[go: up one dir, main page]

JP6550833B2 - 小便器 - Google Patents

小便器 Download PDF

Info

Publication number
JP6550833B2
JP6550833B2 JP2015063869A JP2015063869A JP6550833B2 JP 6550833 B2 JP6550833 B2 JP 6550833B2 JP 2015063869 A JP2015063869 A JP 2015063869A JP 2015063869 A JP2015063869 A JP 2015063869A JP 6550833 B2 JP6550833 B2 JP 6550833B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
trap unit
acid
urine
drug
urinal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015063869A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016183483A (ja
Inventor
愛子 伊丹
愛子 伊丹
裕由 亀重
裕由 亀重
政宏 山本
政宏 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toto Ltd filed Critical Toto Ltd
Priority to JP2015063869A priority Critical patent/JP6550833B2/ja
Publication of JP2016183483A publication Critical patent/JP2016183483A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6550833B2 publication Critical patent/JP6550833B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Non-Flushing Toilets (AREA)
  • Sanitary Device For Flush Toilet (AREA)

Description

本発明は、尿によって封水を形成する小便器に関する。
使用後に毎回水を供給することで、衛生性を維持する水洗式の小便器が広く普及している。人の尿は雑菌を含んでおり、使用後に小便器のボウル等に尿が残留すると、その尿中の雑菌が時間経過とともに更に増殖する。さらに、尿中の尿素を分解してアンモニアが生成されることで、アンモニア臭や尿石(尿の含有成分に由来するリン酸カルシウムやリン酸マグネシウム等の固形物)が発生する。このため、一般的な水洗式小便器では、小便器のボウルに水を吐出することにより、ボウルに残留している尿を洗い流す。
また、この従来の水洗式小便器では、ボウルに水を吐出することで、ボウルの下流に接続されているトラップ内にその水を流入させ、貯留されている尿をその水と置換させて排出している。さらに、トラップの下流に接続される排水管内に残留している尿を、ボウルからトラップを介して供給される水によって洗い流す。その後、トラップ内を水で満たした状態で水の吐出を終える。これにより、ボウル等に残留していた尿を、尿中の雑菌が著しく増殖する前に洗い流し、アンモニアの生成や尿石の発生を抑制し、臭気の発生や尿石による排水管詰まりを防止している。トラップ内を満たす水は封水として機能し、排水管からの臭気の逆流を防止する。洗浄後にはトラップ内に水しか存在しないので、トラップ内の封水が揮発し、小便器が設置されるトイレ室内に拡散した場合でも、その揮発成分が臭気の原因となることはない。
このような水を使用する設備機器に対し、近年、環境意識の高まりを受け、節水性能が要求されている。上記のような水洗式便器に対しても高い節水性能が要求されており、使用後の水の使用量を削減する取り組みが行われている。
節水の要求に対応する小便器の一例として、特表2007−518005号公報(特許文献1)に示されるようなトラップを備えた、非水洗式の小便器が知られている。一般的な水洗小便器が、使用後に毎回水を供給し、トラップ内に貯留される水を封水として用いるのに対し、特表2007−518005号公報に示されるトラップを備えた非水洗式小便器では、使用後の水の供給は基本的に行わず、トラップ内に貯留されている尿を封水として用いている。
トラップ内に貯留されている尿を封水として用いる場合、その尿が腐敗することでアンモニアが揮発してトイレ室内に拡散することによるアンモニア臭の発生や、トラップ内と配管内で尿石が発生することが懸念される。この懸念に対して、特表2007−518005号公報で示されたトラップでは、トラップの上やトラップと配管の接続部付近に薬剤を設置する事で問題の解決を図っている。トラップの上に、クエン酸等の薬剤が配置されており、尿との接触によって溶解した薬剤が、尿とともにトラップ内に流入する。更に、尿を配管に排出する位置にもクエン酸等の薬剤が配置されており、その接触によって溶解した薬剤が、尿とともに配管内に流入するように構成されている。
特表2007−518005号公報
しかしながら、特表2007−518005号公報に記載されたような非水洗式の小便器は、使用後に水を流さない。そのため、小便器の使用時に尿が薬剤にかかった時のみ薬剤が溶解する。その為、小便器の使用頻度が低い場合、トラップユニット内に薬剤が流入しにくくなる。これにより、トラップ内の尿が腐敗しやすくなり、アンモニア臭の発生やトラップユニット内や配管内で尿石が発生しやすくなる。
トラップユニット内の尿石発生を防止する方法として、トラップユニット内に薬剤と微生物製剤とを配置する方法が挙げられる。薬剤と微生物製剤とをトラップユニット内に配置し、尿に浸漬させておくことによりトラップユニット内に薬剤と微生物製剤とを安定的に溶解させることができると考えられる。しかしながら、薬剤の溶解が進むにつれて、薬剤の容積が小さくなり、トラップユニット内のpHが上昇してしまう。これにより微生物製剤の活性が落ちてしまうという問題がある。また、薬剤の種類によっては、薬剤と微生物製剤とが接触することで微生物製剤に含まれる微生物が死んでしまい、微生物製剤の効果が得られないという問題もある。
そこで本発明は、特定の薬剤と微生物製剤とを用いることで、薬剤により微生物製剤が死んでしまうのを防ぎ、さらにトラップユニット内からのアンモニア臭の発生や、トラップユニット内や配管内での尿石の発生を長期的に防止することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、尿によって封水を形成するトラップユニットを有する小便器において、前記尿と接触する位置に微生物製剤が配置されており、前記トラップユニット内には、飽和溶解度が20g/100ml以下の酸を含む固形の薬剤が配置されており、前記微生物製剤と前記薬剤は接触しないように配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、トラップユニット内からのアンモニア臭の発生や、トラップ内や配管内での尿石の発生を長期的に防止することが可能となる。
本発明で用いることが可能な小便器の一例を示す概略図である。 図1の断面図である。 本発明の実施形態に係るトラップユニットの断面図である。 本発明の実施形態に係る薬剤の概略図である。 本発明の実施形態に係る薬剤の概略図である。 本発明の実施形態に係るトラップユニットの概略図である。 本発明の実施形態に係るトラップユニットの概略図である。 実施例の結果を表す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(小便器)
本発明による小便器は、尿によって封水を形成するトラップユニットを有する小便器において、前記尿と接触する位置に微生物製剤が配置されており、前記トラップユニット内には、飽和溶解度が20g/100ml以下の酸を含む固形の薬剤が配置されており、前記微生物製剤と前記薬剤は接触しないように配置されていることを特徴とする。
まず、図1,2を参照して本発明において用いることが可能な小便器USを説明する。図1は、小便器USの正面視を示す概略図である。ここに示す小便器はあくまでも一例であり、本発明の小便器はこれに限定されるものではない。
小便器本体10は、その背面をトイレ室などの壁WLに当接させて設置される。小便器本体10は、陶器や樹脂材料といった任意の形に形成可能な材料及び形成方法で形成されているものである。
小便器本体10は、ボウル部103と尿によって封水を形成するトラップユニット30とを有する。ボウル部103は、使用者が立位姿勢で排出した尿を受ける部分である。ボウル部103は、立壁部104及び底面部105を有する。立壁部104は、用便中の使用者と対面してその尿を直接受ける部分であり、上下左右に延びる壁状部分である。底面部105には、底面開口部106が形成されている。底面部105は、立壁部104で受けて下方に流れた尿を、排水口である底面開口部106に案内する部分であり、前後左右に延びる床状部分である。底面部105によって底面開口部106に案内された尿は、底面開口部106からトラップユニット30を通り、ボウル部103外である排水管WTに排出される。本発明で用いられるトラップユニット30については、後ほど説明する。
小便器本体10は、ノズルカバー101と人体検知センサー102と衛生維持装置20と、を有するものを用いることができる。小便器本体10がこれらを有する場合の好ましい態様の一例を以下に説明する。
ノズルカバー101は、後述するノズルユニット202及びボウル乾燥ファン203を覆うためのカバーである。ノズルユニット202及びボウル乾燥ファン203は、小便器本体10の上方に配置されているのが好ましい。よって、ノズルカバー101も小便器本体10の上方に配置されているのが好ましい。
人体検知センサー102は、小便器USを使用する使用者を検知するためのセンサーである。人体検知センサー102は、ボウル部103の中央近傍の裏側に設けられているのが好ましい。人体検知センサー102は、マイクロ波を用いたセンサーであることが好ましい。人体検知センサー102は、立壁部104を透過させてマイクロ波を照射し、使用者の体で反射して戻ってくる反射波によって、使用者が使用中であることや、使用を終えて小便器USを離れたことを検知することができるものが好ましい。
衛生維持装置20は、コントロールユニット201と、ノズルユニット202と、ボウル乾燥ファン203と、を有するものを用いることができる。衛生維持装置20は、小便器本体10の背面側に設けられているのが好ましい。コントロールユニット201は、ノズルユニット202及びボウル乾燥ファン203を駆動する制御信号を出力する。
ノズルユニット202は、ボウル部103の立壁部104上方に設けられ、コントロールユニット201から供給される液剤をボウル部103内に向けて吐出するものであることが好ましい。ノズルユニット202がボウル部103に液剤を吐出することで、ボウル部103の表面に存在する尿を発生源とするアンモニア臭や尿石の発生を抑制することが可能となる。液剤は、ボウル部103の表面に存在する尿を発生源とするアンモニア臭や尿石の発生を抑制する薬液が含まれている。ノズルユニット202の前面には、薄板状のノズルカバー101が設けられ、使用者から見えないようノズルユニット202を覆って、意匠性を向上させることが好ましい。
ボウル乾燥ファン203は、ボウル部103の立壁部104上方に設けられ、ノズルカバー101によって覆われているのが好ましい。ボウル乾燥ファン203の駆動により、ボウル部103内に送風してボウル部103を乾燥させることができる。
(トラップユニット)
図3を参照して本発明で用いられるトラップユニットを説明する。図3に示すように、トラップユニット30は、胴体部301と底面302とを有するものである。
トラップユニット30は、排水口である底面開口部106の下方に設けられる。トラップユニット30は、底面開口部106から排出された尿をその内部に流入させる開口部を有する。また、トラップユニット30は、流れ込んだ尿を貯留する胴体部301を有する。トラップユニット30は、流れ込んだ尿を貯留して、尿によって封水を形成するように構成されている。トラップユニット30の胴体部には排出口が設けられており、トラップユニット30内に貯留できなくなった尿が排出口から排出される。トラップユニット30内には、薬剤31が尿に浸漬するぐらいの尿量が貯留されることが好ましく、そのために排出口は胴体部の上方側に設けられていることが好ましい。排出口から排出された尿は排水管WTに排出される。このように尿を封水とすることで、トラップユニット30の下流に接続されている排水管WTからの臭気の逆流を防止している。トラップユニット30は、底面開口部106に挿入して設置されており、交換可能に構成されている。トラップユニット30が交換可能であることで、トラップユニット30内に尿石が発生し、排水不良が起きたとしても、トラップユニット30を交換することにより排水性能を復活させることが可能となる。
トラップユニット30の形状としては、円柱、三角柱、四角柱などが挙げられる。例えば、トラップユニット30の形状が円柱で有る場合、円柱の側面によって形成される部分が本発明における胴体部301であり、円柱の底面である円が本発明における底面302である。トラップユニット30の形状が円柱である場合、薬剤31をトラップユニット30内に配置しやすい。
トラップユニット30を構成する材料としては、水に溶けにくく、構造体として強度があり、酸に強いものであれば、特に限定されない。具体的な材料としては、樹脂や陶器が挙げられる。樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリメタクリ酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ乳酸、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などの公知の樹脂を用いることができる。
また、トラップユニット30内には、薬剤31や微生物製剤を配置するためのガイド303を設けても良い。ガイド303は、トラップユニット30内に薬剤31や微生物製剤を保持するためのものであり、ガイド303の上に薬剤31や微生物製剤を配置することができるように構成されている。ガイド303は、トラップユニット30の胴体部301の内壁に設けられているものが好ましい。具体的なガイド303の例としては、トラップユニット30の胴体部301の内壁に凸部を数か所設けた構成や、トラップユニット30の内壁の内周を覆うような凸部を設けた構成が挙げられる。また、ガイド303は、トラップユニット30内に配置できる薬剤31の大きさをできるだけ大きくするために、トラップユニット30の底面付近に設けられるのが好ましい。
ガイド303は、尿がトラップユニット30内を円滑に流れるような構成とすることが好ましい。例えば、ガイド303に尿が通るための連通孔を設けた構成が挙げられる。具体的な構成の例として、前述の凸部に、凸部を連通する孔が設けられている構成が挙げられる。孔の数や大きさは、配置する薬剤31や微生物製剤の大きさやトラップユニット30内を流れる尿量を考慮して決めることができる。ガイド303に孔を設ける場合、薬剤31や微生物製剤は、ガイド303に設けられた孔を塞がないように配置される。ガイド303に孔を設けることで、トラップユニット30内に流入した尿が、ガイド303の孔を通って薬剤31の下に入りこんだり、薬剤30の下に存在する尿がガイド303の孔を通って、トラップユニット30に設けられた排出口から排出させたりすることが可能となる。
ガイドの具体的な構成について、図3を参照して説明する。図3には、トラップユニット30内の底面付近にガイド303が設けられている。このガイド303は、トラップユニット30の胴体部301の内壁の内周を覆うような凸部である。このガイド303の上に薬剤31が載置されている。この場合において、ガイド303に孔が設けることにより、トラップユニット30内に流入した尿が、ガイド303の孔を通って薬剤31の下に入り込んだり、薬剤30の下に存在する尿がガイド303の孔を通って、トラップユニット30に設けられた排出口から排出できるようにしても良い。
本発明では、トラップユニット30内に貯留された尿はpHが3以上8以下に保たれることが好ましい。pHを3以上にすることで、配管WTの腐食を防止することができる。またpHを8以下にすることで、微生物製剤の活性を維持することができる。これにより不揮発性のアンモニウムイオン(NH )が、揮発性のアンモニア(NH)に変化するのを抑制し、アンモニアが空気中に拡散するのを防止することができる。また、本発明では、トラップユニット内のpHを3以上7以下に保つことがさらに好ましい。pH7以下とすることで、尿石の生成を抑制することが可能となる。
(薬剤)
本発明のトラップユニット30内には、飽和溶解度が20g/100ml以下の酸を含む固形の薬剤31が配置されている。なお、本発明において飽和溶解度とは、25℃で測定した飽和溶解度を指す。これにより、トラップユニット30内の尿に薬剤31が溶けたとしても、薬剤31の影響により尿に含まれる微生物が死んでしまうのを防ぐことができる。また、トラップユニット30内において短期間で薬剤が溶けきってしまうことを防ぎ、長期間性能を維持することが可能となる。
本発明において用いられる薬剤31の形状は円柱、三角柱、四角柱などが考えられ、特に限定されない。円柱の場合、トラップユニット30内に配置しやすい。
図に本発明において用いられる薬剤の具体的な例を示す。図4は四角柱の薬剤である。図5は円柱の薬剤である。
本発明において、薬剤31は、上面33と、上面33と対向する底面34と、上面と底面との外周をつなぐ外側面32と、を有し、上面33、底面34および外側面32の少なくとも1つの面には、薬剤の内部に尿が入りこむような空間を形成する溝又は凹み35が形成されていることが好ましい。具体的な例を図6に示す。薬剤31は、上面33および底面34の双方に凹みが形成され、双方の凹みが連通した貫通孔が形成されていてもよい。これにより、薬剤31が尿と接触し溶解するのに伴い、尿と接触する薬剤の表面積が次第に大きくなるため、薬剤31の溶解速度を一定に保つことが可能となる。
トラップユニット30は、尿によって封水しているため、トラップユニット30内に配置された薬剤31は尿に浸漬している。よって、小便器の使用頻度によらず、薬剤31が尿との接触により溶解し消失しない限り、薬剤31は尿と接触しており、薬剤31は溶解していると考えられる。これにより、アンモニア臭の発生や、トラップユニット30内や配管WT内での尿石の発生を抑制することが可能となる。
(薬剤の材料)
本発明において用いられる薬剤31は、酸を含む。薬剤31が酸を含むことで、トラップユニット30内に存在するウレアーゼの活性を抑制し、尿素がアンモニアに分解されにくくなる。これにより、アンモニアの発生を抑制することが可能となる。また、アンモニアが生成したとしても、アンモニアを中和することができるため、トラップユニット内のpHを低く保つことができる。
薬剤31に含まれる酸の飽和溶解度は20g/100ml以下である。これにより、薬剤が尿に溶けたとしても、尿に含まれる微生物が死んでしまうことを防ぐことができる。さらに好ましくは10g/100ml以下である。これにより、トラップユニット内において短期間で薬剤が溶けきってしまうことを防ぎ、長期間トラップユニット内のpHを低く維持することが可能となる。また、薬剤31に含まれる酸の飽和溶解度は0.1g/100mL以上であることが好ましい。これにより、トラップユニット中でアンモニアが発生したとしても、発生したアンモニアを中和することが可能となる。
本発明において、好ましい酸として、L−アスコルビン酸、DL−マンデル酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、ピクリン酸、尿酸、無水フタル酸、フタル酸、フマル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、安息香酸、エデト酸からなる群から選ばれる一種以上を用いることができる。さらに好ましくは、無水フタル酸、フタル酸、フマル酸、安息香酸からなる群から選ばれる一種以上を用いることができる。いずれの酸も飽和溶解度は20g/100ml以下であり、微生物製剤に含まれる微生物が死んでしまうのを抑制しつつ、トラップユニット内においてアンモニアの発生を長期間抑制することができる。
薬剤31は、尿石の生成を抑制する材料として、殺菌剤を含むことが好ましい。殺菌剤を含むことで尿に含まれる雑菌を死滅させ、アンモニアの発生を抑制することが可能となる。尿石の生成を抑制する材料として殺菌剤のみを用いる場合は、酸と同様に飽和溶解度は20g/100ml以下であることが好ましい。これにより、トラップユニット内において短期間で薬剤が溶けきってしまうことを防ぐことが可能となる。
本発明において用いられる薬剤31の材料として、他に界面活性剤、香料などを含んでいても良い。香料を含むことで、アンモニア臭が発生したとしても、臭いのマスキングが可能となる。
(微生物製剤)
本発明において、トラップユニット内のアンモニア臭の発生や、トラップユニット内や配管内での尿石の発生を防止するために、酸を含む薬剤31と微生物製剤40とを併用する。
本発明において用いられる微生物製剤40に含まれる微生物は、アンモニア資化性を有するものであれば、特に制限されないが、具体的には、バチルス菌、パラコッカス菌、チオスフェラ菌からなる群から選ばれる一種以上を用いることができる。
酸を含む薬剤31と微生物製剤40とが接触すると、酸の影響により微生物製剤40に含まれる微生物が死んでしまう。よって、本発明において薬剤31と微生物製剤40は接触しないように配置される。
本発明において、微生物製剤40は、小便器の使用者の尿と接触する場所に配置される。具体的には、トラップユニット30内または小便器の底面開口部106の上に配置されていることが好ましい。これにより、微生物製剤に含まれる微生物は尿と接触し、トラップユニット30内に流れ込み、尿に溶解する。したがって、トラップユニット30内で発生したアンモニアを資化し、トラップユニット30内のアンモニア量を抑制することが可能となる。その結果、アンモニア臭の発生や、尿石を抑制することが可能となる。薬剤31と微生物製剤40とをトラップユニット内に配置する場合、図7に示すようにトラップユニット30の底面302に薬剤31を配置し、トラップユニット30に設けられたガイド303の上に微生物製剤40を配置することで、薬剤31と微生物製剤40とが接触しないように配置することが好ましい。この場合、ガイド303は、薬剤31と接触しないように設けられていることが好ましい。これにより、薬剤31と微生物製剤40とが接触しないようにトラップユニット30内に配置される。ガイド303はトラップユニット30の上面付近に設けられていることがさらに好ましい。これにより、トラップユニット30の容積に対して大部分を占めるような大きい薬剤31を配置する場合であっても、トラップユニット30内に薬剤31と微生物製剤40とが接触しないように配置できる。
微生物製剤40が小便器の底面開口部106の上に配置されている場合、薬剤31と微生物製剤40は接触していないため、微生物製剤に含まれる微生物が死んでしまうのを抑制できる。また、トラップユニット30内は薬剤31によりpHの上昇が抑制されている。よって、尿と接触してトラップユニット30内に流れ込んだ微生物製剤40に含まれる微生物が増殖し、アンモニア臭の発生や尿石の発生を防止することができる。
(補助薬剤の併用)
本発明において、本発明で用いられる薬剤31や微生物製剤40とは別に、補助薬剤を併用してもよい。この補助薬剤は、本発明で用いられる薬剤31の効果を妨げないものであればとくに限定されない。補助薬剤に含まれることが可能な材料としては、界面活性剤、香料、枯草菌、消臭剤、着色剤、油性成分の乳化可溶化剤、キレート剤、増量剤、溶解性調整剤、漂白剤、撥水剤、充填剤、pH調整剤、増粘剤、薬剤安定性向上剤、成型性向上剤、無機系ビルダー、有機系ビルダー、酵素などが挙げられる。界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤などが挙げられる。香料としては、植物香料、動物性香料、合成香料などが挙げられる。補助薬剤を用いる目的に合わせて用いる材料を適宜選択できる。補助薬剤は、選択した材料を混合し、これを所望の形状に成型して得ることができる。補助薬剤の形状は、トラップユニット30内に配置できるものであれば、特に限定されない。補助薬剤は、本発明で用いられる薬剤31や微生物製剤40の効果を妨げないように配置されていれば、トラップユニット30内のどこに配置されていても良い。例えば、トラップユニット30内の底面302に、本発明で用いられる薬剤31や微生物製剤40と接触しないように配置されることが挙げられる。
本発明を以下の例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(実施例)
夜間などの、小便器が長時間未使用の場合のトラップユニット内において、薬剤と微生物製剤とが接触することで微生物製剤に含まれる微生物が死滅してしまう場合の薬剤に含まれる酸の飽和溶解度を評価した。具体的な試験条件を以下に示す。特定の飽和溶解度を有する酸を含む薬剤として、表1に示す特定の濃度でクエン酸が溶解した生理食塩水25mLを用いた。微生物として5×10個に調整したバチルス菌を用いた。生理食塩水にバチルス菌を添加し、常温で20時間放置し、20時間放置後のバチルス菌の生菌数を調べた。バチルス菌の生菌数は、生菌を適宜希釈し、標準寒天培地で混釈後、36℃で24時間培養した。その後、コロニー数をカウントし、コロニー数から1mL当たりの生菌数を算出した。試験の結果を表1および図8に示す。図8は、横軸はクエン酸濃度(g/100mL)であり、縦軸はバチルス菌の生菌数(cfu/mL)である。その結果、20g/100mLまではバチルス菌が生存していた。20g/100mL以上になると、バチルス菌の生菌数が減り、30g/100mL以上になると、バチルス菌が不検出となった。
Figure 0006550833

US:小便器
WL:トイレ室の壁
WT:配管
10:小便器本体
101:ノズルカバー
102:人体検知センサー
103:ボウル部
104:立壁部
105:底面部
106:底面開口部
20:衛生維持装置
201:コントロールユニット
202:ノズルユニット(液剤吐出手段)
203:ボウル乾燥ファン
30:トラップユニット
301:胴体部
302:底面
303:ガイド
31:薬剤
32:側面
33:上面
34:底面
35:溝または凹み
40:微生物製剤

Claims (6)

  1. 尿によって封水を形成するトラップユニットを有する小便器において、
    前記尿と接触する位置に微生物製剤が配置されており、
    前記トラップユニット内には、飽和溶解度が20g/100ml以下の酸を含む固形の薬剤が、前記トラップユニット内に設けられたガイドの上に配置されているか、または、前記トラップユニットの底面に配置されており、
    前記微生物製剤と前記薬剤は接触しないように配置されていることを特徴とする、小便器。
  2. 前記微生物製剤は、前記トラップユニット内または前記小便器の底面開口部の上に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の小便器。
  3. 前記薬剤は、前記トラップユニットの底面に配置され、前記微生物製剤は、前記トラップユニットに設けられたガイドの上に配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の小便器。
  4. 前記酸は、L−アスコルビン酸、DL−マンデル酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、ピクリン酸、尿酸、無水フタル酸、フタル酸、フマル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、安息香酸、エデト酸からなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の小便器。
  5. 前記微生物製剤に含まれる微生物は、バチルス菌、パラコッカス菌、チオスフェラ菌からなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の小便器。
  6. 前記薬剤または前記微生物製剤は、内部に尿が入りこむような空間を形成する溝又は凹みが形成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の小便器。
JP2015063869A 2015-03-26 2015-03-26 小便器 Active JP6550833B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015063869A JP6550833B2 (ja) 2015-03-26 2015-03-26 小便器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015063869A JP6550833B2 (ja) 2015-03-26 2015-03-26 小便器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016183483A JP2016183483A (ja) 2016-10-20
JP6550833B2 true JP6550833B2 (ja) 2019-07-31

Family

ID=57241698

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015063869A Active JP6550833B2 (ja) 2015-03-26 2015-03-26 小便器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6550833B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07275889A (ja) * 1994-04-13 1995-10-24 Mitsubishi Materials Corp 消臭材
JP2002129637A (ja) * 2000-10-25 2002-05-09 Inax Corp 小便器のトラップ構造
JP4949566B2 (ja) * 2001-05-07 2012-06-13 株式会社アメータ トラップ着脱式トイレにおけるスケールの固着防止方法
JP4959179B2 (ja) * 2005-11-29 2012-06-20 株式会社ワールドバイオ 循環洗浄式男性用トイレの防臭防汚洗浄方法及び該方法に使用する循環洗浄式男性用トイレ
JP2014045891A (ja) * 2012-08-30 2014-03-17 Bast Uwe 無水小便器システム
JP6277587B2 (ja) * 2013-03-06 2018-02-14 Toto株式会社 衛生維持装置付き小便器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016183483A (ja) 2016-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6277587B2 (ja) 衛生維持装置付き小便器
JP6153055B2 (ja) 衛生維持装置付き小便器
US20120131739A1 (en) in lavatory dispensing devices
BRPI0816884A2 (pt) dispositivo de distribuição sem gaiola
AU2017261534A1 (en) Urinal Mat
JP3150343U (ja) 非水洗型小便器
JP6550833B2 (ja) 小便器
KR101870283B1 (ko) 이산화염소를 이용한 화장실 살균 시스템
JP6229551B2 (ja) 小便器およびトラップユニット
EP4150168B1 (en) Plumbing fixture sanitising system
JP6229550B2 (ja) 小便器およびトラップユニット
JP7432402B2 (ja) トイレ装置
JP6429003B2 (ja) 小便器装置および小便器ユニット
JP6150104B2 (ja) 小便器
CN109610594B (zh) 一种活氧洁厕消毒机及小便池
WO2017097310A1 (en) A toilet basin, a receptacle adapted to store a replaceable supply containing a disinfecting material, and the use of such a receptacle in a toilet basin
JP6292532B2 (ja) 衛生維持装置付き小便器
JP6153056B2 (ja) 衛生維持装置付き小便器
JP3241095U (ja) 貯水タンク式水洗トイレ用の除菌材及び除菌具
JPH07171576A (ja) 便器清浄剤
WO2023199342A1 (en) A fragrance diffuser for a flush tank
JP3123051B2 (ja) 便器防汚・脱臭方法
JP2006200264A (ja) 薬剤溶解水供給装置
JP6153057B2 (ja) 衛生維持装置付き小便器
KR200344587Y1 (ko) 위생변기시트

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190604

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190617

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6550833

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150