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JP6497894B2 - 微細周期構造の形成方法および形成装置 - Google Patents

微細周期構造の形成方法および形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、微細周期構造の形成方法および形成装置に関する。
材料表面に、ミクロンあるいはサブミクロンスケールの凹凸間隔を有する微細周期構造を形成することによって、さまざまな機能性を付与できることが明らかとなっている。例えば、ハスの葉の表面は水滴を良くはじくことが知られている。これは、その表面に無数の微細な凹凸構造が周期的に形成されていることで発現している現象である。
疎水性材料の表面にこのような形状を形成すれば、ハスの葉と同じように非常に水をはじく特性を持つようになり、液体の付着抑制あるいは防汚といった機能をその表面に付与できる。
また、太陽電池パネルには、発電効率を向上させるため、光の反射を抑えるように形状と寸法が制御された微細な凹凸が形成されている。これは、月夜の下のわずかな光を効率良く眼に取り込み暗所でも活動できる、蛾の眼の構造に通ずる仕組みであり、材料表面の電磁波の反射吸収特性を制御することが可能となる。
そのほかにも、微細周期構造を形成した材料表面には、皮膜密着性向上、流体制御、生体親和性制御、摩擦磨耗低減などさまざまな機能を有することが知られている。
微細周期構造を形成する方法は種々提案されている。よく知られた加工法では、ブラスト加工やレーザ加工がある。ブラスト加工とは、材料表面に微小な硬質材料を圧縮ガスとともに衝突させ材料表面を塑性変形させることで微細構造を形成する方法である。簡便な方法であるが、硬質材料が材料表面に残存する場合がある。このため、加工した表面を洗浄する工程が必要となり、その廃水の処理が問題となる。一方、レーザ加工は、微細構造を形成させたい場所にレーザ光を集光することでその領域を局所的に加熱し、融点あるいは沸点以上の高温に到達させることで材料の流動あるいは蒸散を発生させる。その結果、平坦な材料表面を微細な凹凸構造に変形させることができる加工方法である。このレーザ加工は、いわゆる非接触加工であることから、ブラスト加工と相違して、被加工物を構成するもの以外の材料からなる異物は材料表面に残存しない。このため、レーザ加工では、ブラスト加工において必要としていた、加工した表面を洗浄する工程を省略することができる。
レーザ加工による微細周期構造形成方法のひとつにレーザ光を集光点で干渉させる2光束干渉露光法がある(特許文献1)。この特許文献1の干渉露光装置は、図6に示すように、レーザ光源(フェムト秒レーザ光源)と、フェムト秒レーザ光源からのフェムト秒レーザが平面ミラーM1を介して入射されるビームスプリッタとしてのハーフミラーHF1と、ハーフミラーHF1にて分けられる2つのビームのうち一方の第1のビームB1を材料S1に集光させる第1の光学系5と、他方の第2のビームB2を材料S1に集光させる第2の光学系6とを備える。
第1の光学系5は、平面ミラーM2と凹面ミラーM3とを有し、第2の光学系6は、平面ミラーM4、M5と凹面ミラーM6とを有するものである。
このため、フェムト秒レーザ光源から照射されたレーザビームは、平面ミラーM1により反射され、ビームスプリッタとして用いるハーフミラーHF1で、ビームB1とビームB2に分けられる。ビームB1は、平面ミラーM2と凹面ミラーM3で反射され、材料S1の表面または内部に集光する。ビームB2は、平面ミラーM4、平面ミラーM5で反射され、さらに凹面ミラーM6で反射され、材料S1の表面または内部に集光される。
この場合、複数のレーザ光を空間的かつ時間的に集光点において干渉させることで、集光点で生じる干渉縞によって照射面内のレーザ光のエネルギー強度分布を空間的に変調させるものである。
このため、前記特許文献1に記載のものでは、2つの光軸のそれぞれに対して集光用光学素子を有することになる。この場合、図7に示すように、2つの集光用レンズ11,12を介して、波長λ〔nm〕である2つのレーザ光L1,L2を頂角θで同じ領域に同時に照射することになり、その照射領域に生じる干渉縞13の周期Δ〔nm〕はλ/[2sin(θ/2)]〔nm〕となる。このようにすることで、材料表面にレーザ光のエネルギー密度の高い干渉縞を形成することが可能となり、直接材料を溶融あるいは蒸散させることで、微細周期構造を形成することができる。
特開2001−236002号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載のもののように、2つの光軸のそれぞれに対して集光用光学素子を有するものでは、装置が複雑化するとともに、光軸の調整が煩雑となる。また、この方法を用いて材料表面に微細周期構造を大面積加工する場合は、干渉縞が形成された集光点を被加工物表面に対して相対的に移動させ走査照射しなければならない。ところが、この場合、干渉縞によって材料表面に形成されたミクロンあるいはサブミクロンスケールの微細な凹凸を破壊しないように被加工物と集光点の相対位置を精密に制御しながら、次の集光照射を行う場所へと被加工物と集光点を相対移動させる必要がある。そうでなければ、微細周期構造の形成と破壊を繰り返してしまうため、所望の凹凸周期をもった微細周期構造は得られない。
前記特許文献1に記載のものでは、被加工物あるいはレーザ加工装置を移動させることによってのみ、大面積加工が可能となる。しかし、数百Hzから数十MHzにもなるレーザ光のパルス周波数に同期させながら、微細な干渉縞を破壊しないように被加工物あるいはレーザ加工装置を高速で精密に移動させ、集光点と被加工物を相対移動させることは容易ではない。動作可能な加工速度、あるいは積載可能な被加工物またはレーザ加工装置の大きさ・重量は、使用する移動ステージ(被加工物あるいはレーザ加工装置を移動させるためのステージ)の性能に大きく左右される。このため、非常に高性能な移動ステージが必要となり、装置が大型化するとともに高コストとなる。
そこで、本発明は斯かる実情に鑑み、より簡便な装置構成であり、レーザ光のパルス周波数と、被加工物と集光点の相対移動との同期に制限されることなく、被加工物に対して高速に微細周期構造を大面積加工することが可能となる2光束干渉露光法による微細周期構造の形成方法及び形成装置を提供しようとするものである。
本発明の微細周期構造の形成方法は、微小の凹部と微小の凸部とが配設されてなる微細周期構造を材料表面に形成する微細周期構造の形成方法であって、互いに平行な2軸のレーザ光をレーザ光走査装置を経てシリンドリカルレンズである1つの集光用レンズへ入射し、前記2軸のレーザ光を空間的かつ時間的に集光点において一致して2光束干渉露光させ、前記2軸のレーザ光の前記シリンドリカルレンズ上の各入射点の中間点が、前記シリンドリカルレンズの中心線を通り、その集光点における干渉縞に沿った方向に対して、集光点と被加工物とを相対移動させ、かつ、干渉縞を横切る方向に集光点と被加工物を相対移動させるものであり、干渉縞を横切る方向に集光点を相対移動させる速度vは、集光点の干渉縞に沿った方向の相対移動速度をVとし、集光点の干渉縞に沿った方向の直径をDとし、干渉縞の周期をΔとしたときに、v<(Δ×V)/Dと設定され、前記レーザ光走査装置と被加工物との動作及びレーザ光走査装置のみの動作での前記干渉縞に沿った方向に対する相対移動を可能としたものである。
本発明の微細周期構造の形成方法によれば、2軸のレーザ光を1軸のレーザ光走行装置により、その集光点における干渉縞に沿った方向に対して、同時に走査させることが可能となる。したがって、例えば移動ステージ(被加工物を移動させるためのステージ)を用いた被加工物の移動のみならず干渉縞を形成した集光点の位置も同時に移動させることで、移動ステージの移動速度を低減できる。勿論、移動ステージを動作させることなく、レーザ光走行装置のみ動作させることで、その集光点における干渉縞に沿った方向に対して、集光点と被加工物とを相対移動させて微細周期構造を形成することもできる。また、集光点がオーバラップするようにすれば、周期構造の凸部と凹部がそれぞれ途切れなく連続した微細周期構造を形成することができる。また、この微細周期構造の形成方法では、干渉縞に沿った方向と干渉縞を横切る方向に被加工物を相対移動させるものであるので、大面積の微細周期構造を形成することが可能となる。特に、干渉縞に沿った方向と干渉縞を横切る方向に集光点と被加工物を同時に移動させるものであれば、短時間に大面積の微細周期構造を形成することが可能となる。
前記シリンドリカルレンズとは、少なくとも片面がシリンドリカル面で構成されているレンズのことである。シリンドリカル面とは円筒面のことで、一方向には曲率を持つが、それと直交する方向には曲率を持たない面のことである。シリンドリカルレンズに光を入射させると、線状に集光する。
本発明の微細周期構造の形成装置は、微小の凹部と微小の凸部とが配設されてなる微細周期構造を材料表面に形成する微細周期構造の形成装置であって、互いに平行な2軸のレーザ光がレーザ光走査装置を経て入射されて、前記2軸のレーザ光を空間的かつ時間的に集光点において一致して2光束干渉露光させるシリンドリカルレンズである1つの集光用レンズと、その集光点における干渉縞に沿った方向に対して、集光点と被加工物とを相対移動させる第1相対移動手段と、干渉縞を横切る方向に集光点と被加工物とを相対移動させる第2相対移動手段とを備え、前記2軸のレーザ光の前記シリンドリカルレンズ上の各入射点の中間点が、前記シリンドリカルレンズの中心線を通り、干渉縞を横切る方向に集光点を相対移動させる速度vは、集光点の干渉縞に沿った方向の相対移動速度をVとし、集光点の干渉縞に沿った方向の直径をDとし、干渉縞の周期をΔとしたときに、v<(Δ×V)/Dと設定され、前記レーザ光走査装置と被加工物との動作及びレーザ光走査装置のみの動作での前記各相対移動を可能としたものである。
本発明の微細周期構造の形成装置によれば、被加工物のスライドに加え干渉縞を形成した集光点の位置もレーザ光走行装置によって同時に移動させることで、被加工物のスライドするための移動ステージの移動速度を低減できる。勿論、移動ステージを動作させることなく、レーザ光走行装置のみ動作させることで、その集光点における干渉縞に沿った方向に対して、集光点と被加工物とを相対移動させて微細周期構造を形成することもできる。また、集光点がオーバラップするようにすれば、周期構造の凸部と凹部がそれぞれ途切れなく連続した微細周期構造を形成することができる。しかも、第2相対移動手段にて干渉縞を横切る方向に被加工物を相対移動させるものであるので、大面積の微細周期構造を形成することが可能となる。
干渉縞に沿った方向と同時に干渉縞を横切る方向に集光点と被加工物を相対移動させるものであれば、短時間に大面積の微細周期構造を形成することが可能となる。
本発明では、移動ステージの移動による被加工物の移動のみならず干渉縞を形成した集光点の位置もレーザ光走行装置によって同時に移動させることで、移動ステージの移動速度を低減でき、従来のような高性能な移動ステージが必要となるという問題が発生しない。つまり、レーザ光のパルス周波数と、被加工物と集光点の相対移動との同期に制限されることなく、被加工物に対して微細周期構造を高速に加工することができる。
特に、第2の微細周期構造の形成方法及び形成装置では、干渉縞に沿った方向と同時に干渉縞を横切る方向に集光点と被加工物を相対移動させることができ、微細周期構造を大面積加工することが可能となる。この場合、干渉縞に沿った方向と同時に干渉縞を横切る方向に集光点と被加工物を相対移動させることによって、高速に微細周期構造を大面積加工することが可能となる。
集光用レンズ上の各入射点の中間点が、レーザ光走行装置によるレーザ光の走査に伴って、前記集光用レンズの中心線を通るように構成したものでは、2つのレーザ光は、安定して、集光点において空間的にも時間的にも一致するようにでき、高精度の微細周期構造を形成できる。
集光用レンズを、球面レンズ、シリンドリカルレンズやfθレンズ等にて構成できる。このため、既存のレンズを用いることができ、構成の簡略化及び低コスト化を図ることができる。
本発明の第1の実施形態の微細周期構造の形成装置を示す簡略図である。 シリンドリカルレンズの断面図である。 前記図1に示す微細周期構造の形成装置を用いた形成方法で形成した微細周期構造の簡略図である。 前記図1に示す微細周期構造の形成装置を用いた形成方法で形成した他の微細周期構造の簡略図である。 微細周期構造の形成装置の参考例を示す簡略図である。 従来の微細周期構造の形成装置の簡略図である。 2つの集光レンズを用いて形成した微細周期構造の簡略図である。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1は微細周期構造の形成装置を示し、この形成装置は、微小の凹部と微小の凸部とで配設されてなる微細周期構造50を、材料S表面に形成するものである。図5は参考例を示し、この図5に示す微細周期構造の形成装置は、レーザ発振器21と、レーザ発振器21から照射されたレーザ光Lが入光するビームスプリッタ22と、集光用レンズ23と、ビームスプリッタ22にて分けられる2つのレーザ光L1、L2のうち一方の第1のレーザ光L1を集光用レンズ23に入射させる第1の光学系24と、他方の第2のレーザ光L2を集光用レンズ23に入射させる第2の光学系25とを備える。なお、レーザ光としては、ナノ秒レーザ、ピコ秒レーザ、及びフェムト秒レーザ等のパルスレーザを用いることができる。
第1の光学系24は、2つのミラー26,27を有するものである。この場合、ビームスプリッタ22にて分けられた第1のレーザ光L1は、まず、第1のミラー26にて反射された後、第2のミラー26に反射されて集光用レンズ23に入射して、材料S上に集光する。
第2の光学系25は、3つのミラー28,29,30を有し、ビームスプリッタ22にて分けられた第2のレーザ光L2は、まず、第3のミラー28にて反射された後、第4のミラー29に反射され、その後、第5のミラー30に反射されて集光用レンズ23に入射して、材料S上に集光する。
また、第2の光学系25には光路長調整装置31を備えている。この場合、第3のミラー28にレーザ光L2が入光する方向と、第4のミラー29からレーザ光L2が反射する方向とが平行になるように配置される。そこで、光路長調整装置31は、この入光する方向および反射する方向に沿って、第3のミラー28及び第4のミラー29を、一体的に矢印A、B方向の移動を可能とするものである。このため、この光路長調整装置31の駆動機構として、シリンダ機構、ボール・ナット機構、リニアモータ機構等の各種の移動機構を用いることができる。
この図5に示す微細周期構造の形成装置にて干渉縞を形成する方法を説明する。まず、レーザ発振器21から、ビームスプリッタ22に向けて一軸のレーザ光Lを照射する。ビームスプリッタ22に照射されたレーザ光Lは、2つのレーザ光L1、L2に分岐する。第1のレーザ光L1は第1のミラー26に向けて照射されることになり、第2のレーザ光L2は第3のミラー28に向けて照射されることになる。
第1のミラー26に向けて照射された第1のレーザ光L1は、前記したように、第1のミラー26及び第2のミラー27にて反射され、集光用レンズ23に入光して、材料S上に集光する。
第3のミラー28に向けて照射された第2のレーザ光L2は、前記したように、第3のミラー28、第4のミラー29、及び第5のミラー30にて反射され、集光用レンズ23に入光して、材料S上に集光する。
この場合、2つのレーザ光が集光点で空間的にも時間的にも一致して材料(被加工物)Sに照射されるようにする必要がある。このため、この図5に示す形成装置では、光路長調整装置31を設けている。この光路長調整装置31を矢印A方向又は矢印Bにスライドさせることによって、レーザ光L2の光路長を変更できるようにしている。すなわち、光路長調整装置31を矢印A方向にスライドさせることによって、レーザ光L2の光路長が長くなり、光路長調整装置31を矢印B方向にスライドさせることによって、レーザ光L2の光路長が短くなる。
これによって、L1とL2の光路長を一致させることで、2つのレーザ光L1,L2が集光点F(図2参照)で空間的にも時間的にも一致して材料(被加工物)Sに照射されることになり、集光点において干渉縞を発生させることになる。すなわち、この装置で、材料(被加工物)Sの表面にレーザ光を照射することによって、干渉縞つまりレーザ光のエネルギー密度の周期的な組密による微細周期構造が材料(被加工物)Sの表面に形成される。
これに対して、本発明では、図1に示すように、この図5に示す形成装置に、干渉縞方向相対移動手段(第1相対移動手段)51を構成するレーザ光走行装置35を付加した構成のものである。レーザ光走行装置35は、レーザL1,L2の集光点を走査するものであり、ガルバノミラースキャナ38を用いることができる。ここで、ガルバノミラースキャナ38とは、モータ(ガルバノモータ)36の先端にレーザ光を反射させるためのミラー37が付いたものであり、この集光点FをY軸方向に沿って走行させる。
この装置においては、被加工物Sが移動ステージ40上に配置される。この移動ステージ40はXYZステージ又はXYZθステージ等で構成できる。この場合、移動ステージ40を、X軸方向に沿ってスライドさせることになる。すなわち、移動ステージ40によって被加工物SをX軸方向に沿って水平面上を移動し、レーザL1,L2の集光点のX軸と直交するY軸方向に往復走査することになる。すなわち、この移動ステージ40は、干渉縞直交方向相対移動手段(第2相対移動手段)52を構成することになる。
集光用レンズ23として、この図1に示す装置では、シリンドリカルレンズ23を用いている。ここで、シリンドリカルレンズ23とは、少なくとも片面がシリンドリカル面で構成されているレンズのことである。シリンドリカル面とは円筒面のことで、一方向には曲率を持つが、それと直交する方向には曲率を持たない面のことである。このため、円筒面に平行光を入射させると、線状に集光する。
この装置では、まず、図5に示す形成装置と同様に、1軸のレーザ光LをL1とL2の2軸に分岐させ、互いに平行となるようにする。ここで、一方の光路(この実施形態では、L2の光路)の光路長を光路長調整装置31にて正負に調整できる。
この2つの平行なレーザ光L1、L2はレーザ光走行装置35であるガルバノミラースキャナ38に導かれる。このとき、ガルバノミラースキャナ38の回転軸38aに対してレーザ光L1、L2を垂直に入射させる。ガルバノミラースキャナ38に反射させた2つのレーザ光L1、L2は、集光用レンズ23であるシリンドリカルレンズ23の中心軸に対してそれぞれ軸対称となる位置に入射させる。
すなわち、図2に示すように、集光用レンズ23上の各入射点H1,H2の中間点Oが、レーザ光走行装置35(ガルバノミラースキャナ38)によるレーザ光L1,L2の走査に伴って、前記集光用レンズ23の中心点を通る直線(中心線)L3(図1参照)上にあるように設定される。このため、直線L3からのレーザ光L1までの距離W1と、直線L3からのレーザ光L2までの距離W2とは同一に設定される。これによって、レーザ光L1、L2はシリンドリカルレンズ23の軸を被加工物S上に投影した線上に集光され、干渉縞45を発生させる。
この干渉縞45はシリンドリカルレンズ23の軸方向およびガルバノミラースキャナ38の走査方向に一致している。このため、ガルバノミラースキャナ38を動作させレーザ光L1、L2をシリンドリカルレンズ23の軸に沿って走査すると被加工物Sに微細周期構造50が高速に加工できる。
このため、ガルバノミラースキャナ38により干渉縞45に沿った方向に集光点Fを走査し、干渉縞45を横切る方向にステージ40により被加工物Sを移動させれば、微細周期構造50が高速にかつ大面積に加工可能となる。すなわち、集光点Fを、被加工物S表面に対し、干渉縞45に沿った方向に相対移動させながら集光点Fがオーバラップするように照射するとともに、被加工物S側を干渉縞45を横切る方向に移動させることによって、干渉縞45によって形成された微細周期構造50が、広範囲に整列して形成される。
ところで、図3は、干渉縞45に沿った方向への集光点Fの相対移動の終了を待ってから干渉縞45を横切る方向へ被加工物Sと集光点Fとを相対移動させた場合の微細周期構造50を示している。しかしながら、このように干渉縞45に沿った方向への集光点Fの所定量(所定寸)の移動を行った後、干渉縞45を横切る方向への被加工物Sの移動を行う方法では、加工速度としては低下することになる。
そこで、干渉縞45に沿った方向への集光点Fを相対移動させると同時に、干渉縞45を横切る方向へも被加工物Sの移動を行うことを提案できる。このように、干渉縞45に沿った方向への集光点の移動と、干渉縞45を横切る方向への被加工物Sの移動とを同時に行えば、図4に示すように、微細周期構造50の凹凸部が、Y軸方向に沿った直線状にならずに、干渉縞45を横切る方向にずれたものとなる。
この場合、干渉縞45に沿った方向へレーザ集光点Fが集光点Fの直径の距離を移動する間の、集光点Fの干渉縞45を横切る方向への移動距離を干渉縞の1周期未満に制限することが好ましい。このように制限すれば、干渉露光法によって形成された微細周期構造50が後続のレーザ光照射による形状劣化を低減することが可能となる。つまり、集光点Fは必ずしも干渉縞45に完全に平行な方向に直進させる必要はない。
このため、干渉締45を横切る方向に集光点を相対移動させる速度vとしては、集光点Fの干渉縞45に沿った方向の相対移動速度をVとし、集光点の干渉縞に沿った方向の直径をD(図4参照)とし、干渉縞の周期をΔ(図4参照)とすると、v<(Δ×V)/Dとするのが好ましい。さらには、v<(Δ×V)/(2×D)とすることがより好ましい。これによって、微細周期構造50は後続のレーザ光で破壊されることなく、連続的な加工が可能となる。
このように、移動ステージ40の移動による被加工物Sの移動のみならず干渉縞45を形成した集光点Fの位置も同時に移動させることで、移動ステージ40の移動速度を低減でき、上記のような高性能な移動ステージ40が必要となるという問題が発生しない。つまり、レーザ光のパルス周波数と、被加工物Sと集光点Fの相対移動との同期に制限されることなく、被加工物Sに対して微細周期構造50を高速に加工することができる。
特に、干渉縞45に沿った方向と同時に干渉縞45を横切る方向に集光点Fと被加工物Sを相対移動させることができ、高速に微細周期構造50を大面積加工することが可能となる。
ところで、集光用レンズ23としては、シリンドリカルレンズ23に限らず、球面レンズ、fθレンズなどあれば良い。また、レーザ光L1、L2は集光点Fにおいて、少なくともその干渉パターンの明暗の明の部分のエネルギー密度が加工闘値を超えていれば良い。そのため、W1=W2である限り、レーザ光L1、L2のレンズへの入射位置あるいは入射角度は限定されない。すなわち、W1=W2を維持しつつ、W1(W2)の寸法を任意に設定できる。
シリンドリカルレンズ23は、集光点が楕円形状となるため、レーザ光のワンショットあたりの加工面積は大となって、加工時間の短縮を図る利点がある。fθレンズは、レーザ光走査装置による走査角度に対して、レーザ光集光点の移動距離が比例するレンズのことである。このため、fθレンズは、ガルバノミラースキャナ38によって走査しているレーザ光を集光するレンズとして好ましいものとなっている。なお、レンズには、fθレンズのように、複数枚のレンズから構成されて1つの製品となっているものがあるため、複数枚からなるレンズ群を装備したレンズ製品を「1つの集光用レンズ」とする。
レーザ光走行装置35としては、ガルバノミラースキャナ38に限るものではなく、ポリゴンミラースキャナ、ピエゾミラースキャナ等が使用できる。ガルバノミラースキャナは一面ミラーを電磁力で回転させるものであり、ポリゴンミラースキャナは多面ミラーを回転させて、レーザ光をスキャンするものであり、ピエゾミラースキャナはピエゾ素子でミラーの角度を変化させて、レーザ光をスキャンするものである。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、前記実施形態では、レーザ光走行装置35によって集光点Fを走査せるとともに、移動ステージ40を移動させていたが、移動ステージ40を移動させることなく、レーザ光走行装置35による集光点の走査のみを行うものであってもよい。
移動ステージ40として、干渉縞45を横切る方向に集光点Fと被加工物Sを相対移動させるものであったが、回転するステージを用いてもよい。すなわち、回転移動ステージを使用して被加工物Sを回転させながらレーザ光を照射し、微細周期構造50を円形に加工することも可能である。この場合、集光点Fの直径とは、集光点Fの干渉縞に沿った方向の直径となる。また、被加工物が円筒状あるいは球状等の立体形状からなるものである場合は、被加工物を回転させながら、その側面あるいは内面に加工することも可能である。
前記実施形態では、まず、1軸のレーザ光Lを、2軸のレーザ光L1,2に分岐させるものであったが、2つのレーザ光発振器を備えたものであってもよい。すなわち、一のレーザ光発振器から1軸のレーザ光L1を発振させ、他のレーザ光発振器から1軸のレーザ光L2を発振させるようにしてもよい。
被加工物Sとしては、ステンレス、炭素鋼、銅、アルミニウム、チタン、白金等の金属材料、チタン合金、アルミ合金、超硬合金等の複合材料でもよい。また炭化ケイ素や窒化ケイ素等のセラミックスであっても、プラスチック等であってもよい。さらには、ガラスやサファイア、アルミナなど透明・半透明材料でもよい。また、レーザ光を放出する装置には、固体レーザ、液体レーザ、ガスレーザ、及び半導体レーザ等がある。このため、被加工物Sに応じて、これらの各種のレーザから選択して用いるようにしてもよい。
23 集光用レンズ
35 レーザ光走行装置
50 微細周期構造
51 干渉縞方向相対移動手段(第1相対移動手段)
52 第2相対移動手段
H1,H2 入射点
L,L1,L2 レーザ光
O 中間点
S 材料(被加工物)

Claims (6)

  1. 微小の凹部と微小の凸部とが配設されてなる微細周期構造を材料表面に形成する微細周
    期構造の形成方法であって、
    互いに平行な2軸のレーザ光をレーザ光走査装置を経てシリンドリカルレンズである1つの集光用レンズへ入射し、前記2軸のレーザ光を空間的かつ時間的に集光点において一致して2光束干渉露光させ、前記2軸のレーザ光の前記シリンドリカルレンズ上の各入射点の中間点が、前記シリンドリカルレンズの中心線を通り、その集光点における干渉縞に沿った方向に対して、集光点と被加工物とを相対移動させ、かつ、干渉縞を横切る方向に集光点と被加工物を相対移動させるものであり、干渉縞を横切る方向に集光点を相対移動させる速度vは、集光点の干渉縞に沿った方向の相対移動速度をVとし、集光点の干渉縞に沿った方向の直径をDとし、干渉縞の周期をΔとしたときに、v<(Δ×V)/Dと設定され、前記レーザ光走査装置と被加工物との動作及びレーザ光走査装置のみの動作での前記干渉縞に沿った方向に対する相対移動を可能としたことを特徴とする微細周期構造の形成方法。
  2. 干渉縞に沿った方向の集光点と被加工物との相対移動と、干渉縞を横切る方向の集光点と被加工物との相対移動とを同時に行うことを特徴とする請求項1に記載の微細周期構造の形成方法。
  3. 集光点における干渉縞に沿った方向に対して、集光点がオーバラップすることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の微細周期構造の形成方法。
  4. 微小の凹部と微小の凸部とが配設されてなる微細周期構造を材料表面に形成する微細周期構造の形成装置であって、
    互いに平行な2軸のレーザ光がレーザ光走査装置を経て入射されて、前記2軸のレーザ光を空間的かつ時間的に集光点において一致して2光束干渉露光させるシリンドリカルレンズである1つの集光用レンズと、その集光点における干渉縞に沿った方向に対して、集光点と被加工物とを相対移動させる第1相対移動手段と、干渉縞を横切る方向に集光点と被加工物とを相対移動させる第2相対移動手段とを備え、前記2軸のレーザ光の前記シリンドリカルレンズ上の各入射点の中間点が、前記シリンドリカルレンズの中心線を通り、干渉縞を横切る方向に集光点を相対移動させる速度vは、集光点の干渉縞に沿った方向の相対移動速度をVとし、集光点の干渉縞に沿った方向の直径をDとし、干渉縞の周期をΔとしたときに、v<(Δ×V)/Dと設定され、前記レーザ光走査装置と被加工物との動作及びレーザ光走査装置のみの動作での前記各相対移動を可能としたことを特徴とする微細周期構造の形成装置。
  5. 第1相対移動手段による相対移動と第2相対移動手段による相対移動とを同時に行うこと特徴とする請求項4に記載の微細周期構造の形成装置
  6. 集光点における干渉縞に沿った方向に対して、集光点がオーバラップすることを特徴とする、請求項4又は請求項5に記載の微細周期構造の形成装置。
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