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JP6591578B2 - 車両のブレーキ摩耗を判定する方法および装置 - Google Patents

車両のブレーキ摩耗を判定する方法および装置 Download PDF

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Description

本開示は、車両のブレーキ摩耗を判定する方法に関するものであり、本開示はまた、車両のブレーキ摩耗を判定する装置に関し、さらに、例えばコンピュータ上、車両の車載コントローラ上、および/またはモバイル・コンピューティング・デバイス上で、車両のブレーキ摩耗を判定する方法を実行するためのコンピュータプログラム製品に関連する。
現在、自動車メーカーは通常、ブレーキ摩耗が累積されることで車両のブレーキのブレーキパッド交換が必要となる時期を検出するためのセンサ(またはクリップ式のピン)を設置する。そのようなセンサは、ブレーキパッドが(例えば、時間の経過とともに)どのように摩耗するかといった表示または情報を提供することはなく、また、これらのセンサによって、運転挙動がどのようにブレーキパッドを劣化させるか、またはどのようにブレーキパッド摩耗に影響するかについて明らかになるわけではない。
また、自動車メーカーは、ブレーキの交換が必要になるまでに要する走行キロ数を指定することがある。しかしながら、そのような方法によっても、ブレーキパッドが(例えば、時間の経過とともに)どのように摩耗するかといった表示または情報が提供されることはなく、運転挙動がどのようにブレーキパッドを劣化させるか、またはどのようにブレーキパッド摩耗に影響するかについて明らかになるわけではない。
さらに従来技術では、ブレーキパッドの劣化が運転者の行動によるものか、またはブレーキシステムの故障によるものかを確認できるブレーキ摩耗推定方法は存在しない。
米国特許出願公開第2015/0240895号明細書は、車両のブレーキ摩擦パッドの摩耗警告方法に関する。このシステムは、圧力センサを備える摩擦パッド摩耗検知システム(ESC)を含むことがある。ESCシステムは、車両の車輪速センサに関連して速度変化を認識し、車両が減速しているときに、ESCシステムが有する圧力センサを用いて制動圧を測定し、測定された制動圧に比例する摩耗指数を算出し累積し、累積摩耗指数が所定の基準値を超えた場合に通知メッセージを生成し、出力することができる。しかし、この文献ではブレーキパッド劣化の2つの要因、すなわち車両荷重および道路勾配寄与(例えば下り坂など)を考慮していないことが確認されたため、本発明者らは、ブレーキパッド摩耗劣化計算の改善が可能であることを認識した。さらに、この文献には、圧力センサデータがブレーキシステムの故障によるものである可能性についての記載または示唆はされていない。また、この文献では、追加のセンサを設置する必要があり、かつ/または何らかの種類の電子制御ユニットのアクセスまたは設置が必要となる。
米国特許出願公開第2006/0131950号明細書は、車高制御装置および安定性制御システムまたはアンチロックブレーキシステムを実装するために使用されるような既存の車両センサを使用して作動する、ブレーキライニングおよび摩耗推定システムに関する。エアブレーキを含む様々なシステムの動作をサポートするために重荷重車両に使用される圧縮空気システムは、様々な空気圧回路に圧力監視機能を提供し、ブレーキライニングの加圧力または車両荷重を推定するために監視することができる。車速およびブレーキ作動期間は、他の一般的に使用されるセンサによって導き出される。センサから収集されたデータは、データバスを介して中央のプログラム可能なコンピュータに供給され、熱および摩耗の推定値を生成する。しかし、この文献も、ブレーキパッドの劣化の2つの要因、すなわち車両荷重および道路勾配寄与(例えば下り坂など)を考慮しておらず、運転者の行動による影響の側面を示していない。さらに、この文献には、故障したブレーキシステムの全体的な検出が実行される可能性についての記載または示唆はなく、単に作動弁が故障しているかどうかを考慮するように見える。そのため、ブレーキ作動弁が作動していることによってブレーキシステムに故障がないことが推察されるわけではないという点から、システム全体としてのブレーキシステムが故障している可能性を無視している。
国際公開第2005/090821号パンフレットは、アクチュエータ、レバー、1つまたは複数の調整装置および推力装置、1つまたは複数のバックプレート、受けブレーキパッド、ならびに1つまたは複数のブレーキディスクを有するディスクブレーキのための感知システムに関する。センサは、作動ストロークの位置を感知すると共に、そのストロークと相関するディスクブレーキのさらなる特徴を感知するように設けられる。感知された作動ストロークは、ブレーキの、この感知されたさらなる特徴において基準値と比較される。作動ストロークの値が基準値から所定の値を超えて逸脱した場合には、警告信号が発せられる。しかしながら、この文献は、ブレーキパッド摩耗推定の機能を何ら提供しておらず、運転者の行動による影響がブレーキ摩耗特性にどのように作用するかについても記載していない。
米国特許出願公開第2015/0348058号明細書は、モバイルデバイスと通信するように構成された車両コンピュータシステムに関し、モバイルデバイスと通信するように構成された無線トランシーバを含む。この車両コンピュータシステムはまた、無線トランシーバと通信するプロセッサを備える。このプロセッサは、車両の使用に関する1つまたは複数の車両センサから、車両に関する損傷モデルにおいて利用される情報を受信し、この情報を、無線トランシーバを介してオフボードサーバに送信し、さらに、損傷モデルに関する情報をユーザディスプレイに出力するように構成される。この文献には、ブレーキパッド劣化分析については記載されているが、例えば運転者の行動および運転者の行動によるブレーキパッドの劣化への影響、またはブレーキシステムの異常もしくは故障の検出に関する情報を得るなど、ブレーキパッドの劣化を効率的かつ正確に、リアルタイムで推定する方法については詳しく触れられていない。
米国特許出願公開第2015/0240895号明細書 米国特許出願公開第2006/0131950号明細書 国際公開第2005/090821号パンフレット 米国特許出願公開第2015/0348058号明細書
本発明の目的は、従来技術の問題を回避し、複雑さが少なく、より正確で、計算負担が少なく、容易に利用可能なセンサデータを利用する改良されたブレーキ摩耗判定方法を提供することである。
本発明によれば、上記課題を解決するために、請求項1に記載の車両のブレーキ摩耗判定方法が提案される。さらに本発明によれば、請求項14に記載の車両のブレーキ摩耗を判定するための装置および請求項15に記載のコンピュータプログラム製品が提案される。従属項は、好ましい例示的な実施形態に関する。
一態様によれば、車両のブレーキ摩耗を判定する方法が提案される。本方法は、車両のブレーキが作動している1つまたは複数の各時間期間について、各時間期間の開始時における車両の速度および/もしくは各時間期間中の車両の速度変化を示す速度変化パラメータを決定することと、ならびに/または1つもしくは複数の各時間期間について、各時間期間中の車両の1つもしくは複数のブレーキにおけるブレーキ摩耗を示す各ブレーキ摩耗パラメータを、各時間期間の開始時における車両の速度、各時間期間中の車両の速度変化を示す速度変化パラメータ、および/もしくは車両の質量もしくは重量に基づいて決定することとを含む。
好ましい態様によれば、複数のブレーキ摩耗パラメータを複数の時間期間に対して決定することが好ましく、本方法が、さらに、複数のブレーキ摩耗パラメータを累積し、複数の時間期間にわたる累積期間中の、車両の1つまたは複数のブレーキにおけるブレーキ摩耗を示す累積ブレーキ摩耗パラメータを決定することを含むことが好ましい。
好ましい態様によれば、本方法は、さらに、累積ブレーキ摩耗パラメータおよび累積期間の長さに基づいて、余寿命および/または予想ブレーキ交換時期を決定することを含んでもよい。
好ましい態様によれば、1つまたは複数の各時間期間について、勾配を考慮しない、各時間期間中の車両の1つまたは複数のブレーキにおけるブレーキ摩耗を示す各第1のブレーキ摩耗寄与パラメータを決定することが好ましく、各時間期間の開始時の車両の速度、各時間期間中の車両の速度変化を示す速度変化パラメータ、および/または車両の質量もしくは重量に基づいて決定することが特に好ましい。
好ましい態様によれば、各第1のブレーキ摩耗寄与パラメータは、各時間期間中の車両の速度変化が実質的にゼロである場合、特に第1の閾値よりも小さい場合に、ゼロになるように決定されることが好ましい。
好ましい態様によれば、本方法は、さらに、車両のブレーキが作動している1つまたは複数の各時間期間について、車両が斜面を走行しているかどうかを判定すること、および/または、車両が斜面を走行していると判定された場合には、車両が走行している斜面の勾配傾斜角を示す勾配パラメータを決定することを含んでもよく、1つまたは複数の各時間期間について、各ブレーキ摩耗パラメータが、勾配傾斜角を示す決定された勾配パラメータにさらに基づいて決定されることが好ましい。
好ましい態様によれば、車両が斜面を走行していると判定される1つまたは複数の各時間期間について、各時間期間中の車両の1つまたは複数のブレーキにおけるブレーキ摩耗を示す各第2のブレーキ摩耗寄与パラメータが、各時間期間の開始時における車両の速度、車両の質量もしくは重量、および/または勾配傾斜角を示す各決定された勾配パラメータに基づいて決定されることが好ましい。好ましい態様によれば、各第2のブレーキ摩耗寄与パラメータは、各時間期間の時間長にさらに基づいて決定されることが好ましい。
好ましい態様によれば、各第2のブレーキ摩耗寄与パラメータは、各時間期間中の勾配傾斜角が実質的にゼロである場合、特に第2の閾値よりも小さい場合に、ゼロになるように決定されることが好ましい。
好ましい態様によれば、各ブレーキ摩耗パラメータは、第1および第2のブレーキ摩耗寄与パラメータに基づいて、特に第1および第2のブレーキ摩耗寄与パラメータの線形結合または合計に基づいて決定されることが好ましい。
好ましい態様によれば、車両のブレーキが作動していない時間期間について、各ブレーキ摩耗パラメータがゼロになるように決定されることが好ましく、かつ/または車両のブレーキが作動し、車速が実質的にゼロ、特に第3の閾値よりも小さいと判定された時間期間について、各ブレーキ摩耗パラメータがゼロになるように決定されることが好ましい。
好ましい態様によれば、本方法は、さらに、車両のブレーキシステム特性を示すセンサデータを取得すること、および/またはブレーキシステムが故障状態にあるかどうかを判定することを含んでもよく、この判定は特に、好ましくは得られたセンサデータに基づいて実行されるブレーキシステム異常検出に基づくことが好ましく、特に、センサデータおよび/または取得されたセンサデータから導き出されるパラメータに基づいて、各ブレーキ摩耗パラメータを決定する前であることが好ましい。
好ましい態様によれば、ブレーキシステム異常検出は、取得されたセンサデータをセンサデータの抽象ベクトル空間にマッピングすることによって、および/またはマッピングされたセンサデータのベクトル空間位置をベクトル空間内の1つもしくは複数のクラスタ領域と比較することによって行われることが好ましく、これらの複数のクラスタ領域は、特に機械学習アルゴリズムによってブレーキシステムの通常動作に関連づけられることが好ましく、機械学習アルゴリズムは、ブレーキシステムの通常動作中に取得されたセンサデータをセンサデータの抽象ベクトル空間にマッピングすることを含むことが好ましい。
別の態様によれば、車両のブレーキ摩耗を判定する装置が提案されている。この装置は、メモリおよびプロセッサを備え、このプロセッサは、車両のブレーキが作動する1つまたは複数の各時間期間について、各時間期間の開始時における車両の速度および各時間期間中の車両の速度変化を示す速度変化パラメータを決定すること、ならびに/または1つもしくは複数の各時間期間について、各時間期間の開始時における車両の速度、各時間期間中の車両の速度変化を示す速度変化パラメータ、および車両の質量もしくは重量に基づいて、各時間期間中の車両の1つもしくは複数のブレーキにおけるブレーキ摩耗を示す各ブレーキ摩耗パラメータを決定することを実行するように構成される。この装置は、上記または下記の方法の態様のいずれかを実行するように構成されてもよい。
別の態様によれば、コンピュータプログラム命令を含むコンピュータプログラムを含む、コンピュータプログラム製品が提案されている。このコンピュータプログラム命令は、コントローラ、コンピュータ、プロセッサ、および/またはモバイル・コンピューティング・デバイスに、上記態様のいずれかの方法のステップを実行させるように構成されている。
特定の例示的な態様について上述したが、このような態様は広範な発明を単に例示するものであり、制限するものではなく、例示的な態様は、上で示され説明される特定の構成および配置に限定されないことが理解されるべきである。なぜなら上記の段落に記載されたものに加えて、様々な他の変更、組合せ、省略、変形、および置換が可能であるからである。
当業者であれば、このような上記の態様の様々な改変、変形、および/または組合せを構成できることを理解するであろう。したがって、本明細書に具体的に記載される以外のさらなる態様が実施されてもよいことが理解されるべきである。当業者であれば、さらに、本開示を考慮して、本明細書に記載の異なる態様を組み合わせて本開示の他の態様を形成できることも理解するであろう。
第1の例示的な実施形態による、車両のブレーキ摩耗を推定する方法を示す例示的な概略フローチャートである。 第2の例示的な実施形態による、車両のブレーキ摩耗を推定する方法を示す例示的な概略フローチャートである。 例示的な実施形態による、車両のブレーキ摩耗の推定を実行するように構成された装置を示す例示的な概略図である。 例示的な実施形態による、リアルタイムの推定ブレーキ摩耗および累積ブレーキ摩耗の例示的な推定結果の例示的なグラフである。 例示的な実施形態による、リアルタイムの推定ブレーキ摩耗および累積ブレーキ摩耗の例示的な推定結果の例示的な図である。
以下では、本発明の好ましい態様および実施形態について、添付図面を参照してより詳細に説明する。異なる図面および実施形態における同じまたは同様の特徴は、同様の参照番号によって示される。様々な好ましい態様および好ましい例示的な態様に関する以下の詳細な説明は、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
1.例示的な実施形態の根底にある考察の説明
1.1ブレーキ操作中の運動エネルギー
一般に、車両の運転者がブレーキを作動させる制動期間において、車両の初速は、通常、ブレーキ減速により減少速度まで減速される。このような速度低下によって、車両の運動エネルギーEKINが減少する。
例示的には、以下では、時間tとti+1との間でブレーキ摩耗の例示的反復計算が繰り返し実行され、このときti+1>t、およびi∈{0,...、n−1}であり、したがってt∈{t,...,t}となるものと仮定される。なお、n個の時間期間[t,t],...、[tn−1,t]が存在するが、(n+1)個の異なる時間t,...,tが存在する。
例示的に、n>1として、複数の時間期間が存在する(例えば、ブレーキの動作を複数の時間期間に分割する)と仮定しているが、同様の計算を単一の時間期間(n=1と仮定)においてのみ例示的に実行してもよい。
n個の時間期間の特定の時間期間[t,ti+1]について、車両の運動エネルギーの変化ΔEKINは、以下の式(1)に従って導き出すことができる。
(1)
Figure 0006591578
ここで、m車両は車両の質量であり、v(t)は時間tにおける車両の前後速度であり、具体的には、v(t)は、時間tにおいて前後軸に沿って解決された車両の速度としてもよい。
この時間期間[t,ti+1]は制動操作の時間期間(すなわちブレーキが作動した状態)であるので、一般に、v(ti+1)<v(t)が通常真の状態となる。そのため、車両の運動エネルギーの上記変化ΔEKINは、運動エネルギーの減少の指標として正の値で例示的に算出される。なお、ブレーキが作動する条件(ti+1)<v(t)は、実質的に水平な道路では通常真の状態である。車両が斜面を下降しているとき(すなわち、車両が下り坂を走行しているとき)は例外となることもある。この場合、ブレーキが作動している状態(ブレーキ作動中)であっても、v(ti+1)≧v(t)の条件となることがある。しかし、例示的な実施形態では、ブレーキが作動している状態(ブレーキ作動中)であっても下り坂で条件v(ti+1)≧v(t)が真となる状況においても、以下にさらに説明するように勾配寄与を算出することができ、したがって例示的な実施形態では、ブレーキ作動中に条件v(ti+1)≧v(t)が真である時間期間に対しても、ブレーキ摩耗を都合よく推定することができる。
同時に、式(1)を考慮し、上記のv(ti+1)<v(t)として「通常の場合」を仮定すると、この時間期間[t,ti+1]中に制動力(減速力)Fブレーキ({t,ti+1})が車両に作用し、時間期間[t,ti+1]において車両は距離Δx({t,ti+1})を走行し、実行される(力と距離との積によって得られる)物理的仕事は、以下の式(2)に従って、車両の運動エネルギーの変化ΔEKINに等しくなる。
(2)
Figure 0006591578
上記式(1)および(2)に基づいて、制動力Fブレーキ({t,ti+1})は、以下の式(3)から導き出すことができる。
(3)
Figure 0006591578
1.2制動中のブレーキ摩擦力
同時に、制動力Fブレーキ({t,ti+1})は、車両のブレーキ毎の摩擦力F摩擦({t,ti+1})と車両のブレーキ数nブレーキを掛け合わせることによって得られる。したがって、摩擦力F摩擦({t,ti+1})は、以下の式(4)に従って導き出すことができる。
(4)
Figure 0006591578
摩擦力が基本的に車両の各ブレーキのブレーキパッドの中心を通って作用すると仮定すると、制動トルクTブレーキ({t,ti+1})は基本的に、摩擦力F摩擦({t,ti+1})と、円形ブレーキパッドの中心からブレーキパッドの内側半径Rおよび外側半径Rまでの平均距離との積によって求められる。
しかしながら現在では、ブレーキは、ブレーキ毎に複数のブレーキパッドを有することがあるため、ブレーキ毎のブレーキパッドの数nパッドを、以下の式(5)に従って考慮してもよい。
(5)
Figure 0006591578
例えば、典型的なブレーキ、ディスク、およびブレーキパッドの場合、シュー係数1.2および平均摩擦係数μ=0.4が仮定され得る。もちろん、各車両および/または各ブレーキシステムについて、試験によって典型的な値を導き出すことができる。
上述のブレーキトルクを達成するためには、液圧ブレーキシステムでは通常、対応する液圧p({t,ti+1})をパッド領域Aパッド(すなわち、対応するブレーキパッドの領域)に加える必要がある。
適切な制動トルクを生成するために必要な油圧を算出するために、次の式(6)を使用することができる。
(6)
Figure 0006591578
例えば、ブレーキディスクは、その強度と耐久性から、さらに例えば、安定した機械的特性および摩擦特性、耐摩耗性、熱吸収性、熱伝導性、振動減衰能、ならびに低コストなどから、例えばねずみ鋳鉄製とすることができる。
1.3ブレーキ摩耗分析の検討
Rheeによって導き出された既知の分析方法およびその結果に従った、Rheeの数式が知られている(以下の式(7)参照)。
具体的には、Rheeは一定の温度(または実質的に一定の温度)での実験的な摩耗方程式を開発し、Rheeは、以下の式(7)に従って、接圧P、速度v、および滑り時間tの観点からポリマー摩擦材(ブレーキパッドの材料など)の低い質量を示した。
(7)
Figure 0006591578
本明細書において、ΔWは、接圧P、速度v、および滑り時間tに基づいて、ブレーキパッドのポリマー摩擦材の質量損失(ブレーキ摩耗)を示すパラメータである。ブレーキ摩耗パラメータΔWは、ブレーキパッドの摩耗を示す。
比例定数kの単位(「摩耗率係数」と呼ばれることもある)に基づいて、ブレーキ摩耗パラメータΔWは、ブレーキパッドの質量損失を示す質量単位(例えば、kg)、ブレーキパッドの重量損失を示す重量単位(例えば、N)、ブレーキパッドの容積損失を示す容積単位(例えば、m)、またはブレーキパッドの厚さ損失(幅損失)を示す長さ単位(例えば、m、cm、またはμm)によって得ることができる。
なお、上記のRheeの式(7)における数値パラメータa、b、およびcは、通常、例えばブレーキパッド材料などの摩擦材、および環境条件に依存する。しかし、数値パラメータa、b、およびcは通常、a≒b≒c≒1の状況に近いことが、Rheeならびにさらなる教示および論文によって示されている。以下では例示的にa=b=c=1であると仮定されているが、以下は他の値のa、b、およびcにも容易に適用できる。それでも、a=b=c=1という仮定に基づいて、Rheeの式は、例示的に以下の式(8)に簡略化される。
(8)
Figure 0006591578
1.4車両質量に基づくブレーキ摩耗推定
上記の式(6)および(8)に基づいて、特定のブレーキ操作の特定の時間期間[t,ti+1]について、以下の式(9)に従って、特定の時間期間[t,ti+1]におけるブレーキ摩耗を示すブレーキ摩耗パラメータΔW({t,ti+1})を導き出すことができる。
(9)
Figure 0006591578
なお、本明細書では、Rheeの式(7)における所定の速度vは、時にはブレーキディスクの回転数として記述することもあるが、ブレーキディスクの回転数は全体の車速v(t)に正比例するため、以下の説明では車速v(t)のみを表し、ブレーキディスクの回転数と車速v(t)との間の比例定数は、全比例定数k(「摩耗率係数」と呼ばれることもある)に隠される(吸収される)ことがある。
式(3)で導き出した制動力Fブレーキ({t,ti+1})を求める上記の式を用いて、それを上記の式(9)に代入し、車両質量m車両とブレーキ摩耗パラメータΔW({t,ti+1})とを関連させる式として、以下の式(10)を用いてもよい。
(10)
Figure 0006591578
一方、時間期間[t,ti+1]中の平均加速度({t,ti+1})に基づいて、以下を推定できる。
(11)
Figure 0006591578
以下の定義式に従って、
(12)
Figure 0006591578
さらに時間期間[t,ti+1]中の平均加速度a({t,ti+1})を求める次の式に従って、
(13)
Figure 0006591578
式(11)を以下の式(14)に変形してもよい。
(14)
Figure 0006591578
さらに、式(12)を使用すると、以下を導き出すことができる。
(15)
Figure 0006591578
および、
(16)
Figure 0006591578
さらに、上記式(16)を使用すると、式(15)を以下のように変形することができる。
(17)
Figure 0006591578
そして、式(17)からの数式を上記式(10)の数式に代入すると、車両質量m車両とブレーキ摩耗パラメータΔW({t,ti+1})とを関連させる別の式として、以下の式(18)を導き出すことができる。
(18)
Figure 0006591578
上記式(18)を簡略化すると、車両質量m車両とブレーキ摩耗パラメータΔW({t,ti+1})とを関連させる別の式として、以下の式(19)を導き出すことができる。
(19)
Figure 0006591578
具体的には、特定のブレーキ操作の時間期間[t,ti+1]中のブレーキ摩耗パラメータΔW({t,ti+1})は、次の定義を使用して、
(20)
Figure 0006591578
車両質量m車両、時間期間[t,ti+1]の開始時の車速v(t)、およびその時間期間[t,ti+1]において得られた速度差Δv({t,ti+1})(減速)の関数として表すことができる。
(21)
Figure 0006591578
ブレーキ摩耗率(単位時間当たり)を求めることが望ましい可能性がある場合は、ブレーキ摩耗率(単位時間当たり)を以下のように求めることができる。
(21A)
Figure 0006591578
さらに、判定/推定されるブレーキ摩耗の精度を向上させるため、かつ/または対応するn個の時間期間[t0,],...、[tn−1,]に対して、t∈{t,...,t}となるようにi∈{0,...、n−1}で、時間t,...,tに関する後続のn個の時間期間の、より長いブレーキ操作のブレーキ摩耗パラメータを累積するために、以下の式(22)に従って、決定された個々のブレーキ摩耗パラメータΔW({t,ti+1})を累積することができる。
(22)
Figure 0006591578
これは、上記式(20)の定義を使用することによって、以下のように簡略化することができる。
(23)
Figure 0006591578
したがって、車両質量m車両が既知であり(または測定、推定、検出され)、車速v(t)が測定され、速度差Δv({t,ti+1})が決定されるとき、車両質量m車両、測定/推定車速v(t)、および決定/推定速度差Δv({t,ti+1})に基づいて、高精度の累積ブレーキ摩耗パラメータΔW({t,t})を推定することができる。
1.5車両質量寄与
なお、車両質量m車両は、車両の所定質量または平均質量に応じて予め設定することができる(例えば、製造時の空車の質量に基づくものであり、これは燃料タンク内の平均燃料重量、運転者の平均重量などの追加の重量/質量因子に基づいて修正されてもよい)。
車両質量m車両に基づくブレーキ摩耗推定の精度をさらに高めるために、車両質量は、以下の推定値に基づいて推定されるm車両としてもよい。
(24)
Figure 0006591578
ここで、mは空車の質量、mは追加の質量寄与であり、これらは適切な情報によって推定および/または測定されてもよい。
例えば燃料タンク内の燃料を、追加の質量寄与とみなしてもよい。
(25)
Figure 0006591578
ここでは、燃料充填率FR(例えば、燃料タンクセンサによって決定される)、燃料タンク容積Vタンク、および燃料の密度σ燃料である。
さらに、乗員の数を求めるセンサ(例えば、車両のシート上の重量閾値センサ)に基づいて、追加の質量寄与を以下のように算出することができる。
(26)
Figure 0006591578
ここでは、乗員の推定人数n乗員および各平均乗員の平均質量m平均である。
例えば車両のトランクおよび/または1つまたは複数の座席に配置される、例えば1つまたは複数の重量センサを車両に設置することができ、検出された重量を、上記式(25)における他の質量寄与として加算して使用してもよい。
また、サスペンションシステムのセンサに基づいて、式(25)における追加の質量寄与を決定することが可能であり、例えば油圧サスペンションシステムの油圧に基づいて、かつ/または車両の機械的サスペンションシステムのバネ変位などに基づいて決定される。
1.6車両質量と勾配傾斜に基づくブレーキ摩耗の推定
上記において、車両が走行している道路の道路勾配(道路傾斜)の寄与はまだ考慮されていない。しかしながら、ブレーキ摩耗推定の精度をさらに向上させるために、道路勾配を付加的に考慮することが提案されている。
したがって、特定のブレーキ操作の時間期間[t,ti+1]中に、上記のように制動力Fブレーキ({t,ti+1})のみを考慮するのではなく、車両が傾斜角θ({t,ti+1})の下り坂を走行している場合の、重力重量G車両の車両前後方向の追加の寄与を、さらに考慮する。
(27)
Figure 0006591578
および
(28)
Figure 0006591578
ここで式(27)において、重力加速度定数gを用いて、車両質量m車両と車両の重量G車両との間の関係は、以下のように得られる。
(29)
Figure 0006591578
上記式(9)を再び使用して、上記式(27)から得られたFブレーキ({t,ti+1})を代入すると、ブレーキ摩耗パラメータΔW({t,ti+1})を求める式を以下のように導くことができる。
(30)
Figure 0006591578
これは、次のように簡略化することができる。
(31)
Figure 0006591578
したがって、上記式(31)に基づいて、2つの寄与、すなわち通常の制動力摩耗寄与因子ΔW通常({t,ti+1})および勾配摩耗寄与因子ΔW勾配({t,ti+1})に基づくものとして、ブレーキ摩耗Δ({t,ti+1})を判定できることを導き出すことができる。
(32)
Figure 0006591578
(33)
Figure 0006591578
(34)
Figure 0006591578
勾配寄与によるブレーキ摩耗率(単位時間当たり)を求めることが望ましい可能性がある場合は、勾配寄与によるブレーキ摩耗率(単位時間当たり)を以下のように求めることができる。
(34A)
Figure 0006591578
上記式において、式(33)の通常の制動力摩耗寄与因子ΔW通常({t,ti+1})は、上記式(10)で導かれたブレーキ摩耗パラメータと同じ式によって算出することができる。
しかしながら、総ブレーキ摩耗ΔW({t,ti+1})に対する勾配摩耗寄与因子ΔW勾配({t,ti+1})の勾配寄与は大きいことがあり、最も優勢な寄与でさえあり得ることに注意すべきである。
例えば車両が急な下り坂で道路を走行していると仮定し、運転者が急な下り坂で、モータブレーキを使用する代わりに機械式ブレーキを作動させて車両の速度を一定に保とうと試みる可能性があるものとする。これは、機械式ブレーキの強い摩耗状態を表すことになるが、運転者が機械ブレーキを作動させて一定の速度を保持するため、Δv({t,ti+1})≒0となり、通常の制動力摩耗寄与因子ΔW通常({t,ti+1})はほぼゼロ、すなわちΔW通常({t,ti+1})≒0となる。
一方、非ゼロ勾配摩耗寄与因子ΔW勾配({t,ti+1})によって、ブレーキ摩耗ΔW({t,ti+1})は非ゼロであると判定されることになる。
上記の式(34)において長さεの一定の時間期間を用いると、すなわち一定の各時間期間の長さΔt({t,ti+1})=ε=const.とすると、すなわちti+1=t+εとすると、式(34)を以下のように書き直すことができる。
(35)
Figure 0006591578
これは式(29)を用いて以下のように書き直すことができる。
(36)
Figure 0006591578
式(36)の勾配摩耗寄与因子ΔW勾配({t,ti+1})は、近似的に以下のように表すことができる。
(37)
Figure 0006591578
上記の近似値は、0°〜25°(30°まででも)の勾配傾斜角に対して非常に正確で便利に使用でき、θ∈[0°、25°]に対して小さな角度近似値sin(θ)≒θ[rad]を用いることで理解できる。
(38A)
Figure 0006591578
そしてさらに
(38B)
Figure 0006591578
したがって、0°〜25°(30°まででも)の勾配傾斜角に対して、以下のように近似できる。
(38C)
Figure 0006591578
さらに、次の定義を使用して、
(39)
Figure 0006591578
式(37)の勾配摩耗寄与因子ΔW勾配({t,ti+1})を、以下のように表すことができる。
(40)
Figure 0006591578
一方、勾配寄与によるブレーキ摩耗率(単位時間当たりのブレーキ摩耗)を求めることが望ましい可能性がある場合は、上記の定数Cに代えて修正定数C’=C/εを用いることにより、勾配寄与によるブレーキ摩耗率(単位時間当たりのブレーキ摩耗)を得ることができる。
(39A)
Figure 0006591578
また、式(32)〜(34)に基づいて、判定/推定されるブレーキ摩耗の精度を向上させるため、かつ/または対応するn個の時間期間[t0,t1],...、[tn−1,]に対して、t∈{t,...,t}となるようにi∈{0,...、n−1}で、時間t,...,tに関する後続のn個の時間期間の、より長いブレーキ操作のブレーキ摩耗パラメータを累積するために、以下の式(41)に従って、決定された個々のブレーキ摩耗パラメータΔW({t,ti+1})を累積することができる。
(41)
Figure 0006591578
さらに以下のように表す。
(42)
Figure 0006591578
さらに以下のように簡略化される。
(43)
Figure 0006591578
さらに以下のように簡略化される。
(44)
Figure 0006591578
少なくとも約1秒間の短い時間期間に対して妥当であるΔv({t,ti+1})≒d=const.、および少なくとも約1秒間の短い時間期間に対して妥当であるθ({t,ti+1})≒θ=const.、ならびにv(t)=vと仮定すると、式(44)は、さらに以下のように簡略化できる。
(45)
Figure 0006591578
有名なガウスの公式
Figure 0006591578
を使用して、速度v(t)の合計を次のように導き出すことができる。
(46)
Figure 0006591578
Figure 0006591578
である1つの単一の時間期間(すなわち、n=1)のみに対して、時間tとt=t=t+εとの間の時間期間では、式(45)を以下のように簡略化できる。
(47)
Figure 0006591578
寄与は以下の通りである。
(48)
Figure 0006591578
および
(49)
Figure 0006591578
上記式(21)および(40)と同様に、少なくとも1秒間の短い時間期間に対して妥当であるΔv({t,ti+1})≒d=const.、および少なくとも約1秒間の短い時間期間に対して妥当であるθ({t,ti+1})≒θ=const.、ならびにv(t)=vと仮定する。
Figure 0006591578
である2つの時間期間(すなわち、n=2)に対して、時間tとt=t=t+2εとの間の時間期間では、式(45)を以下のように簡略化できる。
(50)
Figure 0006591578
ここでは、
(51)
Figure 0006591578
および
(52)
Figure 0006591578
である。
2.ブレーキ摩耗推定方法の例示的な実施形態
図1は、第1の例示的な実施形態による、車両のブレーキ摩耗を推定する方法を示す例示的な概略フローチャートである。
以下の例示的な態様は、n≧1およびi=0〜i=n−1とする1つまたは複数の各時間期間{t,ti+1}に対して、車両のブレーキの1つまたは複数のブレーキパッドのブレーキ摩耗の算出/推定が行われると仮定している。
例えばこれらの時間期間は,ti+1=t+ε、すなわちΔt({t,ti+1})=εとなるように、等しい計算時間長εとすることができる。例えば、計算時間εは、0.1秒、0.5秒、1秒、または2秒などとして選択することができる。計算時間εは、車両の運転者が車両ブレーキを作動させる制動操作の平均時間よりも小さいか、または等しいことが好ましい。
判定/推定されるブレーキ摩耗の精度を向上させるため、かつ/または対応するn個の時間期間[t,t],...、[tn−1,]に対して、t∈{t,...,t}となるようにi∈{0,...、n−1}で、時間t,...,tに関する後続のn個の時間期間の、より長いブレーキ操作のブレーキ摩耗パラメータを累積するために、決定された個々のブレーキ摩耗パラメータは、各時間期間に対して決定/推定/算出することができる。
1つまたは複数の時間期間中の計算は、ブレーキの作動期間中にブレーキが作動したことの検出の際に有効とすることで、ブレーキが実際に作動したときにのみ行うようにすることができる。他の例示的な実施形態では、ブレーキ摩耗の算出/推定を継続して行うことが可能であり、後述する実施形態において例示的に仮定されるように、ブレーキ摩耗は、ブレーキが作動していない時間期間に対してゼロになるように算出/決定される。
例示的に、ブレーキ摩耗計算は図1において、時間t(例示的に開始時tと呼ぶことがある)に開始される。ただし、例示的に、n≧1およびi=0〜i=n−1とする時間期間{t,ti+1}毎に計算(ブレーキ摩耗推定)を行うため、1つの時間期間{t,ti+1}のみ例示的に説明される。
図1において、時間期間{t,ti+1}に対して、センサデータを取得するためにステップS101を実行し、ステップS101で取得されたセンサデータを同期させるためにステップS102を(任意で)実行する。
ステップS101において取得されたセンサデータは、車速を示すセンサデータを含んでもよい。一方、位置センサによる車両位置の複数の位置測定値に基づいて車速を判定することもできる。
さらに、ステップS101で取得されたセンサデータは、前後加速度(例えば、前後方向g力センサ)を示すセンサデータを含んでもよい。さらに、車速を示すセンサデータに基づいて前後加速度もしくは前後減速度、または車速変化を判定してもよい。
さらに例えば、ブレーキシステムが運転者によって作動されているかどうかを判定するために、センサデータは、例えばブレーキセンサのブレーキ信号に基づいて、ならびに/または油圧ブレーキシステムの圧力(例えば、ブレーキ圧力および/もしくはブレーキシリンダ圧力)を検出する圧力センサなどに基づいて、ブレーキシステムが作動しているかどうかを示してもよい。
さらに、例示的に、1つもしくは複数の重量センサを設けて車両重量を検出してもよく(例えば、サスペンションシステムの状態を検出する1つもしくは複数のセンサに基づいて)、または車両の1つもしくは複数の座席上、車両のトランク内などの重量寄与を検出する1つもしくは複数の重量センサを設けてもよい。
さらに、燃料タンク内の燃料が車両の重量または質量の寄与として追加的に考慮される場合、センサデータは、燃料の重量寄与を推定するために、燃料タンク内の燃料の充填状態を示す燃料センサデータを含んでもよい。
さらに、勾配寄与をさらに考慮してブレーキ摩耗が推定される例示的な実施形態では、取得されたセンサデータは、例えば、高度測定値に基づいて、ジャイロセンサのジャイロセンサデータに基づいて、車両の勾配傾斜を示すセンサデータを含んでもよく、勾配傾斜は、例えば車両の速度および測定された高度変化に基づいて判定される。これに加えて、またはこれに代えて、勾配傾斜は、車両位置の関数として道路勾配傾斜角を示す、位置データおよびナビゲーション・マップ・データに基づいて判定することができる。
さらに、摩擦係数および/またはブレーキ摩耗率係数などの基礎となるパラメータは温度に依存することがあるため、そのようなパラメータを温度に基づいて調整してもよく、そのような例示的な実施形態では、センサデータは、車両のブレーキのブレーキ温度を示すセンサデータをさらに含むことができる。また、温度依存モデルに基づいて、Rheeの式のパラメータa、b、およびcを調整してもよい。
いくつかのセンサデータが取り出される必要があり得るため、またはブレーキ摩耗推定もしくはその計算の計算周期(例えば、1/ε)よりも小さいことがあり、もしくは典型的には大きいサンプル周波数で、他のセンサデータが繰り返し提供(プッシュ)されることがあるため、ステップS102において、異なるセンサデータ入力をブレーキ摩耗推定またはその計算の計算周期(例えば、1/ε)に同期させることができる。
時間期間{t,ti+1}に対して(任意で同期された)センサデータが利用可能である場合、例示的に、図1の方法は、時間期間{t,ti+1}中にブレーキが起動(作動)したかどうかを確認するステップS103を含む。例えば運転者が時間期間{t,ti+1}中にブレーキペダルを作動させること基づいて、例えば時間期間{t,ti+1}中にブレーキ信号がブレーキシステムに出力されたかどうかが判定される。
ステップS103がNOを返す場合、すなわち時間期間{t,ti+1}中にブレーキが作動(作動)しなかった場合には、ブレーキシステムが作動しなかった時間期間{t,ti+1}中はブレーキ摩耗が発生し得なかったため、ブレーキ摩耗推定はステップS104において、時間期間{t,ti+1}中のブレーキ摩耗パラメータはゼロであったと判定し、すなわち時間期間{t,ti+1}についてΔW({t,ti+1})=0と判定する。なお、図中では、ΔW({t,ti+1})を例示的にW_iと表記する。
前述したように、ブレーキ摩耗パラメータΔW({t,ti+1})は、時間期間{t,ti+1}中の車両のブレーキにおけるブレーキ摩耗を示すように決定されることが好ましい。すなわち時間期間{t,ti+1}中の、車両のブレーキの1つもしくは複数のブレーキパッドの質量損失もしくは重量損失、時間期間{t,ti+1}中の車両のブレーキの1つもしくは複数のブレーキパッドの容量損失、および/または時間期間{t,ti+1}中の車両のブレーキの1つもしくは複数のブレーキパッドのパッド幅(パッドの厚さ)の損失を示すように決定されることが好ましく、後者は、ブレーキパッド摩耗変位と呼ぶこともできる。このようなパラメータは、車両のブレーキの1つまたは複数のブレーキパッドの最初の全体の質量、重量、体積、および/またはパッド幅と比較することができ、それによって例えば、時間期間{t,ti+1}中に発生するブレーキ摩耗の摩耗率または摩耗割合を決定することができる。
しかし、ステップS103がYESを返す場合、すなわち時間期間{t,ti+1}中にブレーキが起動(作動)した場合、ステップS105において、さらに任意で、時間期間{t,ti+1}中に車速がゼロであったと判定または検出されたかどうかを判定/確認する。すなわちv({t,ti+1})=0であったかどうかを判定/確認する(または時間期間{t,ti+1}中に車速が実質的にゼロであったと判定または検出されたかどうか、すなわちv({t,ti+1})<αであったかどうかを判定/確認し、αは閾値としてのセンサ補正係数であってもよい)。
ステップS105の確認は、例えば赤信号または交通渋滞で停車しているときなど、例示的に、車両の停止時に運転者がブレーキを作動させたときのブレーキ摩耗の推定を回避するために行われる(そのようなブレーキ作動はブレーキ摩耗を引き起こさないため)。しかしながら、上記の式に基づいて算出されたブレーキ摩耗パラメータは、ブレーキ摩耗の寄与が、通常、車速に比例するように決定されるため、任意の例示的なステップS105は、計算上の負担を軽減するために、車速がゼロまたは少なくとも実質的にゼロである時間期間について計算が回避されるという利点を有することに留意すべきである。
したがって、例示的には、ステップS105がYESを返す場合には、ブレーキシステムが起動しているが車速がゼロまたは少なくとも実質的にゼロであった時間期間{t,ti+1}中には、実質的なブレーキ摩耗が生じ得なかったため、ブレーキ摩耗推定はステップS104において、時間期間{t,ti+1}中のブレーキ摩耗パラメータがゼロであったと判定し、すなわち時間期間{t,ti+1}についてΔW({t,ti+1})=0と判定する。なお、図中では、ΔW({t,ti+1})を例示的にW_iと表記する。
ただし、ステップS105がNOを返す場合、例えば以下に説明するように計算上のブレーキ摩耗推定を実行する。
本方法は、センサデータに基づいて、任意でさらに所定のパラメータに基づいて時間期間{t,ti+1}のブレーキ摩耗推定を実行する(例えば、空車の車両の質量もしくは重量、ブレーキディスクの回転数と車速との相関係数、ブレーキの数nブレーキ、ブレーキ毎のブレーキパッド数nパッド、およびブレーキパッドの面積nAパッドなどのパラメータ、ならびに/または摩擦係数μおよび/もしくはブレーキ摩耗率係数kなどの他の入力パラメータ、ならびに/または計算に使用される他のパラメータであり、これらは予め決定され、かつ/または予めメモリに記憶されている)。
例示的には、ステップS106において、例えば所定のデータおよび/またはセンサデータに基づいて、車両の質量または重量が判定される。本明細書においては、所定のパラメータを使用してもよく、かつ/または追加の重量寄与が追加もしくは考慮されてもよく、例えばさらに上述したように、乗員重量、トランク積載重量、および/もしくは燃料重量などが含まれる。また、サスペンションシステムのセンサに基づいて、車両の総重量を判定または検出してもよい。
例示的には、ステップS107およびS108において、例えば速度センサデータに基づいて、時間tおよびti+1における車速が判定される。すなわち、ステップS107およびS108によって、車速v(t)およびv(ti+1)がそれぞれ判定される。これは、ステップS107およびS108の結果に基づいて、時間期間{t,ti+1}中の車速変化Δv({t,ti+1})を判定するために使用されてもよい。これに加えて、またはこれに代えて、時間期間{t,ti+1}中の車速変化Δv({t,ti+1})を、例えばg力センサからの加速度センサデータに基づいて検出してもよい。
上記のセンサデータおよび/または決定されたパラメータに基づいて、ステップS109において、例えばΔW通常({t,ti+1})(図中では例示的に、WN_iと表す)を求める、例えば上記の式の1つに基づいて、例えば以下のように、時間期間{t,ti+1}中の通常の(傾斜勾配を考慮しない)ブレーキ摩耗寄与を決定、算出、または推定することができる。
Figure 0006591578
したがって、ステップS109において、車両の質量(または重量)、現在の時間期間の開始時の車速、および現在の時間期間中の車速の変化に基づいて、ブレーキ摩耗パラメータ(勾配寄与なし)を決定することができる。
さらに例示的に、任意で、現在の時間期間{t,ti+1}中の、推定ブレーキ摩耗に対する追加の勾配寄与を決定することができる。
車両が斜面に位置していないと検出された場合(ステップS110がNO)、ステップS114において、勾配寄与ΔW勾配({t,ti+1})(図中では例示的に、WS_iと表す)がゼロ、すなわちΔW勾配({t,ti+1})=0となるように決定することができる。
しかし、センサデータおよび/またはナビゲーション・マップ・データに基づいて判定するステップS110において、車両が斜面上に、具体的には下り坂に位置/走行しているかどうか(例えば、勾配および進行方向または速度方向に基づいて)がYESとなる場合、ステップS112において、上記のセンサデータおよび/または決定されたパラメータに基づいて、例えばΔW勾配({t,ti+1})(図中では例示的に、WS_iと表す)を求める、例えば上記の式の1つに基づいて、例えば以下のように、時間期間{t,ti+1}中の(傾斜勾配を考慮した)勾配ブレーキ摩耗寄与を決定、算出、または推定することができる。
Figure 0006591578
または
Figure 0006591578
したがってステップS112では、車両の質量(または重量)、現在の時間期間の開始時の車速、および勾配傾斜角に基づいて、(勾配寄与に関する)ブレーキ摩耗パラメータを決定することができる。
そして、ステップS113において、時間期間{t,ti+1}中の総ブレーキ摩耗ΔW({t,ti+1})を判定するために、個々のブレーキ摩耗寄与を組み合わせる。例えば、ステップS109およびS114またはS112で決定された寄与が追加されてもよく(例えば、ステップS115)、または重み付け係数を考慮に入れることができる集約ルールによって集約されてもよい。
したがって、例示的に、車両の質量(または重量)、現在の時間期間の開始時の車速、現在の時間期間中の車速の変化、および勾配傾斜角に基づいて、時間期間{t,ti+1}中の総ブレーキ摩耗ΔW({t,ti+1})を判定することができる。
さらに任意で、ステップS116において、例えば最後のブレーキパッドの交換時からの複数の時間期間の総ブレーキ摩耗パラメータΔW({t,ti+1})を累積することができ、それによって車両のブレーキのブレーキパッドの総ブレーキ摩耗を推定することができる。
したがって、ステップS116において、車両のブレーキのブレーキパッドの累積総ブレーキ摩耗を判定することができ、これによって例示的に、車両のブレーキのブレーキパッドの予想残存寿命を推定でき、および/または車両のブレーキのブレーキパッドが交換される必要があると予想される次の推定予想交換時期を推定できる。このような推定は、任意の分析ステップS117で行うことができる。
さらに、ステップS117におけるそのような分析動作では、例えば運転者の行動などに基づく走行距離当たりの平均ブレーキ摩耗など、運転者の行動を分析してもよい。これにより運転者は、そのような情報に基づいて運転スタイルを調整することができる。
運転者に提示される情報には、累積ブレーキ摩耗値、最後のブレーキ操作に対するブレーキ摩耗値、走行距離当たりおよび/または走行時間当たりの平均ブレーキ摩耗値、ブレーキパッドの予想推定残存寿命、およびブレーキパッド交換の予想交換時期などが含まれてもよい。
これによって、例えば現在の道路条件、勾配条件、交通条件、車両の負荷条件(例えば、複数の乗員および/または積載されたトランク)、運転者の行動などに基づくブレーキ摩耗挙動に関するリアルタイム情報、ならびに寿命および予想交換時期に関する予測を、低い計算負荷および制限されたセンサ入力に基づいて、動的かつ/またはリアルタイムで、便利かつ正確に運転者に提供することができるため、追加のブレーキ摩耗センサが不要となるというさらなる利点が得られる。
図2は、第2の例示的な実施形態による、車両のブレーキ摩耗を推定する方法を示す例示的な概略フローチャートである。
例示的に、図2の方法は図1の方法と同様であり、図2においても追加のステップS116およびS117を設けてもよい。図2の方法は、ステップS201、S202、およびS203が追加される点で、図1とは異なる。
ステップS103においてブレーキが作動していることが検出されると、ブレーキシステム異常検出を行うために、ステップS201において、ブレーキシステムに関するセンサデータが分析される。
例えばブレーキシステムに関連する複数のセンサ値、例えばステップS101で取得されたセンサデータのうちの1つもしくは複数、またはすべてを含むセンサ値は、センサ信号のベクトル空間にマッピングされてもよい。例えば機械学習アルゴリズムに基づいて、通常動作条件に基づいて、センサデータ(および/またはそのベクトル空間表現)がブレーキシステムの異常またはブレーキシステムの故障を示し得るかどうかを確認してもよい。
例示的に、機械学習システムはブレーキに関連するセンサデータを使用するモデルに従って提供され、このセンサデータは通常動作から収集され、通常データのクラスタ(例えば、センサデータのベクトル空間内の通常のクラスタ)に位置するセンサデータ(またはそのベクトル空間表現)として認識されるように学習される。
そして、ステップS201では、センサデータを収集してもよく、さらに、収集されたセンサデータが通常動作のセンサデータを表すか、またはセンサデータがブレーキシステムの異常もしくはブレーキシステムの故障を示し得るかどうかを識別してもよい。例えば、通常動作条件に関連するセンサデータ空間内のクラスタに対して、現在のセンサデータの新たに取得されたセット(例えば、ベクトル)を確認することができる。
例えば、機械学習モデルによれば、通常動作中のセンサデータがセンサデータの抽象ベクトル空間にマッピングされ、これによって、通常のブレーキシステム動作を表す、センサデータの抽象ベクトル空間内の領域の1つまたは複数のクラスタを決定してもよい。一方、現在取得されているセンサデータが、センサデータの抽象ベクトル空間内の1つまたは複数の通常動作クラスタ領域のいずれかから離れたベクトル空間位置にマッピングされているとき、この場合は、ブレーキシステムが故障している(例えば、異常または故障を有する)ことを検出することができる。
ステップS201のブレーキシステム異常検出に基づいて、ステップS202において、(例えば、異常または故障を検出することによって)ブレーキシステムが故障しているかどうかが判定され、ステップS202がYESであれば、任意のステップS203において、例示的に、根本原因分析を行うことができる。これに代えて、またはこれに加えて、警告メッセージを運転者および/または車両制御システムに出力することができる。
一方、ステップS202の結果がNOの場合には、例えば上記の図1の方法に従って、本方法は正常に実行される。
3.ブレーキ摩耗推定装置の例示的な実施形態
図3は、例示的な実施形態による、車両のブレーキ摩耗の推定を実行するように構成された装置を示す例示的な概略図である。
なお、装置構成は、ハードウェアもしくはソフトウェア、またはそれらの組合せにより実現することができる。そのような装置構成は、車両の制御システムに実装することができ、かつ/またはコンピュータもしくはコンピュータシステムに実装することができる。最も好都合には、装置構成は、例えばノートパソコンまたは携帯電話などのモバイルデバイスに実装されてもよい。後者は、例示的な実施形態によるブレーキ摩耗推定が、OBDまたはOBD−2などの車両の車載診断システムと通信することで得られるセンサデータに基づいて達成され得るため、便利に実装できる。したがって、有利なことには、可能ではあるが、装置が車両のコントローラ・エリアネット・ワーク(Controller Area Network:CAN)と通信可能に接続または実装されている必要はなく、OBDまたはOBD−2などの車両の車載診断システムと通信することにより、必要なセンサデータをより容易に得ることができる。
例示的な装置300は、例示的に、センサ、センサシステム、または少なくともセンサデータ提供システム(例えば、OBDもしくはOBD−2などの車両の車載診断システム)に通信可能に接続されるセンサ・データ・インタフェース310を含む。
図3において、装置300は例示的に、センサ・データ・インタフェース310を介して、車両の速度に関するセンサ情報を提供する速度センサ101と、車両の重量ならびに/または重量寄与(例えば、乗員の重量、トランク積載重量、および/もしくは燃料重量)に関するセンサ情報を提供する重量センサ102と、車両の位置における勾配傾斜角に関するセンサ情報を提供する勾配センサ103と、車両のブレーキが作動しているかどうかに関するセンサ情報を提供するブレーキセンサ104と、車両の位置に関するセンサ情報を提供する位置センサ105とから、センサデータを取得するように構成される。
いくつかの例示的な実施形態では、例えば例示的な方法および例示的なブレーキ摩耗計算式に関連した上述したセンサデータの考慮に基づいて、他のセンサが追加的に設けられてもよく、または上記センサのうちの1つもしくは複数が回避されてもよい。
さらに、センサ・データ・インタフェース310は、直接的にセンサと、ならびに/または車両制御システムと、ならびに/またはセンサデータおよび/もしくは現在のセンサデータに基づいて決定される情報を提供する車載診断システムと通信するように構成されてもよいことにも留意されたい。
また、装置300は、(例えば、衛星ナビゲーションシステムに基づく)位置検出部、高度センサ、ナビゲーション・システム・コンポーネント、加速度センサ、特殊な方位センサ(ジャイロスコープなど)などの追加のセンサを含んでもよい。
さらに、センサ・データ・インタフェース310は、例えばイーサネット、USBなどを介して有線通信接続を確立するように構成されてもよく、またはWLAN(WiFi)、Bluetooth、携帯電話接続(3G、4G、もしくはLTEなど)、もしくは無線通信などの無線通信接続を介して構成されてもよい。
さらに、車両の運転者(つまり、より一般的には装置300のユーザ)に情報を提供するために、装置300は例示的に、さらに有線または無線の通信接続によって、車両のヒューマン・マシン・インタフェース、および/またはヒューマンマシン通信のための他の入力/出力装置と通信可能に接続することができる出力インタフェース340を備え、これにはディスプレイ、タッチスクリーン、オーディオ出力、コマンド・ライン・インタフェース、グラフィカル・ユーザ・インタフェース、マウス、キーボード、制御ボタン、または他の既知の入力/出力装置が含まれるが、これらに限定されない。
さらに、装置300は例示的に、処理部320(1つまたは複数のプロセッサを含み得る)と、メモリ(および/または記憶装置)部330(揮発性および/または不揮発性メモリ、RAM、ROM、NVRAM、ハードディスク記憶装置、USBストレージデバイス、フラッシュストレージなどを含み得る)とを備え、メモリ部330は、オペレーティングシステム、および命令の1つまたは複数のアプリケーション・ソフトウェア・セクションを含み、それによって処理部320は命令に基づいて、演算、計算、およびコンピュータにより実施される方法を実行する。
例示的には、処理部320は、例えばセンサデータに基づいて、かつ/またはメモリ部330のパラメータ記憶部331に予め記憶されたデータに基づいて車両の質量および/もしくは重量を判定するように構成された、車両重量判定部321を備える。
さらに例示的に、処理部320は、例えばセンサデータに基づいて、かつ/またはメモリ部330のパラメータ記憶部331に予め記憶されたデータに基づいて車両の速度を判定するように構成された、速度判定部322を備える。
さらに例示的に、処理部320は、例えば速度判定部322から出力されたセンサデータに基づいて、かつ/またはメモリ部330のパラメータ記憶部331に予め記憶されたデータに基づいて車両の加速度を判定するように構成された加速度判定部323を備え、加速度判定部323は、メモリ部330の加速度算出指示部332に記憶されている命令に基づいて動作することが好ましい。
さらに例示的に、処理部320は、例えばセンサデータに基づいて、かつ/またはメモリ部330のパラメータ記憶部331に予め記憶されたナビゲーション用地図データなどのデータに基づいて、車両の現在位置における勾配傾斜角を判定/推定するように構成された勾配判定部324を備え、勾配判定部324は、メモリ部330の勾配算出指示部333に記憶されている命令に基づいて動作することが好ましい。
さらに例示的に、処理部320は、例えばセンサデータに基づいて、かつ/またはメモリ部330のパラメータ記憶部331に予め記憶されたデータに基づいて、ブレーキ摩耗パラメータ(上述のブレーキ摩耗パラメータW_i、WN_i、および/またはWS_Iなど)を決定/推定するように構成されたブレーキ摩耗算出部325を備え、ブレーキ摩耗算出部325は、メモリ部330の第1および第2のブレーキ摩耗指示部334および335に記憶された命令に基づいて動作することが好ましい。第1のブレーキ摩耗指示部334は、勾配を考慮しない通常のブレーキ摩耗の算出のための(例えば、上記のWN_iを算出するための)命令を含んでよく、かつ/または第2のブレーキ摩耗指示部335は、勾配を考慮したブレーキ摩耗の算出のための(例えば、勾配傾斜を考慮した上記のWS_iを算出するための)命令を含んでもよい。
さらに例示的に、処理部320は、複数のブレーキ摩耗推定時間期間に対して算出されたブレーキ摩耗パラメータを累積するように構成された(上記のブレーキ摩耗パラメータW_i、WN_i、および/またはWS_Iを複数の時間期間にわたって累積するためなどの)ブレーキ摩耗累積部326を備え、ブレーキ摩耗累積部326は、メモリ部330のブレーキ摩耗累積指示部336に記憶されている命令に基づいて動作することが好ましい。
さらに例示的に、処理部320は、算出および/または累積されたブレーキ摩耗パラメータ(ブレーキパッド寿命予測、交換時期推定予測、運転者行動分析など)を分析するように構成されたブレーキ摩耗分析部327を備え、ブレーキ摩耗分析部327は、メモリ部330のブレーキ摩耗分析指示部337に記憶されている命令に基づいて動作することが好ましい。
さらに例示的に、処理部320は、ブレーキシステム異常検出および/またはその根本原因分析を(例えば、上述した機械学習モデルに基づいて)実行するように構成された根本原因分析部328を備え、根本原因分析部328は、メモリ部330の根本原因分析指示部338に記憶されている命令に基づいて動作することが好ましい。
4.例示的なリアルタイムブレーキ摩耗推定および累積ブレーキ摩耗
図4は、例示的な実施形態による、リアルタイムの推定ブレーキ摩耗および累積ブレーキ摩耗の例示的な推定結果の例示的なグラフである。
図4は、車両の試験走行中のブレーキ摩耗計算結果を例示し、約10/秒の一定のサンプリング周波数で複数のブレーキ摩耗パラメータ(通常のブレーキ摩耗寄与および勾配を考慮したブレーキ摩耗寄与に基づく)が算出され、すなわちブレーキ摩耗が0.1秒の時間期間に対して算出され、例示的に非ゼロ値のみを示す。
「1」、「2」、「3」、および「4」として示される4つの主な制動事象が識別でき、累積ブレーキ摩耗は「総摩耗=4.56μm」のパッド摩耗変位として決定され得ることが分かる。
計算値および累積値を用いて平均ブレーキパッド劣化値を算出することができ、例えば予想交換時期を推定するために、平均ブレーキパッド劣化値に基づいてブレーキパッドの余寿命を推定することができる。
図5は、例示的な実施形態による、リアルタイムの推定ブレーキ摩耗および累積ブレーキ摩耗の例示的な推定結果の例示的な図である。
例えば、図5は例示的に、一例によるリアルタイム摩耗分析を示すリアルタイム表示を、表示画面上に示すものであってよい。
例示的には、グラフは、時間(例えば、秒単位)の関数として、ブレーキ摩耗(μmまたはnmの単位のブレーキパッド摩耗であり、図5ではnmが例示的に使用される)を示してもよく、図5は、1/秒のサンプリングレートで最後の60秒を示すことによって時間の関数としてのブレーキ摩耗を例示しており、すなわち推定ブレーキ摩耗が毎秒(例示的に、ε=1秒)で算出される。
さらに図5は、制動事象毎の累積ブレーキ摩耗として直近の摩耗事象を例示し、制動事象は、ブレーキ作動の時間中に発生したと考えられてもよく、または非ゼロの摩耗パラメータが続けて算出された計算時間期間のグループとして検出されてもよい。
例示的に、累積摩耗事象は、384nm(約−60秒と−50秒との間で、約50秒前に検出された第1の制動事象中の累積ブレーキ摩耗)、592nm(約−40秒と−30秒との間で、約30秒前に検出された第2の制動事象中の累積ブレーキ摩耗)、および199nm(約−10秒と−5秒との間で、約7秒前に検出された第3の制動事象中の累積ブレーキ摩耗)として例示される。
これは、運転者がブレーキ摩耗に対する最近のブレーキ事象の影響をリアルタイムで確認することができ、運転者が、ブレーキ摩耗が高すぎると考える場合に、運転挙動を変えるように影響を与え得るという利点を有する。
また、図5は、ブレーキパッドの状態を例示的に円グラフとして例示しており、最後のブレーキパッドの交換からの累積ブレーキ摩耗および残りのブレーキパッドの厚さの割合は、交換時期におけるブレーキパッド全体の厚さに関連して示され、例示的には、502.619μmが既に摩耗し、11497.381μmがブレーキパッドの厚さとして依然として残っている。
例示的に、数値も同様に例示される。
さらに、図5は、ブレーキパッドの推定余寿命を例示しており、これは例えば最後の交換時期からの総累積ブレーキ摩耗と最後の交換時期からの経過時間との分析に基づいて、またはブレーキパッドの残りの厚さもしくは最後の交換時期におけるブレーキパッドの厚さに対する所定の時間期間にわたる平均摩耗に基づいて推定される。
5.モバイルデバイス上の例示的な実装
例示的な実施形態は、車両の車載装置上で簡便に実現することができるが、ラップトップまたは携帯電話(例えば、スマートフォンなど)などのモバイルデバイスに実装することもできることに留意されたい。
このようなモバイルデバイスは、例えば無線通信を介して車両の車載装置と通信してセンサデータを取得してもよい。一方、モバイルデバイスが、高度センサ、位置センサ、および/もしくは加速度センサ、または方位センサなどのセンサを実装している場合、外部センサデータなしでブレーキ摩耗推定を行うことができる。
例えば携帯電話など、モバイルデバイスが位置検出器および時計を有する場合、携帯電話はサンプリング時間に位置を検出することができ、さらに速度を推定することによって(例えば、時間の経過に伴う位置測定値に基づいて)モバイルデバイスは、(例えば位置測定値に基づいて、さらに任意で内部g力センサまたは加速度センサに基づいて)例えば上記の「通常の」ブレーキ摩耗推定値として使用されるような、速度および速度変化を決定するように構成されてもよい。
さらに、モバイルデバイスは、実装されたユーザアプリケーションを有することができ、このユーザアプリケーションによって、デバイスが位置を定期的に決定し、速度v(t)および速度変化Δv({t,ti+1})に基づく「通常の」ブレーキ摩耗推定のためのセンサデータとして速度データおよび速度変化データを導き出すように設定され、それによって、例えば上述の式に従って、推定ブレーキ摩耗を算出するように構成されている。
Figure 0006591578
k、μ、Aパッド、および/またはnパッドなどの他のパラメータは、パラメータとして予め記憶されてもよい。また、車両質量m車両を予め記憶することもできる。
車両質量m車両に関しては、例えばアプリケーションの開始時にユーザ入力を介して、またはユーザ設定やメニュー機能などの機能を設定することによって、ユーザが車両質量を入力できるようにすることも可能である。また、ユーザが車両タイプ(車種など)を入力し、アプリケーションによって、車種別に予め記憶された(例えば、複数の車両タイプに対して予め記憶された複数のパラメータの中から)車両質量を使用(選択)することも可能である。さらに、乗員重量もしくは乗員数(入力された乗員数と平均乗員重量との積による追加の重量寄与を決定するため)、または荷物の重量もしくは数などの他の重量/質量寄与をユーザが入力することも可能である。燃料重量については、燃料タンクの充填率などをユーザが入力してもよい。
さらに例えば、内部センサおよびナビゲーション・マップ・データによる位置測定値に基づいて、内部センサによる位置および高度の測定値の組合せに基づいて、ならびに/または方位センサ測定値に基づいて、モバイルデバイスが勾配角を検出することが可能である。したがって、モバイルデバイスによる勾配寄与計算さえも可能となり、これは例えば上述の式に従って、または以下の式に従って行うことができる。
Figure 0006591578
または
Figure 0006591578
上記実施形態は、車両の車載装置と通信しなくても、内部センサによるユーザ/運転者のモバイルデバイスであっても、効率的で信頼性の高いブレーキ摩耗推定を便利に実行できるという利点を有する。このような態様は、スマートフォンアプリケーションとして移植することさえ可能である。すなわち、例示的な実施形態によるこのような推定アルゴリズムは、モバイルデバイス(例えば、ノートパソコンまたは携帯電話)によって独立して実行することができ、ブレーキ摩耗を算出するために必要となるすべての必要なデータは、内部データおよびセンサに基づいてモバイルデバイスによって取得することができ、したがって、モバイルデバイス上のアプリケーションは、摩耗計算アルゴリズムを独立して実行することができる。
位置を観察し、速度および速度変化を算出することによって、かつ/またはg力センサもしくは加速度センサによって前後方向の減速を検出することによって、車両または車両の車載装置と通信しなくても、モバイルデバイスは独立してブレーキ作動を検出することができる。
6.その他
当業者には理解されるように、上述した本発明および添付の図面は、方法(例えば、コンピュータにより実施されるプロセスまたは任意の他のプロセス)、制御装置(装置、機械、システム、コンピュータプログラム製品、および/もしくは他の装置を含む)、またはこれらの組合せとして実施することができる。
したがって、本発明の実施形態は、全面的にハードウェアの実施形態、全面的にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、または一般に「システム」と呼ばれ得るソフトウェアおよびハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形式を取ることができる。さらに本発明の実施形態は、媒体に組み込まれたコンピュータ実行可能プログラムコードを有するコンピュータ可読媒体上の、コンピュータプログラム製品の形式を取ることができる。
本発明の実施形態は、方法および装置のフローチャート図および/またはブロック図を参照して上述されている。フローチャート図および/もしくはブロック図の各ブロック、ならびに/またはフローチャート図および/もしくはブロック図のブロックの組合せは、コンピュータ実行可能プログラムコードによって実施できることが理解されよう。
コンピュータ実行可能プログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または特定の機械を製造するためのコントローラなどの他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されてもよく、それによって、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行されるプログラムコードが、フローチャート、ブロック図のブロックもしくは複数のブロック、図、および/または記載された説明において指定された機能/動作/出力を実装するための手段を生成する。これらのコンピュータ実行可能プログラムコードは、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置に特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読メモリに記憶することもでき、それによって、コンピュータ可読メモリに記憶されたプログラムコードが、命令手段を含む製造物品を作製し、その命令手段によって、フローチャート、ブロック図のブロック、図、および/または記載された説明において指定された機能/動作/出力が実現する。コンピュータ実行可能プログラムコードは、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされることで、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で一連の動作ステップを実行させて、コンピュータにより実施されるプロセスを生成してもよい。それによって、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行されるプログラムコードは、フローチャート、ブロック図のブロック、図、および/または記載された説明で指定された機能/動作/出力を実施するステップを提供する。または、コンピュータプログラムによって実現されるステップまたは動作を、本発明の実施形態を実行するために、オペレータまたは人間が実施するステップまたは動作と組み合わせてもよい。
また本明細書では、論理フローは、本発明の様々な態様を示すために説明され得るものであり、本発明を特定の論理フローまたは論理実装に限定するものと解釈すべきではないことにも留意すべきである。説明された論理は、全体的な結果を変更することなく、そうでなければ発明の真の範囲から逸脱することなく、異なる論理ブロック(例えば、プログラム、モジュール、関数、またはサブルーチン)に分割してもよい。多くの場合、論理要素は、全体的な結果を変更することなく、そうでなければ本発明の真の範囲から逸脱することなく、追加、修正、省略、異なる順序での実行、または異なる論理構成を使用した実装(例えば、論理ゲート、ループプリミティブ、条件論理、および他の論理構成)が可能である。
特定の例示的な実施形態が説明され、添付の図面に示されているが、このような実施形態は広範な発明を単に説明するものであり、制限するものではなく、本発明の実施形態は、示され説明される特定の構成および配置に限定されないことが理解されるべきである。なぜなら、上記の段落に記載されたものに加えて、様々な他の変更、組合せ、省略、変形、および置換が可能であるからである。当業者は、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、このような上記の実施形態の様々な改変、変形、および/または組合せを構成できることを理解するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲内において、本発明は、本明細書に具体的に記載された以外のものとして実施されてもよいことが理解されるべきである。例えば、特に明記しない限り、本明細書に記載されるプロセスのステップを、本明細書に記載されたものとは異なる順序で実行してもよく、1つまたは複数のステップを組み合わせ、分割し、または同時に実行してもよい。当業者であれば、さらに、本開示を考慮して、本明細書に記載された本発明の異なる実施形態を組み合わせて、本発明の他の実施形態を形成することもできることを理解するであろう。
101 速度センサ
102 重量センサ
103 勾配センサ
104 ブレーキセンサ
105 位置センサ
300 装置
310 インタフェース
320 処理部
321 車両重量判定部
322 速度判定部
323 加速度判定部
324 勾配判定部
325 ブレーキ摩耗算出部
326 ブレーキ摩耗累積部
327 ブレーキ摩耗分析部
328 根本原因分析部
330 メモリ部
331 パラメータ記憶部
332 加速度算出指示部
333 勾配算出指示部
334 第1のブレーキ摩耗指示部
335 第2のブレーキ摩耗指示部
336 ブレーキ摩耗累積指示部
337 ブレーキ摩耗分析指示部
338 根本原因分析指示部
340 出力インタフェース
A パッド領域
C’2 修正定数
C2 定数
KIN 運動エネルギー
F 摩擦力
FR 燃料充填率
G 重力重量
P 接圧
R1 内側半径
R2 外側半径

Claims (15)

  1. 車両のブレーキ摩耗を判定する方法であって、
    前記車両のブレーキが作動する1つまたは複数の各時間期間について、前記各時間期間の開始時における前記車両の速度および前記各時間期間中の前記車両の速度変化を示す速度変化パラメータを決定することと、
    1つまたは複数の前記各時間期間について、前記各時間期間中の前記車両の1つまたは複数のブレーキにおけるブレーキ摩耗を示す各ブレーキ摩耗パラメータを、前記各時間期間の前記開始時の前記車両の前記速度、前記各時間期間中の前記車両の前記速度変化を示す前記速度変化パラメータ、および前記車両の質量または重量に基づいて決定することを含
    前記ブレーキ摩耗パラメータは、各前記時間期間における前記ブレーキの接圧、各前記時間期間の開始時における前記車両の速度、および各前記時間期間の時間長を用いて決定され、
    各前記時間期間における前記ブレーキの接圧は、各前記時間期間において作用する前記ブレーキの制動力に基づき算出され、
    各前記時間期間において作用する前記ブレーキの制動力は、前記車両の質量または重量、各前記時間期間の開始時と終了時それぞれにおける前記速度、および各前記時間期間において前記車両が走行した距離に基づき算出される
    方法。
  2. 前記車両のブレーキが作動している1つまたは複数の各時間期間について、前記車両が斜面を走行しているかどうかを判定することと、
    前記車両が斜面を走行していると判定された場合に、前記車両が走行している前記斜面の勾配傾斜角を示す勾配パラメータを決定することとを含み、
    1つまたは複数の前記各時間期間について、前記勾配傾斜角を示す決定された前記勾配パラメータにさらに基づいて、各ブレーキ摩耗パラメータを決定する、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記車両が斜面を走行していると判定された1つまたは複数の前記各時間期間について、前記各時間期間中の前記車両の1つまたは複数のブレーキにおけるブレーキ摩耗を示す各第2のブレーキ摩耗寄与パラメータを、前記各時間期間の前記開始時における前記車両の前記速度と、前記車両の前記質量または前記重量と、前記勾配傾斜角を示す決定された前記各勾配パラメータとに基づいて決定する、
    請求項2に記載の方法。
  4. 前記各第2のブレーキ摩耗寄与パラメータが、前記各時間期間の時間長にさらに基づいて決定される、
    請求項3に記載の方法。
  5. 前記各第2のブレーキ摩耗寄与パラメータは、前記各時間期間中の前記勾配傾斜角第2の閾値よりも小さい場合に、ゼロになるように決定される、
    請求項3または4に記載の方法。
  6. 複数のブレーキ摩耗パラメータが複数の時間期間に対して決定され、
    前記方法が、
    それぞれの前記複数のブレーキ摩耗パラメータを累積し、前記複数の時間期間にわたる累積期間中の、前記車両の1つまたは複数のブレーキにおけるブレーキ摩耗を示す累積ブレーキ摩耗パラメータを決定すること、
    をさらに含む、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記累積ブレーキ摩耗パラメータおよび前記累積期間の長さに基づいて、余寿命および/または予想ブレーキ交換時期を決定することをさらに含む、
    請求項6に記載の方法。
  8. 1つまたは複数の前記各時間期間について、前記各時間期間中の前記車両の1つまたは複数のブレーキにおける、勾配を考慮しないブレーキ摩耗を示す各第1のブレーキ摩耗寄与パラメータは、前記各時間期間の前記開始時の前記車両の前記速度と、前記各時間期間中の前記車両の前記速度変化を示す前記速度変化パラメータと、前記車両の前記質量または前記重量とに基づいて決定される、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記各第1のブレーキ摩耗寄与パラメータは、前記各時間期間中の前記車両の前記速度変化第1の閾値よりも小さい場合に、ゼロになるように決定される、
    請求項8に記載の方法。
  10. 1つまたは複数の前記各時間期間について、前記各時間期間中の前記車両の1つまたは複数のブレーキにおける、勾配を考慮しないブレーキ摩耗を示す各第1のブレーキ摩耗寄与パラメータは、前記各時間期間の前記開始時の前記車両の前記速度と、前記各時間期間中の前記車両の前記速度変化を示す前記速度変化パラメータと、前記車両の前記質量または前記重量とに基づいて決定され、
    前記各ブレーキ摩耗パラメータは、前記第1および第2のブレーキ摩耗寄与パラメータ線形結合または合計に基づいて決定される、
    請求項3、4、または5に記載の方法。
  11. 前記各ブレーキ摩耗パラメータは、前記車両の前記ブレーキが作動していない時間期間についてゼロになるように決定され、かつ/または前記各ブレーキ摩耗パラメータは、前記車両の前記ブレーキが作動し、前記車両の前記速度第3の閾値よりも小さいと判定される時間期間についてゼロになるように決定される、
    請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記車両のブレーキシステム特性を示すセンサデータを取得することと、
    取得した前記センサデータに基づいて行われるブレーキシステム異常検出に基づいて、ブレーキシステムが故障状態にあるかどうかを判定することをさらに含み前記センサデータおよび/または取得された前記センサデータから導き出されるパラメータに基づいて、前記各ブレーキ摩耗パラメータを決定する前に実施される、
    請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記ブレーキシステム異常検出は、取得した前記センサデータをセンサデータの抽象ベクトル空間にマッピングし、マッピングされた前記センサデータの前記ベクトル空間の位置を、前記ベクトル空間内の1つまたは複数のクラスタ領域と比較することによって行われ、前記1つまたは複数のクラスタ領域は機械学習アルゴリズムによって前記ブレーキシステムの通常動作に関連づけられ、前記機械学習アルゴリズムは、前記ブレーキシステムの通常動作中に取得されたセンサデータをセンサデータの前記抽象ベクトル空間にマッピングすることを含む、
    請求項12に記載の方法。
  14. 車両のブレーキ摩耗を判定する装置であって、メモリと、プロセッサとを備え、前記プロセッサは、
    前記車両のブレーキが作動する1つまたは複数の各時間期間について、前記各時間期間の開始時における前記車両の速度と、前記各時間期間中の前記車両の速度変化を示す速度変化パラメータとを決定することと、
    1つまたは複数の前記各時間期間について、前記各時間期間中の前記車両の1つまたは複数のブレーキにおけるブレーキ摩耗を示す各ブレーキ摩耗パラメータを、前記各時間期間の前記開始時の前記車両の前記速度、前記各時間期間中の前記車両の前記速度変化を示す前記速度変化パラメータ、および前記車両の質量または重量に基づいて決定することと を実行するように構成される、装置。
  15. コントローラ、コンピュータ、プロセッサ、および/またはモバイル・コンピューティング・デバイスに、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法のステップを実行させるように構成されたコンピュータプログラム命令を含むコンピュータプログラムを含む、コンピュータプログラム製品。
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