JP6565770B2 - プッシュプル型dc/dcコンバータ - Google Patents
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Description
例えば特許文献1に開示されたプッシュプル型DC/DCコンバータは、補助スイッチを操作し、一次側の漏洩インダクタンスを用いて外付けコンデンサの電荷を充放電することにより、メインスイッチの電圧が低下してからターンオンする構成を採用している。
本発明はこのような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、補助スイッチを用いずに一次側スイッチング素子のターンオン損失を低減するプッシュプル型DC/DCコンバータを提供することにある。
複数の二次側整流素子は、複数の二次コイルに接続され、二次コイルに流れる電流を整流可能である。例えば二次側整流素子は、ダイオード又はスイッチング素子である。
なお、二次側整流素子がスイッチング素子の構成では、後述の通常状態から逆転状態に移行する前にオン状態の二次側スイッチング素子はターンオフされることを前提とする。
ここで、「理論オフ時間を算出する」とは、固定値として設定されたスイッチング周期から単純に理論オン時間を差し引いた残りを理論オフ時間とするのでなく、何らかの技術的思想に基づいて、負荷電流が理論的に減少する時間を算出することを意味する。
スイッチング操作部は、スイッチング時間算出部が算出した理論オン時間及び理論オフ時間に基づいて一次側スイッチング素子を操作し、二次側整流素子がスイッチング素子の場合にさらに二次側スイッチング素子を操作する。
また、素子当負荷電流の絶対値が換算励磁電流の絶対値以上である状態を「通常状態」と定義し、素子当負荷電流の絶対値が換算励磁電流の絶対値を下回る状態を「逆転状態」と定義する。
二次側を流れる励磁電流が一次側へ転流し始めると、一次側スイッチング素子のドレイン−ソース間の容量の電荷が放電され、ドレイン−ソース間電圧が降下する。また、理論オフ時間が経過したタイミングには逆転状態となっている。
そこで、本発明のスイッチング操作部は、スイッチング時間算出部が算出した理論オン時間及び理論オフ時間に基づいて、逆転状態の間に一次側スイッチング素子をターンオンすることにより、通電開始直後の電圧を低く抑えることができる。つまり、本発明では、励磁電流を利用することにより、従来技術のように別の部品である補助スイッチを追加することなく、簡易な構成でターンオン損失を低減することができる。
Toff=[{(i L −i Lm )/N}/2v out ]×L
各記号の意味は、以下の通りである。
Toff:理論オフ時間
(i L /2):素子当負荷電流の山値
(i Lm /2N):トランスの一次側と二次側との巻線比が1:Nの構成において一次側スイッチング素子がすべてオフ時の換算励磁電流
v out :一次側スイッチング素子がすべてオフ時に負荷に出力される出力電圧
L:平滑インダクタのインダクタンス
これらの情報は、プッシュプル型DC/DCコンバータの基本的な動作を制御するために元々必要な情報である。したがって、これらの情報により算出された理論オフ時間に基づいて逆転状態を判定することにより、検出専用のセンサを追加する必要がなく、また、センサ精度の影響を考慮する必要もなくなる。
そのために、スイッチング時間算出部は、理論オフ時間に所定の延長時間(Tadd)を加算した調整オフ時間(Toff*)をさらに算出し、スイッチング操作部は、調整オフ時間が経過した時、次にオンする順番の一次側スイッチング素子をターンオンすることが好ましい。延長時間を適切に設定することにより、ゼロ電圧スイッチングを確実に実現することができる。
最初に、プッシュプル型DC/DCコンバータの二通りの構成図を図1、図2に示す。これらは二次側整流素子の構成のみが異なり、その他の構成は共通である。図1に示すプッシュプル型DC/DCコンバータ101は、二次側整流素子としてダイオードDI3、DI4が用いられる。一方、図2に示すプッシュプル型DC/DCコンバータ102は、二次側整流素子としてスイッチング素子SW3、SW4が用いられる。
プッシュプル型DC/DCコンバータ101は、トランス20の励磁インダクタを構成する二組の一次コイル31、32及び二次コイル33、34、二つの一次側スイッチング素子SW1、SW2、二つの二次側ダイオードDI3、DI4、及び、平滑インダクタ7等を備える。また、プッシュプル型DC/DCコンバータ101は、一次側スイッチング素子SW1、SW2を操作するスイッチング操作部(図中、「SW操作部」)18、及び、スイッチング時間算出部(図中、「SW時間算出部」)13を備える。
一次コイル31、32の一端同士は一次側センタタップCT1で接続されており、センタタップCT1は、電源Btの正極に接続されている。一次コイル31、32の他端は、それぞれ一次側スイッチング素子SW1、SW2を介して電源Btの負極に接続されている。電源Btから入力される入力電圧を「vin」と表す。
負荷Ld及び平滑インダクタ7に流れる電流を負荷電流iLという。負荷電流iLは、負荷Ldから平滑インダクタ7を経由してダイオードDI3、DI4に向かう方向を正方向とする。また、負荷Ldと並列に、二次側平滑コンデンサ8が接続されている。
負荷Ldに出力される出力電流を「iout」、出力電圧を「vout」と表す。
本実施形態では、一次側スイッチング素子SW1、SW2として、ボディダイオードを有するMOSFETを用いる。この構成でのボディダイオードは、「還流ダイオード」に含まれるものと解釈する。また、図中、ドレインソース間に存在する容量を容量成分として記号で示す。この容量は、トランジスタ、ダイオードの接合容量と、並列に接続されたコンデンサとの合成容量である。この容量記号は、必ずしも独立したコンデンサ素子を意味しない。
なお、他の実施形態では、スイッチング素子としてIGBT等のトランジスタを用いてもよい。その場合、トランジスタのベース、コレクタ、エミッタを、それぞれゲート相当電極、ドレイン相当電極、ソース相当電極として解釈する。
プッシュプル型DC/DCコンバータ102では、二次側スイッチング素子SW3、SW4が、二次コイル33、34に流れる電流を整流する。二次側スイッチング素子SW3、SW4もまた、還流ダイオードが並列に接続されている。
本実施形態では、一次側スイッチング素子SW1、SW2と同様に、二次側スイッチング素子SW3、SW4としても、ボディダイオードを有するMOSFETを用いる。
スイッチング操作部18は、一次側スイッチング素子SW1、SW2に加え、さらに二次側スイッチング素子SW3、SW4を操作する。具体的には、SW3、SW4の通電期間に通電による損失(すなわち、導通損)を低減するため、SW3、SW4をオン状態とする「同期整流」を実行する。
以下、適宜「スイッチング素子」を省略し、単に「SW1〜SW4」と記す。
一次側スイッチング素子SW1、SW2のオン、オフ状態に基づき、三通りの区間を定義する。区間IではSW1がオン、SW2がオフである。区間IIでは、SW1がオフ、SW2がオンである。区間IIIでは、SW1、SW2共にオフである。プッシュプル型DC/DCコンバータ101、102は、区間I→III→II→III→I・・・というように、SW1とSW2とが、共にオフの期間を間に挟みながら交互にオンする。
区間IIIでは、平滑インダクタ7に蓄積された磁気エネルギが減少し、負荷電流iLが減少する。一方、区間I及び区間IIでは、平滑インダクタ7に磁気エネルギが蓄積され、負荷電流iLが増加する。
ここで、一次側スイッチング素子SW1、SW2の切替タイミングに対し、二次側スイッチング素子SW3、SW4の切替タイミングを少しずらしているのは、短絡を防止するためのデッドタイムを確保するためである。
最小領域における負荷電流iLの最小値は、一次側スイッチング素子SW1、SW2をターンオンするタイミングによって決まる。例えば、SW1、SW2のドレイン−ソース間(以下、「DS間」)電圧がまだ高いうちにSW1、SW2をオンした場合、ターンオン損失が発生する。また、SW1、SW2のターンオン時に、各種寄生成分による共振により二次側ダイオードにサージ電圧が発生するという課題がある。
以下、負荷電流最小領域における動作を詳しく説明するにあたり、図3に丸印で囲んだ「区間IIIから区間Iに移行する場面」、すなわち、一次側スイッチング素子SW1をターンオンする場面を代表として説明する。二次側で同期整流を行う構成では、二次側スイッチング素子SW3をターンオフした後、一次側スイッチング素子SW1をターンオンする場面となる。
以下の図中、後述の数式に用いられる電流、電圧、インダクタンス等の物理量を斜字体で記載する。一方、時間変数である「Ton、Toff、Tsw、Tadd」は、図中、正体で記載する。また、「on、off、sw、add」の添字部分について、数式では下付文字で記載し、本文中では通常文字で記載する。
図4には、上から順に、負荷電流iL及び励磁電流iLm、SW1電流isw1、SW1電圧vsw1、SW3電圧vsw3、及び、各スイッチング素子SW1〜SW4のゲート電圧、すなわち、スイッチング操作部18からのオン信号の入力変化を示す。二次側整流素子については、ダイオードDI3、DI4を用いる構成の場合、ゲート電圧を常に0として示す。また、二次側スイッチング素子SW3、SW4を用いて同期整流を行う構成の場合、ゲート電圧を破線で示す。
一次側スイッチング素子SW1、SW2がすべてオフ時の負荷電流が二次側整流素子SW3、SW4を還流する期間において、負荷Ld及び平滑インダクタ7を経由して二次側整流素子一つ当たりに還流する電流を「素子当負荷電流」とし、トランス20の励磁インダクタに流れる励磁電流iLmについて、区間I及び区間IIで蓄積される励磁電流値に対し、区間IIIでの励磁電流変化はないものとし、二次側整流素子一つ当たりに流れる電流に換算した励磁電流iLmを「換算励磁電流」とする。
また、素子当負荷電流の絶対値が換算励磁電流の絶対値以上である状態を「通常状態」と定義し、素子当負荷電流の絶対値が換算励磁電流の絶対値を下回る状態を「逆転状態」と定義する。そして、素子当負荷電流と換算励磁電流との大小関係に注目する。
つまり、素子当負荷電流と換算励磁電流とを比較する場合、負荷電流iL及び励磁電流iLmの2分の1の電流同士を比較することになるため、負荷電流iL及び励磁電流iLmそのものを比較しても大小関係の判断は同じとなる。そこで図4では、負荷電流iL及び励磁電流iLmを用いて、両者の大小関係を示している。
図5、図6に、各モードにおける負荷電流iLを実線で、励磁電流iLmを破線で示す。また、各電流、電圧の正負を以下のように定義する。
励磁電流iLmは、各図中の破線矢印の向きを正方向とする。
スイッチング素子に流れるSW1電流isw1等は、ドレインからソースに向かう順方向、すなわち図の下向きを正方向とする。負方向の電流は、図の矢印とは反対向き、すなわち図の上向きに流れる。
SW1電圧vsw1、SW3電圧vsw3等は、スイッチング素子のDS間電圧を意味し、図の矢印のように、ソース電位を基準としたときのドレイン電位を正の電圧と定義する。SW2電圧vsw2は、SW1電圧vsw1と相補的な関係にあり、破線で示す。
モード(a)では、一次側スイッチング素子SW2がオン、スイッチング素子SW1がオフしている。このとき、負荷電流iLが励磁電流iLm以上である通常状態であり、且つ負荷電流iLは次第に増加する。二次側で同期整流を行う構成の場合、破線で示すように二次側スイッチング素子SW3がオンしている。
モード(a)では、一次側に、スイッチング素子SW2を経由して負荷電流iL及び励磁電流iLmが流れる。また、二次側に、スイッチング素子SW3又はダイオードDI3を経由して負荷電流iLが流れる。
二次側スイッチング素子SW3、SW4により同期整流を行う構成では、モード(b)へ移行したら、SW4がターンオンされる。また、逆転開始時刻tbの前にSW3がターンオフされる。
モード(b)では、負荷電流iL及び励磁電流iLmは、二次側スイッチング素子SW3、SW4又はダイオードDI3、DI4を経由して還流し、一次側には流れない。
図9[A]には、図6のモード(d)の電流経路図を基に、一次側トランス電圧v1及び二次側トランス電圧v2の記号を付記する。一次側トランス電圧v1は、一次コイル32のセンタタップCT1側でない一方端の電位を基準として一次コイル31のセンタタップCT1側でない一方端の電位を表した電圧である。二次側トランス電圧v2は、二次コイル33のセンタタップCT2側でない一方端の電位を基準として二次コイル34のセンタタップCT2側でない一方端の電位を表した電圧である。
図9[B]は、図9[A]、すなわち図6のモード(d)の等価回路を示す回路モデルである。iは素子当負荷電流(iL/2)から換算励磁電流(iLm/2)を減算したダイオード導通不可電流である。ipは一次側転流電流、isは二次側残留電流を示す。
Cds1、Cds2、Cds3は、各スイッチング素子のDS間容量である。
ゼロ電圧到達時刻tdの後の逆転状態の期間であるモード(e)では、SW1、SW2、SW3の電圧は区間Iの定常電圧に達しているため、各SWと並列に存在するコンデンサの充放電電流は流れなくなる。負荷電流iLとの差分に相当する励磁電流iLmは、すべて一次側を流れ、電源Btに回生する。
一次側スイッチング素子SW1のオンオフに関わらず、SW1電圧vsw1がゼロ電圧であるため、トランス20のコイル31には区間IIとは逆向きの電圧が印加される。このため、SW1電流isw1が順方向に増加する。
スイッチング操作部18は、スイッチング時間算出部13が算出した理論オン時間Ton及び理論オフ時間Toffに基づいて、逆転状態の間、すなわちモード(d)又はモード(e)の期間中に、「次にオンする順番の一次側スイッチング素子」であるSW1をターンオンする。具体的な理論オフ時間Toffの算出構成については後述する。
したがって、調整オフ時間Toff*が経過したタイミングでスイッチング操作部18が一次側スイッチング素子SW1をターンオンすることにより、SW1電圧vsw1がゼロ電圧状態での「ゼロ電圧スイッチング」を確実に実現することができる。
さらに、二次側スイッチング素子SW3のターンオフから一次側スイッチング素子SW1のターンオンまでの時間であるデッドタイムDTは、素子の特性による最小限の時間が確保されるように設定される。
二次側スイッチング素子SW3の動作について、上記構成の図4に破線で示す動作では、二次側スイッチング素子SW3は、負荷電流最大時刻taから逆転開始時刻tbまでのモード(b)の間にターンオフされる。
これに対し、図7の構成では、二次側スイッチング素子SW3は、逆転開始時刻tbを過ぎてから継続時間Tcontの間、オン状態が維持され、同期整流を継続する。この継続時間Tcont中の状態を、図4には存在しないモード(c)とする。
モード(c)で負荷電流iLが励磁電流iLmを下回ったときでも、励磁電流iLmは、オン状態の二次側スイッチング素子SW3のDS間を経由して流れることができる。したがって、モード(c)の電流経路は、モード(b)と同様となる。
モード(d)では、一次側転流電流ipによって、SW1電圧vsw1がスロープ状に降下し、ゼロ電圧到達時刻tdにゼロとなる。また、SW1電圧vsw1が低下する一方で、二次側スイッチング素子SW3の電圧vsw3は上昇する。
次に、スイッチング時間算出部13の具体的構成を、第1及び第2実施形態として説明する。以下、各実施形態のスイッチング時間算出部の符号を「131、132」とする。
第1実施形態のスイッチング時間算出部131の構成について、図10を参照して説明する。図10(a)に示すように、スイッチング時間算出部131は、Duty制御部14、理論オフ時間算出(図中、「Toff算出」)部151及び調整オフ時間算出(図中、「Toff*算出」)部16を含む。
Duty制御部14は、出力電流iout又は出力電圧voutの少なくとも一方を取得し、これらについてのフィードバック制御により理論オン時間Tonを算出する。出力電流ioutの代わりに負荷電流iLを用いてもよい。
第1実施形態のスイッチング時間算出部131は、Duty制御部14がDutyを演算し、オン時間Tonの情報として出力する点は、図11の周知技術と同様である。しかし、スイッチング周期Tswは固定値でなく、オン時間Tonに加えてオフ時間Toffについても算出する点が周知技術とは異なる。
上述の通り、図3において、一次側スイッチング素子SW1又はSW2のいずれか一方がオンである区間I及び区間IIでは負荷電流iLが増加し、一次側スイッチング素子SW1及びSW2が共にオフである区間IIIでは負荷電流iLが減少する。
図10(b)に示すように、負荷電流iLが理論的に増加する時間を理論オン時間Tonといい、負荷電流iLが理論的に減少する時間を理論オフ時間Toffという。理論オン時間Tonと理論オフ時間Toffとの合計がスイッチング周期Tswである。
また、式(1.2)と式(2.1)とから式(2.2)が得られる。
このとき、理論オフ時間算出部151は、Duty制御部14の情報として既に検出されている負荷電流iL及び出力電圧voutを重ねて取得する。ただし、励磁電流iLMについては検出が容易でないため、回路定数等を用いて推定された推定値を用いてもよい。
第2実施形態のスイッチング時間算出部132の構成について、図12を参照して説明する。スイッチング時間算出部132は、第1実施形態の理論オフ時間算出部151とは異なる構成の理論オフ時間算出部152を有している。また、Duty制御部14が算出した理論オン時間Tonは、スイッチング操作部18に直接出力されると共に、理論オフ時間算出部152にも出力される。
図13に示すように、延長時間Taddを設定しない場合、定常状態ではスイッチング周期Tswが一定となり、負荷電流iLの谷値及び山値は同じ値を繰り返す。このとき、基本的に「素子当負荷電流(iL/2)>換算励磁電流(iLm/2)」の領域での動作となり、逆転状態は発生しない。
(a)に示す「素子当負荷電流(iL/2)>換算励磁電流(iLm/2)」の条件下では、理論オフ時間Toffより長い調整オフ時間Toff*を用いるため、オフ時間の負荷電流減少量Δi(Toff)がオン時間の増加量Δi(Ton)よりも大きくなる。その結果、素子当負荷電流(iL/2)の谷値及び山値は次第に低下する。
すると、Duty制御部14による出力電流iout又は出力電圧voutのフィードバック制御により理論オン時間Tonが増加する。また、理論オン時間Tonの増加に伴い、式(4)により理論オフ時間算出部152が算出する理論オフ時間Toffも増加する。したがって、スイッチング周期Tswが可変となる。
つまり、スイッチング操作部18が、毎周期、延長時間Taddが加算された調整オフ時間Toff*が経過した時に、次にオンする順番の一次側スイッチング素子をターンオンすることにより、逆転状態でのターンオンを安定して行うことができる。
スイッチング操作部18がモード(d)で一次側スイッチング素子SW1をターンオンする場合には、SW1電圧vsw1が0まで下がっていないため、ゼロ電圧スイッチングは実現されない。
なお、第1実施形態で延長時間Taddを設定する場合、理論オン時間Tonの増加に伴って理論オフ時間Toffが増加するという作用は発生しない。しかし、理論オフ時間Toffの誤差によりターンオンタイミングがゼロ電圧到達時刻tdよりも前になることを回避することができる点では、第2実施形態と同様の効果が得られる。
上記第1、第2実施形態を含む本実施形態の効果について記載する。ここでは、一次側スイッチング素子SW1をターンオンする場合を例として記載する。
(1)スイッチング操作部18は、スイッチング時間算出部131、132が算出した理論オン時間Ton及び理論オフ時間Toffに基づいて、逆転状態の間に一次側スイッチング素子SW1をターンオンする。理論オフ時間Toffの誤差を考慮したとしても、一次側スイッチング素子SW1は、少なくとも、逆転状態であるモード(d)又はモード(e)でターンオンすることになる。
このように、本実施形態では、特許文献1のように補助スイッチ等を設けることなく、励磁電流iLmの転流作用を利用した簡易な構成で、一次側スイッチング素子SW1のターンオン損失を低減することができる。
図15に、一次側スイッチング素子SW1のDS間電圧vsw1及び電流isw1を示す。比較例の連続モードでは、DS間電圧vsw1が0まで下がらないうちにSW1をターンオンして電流isw1を流すため、電流isw1と電圧vsw1との積によるターンオン損失が発生する。これに対し、ゼロ電圧スイッチングモードでは、DS間電圧vsw1が0まで下がってからSW1をターンオンするため、ターンオン損失を0にすることができる。
特に第2実施形態では、第1実施形態のように励磁電流iLmを推定する必要がないため、より精度良く理論オフ時間Toffを算出することができる。
上記実施形態では、ゼロ電圧スイッチングを確実に実現するため、スイッチング操作部18は、理論オフ時間Toffに延長時間Taddを加算した調整オフ時間Toff*が経過した時、一次側スイッチング素子SW1をターンオンする。しかし、例えば、理論オフ時間Toffの終期における負荷電流ILが常にゼロとなるようにDutyを調整するプログラムを構築し、延長時間Taddを加算することなく、理論オフ時間Toffが経過した時、一次側スイッチング素子SW1をターンオンするようにしてもよい。
これに対し、二次側整流素子が二つ並列接続され、巻線比が1:Nの場合、換算励磁電流は(iLm/2N)となる。また、一般に二次側整流素子がM個並列接続された構成では、換算励磁電流は(1/(M×N))となる。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
13(131、132)・・・スイッチング時間算出部、
18・・・スイッチング操作部、
20・・・トランス、
31、32・・・一次コイル、
33、34・・・二次コイル
7 ・・・平滑インダクタ、
SW1、SW2・・・一次側スイッチング素子、
DI3、DI4・・・ダイオード(二次側整流素子)、
SW3、SW4・・・二次側スイッチング素子(二次側整流素子)。
Claims (3)
- 電源(Bt)及び負荷(Ld)の間に接続され直流電力を変換するプッシュプル型DC/DCコンバータであって、
トランス(20)の励磁インダクタを構成する複数の一次コイル(31、32)、及び複数の二次コイル(33、34)と、
前記複数の一次コイルと前記電源との間に接続され、且つ還流ダイオードが並列に接続されており、交互に動作する複数の一次側スイッチング素子(SW1、SW2)と、
前記複数の二次コイルに接続され、前記二次コイルに流れる電流を整流可能な複数の二次側整流素子(DI3、DI4、SW3、SW4)と、
前記二次側整流素子と前記負荷との間に接続される平滑インダクタ(7)と、
いずれかの前記一次側スイッチング素子がターンオンし前記負荷及び前記平滑インダクタに流れる負荷電流(iL)が理論的に増加する時間である理論オン時間(Ton)、及び、すべての前記一次側スイッチング素子がターンオフし前記負荷電流が理論的に減少する時間である理論オフ時間(Toff)を算出するスイッチング時間算出部(13)と、
前記スイッチング時間算出部が算出した前記理論オン時間及び前記理論オフ時間に基づいて前記一次側スイッチング素子を操作し、前記二次側整流素子がスイッチング素子の場合にさらに二次側スイッチング素子を操作するスイッチング操作部(18)と、
を備え、
前記一次側スイッチング素子がすべてオフ時の前記負荷電流が前記二次側整流素子を還流する期間において、前記二次側整流素子一つ当たりに還流する前記負荷電流を素子当負荷電流(iL/2)とし、前記トランスの励磁インダクタに流れる励磁電流について、前記二次側整流素子一つ当たりに流れる電流に換算した励磁電流を換算励磁電流(iLm/2N)とすると、
前記スイッチング操作部は、
前記素子当負荷電流の絶対値が前記換算励磁電流の絶対値以上である通常状態から、前記素子当負荷電流の絶対値が前記換算励磁電流の絶対値を下回る逆転状態に移行した後、当該逆転状態の間に、次にオンする順番の前記一次側スイッチング素子をターンオンし、
前記理論オフ時間をToff、前記素子当負荷電流の山値を(i L /2)、前記トランスの一次側と二次側との巻線比が1:Nの構成において前記一次側スイッチング素子がすべてオフ時の前記換算励磁電流を(i Lm /2N)、前記一次側スイッチング素子がすべてオフ時に前記負荷に出力される出力電圧をv out 、前記平滑インダクタのインダクタンスをLと表すと、
前記スイッチング時間算出部は、下式により前記理論オフ時間を算出するプッシュプル型DC/DCコンバータ。
- 前記スイッチング操作部は、
前記一次側スイッチング素子のドレイン−ソース間電圧が降下しゼロ電圧に到達した後、次にオンする順番の前記一次側スイッチング素子をターンオンする請求項1に記載のプッシュプル型DC/DCコンバータ。 - 前記スイッチング時間算出部は、前記理論オフ時間に所定の延長時間(Tadd)を加算した調整オフ時間(Toff*)をさらに算出し、
前記スイッチング操作部は、
前記調整オフ時間が経過した時、次にオンする順番の前記一次側スイッチング素子をターンオンする請求項2に記載のプッシュプル型DC/DCコンバータ。
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