JP6540325B2 - 半透明性延伸フィルム - Google Patents
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Description
しかし、一般的なプラスチック製フィルムは、切り口等の特別な形状を備えなければ手切れ性を有さず、およびフィルム表面が滑らかすぎるために鉛筆等による筆記ができない。したがって、紙の代替として用いることができない場合がある。
[1]結晶性熱可塑性樹脂Aと、結晶性熱可塑性樹脂Bとを樹脂成分として少なくとも含有し、結晶性熱可塑性樹脂Aの融点Tm(A)およびガラス転移温度Tg(A)、結晶性熱可塑性樹脂Bの融点Tm(B)およびガラス転移温度Tg(B)が下記の式を同時に満たす、全光線透過率が35〜85%である半透明性延伸フィルム。
Tm(B)≧Tm(A)+50℃
Tm(A)≧Tg(B)+40℃
Tg(B)>Tg(A)
[2]結晶性熱可塑性樹脂Bを、樹脂成分の全質量を基準に15〜45質量%含有する、[1]に記載の半透明性延伸フィルム。
[3]灰分はフィルムの全質量を基準に1質量%以下である、[1]または[2]に記載の半透明性延伸フィルム。
[4]60度鏡面光沢度は5〜35%である、[1]〜[3]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[5]Tm(A)が135℃〜175℃である、[1]〜[4]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[6]Tm(B)が200℃以上である、[1]〜[5]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[7]Tg(B)が60〜130℃である、[1]〜[6]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[8]結晶性熱可塑性樹脂Aは結晶性ポリオレフィン系樹脂である、[1]〜[7]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[9]少なくとも片面にヒートシール層を有する、[1]〜[8]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[10]少なくとも片面のぬれ張力が36〜45mN/mである、[1]〜[9]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[11][1]〜[10]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルムから構成される食品包装用袋。
Tm(B)≧Tm(A)+50℃ (式1)
Tm(A)≧Tg(B)+40℃ (式2)
Tg(B)>Tg(A) (式3)
結晶性樹脂AおよびBの融点およびガラス転移温度が上記関係式を満たす場合には、押出成形の際に結晶性樹脂Bの微細分散物が結晶性樹脂A中に形成され、フィルムの延伸の際に主樹脂である結晶性樹脂Aとそこに分散される結晶性樹脂Bとの界面間に適度な空隙部が形成され、所望の全光線透過率を有する半透明延伸フィルムが得られることとなる。
Tm(A)+120℃≧Tm(B)≧Tm(A)+70℃
Tg(B)+90℃≧Tm(A)≧Tg(B)+50℃
Tg(A)+120℃≧Tg(B)≧Tg(A)+60℃
なかでも、結晶性ポリオレフィン系樹脂が好ましく、上述の結晶性樹脂Aの融点やガラス転移温度を示す結晶性ポリオレフィン系樹脂が、延伸性に優れ、かつ、フィルム延伸温度が後述の結晶性樹脂Bのガラス転移温度や融点との関係上適度となり、所望の全光線透過率を示す半透明のフィルムが得られ易くなるため好ましい。結晶性ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどを重合した単独重合体または共重合体などが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上の混合物として用いることができる。
したがって、結晶性樹脂Aは、プロピレンの単独重合体のみを使用したり、プロピレンとエチレン等の共重合体および/または他の重合体と混合して使用したり、プロピレンとエチレン等の共重合体および/または他の重合体のみを使用したり、あるいは多層構成の場合は層によって使い分けたりすることにより要求される品質を得ることができるため好ましい。
特に結晶性ポリスチレン系樹脂を用いると、好適な全光線透過率が得られ、および後述の鉛筆筆記性や手切れ性を付与することができるため好ましい。その理由は必ずしも定かではないが、結晶性ポリスチレン系樹脂は上述の好ましい融点およびガラス転移温度を有する樹脂であるにもかかわらず、一般的に比重が1.05以下とさほど高くないため、結晶性樹脂A中で占める体積が適度に大きくなり、好適な全光線透過率、鉛筆筆記性および手切れ性が得られ易いものと推測される。
ポリメチルペンテン樹脂の代表的な市販品の例としては、三井化学株式会社製TPX(登録商標)DX845、DX231、DX820、RT18、RT31等が挙げられる。
それらのなかでも、ステアリルジエタノールアミンモノステアリン酸エステルとステアリルジエタノールアミンを併用すると、帯電防止性能に優れ、印刷適性が向上することから好ましい。
帯電防止剤の代表的な市販品の例としては、花王株式会社製エレクトロストリッパーシリーズ等が挙げられる。
Tm(B)>Tm(A)>Ts>Tg(B)>Tg(A)
が満たされることとなり、半透明性延伸フィルムが得られるため好ましい。ここで、フィルム温度Tsはフィルムが延伸開始される時点のフィルムの温度であるが、逐次二軸延伸などの多段延伸において各段でのフィルム温度が異なる場合は、それらのうち最も低いフィルム温度をTsとする。
好ましくは、本発明の半透明性延伸フィルムは、少なくとも片面にヒートシール層を有する。
特に好ましいのは結晶性プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、α−オレフィンとしてはエチレンまたは炭素数が4〜20のα−オレフィン等が挙げられ、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等を用いることが好ましく、エチレンもしくはブチレンを用いたコポリマーもしくはターポリマーを用いることが特に好ましい。例えばプロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体(住友化学工業株式会社製FL6741G)が好ましい。ヒートシール層には本発明の効果を損なわない範囲内で、アクリル樹脂系微粒子やシリカ等のブロッキング防止剤を併用してよい。
巻き取られたフィルムは、好ましくは20〜45℃程度の雰囲気中でエージング処理を施した後、所望の製品幅に断裁することができる。こうして機械的強度、剛性に優れた延伸フィルムが得られる。なお延伸時の温度を上げると全光線透過率が上がりやすく、かつ後述の手切れ性が向上しやすくなり、温度を下げると全光線透過率が下がりやすくなる。また、延伸倍率が高いと、その方向の手切れ性が良化し易い傾向がある。
あるいは、同様のぬれ張力を有し、さらに平滑性を有する印刷適性付与層を設けてもよい。
JIS K−7210(1999)に準じて、株式会社東洋精機製作所製メルトインデクサーを用いて測定した。測定条件は、結晶性樹脂Aは、測定温度230℃、荷重21.18Nにて測定し、結晶性樹脂Bは、測定温度300℃、荷重11.77Nにて測定した。
パーキン・エルマー社製入力補償型DSC、DiamondDSCを用い、以下の手順により算出した。各樹脂を5mg量り取り、アルミニウム製のサンプルホルダーに詰め、DSC装置にセットした。窒素流下、−40℃から300℃まで10℃/分の速度で昇温し、300℃で5分間保持し、10℃/分で−40℃まで冷却し、−40℃で5分間保持した。その後再び10℃/分で300℃まで昇温する際のDSC曲線より、融点およびガラス転移温度を求めた。JIS−K7121の9.1(1)に定める溶融ピーク(複数の溶融ピークを示す場合は最大の溶融ピーク)を融点とし、JIS−K7121の9.3(1)に定める中間点ガラス転移温度をガラス転移温度とした。
シチズンセイミツ株式会社製紙厚測定器MEI−11を用いて、JIS−C2330に準拠して測定した。
日本電色工業株式会社製ヘーズメーターNDH−5000を用いて、JIS−K7361に準拠して測定した。
株式会社村上色彩技術研究所製変角光沢計GM−3D型を用いて、JIS−Z8741(方法3)に準拠して、60度鏡面光沢度を測定した。なお測定は、フィルムの縦方向および横方向について測定し、両者を平均した値である。
JIS−K7250−1(2006)A法に準じて、測定試料量200gで測定した。
各フィルムにHBの鉛筆にて筆記し、筆記状態を下記基準にて評価した。
◎:濃くはっきりと筆記されており、筆記性に優れる。
○:読み取り可能な濃度で筆記でき、実用上問題ない。
△:筆記できるが薄く、実用上問題あり。
×:筆記できない。
指先でフィルムを引裂いた際の引裂き具合を、下記の基準により評価した。なお、評価はフィルムの縦方向・横方向それぞれにつき評価した。
◎:簡単に引裂き可能
○:多少の力は必要だが引裂き可能で、実用上問題ない。
△:爪を立て、力を入れねば引裂けず、実用的ではない。
×:フィルムが粘り強く、引裂けない。
23℃、50%RHの環境下において、MD方向250mm、TD方向50mmにカットしたサンプル2枚のヒートシール面同士を重ね合わせた状態で、熱傾斜式ヒートシーラー HG−100−2(株式会社東洋精機製作所製)を用い、シール温度110℃、シール圧力200KPa、シール時間2秒、ヒートシール部の幅(フィルムのMD方向に相当)1cmの条件でヒートシール処理を行った。次いで23℃に調温したサンプルのTD方向を25mmにカットした後、引張試験機 テクノグラフTGI−1kN(ミネベア株式会社製)を用いて、2枚のフィルムのそれぞれの端部を上、下のチャックで挟み、引っ張り速度300mm/分で180°剥離し、その際の応力の最大値を測定した。上記測定3回の平均値をヒートシール部の接着強度(N/25mm)とした。
接着強度について、下記のように評価した。
◎:4N以上〜6N未満:ヒートシール強度が適度である。
○:6N以上〜8N未満:ヒートシール強度が若干強いが、実用可能。
○:3N以上〜4N未満:ヒートシール強度が若干弱いが、実用可能。
△:8N以上:ヒートシール強度が強く、開封に難有り。
×:3N未満:ヒートシール強度が弱く、実用不可。
グラビア輪転印刷機((株)オリエント総業製OSG−550HDX)にて、DICグラフィックス株式会社製インク アルティマNT805を用いて4色グラビア印刷を実施した。CMYKの4色それぞれにつき、100%、90%、80%、70%、60%の5諧調を印刷し、印刷部(4色×5諧調の20桝)を目視観察し、下記のように評価した。 ◎: いずれの枡にもドット抜けが見られず、良好。
○: ドット抜けが見られる枡が1枡以上6枡以下有るが、実用上問題ない。
△: ドット抜けが見られる枡が7枡以下12枡以下有り、実用上好ましくない。
×: ドット抜けが見られる枡が13枡以上有り、実用不可。
結晶性樹脂Aとしてプライムポリプロ(登録商標)F−300SP(株式会社プライムポリマー製、結晶性ポリプロピレン単独重合体、MFR=3g/10分、融点160℃、ガラス転移温度−17℃)および結晶性樹脂Bとしてザレック(登録商標)142ZE(出光興産株式会社製、ポリスチレン樹脂共重合体、融点247℃、ガラス転移点95℃)のペレットをそれぞれ、表1に示す割合でミキサーにてドライブレンドして混合原料ペレットを調製した。
原料ペレットの混合比率を表1に示す部数に変更した以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
実施例1と同様の原反シートに対して、延伸を、縦方向の延伸と横方向の延伸を同時に行う同時二軸延伸法にて実施した。設定温度165℃のオーブン内にてフィルム温度(Ts)を145℃まで予熱し、縦方向・横方向とも、延伸速度1倍/秒にて7.4倍まで延伸した。次いで同オーブン内にて、縦方向・横方向とも7倍まで緩和し、次いで10秒間熱セットした後、オーブンより排出して室温へ冷却し、延伸フィルムを得た。
結晶性樹脂Aとしてウインテック(登録商標)WFW5T(日本ポリプロ株式会社製、結晶性プロピレン−エチレン共重合体、MFR=2.5g/10分、融点142℃、ガラス転移温度−19℃)65質量部、および結晶性樹脂Bとしてザレック(登録商標)142ZE(出光興産株式会社製、ポリスチレン樹脂共重合体、融点247℃、ガラス転移点95℃)35質量部のペレットを用い、および延伸温度を、縦方向において設定温度145℃のオーブン内にてフィルム温度130℃まで予熱し、横方向において設定温度150℃のオーブン内にてフィルム温度135℃まで予熱した以外は実施例1と同様にして延伸フィルムを得た。
結晶性樹脂Bとして、ノバペックス(登録商標)BK2180(三菱化学株式会社製、結晶性ポリエステル樹脂、融点250℃、ガラス転移温度77℃)を表1に示す部数で用いた以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
結晶性樹脂Bとして、ノバペックス(登録商標)GS900(三菱化学株式会社製、結晶性ポリエステル樹脂、融点255℃、ガラス転移温度82℃)を表1に示す部数で用いた以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
結晶性樹脂Aとしてプライムポリプロ(登録商標)F−300SP(株式会社プライムポリマー製、結晶性ポリプロピレン単独重合体、MFR=3g/10分、融点160℃、ガラス転移温度−17℃)65質量部、および結晶性樹脂Bとしてザレック(登録商標)142ZE(出光興産株式会社製、ポリスチレン樹脂共重合体、融点247℃、ガラス転移点95℃)35質量部をミキサーにてドライブレンドして混合原料(1)を調製した。
結晶性樹脂Aとしてプライムポリプロ(登録商標)F−300SP(株式会社プライムポリマー製、結晶性ポリプロピレン単独重合体、MFR=3g/10分、融点160℃、ガラス転移温度−17℃)79.7質量部、結晶性樹脂Bとしてザレック(登録商標)142ZE(出光興産株式会社製、ポリスチレン樹脂共重合体、融点247℃、ガラス転移点95℃)15質量部、結晶性樹脂BとしてTPX(登録商標)DX−845(三井化学株式会社製、ポリメチルペンテン樹脂、融点232℃、ガラス転移点23℃、引張弾性率が1.9GPa、ビカット軟化温度168℃)5質量部、および帯電防止剤エレクトロストリッパーTS−15B(ステアリルジエタノールアミンモノステアリン酸エステル、ステアリルジエタノールアミンおよび脂肪族アルコールの混合物、花王株式会社製)0.3質量部をミキサーにてドライブレンドして混合原料(2)を調製した。
株式会社東洋精機製作所製ラボプラストミル(モデル4C150)にストランドダイを備えた2軸押出機(L/D=25)を接続した装置に、得られた混合原料(1)をホッパーから投入し、設定温度260℃にて溶融混錬した。混合樹脂をストランド状に押出し、水冷後、ストランドカッターにてペレット状に断裁して、メルトブレンド樹脂組成物ペレット(1)を得た。次いで、混合原料(2)を用いて同様にしてメルトブレンド樹脂組成物ペレット(2)を得た。
メルトブレンド樹脂組成物ペレット(1)をb層を形成するための一軸スクリュータイプ押出機bに、メルトブレンド樹脂組成物ペレット(2)をa層を形成するための一軸スクリュータイプ押出機aに、それぞれホッパーから投入して溶融し、これらを3層マルチマニホールドダイ内部にてb−a−bの3層構成に積層し、3層積層樹脂層として押出した。一軸スクリュータイプ押出機aと一軸スクリュータイプ押出機bの押出樹脂量の比率は2:1とした。押し出された樹脂層を、45℃に制御した冷却ドラム上にエアナイフを用い空気圧で押しつけながら冷却固化して原反シートを得た。
得られた原反シートに対して、実施例1と同様にして延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの両面に、コロナ処理を行った。コロナ処理の強さは、処理から1日後の処理面のぬれ張力が40mN/mとなるように調節した。
ヒートシール層用樹脂として、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体(住友化学株式会社製 FL6741G)90質量部、およびプロピレン−ブテン共重合体(三井化学株式会社製 タフマーMX7070)10質量部、ブロッキング防止剤として非晶質シリカ(富士シリシア化学株式会社製 サイリシア730)0.2質量部をミキサーにてドライブレンドして混合原料(3)を調整した。
実施例9と同様のメルトブレンド樹脂組成物ペレット(1)をb層を形成するための一軸スクリュータイプ押出機bに、実施例9と同様のメルトブレンド樹脂組成物ペレット(2)をa層を形成するための一軸スクリュータイプ押出機aに、混合原料(3)をHS層を形成するための一軸スクリュータイプ押出機HSに、それぞれホッパーから投入して溶融し、これらを3層マルチマニホールドダイ内部にてb−a−HSの3層構成に積層し、3層積層樹脂層として押出した。一軸スクリュータイプ押出機bと一軸スクリュータイプ押出機aと一軸スクリュータイプ押出機HSの押出樹脂量の比率は1:4:1とした。押し出された樹脂層のHS層側を、45℃に制御した冷却ドラム上にエアナイフを用い空気圧で押しつけながら冷却固化して原反シートを得た。
得られた原反シートに対して、実施例1と同様にして延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムのb層側にコロナ処理を行った。コロナ処理の強さは、処理から1日後の処理面のぬれ張力が40mN/mとなるように調節した。
プライムポリプロ(登録商標)F−300SPを、ドライブレンドおよび溶融混合を実施せずに単独で使用した以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
ザレック(登録商標)142ZEを、ドライブレンドおよび溶融混合を実施せずに単独で用いた。このペレットを、コア層を形成するための一軸スクリュータイプ押出機a、およびスキン層を形成するための一軸スクリュータイプ押出機bに、ホッパーから投入して溶融し、これらを3層マルチマニホールドダイ内部にてb−a−bの3層構成に積層し、3層積層樹脂層として押出しした。一軸スクリュータイプ押出機aと一軸スクリュータイプ押出機bの押出樹脂量の比率は2:1とした。
押し出された樹脂層を、80℃に制御した冷却ドラム上に、エアナイフを用い空気圧で押しつけながら冷却固化して、原反シートを得た。
得られた原反シートに対して、ブルックナー社製バッチ式二軸延伸機KAROを用いて延伸を行った。延伸方法は、縦方向の延伸と横方向の延伸を同時に行う同時二軸延伸法にて実施した。設定温度130℃のオーブン内にてフィルム温度(Ts)を110℃まで予熱し、縦方向・横方向とも、延伸速度1倍/秒にて3倍まで延伸した。次いで設定温度200℃のオーブン内にて20秒間熱セットした後、オーブンより排出して室温へ冷却し、延伸フィルムを得た。
原料ペレットの混合比率を表1に示す部数に変更し、および延伸温度を縦方向において設定温度100℃のオーブン内にてフィルム温度(Ts)を90℃まで予熱し、および延伸倍率を横方向において8倍に変更した以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
結晶性樹脂Bを使用せず、代わりに非晶性でありDSC曲線に明確な溶融ピーク(融点)を示さない環状オレフィン系樹脂(三井化学株式会社製アペル(登録商標)APL6015、ガラス転移温度145℃)を用いた以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
結晶性樹脂Bを使用せず、代わりに無機粒子である軽質炭酸カルシウム粉末(丸尾カルシウム株式会社製カルテックス5、平均粒子径0.9μm)を表1に示す部数でドライブレンドして混合原料を調製した。
溶融原料を、コア層を形成するための単軸押出機a、および、スキン層を形成するための単軸押出機bに、ホッパーから投入して溶融し、実施例1と同様にして原反シートを得た。
得られた原反シートに対して、延伸温度を、縦方向において設定温度125℃のオーブン内にてフィルム温度(Ts)を110℃まで予熱した以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
また実施例9〜10において得られた延伸フィルムは、全光線透過率が35〜85%の間であり、光沢度が低い半透明延伸フィルムであるため紙のような外観を示す。加えて印刷適性に優れ、和紙のような高級感のある包装用袋等にも好適に使用可能である。
加えて実施例10において得られた延伸フィルムは、ヒートシール適性を有し、例えばパン等の食品類のヒートシール性を要する包装形態等にも好適に使用可能である。
Claims (10)
- 結晶性熱可塑性樹脂Aと、結晶性熱可塑性樹脂Bとを樹脂成分として少なくとも含有し、結晶性熱可塑性樹脂Aの融点Tm(A)およびガラス転移温度Tg(A)、結晶性熱可塑性樹脂Bの融点Tm(B)およびガラス転移温度Tg(B)が下記の式を同時に満たし、全光線透過率が35〜85%であり、60度鏡面光沢度が5〜35%であり、結晶性熱可塑性樹脂Bを、樹脂成分の全質量を基準に45質量%以下の量で含有する、半透明性二軸延伸フィルム。
Tm(B)≧Tm(A)+50℃
Tm(A)≧Tg(B)+40℃
Tg(B)>Tg(A) - 結晶性熱可塑性樹脂Bを、樹脂成分の全質量を基準に15〜45質量%含有する、請求項1に記載の半透明性二軸延伸フィルム。
- 灰分はフィルムの全質量を基準に1質量%以下である、請求項1または2に記載の半透明性二軸延伸フィルム。
- Tm(A)が135℃〜175℃である、請求項1〜3のいずれかに記載の半透明性二軸延伸フィルム。
- Tm(B)が200℃以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の半透明性二軸延伸フィルム。
- Tg(B)が60〜130℃である、請求項1〜5のいずれかに記載の半透明性二軸延伸フィルム。
- 結晶性熱可塑性樹脂Aは結晶性ポリオレフィン系樹脂である、請求項1〜6のいずれかに記載の半透明性二軸延伸フィルム。
- 少なくとも片面にヒートシール層を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の半透明性二軸延伸フィルム。
- 少なくとも片面のぬれ張力が36〜45mN/mである、請求項1〜8のいずれかに記載の半透明性二軸延伸フィルム。
- 包装用、食品包装用、薬品包装用、装飾用、ラベル用、テープ用基材、印刷用基材、ポスター用紙、感熱紙基材、又は、記録用紙基材の用途に用いられる、請求項1〜9のいずれかに記載の半透明性二軸延伸フィルム。
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