JP6494034B2 - リンを含有するlev型結晶性アルミノシリケート、およびその製造方法、ならびにリンを含有するlev型結晶性アルミノシリケートを含む触媒 - Google Patents
リンを含有するlev型結晶性アルミノシリケート、およびその製造方法、ならびにリンを含有するlev型結晶性アルミノシリケートを含む触媒 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6494034B2 JP6494034B2 JP2015175556A JP2015175556A JP6494034B2 JP 6494034 B2 JP6494034 B2 JP 6494034B2 JP 2015175556 A JP2015175556 A JP 2015175556A JP 2015175556 A JP2015175556 A JP 2015175556A JP 6494034 B2 JP6494034 B2 JP 6494034B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lev
- type zeolite
- crystalline aluminosilicate
- ratio
- type crystalline
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
- Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
- Catalysts (AREA)
Description
例えば、1−メチル−1−アゾニア−4−アザビシクロ[2,2,2]オクタンを使用したLEV型ゼオライトの製造方法(特許文献1)、メチルキヌクリジンイオンを使用したLEV型ゼオライト(LZ−132)の製造方法(特許文献2)、ジメチルジエチルアンモニウムを使用したLEV型ゼオライト(ZSM−45)の製造方法(特許文献3)、アダマンタンアミンを使用したLEV型ゼオライト(Nu−3)の製造方法(特許文献4)、及び、コリン水酸化物を使用したLEV型ゼオライトの製造方法(非特許文献1)が、それぞれ開示されている。
一方、ゼオライトの触媒活性や耐熱性などの触媒特性を向上させるため、ゼオライトをリンで修飾することが報告されている(非特許文献2)。
すなわち、本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1] リンを含むことを特徴とするLEV型ゼオライト。
[2] 骨格金属に対するリンのモル比が0.01以上、0.15以下である上記[1]に記載のLEV型ゼオライト。
[3] アルミニウムに対するリンのモル比が0.1以上、1.5以下である上記[1]又は[2]に記載のLEV型ゼオライト。
[4] 鉄又は銅の少なくともいずれかを含む上記[1]乃至[3]のいずれかに記載のLEV型ゼオライト。
[5] シリカ源、アルミナ源、及び構造指向剤を含む原料組成物を結晶化する結晶化工程、を有するLEV型ゼオライトの製造方法において、上記構造指向剤がテトラメチルホスホニウムカチオン源であることを特徴とする上記[1]乃至[4]のいずれかに記載のLEV型ゼオライトの製造方法。
[6] 上記テトラメチルホスホニウムカチオン源が、テトラメチルホスホニウム水酸化物、テトラメチルホスホニウムブロミド、テトラメチルホスホニウムクロライド、及びテトラメチルホスホニウムヨージドの群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記[5]に記載のLEV型ゼオライトの製造方法。
[7] 上記原料組成物中のシリカに対するテトラメチルホスホニウムカチオンのモル比が0.01以上、0.5以下である上記[5]又は[6]に記載のLEV型ゼオライトの製造方法。
[8] 上記シリカ源及びアルミナ源が結晶性アルミノシリケートである上記[5]乃至[7]のいずれかに記載のLEV型ゼオライトの製造方法。
[9] 上記シリカ源及びアルミナ源がFAU型ゼオライトである上記[5]乃至[8]のいずれかに記載のLEV型ゼオライトの製造方法。
[10] 原料組成物が、4級アンモニウムカチオン源を含む上記[5]乃至[9]のいずれかに記載のLEV型ゼオライトの製造方法。
[11] 上記4級アンモニウムカチオン源が、コリンクロライド、コリンブロミド、コリンヨージド、コリン水酸化物、ジエチルジメチルアンモニウム水酸化物、ジエチルジメチルアンモニウムクロライド、ジエチルジメチルアンモニウムブロミド、ジエチルジメチルアンモニウムヨージドの群から選ばれる少なくとも1種である上記[10]に記載のLEV型ゼオライトの製造方法。
[12] 上記[1]乃至[4]のいずれかに記載のLEV型ゼオライトを含むことを特徴とする触媒。
[13] 上記[1]乃至[4]のいずれかに記載のLEV型ゼオライトを含むことを特徴とする窒素酸化物還元触媒。
[14] 上記[1]乃至[4]のいずれかに記載のLEV型ゼオライトを使用することを特徴とする窒素酸化物還元方法。
本発明のLEV型ゼオライトは、LEV構造を有する。LEV構造は、国際ゼオライト学会(IZA)で定義される構造コードでLEV構造となる結晶構造である。
また、本発明のLEV型ゼオライトは、LEV構造を有する結晶性アルミノシリケートであり、結晶性アルミノシリケートは、骨格金属(以下、「T原子」とする。)がアルミニウム(Al)とケイ素(Si)であり、これらと酸素(O)のネットワークからなる骨格構造を有する。したがって、LEV構造を有し、なおかつ、そのT原子にリン(P)を含むネットワークからなる骨格構造を有するアルミノフォスフェートやシリコアルミノホスフェートなどのゼオライト類縁物質と、本発明のLEV型ゼオライトとは異なる。
本発明のLEV型ゼオライトに含有されるリンの状態としては、例えば、リン酸イオン、及びリン化合物の群から選ばれる少なくとも1種の状態を挙げることができる。
ここで、本発明のLEV型ゼオライトにおけるT原子とは、その骨格に含まれる金属、即ちSi及びAlである。
ここで、高温高湿雰囲気として、900℃で、10体積%のH2Oを含む空気を300mL/分で流通させた雰囲気を挙げることができる。当該雰囲気に晒される時間が長くなることで、ゼオライトへの熱負荷が大きくなる。一般的には高温高湿下に晒される時間が長くなるほど、脱アルミニウムをはじめとする、ゼオライトの結晶性の低下が生じやすくなる。
銅又は鉄の少なくともいずれかは、本発明のLEV型ゼオライト重量に対する重量割合で1重量%以上5重量%以下、更には2重量%以上4重量%以下であることが好ましい。
本発明は、シリカ源、アルミナ源、及び構造指向剤を含む原料組成物を結晶化する結晶化工程、を有するLEV型ゼオライトの製造方法において、上記構造指向剤がテトラメチルホスホニウムカチオン源であることを特徴とするLEV型ゼオライトの製造方法である。
結晶化工程に供する原料組成物を、TMP、4級N+及びFAU型の結晶性アルミノシリケートを含有する原料組成物とすることで、特に、リンの含有量が少ないLEV型ゼオライトの製造に適している。これにより、熱処理工程及び当該工程に係るコストや時間をかけずに本発明のLEV型ゼオライトを製造することができる。
結晶性アルミノシリケートのSiO2/Al2O3比として1.25以上を挙げることができ、更には10以上、更には20以上が挙げられる。一方、SiO2/Al2O3比は100以下、更には50以下であればよい。
結晶性アルミノシリケートを含んでいれば、これ以外のシリカ源又はアルミナ源を含有しなくてもよい。また、LEV型ゼオライトの結晶化の効率化の観点から、原料組成物は非結晶性のシリカ源又は非結晶性のアルミナ源を含んでいないことが好ましく、結晶性アルミノシリケート以外のシリカ源及びアルミナ源を含んでいないことがより好ましい。
アルカリ源は、アルカリ金属を含む水酸化物を挙げることができる。より具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムの群からなる少なくとも1種を含む水酸化物であり、更にはナトリウム又はカリウムの少なくともいずれかを含む水酸化物であり、また更にはナトリウムを含む水酸化物である。また、シリカ源及びアルミナ源がアルカリ金属を含む場合、当該アルカリ金属もアルカリ源とすることができる。
水は純水を使用してもよいが、各原料を水溶液として使用してもよい。
アルミナに対するシリカのモル比(SiO2/Al2O3比)は10以上、更には20以上であればよい。一方、SiO2/Al2O3比は100以下、更には50以下、また更には40以下であればよい。
シリカに対するアルカリ金属カチオンのモル比(以下、「アルカリ/SiO2比」とする。)は0.01以上、更には0.05以上である。一方、アルカリ/SiO2比は1以下、更には0.5以下、更には0.3以下であればよい。
シリカに対するTMPのモル比(以下、「TMP/SiO2比」とする。)は0.01以上、更には0.05以上である。一方、TMP/SiO2比は0.5以下である。
シリカに対するOHのモル比(以下、「OH/SiO2比」とする。)は1以下、更には0.5以下である。OH/SiO2比が0.5以下であることで、より高い収率でLEV型ゼオライトを得ることができる。通常、原料組成物のOH/SiO2比は、0.1以上となる。
原料組成物が4級N+源を含有する場合、シリカに対する4級N+のモル比(以下、「4級N+/SiO2比」とする。)は0を超え、更には0.05以上を挙げることができる。一方、4級N+/SiO2比は1以下、更には0.5以下、また更には0.4以下であればよい。
原料組成物に含まれるTMP及び4級N+の割合は、目的とするLEV型ゼオライトのリン含有量により任意の割合とすることができる。TMP及び4級N+の合計に対する4級N+のモル比(以下、「4級N+/SDA比」とする。)は0以上、1未満、更には0.1以上、0.9以下、また更には0.5以上、0.9以下を挙げられる。
SiO2/Al2O3比 =10以上、50以下
アルカリ/SiO2比 =0.01以上、0.5以下
TMP/SiO2比 =0.01以上、0.5以下
OH/SiO2比 =0.1以上、0.5以下
H2O/SiO2比 =3以上、20以下
さらに、原料組成物が4級N+源を含む場合の好ましい原料組成物の組成は、
SiO2/Al2O3比 =20以上、50以下
アルカリ/SiO2比 =0.05以上、0.3以下
TMP/SiO2比 =0.1以上、0.5以下
4級N+/SiO2比 =0を超え、0.5以下
4級N+/SDA比 =0.1以上、0.9以下
OH/SiO2比 =0.1以上、0.5以下
H2O/SiO2比 =3以上、15以下
を挙げることができる。
原料組成物の種結晶の含有量は、原料組成物に含まれるシリカ及びアルミナの合計重量に対する、種結晶のシリカ及びアルミナの合計重量として0重量%を超えていればよく、更には0.1重量%以上、また更には1重量%以上であればよい。種結晶の含有量が高くなるほど結晶化は促進される。種結晶の混合量は20重量%以下、更には15%以下、また更には10%以下、であれば、本発明のLEV型ゼオライトが得られる。
なお、本発明における組成は、エネルギー分散型X線測定法(以下、「EDX法」とする。)や、誘導結合プラズマ発光分光分析法(以下、「ICP法」とする。)などの公知の組成分析法により測定することができる。
結晶化温度は80℃以上であれば、原料組成物の結晶化が結晶化する。温度が高いほど、結晶化が促進される。そのため、結晶化温度は100℃以上、更には120℃以上であることが好ましい。原料組成物が結晶化すれば、必要以上に結晶化温度を高くする必要はない。そのため、結晶化温度は200℃以下、更には160℃以下、また更には150℃以下であればよい。また、結晶化は原料組成物を攪拌した状態、又は静置した状態のいずれの状態で行うことができる。
結晶化時間としては、通常、5時間〜7日間、好ましくは1〜7日間である。
洗浄工程は、結晶化後のLEV型ゼオライトと液相とを固液分離する。洗浄工程は、公知の方法で固液分離をし、固相として得られるLEV型ゼオライトを純水で洗浄すればよい。
結晶化後のLEV型ゼオライトは、そのイオン交換サイト上にアルカリ金属イオン等の金属イオンを有する場合がある。イオン交換工程では、これをアンモニウムイオン(NH4 +)や、プロトン(H+)等の非金属カチオンにイオン交換する。アンモニウムイオンへのイオン交換は、LEV型ゼオライトを塩化アンモニウム水溶液に混合、攪拌することが挙げられる。また、プロトンへのイオン交換は、LEV型ゼオライトをアンモニアでイオン交換した後、これを焼成することが挙げられる。
金属含有工程は、LEV型ゼオライトのイオン交換サイト又は細孔の少なくともいずれかに銅又は鉄の少なくともいずれかが含有される方法であればよい。具体的な方法として、イオン交換法、蒸発乾固法及び含浸担持法の群から選ばれる少なくともいずれかを挙げることができ、含浸担持法、更には銅又は鉄の少なくともいずれかを含む化合物を含む水溶液とLEV型ゼオライトとを混合する方法が挙げることができる。
銅又は鉄の少なくともいずれかを含む化合物は、銅又は鉄の少なくともいずれかの無機酸塩、更には銅又は鉄の少なくともいずれかの硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩及び塩化物の群から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
洗浄工程は、LEV型ゼオライトの不純物等を除去されれば、任意の洗浄方法を用いることができる。例えば、金属含有LEV型ゼオライトを十分量の純水で洗浄することが挙げられる。
乾燥工程は、LEV型ゼオライトの水分を除去する。LEV型ゼオライトを、大気中で、100℃以上、200℃以下で処理することが例示できる。
活性化工程は、LEV型ゼオライトに含まれる有機物を除去する。LEV型ゼオライトを、大気中、200℃を超え、600℃以下で処理することが例示できる。
(結晶構造の同定)
一般的なX線回折装置(装置名:Mini Flex、リガク社製)を使用し、試料のXRD測定をした。線源にはCuKα線(λ=1.5405Å)を用い、測定範囲は2θとして5°から50°の範囲で測定した。
得られたXRDパターンと、非特許文献1のFig.1(f)に記載のXRDパターンとを比較することで、試料の構造を同定した。
試料のSiO2/Al2O3比は、EDX法又はICP法により測定した。EDX法による測定は、一般的なエネルギー分散型X線分光装置(装置名:S−4800、日立製作所製)を使用し、試料のSiO2/Al2O3比を求めた。
ICP法による測定は、フッ酸と硝酸の混合水溶液に試料を溶解して試料溶液を調製した。一般的なICP装置(装置名:OPTIMA5300DV、PerkinElmer社製)を使用して、当該試料溶液を誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−AES)でSi及びAlを測定し、SiO2/Al2O3比を求めた。
また、ICP法ではSi及びAlに加えてPを測定し、P/Al比及びP/T比を求めた。
以下の組成となるように、純水、水酸化ナトリウム及びFAU型ゼオライト(Y型、カチオンタイプ:プロトン型、SiO2/Al2O3比=32)を、40%TMPOH(テトラメチルホスホニウム水酸化物)水溶液に添加、混合して原料組成物を得た。
SiO2/Al2O3比 =32
Na/SiO2比 =0.1
TMP/SiO2比 =0.4
OH/SiO2比 =0.5
H2O/SiO2比 =5
得られた原料組成物を密閉容器内に充填し、これを静置した状態で125℃、7日間の条件で原料組成物を結晶化させた。結晶化後の原料組成物を固液分離し、純水で洗浄した後、70℃で乾燥して本実施例のゼオライトを得た。当該ゼオライトは、LEV構造の単一相からなるLEV型ゼオライトであった。本実施例のLEV型ゼオライトのXRDパターンを図1に示した。EDX法により求められた組成は、SiO2/Al2O3比=20.8であった。また、ICP法により求められた組成は、SiO2/Al2O3比=17、P/Al比=1.01、及びP/T比=0.11であった。
また、本実施例のLEV型ゼオライトの評価結果を表1に、SEM写真を図2に示した。
以下の組成となるように、純水、塩化ナトリウム、及びFAU型ゼオライト(Y型、カチオンタイプ:プロトン型、SiO2/Al2O3比=31)を、コリン水酸化物(50%水溶液)に添加、混合して原料組成物を得た。
SiO2/Al2O3比 =31
Na/SiO2比 =0.2
4級N+/SiO2比 =0.5
OH/SiO2比 =0.5
H2O/SiO2比 =5
得られた原料組成物を実施例1と同様の方法で結晶化、後処理することでLEV型ゼオライトを得た。ICP法による組成は、SiO2/Al2O3比=19、P/Al比=0、及びP/T比=0であった。本比較例のLEV型ゼオライトの評価結果を表1に示した。
以下の組成となるように、純水、水酸化ナトリウム、4級アンモニウムカチオンとしてコリン水酸化物(50%水溶液)、FAU型ゼオライト(Y型、カチオンタイプ:プロトン型、SiO2/Al2O3比=31)、及び、種結晶として比較例1で得られたLEV型ゼオライトを、40%TMPOH水溶液に添加、混合して原料組成物を得た。
SiO2/Al2O3比 =31
Na/SiO2比 =0.1
TMP/SiO2比 =0.2
4級N+/SiO2比 =0.2
4級N+/SDA =0.5
OH/SiO2比 =0.5
H2O/SiO2比 =5
種結晶 =5wt%
得られた原料組成物を実施例1と同様の方法で結晶化、後処理することでLEV型ゼオライトを得た。ICP法による組成は、SiO2/Al2O3比=21、P/Al比=1.12、P/T比=0.10であった。本実施例のLEV型ゼオライトの評価結果を表2に示した。
原料組成物を以下の組成とした以外は、実施例2と同様の方法でLEV型ゼオライトを得た。
SiO2/Al2O3比 =31
Na/SiO2比 =0.1
TMP/SiO2比 =0.3
4級N+/SiO2比 =0.1
4級N+/SDA比 =0.25
OH/SiO2比 =0.5
H2O/SiO2比 =5
種結晶 =5wt%
ICP法による組成は、SiO2/Al2O3比=20、P/Al比=1.40、P/T比=0.13であった。本実施例のLEV型ゼオライトの評価結果を表2に示した。
原料組成物を以下の組成とした以外は、実施例2と同様の方法でLEV型ゼオライトを得た。
SiO2/Al2O3比 =31
Na/SiO2比 =0.1
TMP/SiO2比 =0.05
4級N+/SiO2比 =0.35
4級N+/SDA比 =0.88
OH/SiO2比 =0.5
H2O/SiO2比 =5
種結晶 =5wt%
ICP法による組成は、SiO2/Al2O3比=19、P/Al比=0.33、P/T比=0.03であった。本実施例のLEV型ゼオライトの評価結果を表2に示した。
実施例4のLEV型ゼオライトを、大気中、600℃で10時間焼成した後、塩化アンモニウム水溶液を用いてイオン交換して、NH4型のゼオライトとした。NH4型ゼオライト1.3gに硝酸銅水溶液を添加し、これを乳鉢で混合した。なお、硝酸銅水溶液は硝酸銅3水和物128mgを純水0.5gに溶解して硝酸銅水溶液を調製したものを使用した。
混合後の試料を110℃で一晩乾燥した後、空気中、550℃で1時間焼成し、これを本実施例の銅含有LEV型ゼオライトとした。本実施例の銅含有LEV型ゼオライトの評価結果を表3に示す。
比較例1のLEV型ゼオライトを使用したこと、及び、硝酸銅3水和物178mgを純水0.5gに溶解して硝酸銅水溶液を1.6g使用したこと以外は、実施例5と同様な方法で、銅含有LEV型ゼオライトを得た。得られた銅含有LEV型ゼオライトの評価結果を表3に示す。
実施例5及び比較例2の銅含有LEV型ゼオライトに水熱耐久処理を施し、水熱耐久処理前後の窒素酸化物還元特性を評価した。処理条件及び評価条件は以下のとおりである。
(水熱耐久処理)
試料をプレス成形後、凝集径12メッシュ〜20メッシュの凝集粒子とした。得られた凝集粒子3mLを常圧固定床流通式反応管に充填し、これに10体積%のH2Oを含む空気を300mL/分で流通させて水熱耐久処理を行った。水熱耐久処理は、900℃で1時間及び4時間のいずれかの時間で行った。
試料の窒素酸化物還元率は、以下に示すアンモニアSCR方法により測定した。
すなわち、試料をプレス成形した後、凝集径12〜20メッシュの凝集粒子とした。得られた凝集粒子体を1.5mL量りとり、これを反応管に充填した。その後、200℃で、窒素酸化物を含む以下の組成からなる処理ガスを当該反応管に流通させた。処理ガスの流量は1.5L/分、及び空間速度(SV)は60,000h−1として測定を行った。
NO :200ppm
NH3 :200ppm
O2 :10容量%
H2O :3容量%
残部 :N2
反応管に流通させた処理ガス中の窒素酸化物濃度(200ppm)に対する、触媒流通後の処理ガス中の窒素酸化物濃度(ppm)を求め、以下の式に従って、窒素酸化物還元率を求めた。
窒素酸化物還元率(%)={1−(接触後の処理ガス中の窒素酸化物濃度/接触前の処理ガス中の窒素酸化物濃度)}×100
水熱耐久処理前と1時間の水熱耐久処理後の200℃における窒素酸化物還元率を表4に示す。
水熱耐久処理の時間を1時間及び4時間としたこと以外は、測定例1と同様な方法で、実施例5の銅含有LEV型ゼオライトについて行った。結果を表5に示す。
窒素酸化物還元率の測定を300℃、400℃及び500℃のいずれかの温度で行ったこと以外は、測定例1と同様な方法で窒素酸化物還元率を測定した。結果を表6に示す。
Claims (13)
- リンを含むことを特徴とするLEV型結晶性アルミノシリケート。
- 骨格金属に対するリンのモル比が0.01以上、0.15以下である請求項1に記載のLEV型結晶性アルミノシリケート。
- アルミニウムに対するリンのモル比が0.1以上、1.5以下である請求項1又は2に記載のLEV型結晶性アルミノシリケート。
- 鉄又は銅の少なくともいずれかを含む請求項1乃至3のいずれか一項に記載のLEV型結晶性アルミノシリケート。
- シリカ源、アルミナ源、及び構造指向剤を含む原料組成物を結晶化する結晶化工程、を有するLEV型ゼオライトの製造方法において、上記構造指向剤がテトラメチルホスホニウムカチオン源であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のLEV型結晶性アルミノシリケートの製造方法。
- 上記テトラメチルホスホニウムカチオン源が、テトラメチルホスホニウム水酸化物、テトラメチルホスホニウムブロミド、テトラメチルホスホニウムクロライド、及びテトラメチルホスホニウムヨージドの群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5に記載のLEV型結晶性アルミノシリケートの製造方法。
- 上記原料組成物中のシリカに対するテトラメチルホスホニウムカチオンのモル比が0.01以上、0.5以下である請求項5又は6に記載のLEV型結晶性アルミノシリケートの製造方法。
- 上記シリカ源及びアルミナ源が結晶性アルミノシリケートである請求項5乃至7のいずれか1項に記載のLEV型結晶性アルミノシリケートの製造方法。
- 上記シリカ源及びアルミナ源がFAU型ゼオライトである請求項5乃至8のいずれか1項に記載のLEV型結晶性アルミノシリケートの製造方法。
- 原料組成物が、4級アンモニウムカチオン源を含む請求項5乃至9のいずれか一項に記載のLEV型結晶性アルミノシリケートの製造方法。
- 上記4級アンモニウムカチオン源が、コリンクロライド、コリンブロミド、コリンヨージド、コリン水酸化物、ジエチルジメチルアンモニウム水酸化物、ジエチルジメチルアンモニウムクロライド、ジエチルジメチルアンモニウムブロミド、ジエチルジメチルアンモニウムヨージドの群から選ばれる少なくとも1種である請求項10に記載のLEV型結晶性アルミノシリケートの製造方法。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のLEV型結晶性アルミノシリケートを含むことを特徴とする窒素酸化物還元触媒。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のLEV型結晶性アルミノシリケートを使用することを特徴とする窒素酸化物還元方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014189859 | 2014-09-18 | ||
JP2014189859 | 2014-09-18 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016064975A JP2016064975A (ja) | 2016-04-28 |
JP6494034B2 true JP6494034B2 (ja) | 2019-04-03 |
Family
ID=55804953
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015175556A Active JP6494034B2 (ja) | 2014-09-18 | 2015-09-07 | リンを含有するlev型結晶性アルミノシリケート、およびその製造方法、ならびにリンを含有するlev型結晶性アルミノシリケートを含む触媒 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6494034B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6848329B2 (ja) * | 2016-10-20 | 2021-03-24 | 東ソー株式会社 | ゼオライトzts−5及びその製造方法 |
JP2018079428A (ja) * | 2016-11-17 | 2018-05-24 | 東ソー株式会社 | 炭化水素吸着剤及び炭化水素の吸着除去方法 |
JP6988111B2 (ja) * | 2017-03-17 | 2022-01-05 | 三菱ケミカル株式会社 | 酸素8員環ゼオライトの製造方法 |
US10053368B1 (en) * | 2017-09-07 | 2018-08-21 | Chevron U.S.A. Inc. | Synthesis of AFX framework type molecular sieves |
JP7556787B2 (ja) * | 2018-10-23 | 2024-09-26 | エヌ・イーケムキャット株式会社 | Cu-P共担持ゼオライトの製造方法、これに用いることが可能な触媒前駆体組成物及び処理液、並びに積層触媒の製造方法 |
US20210403334A1 (en) * | 2018-11-05 | 2021-12-30 | Pacific Industrial Development Corporation | Method of making aei-type zeolites having a high silica to alumina molar ratio (sar) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4440871A (en) * | 1982-07-26 | 1984-04-03 | Union Carbide Corporation | Crystalline silicoaluminophosphates |
JP5447468B2 (ja) * | 2004-09-21 | 2014-03-19 | 東ソー株式会社 | 芳香族化反応用触媒および芳香族炭化水素の製造方法 |
JP2012116723A (ja) * | 2010-12-02 | 2012-06-21 | Hiroshima Univ | コア−シェル構造を有するlev型ゼオライトとその合成方法 |
JP2014148442A (ja) * | 2013-02-01 | 2014-08-21 | Tosoh Corp | 銅又は鉄を含有するシリコアルミノリン酸塩の製造方法 |
-
2015
- 2015-09-07 JP JP2015175556A patent/JP6494034B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016064975A (ja) | 2016-04-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6278561B2 (ja) | 結晶性アルミノシリケート及びその製造方法 | |
JP6494034B2 (ja) | リンを含有するlev型結晶性アルミノシリケート、およびその製造方法、ならびにリンを含有するlev型結晶性アルミノシリケートを含む触媒 | |
JP6783098B2 (ja) | リンを含有するcha型ゼオライトおよびその製造方法 | |
WO2016125850A1 (ja) | 新規ゼオライト | |
JP6702759B2 (ja) | チタンを含有するaei型ゼオライト及びその製造方法 | |
JP2023099653A (ja) | 金属含有cha型ゼオライト及びその製造方法 | |
JP6350160B2 (ja) | ゼオライトの製造方法 | |
JP6582812B2 (ja) | 新規結晶性アルミノシリケート | |
JP7501763B2 (ja) | ゼオライト及びその製造方法 | |
JP6848329B2 (ja) | ゼオライトzts−5及びその製造方法 | |
CN112551543B (zh) | 在氢氧化物和溴化物形式的含氮有机结构化剂的混合物存在下制备izm-2沸石的方法 | |
JP2018140887A (ja) | リンを含有するafx型ゼオライトおよびその製造方法 | |
JP7007638B2 (ja) | リンを含有するgme型ゼオライトおよびその製造方法 | |
JP7572009B2 (ja) | Cha型ゼオライト材料、及びシクロアルキルアンモニウム化合物とヒドロキシアルキルアンモニウム化合物との組み合わせを使用するその製造方法 | |
CN112551544A (zh) | 在任选氟化介质中在氢氧化物形式的含氮有机结构化剂存在下制备izm-2沸石的方法 | |
JP6792264B2 (ja) | ガリウムを含有する結晶性アルミノシリケートおよびその製造方法 | |
JP2020193135A (ja) | ゼオライトzts−6及びその製造方法 | |
JP6338493B2 (ja) | Mei型ゼオライトの製造方法、およびリンを含有するmei型ゼオライト | |
JP7046641B2 (ja) | リンを含有し、連晶構造を有する小細孔ゼオライト及びその製造方法 | |
JP6856895B2 (ja) | Lev型ゼオライト | |
JP2023064657A (ja) | Cha型ゼオライト及びその製造方法 | |
JP2020196661A (ja) | Aei型ゼオライトの製造方法 | |
JP2017132683A (ja) | スズを含有する小細孔ゼオライトおよびその製造方法 | |
JP2024129152A (ja) | ゼオライト製造用アルミノシリケート | |
JP2023033143A (ja) | 銅含有cha型ゼオライトの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180417 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20181019 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20181018 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20181112 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20181207 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190227 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190301 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6494034 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |