JP6546435B2 - 不織布の製造方法 - Google Patents
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Description
尚、不織布に関しては、構成繊維の配向方向により繊維の配向方向に沿うMD方向をY方向、それと直交するCD方向をX方向と判断する。従って、以下の説明では、Y方向とMD方向とは同じ方向を意味し、X方向とCD方向は同じ方向を意味する。また、以下の説明では、MD方向の不織布を搬送する方向とロールを周方向に回転させることによりシートを搬送する方向とは同じ方向を意味し、不織布のCD方向とロール回転軸方向とは同じ方向を意味する。また、図中のZ方向は、搬送する不織布の厚み方向である。
図1〜図2は、本発明の起毛不織布の製造方法に用いられる製造装置(以下、単に製造装置ともいう。)の一実施形態を模式的に示したものである。
尚、ISO1997に準拠して測定した最大粗さ(Rz)とは、評価長さ全体において、平均線から最も高い山頂までの高さと、平均線から最も深い谷底までの深さの和である。
原料不織布からX方向(CD方向)に10mm、Y方向(MD方向)に100mmにカットした不織布を4枚用意する。引張試験機(株式会社島津製作所製オートグラフAG−IS1kN)を用いて、チャック間20mmに前記不織布を折り曲げて配し、一方のチャックに該不織布のY方向(MD方向)の端部を挟み、他方のチャックに、折り曲げて配した該不織布の表面の繊維を3〜50本程度ほぐし、ほぐした繊維を挟む。ここで同じ表面からの繊維を測定するために、折り曲げる方向はすべて同じにする。10Nロードセルを用い速度10mm/分で4枚の不織布の測定をおこなう。測定後データから最初の降伏点の伸度を読み取り、4枚の不織布の平均値を繊維の伸度とする。次に裏側も同様に折り曲げて測定をおこない、他方の伸度の測定結果とする。不織布がホットメルト等で接合した商品の場合はホットメルトを溶かす溶媒で十分にホットメルトを除去してから測定する。
不織布1は、図4及び図5に示すように、低伸度層3Aを構成する長繊維2Aの一部が破断されて、一端部20aのみが熱融着部4により固定され他端部側が自由端部20bとなっている起毛繊維20を備えている。不織布1は、自由端部20bを有する起毛繊維20、熱融着部4,4同士の間でループ状に起立するループ状の繊維23(起毛繊維20、ループ状の繊維23をあわせて「起毛している繊維」という)及び「起毛している繊維」以外の起毛していない繊維で構成されている。不織布1は、この起毛していない繊維を主として形成されている。そして起毛繊維20は、図4及び図5に示すように、自由端部20bが太くなっている繊維21及び自由端部20bが太くなっていない繊維22からなる。先端が太くなっている繊維21としては、その先端部における断面が扁平状(楕円や潰れた形状)であるものが好ましい。ここで、「自由端部」とは、一端部20aのみが熱融着部4により固定されている起毛繊維20における「他端部」のことを意味し、言い換えれば「先端部」を意味する。自由端部20bが太くなっているか否かは、以下の測定法により繊維径を測定し、先端繊維径の増加割合を算出し判断する。
先ず、22℃、65%RH環境下にて、図6(a)に示すように、測定する不織布1から、鋭利なかみそりで、CD方向に2cm、MD方向に2cmの大きさの測定片を切り出す。そして、図6(b)に示すように、複数個の熱融着部4を通るCD方向に延びる折り返し線Zにて山折りした測定サンプルを、図6(c)に示すように、カーボンテープを載せた走査型電子顕微鏡(SEM)用アルミ製試料台に載せて固定する。次に、およそ750倍に拡大したSEM画像から、一端部20aのみが熱融着部4により固定されている起毛繊維20をランダムに10本選出し、それら繊維の自由端部の先端付近の写真撮影を行なう。得られた写真(図7参照)から、自由端部20bの先端から120μm離れた位置での起毛繊維20の繊維径(自由端部20bを除く部位での起毛繊維20の径21a)をそれぞれ測定する。自由端部20bを除く部位での起毛繊維20の径21aの測定時における傾きを、そのまま自由端部20b側に平行移動し、自由端部20bの先端と先端から20μm離れた位置との間に挟まれた領域において最も太くなっている位置での繊維21の繊維径(自由端部20bでの繊維21の径21b)を測定する。尚、先端部が扁平状である場合は観察角度によっては先端が太く見えない場合もあるが、その場合でも得られた写真でそのまま測定する。不織布が商品にホットメルト等で接合されている場合でも、不織布を切り出して測定する。またホットメルトを溶かす溶媒を用いて、ホットメルトを除去してもよい。
先端繊維径の増加割合(%)=[((21b−21a)÷21a)×100]・・・(1)
尚、原料不織布10は、そのバルクソフトネスが、柔軟なものが得られ肌触りに優れる観点から、10cN以下であることが好ましく、6cN以下であることが更に好ましく、そして1cN以上であることが好ましく、具体的には、0.5cN以上10cN以下であることが好ましく、1cN以上8cN以下であることが更に好ましい。
バルクソフトネスは、以下の測定法により測定する。
不織布1のバルクソフトネスは、22℃65%RH環境下にて、不織布1をY方向に150mm、X方向に30mm切り出し、直径45mmのリング状に、ホッチキスを用いて端部を上下2箇所で止める。このときステープラーの芯はY方向に長くなるようにする。引張試験機(例えば、株式会社オリエンテック製テンシロン引張り試験機「RZA−100」)を用いて、試料台の上に前記リングを筒状に立て、上方から台とほぼ平行な平板にて圧縮速度10mm/分の速度で圧縮していった際の最大荷重を測定し、バルクソフトネスとする。不織布がホットメルト等で接合した商品の場合はホットメルトを溶かす溶媒で十分にホットメルトを除去してから測定する。
図8は、22℃65%RH環境下にて、不織布1を構成する繊維の中で起毛している繊維の量を測定する方法を示した模式図である。先ず、測定する不織布から、鋭利なかみそりで、20cm×20cmの測定片を切り出し、図8(a)に示すように、測定片の起毛した面において、複数個の熱融着部4を通るX方向に延びる折り返し線Zにて山折りして測定サンプル104を形成する。次に、この測定サンプル104を、A4サイズの黒い台紙の上に載せ、図8(b)に示すように、さらにその上に、縦1cm×横1cmの穴107をあけたA4サイズの黒い台紙を載せる。このとき、図8(b)に示すように、測定サンプル104の折り目105が、上側の黒い台紙の穴107から見えるように配置する。両台紙には、富士共和製紙株式会社の「ケンラン(黒)連量265g」を用いる。その後、上側の台紙の穴107の両側それぞれから、折り目105に沿って外方に5cm離れた位置に、50gのおもりをそれぞれ載せ、測定サンプル104が完全に折りたたまれた状態を作る。次に、図8(c)に示すように、マイクロスコープ(株式会社キーエンス製VHX−900)を用いて、30倍の倍率で、台紙の穴107内を観察し、測定サンプル104の折り目105から0.2mm上方に平行移動した位置に形成される仮想線108よりも上方に起毛している1cmあたりの起毛した繊維の本数を計測する。このようにして9箇所計測し、平均値(少数第二位を四捨五入)を起毛している繊維の量(本数)とする。不織布が商品にホットメルト等で接合されている場合でも、不織布を切り出して測定する。またホットメルトを溶かす溶媒を用いて、ホットメルトを除去してもよい。商品の大きさが測定片よりも小さい場合、5cm×5cmを3つ切り出し、上記方法で各三箇所合計9箇所測定し、起毛している繊維の量とする。
吸収性本体8は、図10に示すように、液透過性の表面シート82、液不透過性(撥水性も含む)の裏面シート83及び両シート82,83間に介在された液保持性の吸収体81を有しており、図9に示すように、実質的に縦長である。
外包材9は、図9に示すように、着用者の背側に配される背側領域A、腹側に配される腹側領域B、それらの間に位置し股間部に配される股下領域Cを有しており、背側領域Aと腹側領域Bの両側縁部9a,9b同士が接合されて、一対のサイドシール部(図示せず)、一対のレッグ開口部(図示せず)及びウエスト開口部(図示せず)が形成される。また、外包材9は、おむつの外面を形成する外層シート92、その肌当接面側に位置して部分的に該外層シート92と接合された内層シート91を有しており、ウエスト開口部及びレッグ開口部を形成するウエスト部及びレッグ部9dにおける両シート91,92間に、ギャザー形成用のウエスト部弾性部材93及びレッグ部弾性部材94が配されている。
吸収性本体8の長手方向に沿う両側部には、図10に示すように、液不透過性又は撥水性で且つ通気性の素材から構成された側方カフス84,84が設けられている。各側方カフス84の自由端部近傍には、側方カフス形成用の弾性部材85が伸長状態で配設固定されている。側方カフス84は、おむつの装着時に自由端部側が起立し、吸収性本体8の幅方向への排泄物の流出を阻止することができる。側方カフス84形成用シートは、図10に示すように、吸収性本体8の幅方向外方の所定幅の部分が、吸収体81の非肌当接面側に巻き込まれて、吸収体81と裏面シート83との間に固定されている。尚、所定幅の部分は、裏面シート30と外包材9との間に固定されていてもよい。
側方カフス形成用の弾性部材85、ウエスト部弾性部材93及びレッグ部弾性部材94としては、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるもの等を、特に制限なく用いることができる。例えば、天然ゴム、ポリウレタン、ポリスチレン−ポリイソプレン共重合体、ポリスチレン−ポリブタジエン共重合体、アクリル酸エチル−エチレン等のポリエチレン−αオレフィン共重合体等からなる伸縮性の材料等を用いることができる。
スパンボンド製法で製造された原料不織布の構成繊維を起毛する起毛加工工程を有する不織布の製造方法であって、
前記原料不織布は、第一面と第二面とを有し、相対的に低伸度の長繊維から形成された低伸度層と相対的に高伸度の長繊維から形成された高伸度層とを有し、該低伸度層及び該高伸度層を複数の熱融着部により固定して形成されており、該低伸度層が第一面側の表面に露出している不織布であり、
前記低伸度の長繊維の伸度と前記高伸度の長繊維の伸度との伸度の差は、50パーセントポイント以上の差があり、
前記起毛加工工程においては、凸部を有する凸部材を用いて、前記原料不織布の表面に位置する前記低伸度層の前記長繊維の一部を破断して一端部のみが前記熱融着部により固定された起毛繊維を形成する不織布の製造方法。
前記原料不織布は、前記低伸度層の第二面側の表面に露出して前記高伸度層が配されている前記<1>に記載の不織布の製造方法。
<3>
前記凸部材は、周面に前記凸部を有する凸ローラである前記<1>又は<2>に記載の不織布の製造方法。
<4>
前記低伸度の長繊維は、ホモポリプロピレンを主とする樹脂から形成されている前記<1>〜<3>の何れか1に記載の不織布の製造方法。
<5>
前記高伸度の長繊維は、コポリプロピレンを含む樹脂から形成されている前記<1>〜<4>の何れか1に記載の不織布の製造方法。
<6>
前記コポリプロピレンは、エチレン、プロピレン又はブデン等の他のオレフィンと、プロピレンとのブロックコポリマー或いはランダムコポリマーを含む前記<5>に記載の不織布の製造方法。
<7>
前記コポリプロピレンはプロピレン−共重合体である前記<5>又は<6>に記載の不織布の製造方法。
<8>
前記高伸度の長繊維は、捲縮性を有している前記<1>〜<7>の何れか1に記載の不織布の製造方法。
前記捲縮性を有する長繊維は、コポリプロピレン樹脂と、コポリプロピレン樹脂とは別の樹脂とから構成された複合繊維であるか、または、重合度又は添加剤を異ならせて形成されたコポリプロピレン樹脂同士から構成された複合繊維である前記<8>に記載の不織布の製造方法。
<10>
前記捲縮性を有する複合繊維は、サイドバイサイド繊維、芯鞘繊維、偏芯したクリンプを有する芯鞘繊維である前記<9>に記載の不織布の製造方法。
<11>
前記捲縮性を有する複合繊維は、芯がコポリプロピレン樹脂、鞘がポリエチレン樹脂からなる芯鞘繊維であるか、または芯鞘ともにコポリプロピレン繊維で熱収縮度が異なる偏芯繊維である前記<9>又は<10>に記載の不織布の製造方法。
<12>
前記凸部材は、周面に前記凸部を有する凸ローラであり、前記原料不織布を該凸ローラの接触面に60°以上の抱き角で接触させる前記<1>〜<11>の何れか1に記載の不織布の製造方法。
<13>
前記原料不織布が前記凸ローラの接触面に、60°以上の抱き角αで接触していることが好ましく、75°以上の抱き角αで接触していることが更に好ましく、そして、110°以下の抱き角αで接触していることが好ましく、90°以下の抱き角αで接触していることが更に好ましい前記<12>に記載の不織布の製造方法。
<14>
前記凸部材は、周面に前記凸部を有する凸ローラであり、該凸ローラに搬送される前記原料不織布の張力が80N/m以上である前記<1>〜<13>の何れか1に記載の不織布の製造方法。
前記起毛加工工程の後、更に凸部を有する別の凸部材を用いて起毛する前記<1>〜<14>の何れか記載の不織布の製造方法。
<16>
前記凸部材の表面は、ISO1997に準拠して測定した最大粗さ(Rz)が80μm以上である前記<1>〜<15>の何れか1に記載の不織布の製造方法。
<17>
前記凸部材の表面は、ISO1997に準拠して測定した最大粗さ(Rz)が、80μm以上、好ましくは90μm以上であり、そして、135μm以下、好ましくは127μm以下である前記<16>に記載の不織布の製造方法。
<18>
前記凸部材は、周面に前記凸部を有する凸ローラであり、
前記凸ローラは、金属性の円筒形状のローラの表面を、サンドブラスト処理を施して作製された凸ローラである前記<1>〜<17>の何れか1に記載の不織布の製造方法。
<19>
前記凸部材に搬送される前記原料不織布の張力は、50N/m以上、好ましくは80N/m以上であり、そして200N/m以下である前記<1>〜<18>の何れか1に記載の不織布の製造方法。
<20>
前記低伸度の長繊維及び前記高伸度の長繊維の繊維径は、それぞれ、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上であり、そして、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下である前記<1>〜<19>の何れか1に記載の不織布の製造方法。
<21>
前記原料不織布において、前記低伸度層を形成する前記低伸度の長繊維と前記高伸度層を形成する前記高伸度の長繊維との伸度は、75パーセントポイント以上差があることが好ましく、100パーセントポイント以上差があることがさらに好ましい前記<1>〜<20>の何れか1に記載の不織布の製造方法。
<22>
前記原料不織布において、前記低伸度層を形成する前記低伸度の長繊維は、100%以上の伸度であることが好ましく、そして400%以下の伸度であることが好ましい前記<1>〜<21>の何れか1に記載の不織布の製造方法。
<23>
前記原料不織布において、前記高伸度層を形成する前記高伸度の長繊維は、300%以上の伸度であることが好ましく、そして600%以下の伸度であることが好ましい前記<1>〜<22>の何れか1に記載の不織布の製造方法。
<24>
前記<1>〜<23>の何れか1に記載の不織布の製造方法で製造された不織布。
<25>
前記<24>に記載の不織布を用いた吸収性物品。
<26>
前記不織布を最外層シートとして用いた前記<25>に記載の吸収性物品。
原料不織布として、第一面側に繊維径15μmのホモポリプロピレン樹脂からなる相対的に低伸度の長繊維2Aから形成される低伸度層3Aとなるウェブ3A’と、第二面側に繊維径15μmのコポリプロピレン(具体的にはプロピレン−エチレンランダム共重合体)からなる相対的に高伸度の長繊維2Bから形成される高伸度層3Bとなるウェブ3B’を熱融着して形成されており、低伸度の長繊維2Aの伸度と高伸度の長繊維2Bの伸度との伸度の差が50パーセントポイント以上となる、スパンボンド不織布(原料不織布)を準備した。それらの各熱融着部4の形状はひし形で、熱融着部の面積率は9%、表面積率と隣り合う熱融着部4,4同士の中心間の距離は2mmであった。スチールマッチングエンボスローラに通して部分延伸加工を施した。部分延伸加工に用いたスチールマッチングエンボスローラにおける上部ローラの各凸部と下部ローラの各凸部との噛み合いの深さは4mmであった。また凸部の高さが4.2mmであり、周方向に隣り合う凸部同士の距離(ピッチP1)は8.3mmであり、回転軸方向に隣り合う凸部同士の距離(ピッチP2)は8.3mmであった。また、起毛加工に用いた凸ローラ51は、直径が150mmで、ISO1997に準拠して測定したその表面の最大粗さ(Rz)が125.86μmであるローラを用いた。最大粗さ(Rz)は、上述した株式会社ミツトヨ製のサーフテストSJ−201(商品名)を用いて、上述した測定条件に従って測定した。
原料不織布10の凸ローラ61の接触面に対する抱き角αを45°に変更する以外は、実施例1と同様にして実施例2の不織布を作製した。
実施例1と同様の加工をおこない、原料不織布のみを変更して実施例3の不織布を作製した。原料不織布として、第一面側に繊維径16μmのコポリプロピレン(具体的にはプロピレン−エチレンランダム共重合体)からなる相対的に低伸度の長繊維2Aから形成される低伸度層3Aとなるウェブ3A’と、第二面側に繊維径16μmのコポリプロピレンを主体とした捲縮性の複合繊維からなる相対的に高伸度の捲縮性の長繊維2Bから形成される高伸度層3Bとなるウェブ3B’を熱融着して形成されており、低伸度の長繊維2Aの伸度と高伸度の長繊維2Bの伸度との伸度の差が50パーセントポイント以上となる、スパンボンド不織布を準備した。それらの各熱融着部4の形状は円形で、熱融着部の面積率は8%、表面積率と隣り合う熱融着部4,4同士の中心間の距離は3mmであった。
原料不織布10の凸ローラ61の接触面に対する抱き角αを45°に変更する以外は、実施例3と同様にして実施例4の不織布を作製した。
実施例1と同じ原料不織布を、比較例1の不織布とした。即ち、比較例1の不織布には、起毛加工が施されていない。
実施例3と同じ原料不織布を、比較例2の不織布とした。即ち、比較例2の不織布には、起毛加工が施されていない。
原料不織布を、低伸度の長繊維の伸度と高伸度の長繊維の伸度との伸度の差が50パーセントポイント未満の原料不織布に変更し、該原料不織布に対して、実施例2と同様の加工を施して比較例3の不織布を作製した。原料不織布として、第一面側に繊維径16μmのホモポリプロピレン樹脂からなる長繊維から形成される層と、第二面側に同様に繊維径15μmのホモポリプロピレンからなる長繊維から形成される層を熱融着したスパンボンド不織布を準備した。それらの各熱融着部4の形状は楕円形で、熱融着部の面積率は15%、表面積率と隣り合う熱融着部4,4同士の中心間の距離は1.5mmであった。
原料不織布10の凸ローラ61の接触面に対する抱き角αを80°に変更する以外の加工は、比較例3と同様にして比較例4の不織布を作製した。
原料不織布を、低伸度の長繊維の伸度と高伸度の長繊維の伸度との伸度の差が50パーセントポイント未満の原料不織布に変更し、該原料不織布に対して、実施例2と同様の加工を施して比較例5の不織布を作製した。原料不織布として、第一面側に繊維径15μmのコポリプロピレン(具体的にはプロピレン−エチレンランダム共重合体)からなる長繊維から形成される層と、第二面側に同様に繊維径15μmのコポリプロピレン(具体的にはプロピレン−エチレンランダム共重合体)からなる長繊維から形成される層を熱融着したスパンボンド不織布を準備した。それらの各熱融着部4の形状はひし形で、熱融着部の面積率は9%、表面積率と隣り合う熱融着部4,4同士の中心間の距離は2mmであった。
原料不織布10の凸ローラ61の接触面に対する抱き角αを80°に変更する以外の加工は、比較例5と同様にして比較例6の不織布を作製した。
実施例1〜4、比較例1〜6の不織布について、上述した方法に従って、バルクソフトネス、起毛している繊維の量(本数)を測定した。バルクソフトネスは、しなやかさを示すパラメータであり、起毛している繊維の量(本数)は、ふっくら感を示すパラメータである。また、また、実施例1〜4、比較例1〜6の不織布について、後述する方法に従って、肌触り感を評価した。評価環境は室温20℃、湿度60%RHであった。更に、実施例1〜4、比較例1〜6の不織布の製造時において、後述する方法に従って、ネックイン量を測定した。それらの結果を下記表1に示す。
実施例1〜4、比較例1〜6で得られた不織布について、ホモポリプロピレンのみで作られた比較例3を2点、ホモポリプロピレンとコポリプロピレンで作られた比較例1を4点としたときの10段階の(10点に近づく程よりよい肌触り)官能評価を成人男女3人に対して行い、各不織布についての平均値を、整数桁に四捨五入して求め、表1に示した。なお、本評価は、各不織布に軽くタッチするように触ったときの官能評価である。
不織布の起毛加工において、巻出し直後の幅を定規を用いて目視で測定した結果を基材幅とする。また、凸ロールで加工をおこなった直後に定規を用いて目視で幅を測定した結果を加工直後幅とする。これらの数値からネックイン量(%)として(1−加工直後幅/基材幅)×100の式を用いて算出した。ネックインが大きいほど、初期の幅に対して、加工中での幅縮みが大きいことを意味し生産時に幅の予測がつき難く大きな課題となる。つまり、この測定により加工適正を評価することができる。
2A,2B 長繊維
20 起毛繊維
20a 一端部
20b 自由端部
21 自由端部が太くなっている繊維
22 自由端部が太くなっていない繊維
23 ループ状の繊維
4 熱融着部
100 製造装置
5 原料不織布形成部
51 第1ウェブ形成装置
52 第2ウェブ形成装置
53、54 エンボスローラ
531 凸部
6 起毛加工部
61 凸ローラ
611 凸部
7 巻取ローラ
10 原料不織布
104 測定サンプル
105 折り目
106a 2回横切る繊維
107 穴
108 仮想線
200 パンツ型使い捨ておむつ
8 吸収性本体
81 吸収体
82 表面シート
83 裏面シート
84 側方カフス
85 側方カフス形成用の弾性部材
9 外包材
91 内層シート
92 外層シート
93 ウエスト部弾性部材
94 レッグ部弾性部材
9a,9b 側縁部
9d レッグ部
A 背側領域、B 腹側領域、C 股下領域
Claims (10)
- スパンボンド製法で製造された原料不織布の構成繊維を起毛する起毛加工工程を有する不織布の製造方法であって、
前記原料不織布は、第一面と第二面とを有し、相対的に低伸度の長繊維から形成された低伸度層と相対的に高伸度の長繊維から形成された高伸度層とを有し、該低伸度層及び該高伸度層を複数の熱融着部により固定して形成されており、該低伸度層が前記第一面側の表面に露出している不織布であり、
前記低伸度の長繊維の伸度と前記高伸度の長繊維の伸度との伸度の差は、50パーセントポイント以上の差があり、
前記起毛加工工程においては、凸部を有する凸部材を用いて、前記原料不織布の表面に位置する前記低伸度層の前記長繊維の一部を破断して一端部のみが前記熱融着部により固定された起毛繊維を形成する不織布の製造方法。 - 前記原料不織布は、前記低伸度層の第二面側の表面に露出して前記高伸度層が配されている請求項1に記載の不織布の製造方法。
- 前記凸部材は、周面に前記凸部を有する凸ローラである請求項1又は2に記載の不織布の製造方法。
- 前記低伸度の長繊維は、ホモポリプロピレンを主とする樹脂から形成されている請求項1〜3の何れか1項に記載の不織布の製造方法。
- 前記高伸度の長繊維は、コポリプロピレンを含む樹脂から形成されている請求項1〜4の何れか1項に記載の不織布の製造方法。
- 前記高伸度の長繊維は、捲縮性を有している請求項1〜5の何れか1項に記載の不織布の製造方法。
- 前記凸部材は、周面に前記凸部を有する凸ローラであり、前記原料不織布を該凸ローラの接触面に60°以上の抱き角で接触させる請求項1〜6の何れか1項に記載の不織布の製造方法。
- 前記凸部材は、周面に前記凸部を有する凸ローラであり、該凸ローラに搬送される前記原料不織布の張力が80N/m以上である請求項1〜7の何れか1項に記載の不織布の製造方法。
- 前記起毛加工工程の後、更に凸部を有する別の凸部材を用いて起毛する請求項1〜8の何れか1項に記載の不織布の製造方法。
- 前記凸部材の表面は、ISO1997に準拠して測定した最大粗さ(Rz)が80μm以上である請求項1〜9の何れか1項に記載の不織布の製造方法。
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