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JP6579975B2 - エンジンモデル作成方法およびエンジンモデル作成システム - Google Patents

エンジンモデル作成方法およびエンジンモデル作成システム Download PDF

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JP6579975B2 JP2016022450A JP2016022450A JP6579975B2 JP 6579975 B2 JP6579975 B2 JP 6579975B2 JP 2016022450 A JP2016022450 A JP 2016022450A JP 2016022450 A JP2016022450 A JP 2016022450A JP 6579975 B2 JP6579975 B2 JP 6579975B2
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Description

本発明は、エンジンの様々な運転条件と排気ガス中のNOxや燃費などとの関係を表わすエンジンモデルを作成するエンジンモデル作成方法およびエンジンモデル作成システムに関する。
近年の自動車の普及と環境科学の進歩に伴い、燃費や排ガスの規制が厳しく強化されてきている。このため、精密なエンジンモデルを作成し、エンジンの様々な運転条件下での排気ガス中のNOxや燃費などを高精度にシミュレーションすることが求められている。
ここで、エンジンモデルの作成にあたっては、エンジンにダイナモを連結した実験システム上で実験を行ない、その実験結果に基づいてエンジンモデルを作成することが従来より行なわれている(特許文献1参照)。
エンジンモデルを作成して、自動車に搭載されたエンジンの制御パラメータをその作成されたエンジンパラメータに基づいて調整することで、エンジンの回転速度やトルクを所要の値に保ちながら排気ガス中のNOxの低減や燃費の向上を図る努力がなされている。
従来は、エンジンの回転速度とトルクとからなる2次元平面上の各点での定常運転によるエンジンモデルが作成され、活用されている。しかしながら、この定常運転によるエンジンモデルの場合、エンジンの回転速度やトルクが変化しつつある過渡運転時、例えば運転開始時などについては、十分には最適化されたエンジンモデルになっていない。すなわち、エンジンモデルから予測されるNOxの値や燃費等のエンジン特性値が、エンジンを実際に自動車に搭載して運転して実測したときのエンジン特性値に高精度に近似しているとは言い難く、それらの間の誤差が十分に小さいとは言い難い。
この誤差が生じる大きな原因の1つは、過渡運転時の排気酸素濃度、およびその排気酸素濃度から算出される吸気酸素濃度がエンジンモデルに正しく組み込まれていないことにある。すなわち、定常運転によるエンジンモデルの場合、排気酸素濃度は、エンジンの現在の回転速度やトルクによって定まるのに対し、過渡運転の場合、排気酸素濃度は、エンジンの現在の回転速度やトルクだけでは定まらず、現在に至るまでの回転速度やトルクの変化の影響が時間的に遅れて現在の排気酸素濃度に反映される。
エンジンの吸気酸素濃度や排気酸素濃度はNOxやPM等の排出に強く関連している。例えば吸気酸素濃度が高くなると火炎温度が上がり、NOxが増大することが知られている。したがって、正確なシミュレーションを行なうためには、過渡運転時を含む様々な運転条件下での排気酸素濃度や吸気酸素濃度をエンジンモデルに高精度に組み入れることが必要である。
ここで、特許文献2には、吸気酸素濃度に応じて燃料噴射時期を切り替えることでNOxやPMの抑制を実現する技術が提案されている。
また、特許文献3には、触媒の状態も考慮して噴射形態を吸気酸素濃度の変化に応じて制御することでNOxやPMの抑制を実現する技術が提案されている。
しかしながら、これら引用文献2,3に提案された技術は、吸気酸素濃度や排気酸素濃度を高精度に測定あるいは算出した後の制御方法に関する技術であって、吸気酸素濃度や排気酸素濃度の高精度の算出方法を示したものではない。
なお、後述の実施形態における説明のために、非特許文献1を挙げておく。
特開2009−210426号公報 特開2009−121389号公報 特開2010−236460号公報
http://ismrepo.ism.ac.jp/dspace/bitstream/10787/836/1/openhouse2011−a15someya.pdf
本発明は、上記事情に鑑み、過渡運転時の排気酸素濃度および吸気酸素濃度が高精度に推測されたエンジンモデルを作成するエンジンモデル作成方法およびエンジンモデル作成システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明のエンジンモデル作成方法は、
ディーゼルエンジンの回転速度とトルクとを変数とする二次元平面上の離散的な複数の点それぞれにおける定常運転時の排気酸素濃度を取得する第1ステップと、
ディーゼルエンジンの回転速度とトルクを変数とする二次元平面上の複数の点を繋ぐ経路に沿うように運転条件を時間的に変化させた過渡運転を行なうようにエンジンの運転条件を制御して、その過渡運転時の、時間的に変化する第1の排気酸素濃度曲線を含むエンジン特性値を測定する第2ステップと、
ディーゼルエンジンの回転速度を、上記経路に沿って、過渡運転時の時間的な変化に合わせて繋いだ回転速度曲線、並びに、エンジン特性値から算出される排気酸素濃度およびEGR率のそれぞれを過渡運転時に測定されたエンジン特性値の時間的な変化に従って時間的に変化させた第2の排気酸素濃度曲線およびEGR率曲線のうちの、第2の排気酸素濃度曲線を、回転速度およびEGR率をパラメータとして含む複数のパラメータで記述される時定数を持つ1次遅れ系に入力し、その時定数のパラメータのうちの回転速度およびEGR率に上記の回転速度曲線およびEGR率曲線をそれぞれ代入するとともに、その1次遅れ系の出力として、第1の排気酸素濃度曲線からの誤差が最小となる第3の排気酸素濃度曲線が得られるように、それら複数のパラメータのうちの回転速度およびEGR率を除くパラメータの値を算出する第3ステップと、
エンジン制御パラメータからなる説明変数とエンジン特性値からなる目的変数との関係を、第3ステップで算出した、時間的に変化する時定数を持つ1次遅れの排気酸素濃度を含んで記述したエンジンモデルを作成する第4ステップとを有することを特徴とする。
本発明のエンジンモデル作成方法は、定常運転時の排気酸素濃度から作成した第2の排気酸素濃度曲線が過渡運転時の実測値からなる第1の排気酸素濃度曲線に一致するように、1次遅れ系の時定数を定めたものである。しかもその時定数は、回転速度およびEGR率に応じて変化する時定数である。
本発明のエンジンモデル作成方法では、このように、回転速度およびEGR率に応じて変化する時定数を持つ1次遅れ系の出力として、実測値からなる第1の排気酸素濃度曲線からの誤差の小さい第3の排気酸素濃度曲線を算出することで、過渡運転時の排気酸素濃度を高精度に組み入れたエンジンモデルが作成される。
なお、本発明のエンジンモデル作成方法によれば、排気酸素濃度が高精度に求められるため、この排気酸素濃度から算出される吸気酸素濃度についても高精度に求められることになる。
ここで、本発明のエンジンモデル作成方法において、上記第2ステップが、上記二次元平面上の、回転速度一定の複数の点を繋ぐ経路に沿うように運転条件を時間的に変化させた過渡運転を行なうようにエンジンの運転条件を制御して、その過渡運転時の、時間的に変化する第1の排気酸素濃度曲線を含むエンジン特性値を測定するステップであることが好ましい。
回転速度一定の経路を設定すると、第3の排気酸素濃度曲線を算出する際の演算処理が容易となる。
また、本発明のエンジンモデル作成方法において、上記時定数が、
Figure 0006579975
で表される、切片と係数と回転速度とEGR率とをパラメータとする時定数であることが好ましい。
あるいは、本発明のエンジンモデル作成方法において、上記時定数が、
Figure 0006579975
で表される、切片と係数と回転速度とEGR率とをパラメータとする時定数であることも好ましい態様である。
さらには、本発明のエンジンモデル作成方法において、上記時定数が、
Figure 0006579975
で表される、切片と係数と回転速度とEGR率とをパラメータとする時定数であることも好ましい態様である。
後述するように、これら式のいずれによっても、第2の排気酸素濃度曲線に高精度に一致した第3の排気酸素濃度曲線が算出される。
また、本発明のエンジンモデル作成方法において、上記第2ステップが、エンジンモデル作成対象のエンジンにダイナモを連結した実験システム上で、排気酸素濃度曲線の測定を行なうステップであることが好ましい。
自動車に搭載された状態のエンジンについて上記の調整および測定を行なうのは極めて大変な作業であり、実験システム上で行なうことが好ましい。
また、上記目的を達成する本発明のエンジンモデル作成システムは、
エンジン制御パラメータの調整により、エンジンモデル作成対象のディーゼルエンジンの運転を制御する、ディーゼルエンジンに連結されるダイナモを含むエンジン制御装置、
ディーゼルエンジン運転時の、ディーゼルエンジンの、排気酸素濃度およびEGR率を含む特性を測定するエンジン特性測定装置、および、
ディーゼルエンジンの回転速度とトルクとを変数とする二次元平面上の離散的な複数の点それぞれにおける定常運転時の排気酸素濃度を取得する第1ステップと、
上記エンジン制御装置に、ディーゼルエンジンの回転速度とトルクを変数とする二次元平面上の複数の点を繋ぐ経路に沿うように運転条件を時間的に変化させた過渡運転を行なうようにエンジンの制御パラメータを調整させて、上記エンジン特性測定装置に、過渡運転時の、時間的に変化する第1の排気酸素濃度曲線を含むエンジン特性値を測定させる第2ステップと、
ディーゼルエンジンの回転速度を、上記経路に沿って、過渡運転時の時間的な変化に合わせて繋いだ回転速度曲線、並びに、エンジン特性値から算出される排気酸素濃度およびEGR率のそれぞれを過渡運転時に測定されたエンジン特性値の時間的な変化に従って時間的に変化させた第2の排気酸素濃度曲線およびEGR率曲線のうちの、第2の排気酸素濃度曲線を、回転速度およびEGR率をパラメータとして含む複数のパラメータで記述される時定数を持つ1次遅れ系に入力し、その時定数のパラメータのうちの回転速度およびEGR率に上記の回転速度曲線およびEGR率曲線をそれぞれ代入するとともに、その1次遅れ系の出力として、第1の排気酸素濃度曲線からの誤差が最小となる第3の排気酸素濃度曲線が得られるように、それら複数のパラメータのうちの回転速度およびEGR率を除くパラメータの値を算出する第3ステップと、
エンジン制御パラメータからなる説明変数とエンジン特性値からなる目的変数との関係を、前記第3ステップで算出した、時間的に変化する時定数を持つ1次遅れの排気酸素濃度を含んで記述したエンジンモデルを作成する第4ステップとを有するエンジンモデル作成方法を実行するエンジンモデル作成装置とを備えたことを特徴とする。
上記の本発明によれば、過渡運転時の排気酸素濃度や吸気酸素濃度が高精度に推測されたエンジンモデルが作成され、排気ガス中のNOxの量や燃費等のエンジン特性値が高精度に推測される。
本発明の一実施形態としてのエンジンモデル作成システムの構成図である 。 ディーゼルエンジンにおける吸気および排気の流れを示した模式図であ る。 第1ステップにおける実験のイメージを示した図である。 第2ステップにおける運転条件の変化のさせ方を示した図である。 比較例としての排気酸素濃度曲線の一例を示した図である。 「切片」と「係数」を変数とする二次元空間を示した模式図である。 排気酸素濃度曲線を示した図である。 排気に含まれるNOxの変化曲線を示した図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態としてのエンジンモデル作成システムの構成図である。
ここに示すエンジンモデル作成システム1は、エンジンモデル作成対象のエンジン10に連結されたダイナモ20を備えている。また、このエンジンモデル作成システム1は、制御・計測用パソコン30、スロットルアクチュエータ40、ECU(エンジンコントロールユニット)50、排ガス分析計60、およびダイナモ制御盤70を備えている。また、ここには、エンジン10の排気管11内を流れる排ガスの排気温度を測定する温度センサ81や、排ガスの流量を測定する流量センサ82や、エンジン10の回転軸12のトルクを測定するトルクセンサ83や、回転軸の回転速度を測定する回転速度センサ84などの様々なセンサが備えられている。
制御・計測用パソコン30は、例えば、スロットルアクチュエータ40を介してのエンジン10のスロットル(不図示)の開度の制御によるトルク制御、ダイナモ制御盤70を介してのダイナモ20の制御によるエンジン10の回転軸12の回転速度制御、ECU50を介しての噴射進角の制御等を行なう。また、この制御・計測用パソコン30では、エンジン10の回連速度、トルク、排気温度、排気流量等のデータの収集が行なわれる。排ガス分析計60では、排気管11内を流れる排ガスの成分分析が行なわれ、制御・計測用パソコン30には、その分析結果も収集される。さらに、この制御・計測用パソコン30には、ECU50による、例えばEGR率などのエンジン10の制御パラメータの値も収集される。さらに、この制御・計測用パソコン30は、燃料の供給、排ガスの処理等を行なう様々な環境設備90の制御も行なう。
この図1に示すエンジンモデル作成システム1において、ダイナモ20、スロットルアクチュエータ40、ECU50、およびダイナモ制御盤70や、制御・計測用パソコン30のそれらを制御する機能の組合せが、本発明にいうエンジン制御装置の一例に相当する。
また、この図1に示すエンジンモデル作成システム1のうちの、エンジン10の回転速度やトルクなどを測定する各種センサと、排ガス分析計60と、制御・計測用パソコン30のデータ収集機能との組合せが、本発明にいうエンジン特性測定装置の一例に相当する。
また、この図1に示すエンジンモデル作成システム1の制御・計測用パソコン30は、収集した各種データに基づいてエンジンモデルが作成する機能を有している。制御・計測用パソコン30の、エンジンモデル作成機能は、本発明にいうエンジンモデル作成装置の一例に相当する。
図2は、ディーゼルエンジンにおける吸気および排気の流れを示した模式図である。
大気がコンプレッサを経て吸気として取り込まれる。ただし、この吸気は、ディーゼルエンジンに取り込まれる前に、そのディーゼルエンジンからの排気がEGR率分だけ吸気に混入し、ディーゼルエンジンには、排気が混入した空気が取り込まれる。ディーゼルエンジンに取り込まれた吸気中の酸素は、燃料噴射量に応じて燃焼に使用されて、ディーゼルエンジンから排気される。この排気はEGR率分だけ再び吸気側に回り込み、残りの排気はコンプレッサ作動用のタービンを動かして大気中に排気される。
したがって、ディーゼルエンジンへの吸気の組成やディーゼルエンジンからの排気の組成は、排気が吸気側に回り込むため、そのディーゼルエンジンのこれまでの運転の履歴が反映されたものとなり、過渡運転と定常運転とでは振る舞いが異なる。
そこで、本実施形態における、図1に示すエンジンモデル作成システム1では、以下に説明する第1ステップから第4ステップにより、過渡運転を考慮した高精度なエンジンモデルを作成する。
第1ステップでは、エンジンの回転速度とトルクとを変数とする二次元平面上の離散的な複数の点それぞれにおける定常運転時の排気酸素濃度を取得する。この第1ステップでは、図1に示したエンジンモデル作成システム1を使ってエンジン10を実際に動かして、排気酸素濃度を、排ガス分析計60から取得してもよく、あるいは、定常運転におけるデータを基にして作成したエンジンモデルが既に存在するときは、そのエンジンモデルを用いたシミュレーションにより排気酸素濃度を算出してもよい。ここでは、図1に示すエンジンモデル作成システム1を使って実測する場面について説明する。
図3は、第1ステップにおける実験のイメージを示した図である。
ここには、エンジンの回転速度とトルクとを変数とする二次元平面が示されている。この二次元平面上に示された○印は、その1つ1つが1つの測定点を表わしている。すなわち、ここでは、回転速度とトルクが1つの○印に対応する各値に固定された状態となるようにエンジンを動かし、初期の計測値は無視して安定した後半部の計測値の平均値を求める。これを、○印の各測定点1つ1つについて実行する。これにより、エンジンの回転速度とトルクとからなる二次元平面上の複数の点それぞれの定常運転(エンジンの回転速度やトルクが変化せずに一定のままの運転)における排気酸素濃度が求められる。
第2ステップでは、エンジンの回転速度とトルクを変数とする二次元平面上の複数の点を繋ぐ経路に沿うように運転条件を時間的に変化させた過渡運転を行なうようにエンジンの運転条件を制御して、その過渡運転時の、時間的に変化する排気酸素濃度曲線を含むエンジン特性値を測定する。ここでの測定により得られる排気酸素濃度曲線は、本発明にいう第1の排気酸素濃度曲線の一例に相当する。
図4は、第2ステップにおける運転条件の変化のさせ方を示した図である。
図4(A)は、二次元平面上の経路を示している。ここでは、一例として、エンジン回転速度は各経路ごとに一定とし、各経路内ではトルクが上昇して下降するように経路を設定している。各経路ごとのエンジンの回転速度は、例えば、1000r/min、2000r/min、3000r/minである。
また、図4(B)は、トルクの変化曲線を示している。ここでは、ある低いトルクから出発し、途中で直線的にトルクを上昇させ、一定時間高いトルクを保ち、その後直線的にトルクを下降させ、一定時間低いトルクを保つように、トルクを変化させる。
ここでは、このような複数な経路それぞれに沿うように運転条件を制御することで過渡運転を行ない、その過渡運転時の排気酸素濃度曲線を含むエンジン特性値を測定する。
次に、第3ステップについて説明する。
この第3ステップでは、回転速度曲線と、排気酸素濃度曲線と、EGR率曲線が用いられる。これらのうち、回転速度曲線は、ディーゼルエンジンの回転速度を、上記の第2ステップで採用した経路に沿って、第2ステップにおける過渡運転時の時間的な変化に合わせて繋いだ曲線である。また、排気酸素濃度およびEGR率は、いずれも、エンジン特性値から算出される値であり、この第3ステップでは、それら排気酸素濃度およびEGR率のそれぞれを、第2ステップにおける過渡運転時に測定されたエンジン特性値の時間的な変化に従って変化させた排気酸素濃度曲線およびEGR率曲線が用いられる。ここで算出される排気酸素濃度曲線は、第2ステップでの測定により得られた第1の排気酸素濃度曲線と区別するために、ここでは、第2の排気酸素濃度曲線と称する。
ここで、排気酸素濃度を算出するにあたっては、下記の式(1)、(2)に従って排気酸素流量Weo2および排気流量Weを計算する。
Figure 0006579975
Figure 0006579975

そして、排気酸素濃度Cgwo2は、それらの式(1)、(2)に従って算出された排気酸素流量Weo2および排気流量Weを使って、下記の式(3)に従って算出される。
Figure 0006579975
ただし、
Figure 0006579975
である。
また、EGR率は、下記の式(4)によって算出することができる。
Figure 0006579975
あるいは、EGR率を、下記の式(5)に従って算出してもよい。
Figure 0006579975
によって算出してもよい。
ちなみに、吸気酸素濃度は、EGR率と排気酸素濃度を用いて、以下の式(6)、(7)に従って算出される。
ここでは先ず、EGR流量WEGRが、
Figure 0006579975
に従って計算され、その計算されたEGR流量WEGRを用いて、吸気酸素濃度Ciwo2が、
Figure 0006579975
に従って計算される。
この第3ステップでは、さらに、上記の計算により求めた第2の排気酸素濃度曲線を1次遅れ系に入力し、その1次遅れ系の出力としての排気酸素濃度曲線を生成する。この1次遅れ系は、回転速度とEGR率をパラメータとして含む複数のパラメータで記述される時定数を持つ1次遅れ系である。この1次遅れ系の具体例については、後述する。ここでは、時定数のパラメータである回転速度およびEGR率に回転速度曲線およびEGR率曲線を代入するとともに、この1次遅れ系の出力としての排気酸素濃度曲線が第2ステップでの測定により得られた排気酸素濃度曲線(第1の排気酸素濃度曲線)からの誤差が最小となるように回転速度およびEGR率以外のパラメータの値を定めた時定数が採用される。
すなわち、ここで採用される時定数は、先ずは、上記のようにして求められたEGR率を繋げることで生成されたEGR率曲線に応じて時間的に変化する時定数である。また、この時定数を決定づけるパラメータの1つとして回転速度が含まれている。したがって、過渡運転の経路として回転速度が変化するような経路を採用したときは、この時定数は、その経路に沿って回転速度を繋げることで生成された回転速度曲線に応じても時間的に変化することになる。ただし、ここでは、図4(A)に示すように、回転速度は各経路ごとに一定であるため、ここでは回転速度は各経路ごとの定数となる。
また、この時定数を決定づける回転速度およびEGR率を除く他のパラメータについては、時間的には変化しない固定値が採用される。ただし、その固定値は、この1次遅れ系の出力としての排気酸素濃度曲線が第2ステップでの測定により得られた排気酸素濃度曲線(第1の排気酸素濃度曲線)からの誤差が最小となるように決定した固定値である。このようにして、この1次遅れ系からは、上記の回転速度やEGR率に応じて変化しつつ、それらを除くパラメータについては、上記の誤差が最小となるように定めた時定数を用いて、定常状態の排気酸素濃度を繋ぐことにより生成された排気酸素濃度曲線(第2の排気酸素濃度曲線)が1次遅れを生じた排気酸素濃度曲線が生成される。上記の誤差が最小となるように定めた時定数を用いたときの、この1次遅れ系の出力としての排気酸素濃度曲線は、本発明にいう第3の排気酸素濃度曲線の一例に相当する。
次の第4ステップでは、エンジン制御パラメータからなる説明変数と、排気ガス成分および成分量や燃費等を含むエンジン特性値からなる目的変数との関係を、上記の第3ステップで算出された、時間的に変化する時定数を持つ1次遅れの排気酸素濃度を含んで記述したエンジンモデルが作成される。この第4ステップで作成されるエンジンモデルは、エンジンの過渡運転時の排気酸素濃度や、この排気酸素濃度から算出される吸気酸素濃度が高精度に再現された、高精度のエンジンモデルであり、実測値に一層近づいたエンジン特性値が算出されるモデルとなる。
次に、第3ステップの説明に戻り、時定数の求め方の具体例について説明する。
図5は、比較例としての排気酸素濃度曲線の一例を示した図である。
ここで、図5(A),(B)のいずれにおいても、横軸は時間[s]、縦軸は排気酸素濃度である。
また、図5(A)はEGR全閉(EGR率ゼロ%)時の排気酸素濃度を表わしていおり、図5(B)はEGR使用時の排気酸素濃度を表わしている。ここで、EGR使用時のEGR率は、制御・計測用コンピュータ30(図1参照)では制御されずにECU50(図1参照)によって制御されており、制御・計測用コンピュータ30は、ECU50からEGR率の情報を受取る仕組みとなっている。このEGR率は時間的に変化する値である。
また、図5(A),(B)のいずれにおいても、実線は実測値を表わしている。一方、破線は、図3を参照して説明したような定常運転で得られたデータに基づいて算出した計算値である。実線で示す実測値と破線で示す計算値とではオフセットがかかっているため、この図5における縦軸方向のずれは意味がなく、ここでは横軸(時間軸)方向へのずれに着目する。
EGR全閉時の場合、図2に示す「EGR」が閉じているため、ディーゼルエンジンからの排気が吸気側に回り込むことはない。すなわち、EGR全閉時の場合、大気から取り込んだ空気がそのままディーゼルエンジンへの吸気となり、ディーゼルエンジンからの排気がそのまま大気中に排気される。
このため、EGR全閉時は、図5(A)に示すように、実測値に対し時間軸方向に僅かにずれただけのほぼ一致した波形の計算値が得られている。
これに対し、EGR使用時は、ディーゼルエンジンからの排気がその時点のEGR率分だけ吸気側に回り込む。すなわち、一部分が排気と吸気との間を循環する。このため、EGR使用時は、図5(B)に示すように、計測値は、実測値と比べEGR全閉時(図5(A))よりも大きく、時間的にずれている。また、波形の形もEGR全閉時と比べ実測値とは異なっている。EGR使用時の波形の時間的なずれは、後述する通り、EGR率とエンジンの回転速度とに依存している。
このように、定常運転時のデータから作成したエンジンモデルの場合、EGR率が時間的に変化するような過渡運転時における排気酸素濃度は高精度には再現されない。本実施形態では、具体的には以下のようにして、実測値からの誤差を低減させた排気酸素濃度曲線(第3の排気酸素濃度曲線)を生成している。
ここで、EGR率と排気酸素濃度とを関連づける式を導出する。
新気酸素濃度をa、
ディーゼルエンジンでの燃焼によって消費される酸素濃度をb、
EGR率をr、
とする。ディーゼルエンジンが停止した状態から運転を開始したと考え、n回目の燃焼前の酸素濃度をxn、n回目の燃焼後の酸素濃度をynと定義し、
Figure 0006579975
帰納法により、
Figure 0006579975
下記の式(8)を利用して、定常運転における燃焼後の酸素濃度を
y∞
とすると、
Figure 0006579975
となり、燃焼後の酸素濃度の漸化式(9)が得られる。
Figure 0006579975
入力u,出力y、時定数Tの伝達関数は下式で表わされる。
Figure 0006579975
ここで、sはラプラス変換の微分演算子である。
時間領域の表現に直すと、
Figure 0006579975
標本化周期をΔTとして、後退差分で近似計算する場合、
Figure 0006579975
nをステップ入力
Figure 0006579975
に対する1次遅れ応答yの標本としてとらえ、式(9)と比較すると、
Figure 0006579975
同様に前進差分の場合、
Figure 0006579975
中心差分の場合、
Figure 0006579975
漸化式(9)を拡張し、
Figure 0006579975
式(14)を式(13)のyn+1に代入してから、漸化式と比較する。
Figure 0006579975
ここで、標本化周期ΔTはエンジンの回転速度に反比例するので、
Figure 0006579975
となる。ただし、αは定数である。
また、RGR率rを%に変換して
Figure 0006579975
とする。
すると、上記の後退差分で導いた式(11)は、
Figure 0006579975
となる。
また、上記の前進差分で導いた式(12)は、
Figure 0006579975
となる。
さらに、上記の中心差分で導いた式(15)は、
Figure 0006579975
となる。
さらに、回転速度によらないセンサ等の時定数も考慮して、
Figure 0006579975
とすると、上記の式(16),(17),(18)はそれぞれ、
Figure 0006579975
となる。
すなわち、これら式(19),(20),(21)のいずれの場合も、「時定数」は、「切片」と「係数」と「回転速度」と「EGR率」との4つのパラメータで決定されることになる。
時定数を算出するにあたり、これら式(19),(20),(21)のいずれの式を用いてもよいが、例えば、一例として式(20)を用いる。
また、「回転速度」は、図4に示す各経路ごとに一定値であり、ここでは、その一定値を代入する。ただし、回転速度が時間的に変化する経路を辿る過渡運転を行なったときは、その過渡運転の経路に沿って時間的に変化する回転速度が代入される。
さらに、「EGR率」および「回転速度」以外のパラメータである「切片」と「係数」は、以下のようにして決定される。
図6は、「切片」と「係数」を変数とする二次元空間を示した模式図である。
「E」の文字が記入された○印で示す座標点E(係数=9.25、切片=0)は、第2ステップでの測定で得られた排気酸素濃度曲線(第1の排気酸素濃度曲線)からの誤差が最小となる排気酸素濃度曲線が得られる「切片」と「係数」からなる座標点Eである。ただし、この座標点Eの「切片」と「係数」は今から算出するのであって、算出前においては、この座標点Eの位置は不明である。
ここでは、この座標点Eの位置は未だ不明ではあるが、この座標点Eが含まれていることが確実な、4つの座標点A,B,C,Dで囲まれた領域を設定する。ここに示した例では、座標点Aは、「切片」=0、「係数」=0、座標点Bは、「切片」=1、「係数」=0、座標点Cは、「切片」=1、「係数」=20、座標点Dは、「切片」=0、「係数」=20である。
図7は、排気酸素濃度曲線を示した図である。図7(A)〜(E)は、図6に示す各座標点A〜Eのそれぞれに対応している。また、図7(A)〜(E)のそれぞれにおいて、横軸は時間[s]、縦軸は排気酸素濃度である。さらに、図7(A)〜(E)のそれぞれにおいて、上段側の実線グラフと破線のグラフは、EGR全閉時の排気酸素濃度、下段側の実線グラフと破線のグラフはEGR使用時の排気酸素濃度である。さらに、これら図7(A)〜(E)における実線のグラフは、上述の第2ステップでの測定で得られた実測値としての排気酸素濃度曲線(第1の排気酸素濃度曲線)である。この実線で示す排気酸素濃度曲線は、図4(A)に示すように、エンジンの回転速度をある一定値に固定し、トルクを図4(B)に示すように時間的に変化させたときの排気酸素濃度である。この実線で示す排気酸素濃度曲線は、図7(A)〜(E)のいずれにおいても同一である。一方、これら図7(A)〜(E)における破線のグラフは、式(20)で示される時定数を持つ1次遅れ系の出力としての排気酸素濃度曲線である。式((20)で示す時定数には、「切片」、「係数」、「回転速度」および「EGR率」という4つのパラメータが含まれている。これら4つのパラメータのうちの「EGR率」は、時間的には変化するものの、図7(A)〜(E)のいずれにおいても共通の値を持つパラメータである。また、「回転速度」は経路によって固定値あるいは時間的に変化する値をとるが、この「回転速度」も図7(A)〜(E)のいずれにおいても共通の値を持つパラメータである。残りの2つのパラメータである「切片」と「係数」は、図6に示す2次元平面上の座標点によって異なっている。
ここで、図7(A)は、図6の座標点Aに対応するグラフである。すなわち、図7(A))に示す破線のグラフは、「切片」=0、かつ「係数」=0のときの排気酸素濃度曲線である。式(20)から分かる通り、式(20)に「切片」=0、かつ「係数」=0を代入すると、「時定数」=0となる。「時定数」=0の場合、式(10)から分かる通り、y(s)=u(s)となる。つまり、図7(A)に示す破線のグラフは、1次遅れ系の入力としての排気酸素濃度曲線と同一である。この1次遅れ系への入力としての排気酸素濃度曲線は、前述の第1ステップで取得した定常状態の排気酸素濃度を、図4に示す運転条件(トルク)の時間的な変化に沿うように繋いだものである。この入力としての排気酸素濃度曲線は、前述の通り、本発明にいう第2の排気酸素濃度曲線の一例に相当する。
1次遅れ系の出力としての排気酸素濃度曲線は、図7(A)〜(E)に示すように、図6の二次元平面上の座標点によってその形状が異なる。
この1次遅れ系の出力としての排気酸素濃度曲線は、入力としての排気酸素濃度曲線から、下記の式(22)の演算によって算出される。
Figure 0006579975
ここで、kは、時間軸上のサンプリング点を表わしており、xk,yk,Tkは、サンプリング点kにおける、それぞれ1次遅れ系への入力としての排気酸素濃度、その1次遅れ系からの出力としての排気酸素濃度、およびサンプリング点kにおける時定数である。xk-1,yk-1,Tk-1は、サンプリング点kよりも1つ前のサンプリングk−1における各値である。また、ΔTは、サンプリング間隔(サンプリング点k−1とkとの間の時間間隔)を表わしている。図7(A)〜(E)に示す破線の各グラフは、この式(22)の演算式に従って算出した排気酸素濃度曲線である。
ここでは、設定した4隅の座標点A,B,C,Dで囲まれた領域内における、座標点E、すなわち、実測値としての排気酸素濃度曲線からの誤差が最小となる「切片」および「係数」が探索される。
ここでは、実測値としての排気酸素濃度曲線(実線)からの誤差の大きさは、決定係数R2によって評価している。
座標点Eを求めるための探索は、特定の手法に限定されるものではないが、例えば、座標点A,B,C,Dで囲まれた領域を複数の小領域に分けて各小領域内の代表点について誤差の大きさを評価して誤差の小さい小領域を見つけ、今度はその小領域をさらに複数の小領域に分けて誤差の小さい小領域を見つけるという探索手法を採用してもよい。あるいは、前掲の非特許文献1に記載されている「実数値遺伝アルゴリズム」を採用して座標点Eを探索してもよい。あるいは、最も単純には、座標点A〜Dで囲まれた領域内の各点について誤差を評価することで、誤差が最小となる座標点Eを捜してもよい。
このようにして、図7(E)に示すように、誤差が最小となる「切片」および「係数」を見つけ、それらのパラメータに従って時間的に変化する時定数を持つ1次遅れ系の排気酸素濃度、およびその排気酸素濃度から算出される吸気酸素濃度を含んで記述したエンジンモデルが作成される。
図8は、排気に含まれるNOxの変化曲線を示した図である。この図8の横軸は時間[s]、縦軸はNOxの量である。ここでは、法定のJE05の運転パターンに則して運転条件を時間的に変化させている。
図8(A),(B),(C)はそれぞれ、実測値、定常運転のデータから作成したエンジンモデル(定常モデル)を使った算出値、および過渡運転時のデータを使って上記の方法により作成したエンジンモデル(過渡モデル)を使った算出値である。
また、この図8における、(A),(B),(C)に跨る一点鎖線の囲いは、アイドリング開始時、すなわち、ある回転速度でアクセルを離し、回転速度が低下してきてアイドリングに入ったタイミングのデータである。ここでは、アイドリングに入った後、もう1度アクセルを踏んでから離し、再びアイドリングに入るように、2度繰り返している。ここでの実験等で使ったディーゼルエンジンは、アイドリング開始時に図8(A)に示すようにNOxの量が増加する傾向にあったが、(B)の定常モデルでは、そのNOxの増加がうまく再現できていない。これに対し、図8(C)の過渡モデルの場合、吸気酸素濃度が高い状態で燃料噴射を開始していることがシミュレーションに組み込まれ、NOxが増加する現象が再現されていることが分かる。
なお、本実施形態では、過渡運転にあたり、図4に示すように、回転速度を一定に保ちつつトルクを時間的に変化させているが、それとは逆に、トルクを一定に保ちつつ回転速度を時間的に変化させてもよく、あるいは回転速度とトルクとの双方を変化させる運転条件を採用してもよい。
1 エンジンモデル作成システム
10 エンジン
11 排気管
12 回転軸
20 ダイナモ
30 制御・計測用パソコン
40 スロットルアクチュエータ
50 ECU
60 排ガス分析計
70 ダイナモ制御盤
81 温度センサ
82 流量センサ
83 トルクセンサ
84 回転速度センサ

Claims (7)

  1. ディーゼルエンジンの回転速度とトルクを変数とする二次元平面上の離散的な複数の点それぞれにおける定常運転時の排気酸素濃度を取得する第1ステップと、
    ディーゼルエンジンの回転速度とトルクを変数とする二次元平面上の複数の点を繋ぐ経路に沿うように運転条件を時間的に変化させた過渡運転を行なうようにエンジンの運転条件を制御して、該過渡運転時の、時間的に変化する第1の排気酸素濃度曲線を含むエンジン特性値を測定する第2ステップと、
    ディーゼルエンジンの回転速度を、前記経路に沿って、前記過渡運転時の時間的な変化に合わせて繋いだ回転速度曲線、並びに、エンジン特性値から算出される排気酸素濃度およびEGR率のそれぞれを前記過渡運転時に測定されたエンジン特性値の時間的な変化に従って時間的に変化させた第2の排気酸素濃度曲線およびEGR率曲線のうちの、該第2の排気酸素濃度曲線を、回転速度およびEGR率をパラメータとして含む複数のパラメータで記述される時定数を持つ1次遅れ系に入力し、該時定数のパラメータのうちの回転速度およびEGR率に前記回転速度曲線および前記EGR率曲線をそれぞれ代入するとともに、該1次遅れ系の出力として、前記第1の排気酸素濃度曲線からの誤差が最小となる第3の排気酸素濃度曲線が得られるように、該複数のパラメータのうちの回転速度およびEGR率を除くパラメータの値を算出する第3ステップと、
    エンジン制御パラメータからなる説明変数とエンジン特性値からなる目的変数との関係を、前記第3ステップで算出した、時間的に変化する時定数を持つ1次遅れの排気酸素濃度を含んで記述したエンジンモデルを作成する第4ステップとを有することを特徴とするエンジンモデル作成方法。
  2. 前記第2ステップが、前記二次元平面上の、回転速度一定の複数の点を繋ぐ経路に沿うように運転条件を時間的に変化させた過渡運転を行なうようにエンジンの運転条件を制御して、該過渡運転時の、時間的に変化する第1の排気酸素濃度曲線を含むエンジン特性値を測定するステップであることを特徴とする請求項1に記載のエンジンモデル作成方法。
  3. 前記時定数が、
    Figure 0006579975
    で表される、切片と係数と回転速度とEGR率とをパラメータとする時定数であることを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンモデル作成方法。
  4. 前記時定数が、
    Figure 0006579975
    で表される、切片と係数と回転速度とEGR率とをパラメータとする時定数であることを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンモデル作成方法。
  5. 前記時定数が、
    Figure 0006579975
    で表される、切片と係数と回転速度とEGR率とをパラメータとする時定数であることを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンモデル作成方法。
  6. 前記第2ステップが、エンジンモデル作成対象のエンジンにダイナモを連結した実験システム上で、前記第1の排気酸素濃度曲線の測定を行なうステップであることを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか1項に記載のエンジンモデル作成方法。
  7. エンジン制御パラメータの調整により、エンジンモデル作成対象のディーゼルエンジンの運転を制御する、該ディーゼルエンジンに連結されるダイナモを含むエンジン制御装置、
    前記ディーゼルエンジン運転時の、該ディーゼルエンジンの、排気酸素濃度およびEGR率を含む特性を測定するエンジン特性測定装置、および、
    ディーゼルエンジンの回転速度とトルクを変数とする二次元平面上の離散的な複数の点それぞれにおける定常運転時の排気酸素濃度を取得する第1ステップと、
    前記エンジン制御装置に、ディーゼルエンジンの回転速度とトルクを変数とする二次元平面上の複数の点を繋ぐ経路に沿うように運転条件を時間的に変化させた過渡運転を行なうようにエンジンの制御パラメータを調整させて、前記エンジン特性測定装置に、該過渡運転時の、時間的に変化する第1の排気酸素濃度曲線を含むエンジン特性値を測定させる第2ステップと、
    ディーゼルエンジンの回転速度を、前記経路に沿って、前記過渡運転時の時間的な変化に合わせて繋いだ回転速度曲線、並びに、エンジン特性値から算出される排気酸素濃度およびEGR率のそれぞれを前記過渡運転時に測定されたエンジン特性値の時間的な変化に従って時間的に変化させた第2の排気酸素濃度曲線およびEGR率曲線のうちの、該第2の排気酸素濃度曲線を、回転速度およびEGR率をパラメータとして含む複数のパラメータで記述される時定数を持つ1次遅れ系に入力し、該時定数のパラメータのうちの回転速度およびEGR率に前記回転速度曲線および前記EGR率曲線をそれぞれ代入するとともに、該1次遅れ系の出力として、前記第1の排気酸素濃度曲線からの誤差が最小となる第3の排気酸素濃度曲線が得られるように、該複数のパラメータのうちの回転速度およびEGR率を除くパラメータの値を算出する第3ステップと、
    エンジン制御パラメータからなる説明変数とエンジン特性値からなる目的変数との関係を、前記第3ステップで算出した、時間的に変化する時定数を持つ1次遅れの排気酸素濃度を含んで記述したエンジンモデルを作成する第4ステップとを有するエンジンモデル作成方法を実行するエンジンモデル作成装置とを備えたことを特徴とするエンジンモデル作成システム。
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