの一部をハードウェアとして設け、他部をソフトウェアとしたものであってもよい。
構築部17aは、上述した制振構造のモデルを構築するものである。また、演算部17bは、主系1に入力される振動f1の角周波数ωが固有角周波数ω0以上の周波数帯である場合に、上述した第一手法及び第二手法の少なくとも一方を用いて、付加系2の第二弾性係数k2及び減衰係数c2を演算するものである。
本実施形態では、車両に設けられた制振構造のモデルを例に挙げて説明する。本実施形態の構築部17aは、第一質量体1Aとしてのホイールに対して、第二弾性体2B及びダンパ2Cとしてのサスペンション装置を介して第二質量体2Aとしての車体を連結したモデルを構築する。すなわち、本実施形態のモデルは、主系1がホイール(第一質量体1A)及びタイヤ(第一弾性体1B)を有し、付加系2が車体(第二質量体2A),サスペンションスプリング(第二弾性体2B)及びショックアブソーバ(ダンパ2C)を有する。なお、固定端Eは路面であり、振動f1はロードノイズである。ロードノイズf1の角周波数ωは、主系1の固有角周波数ω0よりも高い高周波数帯である(ω>ω0)。
本実施形態の演算部17bは、ホイールを含んだ主系1に対してロードノイズf1が入力された場合に、サスペンション装置で消費されるダンパパワーP21を最大化する第一手法と、主系1に入力される入力パワーP11を最小化する第二手法とを共に用いることで、主系1及び付加系2を共に制振させることを目的とする。つまり、第一手法が盛り込まれた第二手法を用いてホイール及びタイヤ(主系1)を制振させることで、車体(付加系2の第二質量体2A)の振動をも抑制する。
演算部17bは、まず、上記の式20,21に質量比μを代入して、ω≧ω0の周波数帯においてダンパパワーP21が最大となる剛性パラメータp21及び減衰パラメータz21を演算する。次いで、演算した二つのパラメータp21,z21を下限値として、剛性パラメータp,減衰パラメータzの少なくとも一方を、全体的な振動が所定範囲内に収まるときの最大値に設定する。例えば、剛性パラメータpを、車体に伝わる振動を所定範囲内に収めつつできる限り大きな値に設定し、減衰パラメータzを演算した減衰パラメータz21に設定する。そして、設定したパラメータp,zを式5に示すp,zに関する等式に代入することで、付加系2の第二弾性係数k2及び減衰係数c2を演算,設計する。なお、演算部17bにより設計された各係数k2,c2は、外部記憶装置13内に記憶され、出力装置15により出力される。
[3.フローチャート]
図7は、上記のコンピュータ10がコンピュータプログラム17を実行する際の手順(開発支援方法)を示すフローチャートである。図7に示すように、ステップS1は初期設定のステップである。このステップS1では、設計処理に必要なデータ(第一質量m1,第一弾性係数k1,第二質量m2等)が用意され、あるいは外部記憶装置13や入力装置14等から入力される。
ステップS2は、上述した制振構造のモデルを構築するステップ(構築工程)であり、上述した構築部17aにより実施される。このステップS2では、第一質量体1Aに対し、第二弾性体2B及びダンパ2Cを介して設けられた第二質量体2Aを有する制振構造のモデルが構築される。
ステップS3は、上述した第二弾性係数k2及び減衰係数c2を演算するステップ(演算工程)であり、上述した演算部17bにより実施される。このステップS3では、主系1に入力される振動f1の角周波数ωが固有角周波数ω0以上の周波数帯である場合に、第一手法及び第二手法の少なくとも一方が用いられて、第二弾性係数k2及び減衰係数c2が演算される。なお、ステップS4では、これらの係数k2,c2が記憶,出力される。
[4.効果]
(1)上述の開発支援方法,開発支援装置10及び開発支援プログラム17では、ω≧ω0の周波数帯である場合に、ダンパパワーP21を最大化する第一手法及び入力パワーP11を最小化する第二手法との少なくとも一方を用いて、付加系2の係数k2,c2が演算されることから、この周波数帯における制振性能を向上させることができる。これにより、制振構造(制振対象物)の振動を抑制することができる。
さらに、付加系2で消費されるダンパパワーP21を最大化するか、主系1に入力される入力パワーP11を最小化するか、あるいはこれらを組み合わせることで、付加系2の係数k2,c2が設計されるため、発生しうる振動を抑制することができる。すなわち、本開発支援方法,装置10及びプログラム17によれば、振動パワーPに対して直接的に対処するため、図3,5から明らかなように、制振構造に振動が発生してからその振動を抑制するという従来の手法(定点理論)に比べて全体的な振動(機械的コンプライアンス)を低減することができ、全体的な振動を効果的に抑制することができる。
(2)上述した第一手法では、上記の式20,21に示すように、ω≧ω0の周波数帯でダンパパワーP21が最大となる剛性パラメータp21,減衰パラメータz21が質量比μの関数として与えられる。このため、質量比μ(=m2/m1)を決定すれば、ダンパパワーP21が最大となる剛性パラメータp21及び減衰パラメータz21を決めることができる。これにより、上記の周波数帯においてダンパパワーP21が最大となる付加系2の係数k2,c2を簡単に設計することができ、この周波数帯での制振性能を向上させることができる。
(3)上述した第二手法によれば、剛性パラメータpを、全体的な振動が所定範囲内に収まるときの最大値に設定するため、入力パワーP11をできる限り小さくすることができる。つまり、第二手法では、振動源となる振動f1の入力パワーP11自体を小さくすることができるため、制振構造の振動を抑制することができる。また、減衰パラメータzを、全体的な振動が所定範囲内に収まると最大値に設定することによっても、入力パワーP11をできる限り小さくすることができるため、制振構造の振動を抑制することができる。なお、これらの場合に、所定範囲を体性感覚に基づいて設定することで、実際に人間が感じる感覚をも考慮して剛性パラメータpを設定することができる。
(4)さらに、上述した第二手法では、剛性パラメータpの下限値が、ω≧ω0の周波数帯においてダンパパワーP21が最大となる剛性パラメータp21(すなわち式20で与えられるp21)に設定される。このように、第二手法に第一手法の一部を盛り込むことで、制振性能をより高めることができ、より効果的に振動を抑制することができる。また、減衰パラメータzの下限値を、ω≧ω0の周波数帯においてダンパパワーP21が最大となる減衰パラメータz21(すなわち式21で与えられるz21)に設定することによっても、制振性能をより高めることができ、より効果的に振動を抑制することができる。
(5)本実施形態で例示したように、第一質量体1Aとしてのホイールに対して、第二弾性体2B及びダンパ2Cとしてのサスペンション装置を介して第二質量体2Aとしての車体を連結したモデルを構築した場合には、路面からロードノイズf1が入力されたとしても、主系1及び付加系2を共に制振させることができるため、車体の振動を抑制することができる。
[5.その他]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述した開発支援方法の具体的な内容は一例であって、上述したものに限られない。例えば、付加系2の係数k2,c2の演算において、第一手法のみを用いてもよいし、第二手法を用いる場合に、剛性パラメータp及び減衰パラメータzのうちの何れか一方の下限値の設定にのみ第一手法を盛り込んでもよい。あるいは、第二手法に第一手法を盛り込まなくてもよい。すなわち、各パラメータp,zの下限値を特に設定せず、いずれのパラメータp,zもできる限り大きな値に設定してもよい。
なお、上述した制振構造(ホイール,車体等)は一例であって、制振構造は車両に適用されるものに限られない。少なくとも、第一質量体1Aに対し、第二弾性体2B及びダンパ2Cを介して設けられた第二質量体2Aを有する制振構造であれば、本設計処理によって、主系1の固有角周波数ω0以上の角周波数ωを持つ振動f1が入力された場合に主系1及び付加系2の振動を抑制することができる。
1 主系
1A 第一質量体
1B 第一弾性体
2 付加系,動吸振器
2A 第二質量体
2B 第二弾性体
2C ダンパ(減衰器)
10 コンピュータ(開発支援装置)
11 CPU
12 メモリ
13 外部記憶装置
14 入力装置
15 出力装置
16 通信装置
17 コンピュータプログラム(開発支援プログラム)
18 バス
19 記録媒体
1 第一質量
2 第二質量
1 第一弾性係数
2 第二弾性係数
2 減衰係数
P 振動パワー
11 入力パワー(第一振動パワー)
21 ダンパパワー(第二振動パワー)
1 振動,ロードノイズ
ω 振動f1の角周波数
ω0 主系1の固有角周波数
p 剛性パラメータ
21 ω≧ω0でダンパパワーP21が最大となる剛性パラメータ
z 減衰パラメータ
21 ω≧ω0でダンパパワーP21が最大となる減衰パラメータ
λ 周波数比
μ 質量比
0 静止状態の位置
1 第一質量体の変位量
2 第二質量体の変位量
11,M21 伝達関数(モビリティ)

Claims (9)

  1. 第一質量体及び第一弾性体を持つ主系と、第二質量体,第二弾性体及び減衰器を持ち受動型の動吸振器を構成する付加系とが連結されてなる制振構造について、前記動吸振器を設計する処理をコンピュータに実行させる開発支援方法であって、
    前記第一質量体に対し、前記第二弾性体及び前記減衰器を介して設けられた前記第二質量体を有する前記制振構造のモデルを構築する構築工程と、
    前記主系に入力される振動の角周波数が前記主系の固有角周波数以上の周波数帯である場合に、前記付加系で消費される第一振動パワーを最大化する第一手法と前記主系に入力される第二振動パワーを最小化する第二手法との少なくとも一方を用いて、前記第二弾性体の弾性係数及び前記減衰器の減衰係数を演算する演算工程と、
    を備えたことを特徴とする、動吸振器の開発支援方法。
  2. 前記第一手法では、前記周波数帯において前記第一振動パワーが最大となる剛性パラメータ及び減衰パラメータが、以下の式A及び式Bで示すように前記第一質量体と前記第二質量体との質量比の関数として与えられる
    ことを特徴とする、請求項1記載の動吸振器の開発支援方法。
    Figure 0006613956
  3. 前記第二手法では、前記主系と前記付加系との剛性比に関する剛性パラメータが、前記制振構造の全体的な振動が所定範囲内に収まるときの最大値に設定される
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の動吸振器の開発支援方法。
  4. 前記第二手法では、前記剛性パラメータの下限値が、前記周波数帯において前記第一振動パワーが最大となる剛性パラメータに設定される
    ことを特徴とする、請求項3記載の動吸振器の開発支援方法。
  5. 前記第二手法では、前記付加系の減衰性能に関する減衰パラメータが、前記制振構造の全体的な振動が所定範囲内に収まるときの最大値に設定される
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の動吸振器の開発支援方法。
  6. 前記第二手法では、前記減衰パラメータの下限値が、前記周波数帯において前記第一振動パワーが最大となる減衰パラメータに設定される
    ことを特徴とする、請求項5記載の動吸振器の開発支援方法。
  7. 前記構築工程では、前記第一質量体としてのホイールに対して、前記第二弾性体及び前記減衰器としてのサスペンション装置を介して前記第二質量体としての車体を連結したモデルを構築する
    ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の動吸振器の開発支援方法。
  8. 第一質量体及び第一弾性体を持つ主系と、第二質量体,第二弾性体及び減衰器を持ち受動型の動吸振器を構成する付加系とが連結されてなる制振構造について、前記動吸振器を設計する処理を実行する開発支援装置であって、
    前記第一質量体に対し、前記第二弾性体及び前記減衰器を介して設けられた前記第二質量体を有する前記制振構造のモデルを構築する構築部と、
    前記主系に入力される振動の角周波数が前記主系の固有角周波数以上の周波数帯である場合に、前記付加系で消費される第一振動パワーを最大化する第一手法と前記主系に入力される第二振動パワーを最小化する第二手法との少なくとも一方を用いて、前記第二弾性体の弾性係数及び前記減衰器の減衰係数を演算する演算部と、
    を備えたことを特徴とする、動吸振器の開発支援装置。
  9. 第一質量体及び第一弾性体を持つ主系と、第二質量体,第二弾性体及び減衰器を持ち受動型の動吸振器を構成する付加系とが連結されてなる制振構造について、前記動吸振器を設計する処理を実行する開発支援プログラムであって、
    前記第一質量体に対し、前記第二弾性体及び前記減衰器を介して設けられた前記第二質量体を有する前記制振構造のモデルを構築する構築工程と、
    前記主系に入力される振動の角周波数が前記主系の固有角周波数以上の周波数帯である場合に、前記付加系で消費される第一振動パワーを最大化する第一手法と前記主系に入力される第二振動パワーを最小化する第二手法との少なくとも一方を用いて、前記第二弾性体の弾性係数及び前記減衰器の減衰係数を演算する演算工程と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする、動吸振器の開発支援プログラム。
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