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JP6593163B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

本発明は、回転電機に関する。
特許文献1には、電機子巻線を有する固定子鉄心と、該固定子鉄心に空隙を介して回転可能に配設され回転軸方向に第1回転子と第2回転子とに二分割され、それぞれに極性の異なる界磁用磁石が回転方向に交互に配置された回転子と、その回転子の第1回転子に対する第2回転子の相対的な回転軸方向位置を可変する磁束可変機構と、その固定子鉄心に円周方向に貫いて設けられた磁気抵抗層とを有する回転電機が開示されている。
この特許文献1に記載の回転電機において、第2回転子の相対的な回転軸方向位置を可変するにあたっては、アクチュエータに入力された制御信号によって制御し、可動部が軸受、ストッパを介して第2回転子を所定位置に移動させるようになっている。
第2回転子を第1回転子から回転軸方向に離隔させた任意所定位置に移動させた状態では、固定子鉄心に設けられた磁気抵抗層によって回転軸方向に生じる磁束流れを遮断することができる。これにより、磁束可変型回転電機の高速回転領域における鉄損を低減することができる。
特開2010−246196号公報
しかしながら、特許文献1に記載の回転電機にあっては、第2回転子を回転軸方向に移動させるアクチュエータや該アクチュエータを制御するための制御装置が必要である。このため、低コストな構成で永久磁石の磁束を可変させることができない。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、低コストな構成で永久磁石の磁束を可変させることができる回転電機を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、通電により磁束を発生させる電機子コイルを有するステータと、前記磁束の通過により回転するロータと、を備えた回転電機であって、前記ステータは、周方向に所定の間隔で配置される複数のステータティースを有する環状のステータコアと、前記環状のステータコアの隣り合うステータティースの間にトロイダル巻された電機子コイルと、を有し、前記ロータは、前記ステータコアの軸方向の少なくともいずれか一方の側面側で前記ステータティースに対向する第1のロータティースと前記ステータコアの径方向の内面側で前記ステータティースに対向する第2のロータティースとを有するロータコアと、前記第1のロータティースに巻かれており、前記ステータ側で発生した磁束に基づいて誘導電流を発生する誘導コイルと、前記第2のロータティースに配置された永久磁石と、前記永久磁石の周囲に配置され、前記永久磁石の磁束の一部を導く磁路部材と、を有し、前記磁路部材には、前記誘導コイルで発生した誘導電流に基づいて前記磁路部材に導かれる磁束の磁束量を調整可能な可変界磁コイルが設けられている。
本発明によれば、低コストな構成で永久磁石の磁束を可変させることができる回転電機を提供することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る回転電機の一部断面斜視図である。 図2は、本発明の一実施の形態に係る回転電機を示す斜視図であって、第1のロータコアを省略した図である。 図3は、本発明の一実施の形態に係る回転電機のステータの斜視図である。 図4は、本発明の一実施の形態に係る回転電機の一部断面斜視図であって、誘導コイル及び界磁コイルを省略した図である。 図5は、本発明の一実施の形態に係る回転電機における誘導コイル、界磁コイル及び可変界磁コイルと整流回路との結線図である。 図6は、本発明の一実施の形態に係る回転電機のロータが低回転しているときのロータからステータに鎖交する磁束量を示す模式図である。 図7は、本発明の一実施の形態に係る回転電機のロータが高回転しているときのロータからステータに鎖交する磁束量を示す模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1から図7は本発明の一実施の形態に係る回転電機を説明する図である。
図1及び図2に示すように、回転電機1は、通電により磁束を発生させるW相、V相、U相の三相の電機子コイル11を有するステータ10と、ステータ10で発生した磁束の通過により回転するロータ20と、を備えている。
(ステータ)
ステータ10は、高透磁率の磁性材料からなる環状のステータコア12と、このステータコア12に巻き回された電機子コイル11とを備えている。ステータ10は、ステータコア12の外周面に設けられた非磁性体からなる図示しない連結片を介して図示しないモータケースに磁気的に遮断された状態で固定されている。これにより、例えば漏れ磁束の発生等が抑制される。
図3に示すように、ステータコア12には、径方向の内方側に突出したステータティース13が周方向に所定の間隔で複数形成されている。周方向に隣り合うステータティース13の間には、溝状の空間であるスロット14が形成されている。なお、径方向とは、回転軸2(図6参照)が延伸する方向と直交する方向を示す。径方向の内方側とは、径方向において回転軸2に近い側を示し、径方向の外方側とは、径方向において回転軸2に遠い側を示す。
電機子コイル11は、環状のステータコア12の周方向に隣り合うステータティース13の間に形成されたスロット14にトロイダル巻されている。W相、V相、U相の各電機子コイル11は、集中巻によりスロット14に巻き回されている。トロイダル巻とは、ステータコア12の環の内側と外側を交互に通って、ステータコア12に電機子コイル11の巻線を周回させて巻き回す方法である。
電機子コイル11は、断面が長方形の平角線からなり、エッジワイズ巻によるトロイダル巻の状態で、スロット14に巻回されている。エッジワイズ巻とは、スロット14に対して、平角線の短辺を回転電機1の径方向の内側と外側に対向させて、平角線を縦に巻き回す方法である。
これにより、巻ピッチ方向に隣り合う平角線同士が長辺で面接触するため、電流に応じた断面積を維持したまま巻数を増加できるため、電機子コイル11の占積率を向上でき、ステータ10の起磁力を増大できる。
ステータティース13は、ステータコア12の軸方向の一方側及び他方側の側面13aと、ステータコア12の径方向の内面13bとを有している。ステータティース13の側面13aには、後述する第1のロータティース212が対向するようになっている。ステータティース13の内面13bには、後述する第2のロータティース222が対向するようになっている。なお、軸方向とは、回転軸2(図6参照)が延伸する方向と同じ方向を示す。
ステータ10は、電機子コイル11に三相交流が供給されることで、周方向に回転する回転磁界を発生させる。ステータ10で発生した磁束(以下、この磁束を「主磁束」という)は、ロータ20に鎖交するようになっている。これにより、ステータ10は、ロータ20を回転させることができる。
具体的には、ステータティース13を挟んで周方向に対向する一対の電機子コイル11は、一方の電機子コイル11から発生する磁束と、他方の電機子コイル11から発生する磁束とで、磁束の方向が周方向において反対方向となるように、その巻方向及び通電方向が設定されている。
これにより、例えば一方の電機子コイル11がV+相で、他方の電機子コイル11がV−相の場合、この一対の電機子コイル11から発生する磁束は、一対の電機子コイル11が挟むステータティース13に向かい、ステータティース13においてぶつかり合うように発生する。そして、ステータティース13で発生した磁束は、ステータコア12の周方向と直交する方向に向きを変え、ステータティース13からロータ20に向かう。
そして、ロータ20に向かった磁束の一部は、後述する第1のロータコア211及び第2のロータコア221を通過した後、W+相とW−相の一対の電機子コイル11で挟まれたステータティース13に向かう。また、ロータ20に向かった磁束の残りの部分は、後述する第1のロータコア211及び第2のロータコア221を通過した後、U+相とU−相の一対の電機子コイル11で挟まれたステータティース13に向かう。
このように、ステータティース13とロータ20とが対向する面では、電機子コイル11で発生した磁束の磁気回路が構成される。回転電機1は、ステータティース13とロータ20とが対向する面をトルク発生面としてロータ20を回転させる。
また、ステータ10は、上述の通り、電機子コイル11がトロイダル巻で、かつ集中巻されている。このため、電機子コイル11に三相交流を供給した場合、ステータ10には、ロータ20の回転と同期して回転する回転磁界の他に、ロータ20の回転と非同期の高調波回転磁界が発生する。この高調波回転磁界には、静止座標系における第2次空間高調波(同期回転座標系における第3次時間高調波)が含まれる。したがって、ステータ10で発生する磁束には、高調波成分が重畳されていることとなる。
(ロータ)
図1から図4に示すように、ロータ20は、ステータ10を軸方向に挟み込むようにして配置された一対のアキシャルギャップロータ210と、ステータコア12の径方向の内方側に配置されたラジアルギャップロータ220とを含んで構成されている。
一対のアキシャルギャップロータ210とラジアルギャップロータ220とは、互いに同期して回転するように回転軸2(図6参照)に対して一体回転可能に固定されている。一対のアキシャルギャップロータ210とラジアルギャップロータ220とは、一体化されていてもよい。
一対のアキシャルギャップロータ210は、それぞれ高透磁率の磁性材料からなる環状の第1のロータコア211と、誘導コイル215と、界磁コイル216とを備えている。第1のロータコア211には、第1のロータコア211から軸方向のステータ10側に向けて突出した第1のロータティース212が第1のロータコア211の周方向に沿って所定の間隔をおいて複数形成されている。
第1のロータティース212は、ステータコア12の軸方向の両面側、すなわちステータコア12の軸方向の一方側及び他方側の側面側でステータティース13に対向するようになっている。
第1のロータティース212には、誘導コイル215及び界磁コイル216が軸方向に層をなすようにして巻かれている。誘導コイル215及び界磁コイル216は、いずれも絶縁材料で被覆した巻線からなる。
誘導コイル215は、界磁コイル216よりもステータ10側に配置されている。誘導コイル215は、ステータ10側で発生した磁束に重畳された高調波成分に基づいて誘導電流を発生するようになっている。
具体的には、三相交流が電機子コイル11に供給されてステータ10に回転磁界が発生すると、ステータ10側で発生した高調波成分の磁束が誘導コイル215に鎖交する。これにより、誘導コイル215は、誘導電流を誘起させる。
界磁コイル216は、誘導コイル215よりも第1のロータコア211側に配置されている。界磁コイル216は、誘導コイル215で発生した誘導電流が整流されて供給されることにより磁界を発生させるようになっている。
これにより、第1のロータティース212を電磁石として機能させることができ、ステータティース13と第1のロータティース212とが対向する面をトルク発生面として機能させることができる。
ラジアルギャップロータ220は、高透磁率の磁性材料からなり回転軸2(図6参照)に対して一体回転可能に固定された第2のロータコア221と、永久磁石223と、磁路部材225とを有する。第1のロータコア211及び第2のロータコア221は、ロータコアを構成する。
第2のロータコア221には、第2のロータコア221から径方向の外方に向けて突出した第2のロータティース222が第2のロータコア221の周方向に沿って所定の間隔をおいて複数形成されている。
第2のロータティース222は、ステータコア12の径方向の内面側でステータティース13に対向するようになっている。第2のロータティース222には、永久磁石223が配置されている。
永久磁石223は、例えばネオジウム磁石(Nd−Fe−B磁石)で構成されており、第2のロータティース222に内包されている。
磁路部材225は、永久磁石223の磁束の一部を導くもので、永久磁石223の周囲に環状に形成されている。具体的には、磁路部材225は、永久磁石223で発生した磁束のうち、永久磁石223から第2のロータコア221の軸方向に漏れる磁束(以下、この磁束を「漏れ磁束」という)を導くものである。
磁路部材225は、永久磁石223とともに第2のロータティース222に内包された内包部225aと、第2のロータティース222から第2のロータコア221の軸方向に突出するよう延伸された延伸部225bとを備えている。磁路部材225は、永久磁石223の軸方向の側面223a側に位置する部分が第2のロータティース222から軸方向に延伸されるような形状で延伸部225bが形成されている。
内包部225aは、永久磁石223を径方向で挟み込むようにして永久磁石223の径方向の内方側及び外方側にそれぞれ配置されている。内包部225aは、永久磁石223からステータ10に鎖交する磁束を通すようになっている。内包部225aは、例えば強磁性体の微細な粉末が圧縮して固められた圧粉磁心によって成形されている。
延伸部225bは、磁路部材225の第2のロータティース222から軸方向に延伸された部分に相当し、高磁気抵抗の領域を介して第2のロータティース222の軸方向の両側にそれぞれ設けられている。
延伸部225bは、例えば強磁性体の微細な粉末が圧縮して固められた圧粉磁心によってコの字状に成形されている。延伸部225bは、第2のロータティース222側の端面のそれぞれが各内包部225aの軸方向の両側の端面と対向するように配置されている。
延伸部225bは、内包部225aとは別体として構成されており、図示しない連結部材を介して第2のロータコア221又は第1のロータコア211に保持されている。これにより、内包部225aと延伸部225bとは、第2のロータコア221の軸方向で分離されている。
また、内包部225aの軸方向の両側の端面と延伸部225bの第2のロータティース222側の端面との間には、所定の大きさのギャップG(図6参照)が形成されている。このギャップGが高磁気抵抗の領域として形成されている。ギャップGは、後述する可変界磁コイル226に直流電流が供給されていないときには永久磁石223の漏れ磁束が内包部225aから延伸部225bに流れることがない、又は流れても微量となるような大きさであり、かつ後述する可変界磁コイル226に直流電流が供給されているときには永久磁石223の漏れ磁束が内包部225aから延伸部225bに流れるような大きさに設定されている。
延伸部225bには、第2のロータコア221の周方向に沿って可変界磁コイル226が巻き回されている。可変界磁コイル226は、誘導コイル215で発生した誘導電流の大きさに応じて、永久磁石223から磁路部材225に導かれる漏れ磁束、すなわち磁路部材225内を短絡する永久磁石223の漏れ磁束の磁束量を調整可能なコイルである。
可変界磁コイル226は、永久磁石223の漏れ磁束が磁路部材225内を導かれる方向すなわち短絡する方向(図7に矢印で示す方向)に磁束(以下、この磁束を「誘導磁束」という)が流れるように、磁路部材225の延伸部225bに対して巻き回されている。
これにより、可変界磁コイル226は、後述する整流回路30で整流された直流電流が供給されることにより誘導磁束を発生させて、図7に示すように永久磁石223の漏れ磁束の磁路部材225内での短絡を補助するようになっている。この誘導磁束の磁束量が調整されることによって、磁路部材225内を短絡する永久磁石223の漏れ磁束の磁束量が調整される。
誘導磁束の磁束量は、可変界磁コイル226に供給される直流電流が大きいほど、可変界磁コイル226の巻き数が多いほど大きくなる。可変界磁コイル226の巻き数は、予め実験的に求められた巻き数に設定される。
可変界磁コイル226に供給される直流電流は、誘導コイル215に発生する誘導電流の大きさに応じて可変される。これにより、磁路部材225内を短絡する永久磁石223の漏れ磁束の磁束量は、誘導コイル215に発生する誘導電流の大きさに応じて調整される。誘導コイル215に発生する誘導電流は、ロータ20回転速度が上昇するにつれて大きくなる。したがって、磁路部材225内を短絡する永久磁石223の漏れ磁束の磁束量は、ロータ20回転速度が上昇するにつれて大きくなる。
(整流回路)
また、回転電機1は、誘導コイル215で発生した誘導電流を整流して可変界磁コイル226に供給する整流回路30を備えている。
図5に示すように、整流回路30は、2つのダイオードD1,D2を整流素子として備え、これらダイオードD1,D2と2つの誘導コイル215、2つの界磁コイル216及び2つの可変界磁コイル226とを結線した閉回路として構成されている。整流回路30は、ロータ20の軸方向の一方側及び他方側の誘導コイル215、界磁コイル216及び可変界磁コイル226のそれぞれに対応するように、ロータ20の軸方向の一方側及び他方側にそれぞれ設けられる。
整流回路30における2つの誘導コイル215は、アキシャルギャップロータ210の周方向に隣り合う誘導コイル215である。2つの界磁コイル216は、アキシャルギャップロータ210の周方向に隣り合う界磁コイル216である。2つの可変界磁コイル226は、ラジアルギャップロータ220の周方向に隣り合う可変界磁コイル226である。
ダイオードD1,D2は、例えば図示しないダイオードケースに収納された状態でアキシャルギャップロータ210又はラジアルギャップロータ220に設けられている。ダイオードD1,D2は、アキシャルギャップロータ210又はラジアルギャップロータ220の内部に実装するようにしてもよい。
整流回路30において、2つの誘導コイル215で発生した交流の誘導電流は、ダイオードD1,D2により整流され、整流後の直流電流は、直列接続されている2つの界磁コイル216及び2つの可変界磁コイル226に界磁電流として供給される。2つの可変界磁コイル226は、直流電流が供給されることにより誘導磁束を発生させる。
(回転電機の作用)
次に、図6及び図7を参照して、本実施の形態に係る回転電機1の作用について説明する。
本実施の形態に係る回転電機1は、以上説明したように、ロータ20に永久磁石223を備え、その永久磁石223の磁束を利用してトルクを出力する永久磁石型同期モータである。
従来の永久磁石型同期モータでは、永久磁石の磁束が一定のため、ロータの回転速度が上昇するにつれて永久磁石の磁束によってステータの電機子コイルに生じる逆起電力が増加する。そして、ロータの回転速度がある回転速度に達すると、電機子コイルに生じた逆起電力が永久磁石型同期モータの電源電圧と等しくなる。これにより、永久磁石型同期モータにはそれ以上電流を流すことができなくなる。この結果、ロータの回転速度を上昇させることができなくなってしまう。
従来、こうした問題を解決するために、ステータの電機子コイルに永久磁石による磁束を打ち消す電流を流すことにより電機子コイルに生じる逆起電力を等価的に低減させる弱め界磁制御が行われていた。
しかしながら、この弱め界磁制御は、トルクに寄与しない磁束ベクトル方向に永久磁石の磁束を打ち消すベクトルを発生させるべく電流を流すため、出力に対して無駄なエネルギを消費しており、効率の低下を招いていた。
また、弱め界磁制御では、高調波磁束が生じるため、その高調波磁束に起因して永久磁石型同期モータの鉄損や電磁振動が増加するおそれがある。さらに、弱め界磁制御では、永久磁石の磁束に対して逆向きの磁束を発生させて永久磁石の磁束を抑え込むため、永久磁石の不可逆減磁が生じるおそれがある。このため、比較的保磁力の高い永久磁石を用いる必要があり、コストが増加してしまう。
また、永久磁石としてネオジウム磁石を用いた場合には、弱め界磁制御による外部磁場の変動により永久磁石に渦電流が生じ、永久磁石が発熱する。このため、発熱によって永久磁石の不可逆減磁が生じるおそれがある。したがって、耐熱性の高いレアアース等の材料を永久磁石に添加する必要がある。しかし、この場合には、添加されたレアアース等の材料が永久磁石にとって不純物となるため、永久磁石本来の性能を発揮させることができないおそれがある。
そこで、本実施の形態に係る回転電機1では、弱め界磁制御を行わずに、上述した磁路部材225及び可変界磁コイル226の作用によって、永久磁石223からステータ10に鎖交する磁束量を調整可能な構成とした。これにより、本実施の形態に係る回転電機1は、上述したような弱め界磁制御による問題を解決することができる。
(ロータ低回転時)
本実施の形態に係る回転電機1においてロータ20の回転速度が低いときは、ステータ10に高調波成分の磁束が発生していないか、あるいは発生していても微量である。このため、可変界磁コイル226は、誘導磁束を発生してないか、あるいは発生していても微量である。したがって、ギャップGにおいては、磁気抵抗が高い状態である。
この結果、図6に示すように、永久磁石223の漏れ磁束は、磁路部材225内を短絡しない。これにより、永久磁石223の磁束の全てがステータ10に鎖交する。
このように、ロータ20の回転速度が低いときは、ロータ20の回転速度が高いときと比べて永久磁石223からステータ10に鎖交する磁束の磁束量を増加させることができる。
(ロータ高回転時)
一方、本実施の形態に係る回転電機1においてロータ20の回転速度が高いときは、ステータ10に高調波成分の磁束が発生する。その高調波成分の磁束の磁束量は、ロータ20の回転速度が上昇するについて増加する。
これにより、アキシャルギャップロータ210の誘導コイル215に誘導電流が誘起され、誘起された誘導電流が整流回路30によって整流されて直流電流として可変界磁コイル226に供給される。
直流電流が供給された可変界磁コイル226は、永久磁石223の漏れ磁束が磁路部材225内を短絡する方向に誘導磁束を発生させる。これにより、ギャップGにおける磁気抵抗が低下する。
この結果、図7に示すように、永久磁石223の磁束の一部が漏れ磁束として磁路部材225内を短絡する。これにより、永久磁石223の磁束のうち漏れ磁束を除いた磁束がステータ10に鎖交する。すなわち、永久磁石223からステータ10に鎖交する磁束の磁束量が抑えられる。
したがって、ロータ20の回転速度が高い場合であっても弱め界磁制御を不要とすることができる。このため、弱め界磁制御により生ずる高調波磁束に起因した鉄損や電磁振動を防止することができる。
さらに、弱め界磁制御を不要としたので、保磁力の高い永久磁石を用いる必要がなく、また耐熱性の高いレアアース等の材料を永久磁石に添加する必要もない。これにより、回転電機1のコストを低減させることができる。
このように、本実施の形態に係る回転電機1では、弱め界磁制御を行わずに永久磁石223からステータ10に鎖交する磁束量を調整可能としたので、ロータ20の回転速度が高いときには効率の低下を防止することができる。また、ロータ20の回転速度が低いときには出力の向上を図ることができる。
以上のように、本実施の形態の回転電機1によれば、ステータ10側で発生した磁束に重畳された高調波成分に基づきアキシャルギャップロータ210の誘導コイル215に誘導電流を発生させて、その誘導電流を整流回路30で整流して可変界磁コイル226に供給することにより、磁路部材225内を短絡する永久磁石223の漏れ磁束の磁束量を調整することができる。
また、ステータ10側で発生した磁束に重畳される高調波成分は、ステータ10にトロイダル巻で、かつ集中巻された電機子コイル11に三相交流を供給することによって得られる。このため、可変界磁コイル226に供給される直流電流を発生させるために、例えばDC/DCコンバータ等の特別な装置を必要としない。
これによって、本実施の形態の回転電機1は、例えばDC/DCコンバータ等の特別な装置を利用することなく簡易な構成で、永久磁石223からステータ10に鎖交する磁束の磁束量を調整することができる。この結果、本実施の形態の回転電機1は、低コストな構成で永久磁石223の磁束を可変させることができる。
回転電機1は、例えば車載用の電動機、風力発電用の発電機や工作機械用の電動機として好適に採用することができる。
なお、本実施の形態では、第1のロータティース212がステータコア12の軸方向の両面側に対向するように設けられているが、これに限らず、例えばステータコア12の軸方向の一方側及び他方側の側面のいずれかに対向するように設けてもよい。すなわち、第1のロータティース212は、ステータコア12の軸方向の一方側及び他方側の側面のうち、いずれかの側面側にのみ設ける構成であってもよい。この場合、軸方向の片側のアキシャルギャップロータ210のみを採用した分、回転電機1の体格を小さくすることができる。
また、本実施の形態では、アキシャルギャップロータ210に界磁コイル216を設けた例について説明したが、アキシャルギャップロータ210は誘導コイル215のみを設けた構成であってもよい。この場合、アキシャルギャップロータ210を軸方向に薄く構成することができ、回転電機1の体格を小さくすることができる。また、整流回路30の構成を簡略化することができる。
また、本実施の形態の回転電機1は、ステータの径方向の内側にアウタロータ及びインナロータの2つのロータを備える、ダブルロータタイプの回転電機にも適用可能である。この場合、電機子コイルは、ステータに集中巻されるが、トロイダル巻は採用されない。また、このダブルロータタイプの回転電機では、アウタロータに誘導コイルが配置され、インナロータに永久磁石、磁路部材及び可変界磁コイルが配置される。なお、前述のアウタロータとインナロータの構成は、逆であってもよい。
本発明の実施の形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1 回転電機
2 回転軸
10 ステータ
11 電機子コイル
12 ステータコア
13 ステータティース
13a 側面
13b 内面
20 ロータ
30 整流回路
210 アキシャルギャップロータ
211 第1のロータコア(ロータコア)
212 第1のロータティース
215 誘導コイル
216 界磁コイル
220 ラジアルギャップロータ
221 第2のロータコア(ロータコア)
222 第2のロータティース
223 永久磁石
225 磁路部材
225a 内包部
225b 延伸部
226 可変界磁コイル
D1,D2 ダイオード

Claims (6)

  1. 通電により磁束を発生させる電機子コイルを有するステータと、前記磁束の通過により回転するロータと、を備えた回転電機であって、
    前記ステータは、
    周方向に所定の間隔で配置される複数のステータティースを有する環状のステータコアと、
    前記環状のステータコアの隣り合うステータティースの間にトロイダル巻された電機子コイルと、を有し、
    前記ロータは、
    前記ステータコアの軸方向の少なくともいずれか一方の側面側で前記ステータティースに対向する第1のロータティースと前記ステータコアの径方向の内面側で前記ステータティースに対向する第2のロータティースとを有するロータコアと、
    前記第1のロータティースに巻かれており、前記ステータ側で発生した磁束に基づいて誘導電流を発生する誘導コイルと、
    前記第2のロータティースに配置された永久磁石と、
    前記永久磁石の周囲に配置され、前記永久磁石の磁束の一部を導く磁路部材と、を有し、
    前記磁路部材には、前記誘導コイルで発生した誘導電流に基づいて前記磁路部材に導かれる磁束の磁束量を調整可能な可変界磁コイルが設けられていることを特徴とする回転電機。
  2. 前記磁路部材は、前記永久磁石の周囲に環状に形成され、前記永久磁石の軸方向の側面側に位置する部分が前記第2のロータティースから軸方向に延伸されており、
    前記可変界磁コイルは、前記磁路部材の前記第2のロータティースから軸方向に延伸された部分に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記磁路部材は、前記第2のロータティースに内包される内包部と、前記第2のロータティースから前記ロータコアの軸方向に延伸された延伸部とを有し、
    前記内包部と前記延伸部とは、前記ロータコアの軸方向に分離されていることを特徴とする請求項2に記載の回転電機。
  4. 前記第1のロータティースは、前記ステータコアの軸方向の側面側で前記ステータティースに対向するよう設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の回転電機。
  5. 前記第1のロータティースには、前記誘導コイルで発生した誘導電流が供給されることにより磁界を発生させる界磁コイルが巻かれていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の回転電機。
  6. 前記誘導コイルによって発生した誘導電流を整流して前記可変界磁コイルに供給する整流回路を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の回転電機。
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