以下、本発明を適用した実施形態の一例を説明するが、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限られないことは勿論である。
図1は、本実施形態におけるゲームシステムの構成の一例を示す図である。本実施形態のゲームシステム1000は、通信回線9に接続することで相互にデータ通信が可能なサーバシステム1100及び複数のユーザ端末1500(1500a,1500b,…)を含むコンピュータシステムであり、ゲームというコンテンツを提供するコンテンツ提供システムである。
通信回線9は、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、通信回線9とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
サーバシステム1100は、本体装置1101と、キーボード1106と、タッチパネル1108と、ストレージ1140とを有し、本体装置1101には制御基板1150を搭載する。
制御基板1150には、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153が搭載されている。なお、制御基板1150の一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
そして、サーバシステム1100は、制御基板1150が所定のプログラム及びデータに基づいて演算処理することにより、1)ユーザ登録等に係るユーザ管理機能と、2)ユーザであるプレーヤ2(2a,2b,…)がユーザ端末1500(1500a,1500b,…)でゲームプレイするのに必要なデータを提供してユーザ端末1500(1500a,1500b,…)でのゲームの実行制御を管理するゲーム管理機能と、3)ゲームで利用可能な様々なアイテムをオンラインでユーザに販売するオンラインショッピング機能と、を実現する。つまり、本実施形態におけるゲームは、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。
なお、サーバシステム1100は単体として記しているが、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であっても良い。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、通信回線9を介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であっても良い。
ユーザ端末1500(1500a,1500b,…)は、プレーヤ2(2a,2b,…)である登録済ユーザがゲームプレイのために個別に使用するコンピュータシステムであって、通信回線9を介してサーバシステム1100にアクセスしてオンラインゲームを実行できる電子装置(電子機器)である。本実施形態のユーザ端末1500は、いわゆるスマートフォンと呼ばれる装置であるが、携帯型ゲーム装置や、ゲームコントローラ、パソコン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、業務用ゲーム装置などでもよい。
図2は、本実施形態におけるユーザ端末1500の構成例を示す正面図である。
ユーザ端末1500は、方向入力キー1502と、ボタンスイッチ1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、スピーカ1510と、内蔵バッテリー1509と、マイク1512と、イメージセンサユニット1520と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540からデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542と、を備える。その他、図示されていない電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。また、ゲームプレイの対価の支払いが可能なICカード型のクレジットカードやプリペイドカードに対して非接触にデータの読み書きが行えるICカード読取装置などを設けるとしてもよい。
制御基板1550は、CPU1551やGPU,DSPなどの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、通信回線9に接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局などと無線通信するための無線通信モジュール1553、インターフェース回路1557などを搭載する。
インターフェース回路1557には、タッチパネル1506のドライバ回路、方向入力キー1502及びボタンスイッチ1504からの信号を受信する回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音した音声の信号を生成する入力信号生成回路、イメージセンサユニット1520で撮影された画像の画像データを入力する回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路、などが含まれている。
制御基板1550に搭載されているこれらの要素は、バス回路などを介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部または全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。そして、制御基板1550は、本実施形態のゲームのユーザ端末としての機能を実現させるためのプログラムや各種データをICメモリ1552に記憶する。
なお、本実施形態では、ユーザ端末1500はクライアントプログラムや各種設定データをサーバシステム1100からダウンロードする構成としているが、別途入手したメモリカード1540などの記憶媒体から読み出す構成としても良い。
[ゲームの説明]
図3は、本実施形態におけるコンテンツであるチーム対戦型オンラインゲームの概要を説明するための図である。本実施形態のゲームシステム1000が提供するコンテンツは、複数のプレーヤ2(2a,2b,…)が所属する複数のチーム3(3a,3b,…)で競い合うチーム対戦型オンラインゲームである。本実施形態では、3つ以上のチーム3で競い合うこととするが、2つのチームで競い合うゲームとしてもよい。
プレーヤであるユーザ(以下、プレーヤ2という。)は、何れかのチームのチームメンバーとなる。各プレーヤは、それぞれプレーヤキャラクタ4(4a,4b,…)を単数又は複数用意して、武器や防具などといったアイテム7(7a,7b,…)を装備させてゲームプレイし、プレイ状況(プレイ成績、プレイ頻度などを含む意)に応じたプレイ指標値を稼いで、蓄積プレイ指標値612(612a,612b,…)として貯める。
所属メンバーの蓄積プレイ指標値612の合計であるチーム指標値653(653a,653b,…)が各チームのチーム成績となり、チーム指標値653の比較によりチーム間の成績の優劣が決定することになる。よって、その意味合いから蓄積プレイ指標値612を「チーム貢献度」と表現してもよいだろう。
チーム間の成績の優劣は、例えば図4に示すような成績表示画面W4にて、チーム別の占有面積の大小に置き換えられて示される。本実施形態では、各チームは天下統一を目指す各地の武装勢力であり、領土が隣接する他チームと交戦して領土を拡張しつつ全領域の獲得を目指す。成績表示画面W4では、マップ15の輪郭が描かれ、その内部が各チームに予め設定されている拠点16を含むようにしてチーム別のカラーにより塗り分けられている。塗り分けの比率は各チームの最新のチーム指標値653の比率と同じになるように自動的に調整される。
また、成績表示画面W4には、ランキング表示部18が含まれる。ランキング表示部18では、当該画面を表示させているユーザ端末1500を使用しているプレーヤ(当該ユーザ端末1500にとってのプレーヤ。「自プレーヤ」という。)の所属チームにおけるチームメンバーの成績順位が表示される。所属チームにおける各プレーヤの成績は、それまでに獲得した蓄積プレイ指標値612に基づいて決定され、最も蓄積プレイ指標値612を有しているプレーヤがランキング第1位とされる。
図5は、本実施形態においてプレーヤが蓄積プレイ指標値612を稼ぐ場の1つとされる第1ゲームを説明するための図である。
プレーヤ2は、ユーザ端末1500で所定のログイン手続きをすると、第1ゲームをプレイすることができる。換言すると、第1ゲームは、本実施形態のゲームにおける通常のゲームモードであり、通常のゲームパート(通常パート)に相当する。第1ゲームの内容は適宜設定可能であるが、本実施形態ではプレーヤの所属するチームが領土を隣接させている他チームのプレーヤと対戦するシングルプレイゲームとする。
具体的には、ユーザ端末1500にて所定の第1ゲームのプレイ開始操作を入力すると、自プレーヤの所属チームと領土を隣接させている他チームが「相手チーム」として自動的に選択される、或いはプレーヤによる手動選択により決定される。そして、当該相手チームのメンバーのなかから自プレーヤと実力が最も近い他プレーヤが「相手プレーヤ」として自動的に選択され、当該他プレーヤのセーブデータを使用したコンピュータ対戦形式のシングルプレイが実行される。
対戦の内容は適宜設定可能であるが、本実施形態では、部隊対部隊の合戦ゲームとする。
第1ゲームのゲーム画面W5には、対戦するチームの組み合わせを示す対戦組み合わせ表示部20と、合戦の様子が表示される主表示部21と、自プレーヤの部隊についての各種情報を表示するステータス表示部22と、各種操作アイコンを表示するアイコン表示部23と、が含まれる。
主表示部21には、仮想のゲーム空間に自プレーヤの部隊である自部隊30と、相手プレーヤの部隊である敵部隊40とが表示される。なお、図5の例では、自部隊30及び敵部隊40をそれぞれ1つずつ図示しているが、第1ゲームに登場可能な部隊数は1つに限られるものではなく、適宜設定可能である。
自部隊30は、自プレーヤが所有しているプレーヤキャラクタ4のなかから今回のゲームプレイのために選択された士官キャラクタ31と、その部下である兵卒キャラクタ32とで構成される。
士官キャラクタ31は、プレーヤがオンラインショッピングで購入或いはゲーム内で獲得することのできるプレーヤキャラクタ4である。プレーヤキャラクタ4は、予め複数種類用意されている。プレーヤは自身が所有しているプレーヤキャラクタ4のなかから好みのキャラクタを第1ゲームで使用する士官キャラクタ31として選択することができる。
そして、士官キャラクタ31には、それぞれ攻撃や防御、移動、など様々な基本能力が設定されており、それらは過去のプレイ成績に応じて自動的に向上するように更新される。つまり、士官キャラクタ31はゲームプレイ結果に基づいて成長するように制御される。勿論、自動成長する構成に限らず、例えばプレイ成績に応じて能力向上ポイントがプレーヤに付与され、プレーヤの意志で士官キャラクタ31に任意に能力向上ポイントを割り振り、手動で成長を管理する構成としてもよい。
一方、兵卒キャラクタ32は、汎用デザインのモブキャラクタであって、士官キャラクタ31の能力パラメータ値が高い程高い能力が兵卒キャラクタ32に設定される。以下適宜、プレーヤキャラクタ4の部下である兵卒キャラクタ32を「自兵卒キャラクタ」と呼ぶ。
敵部隊40もまた、士官キャラクタ41と、敵兵卒キャラクタ42とで構成される。
士官キャラクタ41は、相手プレーヤが所有するプレーヤキャラクタ4であって、直近過去のゲームプレイで相手プレーヤにより使用されたプレーヤキャラクタ4である。敵兵卒キャラクタ42は、自部隊30用の自兵卒キャラクタ32と同じ位置付けのモブキャラクタであるが、敵味方の識別がし易いように自部隊30用の自兵卒キャラクタ32とは異なる意匠を有している。
プレーヤは、ゲーム画面W5が表示されているタッチパネル1506(図2参照)への各種タッチ操作や、アイコン表示部23の各種操作アイコンを選択操作して、自部隊30へ命令して第1ゲームをプレイする。すなわち、自部隊30は、タッチ操作や操作アイコンに割り当てられた部隊への命令(例えば、指定位置や指定方向への移動、近接攻撃、遠距離攻撃、その場で防御、回避、隊列変更、アイテムの使用、撤退、など)を実行するように制御される。対して、敵部隊40の動作制御は、所定のアルゴリズムに従って自動制御される。
第1ゲームでは、自部隊30が敵部隊40を所定時間内に全滅又は撤退させると勝利となり、逆に全滅又は撤退させられると敗退となる。時間内に双方全滅も撤退もしなければドロー(引き分け)となる。そして、自部隊30が敵部隊40に与えたダメージや、勝利/敗退/ドローの勝敗結果、プレイ中に使用した有料アイテムの種類や量、などといったプレイ成績(ゲームプレイ結果)に基づいて、第1ゲームにおけるプレイ指標値28(図5参照)が決定され、この第1ゲームにおけるプレイ指標値28がプレーヤ2に付与されて、蓄積プレイ指標値612(図3参照)に加算される。
また、プレイ成績に応じて第1ゲームで使用されたプレーヤキャラクタ4には経験値27が付与される。この経験値27等に基づいて当該プレーヤキャラクタ4の能力が向上される。
図6は、本実施形態においてプレーヤが蓄積プレイ指標値612を稼ぐ場のもう1つとされる第2ゲームについて説明するための図である。
第2ゲームは、特定の実施条件が満たされると実施される特別なゲームモードであり、第1ゲームよりも有利にプレイ指標値を稼ぐことができることから「ボーナスパート」とも言える。本実施形態では、所与のタイミングで実行可能となるゲーム、すなわちゲーム運営者により設定された期間(例えば、毎月末に所定期間)だけ実施される期間限定イベントである。
第2ゲームの実施条件や実施形態は適宜設定可能である。例えば、実施条件を、カレンダー上の日付に係わらず、第1ゲームにおける所属プレーヤのプレイ状況(具体的には、特別アイテムをチーム全体とて所定数集めた、或いは基準値以上の勝利数や勝率を実現した、或いはゲームストーリーの所定の節目に到達した、など)に達したこととしてもよい。そして、実施条件を満たしたチームを対象に、当該チームのメンバーのみが参加できる第2ゲームを期限付きで実施するとしてもよい。
本実施形態の第2ゲームは、チームメイトと協力するマルチプレイゲームである。
第2ゲームの内容は適宜設定可能であるが、本実施形態では、プレーヤの所属チームと領土が隣接する相手チーム(本実施形態ではランダムに選択されることとするが、発動対象チームのチーム代表プレーヤが選択するとしてもよい。)の城を攻める攻城戦ゲームである。すなわち、城の本丸(或いはレイドボス)に相当する攻撃の主目標46と、これを防衛する城壁や守備隊、或いはそれら両方の組み合わせとして表現される防御要素47とを、共通する攻撃対象として期限内に撃破・破壊することを目的とした攻城戦をテーマとしている。
本実施形態では、発動対象チームのメンバーであるプレーヤがユーザ端末1500にてゲームプレイを開始する操作を入力すると、第2ゲームが発動している期間中は、第1ゲームは実行されずに第2ゲームが実行可能となる。
そして、自部隊30に主目標46や防御要素47を攻撃させてダメージを与えると、与えたダメージ等を変数とする所定の関数によって「第2ゲームにおけるプレーヤ別のプレイ指標値48(48a,48b,…)」が決定される。しかも、第2ゲームに適用される当該関数は、第1ゲームに適用される関数(プレイ指標値28(図5参照)を導出する関数)とは異なり、変数が同じでもより多くの値を導出するように設定されている。言い換えると、第2ゲームにおけるプレイ指標値48は、第1ゲームにおけるプレイ指標値28よりも稼ぎ易い様に設定されており、プレーヤは「おいしいプレイ」を堪能することができる。
そして、第2ゲームにおけるプレイ指標値48は、プレーヤ別に蓄積プレイ指標値612(図3参照)に加算され、所属チームのチーム指標値653(図3参照)を増加させることとなる。つまり、各プレーヤの第2ゲームでの奮闘は、所属チームのチーム間競争に貢献することになる。よって、第2ゲームは、チーム間で競争する上で、またチーム内で自分が上位となるためには是非ともプレイしたい重要な要素となっている。
なお、第2ゲームにおけるプレイ指標値48(48a,48b,…)を決定する関数の変数には、主目標46や防御要素47へ与えたダメージの他にも、防御要素47を倒すまでの攻撃の数(最終撃破数)、第2ゲームに参加した累積時間や累積回数、第2ゲーム中に使用した有料アイテム(オンラインショッピングにて購入したアイテム)の種類や数、など、第2ゲームでプレイした努力や活躍を示すパラメータ値を適宜用いることができる。
また、本実施形態では、発動対象チームのチームメンバーに付与される第2ゲームにおけるプレイ指標値48は、相手チームのチームメンバーが過去に獲得している蓄積プレイ指標値612(図3参照)を原資とする。
具体的には、先ず、第2ゲームの相手チームのチームメンバーそれぞれの分担比率を、当該チームメンバーそれぞれの蓄積プレイ指標値612(図3参照)に応じて(例えば比例配分として)設定する。そして、当該チームメンバーそれぞれが獲得している蓄積プレイ指標値612から、それぞれの分担比率に「発動対象チームのチームメンバーに付与される第2ゲームにおけるプレイ指標値48の合計値」を乗じた値が削減される。つまり、発動対象チームは、第2ゲームにおいてプレイ指標値48を稼ぐことで、第2ゲームの相手チームのプレイ指標値を減少させることができる。勿論、第2ゲームにおけるプレイ指標値48の原資を、第2ゲームの相手チームに求めない構成(すなわち、相手チームのプレイ指標値48は減少しない構成)とすることも可能である。
さて、本実施形態では、プレーヤにゲームプレイを繰り返してもらう動機付けをもたらす仕組みとして、士官キャラクタ31とすることのできるプレーヤキャラクタ4に、第1ゲームでは発現せず第2ゲームで発現可能な特別能力を、少なくとも第1ゲームのゲームプレイに基づいて取得させる。そして、当該キャラクタの第2ゲームでの使用に基づいて特別能力に係る制限を実施する。
図7は、プレーヤキャラクタ4の能力向上(成長)と、特別能力の取得及び制限について説明するための図である。図7(1)に示すように、プレーヤキャラクタ4を第1ゲームや第2ゲームで使用すると、当該キャラクタにはプレイ成績等に応じた経験値が付与され、累積経験値等に応じてその基本能力が向上される。例えば、基本能力の1つである攻撃力が向上すると、同じ1撃でもより多くのダメージを敵に与えられるようになる。
そして、プレーヤキャラクタ4の累積経験値、或いは成長度合を示す指標(例えば、キャラクタレベルなど)が所定の取得条件に達すると、当該キャラクタは、第2ゲームでのみ発現可能な「特別能力」を取得する。なお、「取得する」は、ゲーム内容によっては、キャラクタが予め持っているが封印されている能力を「開放する」としてもよい。
そして、図7(2)に示すように、特別能力を取得したプレーヤキャラクタ4を、第2ゲームで使用し、プレーヤが所定の発現操作を行って第2ゲーム内でその特別能力を発現させると、基本能力だけでは到底実現できない程に有利にゲームを進める事ができる。
「特別能力」はゲーム内容に応じて適宜設定可能である。例えば、通常よりも攻撃対象範囲を広げる能力、攻撃ダメージを通常よりも大きくする能力、防御力を高める能力、敵の索敵能力を奪う能力、など適宜設定可能である。なお、1つのゲームに用意される特別能力の種類は1つに限らず、複数種類用意してもよい。また、1体のキャラクタが取得する特別能力は1種類に限らず、同時に複数種類の特別能力を取得するとしてもよい。
図8は、特別能力の発現に基づく有利なゲーム展開の例を説明するための図である。
図8(1)に示すように、第1ゲームではプレーヤキャラクタ4の行動には基本能力が適用される。基本能力のうち攻撃力に着目すると、プレーヤキャラクタ4の攻撃には基本の攻撃力(図示の例では、単体の敵に対して作用する剣撃)に基づいて敵に与えるダメージが決定される。そして、第1ゲーム中にプレーヤキャラクタ4が与えた総ダメージ量を含むプレイ成績のパラメータ値を変数として所定の関数fで基礎値を算出し、これに第1ゲームに適用される第1の係数(図示の例では「1.0」)を乗じて、プレーヤが獲得する獲得プレイ指標値が決定する。
図8(2)に示すように、特別能力を取得したプレーヤキャラクタ4を第2ゲームで使用しても、基本的には第1ゲームと同様に基本能力が適用される。つまり、敵が同じであれば、基本的にはダメージは同じになる。
但し、第2ゲームでは、プレーヤが獲得するプレイ指標値は、第1ゲームよりも有利に算出される。具体的には、第1ゲームに適用されたのと同じ関数fで基礎値を算出するが、これに第2ゲームに適用される第2の係数(>第1の係数;図示の例では「1.5」)を乗じて、プレーヤが獲得する獲得プレイ指標値が決定する。つまり、同じキャラクタを使って、同じプレイ成績を上げたとしても、第2ゲームの方がプレーヤは有利にゲームを進められる。
そして、図8(3)に示すように、特別能力を取得したプレーヤキャラクタ4を第2ゲームで使用し、プレイ中に所定の発現操作をすると特別能力が発現される。図示の例では、特別能力を、プレーヤキャラクタ4の周囲所定範囲の敵に基本能力の所定倍のダメージを1度に与えられる「対域攻撃」としている。つまり、1回の攻撃で第1ゲームや第2ゲームでも基本能力のみでの戦闘よりも遥かに大きな総ダメージを稼ぎ、より多くのプレイ指標値を獲得することができる。つまり、同じプレーヤキャラクタ4でも特別能力を取得させた状態で第2ゲームに使用し、特別能力を第2ゲーム内で発現させると、はるかに有利にゲームを進めることができるので、プレーヤは「おいしいプレイ」を堪能できる。なお、特別能力を取得したプレーヤキャラクタ4を第2ゲームで使用する場合、自動的に特別能力が発現した状態になることとしてもよい。その場合、発現操作が不要となる。
図7に戻って、図7(2)〜(3)に示すように、特別能力を取得したプレーヤキャラクタ4の「第2ゲームにおける使用状況」に応じて、「特別能力の制限」が実施される。
「第2ゲームにおける使用状況」は、
1)第2ゲームでプレーヤキャラクタ4を使用した回数(使用回数)、
2)第2ゲームでプレーヤキャラクタ4を使用した累積時間(使用時間)、
3)第2ゲームでプレーヤキャラクタ4を使用した頻度(単位時間(例えば、1時間や1日)当たりの使用回数のこと。使用頻度)、
4)特別能力を第2ゲームで発現させた回数(発現回数)、
5)特別能力を第2ゲームで発現させた頻度(単位時間(例えば、1時間や1日)当たりの発現回数のこと。発現頻度)、
6)特別能力を第2ゲームで発現させた時間長(発現時間長)、
7)第2ゲームでプレーヤキャラクタ4が使用した(プレーヤキャラクタ4に使用した)使用アイテム数、
8)プレーヤキャラクタ4を行動させるのに必要とされ、行動毎に消費され、時間経過やアイテムの使用で回復されるゲームパラメータ値(例えば、体力値、行動力、リキャストタイム等と呼ばれるパラメータ値;本実施形態では包括して「体力値」とする。)の消費値(消費体力値)、
などのパラメータで表される。そして、それらのパラメータの1つ又は複数の組み合わせで記述された制限実行条件が満たされた場合に、図7(3)に示すように、特別能力の制限が実行される。
「特別能力の制限」の内容(制限内容)は、ゲーム内容やゲームバランスを考慮して適宜設定可能である。例えば、特別能力を発現可能な状態としたキャラクタの第2ゲームでの使用機会を減らす(例えば、上限使用回数や、上限使用頻度、上限使用時間、残体力値、などを減らす)、第2ゲームにおいて特別能力を発現させることができる発現機会を減らす(例えば、上限発現回数や、上限発現頻度、上限発現時間、残体力値、などを減らす)、
特別能力の作用効果を減らす、と言った効果が生じるように制限を実行する。
例えば、
1)特別能力を取得したプレーヤキャラクタ4から特別能力を剥奪する、換言すると、特別能力の残りの発現許可回数を減らす又は一気に「0」にする、
2)特別能力を取得したプレーヤキャラクタ4の第2ゲームにおける残りの使用許可回数を減らす又は一気に「0」にする、
3)特別能力を取得したプレーヤキャラクタ4の第2ゲームにおける残りの使用可能時間を減らす又は一気に「0」にする、
4)特別能力の作用効果を低減する。(ここでいう作用効果としては、例えば、能力が作用する範囲、作用の程度、作用の持続時間、作用の対象とされる敵或いは味方の数、などが挙げられる。)、
5)特別能力の発現持続時間を低下させる、
6)発現操作から実際に特別能力が発現されるまでの時間差を増やす、
などによる制限が可能である。勿論、これら以外の制限方法も採用可能である。
制限内容は、これらの方法の1つ又は複数を組み合わせることができる。
そして、本実施形態では、特別能力の種類別に用意された制限実行条件が満たされた場合に、当該種類に対応づけられる制限内容が適用・実施されるものとする。
[機能構成の説明]
図9は、本実施形態におけるサーバシステム1100の機能構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態におけるサーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、音出力部390sと、画像表示部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
操作入力部100sは、サーバの管理のための各種操作を入力するための手段である。図1のキーボード1106がこれに該当する。
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、ユーザ端末1500から受信したデータ、等に基づいて各種の演算処理を実行して、サーバシステム1100の動作を統合的に制御する。
そして、本実施形態のサーバ処理部200sは、ユーザ管理部202と、オンラインショッピング管理部204と、ゲーム管理部210と、計時部280sと、音生成部290sと、画像生成部292sと、通信制御部294sとを含む。勿論、これら以外の機能部も適宜含めることができる。
ユーザ管理部202は、ユーザ登録手続きに係る処理及びユーザアカウントに紐付けられる各ユーザのデータの管理を行う。本実施形態では、ユーザ管理部202は、1)登録ユーザへの固有のユーザアカウントの付与と、2)ユーザアカウント別に個人情報を登録管理する登録情報管理と、3)課金要素(本実施形態ではオンラインショッピングとプレイ対価)の支払いで消費される電子決済媒体の帳簿管理と、4)照会要求の履歴を管理するプレイ履歴管理と、5)ゲームセーブデータの管理と、の各機能を有する。勿論、これら以外のアカウントに紐付けられる他のデータの管理機能も適宜含めることができる。
オンラインショッピング管理部204は、オンラインショッピングに関する制御を担い、公知のオンラインショッピング技術を適宜利用して実現できる。本実施形態では、プレーヤは、オンラインショッピングによって、ゲーム内で使用するアイテム等を購入することができる。オンラインショッピングにおける販売対象は、これら以外にも適宜設定可能である。
ゲーム管理部210は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のゲームは、クライアント・サーバ型のオンラインゲームなので、本実施形態のゲーム管理部210は、ユーザ端末1500と通信を行いながらゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。そして、本実施形態のゲーム管理部210は、キャラクタ付与制御部212と、第1ゲーム進行制御部214と、能力取得制御部216と、制限制御部218と、第2ゲーム進行制御部220と、を有する。勿論、これら以外の機能部も適宜含むとしてもよい。
キャラクタ付与制御部212は、第1ゲーム及び第2ゲームで使用可能なキャラクタをプレーヤに付与する制御を行う。本実施形態では、士官キャラクタ31とすることのできるプレーヤキャラクタ4を付与する制御を行う。また、本実施形態の第2ゲームは、所与のタイミングで実行可能となるゲームとされるので、キャラクタ付与制御部212は、第2ゲームのタイミングが到来するまでの時間間隔に基づいて、時間間隔が長いほど漸次上昇させるようにキャラクタの付与確率を設定し、当該付与確率に基づきキャラクタを付与するかを決定する。
第1ゲーム進行制御部214は、プレーヤが保有するキャラクタの中から選択したキャラクタを登場させた第1ゲームを進行制御する。
能力取得制御部216は、第1ゲームでは発現せず第2ゲームで発現可能な特別能力を、少なくとも第1ゲームのゲームプレイに基づいてキャラクタに取得させる制御を行う。本実施形態では、第2ゲームには複数種類が用意されており、特別能力には、第2ゲームの種類に対応した複数の能力種別がある。そして、能力取得制御部216は、能力種別ごとの特別能力それぞれについて取得の制御を行うことができる。つまり、1体のキャラクタには、複数種類の特別能力を同時に取得させることが可能である。
また、本実施形態の能力取得制御部216は、キャラクタをベースキャラクタとし、他のキャラクタを素材キャラクタとしたキャラクタ合成によって、特別能力をベースキャラクタに取得させるか否かを制御することができる。
制限制御部218は、特別能力に係る制限を、少なくとも、特別能力を取得したキャラクタの第2ゲームでの使用、或いは第2ゲームでの特別能力の発現、に基づいて制御する。
具体的には、特別能力を取得したキャラクタの、1)第2ゲームでの使用回数、2)第2ゲームでの使用時間長、3)第2ゲームでの使用頻度、4)第2ゲームでの特別能力の発現回数、5)第2ゲームでの特別能力の発現頻度、6)特別能力を第2ゲームで発現させた時間長(発現時間長)、7)第2ゲームでプレーヤキャラクタ4が使用した(プレーヤキャラクタ4に使用した)使用アイテム数、8)プレーヤキャラクタ4を行動させる毎にゲームパラメータ値(例えば、体力値や行動力等と呼ばれるパラメータ値)を消費する構成の場合は、当該パラメータ値の消費値(消費体力値)、の1つ又は複数に基づいて制限を制御することができる。
そして、制限制御部218は、
1)特別能力を発現可能な状態としたキャラクタの第2ゲームでの使用機会を減らす(例えば、上限使用回数や、上限使用頻度、上限使用時間、残体力値、などを減らす)、
2)第2ゲームにおいて特別能力を発現させることができる発現機会を減らす(例えば、上限発現回数や、上限発現頻度、上限発現時間、残体力値、などを減らす)、
3)特別能力の効果を低減する、
4)特別能力の発現可能時間長を短縮する、
ことの1つ又は複数を実行することで、特別能力の制限の制御を実現する。
なお、本実施形態では、キャラクタが取得可能な特別能力には複数種類が存在し、制限制御部218は、取得された特別能力別に制限制御を行うことができる。
第2ゲーム進行制御部220は、特別能力の取得の有無および制限に基づいて能力を設定したキャラクタを登場させた第2ゲームを進行制御する。本実施形態では、特別能力には、第2ゲームの種類に対応づけられた複数種類が用意されており、キャラクタは種類別に特別能力を取得できる。よって、本実施形態の第2ゲーム進行制御部220は、進行制御する第2ゲームの種類に対応した能力種別の特別能力についての設定を可変に制御することができる。
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
音生成部290sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理やゲームプレイに係る操作音やBGMなどの音声データを生成或いはデコードする。そして、システム管理に関する音声信号は音出力部390sへ出力する。
音出力部390sは、音声信号を放音する。図1の例では本体装置1101やタッチパネル1108が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
画像生成部292sは、サーバシステム1100のシステム管理に関する画像や、ゲーム画像(又はゲーム画像をユーザ端末1500で表示させるためのデータ)等を生成することができる。そして、システム管理に関する画像は画像表示部392sへ出力することができる。
画像表示部392sは、画像生成部292sから入力される画像信号に基づいてシステム管理のための各種画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図1の例ではタッチパネル1108が該当する。
通信制御部294sは、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394sを介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
通信部394sは、通信回線9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。図1の例では通信装置1153が該当する。
サーバ記憶部500sは、サーバ処理部200sにサーバシステム1100を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、サーバ処理部200sの作業領域として用いられ、サーバ処理部200sが各種プログラムに従って実行した演算結果などを一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスク、オンラインストレージなどによって実現される。図1の例では本体装置1101が搭載するICメモリ1152やハードディスクなどの記憶媒体、及びストレージ1140がこれに該当する。
図10は、本実施形態におけるサーバ記憶部500sが記憶するプログラムやデータの例を示す図である。本実施形態におけるサーバ記憶部500sは、サーバプログラム503と、配信用ゲームクライアントプログラム505と、販売品管理データ510と、第1ゲーム初期設定データ512と、第2ゲーム初期設定データ514と、キャラクタ定義データ520と、能力変更条件定義データ540と、報酬定義データ550と、制限定義データ560と、新規キャラクタ付与期間設定データ570と、を記憶する。
また、サーバ記憶部500sは、ゲームプレイに係り逐次生成・管理されるデータとして、ユーザ管理データ600と、チーム管理データ650と、第2ゲーム管理データ660と、プレイデータ700と、現在日時800と、を記憶する。その他、タイマや、カウンタ、各種フラグなどの情報を適宜記憶できる。
サーバプログラム503は、サーバ処理部200sが読み出して実行することで、ユーザ管理部202と、オンラインショッピング管理部204と、ゲーム管理部210としての機能を実現させるためのプログラムである(図9参照)。
配信用ゲームクライアントプログラム505は、ユーザ端末1500へ提供されるゲームクライアントプログラムのオリジナルである。
販売品管理データ510は、オンラインショッピングによる販売品を定義・管理するためのデータを格納する。例えば、購入可能なアイテムと、在庫数、その課金対価(本実施形態では決済媒体からの引き落とし額に相当)とを対応づけて格納している。本実施形態では、プレーヤキャラクタ4や、プレーヤキャラクタ4に装備させるアイテム7(図3参照)、使用すると特別能力を取得したキャラクタに適用される制限を緩和することができる特別アイテム、等が販売品に含まれている。
第1ゲーム初期設定データ512には、第1ゲームを実行するための各種初期設定データが含まれている。本実施形態では、自兵卒キャラクタ32、敵兵卒キャラクタ42をそれぞれゲーム画面に表示させ、戦闘行動をさせるために必要な各種データが含まれている。例えば、キャラクタのモデルデータや、モーションデータ、テクスチャデータ、各種能力を定義する能力パラメータ値の初期設定データなどが含まれている。また、ゲーム空間を構築するためのデータなども含まれる。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
第2ゲーム初期設定データ514は、第2ゲーム毎に用意され、第2ゲームに係る各種データを格納する。1つの第2ゲーム初期設定データ514は、固有の第2ゲームIDと、第2ゲーム種類と、実施条件と、を含む。本実施形態の実施条件は、少なくとも当該第2ゲームが実施される期間(始期と終期)を定義している。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。例えば、当該主目標46と防御要素47に関する各種初期設定データが格納されている。例えば、主目標46と防御要素47のモデルデータや、モーションデータ、テクスチャデータ、各種能力を定義する能力パラメータ値の初期設定データなどが含まれている。また、第2ゲームのゲーム空間を構築するためのデータなども含まれる。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
キャラクタ定義データ520は、プレーヤキャラクタ4の種類毎に用意され、当該キャラクタの初期状態を定義する各種データを格納している。
1つのキャラクタ定義データ520は、例えば図11に示すように、固有のキャラクタ種類521と、初期累積経験値522と、初期基本能力パラメータ値リスト523と、初期使用上限回数524と、初期使用上限時間525と、初期使用上限頻度526と、初期体力値527と、特別能力定義データ530と、を含む。勿論、これら以外の情報も適宜含めることができる。
初期累積経験値522は、当該キャラクタの初期成長状態、初期状態の強さを表す指標である。
初期基本能力パラメータ値リスト523は、基本能力(特別能力以外であり所期状態で備えている能力の意)の種類別の初期値を格納する。
初期使用上限回数524は、特別能力を取得済みの当該キャラクタを第2ゲームで使用できる回数(第2ゲームに使用できる回数)の初期値を格納する。本実施形態では、何れの特別能力も未取得の状態では、未設定を意味する所定値「NULL」が設定され、何れかの種類の特別能力が取得される毎に取得時初期値「1」に設定される。そして、特別能力の制限が掛けられると最終的に「0」とされ、当該キャラクタを第2ゲームで使用できなくなる。勿論、取得時初期値は「2」以上の値とすることもできる。例えば、ユーザ管理やプレイ履歴、課金履歴に係る各種パラメータを変数とする所定の関数で決定するとしてもよい。或いは所定範囲でランダムに決定するとしてもよい。
なお、第1ゲームに使用できても第2ゲームでは使用できない第1ゲーム専用のキャラクタを設定することも可能である。その場合、初期使用上限回数524は「0」となる。また、少なくとも何れかの種類の特別能力を取得しないと第2ゲームでそのキャラクタを使用できないゲームルールとする場合には、未設定を意味する所定値「NULL」の設定をそもそも無くして初期状態は「0」とし、特別能力を取得すると取得時初期値に設定するようにすればよい。
初期使用上限時間525は、特別能力を取得済みの当該キャラクタを第2ゲームで使用できる制限時間の初期値を格納する。本実施形態では、第2ゲームの1プレイ終了まで無制限に使用できる所定値が設定されているものとするが、第2ゲーム内で限られた時間(例えば、3分間だけ)も適宜設定可能である。なお、第1ゲームに使用できても第2ゲームでは使用できない第1ゲーム専用のキャラクタを設定することも可能である。その場合、初期使用上限時間525は「0」となる。
初期使用上限頻度526は、特別能力を取得済みの当該キャラクタを第2ゲームで使用できる使用頻度の初期値を格納する。例えば、所定期間(例えば、10プレイ、1週間、1ヶ月など)当たりの使用回数つまり使用頻度、を設定する。
初期体力値527は、当該キャラクタがプレーヤに付与されたときに、当該キャラクタに与えられる体力値の初期値である。「体力値」は、当該キャラクタを行動(特別能力の発現を含む。)毎に消費され、時間経過やアイテムの使用で回復されるゲームパラメータ値である。行動力、魔力、などゲーム内容によってその他の呼称としてもよい。
特別能力定義データ530は、当該キャラクタが取得可能な特別能力の種類毎に用意され、当該特別能力に係る各種定義データを格納する。もし、当該キャラクタがそもそも特別能力を取得できない設定のキャラクタとする場合には、特別能力定義データ530は1つも格納されないことになる。
1つの特別能力定義データ530は、固有の能力種類531と、適用第2ゲーム種類532と、第1取得条件533と、第2取得条件534と、初期能力作用効果定義データ535と、初期発現上限回数536と、初期発現持続時間537と、初期上限発現頻度538と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
適用第2ゲーム種類532は、当該特別能力を発現させることのできる第2ゲームの種類を1つ又は複数格納する。全種類とする設定も可能である。
第1取得条件533及び第2取得条件534は、当該特別能力をキャラクタが取得するための要件を定義するデータを格納する。
本実施形態では、第1取得条件533は、キャラクタ別のプレイ成績等に応じて自動付与される経験値の累積値の閾値で定義することとする。第2取得条件534は、いわゆる「キャラクタ合成」の組み合わせの条件で定義することとする。ここでいう「キャラクタ合成」とは、1体のベースとするキャラクタ(ベースキャラクタ)に、単数又は複数の他キャラクタやアイテム(素材オブジェクト)を消費して、ベースキャラクタの能力を向上させたり、素材とした他キャラクタや素材としたアイテムの能力をベースキャラクタに添加することである。
初期能力作用効果定義データ535は、当該特別能力を取得した初期の作用効果を定義する。例えば、攻撃能力を向上させる特別能力であれば、攻撃力の強化値、拡大される攻撃範囲、伸長される射程、攻撃に付与される魔法能力(例えば、火炎、雷撃、氷結、など)の種類及び強度、などの初期値を設定することができる。
初期発現上限回数536は、当該特別能力を何回発現できるかの初期値を定義する。ゲーム内容に応じて、第2ゲームの1プレイ当たりの回数としても良いし、複数の第2ゲームプレイにわたる累積回数の上限値としてもよい。本実施形態では、第2ゲームの1プレイ当たりの回数を定義することする。
初期発現持続時間537は、当該特別能力が発現開始してから作用効果が切れるまでの持続時間の初期値を格納する。特別能力が「超距離射撃」のように持続時間が影響しない攻撃種の場合には「設定無し」を意味する所定値を格納する。
初期上限発現頻度538は、所定期間中を平均した当該特別能力の発現頻度の上限の初期値を定義する。所定期間は、ゲーム内容に応じて適宜設定可能である。例えば、1ヶ月当たり、10プレイ当たりなどである。
図10に戻って、能力変更条件定義データ540は、プレーヤキャラクタ4の基本能力をプレイ成績等に応じて変更するための条件と変更の内容を定義する各種データを格納する。例えば図12に示すように、能力変更条件定義データ540は、能力変更内容541と対応づけて、第1ゲームのプレイ成績に基づいて適用される条件である第1変更条件542と、第2ゲームのプレイ成績に基づいて適用される条件である第2変更条件543と、を格納する。
図10に戻って、報酬定義データ550は、プレイ成績に応じてプレーヤキャラクタ4の能力変更以外にプレーヤに付与される報酬の内容と、付与するための要件とに係る各種データを格納する。
例えば図13に示すように、報酬定義データ550は、報酬内容551と対応づけて、第1ゲームプレイ時にそのプレイ成績に基づいて付与される要件となる第1付与条件552と、第2ゲームプレイ時にそのプレイ成績に基づいて付与される要件となる第2付与条件553と、を格納する。
図10に戻って、制限定義データ560は、特別能力の種類別に用意され、当該特別能力に係る制限を定義する各種データを格納する。1つの制限定義データ560は、どの種類の特別能力を対象としているかを示す適用特別能力種類561と、制限を実行するための要件を示す制限実行条件562と、当該種類の特別能力に係る制限内容563とを含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
前述のように、制限実行条件562は適宜設定可能である。本実施形態では「第2ゲームでの特別能力の発現」とする。つまり、ある特別能力を取得したキャラクタを使って第2ゲームをプレイし、且つその特別能力を発現させた場合に制限が実行されることとする。
具体的には、制限実行条件562は、
1)第2ゲームでプレーヤキャラクタ4を使用した回数(使用回数)、
2)第2ゲームでプレーヤキャラクタ4を使用した累積時間(使用時間)、
3)第2ゲームでプレーヤキャラクタ4を使用した頻度(使用頻度)、
4)特別能力を第2ゲームで発現させた回数(発現回数)、
5)特別能力を第2ゲームで発現させた頻度(発現頻度)、
6)特別能力を第2ゲームで発現させた時間長(発現時間長)、
7)第2ゲームでプレーヤキャラクタ4が使用した(プレーヤキャラクタ4に使用した)使用アイテム数、
8)プレーヤキャラクタ4を行動させる毎に消費されるゲームパラメータ値(本実施形態における体力値)の消費(消費体力値)、
などのパラメータの1つ又は複数の組み合わせで記述される。
より具体的には、制限実行条件を「第2ゲームでの使用回数=1」のみで記述すれば、第2ゲーム内で特別能力の発現をさせたか否かに係わらず、特別能力の制限を実行させることができる。例えば、ゲームルール上、特別能力を取得した状態のキャラクタが第2ゲームで使用されると、プレーヤによる発現操作無しに自動的に特別能力を発現させる構成であった場合でも、当該キャラクタが第2ゲームで使用されると制限を実行させることができる。
また、制限実行条件を「第2ゲームでの使用回数=1 AND 特別能力を第2ゲームで発現させた回数=1以上」とすれば、第2ゲーム内で特別能力を1回でも発現させると制限を実行させることができる。
同様に、制限内容563も適宜設定可能である。具体的には、
1)当該特別能力の発現上限回数を減らす、
2)特別能力を取得したプレーヤキャラクタ4の第2ゲームにおける残りの使用許可回数(使用上限回数)を減らす、
3)特別能力を取得したプレーヤキャラクタ4の第2ゲームにおける残りの使用可能時間(使用上限時間)を減らす、
4)特別能力を取得したプレーヤキャラクタ4の第2ゲームにおける使用上限頻度を減らす、
5)特別能力の作用効果を低減する、
6)特別能力の発現持続時間を低下させる、
7)特別能力の発現上限頻度を低下させる、
8)発現操作から実際に特別能力が発現されるまでの時間差を増やす、
9)プレーヤキャラクタ4の残体力値の低減、すなわち特別能力の発現に必要な残パラメータ値の低減、
などの1つ又は複数の組み合わせで記述される。
新規キャラクタ付与期間設定データ570は、第1ゲームにて新しいプレーヤキャラクタ4とすることができるキャラクタを付与する期間を定義するデータであって、ゲーム運営者が管理する。例えば、毎月第1週の金曜日や、第2週の火曜日と水曜日といった具合に1ヶ月に1度の周期として設定することができる。更には、時間帯も設定するとしてもよい。本実施形態では、プレーヤが保有していないキャラクタを付与候補とし、そこから実際に付与するキャラクタを抽選して決定するが、特定のキャラクタを特定の付与期間に限定して付与する構成も可能である。その場合は、新規キャラクタ付与期間設定データ570に、特定のキャラクタとするキャラクタ種類と付与期間とを対応づけて格納するものとする。
ユーザ管理データ600は、登録ユーザ毎に用意され、固有の識別情報であるアカウントと紐付けられる各種データを格納する。本実施形態では、例えば図14に示すように、1つのユーザ管理データ600には、固有のユーザアカウント601と、決済媒体帳簿データ603と、プレイ履歴データ605と、ゲームセーブデータ610と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
決済媒体帳簿データ603は、当該ユーザに紐付けられる電子決済用の決済媒体(例えば、仮想通貨、ゲーム内通貨、特定のアイテム、行動力などの特定のパラメータ値など)の補充/消費の量と、補充/消費の事由と、変更日時と、の情報を対応づけて格納する所謂帳簿である。課金履歴データ或いは課金情報と読み替えることができる。
プレイ履歴データ605は、過去に何時ゲームプレイしたかを記述するデータを、プレイした時系列に格納するデータであって、ログイン/ログアウトのタイミングで自動的に更新される。どのような操作入力をしたかの操作入力ログも適宜含めることができる。
ゲームセーブデータ610は、前回のゲームプレイ時までのプレイ結果やゲーム進行の状態を記述する各種データを格納する。例えば、当該プレーヤが所属するチームを示す所属チーム611と、蓄積プレイ指標値612と、アイテムセーブデータ614と、アイテム使用履歴データ616と、キャラクタセーブデータ620と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
蓄積プレイ指標値612は、当該プレーヤに係り蓄積されているプレイ指標値の合計を示している(図3参照)。新規ユーザ登録時点の初期値は「0」である。
アイテムセーブデータ614は、当該ユーザが保有するアイテム毎に用意され、当該アイテムに係るセーブ時点における各種データを格納する。1つのアイテムセーブデータ614は、アイテム種類と、入手日時と、アイテムの状態(例えば、残弾数、成長レベル、劣化度、回復状態、など)を示す状態パラメータ値と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
アイテム使用履歴データ616は、アイテムが使用される毎に作成される。1つのアイテム使用履歴データ616は、例えば、使用日時、使用されたアイテム種類、使用先、等の情報を含む。
キャラクタセーブデータ620は、当該ユーザが保有するキャラクタ(プレーヤキャラクタ4とすることができるキャラクタ)毎に用意され、当該キャラクタに係る各種データを格納する。1つのキャラクタセーブデータ620は、例えば図15に示すように、固有のキャラクタID621と、キャラクタ種類622と、累積経験値623と、基本能力パラメータ値リスト624と、使用上限回数625と、使用上限時間626と、使用上限頻度627と、残体力値628と、取得済特別能力データ630と、第2ゲーム使用履歴データ640と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
取得済特別能力データ630は、当該キャラクタが取得済みの特別能力毎に用意され、当該特別能力に係る各種データを格納する。1つの取得済特別能力データ630は、特別能力種類631と、適用作用効果定義データ632と、発現上限回数634と、発現持続時間635と、上限発現頻度636と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
当該特別能力を取得した初期状態では、適用作用効果定義データ632には、初期能力作用効果定義データ535(図11参照)がコピーされ、能力の作用効果に関する制限が行われると変更される。同様に、発現上限回数634には、初期発現上限回数536(図11参照)がコピーされるが、回数に係る制限を受けるとその値は変更される。又同様に、発現持続時間635には、初期発現持続時間537(図11参照)がコピーされるが、持続時間に係る制限を受けるとその値が変更される。また、上限発現頻度636には、初期上限発現頻度538(図11参照)がコピーされるが、発現頻度に係る制限を受けるとその値が変更される。
第2ゲーム使用履歴データ640は、当該キャラクタが第2ゲームで使用される毎に作成される。1つの第2ゲーム使用履歴データ640は、使用日時と、使用累積時間と、その回の第2ゲームで当該キャラクタが発現した特別能力のリストである発現特別能力種類リストと、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。例えば、その回の第2ゲームにおいて、当該キャラクタが使用した或いは当該キャラクタに向けて使用されたアイテムのリスト、なども含めてもよい。
図10に戻って、チーム管理データ650は、チーム別に用意され、当該チームに紐付けられる各種データを格納する。1つのチーム管理データ650は、例えば図16に示すように、チーム名651と、チームメンバーアカウントリスト652と、チーム指標値653と、メンバー別プレイ指標値654と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
図10に戻って、第2ゲーム管理データ660は、第2ゲーム発動条件を満たす毎に作成される。1つの第2ゲーム管理データ660は、例えば図17に示すように、固有の第2ゲームID661と、有効期間662と、発動対象チーム名663と、相手チーム名664と、防御要素管理データ665と、主目標管理データ666と、第2ゲームプレイ状況データ667と、を含む。勿論、これら以外の情報も適宜含めることができる。
有効期間662は、第2ゲーム初期設定データ514(図10参照)の実施条件に含まれる実施期間がコピーされる。
発動対象チーム名663は、当該第2ゲームがどのチーム用に用意されたかを示す。
防御要素管理データ665は、防御要素47(図6参照)それぞれに用意され、当該防御要素47の状態を記述する各種データを格納する。本実施形態では、城壁や守備隊があとどれだけのダメージに堪えられるかを示す値である残HP(ヒットポイント)が含まれる。残HPの初期値は、防御要素47が城壁であれば所定の初期値又は相手チームのチーム指標値653(図16参照)に基づいて設定される値に設定される。防御要素47が守備隊であれば、キャラクタセーブデータ620(図14,図15参照)を参照して、相手チームのチームメンバーのプレーヤキャラクタ4の能力パラメータ値に基づいて所定の関数で初期値を決定することができる。
主目標管理データ666は、主目標46(図6参照)それぞれに用意され、当該主目標46の状態を記述する各種データを格納する。本実施形態では、城の本丸があとどれだけのダメージに堪えられるかを示す値である残HP(ヒットポイント)が含まれる。残HPの初期値は、所定の初期値又は相手チームのチーム指標値653(図16参照)に基づいて設定される値に設定される。なお、図17の例では主目標管理データ666は1つのみであるが、例えば城の本丸に相当する部分が複数ある場合は当該データが複数用意されることになる。
第2ゲームプレイ状況データ667は、第2ゲームに参加したプレーヤ別に用意され、それまでの第2ゲームにおけるプレイ状況を記述する各種データを格納する。具体的には、1つの第2ゲームプレイ状況データ667は、
1)ユーザアカウントと、
2)参加回数(今第2ゲームに係る累積プレイ回数)と、
3)参加累計時間(今第2ゲームをプレイしていた累積時間)と、
4)それまでに主目標46や防御要素47に与えたダメージの累積ダメージ数と、
5)主目標46や防御要素47を撃破した数である最終撃破数と、
6)第2ゲームにおけるプレイ指標値48(図6参照)の累積値と、
を格納する。その他、第2ゲームのプレイ中に使用したアイテムの種類とその数、などの情報も適宜格納するとしてもよい。
図10に戻って、プレイデータ700は、ユーザ端末1500で実行されるゲームプレイ毎に用意され、そのゲーム進行状況を記述する各種データや、各キャラクタ等の制御データなどゲーム画面の表示等に関する各種情報を格納する。
1つのプレイデータ700は、例えば図18に示すように、
1)プレーヤであるユーザを示すユーザアカウント701と、
2)ユーザ端末1500と通信するための情報である端末IPアドレス703と、
3)第1ゲームを示す値又は参加する第2ゲームの第2ゲームID661(図17参照)を格納するプレイモード705と、
4)相手チーム名707と、
5)対戦相手となるプレーヤのユーザアカウントである相手プレーヤアカウント709と、
6)新しいキャラクタを付与する確率である新規キャラクタ付与確率710と、
7)プレイ制御データ712と、
8)プレイ結果であるプレイ成績データ750と、
9)獲得プレイ指標値752と、
を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
新規キャラクタ付与確率710は、第1ゲームがプレイする場合に設定される。具体的には、実施期間の開始日が、次回開催される第2ゲームの直近の開始日までの時間間隔が長い程、高確率となるように設定される。
プレイ制御データ712は、第1ゲーム或いは第2ゲームの進行制御に必要な各種データを含む。例えば、第1ゲームであれば、自部隊制御データと、敵部隊制御データとが含まれる。自部隊制御データは、第1ゲーム又は第2ゲームに登場する自部隊30(図5、図6参照)別に用意され、当該自部隊における士官キャラクタ31(プレーヤキャラクタ4)及び自兵卒キャラクタ32それぞれの状況を記述する各種データである。プレーヤキャラクタ4については、プレーヤキャラクタ管理データ720として管理されている。
敵部隊制御データは、第1ゲームに登場する敵部隊40(図5参照)別に用意され、当該敵部隊における士官キャラクタ41及び敵兵卒キャラクタ42それぞれの状況を記述する各種データである。
プレーヤキャラクタ管理データ720は、キャラクタセーブデータ620(図15参照)と同じデータ構造を有し、ゲーム開始前に当該キャラクタのキャラクタセーブデータ620(図15参照)がコピーされ、ゲーム進行に応じて逐次更新される。そして、ゲーム終了時に当該キャラクタのキャラクタセーブデータ620に反映される。
プレイ成績データ750は、当該プレイにおける第1ゲーム又は第2ゲームでのプレイ成績を記述するデータである。その内容はゲーム内容によって適宜設定可能であるが、本実施形態では、敵部隊40に与えた累積ダメージと、敵キャラクタや防御要素47を撃破した最終撃破数と、使用アイテム履歴と、を含む。勿論、これら以外のパラメータ値も適宜含めることができる。
図19は、本実施形態におけるユーザ端末1500の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。本実施形態のユーザ端末1500は、操作入力部100と、端末処理部200と、音出力部390と、画像表示部392と、通信部394と、端末記憶部500とを備える。
操作入力部100は、プレーヤによって為された各種の操作入力に応じて操作入力信号を端末処理部200に出力する。例えば、プッシュスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、ジャイロ、CCDモジュール、などによって実現できる。図2の方向入力キー1502や、ボタンスイッチ1504、タッチパネル1506がこれに該当する。
端末処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や端末記憶部500を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて各種の演算処理を実行して、ユーザ端末1500の動作を制御する。図2の制御基板1550がこれに該当する。そして、本実施形態における端末処理部200は、ユーザ端末演算部260と、計時部280と、音生成部290と、画像生成部292と、通信制御部294と、を備える。
ユーザ端末演算部260は、操作信号送信制御部261と、ゲーム画面表示制御部262とを含む。
操作信号送信制御部261は、操作入力部100へ為された操作に応じて、各種データやリクエストをサーバシステム1100へ送信するための処理を実行する。
ゲーム画面表示制御部262は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいてゲーム画面を表示するための制御を行う。本実施形態では、ゲーム空間画像(例えば、3DCG画像など)をサーバシステム1100にて生成する構成とするが、ゲーム空間画像をユーザ端末1500で生成する構成も可能である。その場合、ゲーム画面表示制御部262は、例えば3DCGを生成するための仮想3次元空間に配置されたオブジェクトの制御を含むこととなる。
音生成部290は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイル再生可能なオーディオコーデック等によって実現され、ゲーム画面表示制御部262による処理結果に基づいてゲームに係る効果音やBGM、各種操作音の音信号を生成し、音出力部390に出力する。
音出力部390は、音生成部290から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を音出力する装置によって実現される。図2のスピーカ1510がこれに該当する。
画像生成部292は、例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデックなどのプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。
そして、画像生成部292は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面の画像を生成し、生成したゲーム画面の画像信号を画像表示部392に出力する。
画像表示部392は、画像生成部292から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。本実施形態では、図2のタッチパネル1506がこれに該当する。
通信制御部294は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。通信部394は、通信回線9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、図2の無線通信モジュール1553がこれに該当する。
端末記憶部500は、端末処理部200にユーザ端末1500を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや、各種データ等を記憶する。また、端末処理部200の作業領域として用いられ、端末処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。こうした機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。図2の制御基板1550が搭載するICメモリ1552やメモリカード1540がこれに該当する。
本実施形態の端末記憶部500は、ゲームクライアントプログラム504、を記憶する。勿論、これら以外のプログラムやデータも適宜記憶することができる。
ゲームクライアントプログラム504は、端末処理部200が読み出して実行することによってユーザ端末演算部260としての機能を実現させるためのアプリケーションソフトウェアである。本実施形態では、サーバシステム1100から提供される配信用ゲームクライアントプログラム505(図10参照)のコピーとする。
なお、ゲームクライアントプログラム504は、オンラインゲームを実現する技術手法に応じて専用のクライアントプログラムであっても良いし、ウェブブラウザプログラム及びインタラクティブな画像表示を実現するプラグインなどにより構成するとしても良い。
[動作の説明]
次に、サーバシステム1100において、あるプレーヤがログインしてゲームプレイし、ログアウトするまでの処理の流れについて説明する。ここで説明する処理の流れは、サーバ処理部200sがサーバプログラム503を実行することにより実現される。なお、プレーヤは既にユーザ登録を済ませ、プレーヤキャラクタ4やアイテム7を保有しているものとする。
図20〜図22は、本実施形態のサーバシステム1100における処理の流れを説明するためのフローチャートである。なお、オンラインショッピングについての記述は省略する。
ユーザ端末1500でプレーヤが所定のログイン操作を行うと、ユーザ端末1500からサーバシステム1100へログインリクエストが送信される。
サーバシステム1100はこれを受信して、ログイン処理を実行する(ステップS10)。ログイン処理により、サーバ記憶部500sには新たなプレイデータ700(図18参照)が用意される(図18参照)。
そして、サーバシステム1100は、ユーザ端末1500にて所定のトップメニューを表示させる(ステップS12)。トップメニューの項目は適宜設定可能であるが、本実施形態では、「キャラクタ合成」と、ゲームプレイに関するメニュー項目に「第1ゲームのプレイ」又は「第2ゲームのプレイ」の何れかと、「ログアウト」と、を少なくとも表示させる。ゲームプレイに関するメニュー項目は、具体的には、第2ゲーム管理データ660(図17参照)を参照し、当該プレーヤの所属チーム611(図14参照)が発動対象チーム名663に適合するデータがないかを検索する。そして、該当がなければ「第1ゲームのプレイ」を表示させ、該当する第2ゲーム管理データ660が有れば「第2ゲームのプレイ」を表示させる。
そして、メニュー項目のうち「第1ゲームのプレイ」が選択されると、ユーザ端末1500から第1ゲームのプレイリクエストがサーバシステム1100へ送信される。
サーバシステム1100はこれを受信すると、第1ゲームの開始操作が有りと判断し(ステップS14のYES)、第1ゲーム処理を実行する(ステップS16)。
図21は、本実施形態における第1ゲーム処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理において、サーバシステム1100は、先ず第1ゲームでプレーヤが使用するキャラクタすなわちプレーヤキャラクタ4の選択を受け付けるとともに対戦相手を設定する(ステップS22)。
具体的には、プレーヤのユーザ管理データ600(図14参照)のゲームセーブデータ610のキャラクタセーブデータ620を読み込み、プレーヤが保有しているキャラクタの一覧をユーザ端末1500にて表示させ、所定数のキャラクタを選択させる。選択されたキャラクタのキャラクタセーブデータ620(図15参照)が、プレイ制御データ712のプレーヤキャラクタ管理データ720にコピーされる(図18参照)。
また、サーバシステム1100は、プレーヤの所属チームと陣地が隣接する他チームを選択肢として抽出し、それらのチーム指標値653(図16参照)が大きい程高くなるように選択確率をそれぞれに設定する。そして、設定された選択確率を適用したランダム抽選処理にて何れか1つを相手チーム名707に設定する(図18参照)。勿論、要求元のユーザ端末1500にて選択肢とされる相手チームを選択可能に表示させてプレーヤに手動選択させて設定する構成も可能である。そして、相手チームのチーム管理データ650のチームメンバーアカウントリスト652(図16参照)から何れかのユーザを選択して、相手プレーヤアカウント709を設定する(図18参照)。
そして、サーバシステム1100は、選択されたキャラクタを使った第1ゲームの進行制御を開始する(ステップS24)。前述のように、第1ゲームでは、プレーヤキャラクタ4は基本能力とプレーヤが保有しているアイテムのみ使用可能である。特別能力は使用できない。
第1ゲームの進行中、もし現在日時800が新規キャラクタ付与期間に該当する場合には(ステップS30のYES)、サーバシステム1100は第1のキャラクタ付与条件は満たされていると判断する(ステップS30のYES)。そして、次回開催予定の実施期間が最も近い第2ゲームを検索して、その実施開始日までの時間間隔が長いほど高くなる新規キャラクタ付与確率710(図18参照)を所定の関数又はテーブルデータで決定する(ステップS32)。
次いで、サーバシステム1100は、設定された新規キャラクタ付与確率710を用いた付与抽選処理を実行する(ステップS34)。具体的には、プレーヤが未だ保有していないキャラクタを付与候補として抽出し、その何れかを乱数発生を利用したランダムに選択して付与対象とする。そして、新規キャラクタ付与確率710を当選確率と見做したランダム抽選すなわち付与抽選を行う。
もし、この付与抽選で当選すると(ステップS36のYES)、サーバシステム1100は、第2のキャラクタ付与条件を満たしたと判断して、先に付与対象として選択されたキャラクタをプレーヤに付与する(ステップS38)。
なお、プレーヤへ付与する方法は、適宜設定可能である。例えば、第1ゲームで勝利した場合の報酬として付与する、第1ゲーム中に実行される抽選(有料/無料は問わない)の景品として付与する、新しい仲間として合流するかのように登場させる、などである。
第1ゲームの所定の終了条件を満たすと、サーバシステム1100は、第1ゲームを終了する(ステップS40)。そして、第1ゲームのプレイ成績等に応じて、プレーヤの獲得プレイ指標値752(図18参照;図5のプレイ指標値28に相当)を決定する(ステップS42)。
次いで、サーバシステム1100は、第1ゲームのプレイ成績等に応じた経験値を第1ゲームに使用されたプレーヤキャラクタ4に付与する(ステップS44)。そして、能力変更条件定義データ540を参照して、付与された経験値が加算された累積経験値723(図18参照)や第1ゲームのプレイ成績に応じて、第1ゲームに使用されたプレーヤキャラクタ4の基本能力を向上させる(ステップS46)。
また、サーバシステム1100は、報酬定義データ550を参照して、獲得プレイ指標値752や第1ゲームのプレイ成績に応じた報酬をプレーヤに付与する(ステップS48)。
次に、サーバシステム1100は、第1ゲームで使用されたプレーヤキャラクタ4が特別能力の取得条件を満たしているかを判定する(ステップS50)。具体的には、当該キャラクタのキャラクタ定義データ520(図11参照)の特別能力定義データ530のうち、第1取得条件533を満たしているものを検索する。そして、該当するデータがあれば、取得条件を満たしていると判断し(ステップS50のYES)、サーバシステム1100は、当該特別能力を第1ゲームで使用されたプレーヤキャラクタ4に取得させる(ステップS52)。
具体的には、プレイデータ700(図18参照)のプレーヤキャラクタ管理データ720の使用上限回数725に、当該キャラクタのキャラクタ定義データ520(図11参照)の初期使用上限回数524をコピーする。また、使用上限時間726には、初期使用上限時間525をコピーする。また、取得済特別能力データ730を作成し、その適用作用効果定義データ732、発現上限回数734、発現持続時間735には、それぞれ第1取得条件533を満たしている特別能力定義データ530(図11参照)の初期能力作用効果定義データ535、初期発現上限回数536、初期発現持続時間537をコピーする。
次に、サーバシステム1100は、プレーヤのゲームセーブデータ610(図14参照)を更新し、所属チームのチーム指標値653(図16参照)を更新し(ステップS54)、第1ゲーム処理を終了する。
図20に戻って、プレーヤがユーザ端末1500にてトップメニューの「キャラクタ合成」の項目を選択すると、キャラクタ合成のリクエストがサーバシステム1100へ送信される。サーバシステム1100は、これを受信すると(ステップS70のYES)、キャラクタ合成処理を実行する(ステップS72)。キャラクタ合成は、例えば、プレーヤが保有しているキャラクタの一覧をユーザ端末1500にて表示させ、ベースキャラクタと、素材キャラクタとを選択させて行う。
合成を実行したならば、サーバシステム1100は、ベースキャラクタとされた合成後のプレーヤキャラクタ4が特別能力の取得条件を満たしているかを判定する(ステップS74)。具体的には、ベースキャラクタとされたプレーヤキャラクタ4のキャラクタ定義データ520(図11参照)の特別能力定義データ530の中から、第2取得条件534を満たしているものを検索する。そして、該当するデータがあれば、当該特別能力の取得条件を満たしていると判断する(ステップS74のYES)。
そして、当該特別能力を過去に取得した経験の有無を判定する(ステップS76)。
当該特別能力に対応する取得済特別能力データ730(図18参照)が無ければ「経験無し」と判断して(ステップS76のYES)、サーバシステム1100は、当該特別能力をベースキャラクタとされたプレーヤキャラクタ4に取得させる(ステップS78)。具体的には、キャラクタセーブデータ620に、当該特別能力の取得済特別能力データ630を追加することにより実現される。
一方、プレーヤがユーザ端末1500にてトップメニューの「第2ゲームのプレイ」のメニュー項目を選択すると、第2ゲームのプレイリクエストがサーバシステム1100へ送信される。サーバシステム1100は、これを受信すると(ステップS90のYES)、第2ゲーム処理を実行する(ステップS92)。
図22は、本実施形態における第2ゲーム処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理において、サーバシステム1100は、先ず第2ゲームで使用するプレーヤキャラクタ4の選択を受け付ける(ステップS102)。
但し、使用上限回数625(図15参照)が「0」に設定されているキャラクタは選択不可とされ、NULL(使用上限回数が未設定:特別能力を取得可能なキャラクタだが何れの特別能力も未取得の状態)のキャラクタは選択可とされる。特別能力に係る制限を、使用上限時間726の低減で実行する構成の場合には、使用上限時間726が「0」のキャラクタを選択不可とする。また、残体力値728(図18参照)が「0」になっているキャラクタや、第2ゲーム仕様履歴データ740(図18参照)から求められる第2ゲームでの使用頻度が使用上限頻度727(図18参照)に達しているキャラクタも選択不可とされる。
そして、当該ステップに伴い、プレイデータ700(図18参照)には、選択されたキャラクタのプレーヤキャラクタ管理データ720が作成され、第2ゲーム使用履歴データ740の記録も開始される。
次に、サーバシステム1100は、対戦相手を設定し(ステップS104)、選択されたプレーヤキャラクタ4を使用した第2ゲームの進行制御を開始する(ステップS106)
第2ゲームの実行中に、プレーヤが所定の特別能力の発現操作を行うと、ユーザ端末1500からサーバシステム1100へ特別能力の発現リクエストが送信される。
サーバシステム1100はこれを受信すると、発現操作有りと判断し(ステップS110のYES)、プレーヤキャラクタ4が現在実行中の第2ゲームの種類に適合した特別能力を取得しているかを判定する(ステップS112)。
具体的には、プレーヤキャラクタ4のキャラクタ種類のキャラクタ定義データ520(図11参照)から、実行中の第2ゲームの種類に合致する適用第2ゲーム種類532が設定された能力種類531を検索する。そして、プレーヤキャラクタ4の検索された能力種類531に合致する特別能力種類631(図15参照)の取得済特別能力データ730が有れば、肯定判定する。
もし、肯定判定されたならば(ステップS112のYES)、サーバシステム1100は更に当該特別能力が発現可能であるかを判定する(ステップS114)。
具体的には、当該特別能力の取得済特別能力データ730(図18参照)の発現上限回数734が「0」の場合と、第2ゲーム使用履歴データ740(図18参照)から求められる当該取得済特別能力の発現頻度が上限発現頻度736に達している場合は、発動不可と否定判定する。そうでなければ肯定判定する。
そして、発動可能であれば(ステップS114のYES)、ステップS112で取得済みと判定した特別能力を発現させ、特別能力の発現履歴を兼ねる第2ゲーム使用履歴データ740を更新する(ステップS116)。
第2ゲームが終了すると(ステップS140のYES)、サーバシステム1100は、第2ゲームのプレイ成績に応じて、プレーヤの獲得プレイ指標値752(図18参照;図6のプレイ指標値48(48a、48b)に相当)を決定する(ステップS142)。
次いで、サーバシステム1100は、第2ゲームのプレイ成績に応じた経験値を第2ゲームに使用されたプレーヤキャラクタ4に付与する(ステップS144)。そして、能力変更条件定義データ540を参照して、付与された経験値が加算された累積経験値723(図18参照)や第2ゲームのプレイ成績に応じて、第2ゲームに使用されたプレーヤキャラクタ4の基本能力を向上させる(ステップS146)。
また、サーバシステム1100は、報酬定義データ550を参照して、獲得プレイ指標値752や第2ゲームのプレイ成績に応じた報酬をプレーヤに付与する(ステップS148)。そして、サーバシステム1100は、プレーヤのゲームセーブデータ610(図14参照)を更新し、所属チームのチーム指標値653(図16参照)を更新して(ステップS150)、第2ゲーム処理を終了する。
図20に戻って、次にサーバシステム1100は、制限定義データ560(図10参照)を参照して制限実行条件562を満たしているかを判定する(ステップS170)。
そして、制限実行条件562が満たされている制限定義データ560があれば(ステップS170のYES)、その制限内容563を適用・実行する(ステップS172)。ここでの制限内容の適用・実施は、第2ゲームで使用されたプレーヤキャラクタ4のキャラクタセーブデータ620(図15参照)のパラメータ値の変更によって行われる。
もし、ユーザ端末1500のトップメニューで「ログオフ」が選択されると、ユーザ端末1500からサーバシステム1100へログオフのリクエストが送信される。
サーバシステム1100は、これを受信すると(ステップS180のYES)、ログアウト処理を実行して(ステップS182)、一連の処理を終了する。
以上、本実施形態によれば、複数のパート(本実施形態における第1ゲームと第2ゲーム)で1つのゲームタイトルが構成されるゲームにおいて、ユーザが繰り返しゲームプレイするためのモチベーションを高めることができる。
すなわち、第1ゲームと第2ゲームどちらでも使用可能なプレーヤキャラクタ4を、第1ゲームで使用することで成長させ、第2ゲームでのみ有効な特別能力を取得させることができる。そして、特別能力を取得させたプレーヤキャラクタ4で第2ゲームをプレイすることができる。プレーヤキャラクタ4に第2ゲーム内で特別能力を発現させると、はるかに有利にプレイ成績を稼ぐ「おいしいプレイ」ができる。
しかしそのためには、プレーヤは、何度も第1ゲームでキャラクタを使用して成長させる必要がある。それが複数のパートで構成されるゲームにおいて、ユーザが繰り返しゲームプレイするためのモチベーションを高める要因となる。
しかも、本実施形態によれば、プレーヤキャラクタ4に特別能力を取得させたとしても、そのキャラクタを第2ゲームで使用したり、特別能力を発現させたりすると特別能力に制限が掛けられてしまい、当該キャラクタでは特別能力を使った同じような「おいしいプレイ」ができなくなる。結果、プレーヤは、もう一度第2ゲームで同じような「おいしいプレイ」をするために、例えば新しいキャラクタを獲得して、第1ゲームで成長させて特別能力を取得させる必要がある。これが、モチベーションを更に高めることとなる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。本実施形態は、基本的には第1実施形態と同様に実現されるが、ゲーム管理の処理主体がユーザ端末1500である点が異なる。以降では、主に第1実施形態との差異について述べることとし、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与して説明は省略するものとする。
図23は、本実施形態におけるサーバシステム1100Bの機能構成例を示す機能ブロック図である。サーバシステム1100Bの機能構成を第1実施形態のそれと比較すると、ゲーム管理部210が省略され、チーム管理部230を備える。
チーム管理部230は、各チームのメンバーや、チームとしての成績などに関するデータを管理する。具体的には、チーム管理データ650を管理する。
図24は、本実施形態のサーバ記憶部500sに記憶されるプログラムやデータの例を示す図である。
本実施形態のサーバプログラム503Bは、サーバ処理部200sにユーザ管理部202と、オンラインショッピング管理部204と、チーム管理部230とを実現させる。また、第1実施形態の配信用ゲームクライアントプログラム505に代えて、配信用ゲームプログラム507を記憶する。
また、本実施形態のサーバ記憶部500sには、第1ゲーム初期設定データ512〜新規キャラクタ付与期間設定データ570、そしてユーザ管理データ600が第1実施形態と同様に記憶されるが、これらは、ユーザ端末1500がゲーム管理に係る処理を実行する際に行う各種リクエストに応じて配信・提供するためのマスターデータとしての位置付けとなる。
また、本実施形態ではゲーム管理に係る主な処理をユーザ端末1500にて行うため、本実施形態のサーバ記憶部500sからはプレイデータ700が省略されている。
なお、第2ゲームを、第1実施形態と同様にオンラインマルチプレイゲームとして実現する場合には、第2ゲーム管理データ660をサーバ記憶部500sに残すが、ユーザ端末1500にてシングルプレイゲームとして実現する場合は省略することができる。
図25は、本実施形態におけるユーザ端末1500Bの機能構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態のユーザ端末1500Bは、ゲーム画面表示制御部262が省略され、その代わりにゲーム管理部210を有するコンピュータシステムである。すなわち、本実施形態ではユーザ端末1500Bは、サーバシステム1100からゲーム画面の画像を表示するためのデータや、音声の再生をするためのデータを取得するのではなく、自身でゲーム管理に関する演算処理を実行して、ゲーム進行制御し、ゲーム画面の画像を生成しその音声再生を制御する。
図26は、本実施形態のユーザ端末1500Bの端末記憶部500に記憶されるプログラムやデータの例を示す図である。本実施形態の端末記憶部500は、ゲームプログラム506を記憶する。ゲームプログラム506は、本実施形態のユーザ端末演算部260と、ゲーム管理部210と、を端末処理部200に実現させるためのプログラムであって、配信用ゲームプログラム507のコピーである(図24参照)。
また、本実施形態の端末記憶部500は、ゲーム管理部210がユーザ端末1500Bにて処理されるのに伴って、第1ゲーム初期設定データ512〜新規キャラクタ付与期間設定データ570、及びユーザ管理データ600を記憶する。これらは、本実施形態のサーバシステム1100から必要に応じて取得し記憶した同名のデータのコピーである(図24参照)。また、逐次、作成・更新するデータとして、第2ゲーム管理データ660と、プレイデータ700と、が記憶される。
本実施形態における処理の流れは、第1実施形態におけるサーバシステム1100の処理の流れ(図20〜図22参照)と基本的に同じであり、ゲーム管理部210をユーザ端末1500Bにて実行するのに合わせて、適宜各ステップの実行主体をユーザ端末1500Bと読み替えれば良い。なお、ユーザ端末1500Bにてユーザ管理データ600を参照・変更する必要がある処理を実行する場合には、適宜サーバシステム1100へ必要なデータの提供や照合等をリクエストする。或いは、処理そのものをリクエストして対処するものとする。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。なお、ユーザ端末1500Bが、ゲーム管理部210の全てを担うのではなく、その一部を担う構成としてもよい。
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は上記形態に限定されるものではなく適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
[その1]
例えば、上記実施形態では、クライアント・サーバ型のコンピュータシステムにてオンラインゲームを実現する例を挙げたが、複数のユーザ端末1500をピアツーピア接続したコンピュータシステムにおいて実現するとしてもよい。その場合、何れかのユーザ端末1500に第1実施形態のサーバシステム1100としての機能を担わせる。或いは、複数のユーザ端末1500でゲーム管理部210が有する機能を分担して担う構成としてもよい。
[その2]
また、例えば、上記実施形態では第1ゲームの内容を、部隊同士が闘う合戦ゲームとして例示したが、ゲームジャンルはこれに限らず適宜設定可能である。例えば、パズルゲーム、戦術シミュレーションゲーム、シューティングゲーム、恋愛ゲーム、育成ゲーム、レースゲーム、パズルゲーム、アクションゲーム、音楽ゲーム、スポーツゲーム、などとすることもできる。
同様に、上記実施形態では、第2ゲームの内容を、攻城戦ゲームとして例示したが、これに限定さるものではなく、チームメンバーが協力してプレイする内容であれば、例えば、パズルゲーム、戦術シミュレーションゲーム、シューティングゲーム、恋愛ゲーム、育成ゲーム、レースゲーム、パズルゲーム、アクションゲーム、音楽ゲーム、スポーツゲーム、などとすることもできる。更に言えば、第1ゲームを、攻城戦の防御要素47との交戦をテーマとし、第2ゲームを主目標46との交戦をテーマとするとしてもよい。
また、第2ゲームは、マルチプレイに限らず、シングルプレイのゲームとしてもよい。
[その3]
また、上記実施形態では、第1ゲームをプレイすることで、プレーヤは第1ゲームにおけるプレイ指標値28(図5参照)を獲得できる構成としたが、獲得できない構成も可能である。換言すれば、第1ゲームにおけるプレイ指標値28は固定として増減しない構成とすることもできる。第2ゲームにおいてのみ可変とするのである。
[その4]
また、第1ゲームにおけるプレイ指標値28の原資を、相手プレーヤが獲得・蓄積しているプレイ指標値に求める構成、すなわちユーザ端末1500の自プレーヤに新たに付与される第1ゲームにおけるプレイ指標値28の分だけ、相手プレーヤの蓄積プレイ指標値612(図14参照)から差し引く構成も可能である。その場合、差し引きを行う処理をステップS42(図21参照)にて行うと良い。