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JP6540325B2 - 半透明性延伸フィルム - Google Patents

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JP6540325B2
JP6540325B2 JP2015146578A JP2015146578A JP6540325B2 JP 6540325 B2 JP6540325 B2 JP 6540325B2 JP 2015146578 A JP2015146578 A JP 2015146578A JP 2015146578 A JP2015146578 A JP 2015146578A JP 6540325 B2 JP6540325 B2 JP 6540325B2
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Description

本発明は、紙に比べて高い耐湿性、耐水性、耐油性および機械強度を有するプラスチック製フィルムでありながら、半透明性をも有し、好ましくは優れた印刷適性およびヒートシール性を有し所望により鉛筆筆記性や手切れ性をも有する延伸フィルムに関する。
従来、透写紙、グラシン紙、パラフィン紙および硫酸紙といった半透明性を有する紙は、その表面に印刷等された文字や絵柄の視認性に優れ、内容物の確認も可能であることから、薬包紙、食品の包装紙、クッキングシート、ブックカバー等に用いられている。しかしながら、それらの半透明性を有する紙は、半透明性を得るために厚みを大きくすることは難しく、厚みが薄くなるため、機械強度が不十分となる。また印刷・断裁・包装等の際に紙粉が発生し、印刷性や断裁作業性の悪化、包装物の汚染といった問題を生ずることがある。またプラスチック製フィルムと比べると耐湿性、耐水性および耐油性は低く、水分や油分を含む食品等の包装等には使用できない場合がある。さらには、紙は一般にヒートシール性を有さず、ヒートシール性を要する包装形態には使用できない。
一方、プラスチック製フィルムは、紙と比べ耐湿性、耐水性、耐油性は明らかに優れ、また薄物でも機械強度に優れているため、食品や薬品等の包装紙等に用いられている。しかしながら、透明性が高いためフィルム表面に印刷等された文字や絵柄についての視認性が良いとは言えず、また透明性が高いため高級感や意匠性が得られにくく、菓子等の包装に用いられる和紙等の紙の代替には使用しにくいという課題がある。
加えて、半透明性を有する紙は一般に、切り口等を有しなくとも手で引き裂くことが可能であり、包装袋等に使用した場合に手で開封可能であるという手切れ性を有している。また、透写紙等ではその用途から鉛筆筆記性が必要とされる。
しかし、一般的なプラスチック製フィルムは、切り口等の特別な形状を備えなければ手切れ性を有さず、およびフィルム表面が滑らかすぎるために鉛筆等による筆記ができない。したがって、紙の代替として用いることができない場合がある。
特許文献1には、ポリプロピレンおよび特定の炭酸カルシウム粉末を含有するポリプロピレン樹脂組成物から形成されたパール光沢を有するポリプロピレン二軸延伸フィルムが提案されている。また、特許文献2には、結晶性オレフィンと環状オレフィン系樹脂からなる樹脂組成物製フィルムを少なくとも一方向に3倍以上延伸してなり、光線透過率が50%以下であることを特徴とする不透明ポリオレフィン系フィルムが提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載のポリプロピレン二軸延伸フィルムに用いられる炭酸カルシウムは不透明であることから、半透明な外観を有するフィルムは得られない。また、粒子の脱落による包装物の汚染や、印刷用途での印刷版の汚れが発生することがあり、断裁作業性についても良好であるとはいえない。さらに手切れ性についても有さないものである。また、特許文献2に記載の不透明ポリオレフィン系フィルムは、非晶性環状オレフィン系樹脂を用いており、半透明な外観が得られにくく、鉛筆などによる筆記性や手切れ性についても有さないものである。
このような状況下、紙に比べて高い耐湿性、耐水性、耐油性、および機械強度を有するプラスチック製フィルムでありながら半透明性をも有し、好ましくは優れた印刷適性およびヒートシール性を有し、所望により鉛筆筆記性や手切れ性をも有するフィルムが望まれている。
特開平11−005852号公報 特開平8−73618号公報
本発明の目的は、半透明性延伸フィルム、好ましくは優れた印刷適性およびヒートシール性を有し、所望により鉛筆筆記性や手切れ性をも有する半透明性延伸フィルムを提供することである。
本発明者らは、フィルムを構成する2種類の結晶性熱可塑性樹脂の融点およびガラス転移温度に着目した結果、特定の関係式を満たす融点およびガラス転移温度を有する2種類の結晶性熱可塑性樹脂を組み合わせて用いることにより得られる全光線透過率が35〜85%である半透明性延伸フィルムによって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明には、以下のものが含まれる。
[1]結晶性熱可塑性樹脂Aと、結晶性熱可塑性樹脂Bとを樹脂成分として少なくとも含有し、結晶性熱可塑性樹脂Aの融点Tm(A)およびガラス転移温度Tg(A)、結晶性熱可塑性樹脂Bの融点Tm(B)およびガラス転移温度Tg(B)が下記の式を同時に満たす、全光線透過率が35〜85%である半透明性延伸フィルム。
Tm(B)≧Tm(A)+50℃
Tm(A)≧Tg(B)+40℃
Tg(B)>Tg(A)
[2]結晶性熱可塑性樹脂Bを、樹脂成分の全質量を基準に15〜45質量%含有する、[1]に記載の半透明性延伸フィルム。
[3]灰分はフィルムの全質量を基準に1質量%以下である、[1]または[2]に記載の半透明性延伸フィルム。
[4]60度鏡面光沢度は5〜35%である、[1]〜[3]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[5]Tm(A)が135℃〜175℃である、[1]〜[4]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[6]Tm(B)が200℃以上である、[1]〜[5]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[7]Tg(B)が60〜130℃である、[1]〜[6]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[8]結晶性熱可塑性樹脂Aは結晶性ポリオレフィン系樹脂である、[1]〜[7]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[9]少なくとも片面にヒートシール層を有する、[1]〜[8]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[10]少なくとも片面のぬれ張力が36〜45mN/mである、[1]〜[9]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルム。
[11][1]〜[10]のいずれかに記載の半透明性延伸フィルムから構成される食品包装用袋。
本発明の半透明性延伸フィルムは、白色で半透明性を有すると共に、機械強度、耐湿性、耐水性および耐油性に優れることから、ラベル、テープ用基材、印刷用基材、ポスター用紙、感熱紙基材、記録用紙基材等に好適に用いることができる。本発明のある好適な態様では、本発明の半透明性延伸フィルムは優れた印刷適性およびヒートシール性を有するため、食品包装用途に好ましく用いることができる。また本発明のある好適な態様では、本発明の半透明性延伸フィルムは、手切れ性を有し得ることから、手切れ性が必要な食品や薬品等の包装紙にも用いることができる。さらに、そのような本発明の半透明延伸フィルムは、結晶性熱可塑性樹脂の微細分散物を含有する効果と思われるが、無機粒子を含有しないにもかかわらず紙の様に鉛筆筆記が可能である。また、無機粒子を含有しないため、無機粒子の脱落による包装物の汚染や、印刷用途での印刷版の汚れが無く、断裁時に切断面が荒れることや断裁刃の消耗が早いなどの問題が起こらない。
本発明の半透明性延伸フィルムは、全光線透過率が35%〜85%である。全光線透過率が35%未満であると、不透明になり、包装に用いた場合、内容物の確認が困難となる。また、85%を超えると、透明性が余りに高くなり、フィルム表面に印字された文字や絵柄などの視認性が悪化する。本発明の半透明性延伸フィルムは、全光線透過率が好ましくは40%〜80%、より好ましくは50%〜75%、さらに好ましくは52〜70%である。全光線透過率が上記範囲内であれば、延伸フィルムが半透明性となるため好ましい。本発明では、全光線透過率は、JIS−K7361に準拠して測定される値のことであり、例えば日本電色工業株式会社製ヘーズメーターNDH−5000などを用いて測定することができる。
本発明の半透明性延伸フィルムは、樹脂成分として、主樹脂である結晶性熱可塑性樹脂A(以下、結晶性樹脂Aと称する)と、主樹脂中に分散される結晶性熱可塑性樹脂B(以下、結晶性樹脂Bと称する)とを少なくとも含有する。ここで結晶性熱可塑性樹脂とは、DSCを用いて、窒素流下、−40℃から300℃まで10℃/分の速度で昇温し、300℃で5分間保持し、10℃/分で−40℃まで冷却し、−40℃で5分間保持した後、再び10℃/分で300℃まで昇温した際のDSC曲線に、明確な溶融ピークが現れる熱可塑性樹脂をいう。
本発明では、結晶性樹脂Aの融点Tm(A)およびガラス転移温度Tg(A)、および結晶性樹脂Bの融点Tm(B)およびガラス転移温度Tg(B)は、下記の(式1)、(式2)および(式3)を同時に満たす。
Tm(B)≧Tm(A)+50℃ (式1)
Tm(A)≧Tg(B)+40℃ (式2)
Tg(B)>Tg(A) (式3)
結晶性樹脂AおよびBの融点およびガラス転移温度が上記関係式を満たす場合には、押出成形の際に結晶性樹脂Bの微細分散物が結晶性樹脂A中に形成され、フィルムの延伸の際に主樹脂である結晶性樹脂Aとそこに分散される結晶性樹脂Bとの界面間に適度な空隙部が形成され、所望の全光線透過率を有する半透明延伸フィルムが得られることとなる。
また、結晶性樹脂Aの融点Tm(A)およびガラス転移温度Tg(A)、および結晶性樹脂Bの融点Tm(B)およびガラス転移温度Tg(B)は、得られるフィルムの全光線透過率の観点から、以下の関係式を満たすことが好ましい。
Tm(A)+120℃≧Tm(B)≧Tm(A)+70℃
Tg(B)+90℃≧Tm(A)≧Tg(B)+50℃
Tg(A)+120℃≧Tg(B)≧Tg(A)+60℃
本発明では、上記(式1)、(式2)および(式3)を満たすために、融点が200℃以上である結晶性樹脂Bを好ましく用いる。結晶性樹脂Bの融点Tm(B)が200℃以上である場合には、溶融押出の際に結晶性樹脂Bの微細分散物の大きさを結晶性樹脂A中で制御することが容易となる。また、フィルム延伸時のフィルム温度をTm(B)未満とすることが容易となり、結晶性樹脂Bの変形が適度に抑制されるため、得られる延伸フィルムの全光線透過率が低下し、所望の半透明性を有する延伸フィルムが得られ易くなる。したがって、本発明はまた、結晶性樹脂Aと、融点が200℃以上の結晶性樹脂Bとを少なくとも含有する、全光線透過率が35〜85%である半透明延伸フィルムをも提供する。結晶性樹脂Bの融点Tm(B)は、より好ましくは230℃〜280℃であり、さらに好ましくは240℃〜260℃である。
結晶性樹脂Aの融点Tm(A)は、好ましくは135℃〜175℃、より好ましくは138℃〜170℃であり、さらに好ましくは140℃〜166℃、特に好ましくは145℃〜164℃、より特に好ましくは150℃〜163℃である。結晶性樹脂Aの融点Tm(A)が上記範囲内であれば、延伸フィルムの生産性および得られる延伸フィルムの耐熱性が良好となり、および結晶性樹脂A中で結晶性樹脂Bの微細分散物の大きさを制御することが容易となるため好ましい。
結晶性樹脂Aのガラス転移温度Tg(A)は、50℃以下が好ましく、−30〜30℃がより好ましい。また、結晶性樹脂Bのガラス転移温度Tg(B)は、60〜130℃が好ましく、70〜120℃がより好ましく、80〜110℃がさらに好ましい。結晶性樹脂Aのガラス転移温度Tg(A)および結晶性樹脂Bのガラス転移温度Tg(B)が上記範囲内であれば、フィルムの延伸の際に、結晶性樹脂Aと結晶性樹脂Bとの界面間に適度な空隙部が形成され得るため好ましい。また、延伸フィルムの生産性や得られる延伸フィルムの耐熱性、柔軟性、低温もろさ等が良好となるため好ましい。
結晶性樹脂Aとしては、結晶性ポリオレフィン系樹脂、結晶性ポリエステル系樹脂、結晶性ポリアミド系樹脂、結晶性ポリスチレン系樹脂、結晶性アセタール系樹脂等を例示することができる。
なかでも、結晶性ポリオレフィン系樹脂が好ましく、上述の結晶性樹脂Aの融点やガラス転移温度を示す結晶性ポリオレフィン系樹脂が、延伸性に優れ、かつ、フィルム延伸温度が後述の結晶性樹脂Bのガラス転移温度や融点との関係上適度となり、所望の全光線透過率を示す半透明のフィルムが得られ易くなるため好ましい。結晶性ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどを重合した単独重合体または共重合体などが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上の混合物として用いることができる。
これらの中でも、結晶性ポリプロピレン系樹脂、特にプロピレンの単独重合体およびプロピレンとエチレンとの共重合体が好ましい。結晶性樹脂Aにプロピレンの単独重合体を用いると、フィルムの機械強度や耐熱性が向上しやすい傾向が有り、プロピレンとエチレンの共重合体を用いると低温での折り割れ性が良化したり、表面光沢度を下げやすい傾向が有る。
したがって、結晶性樹脂Aは、プロピレンの単独重合体のみを使用したり、プロピレンとエチレン等の共重合体および/または他の重合体と混合して使用したり、プロピレンとエチレン等の共重合体および/または他の重合体のみを使用したり、あるいは多層構成の場合は層によって使い分けたりすることにより要求される品質を得ることができるため好ましい。
プロピレンの単独重合体としては、結晶性のアイソタクチックポリプロピレン樹脂が好ましい。本発明では、結晶性のアイソタクチックポリプロピレン樹脂は、好ましくは、高温核磁気共鳴(NMR)測定によって求められる立体規則性度であるメソペンタッド分率([mmmm])が92%〜98%であり、さらに好ましくは93%〜97%である。メソペンタッド分率[mmmm]が92%以上であると、高い立体規則性成分により、樹脂の結晶性が向上し、高い熱安定性、機械強度が得られる。一方、メソペンタッド分率[mmmm]を98%以下とすることで、延伸性が良好となる。
前記メソペンタッド分率([mmmm])を測定するための高温NMR装置には、特に制限はなく、ポリオレフィン類の立体規則性度が測定可能な一般に市販されている高温型核磁気共鳴(NMR)装置、例えば日本電子株式会社製高温型フーリエ変換核磁気共鳴装置(高温FT−NMR)JNM−ECP500を用いることができる。観測核は、13C(125MHz)であり、測定温度は、135℃、溶媒には、オルト−ジクロロベンゼン(ODCB:ODCBと重水素化ODCBの混合溶媒(体積混合比=4/1))が用いられる。高温NMRによる方法は、公知の方法、例えば、「日本分析化学・高分子分析研究懇談会編、新版 高分子分析ハンドブック、紀伊国屋書店、1995年、610頁」に記載の方法により行うことができる。測定モードは、シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング、パルス幅は、9.1μsec(45°パルス)、パルス間隔5.5sec、積算回数4500回、シフト基準は、CH(mmmm)=21.7ppmとされる。
立体規則性度を表すペンタッド分率は、同方向並びの連子「メソ(m)」と異方向の並びの連子「ラセモ(r)」の5連子(ペンタッド)の組み合わせ(mmmmやmrrmなど)に由来する各シグナルの強度積分値より百分率で算出される。mmmmやmrrmなどに由来する各シグナルの帰属に関し、例えば「T.Hayashi et al.,Polymer,29巻,138頁(1988)」などのスペクトルの記載が参照される。前記メソペンタッド分率([mmmm])は、ポリプロピレン樹脂の重合条件や触媒の種類、触媒量などの重合条件を、適宜調整することによってコントロールすることができる。
プロピレンの単独重合体としては、公知の方法、例えばチタン、アルミニウム化合物からなるチーグラー触媒系を用い、炭化水素溶媒中プロピレンを重合する方法、液状プロピレン中で重合する方法(バルク重合)、気相で重合する方法などにより製造したものを用いてよく、市販されているものを用いてもよい。例えば、株式会社プライムポリマー製のプライムポリプロ(登録商標)シリーズのうち単独重合体のもの、サンアロマー株式会社製のPC412A等、日本ポリプロ株式会社製のノバテック(登録商標)シリーズのうち単独重合体のもの、Borealis社製Daployシリーズ、大韓油化工業株式会社製5014Lシリーズ、住友化学株式会社製の住友ノーブレン(登録商標)シリーズのうち単独重合体のもの等が挙げられる。
プロピレンとエチレンとの共重合体としては、プロピレンとエチレンとのランダム共重合体、プロピレンとエチレンとのブロック共重合体がいずれも好ましく用いられ、エチレン50重量%以下を共重合体中に含有するものがより好ましい。代表的市販品としては、例えば株式会社プライムポリマー社製プライムポリプロ(登録商標)シリーズのうち共重合体のもの、日本ポリプロ株式会社製のノバテック(商標)シリーズのうち共重合体のものおよびウインテック(登録商標)シリーズ、住友化学株式会社製の住友ノーブレン(登録商標)シリーズのうち共重合体のもの等が挙げられる。
結晶性樹脂Aは、JIS−K7210に準拠し、230℃、21.18Nで測定したメルトフローレートが好ましくは0.5g/10分〜8g/10分、より好ましくは1g/10分〜6g/10分である。メルトフローレートを上記範囲とすることで、樹脂の流動性が適度な範囲となり、延伸フィルムの厚みを精度良く作製することができる。また、結晶性樹脂A中で結晶性樹脂Bの微細分散物の大きさを制御しやすくなり、所望の全光線透過率が得られやすくなる。
結晶性樹脂Bとしては、結晶性ポリカーボネート系樹脂、結晶性ポリエステル系樹脂、結晶性ポリアミド系樹脂、結晶性ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等を例示することができる。これらのなかでも、結晶性樹脂Aへの分散性が適度で所望の全光線透過率に制御しやすく、および水、酸、アルカリ、塩等への耐性に優れるため食品包装用途等にも使用しやすいことから、結晶性ポリエステル系樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、および結晶性ポリスチレン系樹脂が好ましい。
特に結晶性ポリスチレン系樹脂を用いると、好適な全光線透過率が得られ、および後述の鉛筆筆記性や手切れ性を付与することができるため好ましい。その理由は必ずしも定かではないが、結晶性ポリスチレン系樹脂は上述の好ましい融点およびガラス転移温度を有する樹脂であるにもかかわらず、一般的に比重が1.05以下とさほど高くないため、結晶性樹脂A中で占める体積が適度に大きくなり、好適な全光線透過率、鉛筆筆記性および手切れ性が得られ易いものと推測される。
結晶性樹脂Bとしてはこれらの樹脂を単独で使用してもよく、また2種以上の結晶性樹脂Bを併用することもできる。2種以上の結晶性樹脂Bを併用することで、結晶性樹脂A中での結晶性樹脂Bの微細分散物の大きさや、結晶性樹脂Aと結晶性樹脂Bとの界面間に生じる空隙部の大きさにばらつきが生じやすくなり、紙の地合いのような不均一な外観が得られやすくなり好ましい。
結晶性ポリカーボネート系樹脂としては、JIS−K7210に準拠し、300℃、11.77Nで測定したメルトボリュームフローレートが20〜50cm/10分であると、結晶性樹脂Aとの混合および分散性に優れ、所望の全光線透過率の範囲の半透明性が得られ易く好ましい。
結晶性ポリアミド系樹脂としては、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の重縮合反応で合成される、所謂ナイロン66を用いると、融点が適度なものとなり、所望の全光線透過率の範囲の半透明性が得られるため好ましい。
ポリフェニレンサルファイド樹脂としては、ASTM−D792に準拠して測定した比重が1.4以下であり、ASTM−D638に準拠して測定した引張弾性率が3.5GPa以下であるものが、所望の全光線透過率の範囲の半透明性が得られ易く好ましい。
ポリメチルペンテン樹脂としては、ASTM−D638に準拠して23℃で測定した引張弾性率が1.8GPa以上であり、ASTM−D1525に準拠して測定したビカット軟化温度が165℃以上、好ましくは170℃以上のものを用いると、所望の全光線透過率の範囲の半透明性が得られ易く好ましい。
ポリメチルペンテン樹脂の代表的な市販品の例としては、三井化学株式会社製TPX(登録商標)DX845、DX231、DX820、RT18、RT31等が挙げられる。
結晶性ポリエステル系樹脂としては、その共重合成分のうち、酸成分はテレフタル酸を主成分とし、ジオール成分はエチレングリコールを主成分とするものが好ましい。主成分であるテレフタル酸とエチレングリコールはそれぞれ、酸成分およびジオール成分中に51mol%以上、好ましくは70mol%以上、さらに好ましくは80mol%以上の割合で含まれる。また、結晶性ポリエステル系樹脂は、酸成分および/またはジオール成分中に49mol%以下、好ましくは30mol%以下、さらに好ましくは20mol%以下のその他の共重合成分を含んでいてもよい。
上記共重合可能なその他の酸成分の例としては、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2,5−ジクロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビス安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4−ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−Naスルホイソフタル酸、エチレン−ビス−p−安息香酸等から誘導される芳香族ジカルボン酸成分や、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等から誘導される脂肪族ジカルボン酸成分が挙げられる。なかでもイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸成分が好ましい。
また、上記共重合可能なその他のジオール成分の例としては、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、トランス−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、スピログリコール、p−キシレンジオール、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)等から誘導されるジオール成分が挙げられる。なかでもジエチレングリコールおよび1,3−プロパンジオールが好ましい。
これらの結晶性ポリエステル系樹脂は、1種のみを単独で、または2種以上を混合して使用してもよい。結晶性ポリエステル系樹脂の市販品としては、例えば、三菱化学株式会社製ノバペックス(登録商標)シリーズ、帝人株式会社製TR−8550FF等が挙げられる。
結晶性ポリスチレン系樹脂としては、主にシンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂を用いるのが好ましい。本発明では、シンジオタクチック構造とは、立体化学構造がシンジオタクチック構造、即ち炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対方向に位置する立体構造を有するものをいう。
結晶性ポリスチレン系樹脂のタクティシティーは、同位体炭素による核磁気共鳴法(13 C−NMR法)により定量することができる。13C−NMR法により測定されるタクティシティーは、連続する複数個の構成単位の存在割合、例えば2個の場合はダイアッド、3個の場合はトリアッド、5個の場合はペンタッドによって示すことができる。本発明に用いるポリスチレン系樹脂Bは通常、ラセミダイアッドで75%以上、好ましくは85%以上、若しくはラセミトリアッドで60%以上、好ましくは75%以上、若しくはラセミペンタッドで30%以上、好ましくは50%以上のシンジオタクティシティーを有するスチレン系ポリマーである。
結晶性ポリスチレン系樹脂の種類としては、ポリスチレン、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)、ポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エステル)、これらの水素化重合体およびこれらの混合物、ならびにこれらを主成分とする共重合体が挙げられる。
ポリ(アルキルスチレン)としては、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレン)、ポリ(イソプロピルスチレン)、ポリ(ターシャリーブチルスチレン)、ポリ(フェニルスチレン)、ポリ(ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルスチレン)などが挙げられる。ポリ(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチレン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポリ(フルオロスチレン)などが挙げられる。ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)としては、ポリ(クロロメチルスチレン)などが挙げられる。ポリ(アルコキシスチレン)としては、ポリ(メトキシスチレン)、ポリ(エトキシスチレン)などが挙げられる。
これらの構造単位を含む共重合体のコモノマー成分としては、上記スチレン系重合体のモノマーのほか、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン等のオレフィンモノマー、ブタジエン、イソプレン等のジエンモノマー、環状オレフィンモノマー、環状ジエンモノマー、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、アクリロニトリル等の極性ビニルモノマーが挙げられる。好ましいスチレン系重合体としては、ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(m−メチルスチレン)、ポリ(p−ターシャリーブチルスチレン)、ポリ(p−クロロスチレン)、ポリ(m−クロロスチレン)、ポリ(p−フルオロスチレン)、水素化ポリスチレンおよびこれらの構造単位を含む共重合体が挙げられる。
結晶性ポリスチレン系樹脂としては、スチレン系モノマーとして少なくともスチレンとp−メチルスチレンを共重合させて得られた樹脂が好ましく、スチレン系モノマー中のp−メチルスチレンの含有率は1〜30モル%であることが好ましく、3〜15モル%であることがより好ましい。上記範囲とすることで、結晶性樹脂A中でポリスチレン系樹脂の微細分散物の大きさを制御することが容易となる。そのため全光透過率を低くして所望の範囲とし、かつ後述の手切れ性を得ることができる。さらにはフィルムの柔軟性も好適なものとなり、かつ延伸性も良化して破断等が発生しにくくなる。
本発明に用いる結晶性ポリスチレン系樹脂の分子量は、特に制限されないが、好ましくは重量平均分子量が1万以上、より好ましくは5万以上である。重量平均分子量を1万以上とすることで、得られる延伸フィルムの熱的性質や機械強度を向上させることができる。また、本発明に用いるポリスチレン系樹脂の分子量の上限は、結晶性樹脂Aとの混合および分散性の観点から、好ましくは300万以下、より好ましくは150万以下である。
結晶性ポリスチレン系樹脂は、JIS−K7210に準拠し、300℃、11.77Nで測定したメルトフローレートが、好ましくは1〜40g/10分、より好ましくは10〜35g/10分である。メルトフローレートを上記範囲とすることで、結晶性樹脂A中で結晶性樹脂Bの微細分散物の大きさを制御することが容易となる。そのため所望の全光線透過率が得られ易くなる。
本発明では、結晶性ポリスチレン系樹脂は、公知の方法、例えばスチレンをモノマーとし、メタロセン触媒を用いて重合する方法などにより製造したものを用いてよく、または市販されているものを用いてもよい。代表的市販品としては、例えば出光興産株式会社製XAREC(登録商標)142ZE、XAREC(登録商標)300ZC、XAREC(登録商標)130ZCおよびXAREC(登録商標)90ZCなどが挙げられる。これらの結晶性ポリスチレン系樹脂は、1種のみを単独で、または2種以上を混合して使用してもよい。
結晶性樹脂Aは、好ましくは、樹脂成分の全質量を基準に55〜85質量%、より好ましくは58〜79質量%、さらに好ましくは62〜75質量%の量で用いることができる。結晶性樹脂Aを上記範囲で用いることにより、延伸性や機械強度に優れたフィルムが得られやすくなる。結晶性樹脂Bは、好ましくは、樹脂成分の全質量を基準に15〜45質量%、より好ましくは21〜42質量%、さらに好ましくは25〜38質量%で用いることができる。結晶性樹脂Bを、樹脂成分の全質量を基準に15質量%以上とすることで、全光線透過率を低くして所望の範囲内とし、および後述の手切れ性や鉛筆筆記性を向上させることができる。また、結晶性樹脂Bを、樹脂成分の全質量を基準に45質量%以下とすることにより、全光線透過率を余りに低くすることなく所望の範囲内とし、および延伸性を向上し、破断の発生等を抑制することができる。
本発明の半透明性延伸フィルムには、結晶性樹脂Aおよび結晶性樹脂Bの他に樹脂成分として、結晶性樹脂Aおよび結晶性樹脂Bとは異なった融点やガラス転移温度を示す結晶性樹脂または非晶性樹脂(以下、「他の樹脂」とも称する)を、延伸性の調整、低温耐衝撃性の調整、表面粗さの調整、剛度、強度、伸度等の各種物性の調整等を目的に、本発明の効果を損なわない範囲内で含有させてもよい。
他の樹脂としては、特に限定されず、延伸フィルム用途に適したものとされる従来公知の樹脂を本発明においても適宜用いることができる。他の樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(1−ブテン)、ポリイソブテン、ポリ(1−ペンテン)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)などのポリオレフィン系樹脂や、それらの共重合体樹脂、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−ブテン共重合体などの、α−オレフィン同士の共重合体等が例示できる。また、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ナイロン系樹脂やそれらの共重合体、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体などのビニル単量体−ジエン単量体共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体などのビニル単量体−ジエン単量体−ビニル単量体共重合体等が挙げられる。
このような他の樹脂の含有量は、樹脂成分の全質量を基準に15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
本発明の半透明性延伸フィルムには、必要に応じて、任意成分として、添加剤、例えば熱安定剤、酸化防止剤、有機および無機滑剤、塩素捕獲剤、帯電防止剤等を含有させてもよい。
熱安定剤および酸化防止剤の例としては、フェノール系、ヒンダードアミン系、ホスファイト系、ラクトン系、トコフェロール系の熱安定剤や酸化防止剤が例示される。さらに具体的には、ジブチルヒドロキシトルエン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASFジャパン株式会社製「Irganox(登録商標)1010」)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシ)ベンゼン(BASFジャパン株式会社製「Irganox(登録商標)1330」)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(BASFジャパン株式会社製「Irgafos(登録商標)168」)などが挙げられる。これらの中でも、フェノール系酸化防止剤系から選ばれた少なくとも1種あるいはそれらの組み合わせ、あるいはフェノール系とホスファイト系との組み合わせ、およびフェノール系とラクトン系、フェノール系とホスファイト系とラクトン系の組み合わせが、フィルムの化学的な安定性を付与する観点から好ましい。
滑剤の例としては、有機系滑剤として、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド等脂肪族アミド、ラウリル酸ジエタノールアミド、アルキルジエタノールアミン、脂肪族モノグリセライド、脂肪族ジグリセライド、シリコーン架橋ポリマー、また無機系滑剤として、シリカ、アルミナ等が挙げられるが、印刷用途での印刷版の汚れの少ない有機系滑剤が好ましい。
塩素捕獲剤の例としては、ステアリン酸カルシウムや金属石鹸類、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
帯電防止剤の例としては、アルキルメチルジベタイン、アルキルアミンジエタノールおよび/またはアルキルアミンエタノールエステルおよび/またはアルキルアミンジエタノールジエステル等が挙げられる。これらのうち2種類以上の帯電防止剤を併用しても良く、さらに脂肪族アルコールを併用しても良い。
それらのなかでも、ステアリルジエタノールアミンモノステアリン酸エステルとステアリルジエタノールアミンを併用すると、帯電防止性能に優れ、印刷適性が向上することから好ましい。
帯電防止剤の代表的な市販品の例としては、花王株式会社製エレクトロストリッパーシリーズ等が挙げられる。
本発明の半透明性延伸フィルムは、従来公知の方法を用いて製造することができる。例えば、まず結晶性樹脂Aおよび結晶性樹脂Bを、必要に応じて他の樹脂および/または添加剤と共にブレンドした後、これを押出成形し、二軸延伸を施すことにより製造することができる。
結晶性樹脂Aおよび結晶性樹脂Bをブレンドする方法としては、例えば結晶性樹脂Aおよび結晶性樹脂Bのペレットや粉体等を、必要に応じて他の樹脂のペレットや粉体および/または添加剤と共に、タンブラーやミキサー等のバッチ式混合装置や、あるいは連続計量式混合装置を用いてドライブレンドする方法がある。また、結晶性樹脂Aおよび結晶性樹脂Bのペレットや粉体等を、必要に応じて他の樹脂のペレットや粉体および/または添加剤と共に混練機に供給し、溶融混練してメルトブレンド樹脂組成物を得る方法等が挙げられる。
本発明においては、溶融混錬することで、結晶性樹脂Aと結晶性樹脂Bの混合・分散性が優れ、結晶性樹脂A中で結晶性樹脂Bの微細分散物の大きさを制御し易くなり、全光線透過率を下げて所望の範囲とすることができるため好ましい。溶融混練に用いる混練機としては公知の混錬機を使用でき、1軸スクリュータイプ、2軸スクリュータイプ、またはそれ以上の多軸スクリュータイプを用いてよく、さらに、2軸以上のスクリュータイプの場合、同方向回転、異方向回転のいずれの混練タイプをも用いてよいが、同方向回転の2軸スクリュータイプの混錬機が、微細分散物の大きさを制御し易いため好ましい。
溶融混錬の混練温度は、Tm(B)〜Tm(B)+50℃の範囲が好ましく、Tm(B)+5℃〜Tm(B)+30℃がより好ましい。上記温度範囲とすることで、結晶性樹脂A中で結晶性樹脂Bの微細分散物の大きさを制御し、所望の全光線透過率を得ることができるため好ましい。溶融混錬の際の樹脂の劣化防止のため、窒素等の不活性ガスをパージしてもよい。
溶融混練された樹脂は、一般的に公知の造粒機を用いて、適当な大きさにペレタイズすることによってメルトブレンド樹脂組成物ペレットを得ることができる。
本発明の半透明性延伸フィルムを得るための延伸方法としては、周速差を設けたロール間で延伸する方法、テンター法、チューブラー法等公知の方法を用いることができる。延伸方向としては、一軸延伸、二軸延伸、斜め方向への二軸延伸等が可能であり、二軸以上の延伸では、逐次延伸および同時延伸がいずれも適用可能である。これらのうち全光線透過率の均一なフィルムが得られ易い点から、テンター法による同時二軸延伸法、テンター法による逐次二軸延伸法、および周速差を設けたロール間で縦(流れ、MD)延伸した後テンター法にて横(巾、TD)延伸する逐次二軸延伸法が好ましい。
延伸は通常、フィルム温度(Ts)が主樹脂である結晶性樹脂AのTm(A)とTg(A)の間の温度となるように行う。ここで、TsがTg(B)と近い温度またはそれ以下であると、延伸時に結晶性樹脂Bが十分に変形できず、結晶性樹脂Aと結晶性樹脂Bの界面間に大きな空隙部を形成して不透明化し、所望の全光線透過率を満たす半透明延伸フィルムが得られない場合がある。また、TsがTm(B)と近い温度またはそれ以上であると、延伸時に結晶性樹脂Bが結晶性樹脂Aの変形に容易に追随して透明フィルムとなり、全光透過率が高まり易い傾向があり、所望の全光線透過率を満たす半透明延伸フィルムが得られない場合がある。したがって、本発明では、TsをTm(A)より低く、Tg(B)より高くした場合、以下の関係式:
Tm(B)>Tm(A)>Ts>Tg(B)>Tg(A)
が満たされることとなり、半透明性延伸フィルムが得られるため好ましい。ここで、フィルム温度Tsはフィルムが延伸開始される時点のフィルムの温度であるが、逐次二軸延伸などの多段延伸において各段でのフィルム温度が異なる場合は、それらのうち最も低いフィルム温度をTsとする。
Tsは、Tg(B)より10℃高い場合より好ましく、Tg(B)より20℃〜70℃高い場合さらに好ましい。この場合、延伸時の結晶性樹脂Bが適度に変形し、全光透過率が高くなりやすい傾向があり、所望の全光線透過率を示す半透明のフィルムが得られ易くなる。また、Tsは、Tm(B)より80℃〜130℃低い場合、延伸時に結晶性樹脂Bの変形が適度に抑制され、そのため全光透過率が低くなり易い傾向があり、所望の全光線透過率を示す半透明のフィルムが得られ易くなるため好ましい。
以下、逐次二軸延伸法により本発明の半透明性延伸フィルムを得る方法を説明するが、これに限定されるものではない。
上述の通り得られた結晶性樹脂Aおよび結晶性樹脂Bのドライブレンド品および/またはメルトブレンド樹脂組成物ペレットを押出機に供給し、加熱溶融して、フィルター等により微小異物等を除去した後、Tダイよりシート状に溶融押出しする。
押出機のスクリュータイプに制限は無く、1軸スクリュータイプ、2軸スクリュータイプ、またはそれ以上の多軸スクリュータイプを用いて良いが、樹脂の混合方法をドライブレンドとした場合は、2軸スクリュータイプ、またはそれ以上の多軸スクリュータイプを用いると混合・分散性に優れる。
押出温度は、Tm(B)〜Tm(B)+50℃の範囲が好ましく、Tm(B)+5℃〜Tm(B)+30℃がより好ましい。押出の際の樹脂の熱劣化防止のため、窒素等の不活性ガスをパージしてもよい。
溶融押出された樹脂シートは、例えば、25〜120℃の温度に設定した少なくとも1個以上の金属ドラム上にエアナイフや他のロール、または静電気等により密着させるといった公知の方法により、シート状に成形され、原反シートとなる。金属ドラムの温度が上記範囲内であれば、結晶性樹脂Bの結晶成長を制御することが可能となり、延伸時の変形が抑制され、所望の全光線透過率が得られやすくなる。金属ドラムのより好ましい温度は30〜70℃である。
本発明の半透明性延伸フィルムは、ドライブレンドおよび/またはメルトブレンド樹脂組成物を単層ダイから押し出し成形し、延伸を施したフィルムであってよいが、所望のフィルム厚みを得ることなどを目的に、複数の層および/またはフィルムを従来公知の積層方法、例えば共押出法、ラミネート法、ヒートシール法等を用いて積層することにより得られるフィルムであってもよい。
共押出法としては、溶融樹脂を金型手前のフィードブロック内で接触させるダイ前積層法、金型内部の経路で接触させるダイ内積層法、同心円状の複数リップから吐出し接触させるダイ外積層法などが挙げられる。例えばダイ内積層法の場合には、3層マルチマニホールドダイ等の多層ダイを用いて、表層(スキン層:層b)とコア層(層a)からなる、層b/層a/層bの3層の層構成等とすることができる。
ラミネート法としては、Tダイ法に用いる溶融押出成型法の設備を使用し、溶融樹脂のフィルムを別のフィルム上に直接押し出して積層フィルムを成型する押出しラミネート法等が挙げられる。
ヒートシール法としては、貼り合わせた複数のフィルムに加熱した金属体をフィルム外部から押し当て、伝導した熱がフィルムを溶融させて接着する外部加熱法、および高周波の電波や超音波によってフィルムに熱を発生させ接合する内部発熱法等が挙げられる。
本発明では、上記の積層方法を単独でまたは複数組み合わせて用いることができる。
積層する場合、各層の結晶性熱可塑性樹脂Bの種類および添加量は、同じであってもよいし、または異なっていてもよい。異なる場合、結晶性熱可塑性樹脂Bの添加量が多い層で所望の全光線透過率を得やすくし、添加量が少ない層で延伸性を良化させる等、品質と生産性を両立させやすく好ましい。2層以上を積層する場合、少なくとも1層は結晶性熱可塑性樹脂Bを、樹脂成分の全質量を基準に15〜45質量%含有し、および少なくとも1層は結晶性熱可塑性樹脂Bを、樹脂成分の全質量を基準に0〜25質量%以下含有するのが好ましい。
本フィルムを包装用途等で使用する場合には、本フィルムの片面および/または両面に、必要に応じてヒートシール層を積層することもできる。
好ましくは、本発明の半透明性延伸フィルムは、少なくとも片面にヒートシール層を有する。
ヒートシール層に用いる樹脂は、融点が150℃以下の熱可塑性樹脂であって、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、デセン等の炭素数が2〜10のα−オレフィン系モノマーから選ばれた2種以上を重合して得たランダム共重合体またはブロック共重合体が好ましい。これらの共重合体は単独で、または混合して使用することができる。
特に好ましいのは結晶性プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、α−オレフィンとしてはエチレンまたは炭素数が4〜20のα−オレフィン等が挙げられ、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等を用いることが好ましく、エチレンもしくはブチレンを用いたコポリマーもしくはターポリマーを用いることが特に好ましい。例えばプロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体(住友化学工業株式会社製FL6741G)が好ましい。ヒートシール層には本発明の効果を損なわない範囲内で、アクリル樹脂系微粒子やシリカ等のブロッキング防止剤を併用してよい。
逐次二軸延伸方法としては、使用する樹脂の融点およびガラス転移温度により延伸温度や延伸倍率を調整する必要が有るが、まず原反シートを好ましくは100〜180℃、より好ましくは120〜170℃の温度に保ち、周速差を設けたロール間に通して、あるいはテンター法にて、縦方向に好ましくは2〜10倍、より好ましくは2.5〜8倍、さらに好ましくは3〜6倍に延伸する。引き続き、当該延伸フィルムをテンター法にて、好ましくは100〜180℃、より好ましくは120〜175℃の温度で、横方向に好ましくは2〜12倍、より好ましくは2.5〜11.5倍、さらに好ましくは3〜11倍に延伸した後、緩和、熱セットを施し巻き取る。
巻き取られたフィルムは、好ましくは20〜45℃程度の雰囲気中でエージング処理を施した後、所望の製品幅に断裁することができる。こうして機械的強度、剛性に優れた延伸フィルムが得られる。なお延伸時の温度を上げると全光線透過率が上がりやすく、かつ後述の手切れ性が向上しやすくなり、温度を下げると全光線透過率が下がりやすくなる。また、延伸倍率が高いと、その方向の手切れ性が良化し易い傾向がある。
フィルムには、オンラインもしくはオフラインにて、必要に応じてコロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理等を行うことができる。特に、本フィルムを印刷用途で使用する場合には、本フィルムの片面および/または両面に、印刷インキの濡れ広がりや密着性の改善等を目的に、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理等の処理を行うことが好ましい。本発明では、フィルム表面のK6768:1999のぬれ張力が36mN/m以上であると好ましく、38〜45mN/mであるとより好ましい。
あるいは、同様のぬれ張力を有し、さらに平滑性を有する印刷適性付与層を設けてもよい。
本発明の半透明性延伸フィルムは、少なくとも一方の面の60度鏡面光沢度が、好ましくは5%〜35%、より好ましくは8%〜30%、さらに好ましくは10〜25%である。60度鏡面光沢度が5%〜35%であると、風合いが紙調であり、かつ印字された文字や絵柄の視認性が良好となるため好ましい。本発明では、60度鏡面光沢度は、JIS−Z8741(方法3)に準拠して測定した値である。
本発明の半透明性延伸フィルムは、無機物の脱落による包装物の汚染や、印刷用途での印刷版の汚れ、また、断裁時に切断面が荒れることや断裁刃の消耗が早いなどの問題を防ぐために、灰分が好ましくはフィルムの全質量を基準に1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下である。灰分の下限値は、特に制限されないが、少ないほど好ましく、例えば0.01質量%、0質量%等である。本発明では、灰分は、JIS−K7250−1(2006)A法に準じて測定することができる。
本発明の半透明性延伸フィルムの厚みは、その使用用途にもよるが、10μm〜150μmであることが好ましく、より好ましくは15〜100μm、さらに好ましくは20〜60μmである。フィルムの厚みが10μm以上であると、十分な強度が得られやすい。また、フィルムの厚みが150μm以下であると、延伸性や生産性に優れる。
本発明の半透明性延伸フィルムは、好ましくは手切れ性を有する。一般にプラスチック製フィルムは、切り口等の特別な形状を備えなければ手切れ性を有さないのに対し、食品や薬品等の包装紙に用いられる半透明性を有する紙は切り口等を有しなくとも手で引き裂くことが可能であり、包装袋等に使用した場合に手で開封可能であるという手切れ性を有する。したがって、本発明の半透明性延伸フィルムが手切れ性を有する場合には、手切れ性が必要な食品や薬品等の包装紙にも用いることができる。
本発明の半透明延伸フィルムは、好ましくは鉛筆筆記性を有する。一般にプラスチック製フィルムは、フィルム表面が滑らかすぎるために鉛筆等による筆記ができないが、透写紙等の用途では鉛筆筆記性が必要となる。本発明の半透明延伸フィルムが鉛筆筆記性を有する場合には、無機粒子を含有しないにもかかわらず紙の様に鉛筆筆記が可能となり、透写紙等の用途に用いることができる。なお、鉛筆筆記性は、結晶性熱可塑性樹脂の微細分散物を含有する効果と思われる。
本発明の半透明延伸フィルムは、好ましくはヒートシール性および/または印刷適性を有する。本発明の半透明延伸フィルムがヒートシール性および/または印刷適性を有する場合には、食品包装用途に好ましく用いることができる。
本発明の半透明性延伸フィルムは、包装用、食品包装用、薬品包装用、装飾用、ラベル用、テープ用基材、印刷用基材、ポスター用紙、感熱紙基材、記録用紙基材等に好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
[樹脂のメルトフローレート(MFR)]
JIS K−7210(1999)に準じて、株式会社東洋精機製作所製メルトインデクサーを用いて測定した。測定条件は、結晶性樹脂Aは、測定温度230℃、荷重21.18Nにて測定し、結晶性樹脂Bは、測定温度300℃、荷重11.77Nにて測定した。
[樹脂の融点、ガラス転移温度]
パーキン・エルマー社製入力補償型DSC、DiamondDSCを用い、以下の手順により算出した。各樹脂を5mg量り取り、アルミニウム製のサンプルホルダーに詰め、DSC装置にセットした。窒素流下、−40℃から300℃まで10℃/分の速度で昇温し、300℃で5分間保持し、10℃/分で−40℃まで冷却し、−40℃で5分間保持した。その後再び10℃/分で300℃まで昇温する際のDSC曲線より、融点およびガラス転移温度を求めた。JIS−K7121の9.1(1)に定める溶融ピーク(複数の溶融ピークを示す場合は最大の溶融ピーク)を融点とし、JIS−K7121の9.3(1)に定める中間点ガラス転移温度をガラス転移温度とした。
[フィルムの厚み]
シチズンセイミツ株式会社製紙厚測定器MEI−11を用いて、JIS−C2330に準拠して測定した。
[フィルムの全光線透過率]
日本電色工業株式会社製ヘーズメーターNDH−5000を用いて、JIS−K7361に準拠して測定した。
[フィルムの60度鏡面光沢度]
株式会社村上色彩技術研究所製変角光沢計GM−3D型を用いて、JIS−Z8741(方法3)に準拠して、60度鏡面光沢度を測定した。なお測定は、フィルムの縦方向および横方向について測定し、両者を平均した値である。
[フィルムの灰分]
JIS−K7250−1(2006)A法に準じて、測定試料量200gで測定した。
[鉛筆筆記性]
各フィルムにHBの鉛筆にて筆記し、筆記状態を下記基準にて評価した。
◎:濃くはっきりと筆記されており、筆記性に優れる。
○:読み取り可能な濃度で筆記でき、実用上問題ない。
△:筆記できるが薄く、実用上問題あり。
×:筆記できない。
[手切れ性]
指先でフィルムを引裂いた際の引裂き具合を、下記の基準により評価した。なお、評価はフィルムの縦方向・横方向それぞれにつき評価した。
◎:簡単に引裂き可能
○:多少の力は必要だが引裂き可能で、実用上問題ない。
△:爪を立て、力を入れねば引裂けず、実用的ではない。
×:フィルムが粘り強く、引裂けない。
[ヒートシール性評価法]
23℃、50%RHの環境下において、MD方向250mm、TD方向50mmにカットしたサンプル2枚のヒートシール面同士を重ね合わせた状態で、熱傾斜式ヒートシーラー HG−100−2(株式会社東洋精機製作所製)を用い、シール温度110℃、シール圧力200KPa、シール時間2秒、ヒートシール部の幅(フィルムのMD方向に相当)1cmの条件でヒートシール処理を行った。次いで23℃に調温したサンプルのTD方向を25mmにカットした後、引張試験機 テクノグラフTGI−1kN(ミネベア株式会社製)を用いて、2枚のフィルムのそれぞれの端部を上、下のチャックで挟み、引っ張り速度300mm/分で180°剥離し、その際の応力の最大値を測定した。上記測定3回の平均値をヒートシール部の接着強度(N/25mm)とした。
接着強度について、下記のように評価した。
◎:4N以上〜6N未満:ヒートシール強度が適度である。
○:6N以上〜8N未満:ヒートシール強度が若干強いが、実用可能。
○:3N以上〜4N未満:ヒートシール強度が若干弱いが、実用可能。
△:8N以上:ヒートシール強度が強く、開封に難有り。
×:3N未満:ヒートシール強度が弱く、実用不可。
[印刷適性評価法]
グラビア輪転印刷機((株)オリエント総業製OSG−550HDX)にて、DICグラフィックス株式会社製インク アルティマNT805を用いて4色グラビア印刷を実施した。CMYKの4色それぞれにつき、100%、90%、80%、70%、60%の5諧調を印刷し、印刷部(4色×5諧調の20桝)を目視観察し、下記のように評価した。 ◎: いずれの枡にもドット抜けが見られず、良好。
○: ドット抜けが見られる枡が1枡以上6枡以下有るが、実用上問題ない。
△: ドット抜けが見られる枡が7枡以下12枡以下有り、実用上好ましくない。
×: ドット抜けが見られる枡が13枡以上有り、実用不可。
〔実施例1〕
結晶性樹脂Aとしてプライムポリプロ(登録商標)F−300SP(株式会社プライムポリマー製、結晶性ポリプロピレン単独重合体、MFR=3g/10分、融点160℃、ガラス転移温度−17℃)および結晶性樹脂Bとしてザレック(登録商標)142ZE(出光興産株式会社製、ポリスチレン樹脂共重合体、融点247℃、ガラス転移点95℃)のペレットをそれぞれ、表1に示す割合でミキサーにてドライブレンドして混合原料ペレットを調製した。
株式会社東洋精機製作所製ラボプラストミル(モデル4C150)にストランドダイを備えた2軸押出機(L/D=25)を接続した装置に、得られた混合原料ペレットをホッパーから投入し、設定温度260℃にて溶融混錬した。混合樹脂をストランド状に押出し、水冷後、ストランドカッターにてペレット状に断裁して、メルトブレンド樹脂組成物ペレットを得た。
メルトブレンド樹脂組成物ペレットを、コア層を形成するための一軸スクリュータイプ押出機aおよびスキン層を形成するための一軸スクリュータイプ押出機bにホッパーから投入して溶融し、これらを3層マルチマニホールドダイ内部にてb−a−bの3層構成に積層し、3層積層樹脂層として押出した。一軸スクリュータイプ押出機aと一軸スクリュータイプ押出機bの押出樹脂量の比率は2:1とした。押し出された樹脂層を、45℃に制御した冷却ドラム上にエアナイフを用い空気圧で押しつけながら冷却固化して原反シートを得た。
得られた原反シートに対して、ブルックナー社製バッチ式二軸延伸機KAROを用いて延伸を行った。延伸方法は、縦方向に延伸した後横方向に延伸する逐次二軸延伸法にて実施した。設定温度150℃のオーブン内にてフィルム温度(Ts)を135℃まで予熱し、まず縦方向に延伸速度6倍/秒にて5倍まで延伸した。次いで設定温度165℃のオーブン内にてフィルム温度を145℃まで予熱し、横方向に延伸速度1倍/秒にて10倍まで延伸した。次いで同オーブン内にて、緩和速度0.5倍/秒にて横方向を9.5倍まで緩和し、次いで10秒間熱セットした後、オーブンより排出して室温へ冷却し、厚さ30μmの延伸フィルムを得た。
〔実施例2〜4〕
原料ペレットの混合比率を表1に示す部数に変更した以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
〔実施例5〕
実施例1と同様の原反シートに対して、延伸を、縦方向の延伸と横方向の延伸を同時に行う同時二軸延伸法にて実施した。設定温度165℃のオーブン内にてフィルム温度(Ts)を145℃まで予熱し、縦方向・横方向とも、延伸速度1倍/秒にて7.4倍まで延伸した。次いで同オーブン内にて、縦方向・横方向とも7倍まで緩和し、次いで10秒間熱セットした後、オーブンより排出して室温へ冷却し、延伸フィルムを得た。
〔実施例6〕
結晶性樹脂Aとしてウインテック(登録商標)WFW5T(日本ポリプロ株式会社製、結晶性プロピレン−エチレン共重合体、MFR=2.5g/10分、融点142℃、ガラス転移温度−19℃)65質量部、および結晶性樹脂Bとしてザレック(登録商標)142ZE(出光興産株式会社製、ポリスチレン樹脂共重合体、融点247℃、ガラス転移点95℃)35質量部のペレットを用い、および延伸温度を、縦方向において設定温度145℃のオーブン内にてフィルム温度130℃まで予熱し、横方向において設定温度150℃のオーブン内にてフィルム温度135℃まで予熱した以外は実施例1と同様にして延伸フィルムを得た。
〔実施例7〕
結晶性樹脂Bとして、ノバペックス(登録商標)BK2180(三菱化学株式会社製、結晶性ポリエステル樹脂、融点250℃、ガラス転移温度77℃)を表1に示す部数で用いた以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
〔実施例8〕
結晶性樹脂Bとして、ノバペックス(登録商標)GS900(三菱化学株式会社製、結晶性ポリエステル樹脂、融点255℃、ガラス転移温度82℃)を表1に示す部数で用いた以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
〔実施例9〕
結晶性樹脂Aとしてプライムポリプロ(登録商標)F−300SP(株式会社プライムポリマー製、結晶性ポリプロピレン単独重合体、MFR=3g/10分、融点160℃、ガラス転移温度−17℃)65質量部、および結晶性樹脂Bとしてザレック(登録商標)142ZE(出光興産株式会社製、ポリスチレン樹脂共重合体、融点247℃、ガラス転移点95℃)35質量部をミキサーにてドライブレンドして混合原料(1)を調製した。
結晶性樹脂Aとしてプライムポリプロ(登録商標)F−300SP(株式会社プライムポリマー製、結晶性ポリプロピレン単独重合体、MFR=3g/10分、融点160℃、ガラス転移温度−17℃)79.7質量部、結晶性樹脂Bとしてザレック(登録商標)142ZE(出光興産株式会社製、ポリスチレン樹脂共重合体、融点247℃、ガラス転移点95℃)15質量部、結晶性樹脂BとしてTPX(登録商標)DX−845(三井化学株式会社製、ポリメチルペンテン樹脂、融点232℃、ガラス転移点23℃、引張弾性率が1.9GPa、ビカット軟化温度168℃)5質量部、および帯電防止剤エレクトロストリッパーTS−15B(ステアリルジエタノールアミンモノステアリン酸エステル、ステアリルジエタノールアミンおよび脂肪族アルコールの混合物、花王株式会社製)0.3質量部をミキサーにてドライブレンドして混合原料(2)を調製した。
株式会社東洋精機製作所製ラボプラストミル(モデル4C150)にストランドダイを備えた2軸押出機(L/D=25)を接続した装置に、得られた混合原料(1)をホッパーから投入し、設定温度260℃にて溶融混錬した。混合樹脂をストランド状に押出し、水冷後、ストランドカッターにてペレット状に断裁して、メルトブレンド樹脂組成物ペレット(1)を得た。次いで、混合原料(2)を用いて同様にしてメルトブレンド樹脂組成物ペレット(2)を得た。
メルトブレンド樹脂組成物ペレット(1)をb層を形成するための一軸スクリュータイプ押出機bに、メルトブレンド樹脂組成物ペレット(2)をa層を形成するための一軸スクリュータイプ押出機aに、それぞれホッパーから投入して溶融し、これらを3層マルチマニホールドダイ内部にてb−a−bの3層構成に積層し、3層積層樹脂層として押出した。一軸スクリュータイプ押出機aと一軸スクリュータイプ押出機bの押出樹脂量の比率は2:1とした。押し出された樹脂層を、45℃に制御した冷却ドラム上にエアナイフを用い空気圧で押しつけながら冷却固化して原反シートを得た。
得られた原反シートに対して、実施例1と同様にして延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの両面に、コロナ処理を行った。コロナ処理の強さは、処理から1日後の処理面のぬれ張力が40mN/mとなるように調節した。
〔実施例10〕
ヒートシール層用樹脂として、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体(住友化学株式会社製 FL6741G)90質量部、およびプロピレン−ブテン共重合体(三井化学株式会社製 タフマーMX7070)10質量部、ブロッキング防止剤として非晶質シリカ(富士シリシア化学株式会社製 サイリシア730)0.2質量部をミキサーにてドライブレンドして混合原料(3)を調整した。
実施例9と同様のメルトブレンド樹脂組成物ペレット(1)をb層を形成するための一軸スクリュータイプ押出機bに、実施例9と同様のメルトブレンド樹脂組成物ペレット(2)をa層を形成するための一軸スクリュータイプ押出機aに、混合原料(3)をHS層を形成するための一軸スクリュータイプ押出機HSに、それぞれホッパーから投入して溶融し、これらを3層マルチマニホールドダイ内部にてb−a−HSの3層構成に積層し、3層積層樹脂層として押出した。一軸スクリュータイプ押出機bと一軸スクリュータイプ押出機aと一軸スクリュータイプ押出機HSの押出樹脂量の比率は1:4:1とした。押し出された樹脂層のHS層側を、45℃に制御した冷却ドラム上にエアナイフを用い空気圧で押しつけながら冷却固化して原反シートを得た。
得られた原反シートに対して、実施例1と同様にして延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムのb層側にコロナ処理を行った。コロナ処理の強さは、処理から1日後の処理面のぬれ張力が40mN/mとなるように調節した。
〔比較例1〕
プライムポリプロ(登録商標)F−300SPを、ドライブレンドおよび溶融混合を実施せずに単独で使用した以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
〔比較例2〕
ザレック(登録商標)142ZEを、ドライブレンドおよび溶融混合を実施せずに単独で用いた。このペレットを、コア層を形成するための一軸スクリュータイプ押出機a、およびスキン層を形成するための一軸スクリュータイプ押出機bに、ホッパーから投入して溶融し、これらを3層マルチマニホールドダイ内部にてb−a−bの3層構成に積層し、3層積層樹脂層として押出しした。一軸スクリュータイプ押出機aと一軸スクリュータイプ押出機bの押出樹脂量の比率は2:1とした。
押し出された樹脂層を、80℃に制御した冷却ドラム上に、エアナイフを用い空気圧で押しつけながら冷却固化して、原反シートを得た。
得られた原反シートに対して、ブルックナー社製バッチ式二軸延伸機KAROを用いて延伸を行った。延伸方法は、縦方向の延伸と横方向の延伸を同時に行う同時二軸延伸法にて実施した。設定温度130℃のオーブン内にてフィルム温度(Ts)を110℃まで予熱し、縦方向・横方向とも、延伸速度1倍/秒にて3倍まで延伸した。次いで設定温度200℃のオーブン内にて20秒間熱セットした後、オーブンより排出して室温へ冷却し、延伸フィルムを得た。
〔比較例3〕
原料ペレットの混合比率を表1に示す部数に変更し、および延伸温度を縦方向において設定温度100℃のオーブン内にてフィルム温度(Ts)を90℃まで予熱し、および延伸倍率を横方向において8倍に変更した以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
〔比較例4〕
結晶性樹脂Bを使用せず、代わりに非晶性でありDSC曲線に明確な溶融ピーク(融点)を示さない環状オレフィン系樹脂(三井化学株式会社製アペル(登録商標)APL6015、ガラス転移温度145℃)を用いた以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
〔比較例5〕
結晶性樹脂Bを使用せず、代わりに無機粒子である軽質炭酸カルシウム粉末(丸尾カルシウム株式会社製カルテックス5、平均粒子径0.9μm)を表1に示す部数でドライブレンドして混合原料を調製した。
溶融原料を、コア層を形成するための単軸押出機a、および、スキン層を形成するための単軸押出機bに、ホッパーから投入して溶融し、実施例1と同様にして原反シートを得た。
得られた原反シートに対して、延伸温度を、縦方向において設定温度125℃のオーブン内にてフィルム温度(Ts)を110℃まで予熱した以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
各実施例においた得られた延伸フィルムの測定および評価結果を、各延伸フィルムに用いた樹脂の組成と共に示す。
Figure 0006540325
表1に示される通り、実施例1〜8において得られた延伸フィルムは、全光線透過率が35〜85%の間であり、光沢度が低い半透明延伸フィルムであった。また、これらのフィルムは、無機顔料を有しなくとも鉛筆筆記性を有するものであり、さらに、少なくとも片方の延伸方向について良好な手切れ性を有するものであった。したがって、本発明の半透明フィルムは、紙に比べて優れた耐湿性、耐水性、耐油性、機械強度をも有するフィルムでありながら、適度な半透明性と低い光沢度により紙のような外観を示し、さらに鉛筆筆記性や手切れ性を有するため、紙の代替として使用可能であることが理解される。
また実施例9〜10において得られた延伸フィルムは、全光線透過率が35〜85%の間であり、光沢度が低い半透明延伸フィルムであるため紙のような外観を示す。加えて印刷適性に優れ、和紙のような高級感のある包装用袋等にも好適に使用可能である。
加えて実施例10において得られた延伸フィルムは、ヒートシール適性を有し、例えばパン等の食品類のヒートシール性を要する包装形態等にも好適に使用可能である。
これに対し、結晶性樹脂を単独で用いた比較例1および2では、鉛筆筆跡性も手切れ性も有さない、高透明性フィルムしか得られなかった。また、結晶性樹脂Bの量が余りに少なく、延伸時のフィルム温度が低い比較例3では透明性が低く、鉛筆筆跡性も手切れ性も有さなかった。さらに、本発明に従わない非晶性環状オレフィン系樹脂を結晶性樹脂Bとして用いた比較例4において得られたフィルムは、透明性が十分ではなく、軽質炭酸カルシウム粉末を用いた比較例5では、軽質炭酸カルシウム粉末の僅かな量でさえ透明性が得られなかった。

Claims (10)

  1. 結晶性熱可塑性樹脂Aと、結晶性熱可塑性樹脂Bとを樹脂成分として少なくとも含有し、結晶性熱可塑性樹脂Aの融点Tm(A)およびガラス転移温度Tg(A)、結晶性熱可塑性樹脂Bの融点Tm(B)およびガラス転移温度Tg(B)が下記の式を同時に満た、全光線透過率が35〜85%であり、60度鏡面光沢度が5〜35%であり、結晶性熱可塑性樹脂Bを、樹脂成分の全質量を基準に45質量%以下の量で含有する、半透明性二軸延伸フィルム。
    Tm(B)≧Tm(A)+50℃
    Tm(A)≧Tg(B)+40℃
    Tg(B)>Tg(A)
  2. 結晶性熱可塑性樹脂Bを、樹脂成分の全質量を基準に15〜45質量%含有する、請求項1に記載の半透明性二軸延伸フィルム。
  3. 灰分はフィルムの全質量を基準に1質量%以下である、請求項1または2に記載の半透明性二軸延伸フィルム。
  4. Tm(A)が135℃〜175℃である、請求項1〜3のいずれかに記載の半透明性二軸延伸フィルム。
  5. Tm(B)が200℃以上である、請求項1〜のいずれかに記載の半透明性二軸延伸フィルム。
  6. Tg(B)が60〜130℃である、請求項1〜のいずれかに記載の半透明性二軸延伸フィルム。
  7. 結晶性熱可塑性樹脂Aは結晶性ポリオレフィン系樹脂である、請求項1〜のいずれかに記載の半透明性二軸延伸フィルム。
  8. 少なくとも片面にヒートシール層を有する、請求項1〜のいずれかに記載の半透明性二軸延伸フィルム。
  9. 少なくとも片面のぬれ張力が36〜45mN/mである、請求項1〜のいずれかに記載の半透明性二軸延伸フィルム。
  10. 包装用、食品包装用、薬品包装用、装飾用、ラベル用、テープ用基材、印刷用基材、ポスター用紙、感熱紙基材、又は、記録用紙基材の用途に用いられる、請求項1〜9のいずれかに記載の半透明性二軸延伸フィルム。
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