JP6583035B2 - 繊維強化プラスチック成形体用シート及び繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法 - Google Patents
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Description
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[2]繊維強化プラスチック成形体用シートにおける厚み方向の強化繊維の繊維配向パラメーター(fp)の絶対値が0.8〜1.0であり、平面方向の繊維配向パラメーター(fp)の絶対値が0.20以下である[1]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[3]熱可塑性樹脂が熱可塑性樹脂繊維である[1]又は[2]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[4]バインダー成分をさらに含み、バインダー成分は、繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して0.1〜10質量%含まれている[1]〜[3]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[5]熱可塑性樹脂は、ポリエーテルイミド繊維、ポリカーボネート繊維、ポリアミド繊維及びポリプロピレン繊維から選ばれる少なくとも1種である[1]〜[4]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体用シート。
[6]強化繊維と、熱可塑性樹脂とを含有する繊維強化プラスチック成形体であって、
繊維強化プラスチック成形体における厚み方向の強化繊維の繊維配向パラメーター(fp)の絶対値が0.7〜1.0であり、平面方向の繊維配向パラメーター(fp)の絶対値が0.25未満である繊維強化プラスチック成形体。
[7]厚みが0.8mm以下である[6]に記載の繊維強化プラスチック成形体。
[8]厚みが40μmより厚く、100μm以下である[6]又は[7]に記載の繊維強化プラスチック成形体。
[9]厚さが20μmより厚く、40μm以下である[6]又は[7]に記載の繊維強化プラスチック成形体。
[10][1]〜[5]のいずれかに記載されている繊維強化プラスチック成形体用シートを成形した繊維強化プラスチック成形体。
[11][6]〜[10]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体と、密度が0.2〜0.9g/cm3の芯材とを有し、芯材の両面に繊維強化プラスチック成形体が接着されてなる積層体。
[12]強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維とを混合したスラリーを、湿式抄紙する工程を含み、湿式抄紙する工程は、傾斜型抄紙機を用いて抄紙する工程であり、傾斜型抄紙機のワイヤーは、ジェットワイヤー比が0.90〜0.99となるように走行する繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
[13]スラリーの分散媒の25℃における粘度は1.00mPaを超え4.00mPa以下である[12]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
[14]スラリーの分散媒の25℃における粘度は1.2〜3.5mPaである[12]又は[13]に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
[15]傾斜型抄紙機は乱流発生装置を備える[12]〜[14]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
本発明は、強化繊維と、熱可塑性樹脂とを含有する繊維強化プラスチック成形体用シートに関する。本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートにおける厚み方向の繊維配向パラメーター(fp)の絶対値は0.7〜1.0であり、平面方向の繊維配向パラメーター(fp)の絶対値は0.25未満である。
なお、繊維強化プラスチック成形体用シートにおける厚み方向の繊維配向パラメーター(fp)は、例えば繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法等を適切に選択することによって制御することが可能である。
湿式繊維強化プラスチック成形体用シートは、強化繊維と熱可塑性樹脂繊維を織り込んだ織布や、引き揃えた強化繊維に樹脂を含浸したプリプレグを細断し、シート化したランダムマット等とは区別される。織布を用いたものは、いずれも強化繊維が特定の方向と、その特定の方向に対して90°の方向にのみ繊維が配向しているため、特定方向と90°方向には強度が高いが、それ以外の方向の強度が低い。このため、平面方向のfp値が0.0に近くてもたわみ量が湿紙機不織布に比べて大きくなるという欠点がある。また、ランダムマットは、強化繊維の束が存在するため、強化繊維の均一性に劣り、強度欠陥が発生しやすい。この傾向は特に薄物化したときに顕著である。
これに対して、本発明の式繊維強化プラスチック成形体用シートは、平面方向において全方向にほぼ均等に繊維が配向しているため、全方向の強度が高く、織布に比べてたわみ量が少ない。また、強化繊維を水中(スラリー中)で分散させるため十分にモノフィラメント化させることができ、強度欠陥の発生が抑制されている。
繊維強化プラスチック成形体用シートにおける、厚み方向の繊維配向パラメーター(fp)を測定する場合は、繊維強化プラスチック成形体用シートに、一般的に電子顕微鏡観察で使用される包埋用エポキシ樹脂等を含浸させて、断面観察用試験片を作製する。ここで包埋用エポキシ樹脂を含浸させるのは、後述する断面の切り出しの際に繊維の配向方向が切断時のせん断力で変わってしまうことを防止するためである。包埋用樹脂としては、エポキシ樹脂やスチレン樹脂等、せん断力に耐えうる十分な強度・硬度を有する樹脂が好ましいが、本発明では、エポキシ樹脂を使用することで厚み方向の繊維配向パラメーター(fp)を測定する。包埋用樹脂としては、例えば、日本電子株式会社製、アロニックス LCA D−800を例示することができる。なお、熱硬化タイプの樹脂や、硬化時に発熱する樹脂は、硬化時の熱で繊維強化プラスチック成形体用シート中のバインダーの強化繊維同士の接着力が低下し、強化繊維の角度が変わってしまう可能性があるため、紫外線等の光硬化タイプのエポキシ樹脂等、硬化時に熱源とならない樹脂を用いることが好ましい。
樹脂包埋の方法としては、電子顕微鏡観察や光学顕微鏡観察で一般的に用いられる方法を採用することができる。具体的には、繊維強化プラスチック成形体用シートを幅5mm、長さ10mmに切断し、上述した包埋用エポキシ樹脂を少なくとも試験片の表面が全て覆われるまで滴下して含浸させ、硬化させる。包埋用エポキシ樹脂の滴下は、例えばスポイト等を用いて行うことができる。
光学顕微鏡には、キーエンス社製、マイクロスコープを用い、モノフィラメントが視認できる倍率に拡大して繊維を観察する。本実施形態においては、たとえば上記倍率を300倍、600倍、および800倍から選択することができる。また、強化繊維の観察は、試験片の観察面およびその反対面のそれぞれから深さ10μm以上の部分に焦点を合わせて観察する。なお、試験片は、ミクロトームを用いて切り出してもよい。
本発明では、エポキシ樹脂で包埋して、厚み方向の断面を切り出すことにより、切断時のせん断力で繊維の角度が変わってしまうことを防ぐことができる。
fp=2×Σ(cos2θi/n)−1 式(1)
ここで、θiは基準線に対する選び出した強化繊維の配向角度(i=1〜n)である。
基準線を設定する際には、まず仮基準線pを選択し、上記測定領域内に存在する視認し得る全ての強化繊維n本の角度を測定する。この場合、仮基準線pと各繊維の角度は、α(p)i(i=1〜n)で表される。
仮基準線pとした際の繊維配向パラメーター(fp(p))は、下記式を用いて算出することができる。
fp(p)=2×Σ(cos2α(p)i/n)−1
(i=1、2、3、・・・、n)
次に、仮基準線pを±1°ずつ、±90°となるまで回転させた仮基準線(p+z、p-z(z=1〜90))をとり、仮基準線p+zと仮基準線p-zと繊維n本の角度を算出する。この場合の角度は、α(p+z)iと、α(p-z)i(i=1〜n)で表される。回転させた仮基準線(p+z、p-z(z=1〜90))と強化繊維の繊維配向パラメーター(fp(p±z))は、下記式を用いて算出することができる。
fp(p±z)=2×Σ(cos2α(p±z)i/n)−1
(i=1、2、3、・・・、n)
このようにして、得られたfp(p)値及びfp(p±z)値の絶対値のうち最大値が得られた場合に設定した仮基準線を基準線Pとすることができる。このように決定した基準線Pから算出される繊維配向パラメーターを、厚み方向における繊維配向パラメーター(fp)とすることができる。
図1(b)では、上記の方法で決定された基準線はPで表される点線であり、各強化繊維の配向線は、各々QとRの点線で表されている。なお、図1(b)において、P'とした点線は基準線と平行な線であり、基準線Pと、各強化繊維の配向線(Q及びR)がなす角度をわかりやすく説明するための補助線である。図1(b)では、P'とQがなす角度(配向角度θ1)は0°であるため、P'とQは重なっている。また、P'とRがなす角度(配向角度θ2)はθ2として表されている。このようにして、θ1〜θnが測定される。なお、図1(b)では、強化繊維の配向状態を確認しやすくするために、強化繊維のみを図示している。
繊維強化プラスチック成形体用シートにおける平面方向の繊維配向パラメーターの測定は、特に樹脂包埋等の処理をせずとも測定することができる。具体的には、長さ3cm×幅3cmに切り出した繊維強化プラスチック成形体用シートをスライドガラス上に載せ、上から更にスライドガラスを載せて、マイクロスコープを用いて通常の反射光の測定で観察することができる。
本発明では、スライドガラスで挟んだ試験片の一方の面について光学顕微鏡にて観察する。光学顕微鏡には、キーエンス社製、マイクロスコープを用い、モノフィラメントが視認できる倍率に拡大して反射光にて、または反射光と透過光を併用して繊維を観察する。本実施形態においては、たとえば上記倍率を300倍、600倍、および800倍から選択することができる。これにより、一方の面のうちの任意に選択される連続した2.0mm2の測定領域を観察し、この測定領域中に存在する視認し得る全ての繊維(繊維数はm本とする)の配向角度θiを測定する。配向角度θiは、基準線に対して時計回りの方向の角度を測定し、0°以上180°未満の角度とする。繊維配向パラメーター(fp、以下fp値ともいう)は、上記の方法で測定した配向角度θiから以下の式(2)を用いて算出することができる。
fp=2×Σ(cos2θi/m)−1 式(2)
ただし、i=1〜mである。
そして、反対面についても同様に測定し、一方の面と反対面の平均値を求めて、これを平面方向の繊維配向パラメーター(fp)とする。なお、一方の面の測定領域と反対面の測定領域は、たとえば平面視において重なる領域である。また、一方の面および反対面のいずれの観察においても、たとえば一方の面および反対面のそれぞれから深さ10μm以上の部分に焦点を合わせて観察することができる。
基準線を設定する際には、まず仮基準線pを選択し、上記測定領域内に存在する視認し得る全ての繊維m本の角度を測定する。この場合、仮基準線pと各繊維の角度は、α(p)i(i=1〜m)で表される。
仮基準線pとした際の繊維配向パラメーター(fp(p))は、下記式を用いて算出することができる。
fp(p)=2×Σ(cos2α(p)i/m)−1
(i=1、2、3、・・・、m)
次に、仮基準線pを±1°ずつ、±90°となるまで回転させた仮基準線(p+z、p-z(z=1〜90))をとり、仮基準線p+zと仮基準線p-zと繊維m本の角度を算出する。この場合の角度は、α(p+z)iと、α(p-z)i(i=1〜m)で表される。
回転させた仮基準線(p+z、p-z(z=1〜90))と強化繊維の繊維配向パラメーター(fp(p±z))は、下記式を用いて算出することができる。
fp(p±z)=2×Σ(cos2α(p±z)i/m)−1
(i=1、2、3、・・・、m)
このようにして、得られたfp(p)値及びfp(p±z)値のうち最大値が得られた場合に設定した仮基準線を基準線Pとすることができる。このように決定した基準線Pから算出される繊維配向パラメーターを、平面方向における繊維配向パラメーター(fp)とすることができる。
本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートにおける強化繊維の配合割合は、20〜80質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましく、35〜65質量%であることがさらに好ましい。
また、強化繊維と熱可塑性樹脂の質量比は1:0.2〜1:10であることが好ましく、1:0.5〜1:5であることがより好ましく、1:0.7〜1:3であることがさらに好ましい。強化繊維と熱可塑性樹脂の質量比を上記範囲内とすることにより、軽量であり、かつ高強度の繊維強化プラスチック成形体を得ることができる。
強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維及びアラミド繊維から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらの強化繊維は、1種のみを使用してもよく、複数種を使用してもよい。また、PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)繊維等の耐熱性に優れた有機繊維を含有していてもよい。
また、強化繊維として、アラミド等の有機繊維を用いた場合は、一般的に強化繊維として無機繊維を使用した繊維強化プラスチック成形体用シートから形成される成形体よりも耐摩耗性を向上させ得る。
なお、本明細書において、質量平均繊維長は、100本の繊維について測定した繊維長の平均値である。
なお、本明細書において、平均繊維径は、100本の繊維の繊維径を測定した際の平均値である。
強化繊維としては炭素繊維を用いることが好ましい。強化繊維に含まれる炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル(PAN)系、石油・石炭ピッチ系、レーヨン系、リグニン系等の炭素繊維を用いることができる。これらの炭素繊維は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせ用いてもよい。また、これら炭素繊維の中でも、工業規模における生産性及び機械特性の観点から、ポリアクリロニトリル(PAN)系の炭素繊維を用いることが好ましい。
繊維強化プラスチック成形体用シートは、熱可塑性樹脂を含む。熱可塑性樹脂は、加熱加圧処理時にマトリックス、あるいは、繊維成分の交点に結着点を形成するため、マトリックス樹脂と呼ぶこともある。このようなマトリックス樹脂繊維を用いた不織布状の繊維強化プラスチック成形体用シートは、熱硬化性樹脂を使用したシートに比べて、オートクレーブ処理が不要で、加工する際の加熱加圧成形時間が短時間ですみ、生産性を高めることができる。
本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートは、バインダー成分をさらに含むことができる。この場合、バインダー成分は、繊維強化プラスチック成形体用シートの全質量に対して0.1〜10質量%となるように含有されることが好ましく、0.3〜10質量%であることがより好ましく、0.4〜9質量%であることがさらに好ましく、0.5〜8質量%であることが特に好ましい。バインダー成分の含有率を上記範囲内とすることにより、製造工程中の強度を高めることができ、ハンドリング性を向上させることができる。なお、バインダー成分の量は多くなると表面強度・層間強度共に強くなるが、逆に加熱成形時の臭気の問題が発生しやすくなる。しかし、上記の範囲においては臭気の問題はほとんど発生せず、また繰り返しの断裁工程を経ても層間剥離などを発生しない繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることができる。
本発明では、熱可塑性樹脂繊維と強化繊維は、一定の長さにカットされたチョップドストランドであることが好ましい。また、バインダー成分として、バインダー繊維を含む場合は、バインダー繊維もチョップドストランドであることが好ましい。このような形態とすることにより、繊維強化プラスチック成形体用シート中で、各種繊維を均一に混合することができる。
本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造工程は、強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維とを混合したスラリーを、湿式抄紙する工程を含む。ここで、湿式抄紙する工程は、傾斜型抄紙機を用いて抄紙する工程であり、傾斜型抄紙機のワイヤーは、ジェットワイヤー比が0.90〜0.99となるように走行するものである。
本発明では、ジェットワイヤー比を上記範囲とし、「引き地合」で抄紙することにより、繊維強化プラスチック成形体用シートにおける厚み方向の繊維配向パラメーター(fp)と平面方向の繊維配向パラメーター(fp)を所望の範囲内とすることができる。
このように複数のサクションボックスの脱水量を調節することによっても、繊維強化プラスチック成形体用シートにおける厚み方向及び平面方向の強化繊維の繊維配向パラメーター(fp)の絶対値を所望の範囲内とすることができる。
乱流発生装置は、インレット内へスラリーを導入する領域の輸送パイプ内に設けられる。図3では乱流発生装置の構成の一例を示している。図3に示されているように乱流発生装置241は、乱流発生流路242を備える。乱流発生装置241は、複数の乱流発生流路を備えることが好ましい。乱流発生流路数は2以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましく、10以上であってもよく、30以上であってもよい。なお、乱流発生流路数は、インレット内へスラリーを導入する領域の輸送パイプの径の大きさによって適宜調節することができる。
スラリーは、乱流発生流路242を流通する。図3には、便宜上、5つの流路(242a、242b、242c、242d、242e)を記載しているが、この場合、スラリーは5つの乱流発生流路(242a、242b、242c、242d、242e)に分岐して流通する。乱流発生装置241は、2〜4または6以上に分岐した乱流発生流路を有していてもよい。なお、乱流発生装置241は、スラリーを分岐させずに流通させる乱流発生流路242を用いてもよい。
なお、上述したように傾斜型抄紙機のワイヤーの傾斜角度を小さくした場合は、インレットの濃度が高くなるため分散性が悪化し、地合が良好で均質な繊維強化プラスチック成形体用シートを得ることが難しくなる傾向がある。このような場合に、上述したような乱流発生装置を用いることにより、繊維の分散性を高めることができ、地合が良好で均質な繊維強化プラスチック成形体用シートを効率よく得ることができる。
本発明は、強化繊維と、熱可塑性樹脂とを含有する繊維強化プラスチック成形体に関するものでもある。繊維強化プラスチック成形体における強化繊維の配向は、繊維強化プラスチック成形体用シートの強化繊維の配向と同様であり、厚み方向の強化繊維の繊維配向パラメーター(fp)の絶対値が0.7〜1.0であり、平面方向の繊維配向パラメーター(fp)の絶対値が0.25未満である。
本発明の繊維強化プラスチック成形体は、上述した繊維強化プラスチック成形体用シートを、成形したものである。より具体的には、本発明の繊維強化プラスチック成形体は、上述した繊維強化プラスチック成形体用シートを、熱可塑性樹脂の融点又はガラス転移温度以上の温度で加圧加熱成形することにより形成することができる。
低密度の芯材の両面に繊維強化プラスチック成形体を貼合する場合、芯材としては、例えば、天然パルプ、合成パルプ、無機繊維及び有機繊維等から選ばれる少なくとも1種の材料を含む不織布が挙げられる。また、芯材としては、上述した不織布の加熱加圧成形物、もしくは熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる発泡体等の多孔質体等も好適に使用される。
この特徴を生かして、筒状、あるいはスパイラル状に加工してセンサー等の保護材料として使用したり、コルゲート加工を行い波型に加工して、両面にライナーシートを貼合して軽量かつ高強度の積層体を得ることも可能である。
本発明の様に、繊維強化プラスチック成形体用シートを用いる場合には、繊維強化プラスチック成形体用シートの坪量を調節することにより、薄物成形体の製造が可能である。特に、本発明の繊維強化プラスチック成形体用シートにおいては、厚み方向の強化繊維の繊維配向パラメーター(fp)の絶対値を0.7以上とすることにより平面方向の補強効果が得られ、きわめて薄い薄物成形体の製造においても、成形時に破れや破損が生じ難いという技術的意義を有する。このことにより、本発明の繊維強化プラスチック成形体の厚みは、40μmより厚く、100μm以下とすることもできる。さらに、本発明の繊維強化プラスチック成形体の厚みを20μmより厚く、40μm以下とすることもできる。なお、10μm以上20μm以下の繊維強化プラスチック成形体も得ることが可能である。
また、片面にコア材を接着するような用途の場合、当該接着面に配する繊維強化プラスチック成形体用シートが含有する熱可塑性樹脂を、コア材との接着性に優れる樹脂、例えば融点が低いもの、粘着性を有するもの、コア材が含有する成分と相溶性に優れるものなどに変更することも可能である。
曲げ強度の相乗平均値=√(FMD×FCD)
ここで、FMDはMD方向の曲げ強度を表し、FCDはCD方向の曲げ強度を表す。
得られたS−Sカーブ(応力-ひずみ線図)から、圧縮荷重8Nのたわみ量(mm)を測定し、本発明におけるたわみ量とする。
本発明の繊維強化プラスチック成形体は、上述した繊維強化プラスチック成形体用シートを加熱加圧成形することにより成形される。繊維強化プラスチック成形体用シートは、目的とする形状や成形法に合わせて任意の形状に加工することができる。
本発明の繊維強化プラスチック成形体の用途としては、例えば、「OA機器、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末、タブレットPC、デジタルビデオカメラなどの携帯電子機器、エアコンその他家電製品などの筐体」、「支柱、パネル、補強材」などの土木、建材用部品、「各種フレーム、各種車輪用軸受、各種ビーム、ドア、トランクリッド、サイドパネル、アッパーバックパネル、フロントボディー、アンダーボディー、各種ピラー、各種サポート、などの外板またはボディー部品及びその補強材」、「インストルメントパネル、シートフレームなどの内装部品」、または「ガソリンタンク、各種配管、各種バルブなどの燃料系、排気系、または吸気系部品」、「エンジン冷却水ジョイント、エアコン用サーモスタットベース、ヘッドランプサポート、ペダルハウジング」、などの自動車、二輪車用部品、「ウィングレット、スポイラー」などの航空機用部品、「鉄道車両用の座席用部材、外板パネル、天井パネル、エアコン等の噴出し口」などの鉄道車両用部品として好ましく用いられる。
このような用途としては、「OA機器、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末、タブレットPC、デジタルビデオカメラなどの携帯電子機器、エアコンその他家電製品などの筐体に貼り付ける補強材」、「射出成形体、或いは断熱材等に用いられる発泡PP樹脂や発泡ウレタン樹脂等からなる多孔質体の成形体の貼合する補強材」、「樹脂(熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂)からなる成形体の補強材、樹脂と強化繊維からなる成形体の補強材、植物由来材料(クラフト紙、段ボール、耐油紙、絶縁紙、導電紙、剥離紙、含浸紙、グラシン紙、セルロースナノファイバーシートなど)からなるシートやモールド等の成形体の補強材」などの部材等に好適に使用される。
本発明の繊維強化プラスチック成形体は、全体強度が高く、たわみ量が小さいため、広範な平面構造を有する電気、電子機器用の筐体、自動車用の構造部品(例えばボンネットなど)、航空機用の部品等に特に好ましく用いられる。
繊維長12mmの炭素繊維(東レ社製、T700)をスラリー濃度0.5%となるように水中に投入し、分散剤としてエマノーン(登録商標)3199V(花王株式会社製)を、炭素繊維100質量部に対して1質量部となるよう添加した。なお、エマノーン3199Vはあらかじめ0.5%濃度の水溶液となるように水に溶解して添加した。その後、古紙離解用パルパーを用いて30秒間攪拌して初期分散を行った後、スラリー濃度0.15%となるように水で希釈した(炭素繊維スラリー)。
このようにして、繊維強化プラスチック成形体用シートを作製した。得られた繊維強化プラスチック成形体用シートのfp値の絶対値は表1に示した。
得られた繊維強化プラスチック成形体用シートを、7枚積層し、プレス速度を3.5cm/secで上昇させ、プレス圧を10MPaとして245℃まで昇温し、60秒加熱加圧した後、50℃に冷却して表1に記載した厚みの繊維強化プラスチック成形体を得た。
曲げ強度測定用の繊維強化プラスチック成形体と同様にして、たわみ量測定用の繊維強化プラスチック成形体を作成した。
スラリーの分散媒の粘度を表1に示すとおりに変更し、かつ各サクションボックスの吸引力を調整し、脱水量割合を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして繊維強化プラスチック成形体用シート及び各種繊維強化プラスチック成形体を得た。なお、各サクションボックスの脱水量割合は、4つのサクションボックスから脱水される循環白水の総量を100とした場合の各サクションボックスの脱水量の比率である。
インレットへのスラリー導入部に乱流発生装置を有さない傾斜型抄紙機を使用し、インレット内の分散媒の粘度を表1に示す通りとした以外は、実施例2と同様にして繊維強化プラスチック成形体用シート及び各種繊維強化プラスチック成形体を得た。
スラリーの分散媒の粘度を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例2と同様にして繊維強化プラスチック成形体用シート及び各種繊維強化プラスチック成形体を得た。
各サクションボックスの脱水量割合を表1に示すとおりに変更し、かつ傾斜型抄紙機のワイヤーのジェットワイヤー比を表1に示す通りとなるよう調整した以外は、実施例4と同様にして繊維強化プラスチック成形体用シート及び各種繊維強化プラスチック成形体を得た。
傾斜型抄紙機のワイヤーの通気度を表1に示すとおりに変更し、かつ傾斜型抄紙機のワイヤーのジェットワイヤー比を表1に示す通りとなるよう調整した以外は、実施例5と同様にして繊維強化プラスチック成形体用シート及び各種繊維強化プラスチック成形体を得た。
スラリーの分散媒の粘度を表1に示すとおりとした以外は、実施例6と同様にして繊維強化プラスチック成形体用シート及び各種繊維強化プラスチック成形体を得た。
熱可塑性樹脂繊維をポリエーテルイミド繊維(株式会社クラレ製、繊維径2.2dtex、繊維長15mm)に変更した以外は、実施例7と同様にして、繊維強化プラスチック成形体用シート及び各種繊維強化プラスチック成形体を得た。なお、繊維強化プラスチック成形体を加熱加圧成形する際の成形温度は300℃に変更した。
熱可塑性樹脂繊維を酸変性ポリプロピレン繊維(ダイワボウ社製 PZ―AD 繊維径3.3dtex、繊維長15mm)に変更し、かつ傾斜型抄紙機のワイヤーのジェットワイヤー比を表1に示す通りとなるよう調整した以外は、実施例8と同様にして繊維強化プラスチック成形体用シート及び各種繊維強化プラスチック成形体を得た。なお、繊維強化プラスチック成形体を加熱加圧成形する際の成形温度は200℃に変更した。
熱可塑性樹脂繊維をポリカーボネート繊維(ダイワボウ社製 繊維径30μ、繊維長15mm)に変更した以外は、実施例9と同様にして繊維強化プラスチック成形体用シート及び各種繊維強化プラスチック成形体を得た。なお、繊維強化プラスチック成形体を加熱加圧成形する際の成形温度230℃に変更した。
インレットへのスラリー導入部に乱流発生装置を有さない傾斜型抄紙機を使用し、ワイヤーの傾斜角度を18°とし、ジェットワイヤー比及びスラリーの分散媒の粘度を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして繊維強化プラスチック成形体用シート及び各種繊維強化プラスチック成形体を得た。
各サクションボックスの脱水量割合及びスラリーの分散媒の粘度を表1に示すとおりに変更し、かつジェットワイヤー比を表1に示すとおりに変更した以外は、比較例1と同様にして繊維強化プラスチック成形体用シート及び各種繊維強化プラスチック成形体を得た。
ジェットワイヤー比を表1に示すとおりに変更した以外は、比較例2と同様にして繊維強化プラスチック成形体用シート及び各種繊維強化プラスチック成形体を得た。
ジェットワイヤー比及びスラリーの分散媒の粘度を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして繊維強化プラスチック成形体用シート及び各種繊維強化プラスチック成形体を得た。
<厚み方向の繊維配向パラメーター(fp値)の測定>
実施例・比較例で得られた繊維強化プラスチック成形体用シートを幅5mm、長さ10mmに切断し、紫外線硬化タイプの包埋用エポキシ樹脂(日本電子株式会社製、アロニックス LCA D−800)を、試験片の表面全面を覆うようにスポイトを用いて滴下して含浸させ、紫外線を照射して硬化させた。
そして、日本分光株式会社製、スライスマスター HS−1を用いて、硬化物から幅0.4mm、長さ10mmの断面観察用試験片を切り出した。なお、切断方向は、図1(a)におけるB−B'方向とした。
得られた試験片の厚み方向の断面を、キーエンス社製、マイクロスコープで、300倍に拡大して透過光にて繊維を観察した。ここでは、上記断面のうちの連続した1.5mm2の測定領域を観察した。また、試験片の観察面およびその反対面のそれぞれから深さ10μm以上の部分に焦点を合わせて観察を行った。そして、上記測定領域中に存在する、観察像において視認し得る全ての繊維(繊維数はn本とする)について、後述する方法で設定した基準線に対する角度θi(i=1〜n)を測定した。配向角度θiは、基準線に対して時計回りの方向の角度を測定し、0°以上180°未満の角度とした。そして、設定された基準線に対する繊維の角度θiから、以下の式(1)を用いて厚み方向の繊維配向パラメーターを算出した。
fp=2×Σ(cos2θi/n)−1 式(1)
仮基準線pとした際の繊維配向パラメーター(fp(p))は、下記式を用いて算出した。
fp(p)=2×Σ(cos2α(p)i/n)−1
(i=1、2、3、・・・、n)
次に、仮基準線pを±1°ずつ、±90°となるまで回転させた仮基準線(p+z、p-z(z=1〜90))をとり、仮基準線p+zと仮基準線p-zと繊維n本の角度を算出した。この場合の角度は、α(p+z)iと、α(p-z)i(i=1〜n)で表した。
回転させた仮基準線(p+z、p-z(z=1〜90))と強化繊維の繊維配向パラメーター(fp(p±z))は、下記式を用いて算出した。
fp(p±z)=2×Σ(cos2α(p±z)i/n)−1
(i=1、2、3、・・・、n)
このようにして、得られたfp(p)値及びfp(p±z)値のうち最大値が得られた場合に設定した仮基準線を基準線とした。
実施例・比較例で得られた繊維強化プラスチック成形体用シートを幅3cm×長さ3cmとなるように切り出し、この試験片をスライドガラスで挟み、当該試験片の一方の面を光学顕微鏡にて観察した。光学顕微鏡には、キーエンス社製、マイクロスコープを用い、300倍に拡大して反射光にて繊維を観察した。ここでは、上記一方の面のうちの連続した2.0mm2の測定領域を観察した。そして、この測定領域中に存在する、観察像において視認し得る全ての繊維(繊維数はm本とする)について、後述する方法で設定した基準線に対する角度θi(i=1〜m)を測定した。配向角度θiは、基準線に対して時計回りの方向の角度を測定し、0°以上180°未満の角度とした。そして、設定された基準線に対する繊維の角度θiから、以下の式(2)を用いて厚み方向の繊維配向パラメーターを算出した。
fp=2×Σ(cos2θi/m)−1 式(2)
そして、反対面についても同様に測定し、一方の面と反対面の平均値を求めて、これを平面方向の繊維配向パラメーター(fp)とした。なお、一方の面の測定領域と反対面の測定領域は、平面視において重なる領域とした。また、一方の面および反対面のいずれの観察においても、一方の面および反対面のそれぞれから深さ10μm以上の部分に焦点を合わせて観察を行った。
仮基準線pとした際の繊維配向パラメーター(fp(p))は、下記式を用いて算出した。
fp(p)=2×Σ(cos2α(p)i/m)−1
(i=1、2、3、・・・、m)
次に、仮基準線pを±1°ずつ、±90°となるまで回転させた仮基準線(p+z、p-z(z=1〜90))をとり、仮基準線p+zと仮基準線p-zと繊維m本の角度を算出した。この場合の角度は、α(p+z)iと、α(p-z)i(i=1〜m)で表した。
回転させた仮基準線(p+z、p-z(z=1〜90))と強化繊維の繊維配向パラメーター(fp(p±z))は、下記式を用いて算出した。
fp(p±z)=2×Σ(cos2α(p±z)i/m)−1
(i=1、2、3、・・・、m)
このようにして、得られたfp(p)値及びfp(p±z)値のうち最大値が得られた場合に設定した仮基準線を基準線とした。
得られた曲げ強度測定用の繊維強化プラスチック成形体を、JIS K 7074 「炭素繊維強化 プラスチックの曲げ試験方法」に従って、マシンディレクション方向(MD方向)及びMD方向と直交する方向(クロスディレクション方向(CD方向))について測定し、MD方向とCD方向の強度及び強度比測定した。
なお、曲げ強度の相乗平均値は以下の式で算出した。
曲げ強度の相乗平均値=√(FMD×FCD)
ここで、FMDはMD方向の曲げ強度を表し、FCDはCD方向の曲げ強度を表す。
得られたたわみ量測定用の繊維強化プラスチック成形体(0.5mm厚)のたわみ量を測定した。測定には、図4(a)に示す、厚み方向の測定が可能なテンシロン試験機300を用いた。たわみ量測定用の繊維強化プラスチック成形体310をアルミ製枠350に置き、テンシロン試験機400に設置した。次いで、ロードセル320の中央に直径10mmの半球状部材330を取り付け、圧縮速度5mm/分で圧縮試験を行った。なお、図4(b)はアルミ製枠350を枠上部から見た上面図であり、本発明では、図4(b)に記載の寸法(内寸100mm×150mm)を有するアルミ製枠を用いた。
得られたS−Sカーブ(応力-ひずみ線図)から、圧縮荷重8Nのたわみ量(mm)を測定した。
一方、厚み方向の繊維配向パラメーターが0.7より小さい比較例1においては、実施例に比べて曲げ強度が低下し、更に繊維強化プラスチック成形体の中央に一定荷重をかけた際のたわみ量も大きくなっている。また、平面方向の繊維配向パラメーターが2.5以上の比較例2及び3では、曲げ強度は比較的良好であるが、一定荷重をかけた際のたわみ量が大きくなっている。比較例4では、厚み方向及び平面方向の繊維配向パラメーターが所定範囲外であるため、曲げ強度が大幅に低下しており、かつ一定荷重をかけた際のたわみ量が大きくなっている。
本発明では、このような乱流発生装置を有する傾斜型抄紙機を使用することで、繊維強化プラスチック成形体用シートの地合を良化させることもできる。
20 強化繊維
25 熱可塑性樹脂
40 包埋用エポキシ樹脂
45 断面観察用試験片
P 基準線
P’ 基準線と平行な線(補助線)
Q 基準線に対する強化繊維の配向線
R 基準線に対する強化繊維の配向線
200 傾斜型抄紙機
201 第1のサクションボックス
202 第2のサクションボックス
203 第3のサクションボックス
204 第4のサクションボックス
210 インレット
220 傾斜ワイヤー
Z ワイヤーの傾斜角度
241 乱流発生装置
242 乱流発生流路
242a、242b、242c、242d、242e 乱流発生流路
S1、S2、S3 流路断面積
300 テンシロン試験機
310 たわみ量測定用の繊維強化プラスチック成形体
320 ロードセル
330 半球状部材
350 アルミ製枠
Claims (7)
- 強化繊維と、熱可塑性樹脂繊維とを混合したスラリーを、湿式抄紙する工程を含み、
前記スラリーの分散媒の25℃における粘度は1.2〜4.0mPaであり、
前記湿式抄紙する工程は、傾斜型抄紙機を用いて抄紙する工程であり、
前記スラリーは、乱流発生した状態で傾斜型抄紙機に供給され、
前記傾斜型抄紙機のワイヤーの傾斜角度は15°以下であり、
前記傾斜型抄紙機のワイヤーは、ジェットワイヤー比が0.90〜0.99となるように走行する繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。 - 前記スラリーの分散媒の25℃における粘度は1.2〜3.5mPaである請求項1に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
- 前記ワイヤーの通気度は、250〜500cm 3 /cm 2 /secである請求項1又は2に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
- 前記ワイヤーの傾斜角度が、10°以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
- 前記傾斜型抄紙機の傾斜ワイヤーは複数のサクションボックスを備えている請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
- 前記複数のサクションボックスのうち、上流側のサクションボックスによる脱水量が下流側のサクションボックスによる脱水量よりも多い請求項4に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
- 前記傾斜型抄紙機は乱流発生装置を備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック成形体用シートの製造方法。
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