(実施例1)
図1は、本発明実施例の撮像装置のブロック図である。図1において、撮影レンズ100を通過した光は、その焦点位置近傍に結像する。撮影レンズ100は、焦点検出(距離測定)結果に応じて焦点を合わせる為の動作を行なう焦点駆動機構(不図示)を備えている。撮像素子101は、CMOSセンサーなどに代表される固体撮像素子である。撮像素子101は、マイクロレンズ102、フォトダイオード201、202を備えている。
アナログ信号処理回路(AFE)104は、撮像素子101から出力される画像信号に対して相関二重サンプリング処理、信号増幅、基準レベル調整、A/D変換処理等を行う。なお、AFE104内の各構成は、撮像素子101に内蔵されていてもかまわない。デジタル信号処理回路(DFE)105は、アナログ信号処理回路104から出力される画像信号に対して基準レベル調整等のデジタル画像処理を行う。
画像処理回路106は、デジタル信号処理回路105から出力された画像信号に対して後述するA像出力とB像出力の相関演算や焦点検出、所定の画像処理や欠陥補正等を施す。メモリ回路107は、不揮発性メモリである。記録回路108は、画像処理回路106から出力された画像信号等をメモリカード等の記録媒体に記録保持する。
制御回路109は、撮像素子101や画像処理回路106等の撮像装置全体を統括的に駆動・制御する。操作回路110は、撮像装置に備え付けられた操作部材からの信号を受け付け、制御回路109に対してユーザーの命令を反映する。一例としては、一般的な撮影モード(静止画モード、動画モード、高速撮影モード、低速撮影モードなど)の切り替えなどの制御を行なう。表示回路111は、撮影後の画像やライブビュー画像、各種設定画面等を表示する。
図2は、撮像素子101を図1の光軸Z方向から見た図である。図2を用いて、撮像素子101の構成について説明する。図2に示すように、撮像素子101は、単位画素が行列方向に略等間隔に配置された画素配列を備えている。なお、図2の画素配列には、2行2列の画素のみを示すが、実際にはさらに多数の単位画素が行列状に配置されている。また、本実施例では、1つのマイクロレンズ102とともに構成される要素を1つの画素である単位画素と定義する。
ここで、第1の単位画素204には、1つのマイクロレンズ102に対して分割された2つのフォトダイオード201A乃至201Bが行方向(X軸方向)に配設されている。また、第2の単位画素205には、1つのマイクロレンズ102に対して1つのフォトダイオード201が配置されているものとする。図2のように、第1の単位画素204と第2の単位画素205が行方向および列方向に交互に配置されている。
各単位画素の上部には、赤、緑、青のいずれかのカラーフィルターが配置されている。そして、相対的に感度が高くなるように、第1の単位画素204には緑色の光を最も透過する緑のカラーフィルターが配置されている。第2の単位画素205には赤色の光を最も透過する赤のカラーフィルター、または青色の光を最も透過する赤のカラーフィルターが配置されている。すなわち、第1の単位画素204と第2の単位画素205は異なる分光透過率のカラーフィルターを有する。また、図2に示す4画素の構成でベイヤ配置となるように各色のカラーフィルターが規則的に配設されている。
つぎに、第1の単位画素204および第2の単位画素205の構成を図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施例1における単位画素の構成を示す回路図である。図3においても、図2同様に2行2列の画素のみを示すが、実際にはさらに多数の単位画素が配置されている。
第1の単位画素204は、第1のフォトダイオード201A、第2のフォトダイオード201B、第1の転送スイッチ302A、第2の転送スイッチ302Bを備えている。また、第1のフローティングディフュージョン領域303A、第2のフローティングディフュージョン領域303B、第1の増幅部304A、第2の増幅部304Bを備えている。さらに、第1のリセットスイッチ305A、第2のリセットスイッチ305B、第1の選択スイッチ306A、第2の選択スイッチ306Bを備えている。
フォトダイオード201A、201Bは、同一のマイクロレンズを通過した光を受光し、その受光量に応じた信号電荷を生成する光電変換部として機能する。第1の単位画素204は、M個の光電変換部を有する。ここでは、第1の単位画素204が2個の光電変換部を備える例について説明するが、Mは2以上の自然数であればよい。転送スイッチ302A、302Bは、転送パルス信号PTXによってオンオフ制御され、フォトダイオード201A、201Bで発生した電荷をそれぞれに対応するフローティングディフュージョン領域303A、303Bに転送する。
フローティングディフュージョン領域303A、303Bは、フォトダイオード201Aおよび201Bから転送された電荷をそれぞれ一時的に保持するとともに、保持した電荷を電圧信号に変換する電荷電圧変換部として機能する。
増幅部304A、304Bは、MOSトランジスタであり、列出力線307A、307Bを介して、後述する図4の定電流源1202と接続されることでソースフォロワアンプとして動作する。そして、フローティングディフュージョン領域303A、303Bに保持した電荷に基づく電圧信号を増幅して画素信号として出力する。
ここで、本実施例では、フォトダイオード201Aで発生し、フローティングディフュージョン領域303Aに転送された電荷に基づく画素信号をA像信号と称する。また、フォトダイオード201Bで発生し、フローティングディフュージョン領域303Bに転送された電荷に基づく画素信号をB像信号と称する。
リセットスイッチ305A、305Bは、リセットパルス信号PRESによってオンオフ制御され、フローティングディフュージョン領域303A、303Bの電位を、共通電源308により供給される基準電位VDDにリセットする。
選択スイッチ306A、306Bは、垂直選択パルス信号PSELによってオンオフ制御され、増幅部304A、304Bで増幅されたA像信号とB像信号をそれぞれ列出力線307A、307Bに出力する。
列出力線307A、307Bは、画素配列の列毎に設けられ、1列の第1の単位画素204に接続された第1の列出力線である。なお、列出力線307A、307Bは、隣接列の異なる行にある複数の第1の単位画素204で共有される。図3においては、1行目2列目にある第1の単位画素204と2行目3列目にある第1の単位画素204で共有されている。
第2の単位画素205は、フォトダイオード201、転送スイッチ302、フローティングディフュージョン領域303、増幅部304、リセットスイッチ305、選択スイッチ306を備えている。基本的に、第1の単位画素204の片側のフォトダイオードおよび回路構成と同様であり、画素信号が列出力線307Cに出力される。
フォトダイオード201は、マイクロレンズを通過した光を受光し、その受光量に応じた信号電荷を生成する光電変換部として機能する。第2の単位画素205は、N個の光電変換部を有する。ここでは、第2の単位画素205が1個の光電変換部を備える例について説明するが、Nは自然数であればよい。
列出力線307Cは、第2の単位画素205に接続された第2の列出力線であり、第2の列出力線は前述した第1の列出力線とは異なる列出力線として配設されている。なお、列出力線307Cは、隣接列の異なる行にある複数の第2の単位画素205で共有される。図3においては、1行目1列目にある第2の単位画素205と2行目2列目にある第2の単位画素205で共有されている。
増幅部304は、MOSトランジスタであり、第1の単位画素204と同様に、列出力線307Cを介して後述する図4の定電流源1202と接続されることでソースフォロワアンプとして動作する。そして、フローティングディフュージョン領域303に保持した電荷に基づく電圧信号を増幅して画素信号として出力する。
すなわち、第1の単位画素204は、画素内の増幅部の個数(ここでは2個)に対応する本数(ここでは2本)の第1の列出力線に接続される。また、第2の単位画素205は、画素内の増幅部の数(ここでは1個)に対応する本数(ここでは1本)の第2の列出力線に接続される。
本実施例では、第1の単位画素204が接続される第1の列出力線の本数は1列あたりm本、第2の単位画素205が接続される第2の列出力線の本数は1列あたりn本であり、mとnの関係は、m>nとなる。すなわち、第2の列出力線の1列あたりの本数が第1の列出力線の1列あたりの本数よりも少ない。
また、第1の列出力線307A、307Bは、隣接列の異なる行にある複数の第1の単位画素204で共有する構成とすることで、配設本数を減らすことができる。同様に、第2の出力線307Cは、隣接列の異なる行にある複数の第2の単位画素205で共有する構成とすることで、配設本数を減らすことができる。
なお、本実施例では、図3に示すように、各単位画素にフローティングディフュージョン領域と増幅部(ソースフォロワアンプ)を備えているが、本発明はそのような構成に限定されるものではない。例えば、読み出し時刻が異なる行にある単位画素で共有する構成でもよい。
具体的には、図11に示すように、1行目の第1の単位画素204−12と2行目の第1の単位画素204−21でフローティングディフュージョン領域303A、303B、増幅部304A、304B、および選択スイッチ306A、306Bを共有する。また、1行目にある第2の単位画素205−11と2行目にある第1の単位画素205−22でフローティングディフュージョン領域303、増幅部304、および選択スイッチ306を共有する構成であっても、同様の効果を得ることができる。
つぎに、図4は、本発明の実施例1における撮像素子の回路構成の一例である。画素領域1200には、複数の単位画素(図2、図3で説明した第1の単位画素204および第2の単位画素205)が行列状に配置されている。なお、ここでは、説明を簡略化するために、4×4画素で示してあるが、実際にはさらに多数の単位画素が配置される。
垂直シフトレジスタ1201は、各行の画素毎に駆動パルスを送出することで垂直走査を行なう。なお、図4では簡略化のために、転送パルス信号PTXが送出される駆動信号線1222のみ図示してあるが、実際には各行毎にリセットパルス信号PRES、選択スイッチ制御信号PSELなどが送出される複数の駆動信号線も接続されている。
垂直シフトレジスタ1201から送出された転送パルス信号PTXは、転送スイッチ302、302A、302Bをオンオフ制御する。
第1の単位画素204は、各フォトダイオード201A、201Bから得られるA像信号とB像信号を列出力線307A、307Bにそれぞれ出力し、第2の単位画素204は、フォトダイオード201から得られる画素信号を列出力線307Cに出力する。
各画素からの信号は、列出力線307A、307B、307Cを介して各々の列に配設された読み出し回路1203に入力される。そして、読み出し回路1203で処理された信号は、水平走査を行なうための水平シフトレジスタ1220により順次、出力アンプ1221に出力される。列出力線307A乃至307Cには、定電流源1202が接続されている。
読み出し回路1203は、各列の列出力線毎に備えられているが、各読み出し回路1203の構成は共通であるので、図4では1つの回路のみを詳細に示す。列アンプ回路1203−1は、クランプ容量1204、フィードバック容量1205、列アンプ1206、基準電圧源1207、およびスイッチ1223を備えている。
列アンプ1206は、列出力線307上の信号電圧を増幅する。基準電圧源1207は、列アンプ1206の基準電圧Vrefを供給する。スイッチ1223は、PC0R信号により制御され、オンすることによりフィードバック容量1205の両端をショートさせる。クランプ容量1204の容量がC0、フィードバック容量1205の容量がCfである場合、列アンプ1206の増幅率はC0/Cfである。
電源供給回路3201は、列アンプ回路1203−1への電源供給を行なう。電源供給回路3201からの供給電圧は、電源制御スイッチ3202を介して列アンプ回路1203−1の各々に供給されている。電源供給スイッチ3202のオンオフは、Psave1−1信号により制御される。
具体的には、Psave1−1信号がLowレベルの場合、列アンプ回路1203−1への電源供給が行われ、Psave1−1信号がHighレベルの場合、列アンプ回路1203−1への電源供給が遮断されてパワーセーブされる。
容量1210、容量1211は、信号電圧を保持する。スイッチ1214、1215は、それぞれ容量1210、1211への書き込みを制御する。スイッチ1214は、PTS信号でオンオフ制御され、スイッチ1215はPTN信号でオンオフ制御される。
スイッチ1218、1219は、水平シフトレジスタ1220からのPH信号でオンオフ制御される。そして、スイッチ1218をオンすることで、容量1210に書き込まれた信号が共通出力線1224を介して出力アンプ1221に出力される。また、スイッチ1219をオンすることで、容量1211に書き込まれた信号が共通出力線1225を介して出力アンプ1221に出力される。
つぎに、図5を用いて、画素信号を読み出す駆動方法について説明する。図5は、1行分の駆動シーケンスを示している。
まず、選択スイッチ制御信号PSELをLowレベルとすることで選択スイッチ306、306A、306Bをオフし、リセットパルス信号PRESをHighレベルとすることでリセットスイッチ305、305A、305Bをオンする。そして、フローティングディフュージョン領域303、303A、303Bをリセットする。
時刻T=t1において、転送パルス信号PTXをHighレベルとすることで転送スイッチ302、302A、302Bをオンし、フォトダイオード201、201A、201Bをリセットする。時刻T=t2において、転送パルス信号PTXをLowレベルとすることでリセット状態を解除し、フォトダイオード201、201A、201Bで光電荷の蓄積を開始する。
所定時間蓄積を行った後、時刻T=t3において、Psave1−1信号をLowレベルにして、読み出し回路1203の列アンプ回路1203−1へ電源供給を行う。それとともに、選択スイッチ制御信号PSELをHighレベルにすることで、選択スイッチ306、306A、306Bをオンする。時刻T=t4において、リセットパルス信号PRESをLowレベルとすることでリセットスイッチ305をオフし、フローティングディフュージョン領域303、303A、303Bのリセットを解除する。このときのフローティングディフュージョン領域303、303A、303Bの電位を増幅部304、304A、304Bにより増幅して列出力線307A、307B、307Cにリセット信号として読み出し、読み出し回路1203に入力する。
読み出し回路1203では、リセット信号が入力される際に、PC0R信号をHighレベルにすることでスイッチ1223がオンし、列アンプ1206が基準電圧源1207から供給される基準電圧Vrefをバッファする状態になっている。そして、フィードバック容量1205がリセットされるとともに、クランプ容量1204にリセット信号がクランプされる。
その後、時刻T=t5でPC0R信号をLowレベルにすることでスイッチ1223をオフし、時刻T=t6でPTN信号をHighレベルにすることでスイッチ1215をオンにしてリセット信号を容量1211へ書き込む。その後、時刻T=t7でPTN信号をLowレベルにすることでスイッチ1215をオフする。
つぎに、時刻T=t8でPTS信号をHighレベルにすることでスイッチ1214をオンする。続いて、時刻T=t9で転送パルス信号PTXをHighレベルにすることで転送スイッチ302、302A、302Bをオンする。そして、フォトダイオード201、201A、201Bの光電荷をフローティングディフュージョン領域303、303A、303Bへ転送する。
そして、フローティングディフュージョン領域303、303A、303Bに転送されたフォトダイオード201、201A、201Bの電荷に基づく電位を増幅部304、304A、304Bで増幅される。増幅部304、304A、304Bにより増幅された画素信号が列出力線307A、307B、307Cに出力され、読み出し回路1203に入力される。そして、読み出し回路1203の列アンプ1206で増幅された画素信号が容量1210に書き込まれる。
その後、時刻T=t10で転送パルス信号PTXをLowレベルにすることで転送スイッチ302、302A、302Bをオフし、時刻T=t11においてPTS信号をLowレベルにすることでスイッチ1214をオフする。
続いて、時刻T=t12において、Psave1−1信号をHighレベルにすることで読み出し回路1203の列アンプ回路1203−1へ電源供給を遮断してパワーセーブを行うとともに、時刻T=t12からt13において水平走査を行なう。すなわち、水平シフトレジスタ1220の駆動パルスPHを読み出し回路毎に順次Lowレベル→Highレベル→Lowレベルとすることにより、スイッチ1218、1219が順次オフ→オン→オフになるように制御する。
これにより、容量1211に保持されたリセット信号が共通出力線1224に順次読み出されるとともに、容量1210に保持された画素信号が共通出力線1225に順次読み出される。そして、読み出された1行分の画素信号とリセット信号の差分(差電圧)が出力アンプ1221から出力される。以上のような動作を全行分繰り返し行うことで、全画素の蓄積および信号読み出しが可能である。なお、共通出力線1224、1225は、各列の信号を読み出す毎に不図時のリセットスイッチにより基準電位にリセットされる。
なお、第1の単位画素204の各々は、M個の光電変換部の信号をA像出力、B像出力として独立して出力する。第1の単位画素204から得られるA像出力、B像出力を用いて、後段の画像処理回路106などにより焦点検出のための位相差検出の演算が行われる。さらに、A像出力とB像出力の合成処理(加算処理)が施され、第2の単位画素205から得られる出力とともに用いることで、画像データが生成される。
本実施例では、奇数行(1行目、3行目など)において、列出力線307A、307Bにその左側に位置する第1の単位画素204から画素信号が出力され、列出力線307Cにはその右側に位置する第2の単位画素205から画素信号が出力される。一方、偶数行(2行目、4行目など)において、列出力線307A、307Bにその右側に位置する第1の単位画素204から画素信号が出力され、列出力線307Cにはその左側に位置する第2の単位画素205の画素信号が出力される。
このような構成において、画像としてのズレが生じないように、読み出した画素出力について、デジタル信号処理回路105など後段の回路により位置合わせ処理を行う。ただし、この位置合わせ処理は、列出力線および読み出し回路に関連した補正(例えば、列回路毎のゲイン補正)の後に行なうことが望ましい。これによりハード的なバラツキの補正を簡単に行なうことができる。
以上のように、第1の単位画素からのA像信号およびB像信号の読み出しと、第2の単位画素からの撮像用信号の読み出しを並行して実行できるため、単位画素が複数のフォトダイオードを備えた構成において、読み出し速度を大幅に向上させることができる。
また、第2の単位画素の列出力線の本数が第1の単位画素の列出力線よりも少ない構成とすることで、列出力線の占める面積を削減し、その分フォトダイオードの占める面積を拡大することで受光特性が改善する。さらに、2つのフォトダイオードの加算信号を撮像信号として用いる第1の単位画素に緑のカラーフィルターを設け、第1の単位画素の感度が相対的に高くなるようにすることで、ノイズの影響を低減することができる。
(実施例2)
実施例1においては、第2の単位画素はフォトダイオードが分割されていない構成であるため、第2の単位画素の出力信号を用いて焦点検出を行うことができない。実施例2では、撮像装置により設定されたモードにより撮像素子の駆動を変更し、高速駆動を行なわないモードにおいては、第2の単位画素の出力信号も用いて焦点検出を可能とする。
図6は、本発明の第2の実施例における単位画素の構成を示す回路図である。図6においても、図3同様に2行2列の画素のみを示すが、実際にはさらに多数の単位画素が配置されている。
第1の単位画素204については、図3で説明したものと同様の構成であるため、ここでの説明は割愛する。ただし、説明の便宜上、転送制御に使用する転送パルス信号PTXをPTXaに変更する。第1の単位画素204は、図3と同様に、列出力線307A、307Bに接続されている。
第2の単位画素206は、第1のフォトダイオード201A、第2のフォトダイオード201B、第1の転送スイッチ302A、第2の転送スイッチ302Cを備えている。また、フローティングディフュージョン領域303、増幅部304、リセットスイッチ305、選択スイッチ306を備えている。
第1および第2のフォトダイオード201A、201Bは、同一のマイクロレンズを通過した光を受光し、その受光量に応じた信号電荷を生成する光電変換部として機能する。転送スイッチ302A、302Cは、転送パルス信号PTXa、PTXbによってオンオフ制御され、フォトダイオード201A、201Bで発生した電荷を共通のフローティングディフュージョン領域303に転送する。
フローティングディフュージョン領域303は、フォトダイオード201Aおよび201Bから転送された電荷を一時的に保持するとともに、保持した電荷を電圧信号に変換する電荷電圧変換部として機能する。増幅部304は、MOSトランジスタであり、列出力線307Cを介して、後述する図7の定電流源1202と接続されることでソースフォロワアンプとして動作する。そして、フローティングディフュージョン領域303に保持した電荷に基づく電圧信号を増幅して画素信号として出力する。
ここで、本実施例では、第2の単位画素206のフォトダイオード201Aで発生し、フローティングディフュージョン領域303に転送された電荷に基づく画素信号をA像信号と称する。また、フォトダイオード201Aで発生し、フローティングディフュージョン領域303に転送された電荷と、フォトダイオード201Bで発生し、フローティングディフュージョン領域303Bに転送された電荷の双方に基づく画素信号をA+B像信号と称する。
リセットスイッチ305は、リセットパルス信号PRESによってオンオフ制御され、フローティングディフュージョン領域303の電位を、共通電源308により供給される基準電位VDDにリセットする。選択スイッチ306は、垂直選択パルス信号PSELによってオンオフ制御され、増幅部304で増幅されたA像信号とA+B像信号を列出力線307Cに出力する。
列出力線307Cは、実施例1と同様に、第2の単位画素206に接続された第2の列出力線であり、第2の列出力線は、前述した第1の列出力線とは異なる列出力線として配設されている。なお、列出力線307Cは、図3と同様に、隣接列の異なる行にある複数の第2の単位画素206で共有されている。図3においては、1行目1列目にある第2の単位画素206と2行目2列目にある第2の単位画素で共有されている。
すなわち、第1の単位画素204は、画素内の増幅部(ソースフォロワアンプ)の個数(ここでは2個)に対応する本数(ここでは2本)の第1の列出力線に接続される。また、第2の単位画素206は、画素内の増幅部(ソースフォロワアンプ)の個数(ここでは1個)に対応する本数(ここでは1本)の第2の列出力線に接続される。
本実施例でも、第1の単位画素204が接続される第1の出力線の数は1列あたりm本、第2の単位画素206が接続される第2の出力線の数は1列あたりn本であり、mとnの関係は、m>nとなる。すなわち、第2の列出力線の1列あたりの本数が第1の列出力線の1列あたりの本数よりも少ない。
また、第1の出力線307A、307Bは、隣接列の異なる行にある複数の第1の単位画素204で共有する構成とすることで、配設本数を減らすことができる。同様に、第2の出力線307Cは、隣接列の異なる行にある複数の第2の単位画素で共有する構成とすることで、配設本数を減らすことができる。
なお、本実施例では、図6に示すように、各単位画素にフローティングディフュージョンと増幅部(ソースフォロワアンプ)を備えているが、本発明はそのような構成に限定されるものではない。例えば、読み出し時刻が異なる行にある単位画素で共有する構成でもよい。
具体的には、図12に示すように、1行目の第1の単位画素204−12と2行目の第1の単位画素204−21でフローティングディフュージョン領域303A、303B、増幅部304A、304B、および選択スイッチ306A、306Bを共有する。また、1行目にある第2の単位画素206−11と2行目にある第1の単位画素206−22でフローティングディフュージョン領域303、増幅部304、および選択スイッチ306を共有する構成であっても、同様の効果を得ることができる。
つぎに、図7は、本発明の実施例1における撮像素子の回路構成の一例である。実施例1と同様に、画素領域1200は、複数の単位画素(図6で説明した第1の単位画素204および第2の単位画素206)が行列状に配置されている。なお、ここでは、説明を簡略化するために、4×4画素で示してあるが、実際にはさらに多数の単位画素が配置される。図7において、図4と異なる箇所のみ説明する。なお、図4と同様の箇所については基本的に同一の符号を付し、その説明を省略する。
垂直シフトレジスタ1201は、各行の画素毎に駆動パルスを送出することで垂直走査を行なう。なお、図4で説明した転送パルス信号PTXに相当する転送パルス信号PTXaが送出される駆動信号線1224に加えて、転送パルス信号PTXbが送出される駆動信号線1225が配設されている。
駆動信号線1225は、図6に示した第2の単位画素206の第2の転送スイッチ302Cに対応するものである。なお、図4同様に、転送パルス信号PTXa、PTXbが創出される駆動信号線1224、1225のみ図示しているが、実際には各行毎にリセットパルス信号PRES、選択スイッチ制御信号PSELなどが送出される複数の駆動信号線も接続されている。
垂直シフトレジスタ1201から送出された転送パルス信号PTXaは、転送スイッチ302A、302Bを、転送パルス信号PTXbは、転送スイッチ302Cをオンオフ制御する。
第1の単位画素204は、上記以外の構成について、読み出し回路1203を含め、図4にて説明した構成と同じであるため、説明を割愛する。なお、説明の便宜上、本実施例では、読み出し回路1203を「第1の読み出し回路1203」と称する。
第2の単位画素206は、分割された各フォトダイオードから得られる画素信号を列出力線307Cに出力する。第2の単位画素206からの信号は、列出力線307Cを介して各々の列に配設された第2の読み出し回路2203に入力される。そして、読み出し回路2203で処理された信号は、水平走査を行なうための水平シフトレジスタ1220により順次、出力アンプ1221に出力される。列出力線307A乃至307Cには、定電流源1202が接続されている。
第2の読み出し回路2203は、列出力線302Cの各々に対して備えられているが、各読み出し回路2203の構成は共通であるので、図7では1つの回路のみ詳細に示す。なお、図4で説明した読み出し回路1203と同一の構成については基本的に同じ符号にて表記する。
列アンプ回路2203−1は、クランプ容量1204、フィードバック容量1205、列アンプ1206、基準電圧源1207、およびスイッチ1223を備えている。
列アンプ1206は、列出力線307上の信号電圧を増幅する。基準電圧源1207は、列アンプの基準電圧Vrefを供給する。スイッチ1223は、PC0R信号により制御され、オンすることによりフィードバック容量1205の両端をショートさせる。クランプ容量1204の容量がC0、フィードバック容量1205の容量がCfである場合、アンプ1206の増幅率はC0/Cfである。
電源供給回路3201は、列アンプ回路2203−1への電源供給を行なう。電源供給回路3201からの供給電圧は、電源制御スイッチ3203を介して列アンプ回路2203−1に供給されている。電源供給スイッチ3202のオンオフは、Psave1−2信号により制御される。
具体的には、Psave1−2信号がLowレベルの場合、列アンプ回路2203−1への電源供給が行われ、Psave1−2信号がHighレベルの場合、列アンプ回路2203−1への電源供給が遮断されてパワーセーブされる。
第1の容量2208、2210、2211は、信号電圧を保持する。スイッチ2212、2214、2213は、それぞれ容量2208、2210、2211への書き込みを制御する。スイッチ2212は、PTSb信号でオンオフ制御され、スイッチ2214は、PTS信号でオンオフ制御される。スイッチ2213は、PTN信号でオンオフ制御される。
第2の容量2230、2231は、信号電圧を保持するための保持部である。第2の容量2230、2231は、第1の容量2208、2210、2211への信号書き込みと、水平シフトレジスタ1220による水平走査を同時に行うために設けられている。
スイッチ2216、2217、2218は、第2の容量への書き込みを制御する。スイッチ2216は、PTSb2信号によりオンオフ制御され、容量2208の信号を容量2230に書き込む。スイッチ2218は、PTS2信号によりオンオフ制御され、容量2210の信号を容量2230に書き込む。スイッチ2217は、PTN2信号によりオンオフ制御され、容量2211の信号を容量2231に書き込む。
また、第2の容量の直前には、バッファとしてのボルテージフォロワ回路2232、2233、2234が設けられている。ボルテージフォロワ回路は、第1の容量に蓄積された電位と等しい電位を、容量分割によらず第2の容量2230、2231に伝達する機能がある。
このスイッチ2212乃至2214、2216乃至2218およびボルテージフォロワ回路2232、2233、2234を、バッファ回路2203−2とする。電源供給回路3201は、電源制御スイッチ3204を介してバッファ回路2203−2に電源供給を行う。電源供給スイッチ3204は、Psave2信号によりオンオフ制御される。
具体的には、Psave2信号がLowレベルの場合、バッファ回路2203−2への電源供給が行われ、Psave1−2信号がHighレベルの場合、バッファ回路2203−2へ電源供給が遮断されてパワーセーブされる。
スイッチ2235、2236は、水平シフトレジスタ1220からのPH信号でオンオフ制御される。スイッチ2235をオンすることで、容量2230に書き込まれた信号が共通出力線1224を介して出力アンプ1221に出力される。また、スイッチ2236をオンすることで、容量2231に書き込まれた信号が共通出力線1225を介して出力アンプ1221に出力される。
つぎに、図8を用いて、画素信号を読み出す第1の駆動方法について説明する。図8は、1行分の駆動シーケンスを示している。
まず、選択スイッチ制御信号PSELをLowレベルとすることで選択スイッチ306、306A、306Bをオフし、リセットパルス信号PRESをHighレベルとすることでリセットスイッチ305、305A、305Bをオンする。そして、フローティングディフュージョン領域303、303A、303Bをリセットする。
時刻T=t21において、転送パルス信号PTXa、PTXbをHighレベルとすることで転送スイッチ302A、302B、302Cをオンし、フォトダイオード201A、201Bをリセットする。時刻T=t22において、転送パルス信号PTXa、PTXbをLowレベルとすることでリセット状態を解除し、フォトダイオード201A、201Bで光電荷の蓄積を開始する。
所定時間蓄積を行った後、時刻T=t23において、Psave1−1信号、Psave1−2信号、Psave2信号をLowレベルにする。そして、第1の読み出し回路1203の列アンプ回路1203−1、第2の読み出し回路2203の列アンプ回路2203−1およびバッファ回路2203−2へ電源供給を行う。さらに、選択スイッチ制御信号PSELをHighレベルにすることで、選択スイッチ306、306A、306Bをオンする。時刻T=t24において、リセットパルス信号PRESをLowレベルとすることでリセットスイッチ305、305A、305Bをオフし、フローティングディフュージョン領域303、303A、303Bのリセットを解除する。このときのフローティングディフュージョン領域303、303A、303Bの電位を増幅部304、304A、304Bにより増幅して列出力線307A、307B、307Cにリセット信号として読み出す。そして、読み出したリセット信号を第1の読み出し回路1203および第2の読み出し回路2203に入力する。
第1の読み出し回路1203および第2の読み出し回路2203では、リセット信号が入力される際に、PC0R信号をHighレベルにする。そして、スイッチ1223がオンし、列アンプ1206が基準電圧源1207から供給される基準電圧Vrefをバッファする状態になっている。そして、フィードバック容量1205がリセットされるとともに、クランプ容量1204にリセット信号がクランプされる。
その後、時刻T=t25でPC0R信号をLowレベルにすることでスイッチ1223をオフし、時刻T=t26でPTN信号をHighレベルにすることでスイッチ1215、2213をオンにしてリセット信号を容量1211、2211へ書き込む。その後、時刻T=t27でPTN信号をLowレベルにすることで、スイッチ1215、2213をオフする。
つぎに、時刻T=t28でPTS信号をHighレベルにすることでスイッチ1214、2214をオンする。続いて、時刻T=t29で転送パルス信号PTXa、PTXbをHighレベルにすることで転送スイッチ302A、302B、302Cをオンする。そして、フォトダイオード201A、201Bの光電荷をフローティングディフュージョン領域303、303A、303Bへ転送する。
そして、第1の単位画素204では、フローティングディフュージョン領域303A、303Bに転送されたフォトダイオード201A、201Bの電荷に基づく電位を増幅部304A、304Bで増幅される。増幅部304A、304Bにより増幅された画素信号が列出力線307A、307Bに出力され、読み出し回路1203に入力される。そして、読み出し回路1203の列アンプ1206で増幅された画素信号が容量1210に書き込まれる。
また、第2の単位画素206では、フローティングディフュージョン領域303において、フォトダイオード201A、201Bから転送された電荷が合成され、合成された電荷に基づく電位を増幅部304で増幅される。増幅部304により増幅された画素信号を列出力線307Cに出力し、読み出し回路2203に入力される。そして、読み出し回路2203の列アンプ1206で増幅された画素信号が容量2210に書き込まれる。
その後、時刻T=t30で転送パルス信号PTXa、PTXbをLowレベルにすることで転送スイッチ302A、302B、302Cをオフし、時刻T=t31においてPTS信号をLowレベルにすることでスイッチ1214、2214をオフする。
この段階で第1の読み出し回路1203に読み出すべき信号は確定したことになる。そのため、第1の読み出し回路1203の中で、信号保持およびこの後に行なう水平走査に必要ない回路電源をオフすることでパワーセーブしても構わない。
続いて、時刻T=t32において、PTN2信号およびPTS2信号を同時にHighレベルにすることで、スイッチ2217および2218がオンする。そして、容量2211に保持されたリセット信号は、ボルテージフォロワ2234を介して、容量2231へ書き込まれる。また、容量2210に保持された画素信号は、ボルテージフォロワ2233を介して容量2230に書き込まれる。そして、時刻T=t33でPTN2信号およびPTS2信号を同時にLowレベルとすることで、書き込みが終了する。この段階で第2の読み出し回路2203の読み出すべき信号は確定したことになる。
その後、時刻T=t34において、Psave1−1信号、Psave1−2信号、Psave2信号をHighレベルにする。そして、読み出し回路1203の列アンプ回路1203−1、第2の読み出し回路2203の列アンプ回路2203−1、バッファ回路2203−2へ電源供給を遮断してパワーセーブを行う。
時刻T=t34からt35において水平走査を行なう。すなわち、水平シフトレジスタ1220の駆動パルスPHを読み出し回路毎に順次Lowレベル→Highレベル→Lowレベルとすることにより、スイッチ1218、1219およびスイッチ2235、2236が順次オフ→オン→オフになるように制御する。
これにより、容量1210もしくは容量2231に保持されたリセット信号が共通出力線1225に順次読み出されると共に、容量1211もしくは容量2230に保持された画素信号が共通出力線1224に順次読み出される。そして、読み出された1行分の画素信号とリセット信号の差分(差電圧)が出力アンプ1221から出力される。なお、共通出力線1224、1225は各列の信号を読み出す毎に不図時のリセットスイッチにより基準電位にリセットされる。
なお、実施例1と同様に、第1の単位画素204から得られるA像出力、B像出力を用いて、後段の画像処理回路106などにより焦点検出のための位相差検出の演算が行われる。さらに、A像出力とB像出力の合成処理が施され、第2の単位画素206から得られる出力とともに用いることで、画像データが生成される。
なお、本実施例の構成でも、1行目の出力タイミングでは列出力線307Aの出力が第1出力画素となるが、2行目では列出力線307Cの出力が第1出力画素となる。このような出力タイミングのズレに関しても、実施例1と同様に、画像としてのズレが生じないように、デジタル信号処理回路105など後段の回路により位置合わせの処理を行う。
続いて、図9にて、画素信号を読み出す第2の駆動方法について説明する。図8は、1行分の駆動シーケンスを示している。
まず、選択スイッチ制御信号PSELをLowレベルとすることで選択スイッチ306、306A、306Bをオフし、リセットパルス信号PRESをHighレベルとすることでリセットスイッチ305、305A、305Bをオンする。そして、フローティングディフュージョン領域303、303A、303Bをリセットする。
時刻T=t51において、転送パルス信号PTXa、PTXbをHighレベルとすることで転送スイッチ302A、302B、302Cをオンし、フォトダイオード201A、201Bをリセットする。時刻T=t52において、転送パルス信号PTXa、PTXbをLowレベルとすることでリセット状態を解除し、フォトダイオード201A、201Bで光電荷の蓄積を開始する。
所定時間蓄積を行った後、時刻T=t53において、Psave1−1信号、Psave1−2信号、Psave2信号をLowレベルにする。そして、第1の読み出し回路1203の列アンプ回路1203−1、第2の読み出し回路2203の列アンプ回路2203−1およびバッファ回路2203−2へ電源供給を行う。さらに、選択スイッチ制御信号PSELをHighレベルにすることで、選択スイッチ306、306A、306Bをオンする。時刻T=t54において、リセットパルス信号PRESをLowレベルとすることでリセットスイッチ305、305A、305Bをオフし、フローティングディフュージョン領域303、303A、303Bのリセットを解除する。このときのフローティングディフュージョン領域303、303A、303Bの電位を増幅部304、304A、304Bにより増幅して列出力線307A、307B、307Cにリセット信号として読み出す。読み出したリセット信号を第1の読み出し回路1203および第2の読み出し回路2203に入力する。
第1の読み出し回路1203および第2の読み出し回路2203では、リセット信号が入力される際に、PC0R信号をHighレベルにする。そして、スイッチ1223がオンし、列アンプ1206が基準電圧源1207から供給される基準電圧Vrefをバッファする状態になっている。そして、フィードバック容量1205がリセットされるとともに、クランプ容量1204にリセット信号がクランプされる。
その後、時刻T=t55でPC0R信号をLowレベルにすることでスイッチ1223をオフし、時刻T=t56でPTN信号をHighレベルにすることでスイッチ1215、2213をオンにしてリセット信号を容量1211、2211へ書き込む。その後、時刻T=t57でPTN信号をLowレベルにすることで、スイッチ1215、2213をオフする。
つぎに、時刻T=t58でPTS信号をHighレベルとすることでスイッチ1214、2214をオンする。続いて、時刻T=t59で転送パルス信号PTXaをHighレベルにすることで転送スイッチ302A、302Bをオンする。そして、第1の単位画素204のフォトダイオード201A、201Bおよび第2の単位画素206のフォトダイオード201Aの光電荷をフローティングディフュージョン領域303、303A、303Bへ転送する。
そして、第1の単位画素204では、フローティングディフュージョン領域303A、303Bに転送されたフォトダイオード201A、201Bの電荷に基づく電位を増幅部304A、304Bで増幅される。増幅部304A、304Bにより増幅された画素信号が列出力線307A、307Bに出力され、読み出し回路1203に入力される。そして、読み出し回路1203の列アンプ1206で増幅された画素信号が容量1210に書き込まれる。
また、第2の単位画素206では、フローティングディフュージョン領域303に転送されたフォトダイオード201Aの電荷に基づく電位を増幅部304で増幅される。増幅部304により増幅された画素信号を列出力線307Cに出力し、読み出し回路2203に入力される。そして、読み出し回路2203の列アンプ1206で増幅された画素信号が容量2210に書き込まれる。
その後、時刻T=t60で転送パルス信号PTXaをLowレベルとすることで転送スイッチ302A、302Bをオフし、時刻T=t61においてPTS信号をLowレベルとすることでスイッチ1214、2214をオフする。
この段階で第1の読み出し回路1203の読み出すべき信号は確定したこととなる。そのため、第1の読み出し回路1203の中で、信号保持およびこの後に行なう水平走査に必要ない回路電源をオフすることでパワーセーブしても構わない。
つぎに、時刻T=t62において、PTN2信号およびPTS2信号を同時にHighレベルとすることで、スイッチ2217および2218がオンし、容量2211に保持された信号は、ボルテージフォロワ回路2234を介して容量2231へ書き込まれる。また、容量2210に保持された信号は、ボルテージフォロワ回路2233を介して容量2230に書き込まれる。そして、時刻T=t63でPTN2信号およびPTSb2信号を同時にLowレベルとすることで、書き込みが終了する。この段階で第2の読み出し回路2203に読み出される第2の単位画素206のフォトダイオード201Aの信号(A像信号)が確定する。
続いて、時刻T=t64においてPTSb信号をHighレベルとすることでスイッチ2212をオンする。時刻T=t65で再び転送パルス信号PTXaをHighレベルにすることで転送スイッチ302Aをオンすると同時に、転送パルス信号PTXbもHighレベルにすることで転送スイッチ302Cをオンする。これにより、第2の単位画素206のフォトダイオード201Aと201Bの光電荷を同時にフローティングディフュージョン領域303に転送することができる。
第2の単位画素206では、フローティングディフュージョン領域303において、フォトダイオード201A、201Bから転送された電荷が合成され、合成された電荷に基づく電位を増幅部304で増幅される。増幅部304により増幅された画素信号を列出力線307Cに出力し、読み出し回路2203に入力される。そして、読み出し回路2203の列アンプ1206で増幅された画素信号が容量2208に書き込まれる。
その後、時刻T=t66で転送パルス信号PTXa、PTXbをLowレベルにすることで転送スイッチ302A、302Cをオフし、時刻T=t66においてPTSb信号をLowレベルにすることでスイッチ2212をオフする。この段階で第2の読み出し回路2203に読み出される第2の単位画素のフォトダイオード201Aおよび201Bの信号(A+B像信号)が確定する。
続いて、時刻T=t68において、Psave1−1信号、Psave1−2信号をHighレベルにする。そして、第1の読み出し回路1203の列アンプ回路1203−1、第2の読み出し回路2203の列アンプ回路2203−1へ電源供給を遮断してパワーセーブを行う。
すなわち、第1の単位画素204の出力が第1の読み出し回路1203内にある容量1210、1211に転送された後、第1の読み出し回路1203内の一部の回路(列アンプ回路1203−1)の電源をオフして消費電力を抑制している。同時に、第2の単位画素206の出力が第2の読み出し回路2203内にある容量2210、2208、2211に転送された後、第2の読み出し回路2203内の一部の回路(列アンプ回路2203−1)の電源をオフして消費電力を抑制している。
時刻T=t68からt69において、第1の単位画素204のA像信号、B像信号と、第2の単位画素206のA像信号の水平走査を行なう。すなわち、水平シフトレジスタ1220の駆動パルスPHを読み出し回路毎に順次Lowレベル→Highレベル→Lowレベルとすることにより、スイッチ1218、1219およびスイッチ2235、2236が順次オフ→オン→オフになるように制御する。
これにより、容量1211もしくは2231に保持されたリセット信号が共通出力線1224に順次読み出されるとともに、容量1210もしくは2230に保持された画素信号が共通出力線1225に順次読み出される。そして、読み出された1行分の画素信号とリセット信号の差分(差電圧)が出力アンプ1221から出力される。なお、共通出力線1224、1225は、各列の信号を読み出す毎に不図時のリセットスイッチにより基準電位にリセットされる。
続いて、A+B像信号の容量2208への書き込みが終わった後、時刻T=t70以降で、A+B像信号の容量2230への書き込みおよびA+B像信号の水平走査を行う。時刻T=t70において、PTN2信号およびPTSb2信号を同時にHighレベルにすることで、スイッチ2216および2217がオンし、容量2211に保持されたリセット信号はボルテージフォロワ2234を介して、容量2231へ書き込まれる。
また、容量2208に保持された画素信号は、ボルテージフォロワ2232を介して容量2230に書き込まれる。そして、時刻T=t71でPTN2信号およびPTSb2信号を同時にLowレベルとすることで、書き込みが終了する。この段階で、第2の読み出し回路1203に読み出される第2の単位画素206のフォトダイオード201Aおよび201Bの合成された信号(A+B像信号)が確定する。
その後、時刻T=t72において、Psave2信号をHighレベルにして、第2の読み出し回路2203内のバッファ回路2203−2へ電源供給を遮断してパワーセーブを行う。時刻T=t72からt73の間に、水平シフトレジスタ1220の駆動パルスPHを読み出し回路毎に順次Lowレベル→Highレベル→Lowレベルとすることにより、スイッチ2235、2236が順次オフ→オン→オフになるように制御する。
これにより、容量2231に保持されたリセット信号が共通出力線1225に順次読み出されるとともに、容量2230に保持された画素信号が共通出力線1224に順次読み出される。そして、読み出された1行分の画素信号とリセット信号の差分(差電圧)が出力アンプ1221から出力される。この出力が第2の単位画素のA+B像信号となる。
以上のような動作を全行分繰り返し行うことで、全画素の蓄積および信号読み出しが可能である。なお、共通出力線1224、1225は、各列の信号を読み出す毎に不図時のリセットスイッチにより基準電位にリセットされる。
図8を用いて説明した第1の駆動では、実施例1と同様に、第1の単位画素204から得られるA像出力、B像出力を用いて、後段の画像処理回路106などにより焦点検出のための位相差検出の演算が行われる。さらに、A像出力とB像出力の合成処理(加算処理)が施され、第2の単位画素206から得られる出力とともに用いることで、画像データが生成される。
図9を用いて説明した第2の駆動では、第2の単位画素206の各々は、N個の光電変換部の信号を混合してA+B像出力として出力するとともに、前記N個の光電変換部の一部の信号をA像出力として出力する。さらに、第2の単位画素206のA像出力、A+B像出力から後段の画像処理回路106などによりA+B像出力とA像出力の差分を演算することによりB像出力を求める。そして、第1の単位画素204から得られるA像出力とB像出力だけでなく、第2の単位画素206から求めたA像出力とB像出力を用いて焦点検出のための位相差検出の演算を行うことが可能になる。さらに、第2の単位画素206のA+B像出力を用いて、画像データを生成することができる。このように第2の駆動では、第1の駆動よりも読み出し回数が多くなるために読み出し時間がかかるが、第1の駆動では得られない第2の単位画素の焦点検出用の位相差像であるA像出力とB像出力を得ることができる。
奇数行(1行目、3行目など)と偶数行(2行目、4行目など)では第1の単位画素の出力と第2の単位画素の出力タイミングがずれる。そのため、後段の回路(例えば、デジタル信号処理回路105など)により位置合わせの処理を行うことで、画像としてのズレが生じないように処理を行うのは、他の駆動と同様である。
図10は、本実施例における、撮像装置の第1の駆動と第2の駆動の切り替え動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS1001において、操作回路110が図1により説明した不図示の操作部材により設定された撮影モードを判定して制御回路109に伝達する。すなわち、フレームレートや連写速度を重視する「高速撮影モード」であるのか、フレームレートよりも撮影精度を重視する「低速撮影モード」のいずれの撮影モードであるかを判定する。
ステップS1001において、「高速撮影モード」が設定されていると操作回路110が判定した場合には、ステップS1002に進んで、制御回路109が撮像素子を第1の駆動で駆動するように設定する。
ステップS1003において、「低速撮影モード」が設定されていると操作回路110が判定した場合には、ステップS1003に進んで、制御回路109が撮像素子を第2の駆動で駆動するように設定する。
以上のように制御することにより、所望の撮影モードに応じて、撮像素子の駆動設定を切り替えることにより、速写性と精度のバランスの取れた撮像装置を提供することができる。
また、画素配列を第1の単位画素のみで構成し、第1の単位画素の信号を出力する列出力線を1列あたり複数本設けた場合、撮像素子内の列出力線の占有面積が増加し、フォトダイオード面積が減少することから、画素の受光特性や飽和特性の悪化が懸念される。そこで、上述した実施例1および2では、撮像素子を第1の単位画素と第2の単位画素で構成し、第2の単位画素の信号を出力する第2の列出力線の1列あたりの本数を、第1の単位画素の信号を出力する第1の列出力線の1列あたりの本数よりも少なくした。そして、1つの単位画素に複数の光電変換部を有する撮像素子において、フォトダイオードが占める面積を確保しながら信号の高速読み出しを実現することができる。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。