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JP6496613B2 - 点火プラグの碍子先端温度推定システム - Google Patents

点火プラグの碍子先端温度推定システム Download PDF

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JP6496613B2 JP2015116350A JP2015116350A JP6496613B2 JP 6496613 B2 JP6496613 B2 JP 6496613B2 JP 2015116350 A JP2015116350 A JP 2015116350A JP 2015116350 A JP2015116350 A JP 2015116350A JP 6496613 B2 JP6496613 B2 JP 6496613B2
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Description

本発明は、点火プラグの碍子先端温度推定システムに関し、特にエンジン運転状態に則した碍子先端温度を推定する点火プラグの碍子先端温度推定システムに関する。
従来、エンジンにおいて、高負荷領域で点火プラグの碍子先端温度が高温、例えば1000℃以上になると、碍子先端が熱源となって火花が飛ばなくても点火するプレイグニション(早期着火)が発生することが知られている。このプレイグニションの発生により出力低下を起し、更に点火プラグの電極の溶損、碍子の破損を招くことが懸念される。この対策としてプレイグニション発生頻度が高い運転領域では、燃料噴射量の増加や、燃料噴射時期及び点火時期をリタードしてプレイグニッションが発生しないようにしている。
一方、近年、燃費やエミッションを改善する観点から、エンジンの高圧縮化や、制御空燃比を理論空燃比に移行するストイキ化が必要になり、エンジンの高圧縮化やストイキ化に伴ってプレイグニションの発生頻度が高くなる傾向がある。
この対策として、例えば、特許文献1に開示される技術では、吸気温度と、吸気管圧力と、エンジン回転数等をパラメータとし、予め実験などで設定された推定プラグ温度マップを参照して点火プラグの温度を推定し、この推定されたプラグ温度とプレイグニッション限界温度マップによるプレイグニッション限界温度との温度差に基づき点火時期を遅角することで燃焼温度を低下させてプレイグニッションの発生を回避する。
特許文献2に開示される技術では、高負荷で高回転の運転状態から高負荷で低回転に急激に変化した際に、燃料噴射量を増量することで、プレイグニッションの発生を防止する。
特許文献3に開示される技術では、排気弁が開となる気筒の排気行程時に燃料を噴射する燃料噴射弁制御部を備え、吸気温度とエンジン回転数及びエンジン水温等による補正係数によって圧縮時の筒内温度を推定する筒内温度推定部と、筒内温度推定部が推定した圧縮時の筒内温度がプレイグニッションが発生すると予測される温度より高いと判定した際に、吸気行程時に燃料噴射弁から燃料を噴射させることで気筒内の温度を低下させてプレイグニッションの発生を防止する。
特許文献4に開示される技術では、中心電極の温度に応じた電気信号を発する温度センサが内蔵された点火プラグを備え、点火時期を進角させた後、点火プラグの中心電極の温度が所定温度を超えた時に点火時期を遅角させて所定温度と碍子温度を比較する。そして遅角後の中心電極温度が所定温度より低いときにはプレイグニッションが発生しておらず、遅角後の碍子温度が所定温度以上であるとこにはプレイグニッションが発生したとみなす。
特開平4−191464号公報 特開平9−191464号公報 特開2013−241924号公報 特開平11−36965号公報
上記特許文献1においては、吸気温度、吸気管圧力、エンジン回転数等をパラメータとして推定プラグ温度マップを参照してプラグ温度を推定し、プレイグニッション限界温度マップのプレイグニッション限界温度との温度差に基づき点火時期を遅角することでプレイグニッションの発生を防止している。しかし、プラグ温度推定のパラメータとなる吸気温度、吸気管圧力及びエンジン回転数はエンジンの運転状態、例えば負荷や回転等により刻々変化することから点火プラグの温度がエンジン運転状態に応じて種々変化し、点火プラグ碍子先端温度の推定精度が低下することが懸念される。
特許文献2では、高回転の運転状態から低回転に急激に変化した際に、燃料噴射量を増量することでプレイグニッションの発生を防止している。
特許文献3に開示される技術では、排気弁が開となる気筒の排気行程時に燃料を噴射する燃料噴射弁制御部を備え、吸気温度とエンジン回転数及びエンジン水温等による補正係数によって圧縮時の筒内温度を推定し、圧縮時の筒内温度がプレイグニッションが発生すると予測される温度より高いと判定すると燃料噴射弁から燃料を噴射させてプレイグニッションの発生を防止している。
これら特許文献2及び3においては、エンジン回転数の急減や筒内温度により発するプレイグニッションの発生を防止するものであり、より高精度でプレイグニッション発生を判定するには、プレイグニッションの直接の発生要因となる点火プラグの碍子先端の温度に基づき判定することが好ましい。
特許文献4によると、中心電極の温度を検知する温度センサが内蔵された点火プラグによる温度検知によりプレイグニッションの発生有無が判定される。しかし、中心電極の温度を検知する温度センサを内蔵した点火プラグは極めて高価である。
かかる点に鑑みてなされる本発明の目的は、点火プラグの碍子先端温度をエンジン運転状態に則して高精度に推定し得る点火プラグの碍子先端温度推定システムを提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に記載の点火プラグの碍子先端温度推定システムは、エンジン運転状態に基づいて基本点火プラグ碍子先端温度を設定する基本温度設定手段と、前記基本点火プラグ先端温度設定後のエンジン運転状態に基づいて、予め設定されたプラグ碍子先端温度マップを参照して該マップ上の点火プラグ碍子先端温度を設定するマップ上温度設定手段と、前記設定したマップ上の点火プラグ碍子先端温度と前記設定した基本点火プラグ碍子先端温度との温度差分値を算出する差分値算出手段と、エンジン運転状態変化に応じて変化する各要素の状態を運転状態検出手段で検出した検出値を基に温度補正係数を算出する補正係数算出手段と、前記温度差分値に前記温度補正係数を乗じて前記温度差分値を補正する差分値補正手段と、前記設定した基本点火プラグ碍子先端温度に前記補正した温度差分値を加算して点火プラグ碍子先端温度を推定する点火プラグ先端温度推定手段とを備えたことを特徴とする。
これによると、エンジン運転状態を基に基本となる点火プラグ碍子先端温度を設定し、しかる後、エンジン運転状態に基づいてプラグ碍子先端温度マップを参照してマップ上の点火プラグ碍子先端温度を設定し、この設定した点火プラグ碍子先端温度と基本点火プラグ碍子先端温度の温度差分値をエンジン運転状態変化に則して変化する各要素の状態を運転状態検出手段で検出した検出値を基に算出した温度補正係数で補正することでより、エンジン運転状態に即して補正された高精度の温度差分値が得られ、この補正した温度差分値を基本点火プラグ碍子先端温度に加算することでエンジン運転状態に則した高精度の点火プラグ碍子先端温度が推定できる。例えば、プレイグニッションの発生要因となる点火プラグのプラグ碍子先端の温度を高精度で推定することで、プレイグニッション発生を回避するエンジン制御、例えば、燃料噴射量の増加や、燃料噴射時期及び点火時期のリタードが最適なタイミングでの制御可能になり、不確定の燃料噴射量をなくし、不用意な動力低下や燃費の悪化が防止できる。更に、不確定な燃料噴射時期やバルブタイミングのリタードを回避することで、動力低下や燃費悪化が改善でき、かつ排気温度の上昇が抑制できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の点火プラグの碍子先端温度推定システムにおいて、前記マップ上温度設定手段は、エンジン運転状態に基づくエンジン回転数及び筒内圧をパラメータとして、予め設定されたプラグ碍子先端温度マップを参照して該マップ上の点火プラグ碍子先端温度を設定することを特徴とする。
これによると、点火プラグ碍子先端温度となるエンジン運転状態に基づくエンジン回転数及び筒内圧をパラメータとしてプラグ碍子先端温度マップを参照することで点火プラグ碍子先端温度が設定できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の点火プラグの碍子先端温度推定システムにおいて、前記運転状態検出手段は、エアフローセンサ、水温センサ、油温センサ、ノックセンサ、吸気温センサのうちの少なくとも複数のセンサを含み、該各センサの検出値を基に、予め設定されたプラグ碍子先端温度補正マップを参照して前記温度補正係数となる温度影響係数を算出することを特徴とする。
これによると、エンジン運転状態により種々変化して点火プラグ碍子先端温度の変化に影響を及ぼす要因となる吸入空気量、冷却水温、ノックの発生、吸気温等を検知するエアフローセンサ、水温センサ、油温センサ、ノックセンサ、吸気温センサ等の検出値をパラメータとしてプラグ碍子先端温度補正マップを参照して温度差分値を補正する温度影響係数を算出し、この温度影響係数を温度差分値に乗じることで運転状態に即した温度差分値に補正され、この補正された温度差分値を基本点火プラグ碍子先端温度に加算することでエンジン運転状態に則した高精度で点火プラグ碍子先端温度が推定できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の点火プラグの碍子先端温度推定システムにおいて、前記運転状態検出手段は、排気温度をパラメータとして、予め設定された排気温度補正マップを参照して前記温度補正係数となる排気温度影響係数を算出することを特徴とする。
これによると、エンジン運転状態検出手段を点火プラグ碍子先端温度の変化に影響を及ぼす要因となる排気温度をパラメータとして排気温度補正マップを参照して温度差分値を補正する排気温度影響係数を算出し、この排気温度影響係数を温度差分値に乗じることで運転状態に即した温度差分値に補正され、この補正された温度差分値を基本点火プラグ碍子先端温度に加算することでエンジン運転状態に則した高精度で点火プラグ碍子先端温度が推定できる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の点火プラグの碍子先端温度推定システムにおいて、前記運転状態検出手段は、エンジン回転数及びエンジン負荷をパラメータとして区分されたゾーン別に、予め設定された温度閾値を超える回数をカウントし、該カウント数に応じて排気温度影響係数を算出することを特徴とする。
これによると、排気温度を推定するエンジン回転数及びエンジン負荷をパラメータとして区分されたゾーン別に、温度閾値を超える回数をカウントして排気温度を算定することで、運転状態に即した温度差分値が得られ、この温度差分値を基本点火プラグ碍子先端温度に加算することでエンジン運転状態に則した高精度の点火プラグ碍子先端温度が推定できる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の点火プラグの碍子先端温度推定システムにおいて、前記推定された点火プラグ碍子先端温度をパラメータとしてプレイグニッション発生限界マップを参照して該推定点火プラグ碍子先端温度が、予め設定されたプレイグニッション発生可能性有無を閾値とする判定値を超えるか否か判定する手段を備えることを特徴とする。
これによると、高精度で推定された点火プラグ碍子先端温度が予め設定された判定値を超えるか否で、プレイグニッション発生の可能性有無が判定される。これにより、プレイグニッション発生を回避する制御、例えば燃料噴射時期のリタードや点火時期の遅角が適正かつ迅速に制御できる。
本発明によると、エンジン運転状態を基に基本点火プラグ碍子先端温度を設定し、しかる後、エンジン運転状態に基づいてプラグ碍子先端温度マップを参照してマップ上の点火プラグ碍子先端温度を設定し、この点火プラグ碍子先端温度と基本点火プラグ碍子先端温度の温度差分値を運転状態に則して補正し、この補正した温度差分値を基本点火プラグ碍子先端温度に加算することで、エンジン運転状態に則した高精度の点火プラグ碍子先端温度が推定できる。
実施の形態における点火プラグの碍子先端温度推定システムを備えたエンジンを模式的に示す構成図である。 点火プラグ碍子先端温度推定システムを実現するためのECUの構成を示すブロック図である。 プラグ碍子先端温度マップの説明図である。 排気温度補正マップの説明図である。 点火プラグ碍子先端温度推定システムの説明図である。 点火プラグ碍子先端温度推定手順を示すフローチャートである。 エンジン制御の説明図である。
本発明の点火プラグの碍子先端温度推定システムの一実施の形態を図1乃至図7を参照して説明する。
図1は点火プラグ碍子先端温度推定システムを備えたエンジン1の構成例を模式的に示す構成図である。
エンジン1は4気筒の内燃機関であり、各気筒に点火プラグ10が配置され、吸気系を構成する吸気管11がエンジン1の各気筒の燃焼室に連通する吸気マニホールド12に接続され、この吸気管11には上流側にエアクリナ13が配置され、下流側にスロットルボディ14が配置される。このスロットルボディ14内にスロットルバルブ14aが設けられ、ECU50によってスロットルバルブ14aの開度が制御される。
吸気マニホールド12には、各気筒に対応して各気筒の図示しない吸気バルブの上流側直近にインジェクタ15がそれぞれ設けられる。このインジェクタ15は、ECU50によって燃料噴射量や燃料噴射タイミングが制御される。
また、排気系においてエンジン1の各気筒に接続される排気マニホールド21が排気管22に接続され、排気管22には触媒が収容される触媒ケース23が設けられる。
また、エンジン1は、エンジン運転状態の変化に応じて変化する各要素の状態を検出する運転状態検出手段、例えば吸気温センサ31、吸気圧センサ32、エアフローセンサ33、水温センサ34、油温センサ35、クランク角センサ36、及びノックセンサ37等の各種センサを有する。
吸気温センサ31及び吸気圧センサ32は、吸気マニホールド12に取り付けられ、吸気温センサ31は吸気マニホールド12内に導入される吸気温度を検出し、その検出値をECU50に出力する。また、吸気圧センサ32は吸気圧を検出し、その検出値をECU50に出力する。
エアフローセンサ33は、エアクリナ13とスロットルボディ14との間に配置され、エアフローセンサ33は吸気管11に導入される空気量を検出する。そして、エアフローセンサ33は、検出値をECU50に出力する。
水温センサ34は、エンジン1に取り付けられてエンジン1の冷却水の温度を検出し、その検出値をECU50に出力する。油温センサ35は、エンジン1に取り付けられてエンジンオイルの温度を検出し、その検出値をECU50に出力する。
クランク角センサ36は、エンジン1に取り付けられ、クランクシャフトのクランク角及びエンジン回転数を検出し、その検出値をECU50に出力する。
ノックセンサ37は、エンジン1に取り付けられ運転時に発生するノックを検出し、検出値をECU50に出力する。
ECU50は、例えばCPU、ROM、RAM等によって構成され、ROMには各種処理を実施する制御プログラムが格納され、CPUはROMに格納されている各種処理を実現する制御プログラムが格納される。
このECU50は、吸気温センサ31、吸気圧センサ32、エアフローセンサ33等の各種センサ等からの検出値を基にエンジン1の運転を制御する。
そして、本実施形態ではECU50は、各種センサの検出値を基にエンジン運転状態下における各気筒に配置された点火プラグ10の碍子先端温度を推定し、かつ点火プラグ10の碍子先端温度がプレイグニッション発生限界値を超えた場合にはプレイグニッションの発生回避或いは低減のためのエンジン運転制御をする。
図2は、点火プラグ10の碍子先端温度を推定及び制御を実現するためのECU50の構成例を示すブロック図であり、図3はプラグ碍子温度マップMPaの概要説明図、図4は排気温度補正マップMPcの概要説明図、図5は点火プラグ碍子先端温度推定方法を示すブロック部である。
ECU50は、エンジン回転数検出部51、筒内圧検出部52、プラグ碍子先端温度設定部53、差分値算出部54、温度補正係数算出部55、排気温度補正係数算出部56、差分値補正部57、プラグ碍子先端温度推定部58、プラグ碍子先端温度判定部59及びプラグ碍子先端温度マップMPa、プラグ碍子先端温度補正マップMPb、排気温度補正マップMPc、プレイグニッション発生限界マップMPd、VVTタイミングマップMPe、及び噴射タイミングマップMPf等の固定データを有している。
プラグ碍子先端温度マップMPaには、図3に示すように、エンジン回転数NEと筒内圧Piをパラメータとして予め実験等により設定された点火プラグ10のプラグ碍子先端温度tがストアされており、プラグ碍子先端温度tはエンジン回転数NE及び筒内圧Piの増加に従って上昇し、エンジン回転数NE及び筒内圧Piの低下に従って下降する相関関係を有する。すなわちエンジン回転数NE及び筒内圧Piをパラメータとしてプラグ碍子先端温度マップMPaを参照することでプラグ碍子先端温度マップMPa上の点火プラグ碍子先端温度が設定できる。
プラグ碍子先端温度補正マップMPbは、エンジン運転状態に応じて点火プラグ10のプラグ碍子先端温度Tの上昇及び降下に影響する要因となる、例えば、冷却水温、エンジンオイル温、吸気温や吸入空気量等のエンジン運転状態に応じて逐次変化する各要素の状態を運転状態検出手段で検出し、プラグ碍子先端温度に対する温度影響の度合に応じて係数化して総合した補正係数を算出するマップである。本実施の形態ではエアフローセンサ33、水温センサ34、油温センサ35、クランク角センサ36、吸気温センサ31等の検出値をプラグ碍子先端温度に対する温度影響に応じてそれぞれ係数化して総合した温度補正係数であって、プラグ碍子先端温度Tの上昇或いは降下に影響する度合に応じた温度影響係数Kaを算出する。この温度影響係数Kaは、予め実験等によって各センサの検出値とプラグ碍子先端温度の上昇に影響する度合を検出して設定される。なお、温度影響係数Kaの算出及び設定にあたり上記各センサの検出値に限定されることなく、プラグ碍子先端温度に影響する要素の運転状態における状態を検出する他のセンサの検出値を付加し、或いは上記センサの一部を省略することもできる。
排気温度補正マップMPcは、エンジン運転状態に応じて逐次変化する排気温度がプラグ10のプラグ碍子先端温度の上昇及び降下に影響する度合を係数化した補正係数を排気温度影響係数Kbとするものである。例えば図4に示すように、エンジン回転数NEとエンジン負荷LEをパラメータとして複数のゾーン、本実施ではMAP[1]、MAP[2]〜MAP[6]に区分し、各ゾーン別に所定時間内における排気温度TEが予め設定された閾値TL、例えば、800℃以上となる回数をカウントし、そのカウントにより排気温度影影響係数Kbを設定する。すなわち、各ゾーンMAP[1]、MAP[2]〜MAP[6]において排気温度TEが閾値TLを超える回数が多い程、気筒内温度が高くなりプラグ碍子先端温度の上昇に大きく影響する度合として排気温度影響係数Kbを設置する。この各ゾーンにおける排気温度影響係数Kbの設定は、予め実験等によってエンジン回転数、エンジン負荷、排気温度等をパラメータとしてプラグ碍子先端の温度上昇に影響を及ぼす度合を数値化して設定される。
プレイグニッション発生限界マップMPdは、点火プラグ碍子先端温度とプレイグニッション発生可能性有無との相関を示すもので、予め実験等により設定されるプレイグニッション発生頻度が高い運転領域とプレイグニッション発生頻度の低い領域とに区分する点火プラグ先端温度の閾値を判定値TPと設定する。例えばプラグ碍子先端温度が1000℃を超えたあたりからプレイグニッション発生の可能性があり、このプレイグニッション発生限界温度(約1000℃)を判定値TPと設定する。これによりプラグ碍子先端温度をパラメータとしてプレイグニッション発生限界マップMPdを参照することでプレイグニッション発生可能性の有無が判定でき、点火プラグ碍子先端温度が判定値TPを超えたときはプレイグニッション発生可能性がある状態であると判定される。
VVTタイミングマップMPeは、可変バルブ機構において吸気側のカムシャフトの位相を変える際のタイミングを制御するための参照マップであって、種々のエンジン運転状態に適した複数のVVTタイミングマップMPeを備え、エンジン運転状態の変化に応じて選択的に切り替えて使用する。
噴射タイミングマップMPfは、燃料噴射タイミングを制御する参照マップであって、種々のエンジン運転状態に適した複数の噴射タイミングマップMPfを備え、エンジン運転状態の変化に応じて選択的に切り替えて使用される。
図5は点火プラグ碍子先端温度推定システムの説明図、図6は点火プラグ碍子先端温度推定手順を示すフローチャートである。
図6に示すフローチャーチに従ってECU50の処理内容を説明する。
図6に示すように、先ずステップS101(基本温度設定手段)では、ECU50は、エンジン回転数検出部51でクランク角センサ36の検出値を基にエンジン回転数NEを検出し、かつ筒内圧検出部52でクランク角センサ36の検出値に基づくクランクシャフトの回転変動及び回転速度を基に正味平均有効圧(筒内圧)Piを推定する。
このエンジン回転数NE及び筒内圧Piをパラメータとしてプラグ碍子温度設定部53でプラグ碍子先端温度マップMPaを参照してプラグ碍子先端温度マップMPa上の点火プラグ碍子先端温度T0を設定する。この点火プラグ碍子先端温度T0を基本となる点火プラグ碍子先端温度(基本点火プラグ碍子先端温度)としてストアしておく。
しかる後、次のステップS102(マップ上温度設定手段)で、エンジン回転数検出部51において新たにクランク角センサ36で検出した検出値を基にエンジン回転数NEを検出し、かつ筒内圧検出部52でクランク角センサ36の検出値に基づくクランクシャフトの回転変動及び回転速度を基に正味平均有効圧(筒内圧)Piを推定する。このエンジン回転数NE及び筒内圧Piをパラメータとしてプラグ碍子温度設定部53でプラグ碍子先端温度マップMPaを参照してマップ上におけるプラグ碍子先端温度T1を設定する。
ステップS103(差分値算出手段)では、差分値演算部54で、基本点火プラグ碍子先端温度T0に対するプラグ碍子先端温度マット上の点火プラグ碍子先端温度T1の温度差分値ΔT(:T1−T0)を算出する。すなわち前回設定された基本プラグ碍子先端温度T0に対するプラグ碍子先端温度の上昇或いは降下した温度変化量を算出する。
この温度差分値ΔTが0(:T1=T0)であるときはプラグ碍子先端温度に変化がなく推移したエンジン運転状態であり、温度差分値ΔTが0より大(:T1>T0)あるときはプラグ碍子先端温度が上昇するエンジン運転状態、差分値ΔTが0より小(:T1<T0)であるときはプラグ碍子先端温度が降下するエンジン運転状態となる。
ステップS104(補正値算出手段)では、温度補係数正算出部55でこのときのプラグ碍子先端温度の上昇及ぶ降下に影響する運転状態の要因情報となるエアフローセンサ33、エンジン水温センサ34、油温センサ35、吸気圧センサ32及びノックセンサ36の検出値をパラメータとしてプラグ碍子温度補正マップMPbを参照してエンジン運転状態に応じた温度影響係数Kaを算出し、かつステップS105では排気温度補正係数算出部56でこのときのエンジン回転数NE、エンジン負荷LE、排気温度TE等をパラメータとして排気温度補正マップMPcを参照してエンジン運転状況に応じた排気温度影響係数Kbを算出する。
ステップS106(差分値補正手段)では、差分値補正部57においてステップS103で算出した温度差分値ΔT(:T1−T0)にステップS105で算出した影響補正係数Ka及びステップS106で算出した排気温度影響係数Kbを乗ずる(ΔT×Ka×Kb)。これにより、前回設定した基本プラグ碍子先端温度T0から後に設定されるプラグ碍子温度マップMPa上におけるプラグ碍子先端温度T1に移行する際に実際にエンジン運転状態におけるプラグ碍子先端温度に影響する温度要因に従って補正されて温度差分値ΔTがエンジン運転状態の則した温度差分値ΔT1(:ΔT×Ka×Kb)に補正される。
次のステップS107(点火プラグ先端温度推定手段)では、プラグ碍子先端温度推定部58で基本点火プラグ碍子先端温度T0にステップS106で補正された温度差分値ΔT1を積算して点火プラグのプラグ碍子先端温度Tを推定する(T=T0+ΔT1)。この点火プラグ碍子先端温度Tは、基準となる基本点火プラグ碍子先端温度T0に、プラグ碍子先端温度マップMPa上の点火プラグ碍子先端温度T1と基本点火プラグ碍子先端温度T0との温度差分値ΔTをエンジン運転状態に則した補正係数(温度影響係数Ka、排気温度影響係数Kb)で補正した温度差分値ΔT1を積算することでエンジン運転状態に則し、極めて高精度に推定される。
次のステップS108(プレイグニッション発生可能性判断手段)では、ステップS107で推定された点火プラグ碍子先端温度Tをパラメータとしてプレイグニッション発生限度マップMPdを参照しプレイグニッション発生可能性の有無を判定する。すなわち、推定された点火プラグ碍子先端温度Tが判定値TP(約1000℃)を超えたときはプレイグニッションの発生可能性がある状態と判定される。
このプログラムは所定周期毎に実行されるルーチンでありステップS102からステップS108が繰り返され、推定される点火プラグ碍子先端温度Tはエンジン運転状態に応じて逐次更新される。
ステップS108で点火プラグ碍子先端温度Tが基準値TPを超えたと判定された後は、プレイグニッションの発生を抑制するエンジン運転制御が行われる。このエンジン運転制御の一例を、図7を参照して説明する。
ステップS108で点火プラグ碍子先端温度Tが基準値TP(約1000℃)を超えると判定すると、ECU50は、燃焼温度を抑制して点火プラグ碍子先端温度の上昇を抑制しかつ降下を図る手段として、例えばバルブタイミングを制御するVVTタイミングマップMPeを切り替えて吸気バルブのバルブタイミングを可変制御(バルブオーバラップを短く制御)し、或いは噴射タイミングMPfを切り替えて燃料噴射時期をリタード(遅角)制御してプレイグニッションの発生を回避する。
更に、ノックセンサ37がノックを検知した際には、プレイグニッションが発生した可能性が高いことから、燃料噴射量の増加や、点火時期をリタードしてプレイグニッションの発止を回避する。
従って、本実施の形態によると、プレイグニッションの発生の要因となる点火プラグの碍子先端温度Tをエンジン運転状態に即して高精度で推定でき、プレイグニッションの発生を回避すべく、燃料噴射量の増加や、燃料噴射時期及び点火時期の最適な制御が可能になり、不確定の燃料噴射量をなくし、不用意な動力低下や燃費の悪化が防止できる。更に、不確実な燃料噴射時期やバルブタイミングのリタードを回避することで、動力低下や燃費悪化及び排気温度の上昇が抑制できる。
また、点火プラグの温度が適切に制御でき、プラグのくすぶり対策や、点火プラグの寿命予測等が高精度で行える。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば上記実施の形態では点火プラグ先端温度Tと算出するにあたり、温度差分値ΔTをエンジン運転状態に応じて逐次変化する各要素の状態を検出手段での検知を基に設定した温度影響係数Ka及びエンジン運転状況に応じて変化する排気温度を基に設定した排気温度影響係数Kbにより補正したが、一方の補正、例えば排気温度を基に設定した排気温度影響係数Kbによる補正を省略して構成の簡素化を図ることもできる。
1 エンジン
10 点火プラグ
31 吸気温度センサ
32 吸気圧センサ
33 エアフローセンサ
34 水温センサ
35 油温センサ
36 クランク角センサ
37 ノックセンサ
50 ECU
MPa プラグ碍子先端温度マップ
MPb プラグ碍子先端温度補正マップ
MPc 排気温度補正マップ
MPd プレイグニッション発生限界マップ
T 推定点火プラグ碍子先端温度
T0 基本点火プラグ碍子先端温度
T1 プラグ碍子先端温度マップ上の点火プラグ碍子先端温度
ΔT 温度差分値
ΔT1 補正された温度差値
Ka 温度影響係数(補正係数)
Kb 排気温度影響係数(補正係数)

Claims (6)

  1. エンジン運転状態に基づいて基本点火プラグ碍子先端温度を設定する基本温度設定手段と、
    前記基本点火プラグ先端温度設定後のエンジン運転状態に基づいて、予め設定されたプラグ碍子先端温度マップを参照して該マップ上の点火プラグ碍子先端温度を設定するマップ上温度設定手段と、
    前記設定したマップ上の点火プラグ碍子先端温度と前記設定した基本点火プラグ碍子先端温度との温度差分値を算出する差分値算出手段と、
    エンジン運転状態変化に応じて変化する各要素の状態を運転状態検出手段で検出した検出値を基に温度補正係数を算出する補正値算出手段と、
    前記温度差分値に前記温度補正係数を乗じて前記温度差分値を補正する差分値補正手段と、
    前記設定した基本点火プラグ碍子先端温度に前記補正した温度差分値を加算して点火プラグ碍子先端温度を推定する点火プラグ先端温度推定手段とを備えたことを特徴とする点火プラグの碍子先端温度推定システム。
  2. 前記マップ上温度設定手段は、エンジン運転状態に基づくエンジン回転数及び筒内圧をパラメータとして、予めエンジン回転数及び筒内圧をパラメータとするプラグ碍子先端温度が設定されたプラグ碍子先端温度マップを参照して該マップ上の点火プラグ碍子先端温度を設定することを特徴とする請求項1に記載の点火プラグの碍子先端温度推定システム。
  3. 前記運転状態検出手段は、エアフローセンサ、水温センサ、油温センサ、ノックセンサ、吸気温センサのうちの少なくとも複数のセンサを含み、該各センサの検出値を基に、予め設定されたプラグ碍子先端温度補正マップを参照して前記温度補正係数となる温度影響係数を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の点火プラグの碍子先端温度推定システム。
  4. 前記運転状態検出手段は、排気温度をパラメータとして、予め設定された排気温度補正マップを参照して前記温度補正係数となる排気温度影響係数を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の点火プラグの碍子先端温度推定システム。
  5. 前記運転状態検出手段は、エンジン回転数及びエンジン負荷をパラメータとして区分されたゾーン別に、予め設定された温度閾値を超える回数をカウントし、該カウント数に応じて排気温度影響係数を算出することを特徴とする請求項4に記載の点火プラグの碍子先端温度推定システム。
  6. 前記推定された点火プラグ碍子先端温度をパラメータとしてプレイグニッション発生限界マップを参照して該推定点火プラグ碍子先端温度が、予め設定されたプレイグニッション発生可能性有無を閾値とする判定値を超えるか否か判定する手段を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の点火プラグの碍子先端温度推定システム。
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