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JP6601302B2 - ロックアップクラッチの制御装置 - Google Patents

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JP6601302B2
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Description

本発明は、車両用の変速機に設けられたロックアップクラッチに適用される制御装置に関する。
ロックアップクラッチ制御においては、実差回転(エンジン回転数とトルクコンバータのタービン回転数との回転数差(スリップ量))が目標差回転となるようにロックアップクラッチ油圧をフィードバック制御(以下、スリップ制御ともいう)することが行われている。
このようなロックアップクラッチ制御にあっては、減速中におけるスリップ量が目標スリップ量に至るまでの制御時間が目標時間となるようにフィードバック学習(以下、学習制御ともいう)を行っている。そして、その学習制御から得られる補正値をエンジン構成部品の作動状態に関連づけて保存することにより、ロックアップクラッチのスリップ量の補正精度を高めている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−065433号公報
ところで、ロックアップクラッチ制御においては、ロックアップクラッチのパック詰め(クラッチトルク発生の直前状態にする油圧制御)のために、制御開始時にファーストフィル及び定圧待機フェーズを実施している。
従来では、定圧待機フェーズ以降の制御については学習制御を実施しているが、定圧待機フェーズ以前のフェーズ(パック詰めフェーズ)については、学習制御は行われていない。このため、パック詰めフェーズを適正に実施できない場合があり、パック詰め後のスリップ制御への移行時にショックが発生したり、スリップ制御が収束するまでの時間が長くなる場合がある。
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、ロックアップクラッチのパック詰めフェーズにおいて学習制御を適正に行うことが可能なロックアップクラッチの制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、車両用の変速機に設けられたロックアップクラッチに適用される制御装置であって、前記ロックアップクラッチの制御開始時にファーストフィル及び定圧待機を実施して当該ロックアップクラッチのパック詰めを行うパック詰め制御手段と、所定の学習条件が成立した際に、前記パック詰め開始からパック詰まり時までのロックアップクラッチ係合時間に基づいて学習を行う学習制御手段とを備えている。そして、前記学習制御手段は、学習要否判定時間、前記学習要否判定時間よりも短い第1所定時間、及び前記学習要否判定時間よりも長い第2所定時間を用い、前記ロックアップクラッチ係合時間が前記第1所定時間よりも短い場合前記ファーストフィル実行時間を短くする補正を行うとともに、前記定圧待機の油圧を低くする補正を行い、前記ロックアップクラッチ係合時間が前記第2所定時間よりも長い場合前記ファーストフィル実行時間を長くする補正を行い、[前記第1所定時間≦前記ロックアップクラッチ係合時間<前記学習要否判定時間]である場合には、前記ファーストフィルの実行時間を補正することなく、前記定圧待機の油圧を低くする補正を行い、[前記学習要否判定時間<前記ロックアップクラッチ係合時間≦前記第2所定時間]である場合には、前記ファーストフィルの実行時間を補正することなく、前記定圧待機の油圧を高くする補正を行うことを特徴としている。
本発明によれば、パック詰めフェーズ(ファーストフィル及び定圧待機)において学習制御を実施しているので、パック詰めフェーズを適正に実施することができる。これにより、パック詰め後のスリップ制御への移行の際にショックが発生することを抑制することができるとともに、係合時間の短縮化をはかることができる。
ここで、ロックアップクラッチ制御において、ファーストフィルを動かすと制御全体への影響が大きくなる。本発明にあっては、ロックアップクラッチ係合時間が目標ロックアップクラッチ係合時間に対して大きく乖離した場合(第1所定時間よりも小さい場合または第2所定時間よりも大きい場合)のみファーストフィルを動かし(学習し)、その乖離が小さい場合には、定圧待機についてのみ調整(学習)しているので、スリップ制御(フィードバック制御)をより適正に実行することが可能になる。
本発明によれば、ロックアップクラッチのパック詰めフェーズにおいて学習制御を適正に行うことができる。
本発明を適用する多板ロックアップクラッチが搭載された車両の一例を示す概略構成図である。 図1に示す自動変速機における各クラッチ及び各ブレーキのギヤ段ごとの係合状態を示す係合表である。 油圧制御回路の回路構成図である。 図3の油圧制御回路においてロックアップOFF時の動作を示す図である。 図3の油圧制御回路においてロックアップON時の動作を示す図である。 ECU等の制御系の構成を示すブロック図である。 ロックアップクラッチ制御の一例を示すタイミングチャートである。 ファーストフィルの油圧及び実行時間と定圧待機の油圧及び実行時間とを示す図である。 ECUが実行する学習制御の一例を示すフローチャートである。 ロックアップクラッチ係合時間と、ファーストフィル及び定圧待機との関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明を適用する多板ロックアップクラッチが搭載された車両の一例について図1を参照して説明する。
この例の車両300は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型の車両であって、エンジン1、トルクコンバータ2、多板ロックアップクラッチ3、自動変速機(AT)4、デファレンシャル装置5、駆動輪(前輪)6、従動輪(後輪:図示せず)、油圧制御回路100、及び、ECU(Electronic Control Unit)200などを備えている。
これらエンジン1、トルクコンバータ2、多板ロックアップクラッチ3、自動変速機4、油圧制御回路100、及び、ECU200の各部について以下に説明する。
−エンジン−
エンジン1は、走行用の駆動力源であり、例えば多気筒ガソリンエンジンである。エンジン1の出力軸であるクランクシャフト11はトルクコンバータ2に連結されている。クランクシャフト11の回転数(エンジン回転数ne)はエンジン回転数センサ201によって検出される。
−トルクコンバータ−
トルクコンバータ2は、入力軸側のポンプインペラ21と、出力軸側のタービンランナ22と、トルク増幅機能を発現するステータ23と、ワンウェイクラッチ24とを備え、ポンプインペラ21とタービンランナ22との間で流体を介して動力伝達を行う。トルクコンバータ2には、当該トルクコンバータ2の入力側と出力側とを直結またはスリップ状態で連結する多板ロックアップクラッチ3が設けられている。トルクコンバータ2のタービンシャフト26の回転数(タービン回転数nt)はタービン回転数センサ202によって検出される。
図3に示すように、トルクコンバータ2の内部には作動油循環用のコンバータ油室25が形成されている。コンバータ油室25には、作動油を導入するためのT/C入力ポート25a及び作動油を排出するためのT/C出力ポート25bが設けられている。
−多板ロックアップクラッチ−
図3に示すように、多板ロックアップクラッチ3は、クラッチプレート(摩擦係合板)31,32、及び、それらクラッチプレート31とクラッチプレート32とを押圧可能なロックアップピストン33を備えている。クラッチプレート31はトルクコンバータ2のフロントカバー2aに固定されたクラッチハブに軸方向に摺動自在に支持されており、クラッチプレート32はタービンランナ22に接続されたクラッチハブに軸方向に摺動自在に支持されている。ロックアップピストン33は、トルクコンバータ2の内部に軸方向に摺動自在に設けられている。ロックアップピストン33の背面側(フロントカバー2aとは反対側)にロックアップ油室34が形成されている。ロックアップ油室34には、作動油を導入(油圧を導入)したり、作動油を排出したりするためのL/U入力ポート34aが設けられている。
そして、このような構造の多板ロックアップクラッチ3において、ロックアップ油室34に油圧が供給されると、クラッチプレート31とクラッチプレート32とが係合して多板ロックアップクラッチ3が係合状態(完全係合状態またはスリップ状態)になる。一方、ロックアップ油室34に油圧が供給されなくなると、リターンスプリング(図示せず)による弾性力でロックアップピストン33が解放側へ作動して多板ロックアップクラッチ3が解放状態になる。
−自動変速機−
自動変速機4は、有段式の変速機であり、複数の油圧式の摩擦係合要素及び遊星歯車装置を含んでいる。自動変速機4では、複数の摩擦係合要素が選択的に係合されることにより、複数のギヤ段(変速段)を選択的に成立させることが可能である。図1に示すように、自動変速機4の入力軸41はトルクコンバータ2のタービンシャフト26に連結されている。自動変速機4の出力ギヤ42はデファレンシャル装置5等を介して駆動輪6に連結されている。
自動変速機4は、例えば、図2に示すように、油圧式摩擦係合要素として第1クラッチC1〜第4クラッチC4、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2を含んでいる。これら4つのクラッチC1〜C4及び2つのブレーキB1,B2の係合・解放を制御することにより、前進8速のギヤ段(第1速ギヤ段「1st」、第2速「2nd」〜第8速ギヤ段「8th」)、及び、後進のギヤ段(後進ギヤ段「Rev」)が達成される。これらクラッチC1〜クラッチC4、ブレーキB1,ブレーキB2の係合または解放は油圧制御回路100によって制御される。
−油圧制御回路−
次に、油圧制御回路100について図3を参照して説明する。なお、図3にはトルクコンバータ2及び多板ロックアップクラッチ3の油圧回路構成のみを示している。
まず、この例の油圧制御回路100は、図示はしないが、オイルポンプ、プライマリレギュレータバルブ、及び、セカンダリレギュレータバルブなどを備えており、オイルポンプが発生した油圧はプライマリレギュレータバルブにより調圧されてライン圧PLが生成される。そのライン圧PLを元圧としてセカンダリレギュレータバルブによってセカンダリ圧Psecが調圧される。
図3に示す油圧制御回路100は、リニアソレノイドバルブ(SLU)101、ソレノイドバルブ(SL)102、ロックアップリレーバルブ103、及び、サーキュレーションモジュレータバルブ104(以下、Cir-MODバルブ104という)などを備えている。
リニアソレノイドバルブ(SLU)101は、ECU200からの指令(ロックアップクラッチ指示油圧)に応じて、入力ポート101aに供給されているライン圧PLを調圧した制御油圧を出力ポート101bから出力する。
ソレノイドバルブ(SL)102は、ECU200からの指令によりON制御されると信号圧を出力する。Cir-MODバルブ104は、ライン圧PLを調圧した循環モジュレータ圧(以下、Cir-MOD圧という)を出力する。
ロックアップリレーバルブ103は、ソレノイドバルブ(SL)102からの信号圧により作動して油圧の給排経路を切り替える切替バルブである。
ロックアップリレーバルブ103には、信号圧入力ポート103a、L/U圧入力ポート103b、セカンダリ圧入力ポート103c、及び、Cir-MOD圧入力ポート103dが設けられている。また、ロックアップリレーバルブ103には、L/U圧出力ポート103e、T/C圧出力ポート103f、2つの排圧入力ポート103g,103h、冷却ポート103i、及び、排出ポート103jが設けられている。
信号圧入力ポート103aはソレノイドバルブ(SL)102に接続されている。L/U圧入力ポート103bはリニアソレノイドバルブ(SLU)101の出力ポート101bに接続されている。セカンダリ圧入力ポート103cは上記セカンダリレギュレータバルブに接続されている。Cir-MOD圧入力ポート103dはCir-MODバルブ104に接続されている。L/U圧出力ポート103eは多板ロックアップクラッチ3のL/U入力ポート34aに接続されている。T/C圧出力ポート103fはトルクコンバータ2のT/C入力ポート25aに接続されている。排圧入力ポート103g,103hはトルクコンバータ2のT/C出力ポート25bに接続されている。冷却ポート103iはクーラ(図示せず)に接続されている。
そして、ロックアップリレーバルブ103は、ソレノイドバルブ(SL)102からの信号圧が信号圧入力ポート103aに入力されていないときには(ロックアップOFFの状態のときには)、スプリング132の付勢力によりスプール131が図3の上側位置(スプール131が図3中の左側に示す位置)に配置される。これにより、図4に示すように、セカンダリ圧Psecがロックアップリレーバルブ103を介してトルクコンバータ2のT/C入力ポート25a(コンバータ油室25)に供給される。また、トルクコンバータ2のコンバータ油室25を循環した作動油は、T/C出力ポート25bから出力され、ロックアップリレーバルブ103の2つの排圧入力ポート103g,103hにそれぞれ流入する。図中下側の排圧入力ポート103gに流入した作動油は冷却ポート103iからクーラに供給される。また、図中上側の排圧入力ポート103hに流入した作動油は、L/U圧出力ポート103eから多板ロックアップクラッチ3のL/U入力ポート34aに入力される。
一方、ECU200からの指令により、リニアソレノイドバルブ(SLU)101及びソレノイドバルブ(SL)102がともにONとなり、ソレノイドバルブ(SL)102からの信号圧がロックアップリレーバルブ103の信号圧入力ポート103aに入力されると(ロックアップONの状態になると)、スプール131がスプリング132の付勢力に抗して下側に移動して、図3の下側の位置(スプール131が図3中の右側に示す位置)に配置される。これにより、図5に示すように、Cir-MODバルブ104からのCir-MOD圧がロックアップリレーバルブ103を介してトルクコンバータ2のT/C入力ポート25a(コンバータ油室25)に供給される。また、トルクコンバータ2のコンバータ油室25を循環した作動油は、T/C出力ポート25bから出力され、ロックアップリレーバルブ103の図中下側の排圧入力ポート103gに流入して排出ポート103jから排出される。さらに、リニアソレノイドバルブ(SLU)101が出力する制御油圧がロックアップリレーバルブ103を介して多板ロックアップクラッチ3のL/U圧入力ポート103b(ロックアップ油室34)に供給される。
−ECU−
ECU200は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びバックアップRAMなどを備えている。
ROMには、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAMはCPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMはエンジン1の停止時などにおいて保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
ECU200には、図6に示すように、エンジン回転数センサ201、タービン回転数センサ202、スロットルバルブ(図示せず)のスロットル開度を検出するスロットル開度センサ203、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサ204、並びに、自動変速機4及びトルクコンバータ2(多板ロックアップクラッチ3)等の作動油の温度(ATF油温)を検出する油温センサ205などの各種のセンサが接続されており、これらの各センサ(スイッチ類も含む)からの信号がECU200に入力される。
そして、ECU200は、各種センサの検出結果などに基づいて、スロットル開度、燃料噴射量及び点火時期などを制御することにより、エンジン1の運転状態を制御可能に構成されている。
ECU200は、油圧制御回路100を制御することにより、自動変速機4の変速制御、トルクコンバータ2の油圧制御及び多板ロックアップクラッチ3の係合制御(以下、ロックアップクラッチ制御ともいう)を実行する。また、ECU200は学習制御を実行する。
−ロックアップクラッチ制御−
次に、ECU200が実行するロックアップクラッチ制御について説明する。
まず、ロックアップクラッチ制御にあっては、図7に示すように、ロックアップクラッチ油圧を一時的に増大させるファーストフィルを実行し、このファーストフィル後、ロックアップクラッチ油圧を低下(スイープ低下:図示せず)させて所定の油圧に一定時間保持(定圧待機)することにより、多板ロックアップクラッチ3のパック詰めを行う。そして、定圧待機を行った後に基本制御を実行する。基本制御(スリップ制御)では、エンジン回転数センサ201の出力信号から得られるエンジン回転数neと、タービン回転数センサ202の出力信号から得られるタービン回転数ntとの実差回転(ne−nt)を算出し、その実差回転が目標差回転(必要トルク容量に応じて設定される目標差回転)となるようにロックアップクラッチ油圧をフィードバック制御する。
また、ロックアップクラッチ制御としては、エンジン1が駆動状態である場合(ne>ntである場合)の加速スリップ制御と、エンジン1が被駆動状態である場合(ne<ntである場合)の減速スリップ制御とがある。
−学習制御−
ECU200が実行する学習制御について図7を参照して説明する。
学習制御においては、パック詰め開始(ファーストフィル開始)からパックが詰まるまでのパック詰め時間に基づいて、ファーストフィルまたは定圧待機について学習を行う。
具体的には、図7に示すように、実差回転(エンジン回転数neとタービン回転数ntとの実差回転(ne−nt))nslpの変化率(傾き)から、パック詰まり時(以下、ロックアップクラッチ係合開始時ともいう)t2を判定し、パック詰めを開始した時点t1からパック詰まり時t2までのパック詰め時間(t1〜t2:差回転変化開始時間)を計測する。そして、そのパック詰め時間(以下、ロックアップクラッチ係合時間ともいう)に基づいて、図8に示すファーストフィルの油圧(指示油圧)または実施時間、または、定圧待機の油圧(指示油圧)または実施時間のうち、少なくとも1つを学習する。その学習方法については後述する。
ここで、上記パック詰まり時の判定については、エンジン回転数センサ201の出力信号から得られるエンジン回転数neとタービン回転数センサ202の出力信号から得られるタービン回転数ntとの実差回転nslp(図7の実線)と、その実差回転nslpの所定時間(例えば100msごとの平均値(nslp平均値:図7の破線)との偏差Δnslpを算出し、その偏差Δnslpが所定の閾値以上になった時点(図7のt2の時点)をパック詰まり時(ロックアップクラッチ係合開始時)と判定する。
なお、上記パック詰めがECU200によって実行されることにより、本発明の「パック詰め制御手段」が実現される。
次に、学習制御の具体的な例について、図9のフローチャートを参照して説明する。図9の制御ルーチンはECU200において所定時間(例えば4ms)ごとに繰り返して実行される。
なお、この学習制御において、ECU200は、エンジン回転数センサ201及びタービン回転数センサ202の各出力信号からエンジン回転数ne及びタービン回転数ntを常時算出して実差回転(ne−nt)を常時算出している。
図9の制御ルーチンが開始されると、まずは、ステップST101において、ロックアップクラッチ制御が開始されたか否かを判定し、その判定結果が否定判定(NO)である場合はリターンする。ステップST101の判定結果が肯定判定(YES)である場合はステップST102に進む。
ステップST102では、下記の学習条件の全てが成立しているか否かを判定し、その判定結果が否定判定(NO)である場合はリターンする。ステップST102の判定結果が肯定判定(YES)である場合はステップST103に進む。
<学習条件>
・タービン回転数ntが一定範囲内
・エンジントルクが一定範囲内
・油温が一定範囲内
・フェールではない
・変速中ではない
なお、上記学習条件は一例であって、適宜変更してもよい。
ステップST103では、上記した処理にて、エンジン回転数neとタービン回転数ntとの実差回転nslpとnslp平均値との偏差Δnslpを算出する。
ステップST104では、上記ステップST103で算出した偏差Δnslpが所定の閾値以上になった時点(図7のt2の時点)をパック詰まり時(ロックアップクラッチ係合開始時)と判定する。そして、そのパック詰まり時とファーストフィル開始時(パック詰め開始時)とからロックアップクラッチ係合時間time(図7のt1〜t2)を判定する。
ステップST105では、上記ステップST104で判定したロックアップクラッチ係合時間timeに基づいて、図8に示すファーストフィルの油圧または実施時間、または、定圧待機の油圧または実施時間のうち、少なくとも1つを学習する。その学習方法については後述する。
そして、ステップST106では、上記ステップST105において学習した学習値をロックアップクラッチ制御に反映する。その後にリターンする。
<学習方法>
次に、上記ステップST105において実行する学習の方法について図10(1)〜図(5)を参照して以下に説明する。
(1)図10(1)に示すように、ロックアップクラッチ係合時間timeが[B≦time≦C]の範囲内にある場合、具体的には、ロックアップクラッチ係合時間timeが目標ロックアップクラッチ係合時間700msの±100msの範囲内にある場合は、ショック及び係合時間の両方に問題がないので、ファーストフィル及び定圧待機の学習は実施せず、ロックアップクラッチ係合時間timeをそのまま学習値とする。なお、この具体例では、B=600ms、C=800msである。ここで、[B〜C]の時間が、本発明の学習要否判定時間の一例である。
(2)図10(2)に示すように、ロックアップクラッチ係合時間timeが[time<A]である場合、具体的には、ロックアップクラッチ係合時間timeが400msよりも短い場合は、ファーストフィルの実行時間が長く、ファーストフィルの油圧が必要油圧よりも高い油圧で係合している可能性がある。この場合は、ごく短時間で係合(急係合)してショックが発生するので、ファーストフィルの実行時間を短く(小さく)する補正を行う。この補正後のファーストフィルの実行時間を補正値とする。また、上記のように、ファーストフィルの実行時間が長いことが急係合の主要因であるが、定圧待機の油圧が高い可能性もあるので、定圧待機の油圧を多少小さくする補正を行う。この補正後の定圧待機の油圧の学習値とする。ここで、[A]時間が、本発明の第1所定時間の一例である。
(3)図10(3)に示すように、ロックアップクラッチ係合時間timeが[A≦time<B]の範囲内にある場合、具体的には、ロックアップクラッチ係合時間timeが400ms〜600msの範囲内にある場合は、ファーストフィルで係合している可能性が低いので、ファーストフィルについては学習を行わない。一方、定圧待機の油圧については必要油圧よりも高いため短時間で係合してショックが発生する(掴み過ぎによりショックが発生する)ので、定圧待機の油圧を小さくする補正を行う。この補正後の定圧待機の油圧の学習値とする。
(4)図10(4)に示すように、ロックアップクラッチ係合時間timeが[C<time≦D]の範囲内にある場合、具体的には、ロックアップクラッチ係合時間timeが800ms〜1000msの範囲内にある場合は、ファーストフィルが不足している可能性が低いので、ファーストフィルについては学習を行わない。一方、定圧待機の油圧については必要油圧よりも低いため係合が遅いので(係合遅れ)、定圧待機の油圧を大きくする補正を行う。この補正後の定圧待機の油圧の学習値とする。なお、この具体例では、D=1000msである。ここで、[D]時間が、本発明の第2所定時間の一例である。
(5)図10(5)に示すように、ロックアップクラッチ係合時間timeが[D<time]である場合、具体的には、ロックアップクラッチ係合時間timeが1000msよりも長い場合は、掴み損ないの場合であり、ファーストフィルの実行時間が不足しているため、係合の必要油圧までの応答が遅いので、ファーストフィルの実行時間を長く(大きく)する補正を行う。この補正後のファーストフィルの実行時間を補正値とする。
なお、上記ステップST101〜ステップST106がECU200によって実行されることにより、本発明の「学習制御手段」が実現される。
<効果>
以上説明したように、本実施形態にあっては、ロックアップクラッチ係合時間timeがA(第1所定時間)よりも短い場合([time<A]の場合)は、ファーストフィル及び定圧待機における油圧または実行時間の少なくとも一方(具体的には、ファーストフィルの実行時間及び定圧待機の油圧)が小さくなるように学習する。また、ロックアップクラッチ係合時間timeがD(第2所定時間)よりも長い場合([D<time]の場合)は、ファーストフィル及び定圧待機における油圧または実行時間の少なくとも一方(具体的には、ファーストフィルの実行時間及び定圧待機の油圧)が大きくなるように学習する。そして、ロックアップクラッチ係合時間timeが、[A(第1所定時間)≦time<B(学習要否判定時間)]である場合、または、[C(学習要否判定時間)<time≦第2所定時間]である場合は、定圧待機についてのみ学習を行う。
このように、本実施形態によれば、パック詰めフェーズ(ファーストフィル及び定圧待機)において学習制御を実施しているので、パック詰めフェーズを適正に実施することができる。これにより、パック詰め後のスリップ制御への移行の際にショックが発生することを抑制することができるとともに、係合時間の短縮化をはかることができる。
ここで、ロックアップクラッチ制御において、ファーストフィルを動かすと制御全体への影響が大きくなる。本実施形態にあっては、ロックアップクラッチ係合時間timeが目標ロックアップクラッチ係合時間に対して大きく乖離した場合([time<A]または[D<time]の場合)のみファーストフィルを動かし(学習し)、その乖離が小さい場合には、定圧待機についてのみ調整(学習)しているので、スリップ制御(フィードバック制御)を、より適正に実行することが可能になる。
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、以上の実施形態では、ロックアップクラッチ係合時間timeに対して閾値A〜Dを設定して、ファーストフィルフェーズ及び定圧待機フェーズの学習方法を替えているが、他の学習方法を採用してもよい。例えば、目標ロックアップクラッチ係合時間に対するロックアップクラッチ係合時間timeの乖離量に基づいて学習度合を替えるようにしてもよい。具体的には、ロックアップクラッチ係合時間timeが、目標ロックアップクラッチ係合時間に近いほど定圧待機の学習値を大きくし、目標ロックアップクラッチ係合時間に遠いほどファーストフィルの学習値を大きくするという学習方法を採用してもよい。
以上の実施形態では、多板ロックアップクラッチ3のロックアップ油室34がトルクコンバータ2内に配置されているが、これに限られることなく、多板ロックアップクラッチのロックアップ油室が、トルクコンバータの外部に配置されたものにも、本発明を適用することができる。
以上の実施形態では、クラッチ及びブレーキ等の摩擦係合装置と遊星歯車装置とを用いてギヤ段を設定する有段式(遊星歯車式)の自動変速機(AT)とエンジンとの間に設けられたトルクコンバータの差動状態を制御可能なロックアップクラッチの制御に本発明を適用した例について説明したが、本発明はこれに限られることなく、変速比を無段階に調整する無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)とエンジンとの間に設けられるトルクコンバータの差動状態を制御可能なロックアップクラッチの制御にも適用できる。
以上の実施形態では、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式の車両に搭載された多板ロックアップクラッチに本発明の制御装置を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、FR(フロントエンジン・リアドライブ)方式の車両や、4輪駆動方式の車両に搭載されたロックアップクラッチの制御装置にも適用できる。
本発明は、車両用の変速機に設けられたロックアップクラッチの制御に有効に利用することができる。
1 エンジン
2 トルクコンバータ
3 多板ロックアップクラッチ
4 自動変速機
100 油圧制御回路
200 ECU
201 エンジン回転数センサ
202 タービン回転数センサ

Claims (1)

  1. 車両用の変速機に設けられたロックアップクラッチに適用される制御装置であって、
    前記ロックアップクラッチの制御開始時にファーストフィル及び定圧待機を実施して当該ロックアップクラッチのパック詰めを行うパック詰め制御手段と、所定の学習条件が成立した際に、前記パック詰め開始からパック詰まり時までのロックアップクラッチ係合時間に基づいて学習を行う学習制御手段とを備え、
    前記学習制御手段は、学習要否判定時間、前記学習要否判定時間よりも短い第1所定時間、及び前記学習要否判定時間よりも長い第2所定時間を用い、
    前記ロックアップクラッチ係合時間が前記第1所定時間よりも短い場合前記ファーストフィル実行時間を短くする補正を行うとともに、前記定圧待機の油圧を低くする補正を行い
    記ロックアップクラッチ係合時間が前記第2所定時間よりも長い場合前記ファーストフィル実行時間を長くする補正を行い
    [前記第1所定時間≦前記ロックアップクラッチ係合時間<前記学習要否判定時間]である場合には、前記ファーストフィルの実行時間を補正することなく、前記定圧待機の油圧を低くする補正を行い
    前記学習要否判定時間<前記ロックアップクラッチ係合時間≦前記第2所定時間]である場合には、前記ファーストフィルの実行時間を補正することなく、前記定圧待機の油圧を高くする補正を行うことを特徴とするロックアップクラッチの制御装置。
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