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JP6495074B2 - 単一指向性コンデンサマイクロホン - Google Patents

単一指向性コンデンサマイクロホン Download PDF

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JP6495074B2
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Description

この発明は、コンデンサマイクロホンの音声出力より相関値に対応した信号を得て、出力レベルを制御することで、信号対雑音比(S/N)を向上させた単一指向性コンデンサマイクロホンに関する。
コンデンサマイクロホンは、対向して配置された振動板および固定極を含むコンデンサマイクロホンユニットと、インピーダンス変換器を含む音声信号出力部を有している。
また、単一指向性のコンデンサマイクロホンには、音源から到来する音波を振動板の前面側に直接的に加える前方音響孔と、振動板の裏面側に作用させるための後方音響孔とが備えられる。
口径(直径)が例えば20mm以下の小型のコンデンサマイクロホンユニットでは、前方音響孔と後方音響孔の距離が短い。すなわち、マイクロホンユニットに実効的に音圧を与える空気の中心位置であり、前方および後方音響孔のそれぞれの近傍に現れる音響端子(前部音響端子,後部音響端子)間の距離が短くなる。そのため、このような小型のマイクロホンユニットは高い周波数領域まで安定した指向周波数応答を持っている。しかしながら、小型のマイクロホンユニットを有するマイクロホンにおいて、その有効静電容量は小さく、固有雑音を低くすることはできなかった。そのため、このようなマイクロホンのS/Nを向上させることは困難である。
これに対して、口径が例えば20mmを超える大型のコンデンサマイクロホンユニットの感度およびS/Nは、振動板の面積が大きいことから、優れている。しかし、前方音響孔と後方音響孔とが離れているため、それらの近傍に現れる前部音響端子と後部音響端子の音響端子間距離が長くなる。そのため、小型のマイクロホンユニットと比較して、高域の周波数応答が劣る。
そこで本件出願人は、小型のコンデンサマイクロホンユニットを用い、高い周波数領域まで安定した指向周波数応答を確保しながら、感度およびS/Nを確保することが可能なコンデンサマイクロホンについて先に提案をしている。これは特許文献1および2に開示されている。
すなわち、特許文献1に開示されたコンデンサマイクロホンは、複数の小型の単一指向性コンデンサマイクロホンユニットを並列接続することで、有効容量を増加させて固有雑音レベルを減少させる手段を採用している。
また、特許文献2に開示されたコンデンサマイクロホンにおいて、1つのコンデンサマイクロホンユニットのインピーダンス変換器の出力を、別のコンデンサマイクロホンユニットに加えることで、各マイクロホンユニット出力を直列接続した構成が採用されている。これにより感度を高めてS/Nを向上させたコンデンサマイクロホンを提供することができる。
特許第4336256号公報 特許第5201598号公報
ところで、コンデンサマイクロホンユニットは、数pF〜数十pF程度の静電容量を持つ。そのため、コンデンサマイクロホンユニットの信号源インピーダンスは高い。このような高い信号源インピーダンスからの信号を伝送するため、コンデンサマイクロホンユニットには前記したとおりインピーダンス変換器が用いられる。コンデンサマイクロホンにおいて生ずる雑音は、マイクロホンユニットの機械インピーダンスに起因する雑音と、例えばFETを用いたインピーダンス変換器による雑音とがあり、これらは音声信号に加算されて出力される。
この場合、音波を受けることによりマイクロホンユニットにより生成される信号には相関(周期性)があるのに対して、インピーダンス変換器(例えばFET)によって発生する雑音は無相関である。特に小口径の単一指向性コンデンサマイクロホンに含まれる雑音信号は、前記したFETより発生するいわゆるショット雑音が支配的である。このショット雑音は、周波数領域において、周波数が下がるほど雑音のレベルが高くなることから、1/f雑音とも呼ばれている。
一方、この種のコンデンサマイクロホンを用いて音楽等を収録する場合には、いわゆるコンプレッサーを通して意図的にダイナミックレンジを整える信号処理が行われる。したがって、特に無音時もしくは音声信号レベルが小さい場合には、前記1/f雑音も所定の増幅作用を受ける。このことから、残留雑音として1/f雑音が収録した音楽等に顕在化するという課題があった。それ故、前記した無音時もしくは音声信号レベルが小さい場合には、前記1/f雑音を抑制することで、S/Nを改善させることは重要である。
また音声信号のS/Nを改善させるにあたり、マイクロホンユニットからの音声信号がA/D変換され、DSP等によって相関信号のみを出力させる手段がある。しかしながら、集音帯域を広くしてダイナミックレンジが大きく設定された場合、サンプリング周波数を高くする必要がある。このようなデジタル信号がアナログ信号に再変換された場合、信号の時間遅延が大きくなる。このような時間遅延は、音質に影響を与えることがあり、好ましくない。
この発明は、前記した特許文献1および2に示されたように、複数の単一指向性コンデンサマイクロホンユニットを並列接続すること、または1つのコンデンサマイクロホンユニットのインピーダンス変換器の出力を別のコンデンサマイクロホンユニットに直列に加えることで、信号のS/Nを改善させる基本構成が採用される。
そして、前記構成に加えて、インピーダンス変換器から出力される音声信号中の相関値に応じて前記音声信号の出力レベルを制御することで、S/Nをさらに改善させた単一指向性コンデンサマイクロホンを提供することを目的とするものである。
加えてこの発明は、音声信号をアナログ信号の状態で処理する事で、前記した信号の遅延などの影響をなくした単一指向性コンデンサマイクロホンを提供することを目的とするものである。
前記した課題を解決するためになされたこの発明に係る第1形態の単一指向性コンデンサマイクロホンは、複数の単一指向性コンデンサマイクロホンユニットと、前記各コンデンサマイクロホンユニットにそれぞれ接続されるインピーダンス変換器とを有し、一つのコンデンサマイクロホンユニットに接続されるインピーダンス変換器の出力を、別のコンデンサマイクロホンユニットに加えることで、直列に接続されたコンデンサマイクロホンユニットにより加算された音声信号を得るように構成した単一指向性コンデンサマイクロホンであって、前記インピーダンス変換器の出力より、低域信号を抽出するローパスフィルタと、当該ローパスフィルタを介した低域信号を用いて相関値を得る相関検出部と、前記相関検出部からの相関値に対応する信号によって、前記音声信号の出力レベルを制御するレベル制御部とを備えたことを特徴とする。
この場合、第1形態の単一指向性マイクロホンは、直列に接続されたコンデンサマイクロホンユニット群を2組備え、各組のコンデンサマイクロホンユニット群からの音声信号出力が前記レベル制御部を介してそれぞれ平衡出力のホット側信号とコールド側信号として出力される構成を好適に採用できる。
また、前記した課題を解決するためになされたこの発明に係る第2形態の単一指向性コンデンサマイクロホンは、複数の単一指向性コンデンサマイクロホンユニットを有し、各コンデンサマイクロホンユニットが並列接続されて、インピーダンス変換器に接続され、当該インピーダンス変換器を介して音声信号を得るように構成した単一指向性コンデンサマイクロホンであって、前記インピーダンス変換器の出力より、低域信号を抽出するローパスフィルタと、当該ローパスフィルタを介した低域信号を用いて相関値を得る相関検出部と、前記相関検出部からの相関値に対応する信号によって、前記音声信号の出力レベルを制御するレベル制御部とを備えたことを特徴とする。
前記第2形態のコンデンサマイクロホンは、複数のマイクロホンユニットが並列接続されてインピーダンス変換器に接続されたコンデンサマイクロホンユニット群を2組備え、各組のコンデンサマイクロホンユニット群の音声信号が、前記レベル制御部を介してそれぞれ平衡出力のホット側信号とコールド側信号として出力される構成を好適に採用できる。
そして、前記第1形態および第2形態のコンデンサマイクロホンのいずれにおいても、同一平面上にそれぞれのコンデンサマイクロホンユニットの振動板が配置されていることが望ましい。
また、前記相関検出部の好ましい一つの形態においては、前記ローパスフィルタを介した異なる2つの低域信号を受けてそれぞれの乗算出力を得る乗算回路と、前記乗算回路によって得られる信号を所定期間にわたって積分する積分回路とが備えられ、前記積分回路の出力が、相関検出部からの相関値に対応する信号として出力される構成が用いられる。
さらに、前記相関検出部の好ましい他の一つの形態においては、前記ローパスフィルタを介した低域信号と、この低域信号を所定時間遅延させた信号との乗算出力を得る乗算回路と、前記乗算回路によって得られる信号を所定期間にわたって積分する積分回路とが備えられ、前記積分回路の出力が、相関検出部からの相関値に対応する信号として出力される構成が用いられる。
この発明に係る第1形態の単一指向性コンデンサマイクロホンは、一つのコンデンサマイクロホンユニットに接続されたインピーダンス変換器の出力を、別のコンデンサマイクロホンユニットに対して直列に加えるように構成される。これによりS/Nを向上させたコンデンサマイクロホンを提供することができる。
また第2形態の単一指向性コンデンサマイクロホンは、複数の単一指向性コンデンサマイクロホンユニットを並列接続して構成される。第2形態の単一指向性コンデンサマイクロホンによると、第1形態と同様に、S/Nを向上させたコンデンサマイクロホンを提供することができる。
前記した構成に加えて、この発明に係るコンデンサマイクロホンは、無相関雑音レベルの大きい低周波信号を対象とした相関検出部と、相関検出部からの相関値に対応する信号によって前記音声信号の出力レベルを制御するレベル制御部とを備えた構成が採用される。これにより、収音していない無音時において、雑音を含んだ出力信号は相関値が小さいため、音声信号の出力レベルが遮断もしくは抑制される。この作用により、さらにS/Nを向上させた単一指向性コンデンサマイクロホンを提供することが可能となる。
この発明に係る単一指向性コンデンサマイクロホンの第1の形態を示したブロック図である。 同じく第2の形態を示したブロック図である。 第1および第2形態のコンデンサマイクロホンに搭載される相関検出部の第1の例を示したブロック図である。 第1および第2形態のコンデンサマイクロホンに搭載される相関検出部の第2の例を示したブロック図である。
この発明に係る単一指向性コンデンサマイクロホンの第1の形態について、図1に基づいて説明する。
図1は、複数の単一指向性マイクロホンユニットを用いた一例として、4つの単一指向性マイクロホンユニット1a〜1dを用いた例を示している。これら4つのマイクロホンユニット1a〜1dには、いずれも高域の指向周波数応答に優れた同一構成の小型のコンデンサマイクロホンユニットが用いられている。
そして、それぞれのコンデンサマイクロホンユニット1a〜1dにおける各振動板には、図示していないが、金属蒸着膜を有する合成樹脂フィルムが用いられている。また図示していないが、振動板に対向する固定極にはエレクトレット誘電体膜が備えられている。これら振動版と固定極によって、バックエレクトレット方式によるエレクトレットコンデンサマイクロホンユニットが構成されている。そして、この実施の形態においては、前記4つのコンデンサマイクロホンユニット1a〜1dの各振動板は、同一平面上に配置されている。
前記した第1〜第4のコンデンサマイクロホンユニット1a〜1dには、それぞれFETを備えたインピーダンス変換器2a〜2dが接続されている。また各インピーダンス変換器2a〜2dの出力端には、それぞれローパスフィルタ3a〜3dが接続されている。さらに各ローパスフィルタ3a〜3dの後段には、アナログ/デジタル変換器4a〜4dが接続されている。そして、アナログ/デジタル変換器4a〜4dによってデジタル変換された信号は、それぞれ相関検出部5に供給される。
さらに詳細には、第1コンデンサマイクロホンユニット1aにおいて、振動板がアース接続され、固定極がインピーダンス変換器2aに接続されている。インピーダンス変換器2aの出力端は第2コンデンサマイクロホンユニット1bの振動板に接続されている。第2コンデンサマイクロホンユニット1bの固定極がインピーダンス変換器2bに接続されている。言い換えれば、第1と第2コンデンサマイクロホンユニット1a,1bは直列に接続され、第1コンデンサマイクロホンユニット1aの音声信号は第2コンデンサマイクロホンユニット1bの音声信号に加算されて出力される。加算された音声信号はインピーダンス変換器2bを介して出力される。そして、インピーダンス変換器2bからの音声信号出力は、レベル制御部6に供給される。上記の接続構成により、第1と第2コンデンサマイクロホンユニット1a,1bは第1組のコンデンサマイクロホンユニット群を形成する。
また、第3コンデンサマイクロホンユニット1cにおいて、固定極がアースに、振動板がインピーダンス変換器2cにそれぞれ接続されている。インピーダンス変換器2cの出力端は第4コンデンサマイクロホンユニット1dの固定極に接続され、第4コンデンサマイクロホンユニット1dの振動板はインピーダンス変換器2dに接続されている。これにより、第3と第4コンデンサマイクロホンユニット1c,1dは直列に接続され、第3コンデンサマイクロホンユニット1cの音声信号は第4コンデンサマイクロホンユニット1dに加算されて出力される。加算された音声信号はインピーダンス変換器2dを介して出力される。そして、インピーダンス変換器2dからの音声信号出力はレベル制御部6に供給される。上記の接続構成により、第3と第4コンデンサマイクロホンユニット1c,1dは第2組のコンデンサマイクロホンユニット群を形成する。
前記した接続構成により、第1組のコンデンサマイクロホンユニット群からの音声信号出力と、第2組のコンデンサマイクロホンユニット群からの音声信号出力とは、互いに逆相関係で出力される。
そして、逆相関係の前記信号はレベル制御部6に備えられた可変抵抗器VRa,VRbをそれぞれ介して、ホット側出力端子(HOT)と、コールド側出力端子(COLD)に平衡出力信号として出力される。
レベル制御部6に備えられた前記可変抵抗器VRa,VRbの抵抗値は、相関検出部5によって検出される相関値に応じて可変される。この結果、前記第1組と第2組のコンデンサマイクロホンユニット群による音声信号の出力レベルは可変抵抗器VRa,VRbによって可変される。したがって、ホット側出力端子(HOT)とコールド側出力端子(COLD)には、それぞれ同一レベルの音声信号が出力される。
前記したとおり相関検出部5には、各インピーダンス変換器2a〜2dからの音声出力が、ローパスフィルタ3a〜3dとアナログ/デジタル変換器4a〜4dを介して供給される。したがってこの実施の形態によると、相関検出部5は無相関雑音レベルが大きい低周波信号を用いて相関検出を行うことになる。このとき、前記したアナログ/デジタル変換器4a〜4dによって、各信号は相関検出用デジタル信号として、相関検出部5に配置された例えば図3に示した相関検出器にそれぞれ供給される。
図3はこの発明に係るコンデンサマイクロホンにおいて利用することができる相関検出器の第1の基本構成例を示すものである。
例えば第1マイクロホンユニット群において相関検出を行う場合には、前記ローパスフィルタ3a,3bを介した低周波信号が、入力端子IN1,IN2から入力され、乗算回路5aによって乗算される。そして、乗算回路5aによって得られる乗算信号は積分回路5bに供給される。また積分回路5bが乗算信号を所定時間にわたって積分することで、第1と第2のコンデンサマイクロホンユニット1a,1bからのそれぞれの音声信号の相関値を得ることができる。すなわち、積分回路5cから得られる信号は、第1と第2のコンデンサマイクロホンユニット1a,1bからのそれぞれの音声信号の相関値として、出力端子OUTに出力される。出力された相関値の絶対値は一般に0から1の範囲に収まる。一般に相関値の絶対値が0のとき、その信号は無相関とされる。
図3に示した相関検出器によると、入力端子IN1,IN2に与えられる音の周期性(相関)を捕らえることができる。一般にコンデンサマイクロホンユニットに入力される音波による信号には相関があるのに対して、前記したインピーダンス変換器による雑音は無相関である。したがって、雑音の有無は信号の相関値から検出できる。
前記した相関検出の例は、第1と第2のコンデンサマイクロホンユニット1a,1bからのそれぞれの信号(3a,3bの出力)から相関値を求めているが、例えば第3と第4のコンデンサマイクロホンユニット1c,1dからのそれぞれの信号(3c,3dの出力)から相関値を求める構成を採用することもできる。同様に第1と第3のコンデンサマイクロホンユニット1a,1cからのそれぞれの信号(3a,3cの出力)から相関値を求める構成を採用することもできる。さらにまた第2と第4のコンデンサマイクロホンユニット1b,1dからのそれぞれの信号(3b,3dの出力)から相関値を求める構成を採用することもできる。
斯くして、図3に示した相関検出器の出力端子OUTから出力される相関値に対応する信号は、図1に示した相関検出部5からレベル制御部6に対して供給されることになる。
したがって、レベル制御部6に備えた前記可変抵抗器VRa,VRbの抵抗値は相関検出部5から供給される相関値に対応する信号によって制御され、ホット側出力端子(HOT)とコールド側出力端子(COLD)に出力する音声信号の出力レベルが制御される。レベル制御部6は、入力された相関値の絶対値(相関値に対応する信号)が0から所定値(例えば、0.2)までの場合、相関が無いと判定し、所定値よりも大きい場合には、相関があると判定する。
すなわち、収音する音声が無い無音時において雑音が発生している場合、相関検出部5により検出される相関値は小さい(例えば、相関値の絶対値が0〜0.2の場合)。このとき、レベル制御部6は音声信号の出力レベルを抑制するように作用する。この結果、無音時において主にインピーダンス変換器からもたらされる雑音は、レベル制御部6によって遮断もしくは減衰される。
一方、相関検出部5により検出される相関値が大きい場合(例えば、相関値の絶対値が0.2よりも大きい場合)には、音波による信号が含まれていると見なされ、可変抵抗器VRa,VRbは信号を減衰させることなく、そのまま出力させるように作用する。
図4は、この発明に係るコンデンサマイクロホンにおいて利用することができる相関検出器の第2の基本構成例を示すものである。この図4に示す相関検出器は、入力端子INに与えられる1つの信号の周期性(相関)を捕らえるものであり、図1に示す構成においては、第1〜第4のコンデンサマイクロホンユニット1a〜1dのいずれかの信号(3a〜3dの出力)が入力端子INに供給される。
例えば、図1に示す第1のコンデンサマイクロホンユニット1aからの信号(3aの出力)が入力端子INに供給されると、この信号は乗算回路5aに供給されるとともに、遅延器(delay)5cにも供給される。遅延器5cを介することにより、所定時間遅延した信号が生成され、乗算回路5aに供給される。そして、乗算回路5aによって得られる乗算信号は、積分回路5bによって所定時間にわたって積分される。その結果、第1のコンデンサマイクロホンユニット1aからの信号の相関値を得ることができる。相関検出器の第2の基本構成例はいわゆる自己相関を用いたものである。相関検出器の第2の基本構成例も第1の基本構成と同様に、その相関値の絶対値は0〜1の範囲に収まる。これまで説明してきたとおり、1/f雑音には周期性が無く、無相関である。したがって、1/f雑音が信号に混入している場合、入力端子INに供給された元の信号と時間遅延を伴った信号は互い相関がなく、音声信号を含む場合は互いに相関を持つ。
図4に示した相関検出器の出力端子OUTから出力される相関値に対応する信号は、図1に示した相関検出部5からレベル制御部6に供給される。前記相関値に対応する信号によって、レベル制御部6の前記可変抵抗器VRa,VRbの抵抗値が制御される。これにより、無音時において主にインピーダンス変換器からもたらされる雑音は、レベル制御部6によって遮断もしくは減衰されることになり、先に説明した例と同様の作用効果を得ることができる。
図1に示した実施の形態によると、2つのコンデンサマイクロホンユニットにより、加算した音声信号を得ることで、S/Nを改善した指向周波数応答が良好なコンデンサマイクロホンを提供することができる。加えて、この実施の形態による単一指向性コンデンサマイクロホンは、相関検出部による相関値に基づいて音声信号の出力レベルを制御する手段を採用して構成されているので、常に高いS/Nを確保できる。
そして、平衡出力されるホット側出力とコールド側出力は、アナログ信号のままでレベル制御がなされるので、例えば音声信号をデジタル処理することにより生ずる集音帯域の制限や、信号遅延の問題なども避けられる。
図2は、この発明に係るコンデンサマイクロホンの第2の形態を示したものである。この図2に示す例においても複数の、ここでは4つの単一指向性マイクロホンユニット1a〜1dが用いられる。これら4つの単一指向性マイクロホンユニット1a〜1dには、高域の指向周波数応答に優れた同一構成の小型のコンデンサマイクロホンユニットが用いられている。
そして図1に示した例と同様に、それぞれのコンデンサマイクロホンユニット1a〜1dにおける各振動板には、図示していないが金属蒸着膜を有する合成樹脂フィルムが用いられている。また、振動板に対向する固定極にはエレクトレット誘電体膜が備えられている。これら1対の振動版と固定極がバックエレクトレット方式によるエレクトレットコンデンサマイクロホンユニットを構成している。さらにこの実施の形態においても、前記4つのコンデンサマイクロホンユニット1a〜1dの各振動板は、同一平面上に配置されている。
第1組を構成する第1コンデンサマイクロホンユニット1aの振動板と、第2コンデンサマイクロホンユニット1bの振動板は共にアース接続されており、各固定極は共通接続されてFETを備えたインピーダンス変換器7aに接続されている。
また、第2組を構成する第3コンデンサマイクロホンユニット1cの固定極と、第4コンデンサマイクロホンユニット1dの固定極は共にアース接続されており、各振動板は共通接続されてFETを備えたインピーダンス変換器7bに接続されている。すなわち、第1コンデンサマイクロホンユニット1aと第2コンデンサマイクロホンユニット1bは並列に接続されている。
各インピーダンス変換器7a,7bの出力端には、それぞれローパスフィルタ8a,8bが接続されており、さらに各ローパスフィルタ8a,8bを介して、アナログ/デジタル変換器9a,9bが接続されている。そして、アナログ/デジタル変換器9a,9bによって相関検出用にデジタル変換された信号は、それぞれ相関検出部5に供給されるように構成されている。
第1組を構成する第1と第2コンデンサマイクロホンユニット1a,1bは、前記したとおり並列接続されることで、有効容量を増加させて固有雑音レベルを減少させる。そして、第1と第2コンデンサマイクロホンユニット1a,1bが接続されたインピーダンス変換器7aからの音声出力は、レベル制御部6に供給される。
同様に第2組を構成する第3と第4コンデンサマイクロホンユニット1c,1dは、前記したとおり並列接続されることで、有効容量を増加させて固有雑音レベルを減少させる。そして、第3と第4コンデンサマイクロホンユニット1c,1dが接続されたインピーダンス変換器7bからの音声出力は、レベル制御部6に供給される。
前記したとおり、第1組を形成する第1と第2コンデンサマイクロホンユニット1a,1bの振動板は共にアース接続されており、第2組を形成する第3と第4コンデンサマイクロホンユニット1c,1dの固定極は共にアース接続されている。したがってインピーダンス変換器7aとインピーダンス変換器7bからの音声信号は、互いに逆相関係で出力される。そして、逆相関係の前記信号は、レベル制御部6に備えられた可変抵抗器VRa,VRbをそれぞれ介して、ホット側出力端子(HOT)と、コールド側出力端子(COLD)に平衡出力信号として出力される。
レベル制御部6に備えられた前記可変抵抗器VRa,VRbの抵抗値は、相関検出部5によって検出される相関値に応じて可変される。この結果、前記第1組と第2組のコンデンサマイクロホンユニットによる音声信号の出力レベルが可変抵抗器VRa,VRbによって可変される。そのためホット側出力端子とコールド側出力端子には、第1組と第2組のコンデンサマイクロホンユニットによる音声信号がそれぞれ同一レベルの状態で出力される。
前記したとおり相関検出部5には、各インピーダンス変換器7a,7bからの音声出力が、ローパスフィルタ8a,8bを介して、相関検出用デジタル信号として供給される。したがってこの実施の形態においても、相関検出部5は無相関雑音レベルが大きい低周波数領域を用いて相関検出を行う。そして、この相関検出部5においても図3もしくは図4に示した相関検出器が用いられる。
図3および図4に示した相関検出器の構成および作用はすでに説明したとおりであり、その詳細な説明は省略する。図2の相関検出部5に図3に示した相関検出器を利用する場合には、インピーダンス変換器7a,7bからの信号が入力端子IN1およびIN2のそれぞれに供給される。そして2つの信号の相関性が相関検出部5によって判定相関値に対応した信号がレベル制御部6に対して出力される。
また、図2の相関検出部5に図4に示した相関検出器を利用する場合、インピーダンス変換器7aもしくは7bのいずれかの信号が入力端子INに供給される。そして、入力端子INに供給される信号の周期性から相関性が判定されて、相関値に対応した信号が相関検出部5よりレベル制御部6に対して出力される。
図1に示した第1形態と同様に、前記レベル制御部6の可変抵抗器VRa,VRbは、相関検出部5からの相関値に対応した信号によって可変される。
したがって、無音時においてインピーダンス変換器7a,7bからもたらされる雑音がある場合、出力される相関用デジタル信号の相関値が小さいため、音声信号はレベル制御部6によって遮断もしくは減衰される。
一方、相関検出部5により検出される相関値が大きい場合には、音波による信号が含まれていると判定される。そのため、可変抵抗器VRa,VRbは音声信号を減衰させることなく、そのまま出力させるように作用する。
図2に示した実施の形態によると、2つのコンデンサマイクロホンユニットを並列接続することで、有効容量を増加させてS/Nを改善した指向周波数応答が良好なコンデンサマイクロホンを提供することができる。そして第1の形態と同様に、この実施の形態における単一指向性コンデンサマイクロホンは、相関検出部による相関値に基づいて信号の出力レベルを制御する手段が採用されているため、常に高いS/Nを確保できる。
そして、平衡出力されるホット側出力とコールド側出力のレベル制御はアナログ信号のままで行われるので、例えば音声信号をデジタル処理することにより生ずる集音帯域の制限や、信号遅延の問題なども避けることができる。
なお、以上説明した第1の形態(図1)においては、2つのコンデンサマイクロホンユニットを直列接続して、音声信号を加算するようにしているが、これは3つ以上のコンデンサマイクロホンユニットを直列接続する構成を採用することができる。これによれば、その加算出力はより増大するので、よりS/Nを改善することに寄与できる。
同様に、第2の形態(図2)においては、2つのコンデンサマイクロホンユニットを並列接続して有効容量を増加させているが、これは3つ以上のコンデンサマイクロホンユニットを並列接続することで、よりS/Nを改善することに寄与できる。
1a〜1d コンデンサマイクロホンユニット
2a〜2d インピーダンス変換器
3a〜3d ローパスフィルタ
4a〜4d アナログ/デジタル変換器
5 相関検出部
5a 乗算回路
5b 積分回路
5c 遅延器
6 レベル制御部
7a,7b インピーダンス変換器
8a,8b ローパスフィルタ
9a,9b アナログ/デジタル変換器
VRa,VRb 可変抵抗器

Claims (7)

  1. 複数の単一指向性コンデンサマイクロホンユニットと、前記各コンデンサマイクロホンユニットにそれぞれ接続されるインピーダンス変換器とを有し、
    一つのコンデンサマイクロホンユニットに接続されるインピーダンス変換器の出力を別のコンデンサマイクロホンユニットに加えることで、コンデンサマイクロホンユニットを直列に接続した単一指向性コンデンサマイクロホンであって、
    前記インピーダンス変換器の出力より低域信号を抽出するローパスフィルタと、
    当該ローパスフィルタを介した低域信号を用いて相関値を得る相関検出部と、
    前記相関検出部からの相関値に対応する信号によって音声信号の出力レベルを制御するレベル制御部と、
    を備えたことを特徴とする単一指向性コンデンサマイクロホン。
  2. 直列に接続されたコンデンサマイクロホンユニットを2組備え、
    各組のコンデンサマイクロホンユニットの音声信号出力が、前記レベル制御部を介してそれぞれ平衡出力のホット側出力と、コールド側出力になされていること、
    を特徴とする請求項1に記載された単一指向性コンデンサマイクロホン。
  3. 複数の単一指向性コンデンサマイクロホンユニットを有し、各コンデンサマイクロホンユニットは並列接続され、かつその後段にはインピーダンス変換器が接続され、当該インピーダンス変換器を介して音声信号を得るように構成した単一指向性コンデンサマイクロホンであって、
    前記インピーダンス変換器の出力より低域信号を抽出するローパスフィルタと、
    当該ローパスフィルタを介した低域信号を用いて相関値を得る相関検出部と、
    前記相関検出部からの相関値に対応する信号によって前記音声信号の出力レベルを制御するレベル制御部と、
    を備えたことを特徴とする単一指向性コンデンサマイクロホン。
  4. 並列接続されて、インピーダンス変換器に接続されたコンデンサマイクロホンユニットを2組備え、
    各組のコンデンサマイクロホンユニットの音声信号出力が前記レベル制御部を介してそれぞれ平衡出力のホット側出力と、コールド側出力になされていること、
    を特徴とする請求項3に記載された単一指向性コンデンサマイクロホン。
  5. 前記複数のコンデンサマイクロホンユニットの振動板は、同一平面上に配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載された単一指向性コンデンサマイクロホン。
  6. 前記相関検出部は、
    前記ローパスフィルタを介した異なる2つの低域信号を受けてそれぞれの乗算出力を得る乗算回路と、
    前記乗算回路によって得られる信号を所定期間にわたって積分する積分回路と、
    を備え、
    前記積分回路は前記相関値に対応する信号を出力すること、
    を特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載された単一指向性コンデンサマイクロホン。
  7. 前記相関検出部は、
    前記ローパスフィルタを介した低域信号とこの低域信号を所定時間遅延させた信号との乗算出力を得る乗算回路と、
    前記乗算回路によって得られる信号を所定期間にわたって積分する積分回路と、
    を備え、
    前記積分回路は前記相関値に対応する信号を出力すること、
    を特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載された単一指向性コンデンサマイクロホン。
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