A.第1実施形態:
A−1.構成:
(燃料電池モジュール10の構成)
図1は、燃料電池モジュール10の構成を概略的に示す説明図である。なお、図1では、燃料電池モジュール10の構成をわかりやすくするために、一部の構成が透過して示されたり、一部の構成の図示が省略されたりしている。また、図1には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向(後述の改質部210から燃料電池スタック100に向かう方向)を上方向と呼び、Z軸負方向を下方向と呼ぶものとするが、燃料電池モジュール10は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。図2以降についても同様である。
燃料電池モジュール10は、発電モジュール20と、発電モジュール20に接続された各種配管510,512,514,516とを備える。
(発電モジュール20の構成)
図2から図5は、発電モジュール20の構成を概略的に示す説明図である。図2には、発電モジュール20(燃料電池スタック100)の上側の平面構成が示されており、図3には、図2のIII−IIIの位置における発電モジュール20の断面構成が示されており、図4には、図2のIV−IVの位置における発電モジュール20の断面構成が示されており、図5には、図2のV−Vの位置における発電モジュール20の断面構成が示されている。図1に示すように、発電モジュール20は、燃料電池スタック100と、燃料電池スタック100の周囲に配置された補助部200と、第1の絶縁部材600と、第2の絶縁部材700とを備える。なお、図3から図5では、補助部200の一部が省略されている。
(燃料電池スタック100の構成)
図3から図5に示すように、燃料電池スタック100は、複数の(本実施形態では6つの)発電単位102と、熱交換部103と、一対のエンドプレート104,106とを備える。6つの発電単位102は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向)に並べて配置されている。ただし、6つの発電単位102の内、上側に位置する3つの発電単位102は互いに隣接するように配置され、下側に位置する3つの発電単位102も互いに隣接するように配置され、上側の3つの発電単位102と下側の3つの発電単位102との間に熱交換部103が配置されている。すなわち、熱交換部103は、6つの発電単位102と熱交換部103とから構成される集合体における上下方向の中央付近に配置されている。一対のエンドプレート104,106は、6つの発電単位102と熱交換部103とから構成される集合体を上下から挟むように配置されている。なお、発電単位102は構成単位の一例であり、上記配列方向(上下方向)は第1の方向に相当する。
図3から図5に示すように、燃料電池スタック100を構成する各層(発電単位102、熱交換部103、エンドプレート104,106)のZ方向回りの周縁部には、上下方向に貫通する複数の(本実施形態では8つの)孔が形成されており、各層に形成され互いに対応する孔同士が上下方向に連通して、一方のエンドプレート104から他方のエンドプレート106にわたる連通孔108を構成している。
各連通孔108にはボルト22が挿入されており、ボルト22とボルト22の両側に嵌められたナット24およびスペーサー26とによって、燃料電池スタック100は締結されている。
各ボルト22の軸部の外径は各連通孔108の内径より小さい。そのため、各ボルト22の軸部の外周面と各連通孔108の内周面との間には、空間が確保されている。図2および図3に示すように、燃料電池スタック100のZ方向回りの外周における1つの頂点(Y軸正方向側およびX軸負方向側の頂点)付近に位置するボルト22(ボルト22A)により形成された空間は、燃料電池スタック100の外部から酸化剤ガスOGが導入されるガス流路である酸化剤ガス導入マニホールド161として機能し、燃料電池スタック100のZ方向回りの外周における1つの辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸正方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22B)により形成された空間は、熱交換部103から排出された酸化剤ガスOGを各発電単位102に向けて運ぶガス流路である酸化剤ガス供給マニホールド163として機能する。
また、図2および図4に示すように、燃料電池スタック100のZ方向回りの外周における1つの辺(Y軸に平行な2つの辺の内のX軸負方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22C)により形成された空間は、各発電単位102から排出された未反応の酸化剤ガスOGである酸化剤オフガスOOGを燃料電池スタック100の外部へと排出する酸化剤ガス排出マニホールド162として機能する。なお、本実施形態では、酸化剤ガスOGとして、例えば空気が使用される。
また、図2および図5に示すように、燃料電池スタック100のZ方向回りの外周における1つの辺(X軸に平行な2つの辺の内のY軸正方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22D)により形成された空間は、燃料電池スタック100の外部から燃料ガスFGが導入され、その燃料ガスFGを各発電単位102に供給する燃料ガス導入マニホールド171として機能し、該辺の反対側の辺(X軸に平行な2つの辺の内のY軸負方向側の辺)の中点付近に位置するボルト22(ボルト22E)により形成された空間は、各発電単位102から排出された未反応の燃料ガスFGである燃料オフガスFOGを燃料電池スタック100の外部へと排出する燃料ガス排出マニホールド172として機能する。なお、本実施形態では、燃料ガスFGとして、例えば都市ガスを改質した水素リッチなガスが使用される。
(エンドプレート104,106の構成)
一対のエンドプレート104,106は、方形の平板形状の導電性部材であり、例えばステンレスにより形成されている。一方のエンドプレート104は、最も上に位置する発電単位102の上側に配置され、他方のエンドプレート106は、最も下に位置する発電単位102の下側に配置されている。一対のエンドプレート104,106によって複数の発電単位102と熱交換部103とが押圧された状態で挟持されている。上側のエンドプレート104は、燃料電池スタック100のプラス側の出力端子として機能し、下側のエンドプレート106は、燃料電池スタック100のマイナス側の出力端子として機能する。
(発電単位102の構成)
図6および図7は、発電単位102の詳細構成を示す説明図である。図6には、図4に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102の断面構成が示されており、図7には、図5に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102の断面構成が示されている。
図6および図7に示すように、発電単位102は、単セル110と、セパレータ120と、空気極側フレーム130と、空気極側集電体134と、燃料極側フレーム140と、燃料極側集電体144と、発電単位102の最上層および最下層を構成する一対のインターコネクタ150とを備えている。セパレータ120、空気極側フレーム130、燃料極側フレーム140、インターコネクタ150におけるZ方向回りの周縁部には、上述したボルト22が挿入される連通孔108に対応する孔が形成されている。
インターコネクタ150は、方形の平板形状の導電性部材であり、例えばフェライト系ステンレスにより形成されている。インターコネクタ150は、発電単位102間の電気的導通を確保すると共に、発電単位102間での反応ガスの混合を防止する。なお、本実施形態では、2つの発電単位102が隣接して配置されている場合、1つのインターコネクタ150は、隣接する2つの発電単位102に共有されている。すなわち、ある発電単位102における上側のインターコネクタ150は、その発電単位102の上側に隣接する他の発電単位102における下側のインターコネクタ150と同一部材である。また、燃料電池スタック100は一対のエンドプレート104,106を備えているため、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102は上側のインターコネクタ150を備えておらず、最も下に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ150を備えていない(図3から図5参照)。
単セル110は、電解質層112と、電解質層112を挟んで上下方向(発電単位102が並ぶ配列方向)に互いに対向する空気極(カソード)114および燃料極(アノード)116とを備える。なお、本実施形態の単セル110は、燃料極116で電解質層112および空気極114を支持する燃料極支持形の単セルである。
電解質層112は、方形の平板形状部材であり、例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)、SDC(サマリウムドープセリア)、GDC(ガドリニウムドープセリア)、ペロブスカイト型酸化物等の固体酸化物により形成されている。空気極114は、方形の平板形状部材であり、例えば、ペロブスカイト型酸化物(例えばLSCF(ランタンストロンチウムコバルト鉄酸化物)、LSM(ランタンストロンチウムマンガン酸化物)、LNF(ランタンニッケル鉄))により形成されている。燃料極116は、方形の平板形状部材であり、例えば、Ni(ニッケル)、Niとセラミック粒子からなるサーメット、Ni基合金等により形成されている。このように、本実施形態の単セル110(発電単位102)は、電解質として固体酸化物を用いる固体酸化物形燃料電池(SOFC)である。
セパレータ120は、中央付近に上下方向に貫通する方形の孔121が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。セパレータ120における孔121の周囲部分は、電解質層112における空気極114の側の表面の周縁部に対向している。セパレータ120は、その対向した部分に配置されたロウ材(例えばAgロウ)により形成された接合部124により、電解質層112(単セル110)と接合されている。セパレータ120により、単セル110の周縁部における一方の電極側から他方の電極側へのガスのリークが抑制される。なお、セパレータ120が接合された単セル110をセパレータ付き単セルともいう。
空気極側フレーム130は、図6および図7に示すように、中央付近に上下方向に貫通する方形の孔131が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、マイカ等の絶縁体により形成されている。空気極側フレーム130は、セパレータ120における電解質層112に対向する側とは反対側の表面の周縁部と、インターコネクタ150における空気極114に対向する側の表面の周縁部とに接触している。空気極側フレーム130によって、空気極114とインターコネクタ150との間に酸化剤ガス流路166が確保されると共に、発電単位102に含まれる一対のインターコネクタ150間が電気的に絶縁される。また、図6に示すように、空気極側フレーム130には、酸化剤ガス供給マニホールド163と酸化剤ガス流路166とを連通する酸化剤ガス供給連通孔132と、酸化剤ガス流路166と酸化剤ガス排出マニホールド162とを連通する酸化剤ガス排出連通孔133とが形成されている。
燃料極側フレーム140は、図6および図7に示すように、中央付近に上下方向に貫通する方形の孔141が形成されたフレーム状の部材であり、例えば、金属により形成されている。燃料極側フレーム140は、セパレータ120における電解質層112に対向する側の表面の周縁部と、インターコネクタ150における燃料極116に対向する側の表面の周縁部とに接触している。燃料極側フレーム140によって、燃料極116とインターコネクタ150との間に燃料ガス流路176が確保される。また、図7に示すように、燃料極側フレーム140には、燃料ガス導入マニホールド171と燃料ガス流路176とを連通する燃料ガス供給連通孔142と、燃料ガス流路176と燃料ガス排出マニホールド172とを連通する燃料ガス排出連通孔143とが形成されている。
空気極側集電体134は、図7に示すように、所定の間隔をあけて並べられた複数の四角柱状の導電性部材から構成されており、例えば、フェライト系ステンレスにより形成されている。空気極側集電体134は、空気極114における電解質層112に対向する側とは反対側の表面と、インターコネクタ150における空気極114に対向する側の表面とに接触することにより、空気極114とインターコネクタ150とを電気的に接続する。空気極側集電体134を構成する各柱状部材間に形成される空間は、酸化剤ガス流路166として機能する。なお、空気極側集電体134とインターコネクタ150とが一体の部材として形成されていてもよい。
燃料極側集電体144は、図6に示すように、インターコネクタ対向部146と、複数の電極対向部145と、各電極対向部145とインターコネクタ対向部146とをつなぐ連接部147とを備えており、例えば、ニッケルやニッケル合金、ステンレス等により形成されている。各電極対向部145は、燃料極116における電解質層112に対向する側とは反対側の表面に接触し、インターコネクタ対向部146は、インターコネクタ150における燃料極116に対向する側の表面に接触する。そのため、燃料極側集電体144は、燃料極116とインターコネクタ150とを電気的に接続する。燃料極側集電体144の各電極対向部145間に形成される空間は、燃料ガス流路176として機能する。
(熱交換部103の構成)
図8は、熱交換部103の上側の平面構成を概略的に示す説明図である。図3から図5および図8に示すように、熱交換部103は、方形の平板形状部材であり、例えば、フェライト系ステンレスにより形成されている。上述したように、熱交換部103のZ方向回りの周縁部には、ボルト22が挿入される連通孔108を構成する8つの孔が形成されている。また、熱交換部103の中央付近には、上下方向に貫通する孔182が形成されている。さらに、熱交換部103には、中央の孔182と酸化剤ガス導入マニホールド161を形成する連通孔108とを連通する連通孔184と、中央の孔182と酸化剤ガス供給マニホールド163を形成する連通孔108とを連通する連通孔186とが形成されている。熱交換部103は、熱交換部103の上側に隣接する発電単位102に含まれる下側のインターコネクタ150と、熱交換部103の下側に隣接する発電単位102に含まれる上側のインターコネクタ150とに挟持されている。これらのインターコネクタ150間において、孔182と連通孔184と連通孔186とにより形成される空間は、後述する熱交換のために酸化剤ガスOGを流す熱交換流路188として機能する。
(補助部200の構成)
図1に示すように、補助部200は、改質部210と、燃料熱交換部300と、酸化剤熱交換部400とを備える。
(改質部210)
図1および図3から図5に示すように、改質部210は、燃料電池スタック100の下側に配置されており、箱形状の本体部220と、本体部220の側面に形成された4つの固定部230とを備えている。改質部210は、例えばステンレス等の金属材料により形成されている。
各固定部230には、上下方向に貫通する貫通孔208が形成されている。4つの固定部230に形成された貫通孔208は、それぞれ、燃料電池スタック100のZ方向回りの外周を構成する4辺の中点付近に位置する連通孔108と連通している。これらの4つの連通孔108に挿入された4つのボルト22は、対応する位置の固定部230の貫通孔208まで達しており、これらのボルト22にナット24が嵌められることによって改質部210と燃料電池スタック100とが固定されている。
図3から図5に示すように、本体部220の内部には、改質室214が形成されている。改質室214は、混合ガスMGを水素リッチな燃料ガスFGに改質するための室であり、1つの固定部230の貫通孔208を介して、燃料ガス導入マニホールド171と連通している。改質室214には、改質反応を促進させる触媒が配置されている。
(燃料熱交換部300)
図9は、燃料電池モジュール10をY軸正方向側から見た背面図である。図1および図9に示すように、燃料熱交換部300は、改質水RWおよび原燃料ガスRFGから混合ガスMGを生成する混合ガス生成部310と、混合ガス生成部310によって生成された混合ガスMGを予熱する混合ガス予熱部320とを備える。混合ガス予熱部320は、燃料電池スタック100の一側面(X軸正方向側の側面 以下、第1の側面191という)側に配置されており、混合ガス生成部310は、混合ガス予熱部320の下側に配置されている。
図10は、混合ガス生成部310の内部構成を示す断面図である。混合ガス生成部310は、例えばステンレス等の金属材料によって箱形状に形成されている。図10に示すように、混合ガス生成部310の内部は、隔壁312によって、排ガス導入室314と、排ガス導入室314の上に配置された混合室316とに区切られている。
排ガス導入室314は、燃料電池スタック100から排出された酸化剤オフガスOOGおよび燃料オフガスFOG(以下、排ガスOOG,FOGともいう)が流れる排ガス流路として機能する室である。具体的には、図1に示すように、排ガス導入室314の一端側(Y軸正方向側)は、連結管520を介して、酸化剤熱交換部400の後述する第1酸化剤予熱部410に連通しており、第1酸化剤予熱部410から排出された排ガスOOG,FOGは、排ガス導入室314に導入される。また、排ガス導入室314の隔壁312は、金属材料で形成されているため、流入した排ガスOOG,FOGの熱を混合室316に伝達可能である。図9に示すように、排ガス導入室314の他端側(Y軸負方向側)は、排ガス排出配管516に連通しており、排ガス導入室314内の排ガスOOG,FOGは、排ガス排出配管516を介して外部に排出される。
混合室316は、隔壁318によって、改質水導入室313と原燃料ガス導入室315とに区切られており、改質水導入室313と原燃料ガス導入室315とは、隔壁318に形成された連通孔317によって連通している。改質水導入室313は、改質水導入配管512に連通しており、この改質水導入配管512から改質水導入室313に改質水RWが導入される。原燃料ガス導入室315は、原燃料ガス導入配管510に連通しており、この原燃料ガス導入配管510から原燃料ガス導入室315に原燃料ガスRFGが導入される。
図1および図9に示すように、混合ガス予熱部320は、例えばステンレス等の金属材料によって箱形状に形成され、燃料電池スタック100の第1の側面191に直交する方向(X軸方向)の寸法は、第1の側面191に平行な方向(Y軸方向およびZ軸方向)の寸法よりも小さい。これにより、混合ガス予熱部320の内、燃料電池スタック100に対向する面の面積が大きく確保されるため、予熱効率を向上させることができる。
図1に示すように、混合ガス予熱部320の内部は、複数(図1では3つ)の隔壁322によって上下方向に並ぶ複数の予熱室324に区切られている。複数の予熱室324の内、最も下に位置する予熱室324は、混合ガス予熱部320と混合ガス生成部310とを仕切る仕切り壁326に形成された連通孔328を介して、混合ガス生成部310の混合室316に連通している。各隔壁322には、貫通孔330が形成されており、互いに隣接する2つの予熱室324同士は、貫通孔330を介して互いに連通している。下から偶数段の隔壁322に形成された貫通孔330は、予熱室324の一端側(Y軸負方向側)に位置し、奇数段の隔壁322に形成された貫通孔330は、予熱室324の一端側とは反対の他端側(Y軸正方向側)に位置する。これにより、混合ガス予熱部320の内部には、蛇行するように延びる混合ガスMGの流路が形成されている。図1、図5および図9に示すように、最も上の予熱室324は、燃料連結管340を介して、改質部210の改質室214に連通している。
(酸化剤熱交換部400)
図1および図9に示すように、酸化剤熱交換部400は、酸化剤ガスOGを予熱する第1酸化剤予熱部410と、第1酸化剤予熱部410の次に酸化剤ガスOGをさらに予熱する第2酸化剤予熱部420とを備える。第2酸化剤予熱部420は、燃料電池スタック100の内、第1の側面191とは反対側の側面(X軸負方向側の側面 以下、第2の側面192という)側に配置されており、第1酸化剤予熱部410は、第2酸化剤予熱部420の下側に配置されている。
第1酸化剤予熱部410は、酸化剤ガス導入配管514から導入される酸化剤ガスOGを、主として、排ガスOOG,FOGの熱によって予熱する。第1酸化剤予熱部410は、例えばステンレス等の金属材料によって箱形状に形成されており、第1酸化剤予熱部410の内部は、隔壁412によって、排ガス導入室414と、排ガス導入室414の上に配置された酸化剤ガス導入室416とに区切られている。
排ガス導入室414は、上述した改質部210から排出された排ガスOOG,FOGが流れる排ガス流路として機能する室である。具体的には、図1および図9に示すように、排ガス導入室414の一端側(Y軸負方向側)は、排ガス導入配管418,419を介して、酸化剤ガス排出マニホールド162および燃料ガス排出マニホールド172に連通しており、酸化剤ガス排出マニホールド162および燃料ガス排出マニホールド172から排出された排ガスOOG,FOGは、排ガス導入室414に導入される。また、排ガス導入室414の隔壁412は、金属材料で形成されているため、流入した排ガスOOG,FOGの熱を酸化剤ガス導入室416に伝達可能である。排ガス導入室414の他端側(Y軸正方向側)は、連結管520を介して混合ガス生成部310の排ガス導入室の314に連通しており、排ガス導入室414から排出された排ガスOOG,FOGは、排ガス導入室の314に導入される。
酸化剤ガス導入室416は、酸化剤ガス導入配管514に連通しており、この酸化剤ガス導入配管514から酸化剤ガス導入室416に酸化剤ガスOGが導入され、排ガス導入室414を流れる排ガスOOG,FOGの熱によって、燃料電池スタック100に供給される前に予め加熱(予熱)される。
第2酸化剤予熱部420は、例えばステンレス等の金属材料によって箱形状に形成されている。図1、図3および図9に示すように、第1酸化剤予熱部410と第2酸化剤予熱部420とは図示しない連通孔を介して連通している。また、第2酸化剤予熱部420は、酸化剤連結管440を介して、酸化剤ガス導入マニホールド161に連通している。第2酸化剤予熱部420の基本的な構成は、上述した混合ガス予熱部320と同一であるため、詳細な説明は省略する。
(第1の絶縁部材600,第2の絶縁部材700)
図11は、第1の絶縁部材600の構成を概略的に示す説明図である。図11には、燃料電池スタック100と第1の絶縁部材600との対向方向から見た第1の絶縁部材600の構成が示されている。図12は、燃料電池スタック100と、第1の絶縁部材600と、混合ガス予熱部320との構成を模式的に示した図であり、第1の絶縁部材600については、図11の×II−×IIの位置における断面構成が示されている。
図1および図9に示すように、第1の絶縁部材600は、燃料電池スタック100と混合ガス予熱部320とが接触して短絡することを防止するために、燃料電池スタック100の第1の側面191と混合ガス予熱部320との間に配置されており、第1の絶縁部材600は、絶縁材料によって形成されており、燃料電池スタック100の第1の側面191に直交する方向(X軸方向)の寸法は、第1の側面191に平行な方向(Y軸方向およびZ軸方向)の寸法よりも小さい平板状の形状を有する。絶縁材料は、例えば電気低効率が1MΩ以上の材料であり、例えば、アルミナやムライト等のセラミック系材料や樹脂性材料が挙げられる。なお、本実施形態では、第1の絶縁部材600は、燃料電池スタック100と混合ガス予熱部320との間に挟み込まれるとともに、第1の絶縁部材600の下端が混合ガス生成部310の上面に接触することにより、第1の絶縁部材600が発電モジュール20に対して固定されている。
図11に示すように、X軸方向から見た第1の絶縁部材600の形状は、方形状である。第1の絶縁部材600の内、互いに隣接する上側の3つの発電単位102に対向する対向部分630は、上下方向に並ぶ2つの低伝熱部分610と、2つの低伝熱部分610の間に位置する高伝熱部分620とを有する。また、互いに隣接する下側の3つの発電単位102に対向する対向部分640も、上下方向に並ぶ2つの低伝熱部分610と、2つの低伝熱部分610の間に位置する高伝熱部分620とを有する。
各低伝熱部分610には、発電単位102の面方向に平行な方向(Y軸方向)に延びる第1のスリット601が第1の絶縁部材600を貫通するように形成されている。高伝熱部分620には、発電単位102の面方向に平行な方向(Y軸方向)に延びる第2のスリット602が第1の絶縁部材600を貫通するように形成されている。第2のスリット602のY軸方向の開口幅は、第1のスリット601のY軸方向の開口幅と同一であり、第2のスリット602のZ軸方向の開口幅は、第1のスリット601のZ軸方向の開口幅よりも大きい。これにより、第2のスリット602の開口面積は、第1のスリット601の開口面積よりも大きくなっており、その結果、高伝熱部分620は、低伝熱部分610よりも単位面積当たりの熱伝達量が大きくなっている。
図12に示すように、高伝熱部分620は、互いに隣接する3つの発電単位102の内、上下方向の中央寄りに位置する発電単位102に対向し、低伝熱部分610は、中央寄りの発電単位102に対して上側および下側にそれぞれ位置にする発電単位102に対向する。なお、低伝熱部分610は第1の部分の一例であり、高伝熱部分620は第2の部分の一例である。
図1および図9に示すように、第2の絶縁部材700は、燃料電池スタック100と第2酸化剤予熱部420とが接触して短絡することを防止するために、燃料電池スタック100の第1の側面192と第2酸化剤予熱部420との間に配置されている。なお、本実施形態では、第2の絶縁部材700は、燃料電池スタック100と第2酸化剤予熱部420との間に挟み込まれるとともに、第2の絶縁部材700の下端が第1酸化剤予熱部410の上面に接触することにより、第2の絶縁部材700が固定されている。第2の絶縁部材700の構成は、第1の絶縁部材600と同一なので、説明は省略する。
A−2.発電モジュール20の動作
図1および図10に示すように、改質水RWは、改質水導入配管512から改質水導入室313に流入し、排ガス導入室314を流れる排ガスOOG,FOGの熱によって加熱されることにより気化されて水蒸気になる。水蒸気は、連通孔317を介して、原燃料ガス導入室315に流入する。一方、原燃料ガスRFG(都市ガス)は、原燃料ガス導入配管510から原燃料ガス導入室315に流入する。原燃料ガス導入室315に流入した水蒸気と原燃料ガスRFGとは互いに混ざり合い、その結果、混合ガスMGが生成される。
混合ガス生成部310で生成された混合ガスMGは、混合ガス予熱部320内に流入する。ここで、発電単位102における発電反応は発熱反応であるため、燃料電池スタック100は相対的に高温になる。一方で、混合ガス予熱部320内には発電反応に供されていない混合ガスMGが流入するため、混合ガス予熱部320は相対的に低温になる。従って、燃料電池スタック100と混合ガス予熱部320との間で熱交換され、燃料電池スタック100は温度が下がり、混合ガス予熱部320は温度が上がる。そして、燃料電池スタック100から発生する熱によって、混合ガス予熱部320内を流れる混合ガスMGが燃料電池スタック100に供給される前に予め加熱(予熱)される。なお、混合ガス予熱部320は加熱部の一例である。図9に示すように、混合ガス予熱部320内で加熱された混合ガスMGは、燃料連結管340を介して、改質部210の改質室214に供給される。
改質室214に供給された混合ガスMGは、改質反応に供される。改質室214において改質された混合ガスMGは、水素リッチな燃料ガスFGとなり、図5および図7に示すように、改質部210の1つの固定部230の貫通孔208を介して燃料ガス導入マニホールド171に供給され、燃料ガス導入マニホールド171から各発電単位102の燃料ガス供給連通孔142を介して、燃料ガス流路176に供給される。
また、図1に示すように、酸化剤ガスOGは、酸化剤ガス導入配管514から第1酸化剤予熱部410の酸化剤ガス導入室416に流入し、排ガス導入室414を流れる排ガスOOG,FOGの熱によって燃料電池スタック100に供給される前に予め加熱(予熱)される。予熱された酸化剤ガスOGは、第2酸化剤予熱部420内に流入する。ここで、第2酸化剤予熱部420内には発電反応に供されていない酸化剤ガスOGが流入するため、第2酸化剤予熱部420は燃料電池スタック100に比べて低温になる。従って、燃料電池スタック100と第2酸化剤予熱部420との間で熱交換され、燃料電池スタック100は温度が下がり、第2酸化剤予熱部420は温度が上がる。そして、燃料電池スタック100から発生する熱によって、第2酸化剤予熱部420内を流れる酸化剤ガスOGが燃料電池スタック100に供給される前に予め加熱(予熱)される。なお、第2酸化剤予熱部420は加熱部の一例である。図9に示すように、第2酸化剤予熱部420内で加熱された酸化剤ガスOGは、酸化剤連結管440を介して、酸化剤ガス導入マニホールド161に供給される。
図3および図8に示すように、酸化剤ガス導入マニホールド161に供給された酸化剤ガスOGは、熱交換部103内に形成された熱交換流路188内に流入し、熱交換流路188を通って酸化剤ガス供給マニホールド163へと排出される。なお、酸化剤ガス導入マニホールド161は、各発電単位102の酸化剤ガス流路166には連通していないため、酸化剤ガス導入マニホールド161から各発電単位102の酸化剤ガス流路166に酸化剤ガスOGが供給されることはない。酸化剤ガス供給マニホールド163へと排出された酸化剤ガスOGは、図4および図6に示すように、酸化剤ガス供給マニホールド163から各発電単位102の酸化剤ガス供給連通孔132を介して、酸化剤ガス流路166に供給される。
各発電単位102の酸化剤ガス流路166に酸化剤ガスOGが供給され、燃料ガス流路176に燃料ガスFGが供給されると、単セル110において酸化剤ガスOGおよび燃料ガスFGの電気化学反応による発電が行われる。各発電単位102において、単セル110の空気極114は空気極側集電体134を介して一方のインターコネクタ150に電気的に接続され、燃料極116は燃料極側集電体144を介して他方のインターコネクタ150に電気的に接続されている。また、燃料電池スタック100に含まれる複数の発電単位102は、熱交換部103を介しているものの、電気的に直列に接続されている。そのため、燃料電池スタック100の出力端子として機能するエンドプレート104,106から、各発電単位102において生成された電気エネルギーが取り出される。
各発電単位102において発電反応に利用されなかった酸化剤ガスOGである酸化剤オフガスOOGは、図1、図4および図6に示すように、酸化剤ガス流路166から酸化剤ガス排出連通孔133、酸化剤ガス排出マニホールド162を経て、排ガス導入配管418を介して、混合ガス生成部310の排ガス導入室314に流入する。また、各発電単位102において発電反応に利用されなかった燃料ガスFGである燃料オフガスFOGは、図1,図5および図7に示すように、燃料ガス流路176から燃料ガス排出連通孔143、燃料ガス排出マニホールド172を経て、排ガス導入配管419を介して、混合ガス生成部310の排ガス導入室314に流入する。
A−3.燃料電池スタック100の温度分布と絶縁部材600による効果:
燃料電池スタック100の温度分布は、上下方向(発電単位102の配列方向)においてばらつくことがある。詳細には、燃料電池スタック100のエンドプレート104の上面とエンドプレート106の下面とは、燃料電池スタック100の外部に露出しているため、エンドプレート104,106と外気との間で熱交換される。即ち、発電反応によって燃料電池スタック100に発生した熱は、エンドプレート104,106から放熱され易い。従って、各エンドプレート104,106に近い発電単位102ほど、定格運転状態時の温度が低くなる。
また、上述したように、熱交換部103には、燃料電池スタック100の外部から導入された酸化剤ガスOGが流入するため、熱交換部103と、熱交換部103に隣接する発電単位102との間で熱交換される。即ち、発電反応によって燃料電池スタック100に発生した熱は、熱交換部103に隣接する発電単位102から放熱され易い。従って、熱交換部103に近い発電単位102ほど、定格運転状態時の温度が低くなる。一方、エンドプレート104,106および熱交換部103から遠い中央寄りの発電単位102ほど、燃料電池スタック100の外部との熱交換がされ難いため、定格運転状態時の温度が高くなる。
図13は、比較例における燃料電池スタック100Wと混合ガス予熱部320とを模式的に示した図である。図13に示す比較例では、燃料電池スタック100Wは、張り出し部650を備える点で、上記燃料電池スタック100とは異なる。張り出し部650は、燃料電池スタック100Wの内、上下端側にそれぞれ位置する絶縁部材であって、燃料電池スタック100Wを構成する絶縁部材の一部が混合ガス予熱部320に向けて張り出したものである。この張り出し部650によって、燃料電池スタック100Wと混合ガス予熱部320との短絡を抑制することができる。
しかし、燃料電池スタック100Wの側面のほとんどは、混合ガス予熱部320と直接対面している。従って、比較例では、燃料電池スタック100の温度のばらつきを緩和することはできない。即ち、図13に示すように、上側の3つの発電単位102の温度分布は、上下方向における中央寄りの発電単位102が高温になり、両端寄りの発電単位102が低温になる。同様に、下側の3つの発電単位102の温度分布は、上下方向における中央寄りの発電単位102が高温になり、両端寄りの発電単位102が低温になる。
これに対して、本実施形態では、第1の絶縁部材600が、燃料電池スタック100と混合ガス予熱部320との間に配置されている。従って、燃料電池スタック100と混合ガス予熱部320とが接触してショートすることを抑制することができる。しかも、図12に示すように、第1の絶縁部材600の高伝熱部分620は、互いに隣接する3つの発電単位102の内、中央寄りの発電単位102に対向し、低伝熱部分610は、中央寄りの発電単位102に対して上側および下側にそれぞれ位置にする発電単位102に対向する。高伝熱部分620は、低伝熱部分610よりも単位面積当たりの熱伝達量が大きい。従って、相対的に温度が低い発電単位102から混合ガス予熱部320への熱伝達は、低伝熱部分610によって抑制される一方で、相対的に温度が高い発電単位102から混合ガス予熱部320への熱伝達は、高伝熱部分620によって促進される。これにより、本実施形態の燃料電池モジュール10によれば、上記比較例や、絶縁部が全体に亘って単位面積当たりの熱伝達量が同一である構成に比べて、発電単位102の配列方向における燃料電池スタックの温度分布のばらつきを緩和することができる。
B.第2実施形態:
B−1.構成:
(燃料電池モジュール10Aの構成)
図14は、第2実施形態の燃料電池モジュール10Aの構成を概略的に示す説明図であり、図15は、Y軸方向から見た燃料電池モジュール10Aの断面図であり、図16は、X軸方向から見た燃料電池モジュール10Aの断面図である。図14から図16に示す第2実施形態の燃料電池モジュール10Aの構成の内、上述した第1実施形態の燃料電池モジュール10の構成と同一構成については、同一の符号を付すことによって、その説明を省略する。
燃料電池モジュール10Aは、発電モジュール20Aと、発電モジュール20Aを収容する断熱容器30と、発電モジュール20Aに接続された各種配管510,512,514,516とを備える。
(発電モジュール20Aの構成)
図14に示すように、発電モジュール20Aは、燃料電池スタック100Aと、燃料電池スタック100Aの周囲に配置された補助部200Aと、第1の絶縁部材600Aと、第2の絶縁部材700Aとを備える。なお、図15および図16では、補助部200の一部が省略されている。
(燃料電池スタック100Aの構成)
燃料電池スタック100Aは、複数の(本実施形態では7つの)発電単位102と、一対のエンドプレート104,106とを備える。上記実施形態1の燃料電池スタック100とは異なり、燃料電池スタック100Aでは、上述した熱交換部103を備えておらず、7つの発電単位102は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向)において互いに隣接した状態で並べて配置されている。
図14および図15に示すように、燃料電池スタック100の外周における1つの辺に位置する連通孔108により形成された空間は、各発電単位102に酸化剤ガスOGを供給する酸化剤ガス供給マニホールド162Aとして機能し、該辺の反対側の辺に位置する連通孔108により形成された空間は、各発電単位102から未反応の酸化剤ガスOGである酸化剤オフガスOOGを排出する酸化剤ガス排出マニホールド164Aとして機能する。また、図14および図16に示すように、燃料電池スタック100の外周における他の辺に位置する連通孔108により形成された空間は、各発電単位102に燃料ガスFGを供給する燃料ガス供給マニホールド172Aとして機能し、該辺の反対側の辺に位置する連通孔108により形成された空間は、各発電単位102から未反応の燃料ガスFGである燃料オフガスFOGを排出する燃料ガス排出マニホールド174Aとして機能する。なお、本実施形態では、酸化剤ガスOGとして空気が例えば使用され、燃料ガスFGとして例えば都市ガスを後述の改質室214において改質した水素リッチなガスが使用される。
(補助部200Aの構成)
図14に示すように、補助部200Aは、燃料熱交換部300および酸化剤熱交換部400を備えるとともに、実施形態1の改質部210の代わりに、燃焼改質部210Aを備える。
図14から図16に示すように、燃焼改質部210Aは、燃料電池スタック100Aの下側に配置されており、箱形状の本体部220Aと、本体部220Aの側面に形成された4つの固定部230とを備えている。燃焼改質部210Aは、例えばステンレス等の金属材料により形成されている。
図15および図16に示すように、本体部220Aの内部は、2つの隔壁232によって、一次燃焼室212と、一次燃焼室212の下に配置された改質室214と、改質室214の下に配置された二次燃焼室216とに区切られている。一次燃焼室212は、燃料電池スタック100から排出される酸化剤オフガスOOGと燃料オフガスFOGとを混合して燃焼させるための室であり、固定部230の貫通孔208を介して、酸化剤ガス排出マニホールド164Aおよび燃料ガス排出マニホールド174Aと連通している。また、二次燃焼室216は、一次燃焼室212で混合・燃焼させた酸化剤オフガスOOGと燃料オフガスFOGとをさらに燃焼させるための室であり、改質室214を上下に貫通する流路218を介して、一次燃焼室212と連通している。一次燃焼室212および二次燃焼室216の一方または両方には、酸化剤オフガスOOGと燃料オフガスFOGとの燃焼を促進させる触媒が配置されている。二次燃焼室216は、排ガス導入配管418Aを介して、第1酸化剤予熱部410の排ガス導入室414に連通しており、二次燃焼室216から排出された排ガスOOG,FOGは、排ガス導入室414に導入される。なお、燃焼改質部210Aは、発熱源の一例である。
改質室214は、混合ガスMGを水素リッチな燃料ガスFGに改質するための室であり、1つの固定部230の貫通孔208を介して、燃料ガス供給マニホールド172Aと連通している。改質室214には、改質反応を促進させる触媒が配置されている。
(第1の絶縁部材600A,第2の絶縁部材700A)
図17は、第1の絶縁部材600Aの構成を概略的に示す説明図である。図17には、燃料電池スタック100Aと第1の絶縁部材600Aとの対向方向から見た第1の絶縁部材600Aの構成が示されている。図18は、燃料電池スタック100Aと第1の絶縁部材600Aと混合ガス予熱部320との構成を模式的に示した図であり、第1の絶縁部材600Aについては断面構成が示されている。
図14に示すように、第1の絶縁部材600Aは、燃料電池スタック100Aと混合ガス予熱部320とが接触して短絡することを防止するために、燃料電池スタック100Aの第1の側面191Aと混合ガス予熱部320との間に配置されており、第1の絶縁部材600Aは、絶縁材料によって形成されている。
図17に示すように、X軸方向から見た第1の絶縁部材600Aの形状は、方形状である。第1の絶縁部材600Aの内、互いに隣接する7つの発電単位102に対向する対向部分640Aは、上下方向に並ぶ低伝熱部分610Aと中伝熱部分620Aと高伝熱部分630Aとを有する。
低伝熱部分610Aには、発電単位102の面方向に平行な方向(Y軸方向)に延びる第1のスリット601Aが第1の絶縁部材600Aを貫通するように形成されている。中伝熱部分620Aには、発電単位102の面方向に平行な方向(Y軸方向)に延びる第2のスリット602Aが第1の絶縁部材600Aを貫通するように形成されている。第2のスリット602AのY軸方向の開口幅は、第1のスリット601AのY軸方向の開口幅と同一であり、第2のスリット602AのZ軸方向の開口幅は、第1のスリット601AのZ軸方向の開口幅よりも大きい。これにより、第2のスリット602Aの開口面積は、第1のスリット601Aの開口面積よりも大きくなっており、その結果、中伝熱部分620Aは、低伝熱部分610Aよりも単位面積当たりの熱伝達量が大きくなっている。
高伝熱部分630Aには、発電単位102の面方向に平行な方向(Y軸方向)に延びる第3のスリット603Aが第1の絶縁部材600Aを貫通するように形成されている。第3のスリット603AのY軸方向の開口幅は、第2のスリット602AのY軸方向の開口幅と同一であり、第3のスリット603AのZ軸方向の開口幅は、第2のスリット602AのZ軸方向の開口幅よりも大きい。これにより、第3のスリット603Aの開口面積は、第2のスリット602Aの開口面積よりも大きくなっており、その結果、高伝熱部分630Aは、中伝熱部分620Aよりも単位面積当たりの熱伝達量が大きくなっている。
図18に示すように、低伝熱部分610Aは燃焼改質部210Aから最も遠い位置に配置され、高伝熱部分630Aは燃焼改質部210Aに最も近い位置に配置されている。なお、低伝熱部分610Aは第1の部分の一例であり、高伝熱部分630Aは第2の部分の一例である。
図14に示すように、第2の絶縁部材700Aは、燃料電池スタック100Aと第2酸化剤予熱部420とが接触して短絡することを防止するために、燃料電池スタック100Aの第1の側面192Aと第2酸化剤予熱部420Aとの間に配置されている。第2の絶縁部材700Aの構成は、第1の絶縁部材600Aと同一なので、説明は省略する。
(断熱容器30の構成)
断熱容器30は、例えばステンレスにより形成された筐体の内側面に断熱材が配置された構成を有する。発電モジュール20が断熱容器30内に収容されることにより、発電を行う際に発電モジュール20Aが高温に維持される。
B−2.燃料電池スタック100Aの温度分布と絶縁部材600Aによる効果:
燃料電池スタック100Aの温度分布は、上下方向においてばらつくことがある。詳細には、燃料電池スタック100のエンドプレート104の上面は、燃料電池スタック100Aの外部に露出しているため、エンドプレート104と外気との間で熱交換される。即ち、発電反応によって燃料電池スタック100Aに発生した熱は、エンドプレート104から放熱され易い。従って、エンドプレート104に近い発電単位102ほど、定格運転状態時の温度が低くなる。
一方、燃料電池スタック100のエンドプレート106の下側には、燃焼改質部210Aが配置されている。燃焼改質部210Aは、酸化剤オフガスOOGと燃料オフガスFOGとの燃焼によって高温になり、発熱源となる。従って、エンドプレート106に近い発電単位102ほど、定格運転状態時の温度が高くなる。
図19は、比較例における燃料電池スタック100WAと混合ガス予熱部320と燃焼改質部210Aとを模式的に示した図である。図19に示す比較例では、燃料電池スタック100WAは、張り出し部650Aを備える点で、上記燃料電池スタック100Aとは異なる。張り出し部650Aは、燃料電池スタック100WAの内、上下端側にそれぞれ位置する絶縁部材であって、燃料電池スタック100WAを構成する絶縁部材の一部が混合ガス予熱部320に向けて張り出したものである。この張り出し部650Aによって、燃料電池スタック100WAと混合ガス予熱部320との短絡を抑制することができる。
しかし、燃料電池スタック100WAの側面のほとんどは、混合ガス予熱部320と直接対面している。従って、比較例では、燃料電池スタック100Aの温度分布のばらつきを緩和することはできない。即ち、図19に示すように、燃焼改質部210Aに近い発電単位102ほど高温になる。
これに対して、高伝熱部分630Aは、第1の絶縁部材600Aの内、燃料電池スタック100A(燃料電池スタック100Aに含まれる複数の発電単位102)に対向する部分における上下方向の中央部分よりも燃焼改質部210Aに近い位置に配置されている。本実施形態では、図18に示すように、第1の絶縁部材600Aの高伝熱部分630Aと中伝熱部分620Aと低伝熱部分610Aとは、この順に、燃焼改質部210Aに近い位置に配置されている。従って、相対的に温度が低い発電単位102から混合ガス予熱部320への熱伝達は、低伝熱部分610Aによって抑制される一方で、相対的に温度が高い発電単位102から混合ガス予熱部320への熱伝達は、高伝熱部分630Aによって促進される。これにより、本実施形態の燃料電池モジュール10Aによれば、上記比較例や、絶縁部が全体に亘って単位面積当たりの熱伝達量が同一である構成に比べて、発電単位102の配列方向における燃料電池スタックの温度分布のばらつきを緩和することができる。
C.第3実施形態:
C−1.構成:
(燃料電池モジュール10Bの構成)
第3実施形態の燃料電池モジュールは、図示しないが、燃料電池スタック100Bが第2実施形態の燃料電池スタック100Aと同一構成であり、熱交換部を備えない点で第1実施形態の燃料電池モジュール10と異なる。また、第3実施形態の燃料電池モジュールは、第1の絶縁部材600の代わりに、第1の絶縁部材600Bが配置されている点で第1実施形態の燃料電池モジュール10と異なる。第3実施形態の燃料電池モジュールの構成の内、上述した第1実施形態の燃料電池モジュール10の構成と同一構成については、同一の符号を付すことによって、その説明を省略する。
(第1の絶縁部材600B)
図20は、第1の絶縁部材600Bの構成を概略的に示す説明図である。図20には、燃料電池スタック100Bと第1の絶縁部材600Bとの対向方向から見た第1の絶縁部材600Bの構成が示されている。図21は、燃料電池スタック100Bと、第1の絶縁部材600B、混合ガス予熱部320との構成を模式的に示した図であり、第1の絶縁部材600Bについては断面構成が示されている。
図21に示すように、第1の絶縁部材600Bは、燃料電池スタック100Bと混合ガス予熱部320とが接触して短絡することを防止するために、燃料電池スタック100Bと混合ガス予熱部320との間に配置されており、第1の絶縁部材600Bは、絶縁材料によって形成されている。
図20に示すように、X軸方向から見た第1の絶縁部材600Bの形状は、方形状である。第1の絶縁部材600Bの内、互いに隣接する7つの発電単位102に対向する対向部分640Bは、上下方向に並ぶ低伝熱部分610Bと中伝熱部分620Bと高伝熱部分630Bとを有する。
低伝熱部分610Bには、複数の円形の第1の孔601Bが第1の絶縁部材600Bを貫通するように形成されている。中伝熱部分620Bには、上記第1の孔601Bよりも径が大きい複数の第2の孔602Bが第1の絶縁部材600Bを貫通するように形成されている。これにより、中伝熱部分620Bは、低伝熱部分610Bよりも単位面積当たりの熱伝達量が大きくなっている。高伝熱部分630Bには、上記第2の孔602Bよりも径が大きい複数の第3の孔603Bが第1の絶縁部材600Bを貫通するように形成されている。これにより、高伝熱部分630Bは、中伝熱部分620Bよりも単位面積当たりの熱伝達量が大きくなっている。
図21に示すように、低伝熱部分610Bは、エンドプレート104,106に近い端寄りの発電単位102に対向する位置に配置され、高伝熱部分630Bはエンドプレート104,106から遠い中央寄りの発電単位102に対向する位置に配置されている。なお、低伝熱部分610Bは第1の部分の一例であり、高伝熱部分630Bは第2の部分の一例である。
C−2.燃料電池スタック100Bの温度分布と絶縁部材600Bによる効果:
燃料電池スタック100Bの温度分布は、上下方向においてばらつくことがある。詳細には、燃料電池スタック100のエンドプレート104の上面およびエンドプレート106の下面は、燃料電池スタック100Bの外部に露出している。このため、エンドプレート104,106に近い発電単位102ほど、定格運転状態時の温度が低くなる。
図22は、比較例における燃料電池スタック100WBと混合ガス予熱部320と燃焼改質部210Aとを模式的に示した図である。図22に示す比較例では、燃料電池スタック100WBは、張り出し部650Bを備える点で、上記燃料電池スタック100Bとは異なる。この張り出し部650Bによって、燃料電池スタック100WBと混合ガス予熱部320との短絡を抑制することができる。しかし、燃料電池スタック100WBの側面のほとんどは、混合ガス予熱部320と直接対面している。従って、比較例では、燃料電池スタック100Bの温度分布のばらつきを緩和することはできない。即ち、図22に示すように、上下方向における中央寄りの発電単位102ほど高温になる。
これに対して、本実施形態では、図21に示すように、第1の絶縁部材600Bの低伝熱部分610Bと中伝熱部分620Bと高伝熱部分630Bとが、この順に、エンドプレート104,106に近い位置に配置されている。従って、相対的に温度が低い発電単位102から混合ガス予熱部320への熱伝達は、低伝熱部分610Bによって抑制される一方で、相対的に温度が高い発電単位102から混合ガス予熱部320への熱伝達は、高伝熱部分630Bによって促進される。これにより、本実施形態の燃料電池モジュールによれば、上記比較例や、絶縁部が全体に亘って単位面積当たりの熱伝達量が同一である構成に比べて、発電単位102の配列方向における燃料電池スタックの温度分布のばらつきを緩和することができる。
D.第4実施形態:
図23に示すように、第4実施形態の燃料電池モジュールは、いわゆる筒状平板形の複数の発電単位102Cを有する燃料電池スタック100Cを備える。燃料電池スタック100Cは、互いに所定間隔をあけて並んで配置された複数の発電単位102Cを有する。複数の発電単位102Cは、隣り合う発電単位102C同士の間に配置された集電部870を介して電気的に直列に接続されている。各発電単位102Cは、扁平柱形状の外観を有し、電極支持体830と、燃料極840と、固体電解質層850と、空気極860と、インターコネクタ810とを備える。
電極支持体830は、楕円形状の断面を有する柱状体であり、多孔質材料で形成されている。電極支持体830の内部には,柱状体の延伸方向に延びる複数の燃料ガス流路820が形成されている。燃料極840は,電極支持体830の側面の内、互いに平行な一対の平坦面の一方と,各平坦面の端部同士をつなぐ2つの曲面とを覆うように設けられている。固体電解質層850は,この燃料極840の側面を覆うように設けられている。空気極860は,固体電解質層850の側面の内,電極支持体830の平坦面上に位置する部分を覆うように設けられている。インターコネクタ810は,燃料極840および固体電解質層850が設けられていない側の電極支持体830の平坦面上に設けられている。上述した集電部870は、発電単位102Cの空気極860と,その発電単位102Cに隣り合う発電単位102Cのインターコネクタ810とを電気的に接続する。なお、発電単位102Cおよび集電部870の組が、構成単位の一例である。
このような燃料電池スタック100Cでは、発電単位102Cの配列方向において中央に位置する発電単位102Cほど、定格運転状態時の温度が高くなる。本実施形態では、燃料電池スタック100Cに対して発電単位102Cの配列方向に直交する方向に、例えば混合ガス予熱部320Cが配置されており、燃料電池スタック100Cの側面と混合ガス予熱部320Cとの間に、絶縁部材600Cが配置されている。この絶縁部材600Cは、発電単位102Cの配列方向に延びた長方形状の形状を有する。
絶縁部材600Cの内、配列方向における中央寄りの発電単位102Cに対向する高伝熱部分630Cは、熱伝導率が最も高い材料(例えばムライト)で形成されている。高伝熱部分630Cの両隣に位置する中伝熱部分620Cは、高伝熱部分630Cの次に熱伝導率が高い材料で形成されている。さらに、中伝熱部分620Cの隣に位置する低伝熱部分610Cは、熱伝導率が最も低い材料(例えばアルミナ)で形成されている。このような構成により、燃料電池スタック100Cと混合ガス予熱部320Cとの短絡を抑制しつつ、発電単位102Cの配列方向における燃料電池スタック100Cの温度分布のばらつきを緩和することができる。なお、サファイア、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、コージライトなどの材料を組み合わせて、絶縁部材600Cの各部分を形成してもよい。
E.第5実施形態:
図24に示すように、第5実施形態の燃料電池モジュールは、いわゆる円筒状の複数の発電単位102Dを有する燃料電池スタック100Dを備える。燃料電池スタック100Dは、互いに所定間隔をあけて格子状に並んで配置された複数の発電単位102Dを有する。各発電単位102Dは、その周囲に配置された導電性集積用材料層950によって電気的に接続されるとともに、絶縁性多孔体940に挟まれて一体化されている。各発電単位102Dは、筒状(チューブ形状)の部材であり、その軸中心には燃料ガスFGが流される貫通孔930が形成されている。発電単位102Dは、中心に支持体となる筒状の燃料極(内側電極)910を備えており、燃料極910の外側には薄肉の固体電解質層920が形成され、固体電解質層920の外側の一端側には、薄肉の空気極(外側電極)960が形成されている。なお、発電単位102Dおよび導電性集積用材料層950の組、発電単位102D、導電性集積用材料層950および絶縁性多孔体940の組が、構成単位の一例である。
このような燃料電池スタック100Dでは、発電単位102Cの第1の配列方向(図24の紙面左右方向)において中央に位置する発電単位102Dほど、定格運転状態時の温度が高くなり、上記第1の配列方向に直交する第2の配列方向(図24の紙面上下方向)において中央に位置する発電単位102Dほど、定格運転状態時の温度が高くなる。本実施形態では、燃料電池スタック100Dの第1の配列方向に平行な側面と混合ガス予熱部320Dとの間に第1の絶縁部材600Dが配置されている。この第1の絶縁部材600Dは、方形状の形状を有し、全体として同一材料で形成されている。第1の絶縁部材600Dの内、第1の配列方向における中央寄りの発電単位102Dに対向する部分は、肉厚が相対的に薄く、端寄りの発電単位102Dに対向する部分は、肉厚が相対的に厚い。このような構成により、燃料電池スタック100Dと混合ガス予熱部320Dとの短絡を抑制しつつ、第1の配列方向における燃料電池スタック100Dの温度分布のばらつきを緩和することができる。
また、燃料電池スタック100Dの第2の配列方向に平行な側面と第2酸化剤予熱部420Dとの間に第2の絶縁部材700Dが配置されている。この第2の絶縁部材700Dは、方形状の形状を有し、全体として同一材料で形成されている。第2絶縁部材700Dの内、第2の配列方向における中央寄りの発電単位102Dに対向する部分は、肉厚が相対的に薄く、端寄りの発電単位102Dに対向する部分は、肉厚が相対的に厚い。このような構成により、燃料電池スタック100Dと第2酸化剤予熱部420との短絡を抑制しつつ、第2の配列方向における燃料電池スタック100Dの温度分布のばらつきを緩和することができる。
F.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態では、絶縁部材600等を備えているとしているが、絶縁部は、例えば断熱容器30の内壁に一体的に形成されたものでもよい。各絶縁部材600,700は、燃料電池スタック100と混合ガス予熱部320との少なくともいずれか一方から離間して配置されてもよい。
本発明は、絶縁部材の内、対向する発電単位102の定格運転状態時の温度が高い部分ほど、単位面積当たりの熱伝達量を大きくすればよい。燃料電池スタックの配列方向における温度分布は、燃料電池スタックの周囲環境や発熱源の位置などによって異なる。従って、第2実施形態のように、周囲環境等によっては、配列方向における中央に位置しない構成単位の定常運転状態時の温度が最も高くなることもある。このため、燃料電池スタックの実際の温度分布から、絶縁部における高伝熱部分および低伝熱部分の位置を決定すればよい。ここで、例えば、上記実施形態において、絶縁部材600等を配置しない状態で、各発電単位102のIR抵抗を個別に測定することにより、各発電単位102の定格運転状態時の温度の高低を把握することができる。
第1および第2の実施形態の絶縁部材600等において、スリット601等の一端が開放した構成でもよい。また、開口部の形状は方形や円形に限られず、他の形でもよい。
構成単位は、燃料電池スタックにおいて配列方向に連続して繰り返される一の構成であり、上述した実施形態のように、発電単位102のみ含むこともあるし、発電単位に加えて集電体等を含むこともある。また、構成単位は、固体酸化物を含有する電解質層を含む固体酸化形の構成単位に限らず、炭酸塩を含有する電解質層を含む溶融炭酸塩形の構成単位でもよい。
加熱部は、混合ガスMGや酸化剤ガスOGを予熱する混合ガス予熱部320等に限らず、酸化剤および燃料を含む原料の予熱、発電後の残余燃料ガスFGの燃焼、液体原料の気化、および原料の改質の各機能の内の少なくとも1つの機能を有するものでもよい。発熱源は、燃焼改質部210Aに限らず、ガスバーナーなどでもよい。
上記実施形態では、発電モジュール20等が補助部200等を備えているとしているが、発電モジュール20が補助部200を備えている必要はない。また、上記実施形態では、発電モジュール20Aが断熱容器30に収容されているとしているが、発電モジュール20Aが断熱容器30に収容されている必要はない。
また、上記実施形態において、燃料電池スタック100に含まれる発電単位102の個数は、あくまで一例であり、発電単位102の個数は燃料電池スタック100に要求される出力電圧等に応じて適宜決められる。
また、上記実施形態において、燃料電池スタック100の配列方向における熱交換部103の位置はあくまで一例であり、熱交換部103の位置は任意の位置に変更可能である。ただし、熱交換部103の位置は、燃料電池スタック100に含まれる複数の発電単位102の内、より高温になる発電単位102に隣接する位置であることが、燃料電池スタック100の配列方向における熱分布の緩和のために好ましい。例えば、燃料電池スタック100の配列方向中央付近の発電単位102がより高温になりやすい場合には、上記実施形態のように、燃料電池スタック100の配列方向中央付近に熱交換部103を設けることが好ましい。また、燃料電池スタック100が2つ以上の熱交換部103を備えていてもよい。
また、上記実施形態では、熱交換部103が酸化剤ガスOGの温度を上昇させるように構成されているが、熱交換部103が、酸化剤ガスOGに代えてまたは酸化剤ガスOGと共に混合ガスMG(あるいは燃料ガスFG)の温度を上昇させるように構成されてもよい。
また、上記実施形態では、2つの発電単位102が隣接して配置されている場合には、1つのインターコネクタ150が隣接する2つの発電単位102に共有されるとしているが、このような場合でも、2つの発電単位102がそれぞれのインターコネクタ150を備えてもよい。また、上記実施形態では、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102の上側のインターコネクタ150や、最も下に位置する発電単位102の下側のインターコネクタ150は省略されているが、これらのインターコネクタ150を省略せずに設けてもよい。
また、上記実施形態において、燃料極側集電体144は、空気極側集電体134と同様の構成であってもよく、燃料極側集電体144と隣接するインターコネクタ150とが一体部材であってもよい。また、空気極側フレーム130ではなく燃料極側フレーム140が絶縁体であってもよい。また、空気極側フレーム130や燃料極側フレーム140は、多層構成であってもよい。
また、上記実施形態における各部材を形成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。
また、上記実施形態において、都市ガスを改質して水素リッチな燃料ガスFGを得るとしているが、LPガスや灯油、メタノール、ガソリン等の他の原料から燃料ガスFGを得るとしてもよいし、燃料ガスFGとして純水素を利用してもよい。
また、上記実施形態において、電解質層112と空気極114との間に、例えばセリアにより形成された反応防止層を設け、電解質層112内のジルコニウム等と空気極114内のストロンチウム等とが反応することによる電解質層112と空気極114との間の電気抵抗の増大を抑制するとしてもよい。