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JP6531604B2 - 木質繊維を含む組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、木質繊維、水溶性高分子及び溶媒を含む組成物に関する。特に本発明は、高い粘度と良好な粒子分散性とを有する木質繊維含有組成物に関する。
近年、再生産可能な資源を積極的に利用する気運が高まっている。再生産可能な資源としては、例えば、繊維状セルロースが広く知られており、中でも、木材由来の繊維状セルロースは、主として紙製品の原料としてこれまでにも幅広く利用されてきた。
セルロース微粉体または粒子の微細繊維状粉砕物は、その表面積が大きいため水との親和性が高く、水を保持する力が強く、低濃度でも高い粘度を有し、懸濁安定性の優れた懸濁液を形成することができるため、優れた保湿剤、分散剤、増粘剤として有用である。
繊維状セルロース又はパルプの応用は広く検討されており、多様な組成物における使用が検討されている。
特許文献1には、水と高吸水性ポリマー粒子を含む地盤掘削用膨潤高吸水性ポリマー安定液組成物であって、地盤掘削用膨潤高吸水性ポリマー安定液組成物の比重が1.20以下の範囲である地盤掘削用膨潤高吸水性ポリマー安定液組成物が記載されている。特許文献1には、孔壁安定性を向上させる助材が含めてもよいこと、並びに助材がベントナイト、おが屑、パルプ、ロックウール、繊維等の逸泥防止材又は、水溶性高分子から選ばれる少なくとも1種であることが記載されている。
また特許文献2には、高炉水砕スラグ、超微粉状物質、水溶性高分子、硬化刺激剤、骨材、天然繊維および水を含有する水硬性組成物が記載されている。特許文献2に記載の水硬性組成物は、高炉水砕スラグと超微粉状物質の合計重量100重量部に対して天然繊維を3重量部〜10重量部含み、組成物中の水の含有割合が18〜23重量%である。
特開2013−57061号公報 特開平10−120456号公報
繊維状セルロースを増粘剤として使用する場合には、繊維状セルロース含有組成物が、高い粘度を有すると同時に、良好な粒子分散性を示すことが望まれている。
背景技術において記載した通り、セルロース微粉体または粒子の微細繊維状粉砕物は、増粘剤として有用であるが、繊維状セルロースの種類によっては、繊維状セルロース含有組成物が十分な粘度を示さない場合がある。また、繊維状セルロース含有組成物が、高い粘度を示す場合であっても、粒子分散性が劣るという場合もある。
特許文献1には、水と高吸水性ポリマー粒子以外に、繊維及び水溶性高分子などの助材を含む地盤掘削用膨潤高吸水性ポリマー安定液組成物が記載されているが、繊維の特性が組成物の性質(特に、粘度及び粒子分散性)に及ぼす影響については検討されていない。また、特許文献2に記載の水硬性組成物は、不燃性を向上せしめた硬化体を与えることができ、建築材料として有用であることが記載されているが、繊維の特性が組成物の性質(特に、粘度及び粒子分散性)に及ぼす影響については検討されていない。
本発明が解決しようとする課題は、高い粘度を有すると同時に、良好な粒子分散性を示す、木質繊維含有組成物を提供することである。さらに本発明が解決しようとする別の課題は、上記の木質繊維含有組成物を含む地下層処理用流体を提供することである。さらに本発明が解決しようとする別の課題は、上記の木質繊維含有組成物を利用した地下層の処理方法、及び石油資源の生産方法を提供することである。さらに本発明が解決しようとする別の課題は、上記の木質繊維含有組成物の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、フリーネス及び固形分中のリグニン含量が所定の条件を満たす木質繊維と水溶性高分子とを溶媒中に配合することによって、高い粘度と良好な粒子分散性を示す組成物を提供できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1) (a)フリーネスが50以上300以下であり、固形分中のリグニン含量が5質量%以上25質量%以下である木質繊維、(b)水溶性高分子、及び(c)溶媒、を含む組成物。
(2) 木質繊維が少なくとも繊維状セルロースを含む、(1)に記載の組成物。
(3) 木質繊維の固形分濃度が、0.2質量%以上1質量%以下である、(1)又は(2)に記載の組成物。
(4) 水溶性高分子がノニオン性高分子である、(1)から(3)の何れかに記載の組成物。
(5) 水溶性高分子が天然多糖類である、(1)から(4)の何れかに記載の組成物。
(6) 水溶性高分子の固形分濃度が、0.1質量%以上1質量%以下である、(1)から(5)の何れかに記載の組成物。
(7) 溶媒が水である、(1)から(6)の何れかに記載の組成物。
(8) 増粘剤として使用する、(1)から(7)の何れかに記載の組成物
(9) 地下層処理用組成物である、(1)から(8)の何れかに記載の組成物。
(10) フラクチャリング流体、泥水、セメンチング流体、 ウェルコントロール流体(well control fluid)、ウェルキル流体(well kill fluid)、酸フラクチャリング流体(acid fracturing fluid)、酸分流流体(acid diverting fluid)、刺激流体(stimulation fluid)、サンドコントロール流体(sand control fluid)、仕上げ流体(completion fluid)、ウェルボーン石化流体(wellbore consolidation fluid)、レメディエーション処理流体(remediation treatment fluid)、スペーサー流体(spacer fluid)、掘削流体(drilling fluid)、フラクチャリングパッキング流体(frac-packing fluid)、水適合流体(water conformance fluid)、または砂利パッキング流体(gravel packing fluid)に添加して使用するための、(9)に記載の組成物。
(11) (9)又は(10)に記載の組成物、ならびに加重材、粘度調整剤、分散剤、凝集剤、逸泥防止剤、脱水調節剤、pH制御剤、摩擦低減剤、水和膨張制御剤、乳化剤、界面活性剤、殺生物剤、消泡剤、スケール防止剤、腐食防止剤、温度安定剤、樹脂コート剤、亀裂支持材、塩、およびプロパントからなる群から選択される少なくとも一種を含む、地下層処理用流体。
(12) フラクチャリング流体、泥水、セメンチング流体である、(11)に記載の地下層処理用流体。
(13) (9)又は(10)に記載の組成物、あるいは(11)又は(12)に記載の流体で地下層を処理することを含む、地下層の処理方法。
(14) (9)又は(10)に記載の組成物、あるいは(11)又は(12)に記載の流体で地下層を処理することを含む、石油資源の生産方法。
(15) 木質繊維の分散液を濃縮または乾燥させ、得られた濃縮液または乾燥物と水溶性高分子とを溶媒に再分散させて再分散液を得る工程を含む、(1)から(10)のいずれか記載の組成物の製造方法。
(16) 木質繊維と水溶性高分子とを含む分散液を濃縮または乾燥させ、得られた濃縮液または乾燥物を溶媒に再分散させて再分散液を得る工程を含む、(1)から(10)のいずれかに記載の組成物の製造方法。
(17) 濃縮が、濃縮剤、乾燥機、又は濾過脱水の何れかにより実施される、(15)又は(16)に記載の製造方法。
本発明により、高い粘度を有し、粒子分散性に優れた組成物を提供することができる。本発明の組成物は、例えば増粘剤として使用でき、医薬品、化粧品、食品、建築分野等の工業製品を含む広汎な分野に利用できる。特に、本発明の組成物は、高粘性の増粘剤へのニーズが非常に高い、石油、ガスの生産に関わる流体において使用することができる。
セルロース等の繊維の質量に関する値は、特に記載した場合を除き、絶乾質量(固形分)に基づく。また数値範囲「X〜Y」は、特に記載した場合を除き、両端の値を含む。
[本発明の組成物]
本発明の組成物は、(a)フリーネスが50以上300以下であり、固形分中のリグニン含量が5質量%以上25質量%以下である木質繊維、(b)水溶性高分子、及び(c)溶媒、を含む組成物である。フリーネスが50以上300以下であり、固形分中のリグニン含量が5質量%以上25質量%以下である木質繊維を使用することにより、水溶性高分子と一緒に溶媒中に配合した組成物において、高い粘度と良好な粒子分散性とを両立させることが可能になった。
<木質繊維>
木質繊維としては、製紙用パルプ、コットンリンターやコットンリントなどの綿系パルプ、麻、麦わら、バガスなどの非木材系パルプ、ホヤや海草などから単離されるセルロースなどが挙げられるが、特に限定されない。木質繊維は少なくとも繊維状セルロースを含むものが好ましいが、特に限定されない。木質繊維は、繊維状セルロースと、ヘミセルロースとを含むものでもよい。木質繊維としては、後記する解繊処理などの機械処理したものを使用することができる。
パルプとしては、化学パルプ、半化学パルプ、機械パルプ、非木材パルプ、古紙を原料とする脱墨パルプが挙げられるが、上記の中でも機械パルプが好ましい。機械パルプとしては、グランドパルプ(GP)、晒グランドパルプ(BGP)、未晒グランドパルプ(UGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等がある。木質繊維の原料は1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
本発明の組成物における木質繊維の固形分濃度は、好ましくは0.2質量%以上1質量%以下であり、より好ましくは0.3質量%以上0.9質量%以下であり、さらに好ましくは0.4質量%以上0.8質量%以下であるが、特に限定されない。
<解繊処理>
木質繊維は、解繊処理したものを使用してもよいし、解繊処理しないものを使用してもよい。解繊処理では、通常、解繊処理装置を用いて、木質繊維を解繊処理して、微細繊維含有スラリーを得るが、処理装置、処理方法は、特に限定されない。
解繊処理装置としては、高速解繊機、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ボールミル、ビーズミルなどを使用できる。あるいは、解繊処理装置としては、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー、二軸混練機、振動ミル、高速回転下でのホモミキサー、超音波分散機、またはビーターなど、湿式粉砕する装置等を使用することもできる。解繊処理装置は、上記に限定されるものではない。好ましい解繊処理方法としては、粉砕メディアの影響が少なく、コンタミの心配が少ない高速解繊機、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザーが挙げられるが、特に限定されない。
解繊処理の際には、繊維原料を水と有機溶媒を単独または組み合わせて希釈してスラリー状にすることが好ましいが、特に限定されない。分散媒としては、水の他に、極性有機溶剤を使用することができる。好ましい極性有機溶剤としては、アルコール類、ケトン類、エーテル類、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、またはジメチルアセトアミド(DMAc)等が挙げられるが、特に限定されない。アルコール類としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、またはt−ブチルアルコール等が挙げられる。ケトン類としては、アセトンまたはメチルエチルケトン(MEK)等が挙げられる。エーテル類としては、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン(THF)等が挙げられる。分散媒は1種であってもよいし、2種以上でもよい。また、分散媒中に繊維原料以外の固形分、例えば水素結合性のある尿素などを含んでも構わない。
本発明では、木質繊維、水溶性高分子及び溶媒を含む組成物を濃縮及び乾燥させた後に解繊処理を行ってもよい。この場合、濃縮及び乾燥の方法は特に限定されないが、例えば、木質繊維を含有するスラリーに濃縮剤を添加する方法、一般に用いられる脱水機、プレス、乾燥機を用いる方法等が挙げられる。また、公知の方法、例えばWO2014/024876、WO2012/107642、およびWO2013/121086に記載された方法を用いることができる。また、濃縮した木質繊維をシート化してもよい。該シートを粉砕して解繊処理を行うこともできる。
木質繊維を粉砕する際に粉砕に用いる装置としては、例えば、以下のものを使用することができるが特に限定されない。
高速解繊機、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機;
ボールミル、ビーズミル、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー、二軸混練機、振動ミル、高速回転下でのホモミキサー、超音波分散機、ビーター:
<木質繊維の特性>
本発明で用いる木質繊維のフリーネスは50以上300以下であり、固形分中のリグニン含量は5質量%以上25質量%以下である。フリーネス及び固形分中のリグニン含量を上記範囲内にすることにより、高い粘度を有すると同時に、良好な粒子分散性を示す、木質繊維含有組成物を提供することができる。
木質繊維のフリーネスは、より好ましくは70以上280以下であり、さらに好ましくは100以上250以下であり、さらに好ましくは120以上230以下であり、特に好ましくは130以上220以下である。フリーネスの測定はJIS P 8121に準拠して行うことができる。
木質繊維について、固形分中のリグニン含量の下限値は、5質量%以上であればよく、好ましくは7質量%以上であり、さらに好ましくは10質量%以上であり、さらに好ましくは15質量%以上であり、特に好ましくは17質量%以上である。固形分中のリグニン含量の上限値は、25質量%以下であればよく、好ましくは23質量%以下であり、より好ましくは22質量%以下である。
固形分中のリグニン含量の測定はTAPPI/ANSI T 236に従い、L(%)=カッパー価×0.13から算出することができる。カッパー価の測定はJIS P 8211に準拠して行うことができる。
<木質繊維の繊維幅及び繊維長>
木質繊維が繊維状セルロースを含む場合、繊維状セルロースは、粗大繊維状セルロース、微細繊維状セルロース、又は粗大繊維状セルロースと微細繊維状セルロースとの混合物のいずれでもよい。
粗大繊維状セルロース(単に、粗大繊維ということもある。)の平均繊維幅は、電子顕微鏡で観察して、例えば1μm以上であり、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは10μm以上である。
微細繊維状セルロース(単に、微細繊維ということもある。)の平均繊維幅は、電子顕微鏡で観察して、好ましくは2〜1000nm、より好ましくは2〜100nmであり、より好ましくは2〜50nmであり、さらに好ましくは2nm〜10nmであるが、特に限定されない。微細繊維状セルロースの平均繊維幅が2nm未満であると、セルロース分子として水に溶解しているため、微細繊維状セルロースとしての物性(強度や剛性、寸法安定性)が発現しなくなる。ここで、微細繊維状セルロースがI型結晶構造をとっていることは、グラファイトで単色化したCuKα(λ=1.5418Å)を用いた広角X線回折写真より得られる回折プロファイルにおいて同定できる。具体的には、2θ=14〜17°付近と2θ=22〜23°付近の2箇所の位置に典型的なピークをもつことから同定することができる。
繊維状セルロースの電子顕微鏡観察による繊維幅の測定は以下のようにして行う。濃度0.05〜0.1質量%の繊維状セルロースの水系懸濁液を調製し、該懸濁液を親水化処理したカーボン膜被覆グリッド上にキャストしてTEM観察用試料とする。幅の広い繊維を含む場合には、ガラス上にキャストした表面のSEM像を観察してもよい。構成する繊維の幅に応じて1000倍、5000倍、10000倍あるいは50000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡画像による観察を行う。但し、試料、観察条件や倍率は下記の条件を満たすように調整する。
(1)観察画像内の任意箇所に一本の直線Xを引き、該直線Xに対し、20本以上の繊維
が交差する。
(2)同じ画像内で該直線と垂直に交差する直線Yを引き、該直線Yに対し、20本以上
の繊維が交差する。
上記条件を満足する観察画像に対し、直線X、直線Yと交錯する繊維の幅を目視で読み取る。こうして少なくとも重なっていない表面部分の画像を3組以上観察し、各々の画像に対して、直線X、直線Yと交錯する繊維の幅を読み取る。このように少なくとも20本×2×3=120本の繊維幅を読み取る。繊維状セルロースの平均繊維幅(単に、「繊維幅」ということもある。)はこのように読み取った繊維幅の平均値である。
繊維状セルロースの繊維長は特に限定されないが、0.1〜1000μmが好ましく、0.1〜800μmがさらに好ましく、0.1〜600μmが特に好ましい。繊維長が0.1μm未満になると、繊維状セルロースの結晶領域も破壊されていることになり、本来の物性を発揮できない。1000μmを超えると繊維のスラリー粘度が非常に高くなり、扱いづらくなる。繊維長は、TEM、SEM、AFMによる画像解析より求めることができる。
<水溶性高分子>
本発明で用いる水溶性高分子としては、合成水溶性高分子、天然多糖類、セルロース誘導体、デンプン類、グリセリン類、ヒアルロン酸類などを挙げることができるが、特に限定されない。合成水溶性高分子としては、例えば、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、メタクリル酸アルキル・アクリル酸コポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミドなどを挙げることができる。天然多糖類としては、例えば、キサンタンガム、グアーガム、タマリンドガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、クインスシード、アルギン酸、プルラン、カラギーナン、ペクチンなどを挙げることができる。セルロース誘導体としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒロドキシエチルセルロースなどを挙げることができる。デンプン類としては、例えば、カチオン化デンプン、生デンプン、酸化デンプン、エーテル化デンプン、エステル化デンプン、アミロース等を挙げることができる。グリセリン類としては、例えば、ポリグリセリン等を挙げることができる。ヒアルロン酸類としては、例えば、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の金属塩等を挙げることができる。
水溶性高分子としては、上記の中でも、天然多糖類が特に好ましいが、特に限定されない。
水溶性高分子の数平均分子量は特に限定されないが、一般的には500以上1000000以下であり、例えば、1000以上500000以下である。
水溶性高分子としては、ノニオン性高分子、アニオン性高分子、カチオン性高分子、又は両性高分子のいずれでもよく、特に限定されないが、好ましくはノニオン性高分子を使用することができる。
本発明の組成物における水溶性高分子の固形分濃度は、好ましくは0.1質量%以上1質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上0.8質量%以下であり、さらに好ましくは0.2質量%以上0.5質量%以下であるが、特に限定されない。
<溶媒>
本発明において使用する溶媒としては、水、有機溶媒、又は水と有機溶媒との混合物を使用することができる。溶媒としては、水、又は水と有機溶媒との混合物が好ましく、水が特に好ましい。
有機溶媒としては、アルコール類、ケトン類、エーテル類、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、またはジメチルアセトアミド(DMAc)等が挙げられるが、特に限定されない。アルコール類としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、またはt−ブチルアルコール等が挙げられる。ケトン類としては、アセトンまたはメチルエチルケトン(MEK)等が挙げられる。エーテル類としては、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン(THF)等が挙げられる。
本発明の組成物における溶媒の含有量は、好ましくは50質量%以上99.8質量%以下であり、より好ましくは70質量%以上99.8質量%以下であるが、特に限定されない。
<組成物の特性>
本発明の組成物は、高い粘度を有すると同時に、良好な粒子分散性を示す、木質繊維含有組成物である。
組成物の粘度は、B型粘度計(BLOOKFIELD社製、アナログ粘度計T−LVT)を用いて25℃にて回転数3rpmで3分間回転させて測定することができる。
本発明の組成物の粘度は、好ましくは70mPa・S以上であり、より好ましくは80mPa・S以上であり、さらに好ましくは100mPa・S以上であるが、特に限定されない。粘度の上限は特に限定されないが、一般的には20000mPa・S以下であり、好ましくは、10000mPa・S以下であり、さらに好ましくは、8000mPa・S以下であり、特に好ましくは5000mPa・S以下である。
組成物の粒子分散性の評価方法は特に限定されないが、本発明の組成物に、粒子を添加して撹拌してから、粒子の分散性を評価すればよい。粒子分散性の評価の一例は、後記する実施例に記載した評価方法である。
<組成物の製造方法>
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、木質繊維、水溶性高分子、及び溶媒をそれぞれ配合すればよい。例えば、溶媒に対して、木質繊維及び水溶性高分子をそれぞれ添加し、ディスパーザーを用いて攪拌することにより分散液として本発明の組成物を製造してもよい。あるいは、木質繊維の分散液を濃縮または乾燥させ、得られた濃縮液または乾燥物と、水溶性高分子とを溶媒に再分散させて再分散液を得る工程によって、本発明の組成物を製造することもできる。また、木質繊維と水溶性高分子とを含む分散液を濃縮または乾燥させ、得られた濃縮液または乾燥物を溶媒に再分散させて再分散液を得る工程よって、本発明の組成物を製造することもできる。
木質繊維の濃縮は、濃縮剤、乾燥機、又は濾過脱水の何れかにより実施することができる。
<本発明の組成物の用途>
本発明の組成物は、流体に添加することにより流体の特性を種々に改変しうるので、そのような特性を活かした種々の目的において使用することができる。
本発明の組成物の用途としては、繊維状セルロースなどの木質繊維の一般的な用途であれば特に制限なく使用することができる。具体的には増粘剤組成物、すなわち増粘剤、分散剤等の用途(地下層処理用組成物、化粧品、食品、飲料など)、摩擦低減剤、保冷剤、医薬品、入浴剤、塗料、薬品(農薬等)等の用途などが挙げられるが特に限定されない。上記の中でも特に好ましくは、本発明の組成物は、増粘剤、又は地下層処理用組成物として使用することができる。
地下層処理に関連しては、例えば下記の用途を挙げることができる。
本発明の組成物は、海底等の地下層処理において、海水を含む地下層処理用流体において、増粘剤として使用できる。
本発明の組成物は、止水性を有する場合には、地下層処理用流体において逸泥防止剤、脱水調節剤として使用できる。
本発明の組成物は、チキソトロピー性を有する場合には、泥水に使用した際には、優れた坑壁形成能を発揮しうる。またセメンチング流体に使用した際には、セメント圧入を容易にすることができる。したがって、本発明の組成物は、坑壁形成剤またはセメンチング調節剤として使用できる。
本発明の組成物はまた、地下層処理用流体において微細繊維のネットワーク間にオイルの液滴が捕捉されることで乳化機能を発現しうる場合があり、乳化剤としての使用が期待できる。具体的には、エマルション系の地下層処理用流体への使用や、地下層処理用流体に配合されるエマルション物質の安定化に使用できる。本発明の組成物は、高温、例えば300℃までの環境下において使用できる。微細繊維状セルロースの分解温度は300℃であり、また、高い結晶性に起因し、融点やガラス転移点をもたないため、一般的な樹脂のようなヘタリがない。そのため、高深水の坑井でも使用できる。
本発明の組成物は、適切な分散媒に分散させて用いることができる。分散媒は微細繊維状セルロースを分散することができるものであれば特に限定されず、水、有機溶剤、油(例えば、軽油、ミネラルオイル、合成油、食用油、非食用油)等を用いることができる。
本発明の組成物に含有される木質繊維は、ブレーカーを用いて分解させることができる。分解させることで粘度のコントロールや地下層への残存を防ぐことができる。ブレーカーとしては、木質繊維を分解できる種々の成分が利用できる。例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の酸化剤、塩酸や硫酸等の酸、およびセルラーゼ等の酵素が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の組成物に含有される木質繊維は、粘性効果等の向上を狙って、架橋させることができる。架橋剤としては、木質繊維を架橋できる種々の成分が利用できる。例えば、ホウ酸塩、水酸化カリウム、硝酸塩、ジルコニウム、チタン等が挙げられるが、これらに限定されない。
[流体]
本発明の組成物は、上述のように、増粘、逸泥防止、脱水調節、乳化、坑壁形成、セメンチング調節のために使用でき、また塩に対して耐性があるため、地下層処理、例えば、坑井掘削において使用される各種の流体に添加して使用することができる。このような流体には、フラクチャリング流体、泥水、セメンチング流体、ウェルコントロール流体(well control fluid)、ウェルキル流体(well kill fluid)、酸フラクチャリング流体(acid fracturing fluid)、酸分流流体(acid diverting fluid)、刺激流体(stimulation fluid)、サンドコントロール流体(sand control fluid)、仕上げ流体(completionfluid)、ウェルボーン石化流体(wellbore consolidation fluid)、レメディエーション処理流体(remediation treatment fluid)、スペーサー流体(spacer fluid)、掘削流体(drilling fluid)、フラクチャリングパッキング流体(frac-packing fluid)、水適合流体(water conformance fluid)、砂利パッキング流体(gravel packing fluid)等が含まれる。
本発明の組成物を流体に含有させて用いる場合、含有量は、意図した効果が発揮される限り特に限定されない。典型的には、流体は、木質繊維を固形分濃度で(木質繊維の総量として)、0.005〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%で含有しうる。より好ましくは、高温でも止水性を十分に発揮できるとの観点からは、流体中の木質繊維の固形分濃度は、0.05〜2質量%である。
<流体中の他の成分>
本発明により提供される流体は、本発明の組成物のほかに、従来の地下層処理のための流体に添加される各種の成分を含有し得る。添加される成分の例として、加重材、粘度調整剤、分散剤、凝集剤、逸泥防止剤、脱水調節剤、pH制御剤、摩擦低減剤、水和膨張制御剤、乳化剤、界面活性剤、殺生物剤、消泡剤、スケール防止剤、腐食防止剤、温度安定剤、樹脂コート剤、亀裂支持材、塩およびプロパントを挙げることができるが、これらに限定されない。また、添加される成分は、一種のみならず、二種以上であってもよい。
加重材は流体の比重を高め、裸坑壁の安定やガス、水等の噴出を防止するために用いられる。加重材としてはバライトやヘマタイト等の鉱物を使用できるが、これらに限定されない。
粘度調整剤はゲル化剤、増粘剤、調泥剤とも呼ばれ、流体の粘度を最適化するために用いられる。このための成分として、ベントナイト、アタバルジャイト、セピオライト、合成スクメタイト等の鉱物類の他、水溶性である天然および合成のポリマーが使用される。
水溶性ポリマーの好ましい例の一つは、天然多糖由来のものである。粘度調整剤の具体例としては、天然物または天然物由来のものとして、グァーガムおよびグァーガム誘導体、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、グリオキザール付加ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、およびカルボキシルエチルセルロース等の水溶性セルロース誘導体、アラビアガム、アルギン酸およびそのエステル類、アルギン酸塩、エレミ樹脂、ガティガム、カラギナン、カラヤガム、カロブビーンガム、増粘多糖類、タマリンドガム、トラガントガム、デンプングリコール酸塩、デンプン酸塩、ファーセレラン、ブドウ糖、ブドウ糖多糖類、ショ糖、キサンタンガム等が挙げられるが、これらに限定されない。合成高分子としては、加水分解ポリアクリルアミド(PHPAポリマー)、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート系ポリマー等が挙げられるが、これらに限定されない。
逸泥防止剤は、地下層処理用流体の流出を防止するために用いられる。逸泥防止剤として、おがくず、わら、セロファン、セメント、パルプ繊維、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリアリレート等を使用できるが、これらに限定されない。
脱水調節剤は脱水の減少をはかり、坑壁の保護を強化するために使用される。脱水調節剤としては、スルホン化アスファルト誘導体、デンプン誘導体、ポリアリレート、ポリアニオニックセルロース系ポリマー等が使用されるが、これらに限定されない。
乳化剤は、一方の液中にそれとは通常混合しにくい他方の液体を分散させるために用いられる。乳化剤としては、グリセリンエステル、サポニン、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンデシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、カプリン酸エチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オクタン酸セチル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸オクチル、イソノナン酸ドデシル、ステアリン酸グリセリン、パルミチン酸グリセリン、トリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン、ステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸プロピレングリコール、ラウリン酸プロピレングリコール、ステアリン酸グリコール、ジオレイン酸グリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリコール、ラウリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ジメチルコンコポリオールが挙げられるが、これらに限定されない。
プロパントは、0.5mm程度の固形物であり、フラクチャリング等の際に割れ目に押し込まれ、支持体となって割れ目を閉じないようにするために用いられる。プロパントの例として、砂、ガラスビーズ、セラミック粒子および樹脂被覆した砂等が挙げられるが、これらに限定されない。
(泥水)
本発明の組成物を含む流体の一例は、坑井掘削の際に使用される泥水である。泥水における繊維状セルロースの含有量は、意図した効果が発揮される限り特に限定されない。泥水は、繊維状セルロースを固形分濃度で(繊維状セルロースの総量として)、例えば0.004〜40質量%含有し、0.04〜4質量%含有することが好ましく、0.08〜2質量%含有することがより好ましい。
坑井掘削の際に使用される泥水は、一般に、堀屑を坑底から除去し、地上へ運搬するために使用される。また、泥水は、坑井内の圧力を制御して意図しない流体の坑井内への流入や地上への噴出を防止し、また坑壁を保護して地下層の崩壊を防ぎ、さらにドリルストリングと坑壁との摩擦を減らし、坑井内機器を冷却する役割も有する。堀屑やガスを運搬することにより、地下の情報を提供する役割も有する。泥水には、ベントナイト泥水、リグノスルホネート泥水、KClポリマー泥水、油系泥水等があるが、本実施態様により各
種の泥水が提供される。
一般に、ベントナイト泥水は安価で取扱いが容易であるが、塩分やセメントに弱く、ゲル化しやすい。これらの決定を補うため、従来、カルボキシメチルセルロース等が添加されることがあるが、本発明により、より高い性能のベントナイト泥水が提供されうる。
本発明によれば、本発明の組成物を含む分散系泥水が提供される。このような泥水は、分散剤として従来のリグノスルホネート(リグニンスルホン酸ということもある。)や、リグナイト(フミン酸誘導体)、pH調整剤(例えば、水酸化ナトリウム)、加重材を含有しうる。分散系泥水は、泥岩の保護機能、粘性や比重のコントロールの容易性、温度(一般のリグノスルホネート泥水の使用温度は約175℃、リグナイト泥水の使用温度は約190℃といわれる。)、塩、セメント等による耐力が、従来のリグノスルホネート泥水に比較して、より高められていることが期待できる。
本発明の泥水は、KCl泥水としても構成できる。Kイオンは粘土類の膨潤や分散を抑制する作用に非常に優れていることが知られている。その一方で凝集力が強すぎるために、従来はKイオンを大量に含んだ液中でも増粘性や保護コロイド性を発揮しうる、キタンサンガムや部分加水分解ポリアクリルアミド(PHPA)ポリマーと組み合わせて用いられてきた。キタンサンガムやPHPAと共にまたはそれらに代えて、本発明の組成物を用いることができる。本発明により提供されるKCl泥水は、泥岩の保護機能、粘性や比重のコントロールの容易性、塩やセメント等による耐力が、従来のKCl−ポリマー泥水と比較して、より高められていると期待できる。
本発明の泥水は、油系泥水としても構成できる。油系泥水には、油分95質量%以上のオイルマッド、さらに15〜35質量%の水および乳化剤を用いて調製した油中水型の乳化物であるインバートエマルジョンオイルマッドが含まれる。油系泥水は、一般に、水系の泥水に比較して、泥岩層の水和・膨潤の抑制、高温安定性、潤滑性、油層への水の浸入による生産性障害の防止、金属腐食を起こしにくい、腐敗による劣化が少ない等の利点がある。本実施態様により、これらの特性を生かしつつ、さらに改良された油系泥水が提供されると期待できる。
(フラクチャリング流体)
本発明の組成物を含む流体の一例は、圧破砕において使用されるフラクチャリング流体である。フラクチャリング流体における繊維状セルロースの含有量は、意図した効果が発揮される限り特に限定されない。フラクチャリング流体は、繊維状セルロースを固形分濃度で(繊維状セルロースの総量として)、例えば、0.002〜20質量%含有し、0.02〜2質量%含有することが好ましく、0.04〜1質量%含有することがより好ましい。
フラクチャリング流体は、一般に、溶剤または分散媒として、水や有機溶剤を90〜95質量%程度含有し、プロパント(支持体)を5〜9質量%程度含有する。さらに場合により、ゲル化剤、スケール防止剤、岩石等を溶解するための酸、摩擦低減剤等の種々の添加剤を0.5〜1質量%程度含有する。これらの成分および添加剤は、本発明のフラクチャリング流体も同様の範囲で含有することができる。
繊維状セルロースは、フラクチャリング流体において、プロパントの安定分散に加え、架橋反応による更なる粘度の向上や、使用後に分解して流体の粘度を低下させたりすることで柔軟な粘度コントロールを行うことができる。また、フラクチャリング流体において分解性の逸泥防止剤としての利用も可能である。逸泥を防止することで、坑内で圧力をかかりやすくできるため、より良い亀裂を形成させることができる。通常の逸泥防止剤をフラクチャリング流体に添加すると、ガスの産出流路を塞いでしまう恐れがあるが、繊維状セルロースからなる逸泥防止剤は、使用後に分解すれば、産出流路を塞ぐことがない。
(セメンチング流体)
本発明の組成物を含む流体の一例は、セメンチング流体である。セメンチング流体における繊維状セルロースの含有量は、意図した効果が発揮される限り特に限定されない。セメンチング流体は、繊維状セルロースを固形分濃度で(繊維状セルロースの総量として)、例えば0.001〜40質量%含有し、0.01〜20質量%含有することが好ましく、0.05〜5質量%含有することがより好ましい。
セメンチング流体には、ケイ酸三カルシウム等の一般用セメントや高温度の坑井に使用するクラスGセメント等の高温度耐久性セメントを使用することができる。セメンチング時間の最適化のために、セメント速硬剤やセメント遅硬剤等の固結剤を添加剤として使用することができる。また、セメント分散剤、流動性改善剤、低比重、低脱水セメント添加剤等も使用することができる。その他には、脱水調節剤、強度安定剤、加重材、置換効率の改善や坑内洗浄のためのセメントスペーサー添加剤、坑壁洗浄を行うケミカルウォッシュ添加剤等を添加することができる。さらに、セメントスラリー消泡剤、スケール防止剤、逸泥防止剤、アルミン酸カルシウム、ポリ燐酸ナトリウム、フライアッシュ、発泡剤、泡安定剤、及び泡を形成するに十分な量のガス等を添加することもできる。セメンチング流体が硬化したものに弾力性を与えるためには、流体は、必要に応じて不活性で粉砕されたゴムの粒子を含んでいてもよい。
微細繊維状セルロースは水中で三次元ネットワークを形成し、微細な物質であっても安定分散させることができる。例えば、セメンチング流体では、10μm以下のセメント粒子が存在している。微細繊維状セルロースは10μm以下の粒子であっても安定分散させることができる。また、疎水性の粒子も水中に安定分散させることができ、例えば、疎水処理された顔料粒子、鉱物等も安定分散させることができる。また、微細繊維状セルロースは親水性が高いため、セメンチング流体の水分離を抑えることができる。耐塩性も高いため、カルシウム分を多く含むセメンチング流体との相性も良好である。
また、地熱坑井のような二酸化炭素を含む高温井戸では、塩水を含む二酸化炭素の存在下で劣化しないセメンチング流体が望まれる。また、地熱坑井やそれに類する井戸で用いられるセメント組成物は軽量、例えば約9.5〜約14ポンド/ガロン(約1.14〜約1.68g/cm3)の範囲の密度であることが好ましい。本発明のセメンチング流体を、このような密度範囲に構成することもできる。
[地下層の処理方法、石油資源の生産方法]
本発明はまた、本発明の組成物または流体で地下層を処理することを含む、地下層の処理方法を提供する。地下層(地層ということもある)には、海底の地下層も含まれる。
地下層の処理には、種々の目的で使用する坑井の掘削が含まれる。坑井には、試掘井(exploratory well またはwildcat)、評価井(appraisal well)、探鉱井(exploratory wellまたはexploration well)、探掘井(delineation well)、開発井(development well)、生産井、圧入井(injection well)、観測井(observation well)、サービス井(service well)等が含まれるが、これらに限定されない。
また、地下層の処理には、下記のものが含まれる。
・セメンチング:主として坑井を掘った後、ケーシングと坑壁との隙間にセメントを充填してケーシングを固定するために行われる。
・坑井調査、検層作業(well logging): これには、泥水検層が含まれる。泥水検層は、循環している掘削泥水中の、ガスや掘り屑を観察、分析するものであり、それにより油ガス層を早期に察知し、また掘削中の岩相を知ることができる。
・石油資源の回収:これには、水攻法(water flooding)、ケミカル攻法(chemical flooding)が含まれる。
・坑井刺激:坑壁や坑井周辺の貯留層の性状を改善し、生産性の向上を図ること等を目的に行われる。これには、塩酸等を用いて洗浄する、酸処理(acidizing)、貯留層に亀裂を生じさせて流体の流路を確保する水圧破砕(hydraulic fracturing、hydrofracturing、fracking)が含まれる。さらに、砂層からの生産の場合の、砂の坑井への流入や砂を含む流体がチュービングや設備に被害を与えることを防止するための、砂対策(sand control)、樹脂を含む流体を地下層に圧入して砂岩を固める樹脂強化(plastic consolidation)等が含まれる。
・水系泥水、油系泥水、ケミカル・フルイド(chemical fluid)またはブライン(brine)を用いた坑井仕上げ。
・浸透率の低いタイトな地下層に通り道(割れ目、フラクチャ)を作るための、高圧のフラクチャリング流体を使用したフラクチャリング。
・坑井改修(well workover)。
・廃坑処理。
本発明はまた、本発明の組成物または流体で地下層を処理することを含む、石油資源の生産方法を提供する。石油資源とは、地下に存在する、固体、液体、気体のすべての鉱物性炭化水素を指す。石油資源の典型的な例は、一般的な区分である液体の石油(oil)と気体の天然ガスである。また石油資源には、在来型の石油(oil)、天然ガスのほか、タイトサンドガス、シェールオイル、タイトオイル、重質油、超重質油、シェールガス、炭層ガス、ビチュメン、ヘビーオイル、オイルサンド、オイルシェール、メタンハイドレートが含まれる。
以下の実施例により本発明を説明するが、本発明の範囲は実施例により限定されない。配合量は、質量%を表す。
<フリーネスの測定>
フリーネスの測定はJIS P 8121に準拠して行った。
<リグニン含量の算出>
リグニン含量Lの測定はTAPPI/ANSI T 236に従い、L(%)=カッパー価×0.13から算出した。
<カッパー価の測定>
カッパー価の測定はJIS P 8211に準拠して行った。製造物1,2は絶乾量0.25gの製造物を試験に供し、カッパー価5〜100の範囲の時の試験結果を適用した。ただし、製造物1は過マンガン酸カリウム(0.2mol/L)を100ml用いた。過マンガン酸カリウム 50%(質量/質量)消費へ換算するための補正係数は、TAPPI/ANSI T 236を参考にし、製造物1は1.061、製造物2は1.035とした。
<製造例1>
アカマツ60質量%と、カラマツ40質量%とを混合した木材チップを、原料木材チップとして用いた。
この木材チップを、ボールミルにて粉砕した。粉砕したチップを濃度が2質量%になるようイオン交換水で希釈した後、クリアランスを50μmに設定したシングルディスクリファイナーに5回通し、製造物1を得た。この製造物のフリーネスは219ml、固形分中のリグニン含量は21.7質量%であった。
<製造例2>
製造物1に、絶乾質量当たり1.5質量%の苛性ソーダを添加し、酸素圧0.75MPa、温度100℃、時間60分で酸素晒に供した。酸素晒後の製造物に、絶乾質量当たり0.8質量%の二酸化塩素を添加し、60℃で60分間D0段処理を行った。得られた製造物を水で濃度3質量%に希釈した後、濃度10質量%まで脱水し洗浄した。D0段後の製造物に、絶乾質量当たり苛性ソーダを1.0質量%、過酸化水素0.3質量%添加し、酸素ガスで0.15MPaに加圧し、70℃で90分間E/OP段処理を行った。得られた製造物を水で濃度3質量%に希釈した後、濃度10質量%まで脱水し洗浄した。E/OP段後の製造物に、絶乾質量当たり二酸化塩素を0.2質量%と苛性ソーダを0.05質量%添加し、70℃で180分間D1段処理を行い、製造物2を得た。この製造物2のフリーネスは131ml、固形分中のリグニン含量は17.5質量%であった。
<製造例3>
カラマツ70質量%と、ダグラスファー25質量%と、スラッシュパイン5質量%とを混合した木材チップを、原料木材チップとして用いた。
この木材チップを、浸透タワーにて、硫化度27%、有効アルカリ10%の白液に、液比4.0で1時間浸透させた後、蒸解釜にて同白液を用いて、液比5.0、蒸解温度150℃で5時間クラフト蒸解を行った。クラフト蒸解終了後、黒液を分離し、得られたチップをプレッシャーディフューザー、ディフュージョンウォッシャーにて洗浄し、その後、スクリーンにより異物および未蒸解物を取り除いた。
得られた蒸解物を製造例1と同様の方法で漂白処理を行い、製造物3を得た。この製造物のフリーネスは764ml、固形分中のリグニン含量は0.52質量%であった。
<製造例4>
針葉樹晒クラフトパルプ(王子エフテックス社製、水分50質量%、フリーネス700ml)に、濃度4質量%になるように水を加えた。次いで、ダブルディスクリファイナーを用いて変則フリーネス(平織り80メッシュ、パルプ採取量を0.3gとした以外はJIS P8121に準ずる)が265ml、平均繊維長が0.66mmになるまで叩解して、製造物4を得た。この製造物のフリーネスは28ml、固形分中のリグニン含量は0.39質量%であった。
<製造例5>
製造物1のスラリー(濃度3.5質量%)をブフナー漏斗と真空ポンプを用い、真空濾過して脱水し、フリーネスが219mlであり、固形分中のリグニン含量が21.7質量%である製造物5(濃度17.5質量%)を得た。
<製造例6>
製造物2のスラリー(濃度3.5質量%)をブフナー漏斗と真空ポンプを用い、真空濾過して脱水し、フリーネスが131mlであり、固形分中のリグニン含量が17.5質量%である製造物6(濃度16質量%)を得た。
<製造例7>
製造物5を、乾燥機を用いて105℃で16時間乾燥し、フリーネスが219mlであり、固形分中のリグニン含量が21.7質量%である製造物7(濃度100質量%)を得た。
<製造例8>
製造物6を、乾燥機を用いて105℃で16時間乾燥し、フリーネスが131mlであり、固形分中のリグニン含量が17.5質量%である製造物8(濃度100質量%)を得た。
<製造例9>
製造物6を22℃で5日間風乾し、フリーネスが131mlであり、固形分中のリグニン含量が17.5質量%である製造物9(濃度80.5質量%)を得た。
<製造例10>
製造物3を、乾燥機を用いて105℃で16時間乾燥し、フリーネスが764mlであり、固形分中のリグニン含量が0.52質量%である製造物10(濃度100質量%)を得た。
<製造例11>
エゾマツ由来の木材チップを、槇野産業製DDミルにて粉砕した。得られた粉砕物を、乾燥機を用いて105℃で16時間乾燥し、100質量%の製造物11を得た。この製造物のフリーネスは550ml、固形分中のリグニン含量は26.8質量%であった。
<繊維幅の測定>
製造物1〜4および製造物11の繊維幅を下記の方法で測定した。
濃度0.01〜0.1質量%に水で希釈し、親水化処理したカーボングリッド膜に滴下した。乾燥後、酢酸ウラニルで染色し、透過型電子顕微鏡(日本電子社製、JEOL−2000EX)により観察した。
また、濃度0.01〜0.1質量%に水で希釈し、スライドガラスに滴下した。カバーガラスをかぶせ、デジタルマイクロスコープ(Hirox製、KH−7700)により観察した。
上記により、製造物1〜4および製造物11には、平均繊維幅1000nm以下の微細繊維状セルロースが含まれていることを確認した。また、製造物1〜4および製造物11には、平均繊維幅が1μmより大きく、繊維長さが10μm以上である粗大繊維状セルロースも含まれていた。
<実施例1>
製造物2(濃度3.5質量%)の最終濃度が0.6質量%、グアーガムの最終濃度が0.4質量%になるようにイオン交換水に添加した。ディスパーザーを用いて1400rpmで10分間攪拌し、分散液120gを作製した。
<実施例2>
製造物2の代わりに製造物1(濃度3.5質量%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、分散液を作製した。
<実施例3>
グアーガムの最終濃度を0.2質量%に変更したこと以外は実施例1と同様にして、分散液を作製した。
<実施例4>
グアーガムの最終濃度を0.3質量%に変更したこと以外は実施例1と同様にして、分散液を作製した。
<実施例5>
グアーガムの最終濃度を0.5質量%に変更したこと以外は実施例1と同様にして、分散液を作製した。
<実施例6>
製造物2の代わりに製造物6を用いたこと以外は実施例1と同様にして、分散液を作製した。
<実施例7>
製造物2の代わりに製造物5を用いたこと以外は実施例1と同様にして、分散液を作製した。
<実施例8>
製造物2の代わりに製造物8を用いたこと以外は実施例1と同様にして、分散液を作製した。
<実施例9>
製造物2の代わりに製造物7を用いたこと以外は実施例1と同様にして、分散液を作製した。
<実施例10>
製造物2の代わりに製造物9を用いたこと以外は実施例1と同様にして、分散液を作製した。
<実施例11>
グアーガムの代わりにキサンタンガムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、分散液を作製した。
<比較例1>
グアーガムを添加しないこと以外は実施例1と同様にして、分散液を作製した。
<比較例2>
グアーガムを添加しないこと以外は実施例2と同様にして、分散液を作製した。
<比較例3>
グアーガムを添加しないこと以外は実施例8と同様にして、分散液を作製した。
<比較例4>
グアーガムを添加しないこと以外は実施例9と同様にして、分散液を作製した。
<比較例5>
グアーガムを添加しないこと以外は実施例10と同様にして、分散液を作製した。
<比較例6>
製造物2を添加しないこと以外は実施例1と同様にして、分散液を作製した。
<比較例7>
製造物2を添加しないこと以外は実施例11と同様にして、分散液を作製した。
<比較例8>
製造物2の代わりに製造物4(濃度3.5質量%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、分散液を作製した。
<比較例9>
グアーガムを添加しないこと以外は比較例8と同様にして、分散液を作製した。
<比較例10>
製造物2の代わりに製造物3(濃度12.5質量%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、分散液を作製した。
<比較例11>
グアーガムを添加しないこと以外は比較例10と同様にして、分散液を作製した。
<比較例12>
製造物2の代わりに製造物10を用いたこと以外は実施例1と同様にして、分散液を作製した。
<比較例13>
グアーガムを添加しないこと以外は比較例12と同様にして、分散液を作製した。
<比較例14>
製造物2の代わりに製造物11を用いたこと以外は実施例1と同様にして、分散液を作製した。
<比較例15>
グアーガムを添加しないこと以外は比較例14と同様にして、分散液を作製した。
<評価>
実施例1から11及び比較例1から15の分散液の粘度を下記の方法で測定した。また実施例1から11及び比較例1から15の分散液の粒子分散性を下記の基準で評価した。結果を表1に示す。
(粘度の測定)
分散後の水溶液の粘度をB型粘度計(BLOOKFIELD社製、アナログ粘度計T−LVT)を用いて25℃にて回転数3rpmで3分間回転させ、測定した。
粘度の単位は、mPa・Sである。
(粒子分散性の評価)
調製した分散液を100g取り、プロパントを10g(例えば、SINTEX社製ボーキサイト40/80)を添加して、1分間撹拌したプロパント分散液を調製した。調製したプロパント分散液を容積100mlのメスシリンダーに入れ、プロパント分散液の最上部が位置するメスシリンダーの目盛(以下、「静置前の目盛」という。)を読み取り、次いで、1時間静置した後に、プロパントの最上部が位置するメスシリンダーの目盛(以下、「静置後の目盛」という。)を読み取った。静置前のメスシリンダーの最上端の目盛を0mlとし、メスシリンダーの最下端の目盛を100mlとして、目盛を読み取った。目盛の値から下記の基準で粒子分散性を評価した。粒子分散性は、静置後の目盛が小さいほど優れているといえる。本発明の組成物により、粒子分散性を70ml未満とすることができる。好ましい態様においては、55ml未満とすることができ、さらに好ましい態様においては、40ml未満とすることができる。
評価基準:
◎:静置後の目盛が40ml未満
○:静置後の目盛が40ml以上55ml未満
△:静置後の目盛が55ml以上70ml未満
×:静置後の目盛が70ml以上
Figure 0006531604
実施例に示すように、機械的にフィブリル化処理を行った木質繊維と水溶性高分子を含む組成物は、増粘剤としての高い粘度および粒子分散性を有していた。とりわけ、実施例1および11で得られた粘度は、単純に組成物単体の粘度が足し合わされた以上の粘度になっており、適度なリグニン含量が優れた相乗効果を発現することが示された。実施例6〜10は、乾燥工程を含んだものであるが、結果に大きな違いは確認できず、本手法は乾燥物に対しても適用できることが示された。
比較例8および9は、製造物のフリーネスの低さからも分かる通り、水馴染みが非常に良い。また、リグニンをほとんど含んでいない。そのため、水と繊維間で強力に水素結合が形成されてしまい、水溶性高分子が適切に木質繊維の近傍に分散できず、凝集してしまったことにより、粒子分散性が発揮されなかった。
比較例10〜13では、製造物のフリーネスが高いことから分かる通り、水馴染みが悪く、かつリグニンをほとんど含んでいない。そのため、繊維状セルロース間で水素結合が強く働くことで木質繊維が一部凝集してしまい、水溶性高分子との水素結合形成が妨げられた。よって、粘度の割に粒子分散性が発揮されていなかった。
比較例14および15では製造物のフリーネスが高く、かつリグニン含量が多いことから分かるように疎水性であり、水溶性高分子との水素結合が形成されにくい。また、水ともあまり馴染ないことから、粘度および粒子分散性が低かった。

Claims (16)

  1. (a)フリーネスが50以上300以下であり、固形分中のリグニン含量が10質量%以上25質量%以下である木質繊維、(b)水溶性高分子、及び(c)溶媒、を含む組成物。
  2. (a)フリーネスが50以上300以下であり、固形分中のリグニン含量が5質量%以上25質量%以下である木質繊維、(b)水溶性高分子、及び(c)溶媒、を含み、増粘剤として使用する組成物
  3. (a)フリーネスが50以上300以下であり、固形分中のリグニン含量が5質量%以上25質量%以下である木質繊維、(b)水溶性高分子、及び(c)溶媒、を含み、地下層処理用組成物である組成物
  4. 木質繊維が少なくとも繊維状セルロースを含む、請求項1から3の何れか一項に記載の組成物。
  5. 木質繊維の固形分濃度が、0.2質量%以上1質量%以下である、請求項1から4の何れか一項に記載の組成物。
  6. 水溶性高分子がノニオン性高分子である、請求項1からの何れか一項に記載の組成物。
  7. 水溶性高分子が天然多糖類である、請求項1からの何れか一項に記載の組成物。
  8. 水溶性高分子の固形分濃度が、0.1質量%以上1質量%以下である、請求項1からの何れか一項に記載の組成物。
  9. 溶媒が水である、請求項1からの何れか一項に記載の組成物。
  10. 増粘剤として使用する、請求項1及び3から9の何れか一項に記載の組成物。
  11. 地下層処理用組成物である、請求項1、2及び4から10の何れか一項に記載の組成物。
  12. 請求項3又は11に記載の組成物で地下層を処理することを含む、地下層の処理方法。
  13. 請求項3又は11に記載の組成物で地下層を処理することを含む、石油資源の生産方法。
  14. 木質繊維の分散液を濃縮または乾燥させ、得られた濃縮液または乾燥物と水溶性高分子とを溶媒に再分散させて再分散液を得る工程を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
  15. 木質繊維と水溶性高分子とを含む分散液を濃縮または乾燥させ、得られた濃縮液または乾燥物を溶媒に再分散させて再分散液を得る工程を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
  16. 濃縮が、濃縮剤、乾燥機、又は濾過脱水の何れかにより実施される、請求項14又は15に記載の製造方法。
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