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JP6477217B2 - ドレス装置、ドレス方法、ころの製造方法、ころ軸受の製造方法、回転機械装置の製造方法 - Google Patents

ドレス装置、ドレス方法、ころの製造方法、ころ軸受の製造方法、回転機械装置の製造方法 Download PDF

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JP6477217B2
JP6477217B2 JP2015096242A JP2015096242A JP6477217B2 JP 6477217 B2 JP6477217 B2 JP 6477217B2 JP 2015096242 A JP2015096242 A JP 2015096242A JP 2015096242 A JP2015096242 A JP 2015096242A JP 6477217 B2 JP6477217 B2 JP 6477217B2
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Description

この発明は、回転する砥石の外周面に設けられた加工面をドレス工具により削る事で、この加工面を所定の母線形状を有する曲面に成形するドレス装置の改良に関する。
各種回転機械装置の回転支持部に転がり軸受が組み込まれているが、大きな荷重が加わる回転支持部を構成する為の転がり軸受としては、転動体としてころ{例えば、円筒ころ(ニードルを含む)や円すいころ}を使用した、ころ軸受が使用されている。又、この様なころ軸受に於いては、耐久性の向上を図る為に、ころの転動面や軌道面にクラウニングを施す場合がある。即ち、これらころの転動面や軌道面のうち、少なくとも軸方向両端部にクラウニング部(曲率の小さい曲線を母線とする凸曲面部)を設ける事により、前記ころの転動面と前記軌道面との転がり接触部で、エッジロードに基づく過大面圧の発生の抑制を図る場合がある。
又、前記クラウニング部の母線は、単なる円弧曲線に限らず、対数曲線等の非円弧曲線とする場合もある(例えば、特許文献1〜4参照)。この様な非円弧曲線を母線とするクラウニング部を、総型の砥石を用いた研削加工により成形する場合には、この砥石の外周面に設けられた加工面を、当該クラウニング部と合致する母線形状を有する曲面に成形する必要がある。この様な加工面の成形を行う為の装置として従来から、数値制御(Numerical Control、略称NC)による自動運転が可能なドレス装置である、NCドレス装置が知られている(例えば、特許文献5参照)。このNCドレス装置は、自身の中心軸を中心として回転する砥石と、この砥石の加工面を削るドレス工具との相対位置を、NCプログラムの実行に基づいて動かしながら、この加工面をこのドレス工具により削る事で、この加工面を所定の母線形状を有する曲面に成形するものである。前記NCプログラムには、前記クラウニング部の図面データ等から作成した、前記砥石の加工面の母線に関するデータ(例えば、この加工面の成形を行う際の、この加工面に対する前記ドレス工具の軌跡に関するデータ)を組み込んでおく。
この様な従来のNCドレス装置では、前記クラウニング部の母線が非円弧曲線である場合に、この非円弧曲線を多数の小さな円弧の組み合わせにより構成する事に基づいて、前記加工面の母線に関するデータを作成していた。この為、この加工面の母線に関するデータを作成するのに長時間を要していた。
又、上述した従来のNCドレス装置では、前記加工面の成形を行う前に、この加工面の正確な仕上がり形状を予想する事ができなかった。更に、この加工面は粗い面である為、この加工面の成形を行った後も、この加工面の測定を行うだけでは、この加工面の正確な仕上がり形状を把握する事ができなかった。この為、従来は、成形を行った後の加工面により、ころ軸受を構成するころの転動面や軌道面等の被加工部材の周面に研削加工を施した後、この被加工部材の周面を測定する事によって、前記加工面の正確な仕上がり形状を把握していた。そして、必要に応じて、この被加工部材の周面の測定結果を利用して、前記加工面の形状の修正を行っていた。
特許第5056115号公報 特許第5163512号公報 特許第5251431号公報 特許第5251432号公報 特開平5−318315号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、被加工部材の周面に設ける、所定の母線形状を有する曲面部に見合ったパラメータの値を入力するだけで、ドレス工具により成形すべき砥石の加工面の母線に関するデータ(この母線を表す線上の複数の座標点)を自動的に求める事ができると共に、この加工面の成形を行う前に、この加工面の仕上がり形状(前記複数の座標点)の良否を確認できる、ドレス装置の構造を実現すべく発明したものである。
本発明のドレス装置は、例えばころ軸受を構成するころの転動面(外周面)や軌道面等の、被加工部材の周面に、所定の母線形状を有する曲面部を成形する為に使用される、総型の砥石を対象として、この砥石を自身の中心軸を中心として回転させながら、この砥石との相対位置を変化させる事が可能なドレス工具により、この砥石の外周面に設けられた加工面を削る事で、この加工面に、前記曲面部を成形する為の曲面加工部を成形する。
尚、前記曲面部の母線形状は、直線形状、曲線形状の別を問わない。又、この曲線形状は、円弧曲線形状、非円弧曲線形状の別を問わない。
特に、本発明のドレス装置は、関係式δ=f(x)と、入力部と、演算部と、表示部とを備える。
前記関係式δ=f(x)は、前記砥石の径方向座標δと、この砥石の軸方向座標xと、前記曲面部の諸元によって変化するパラメータとを含む関係式であって、前記ドレス工具により成形すべき前記曲面加工部の母線を表す線上に存在する複数の座標点(x、δ)を求める為のものである。
前記入力部は、前記関係式δ=f(x)と、この関係式δ=f(x)に関する、前記曲面部の諸元に見合った前記パラメータの値とのうち、このパラメータの値のみを入力する為のものである。
又、前記演算部は、前記入力部から入力された前記パラメータの値を代入して得られた前記関係式δ=f(x)に、前記砥石の軸方向座標xの値を複数代入して、前記曲面加工部の母線を表す線上に存在する複数の座標点(x、δ)を計算により求めるものである。
又、前記表示部は、前記演算部が求めた複数の座標点(x、δ)のうち、少なくとも一部の座標点(x、δ)を表示するものである。
本発明のドレス装置を実施する場合には、追加的に、駆動手段と、制御部とを備えたものとする事ができる。
このうちの駆動手段は、前記砥石を自身の中心軸を中心として回転させながら、この砥石と前記ドレス工具との相対位置を変化させる事が可能なものである。
又、前記制御部は、前記砥石を自身の中心軸を中心として回転させながら、前記ドレス工具が、前記演算部が求めた複数の座標点(x、δ)を通過すると共に、これら複数の座標点(x、δ)のうち互いに隣り合う座標点(x、δ)同士の間を直線的に移動する様に、前記駆動手段に対して駆動指令を送るものである。
又、本発明のドレス装置を実施する場合には、追加的に、例えば、前記砥石の加工面を前記ドレス工具により削る際に、これら砥石とドレス工具との相対位置を検出可能な位置検出手段を備えたものとする事ができる。これと共に、互いに同じ軸方向座標xの位置(値)に於ける、前記演算部が求めた座標点(x、δ)(目標値)と、前記位置検出手段が検出した前記相対位置に基づいて求められる、前記ドレス工具により実際に成形された前記曲面加工部の母線上の座標点(x、δ)(結果)とを、前記表示部に表示可能とする事ができる。
本発明のドレス方法は、本発明のドレス装置を用いたドレス方法であり、入力工程と、第一判定工程と、成形工程とを備えている。
前記入力工程では、前記入力部に、前記パラメータの値を入力する。
前記第一判定工程では、前記表示部に表示された、前記演算部が求めた複数の座標点(x、δ)のうちの少なくとも一部の座標点(x、δ)の径方向座標δの値と、前記被加工部材の製造指示図に参照値として記載された、該座標点(x、δ)と同じ軸方向座標xの位置に於ける、前記被加工部材の曲面部の落ち量との差が、許容範囲に収まっているか否かを判定する。
前記成形工程では、前記第一判定工程で前記差が許容範囲に収まっていると判定された場合にのみ、前記砥石を自身の中心軸を中心として回転させながら、前記ドレス工具が、前記演算部が求めた複数の座標点(x、δ)を通過すると共に、これら複数の座標点(x、δ)のうち互いに隣り合う座標点(x、δ)同士の間を直線的に移動する様に、前記砥石と前記ドレス工具との相対位置を変化させることによって、前記砥石の加工面に、前記曲面加工部を成形する。
本発明のドレス方法を実施する場合には、追加的に、例えば、第二判定工程を備えたものとする事ができる。
前記第二判定工程では、前記表示部に表示された、互いに同じ軸方向座標xの位置に於ける、前記演算部が求めた座標点(x、δ)と、前記位置検出手段が検出した前記相対位置に基づいて求められる、前記ドレス工具により実際に成形された前記曲面加工部の母線上の座標点(x、δ)との、互いの径方向座標δの値の差が、許容範囲に収まっているか否かを判定する。
そして、前記第二判定工程で前記差が許容範囲に収まっていないと判定された場合にのみ、前記砥石及び前記ドレス工具の駆動を制御する装置のパラメータを変更して前記成形工程をやり直し、その後、再度前記第二判定工程を行う。
本発明のころの製造方法は、ころ軸受を構成するころを対象とするもので、本発明のドレス方法により加工面に曲面加工部を成形された砥石を用いて、前記ころの外周面に所定の母線形状を有する曲面部を成形する。
本発明のころ軸受の製造方法は、ころを備えたころ軸受を対象とするもので、前記ころを、本発明のころの製造方法により製造する。
本発明の回転機械装置の製造方法は、ころ軸受を備えた回転機械装置を対象とするもので、前記ころ軸受を、本発明のころ軸受の製造方法により製造する。
上述の様に構成する本発明のドレス装置の場合、作業者等が入力部から、被加工部材の周面に成形すべき曲面部に見合ったパラメータの値を入力すると、演算部が、このパラメータの値を代入して得られた関係式δ=f(x)に、砥石の軸方向座標xの値を複数代入して、この砥石の加工面に成形すべき曲面加工部の母線を表す線上に存在する複数の座標点(x、δ)を自動的に求める。この為、これら複数の座標点(x、δ)を容易に且つ短時間で取得できる。
又、本発明の場合には、表示部に、前記演算部が求めた複数の座標点(x、δ)のうち、少なくとも一部の座標点(x、δ)を表示できる。この為、作業者等が、この表示部に表示された座標点(x、δ)の径方向座標δの値と、前記被加工部材の製造指示図等に記載された、当該座標点(x、δ)と同じ軸方向座標xの位置に於ける、前記曲面部の径方向座標{クラウニング部の落ち量(クラウニング量)等}δの値とを比較する事により、前記演算部が求めた複数の座標点(x、δ)の良否を確認(判定)する事ができる。
又、本発明の1態様では、表示部に、互いに同じ軸方向座標xの位置に於ける、演算部が求めた座標点(x、δ)と、ドレス工具により実際に成形された曲面加工部の母線上の座標点(x、δ)とが表示される。この為、作業者等が、この表示部に表示された両座標点(x、δ)の径方向座標δの値を比較する事により、ドレス工具により実際に成形された曲面加工部の母線形状の良否を確認(判定)する事ができる。
本発明の実施の形態の1例を示す、ドレス装置の概略図。 表示部に表示された、パラメータの入力部を示す図。 表示部に表示された、パラメータの入力部、及び、演算部が作成した砥石の加工面の母線形状を表す座標点(x、δ)を示す図。 表示部に表示された、演算部が求めた砥石の加工面の母線上の座標点(x、δ)と、ドレス工具により実際に成形された加工面の母線上の座標点(x、δ)との関係を示す図。 円筒ころ軸受の半部断面図。 円筒ころの転動面の母線形状を誇張して示す図。 クラウニング部の母線形状に関する説明図。 転動面の軸方向両端部にのみクラウニング部及びだらし部が設けられた、円筒ころ軸受を構成する円筒ころの平面図。 転動面の軸方向両端部にのみクラウニング部及びだらし部が設けられた、円すいころ軸受を構成する円すいころの平面図。 外輪軌道の軸方向両端部にのみクラウニング部及びだらし部が設けられた、円すいころ軸受を構成する外輪の部分断面図。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1に就いて、図1〜7により説明する。
本例のドレス装置1は、被加工部材の周面にクラウニングを施す為に使用される、総型の砥石2の外周面に設けられた加工面3を、所定の母線形状(前記被加工部材の周面に付与すべき母線形状)を有する曲面に成形する為に使用されるものである。
本例の場合、前記被加工部材の周面は、図5に示す様な円筒ころ軸受4を構成する、複数の円筒ころ10の転動面(外周面)12である。そこで、先ず、この円筒ころ軸受4に就いて説明する。
この円筒ころ軸受4は、内周面の軸方向中間部に円筒面状の外輪軌道5を有する外輪6と、外周面の軸方向中間部に円筒面状の内輪軌道7を有する内輪8と、これら外輪軌道5と内輪軌道7との間に保持器9により保持された状態で転動自在に設けられた、複数の円筒ころ10とから成る。又、前記外輪6の内周面の軸方向両端部に、それぞれ全周に亙る鍔部11、11が設けられている。そして、これら両鍔部11、11により、前記各円筒ころ10が、前記外輪、内輪両軌道5、7同士の間から脱落するのを防止されている。
又、前記外輪、内輪両軌道5、7は、それぞれ軸方向に関して直径が変化しない、単なる円筒面である。これに対して、前記各円筒ころ10の転動面12は、図6に誇張して示す様に、クラウニングが施されている。即ち、この転動面12の軸方向中央部に、軸方向両側に向かう程直径が小さくなる{落ち量(クラウニング量)が大きくなる}方向に傾斜した、円弧曲線を母線とする円弧クラウニング部13が設けられている。又、前記転動面12のうち、この円弧クラウニング部13の軸方向両側に隣接する、軸方向両端寄り部分に、軸方向外側に向かう程直径が小さくなる(落ち量が大きくなる)方向に傾斜した、円弧曲線と対数曲線との合成曲線(非円弧曲線)を母線とする円弧対数クラウニング部14、14が設けられている。又、前記転動面12のうち、これら両円弧対数クラウニング部14、14の軸方向外側(小径側)に隣接する、軸方向両端部に、軸方向外側に向かう程直径が小さくなる{落ち量(クラウニング部のクラウニング量に相当する量)が大きくなる}方向に傾斜した、非円弧曲線を母線とする凸曲面である、だらし部15、15が設けられている。前記円弧クラウニング部13と、前記両円弧対数クラウニング部14、14と、前記両だらし部15、15とは、それぞれ滑らかに連続している。又、これら両だらし部15、15は、運転時の弾性変形に拘わらず、前記外輪、内輪両軌道5、7と接触しない部分である。尚、本例の場合には、前記各円筒ころ10の転動面12が、特許請求の範囲に記載した被加工部材の周面に相当する。又、前記円弧クラウニング部13、前記円弧対数クラウニング部14、前記だらし部15のそれぞれが、特許請求の範囲に記載した曲面部に相当する。
前記転動面12のうち、前記円弧クラウニング部13(及び、後述する円弧クラウニング加工部16a)の母線形状は、下記の式(1)に基づいて決定される。又、前記円弧対数クラウニング部14(及び、後述する円弧対数クラウニング加工部16b)の母線形状は、下記の式(2)に基づいて決定される。又、前記だらし部15の母線形状は、下記の式(3)に基づいて決定される。尚、本例の場合には、これら式(1)、式(2)、式(3)のそれぞれが、特許請求の範囲に記載した、パラメータの値を代入する前の関係式δ=f(x)に相当する。
Figure 0006477217
Figure 0006477217
Figure 0006477217
ここに、
δ :前記円弧クラウニング部13と前記両円弧対数クラウニング部14、14と前記両だらし部15、15との、それぞれの落ち量
x :クラウニング中心(前記円弧クラウニング部13の軸方向中央位置)を原点とする軸方向座標
有効軌道長さの範囲内の中央部の長さ 2L1 :前記円弧クラウニング部13の軸方向長さ{L1=r1×(la/2)}
有効軌道長さの範囲内の端部の長さ L2 :前記両円弧対数クラウニング部14、14の軸方向長さ{L2=(la/2)−L1
前記中央部の円弧半径 R :前記円弧曲線の曲率半径{R=(D1 2+L1 2)/(2×D1)}
a :有効軌道長さ(前記円弧クラウニング部13及び前記両円弧対数クラウニング部14、14の合計の軸方向長さ)
1 :有効軌道長さに対する中央部(前記円弧クラウニング部13)の軸方向長さの比(2L1/la
1 :前記中央部(前記円弧クラウニング部13)と前記端部(前記両円弧対数クラウニング部14、14)とのつなぎ目における落ち量
2 :有効軌道長さの端に於ける落ち量の対数曲線成分(前記両円弧対数クラウニング部14、14と前記両だらし部15、15とのつなぎ目に於ける落ち量から、前記落ち量D1を差し引いた量)
k :対数部(前記対数曲線)の丸みを調整する為のパラメータ(0<k<1)
e :円弧対数部の終了座標での落ち量{前記両円弧対数クラウニング部14、14と前記両だらし部15、15とのつなぎ目に於ける落ち量(de=D1+D2
x :前記両だらし部15、15の横倍率
y :前記両だらし部15、15の縦倍率
である。
又、前記式(1)はx1の場合にのみ適用される式であり、前記式(2)はL1<x≦(L1+L2)の場合にのみ適用される式であり、前記式(3)はx>(L1+L2)の場合にのみ適用される式である。
尚、前記式(1)及び式(2)に就いて、図7により補足説明する。これら式(1)の右辺及び式(2)の右辺第1項及び第2項に示された円弧式部分から、図7の円弧曲線Aが求められる。又、この式(2)の右辺第3項に示された対数式部分から、図7の対数曲線Bが求められる。そして、このうちの円弧曲線Aが、前記円弧クラウニング部13の母線となり、円弧曲線Aと対数曲線Bの和である合成曲線Cが、前記円弧対数クラウニング部14の母線となる。
上述の様な構成を有する円筒ころ軸受4の場合には、前記転動面12の軸方向中央部に前記円弧クラウニング部13が設けられている為、この軸方向中央部が単なる円筒面となっている場合と比較すると、この軸方向中央部と前記両円弧対数クラウニング部14、14とのつなぎ目を、それぞれ十分に滑らかなつなぎ目にする事ができ、これら各つなぎ目での接触圧力ピークの発生を有効に防止する事ができる。又、軸方向中央部の母線を円弧曲線としている為、軸方向中央部の母線まで対数曲線とする場合と比較すると、軸方向中央部での落ち量が過大になる事を抑えて、使用頻度が高い軽荷重〜中荷重の条件下に於ける接触長さを長くする事ができる。従って、軸受に高荷重が作用したときにエッジロードの発生を防止する事ができ、更に、軽荷重〜中荷重条件での軸受寿命低下を防止する事ができる。
尚、前記両だらし部15、15の落ち量を大きくし過ぎると、これら両だらし部15、15と、前記円弧クラウニング部13と、前記両円弧対数クラウニング部14、14とを成形する為の研削加工(荒仕上げ加工)を、前記砥石2により行った後、これら各部13〜15の面性状を向上させる為の研削加工(超仕上加工)を、超仕上用砥石により行う際に、前記両だらし部15、15に、前記荒仕上げ加工時の目が残ってしまう、目残りと呼ばれる不都合が発生し易くなる。従って、この様な不都合の発生を防止する観点より、前記両だらし部15、15は、前記式(3)中の横倍率Sx、縦倍率Syを調整する等により、落ち量が過大にならない様にする(例えば、落ち量を100μm以内に抑える)事が好ましい。
一方、図1中に示す様に、前記砥石2の外周面に設けられた加工面3は、軸方向中央部に、前記円弧クラウニング部13を加工する為の円弧クラウニング加工部16aを、軸方向両端寄り部分に、前記両円弧対数クラウニング部14、14を加工する為の円弧対数クラウニング加工部16b、16bを、軸方向両端部に、前記両だらし部15、15を加工する為のだらし加工部17、17を、それぞれ備えている。尚、本例の場合には、これら各加工部16a、16b、17のそれぞれが、特許請求の範囲に記載した曲面加工部に相当する。
又、本例のドレス装置1は、前記円弧クラウニング加工部16aを、前記円弧クラウニング部13に見合った母線形状に成形し、前記両円弧対数クラウニング加工部16b、16bを、前記両円弧対数クラウニング部14、14に見合った母線形状に成形し、前記両だらし加工部17、17を、前記両だらし部15、15に見合った母線形状に成形するものである。
この為に、本例のドレス装置1は、このドレス装置1により成形すべき、前記円弧クラウニング加工部16aの母線を表す線上に存在する複数(多数)の座標点を、前記式(1)を利用して計算する。同じく、前記両円弧対数クラウニング加工部16b、16bの母線を表す線上に存在する複数(多数)の座標点を、前記式(2)を利用して計算する。同じく、前記両だらし加工部17、17の母線を表す線上に存在する複数(多数)の座標点を、前記式(3)を利用して計算する。
尚、前記円弧クラウニング加工部16aに関して、前記式(1)中のδは、前記円弧クラウニング部13の落ち量に対応する、前記砥石2の径方向座標となる。
又、前記円弧対数クラウニング加工部16bに関して、前記式(2)中のδは、前記円弧対数クラウニング部14の落ち量に対応する、前記砥石2の径方向座標となる。
又、前記だらし加工部17に関して、前記式(3)中のδは、前記だらし部15の落ち量に対応する、前記砥石2の径方向座標となる。
更に、前記各加工部16a、16b、17に関して、前記式(1)〜(3)中のxは、前記円弧クラウニング部13の中央部を原点とする軸方向座標に対応する、前記砥石2の軸方向座標となる。
この様な本例のドレス装置1に就いて、以下、より具体的に説明する。
本例のドレス装置1は、数値制御による自動運転が可能なNCドレス装置であり、図1にその概略を示す様に、NC装置18と、図示しない基台と、前記砥石2を移動させる為の第一移動台(テーブルスライド)19と、第一移動台駆動装置20と、砥石回転装置21と、ドレス工具22を移動させる為の第二移動台(クロススライド)23と、第二移動台駆動装置24と、ドレス工具回転装置25と、第一位置検出装置(エンコーダ)26と、第二位置検出装置(エンコーダ)27とを備える。尚、本例の場合には、前記第一移動台19と、前記第一移動台駆動装置20と、前記砥石回転装置21と、前記第二移動台23と、第二移動台駆動装置24とが、前記[課題を解決するための手段]の欄に記載した駆動手段に相当する。又、前記第一、第二両位置検出装置26、27が、特許請求の範囲に記載した位置検出手段に相当する。
前記第一移動台19は、前記図示しない基台に対し、前記砥石2の軸方向(x軸方向、図1の左右方向、使用状態に於ける水平方向)に関する移動を可能に設けられている。又、前記第一移動台駆動装置20は、前記第一移動台19を、前記砥石2の軸方向(x軸方向)に移動させるものである。又、前記砥石回転装置21は、前記第一移動台19に固定されており、前記砥石2を支持した状態で、この砥石2を、この砥石2の中心軸を中心として回転させるものである。尚、この砥石回転装置21及び前記第一移動台駆動装置20の動作は、前記NC装置18からの駆動指令に基づいて行われる。
又、前記第二移動台23は、前記図示しない基台に対し、前記砥石2の径方向{y軸(δ軸)方向、図1の上下方向、使用状態に於ける、垂直方向又は前記砥石2の軸方向に対して直角な水平方向}に関する移動を可能に設けられている。又、前記第二移動台駆動装置24は、前記第二移動台23を、前記砥石2の径方向{y軸(δ軸)方向}に移動させるものである。又、前記ドレス工具回転装置25は、前記第二移動台23に固定されており、前記ドレス工具22を前記砥石2と平行に支持した状態で、このドレス工具22を、このドレス工具22の中心軸を中心として回転させるものである。本例の場合、このドレス工具22は、外周面をドレス部(加工部)としたもので、このドレス部により、前記砥石2の加工面3を削るものである。尚、前記第二移動台駆動装置24及び前記ドレス工具回転装置25の動作は、前記NC装置18からの駆動指令に基づいて行われる。
又、前記第一位置検出装置26は、前記砥石2の軸方向(x軸方向)に関する、前記第一移動台19(この砥石2)の位置を検出可能とするものである。
又、前記第二位置検出装置27は、前記砥石2の径方向{y軸(δ軸)方向}に関する、前記第二移動台23(前記ドレス工具22)の位置を検出可能とするものである。
尚、これら第一、第二両位置検出装置26、27の検出信号は、前記NC装置18に送られる。
又、前記NC装置18は、入力部28と、演算部29と、表示部30と、制御部35とを備える。
このうちの入力部28は、例えば前記円筒ころ軸受4の製造指示図に記載された、前記各円筒ころ10の転動面12に設けるべき、前記円弧クラウニング部13、前記両円弧対数クラウニング部14、14、及び前記両だらし部15、15に関する複数個のパラメータ{前記式(1)〜(3)中のパラメータである、2箇所の座標点に関する寸法(L1、D1)及び(L2、D2)と3つの係数(k、Sx、Sy)}の値を入力する為のものである。尚、前述した通り、式(1)及び式(2)中のRは、R=(D1 2+L1 2)/(2×D1)であり、又、式(3)中のdeは、de=D1+D2である。
本例の場合、前記入力部28は、タッチパネルである、前記表示部30に表示される(図2、3参照)。後述する様に、この表示部30は、複数の表示画面に切り替え可能であり、図2、3は、このうちの2つの表示画面を示している。これら2つの表示画面に於いて、タッチ操作により、前記各パラメータL1、D1、L2、D2、k、Sx、Syを個別に選択し、テンキー部分からこれらの値を入力できる様になっている。尚、これら各パラメータのうち、2つのパラメータL1、L2に関しては、これらの値を直接入力する代わりに、前記有効軌道長さla及び前記比r1の値を入力する事もできる。即ち、(L1、L2)と(la、r1)との間には、L1=r1×(la/2)、L2=(la/2)−L1の関係がある為、(la、r1)の値を入力する事によって、(L1、L2)の値を間接的に入力した事になる。
又、前記演算部29は、軸方向座標xの値を予め決められた微小量ずつ変化させながら、その都度、x≦L1の場合には、前記各パラメータL1、D1、L2、D2の値を代入して得られた式(1)に、前記軸方向座標xの値を代入して、径方向座標δの値を計算により求める。これにより、前記ドレス工具22により成形すべき、前記円弧クラウニング加工部16aの母線を表す線上の複数(多数)の座標点(x、δ)を求める。同様に、L1<x≦(L1+L2)の場合には、前記各パラメータL1、D1、L2、D2、kの値を代入して得られた式(2)に、前記軸方向座標xの値を代入して、径方向座標δの値を計算により求める。これにより、前記ドレス工具22により成形すべき、前記円弧対数クラウニング加工部16bの母線を表す線上の複数(多数)の座標点(x、δ)を求める。同様に、x>(L1+L2)の場合には、前記各パラメータL1、D1、L2、D2、Sx、Syの値を代入して得られた式(3)に、前記軸方向座標xの値を代入して、径方向座標δの値を計算により求める。これにより、前記ドレス工具22により成形すべき、前記だらし加工部17の母線を表す線上の複数(多数)の座標点(x、δ)を求める。尚、後述する砥石2の加工面3の成形を行う際に、これら複数の座標点(x、δ)に関して、互いに隣り合う座標点同士は直線で結ばれる。即ち、本例の場合、前記各加工部16a、16b、17の母線は、従来の様な複数の微小な円弧の組み合わせではなく、複数の微小な直線の組み合わせとなる。
又、前記表示部30は、タッチパネルであり、複数の表示画面に切り替え可能である。図2〜4は、このうちの3つの表示画面を示している。このうちの図2、3に示した表示画面には、上述した入力部28が表示されている。
又、図3に示した表示画面の下部には、前記演算部29が求めた前記各加工部16a、16b、17の母線を表す線上に存在する複数の座標点(x、δ)のうち、これら各加工部16a、16b、17毎に予め決められた、1乃至複数ずつの軸方向座標xの位置(「x=L1、及び、x=L1+L2」以外の軸方向座標位置。図3では、便宜上、GP1、GP2、GP3のみを表示。後述する図4に於いて同じ。)に対応する径方向座標δの値(GP1_D、GP2_D、GP3_D)が表示される様になっている。尚、本発明を実施する場合、これら各径方向座標δの値に対応する軸方向座標xの位置は、予め決めておく他、表示画面のタッチ操作により、自由に選択できる様に構成する事もできる。
又、図4に示した表示画面の上部には、後述する前記各加工部16a、16b、17の成形時に、前記第一、第二両位置検出装置26、27により検出された、前記第一移動台19(前記砥石2)が存在する現在の軸方向座標xである「テーブル位置」と、前記第二移動台23(前記ドレス工具22)が存在する現在の径方向座標y(δ)である「落ち量」とが表示される。
又、図4に示した表示画面の上下方向中間部には、前記第一、第二両位置検出装置26、27により検出された、前記第一移動台19(前記砥石2)と前記第二移動台23(前記ドレス工具22)との相対位置に基づいて求められる、このドレス工具22により実際に成形された、前記各加工部16a、16b、17の母線LGが、線図として表示される。
又、図4に示した表示画面の上下方向中間部で、前記母線LGから外れた部分(図4の右端部)には、前記予め決められた軸方向座標xの位置であるx=GP1、GP2、GP3に於ける、前記演算部29が求めた座標点の径方向座標δの値(目標値)と、前記母線LG上の座標点の径方向座標δの値(結果)とが表示される。
尚、図2〜4に示した表示画面中のテンキー以外の部分に記載した各数値は、それぞれ例示である。
又、前記制御部35は、後述する前記各加工部16a、16b、17の成形時に、前記第一移動台駆動装置20と、前記砥石回転装置21と、前記第二移動台駆動装置24と、前記ドレス工具回転装置25とに対して、駆動指令を送るものである。
上述の様な本例のドレス装置により、前記砥石2の加工面3に対して、前記各加工部16a、16b、17の成形を行う場合には、先ず、前記表示部30に表示された前記入力部28(図2〜3参照)から、前記各パラメータL1、D1、L2、D2、k、Sx、Syの値を入力する。すると、前記演算部29が、前述した様に、これら各パラメータL1、D1、L2、D2、k、Sx、Syの値を代入して得られた前記式(1)〜(3)を利用して、前記各加工部16a、16b、17の母線を表す線上に存在する複数の座標点(x、δ)を自動的に求める。この為、これら各母線を表す線上に存在する複数の座標点(x、δ)を容易に且つ短時間で取得できる。
又、本例の場合には、前記演算部29が求めた複数の座標点(x、δ)のうち、前記各加工部16a、16b、17毎に予め決められた、1乃至複数ずつの軸方向座標xの位置(GP1、GP2、GP3)に於ける径方向座標δの値(GP1_D、GP2_D、GP3_D)を、前記表示部30(図3に示した表示画面の下部)に表示する事ができる。この為、作業者等が、この表示部30に表示された径方向座標δの値(GP1_D、GP2_D、GP3_D)と、前記円筒ころ軸受4の製造指示図に参照値として記載された、同じ軸方向座標xの位置(GP1、GP2、GP3)に於ける径方向座標δの値(前記各加工部16a、16b、17の落ち量)とを比較する(両者の差が許容範囲に収まっているか否かを確認する)事に基づいて、前記演算部29が求めた複数の座標点(x、δ)の良否を判定する(良否判定J1を行う)事ができる。尚、この良否判定J1の結果が「否」となる場合、即ち、前記差が許容範囲に収まらない場合の例としては、前記入力部28に対する前記各パラメータの値の入力ミスが生じた場合が挙げられる。
本例の場合、この良否判定J1の結果が「否」の場合には、前記入力部28に入力する前記各パラメータL1、D1、L2、D2、k、Sx、Syの値を変更して、前記演算部29により、前記各加工部16a、16b、17の母線を表す線上に存在する複数の座標点(x、δ)を求め直す。そして、再度、上述の良否判定J1を行う。
一方、本例の場合、上述の良否判定J1の結果が「良」の場合、即ち、前記差が許容範囲に収まっている場合には、前記演算部29が求めた複数の座標点(x、δ)を利用して、前記ドレス工具22により、前記砥石2の加工面3の成形を行う。
即ち、前記NC装置18を構成する制御部35は、前記演算部29が求めた複数の座標点(x、δ)を組み込んだ、NCプログラムを実行する。これにより、前記制御部35は、前記砥石回転装置21及び前記ドレス工具回転装置25に駆動指令を送る事で、前記砥石2及び前記ドレス工具22を、それぞれ自身の中心軸を中心として所定の回転速度で回転させる。そして、この状態で、前記制御部35は、前記ドレス工具22が、前記砥石2の加工面3に対し、前記複数の座標点(x、δ)を通過すると共に、これら複数の座標点(x、δ)のうち互いに隣り合う座標点同士の間を直線的に移動する様に、前記第一、第二両移動台駆動装置20、24に対して駆動指令を送る。この為に、具体的には、前記制御部35は、前記第一移動台駆動装置20に駆動指令を送る事により、前記第一移動台19(前記砥石2)を、x軸方向に関して一方向(例えば、図1の左方向)に所定の送り速度で移動させる。これと同時に、前記制御部35は、x軸方向に関する前記第一移動台19(前記砥石2)の位置を、前記第一位置検出装置26の検出信号により確認しながら、前記第二移動台駆動装置24に駆動指令を送る事により、y軸(δ軸)方向に関する前記第二移動台23(前記ドレス工具22)の位置である切り込み量を、適宜変化させる。そして、この様な動作に基づいて、前記ドレス工具22の外周面に設けられたドレス部(加工部)により、前記砥石2の加工面3を削る事で、この加工面3を、(理想的には)前記複数の座標点(x、δ)のうち、互いに隣り合う座標点同士を直線でつないだ母線を有する曲面に成形する。尚、本発明を実施する場合には、前記ドレス工具22として、上述の様な使用時に回転するもの(ロータリードレッサ)に代えて、使用時に回転しないもの(単石ドレッサ)を使用する事もできる。
以上の様に、本例の場合には、上述した良否判定J1を行う事によって、前記ドレス工具22により前記砥石2の加工面3の成形を行う前に、前記演算部29が求めた複数の座標点(x、δ)の異常を発見できる。この為、前記砥石2に関して、前記加工面3の成形に起因する不良品の発生を有効に防止できる。
尚、上述の良否判定J1の結果が「良」であったとしても、例えば、前記制御部35が行う駆動指令の制御に遅れが生じたり、前記ドレス装置1の可動部に機械的な動作不良が発生したりした場合には、成形後の前記加工面3の母線形状が不良となる可能性がある。これに対して、本例の場合には、この様な母線形状の不良が生じたか否かを、前記表示部30の表示に基づいて確認する事ができる。
即ち、本例の場合には、前記表示部30(図4に示した表示画面の上下方向中間部)に、実際に成形している前記各加工部16a、16b、17の母線LGが、線図として表示される。この為、作業者等が、この線図により、実際に成形している前記各加工部16a、16b、17の母線LGをリアルタイムで確認できる。
又、本例の場合には、前記表示部30(図4に示した表示画面の上下方向中間部で、前記母線LGから外れた部分)に、前記各加工部16a、16b、17毎に予め決められた、1乃至複数ずつの軸方向座標xの位置であるx=GP1、GP2、GP3に於ける、前記演算部29が求めた座標点の径方向座標δの値(目標値)と、前記母線LG上の座標点の径方向座標δの値(結果)とが表示される。この為、作業者等が、この表示部30に表示された、互いに同じ軸方向座標xの位置(GP1、GP2、GP3)に於ける両者の径方向座標δの値(目標値、結果)同士を比較する(両者の径方向座標δの値の差が許容範囲に収まっているか否かを確認する)事により、前記各加工部16a、16b、17の成形後の母線形状の良否を判定する(良否判定J2を行う)事ができる。
本例の場合、この良否判定J2の結果が「否」の場合、即ち、前記差が許容範囲に収まっていない場合には、前記ドレス工具22による前記各加工部16a、16b、17の成形をやり直す。そして、再度、上述の良否判定J2を行う。尚、この様な成形のやり直しは、前記各パラメータL1、D1、L2、D2、k、Sx、Syの値を変更する事なく、前記NC装置18のパラメータ(具体的には、前記第一、第二両移動台19、23の移動速度やサーボゲイン等)を変更した上で行う。
一方、本例の場合、上述の良否判定J2の結果が「良」の場合、即ち、前記差が許容範囲に収まっている場合には、成形後の前記砥石2を、前記各円筒ころ10の転動面12に対して研削加工を施す為の使用に供する。
以上の様に、本例の場合には、上述した良否判定J2を行う事によって、前記各円筒ころ10の転動面12の研削加工を行う前に、前記砥石2の加工面3の母線形状の異常(不良)を発見できる。この為、前記各円筒ころ10に関して、転動面12の研削加工に起因する不良品の発生を有効に防止できる。
尚、本発明を実施する場合には、前記表示部30(例えば、図4に示した画面表示の下部)に、x軸方向の連続した範囲(図示の例では、全範囲の半分の範囲)に於ける、前記目標値(鎖線α)に対する前記結果(実線β)のずれ量を、線図により表示する事もできる。この様な線図を表示すれば、前述した様な一部の軸方向座標(GP1、GP2、GP3)以外の軸方向座標xでも、前記目標値(鎖線α)に対する前記結果(実線β)のずれ量を確認できる為、成形後の加工面3の母線形状に関して、より信頼性の高い良否判定を行える。
尚、本発明は、上述した実施の形態に限らず、例えば、円筒ころ軸受を構成する外輪軌道及び内輪軌道、円すいころ軸受を構成する円すいころの転動面や外輪軌道及び内輪軌道に、クラウニング部Cやだらし部D等の曲面部を設ける為に使用される、総型の砥石の加工面を成形する為のドレス装置を対象として実施する事もできる。
又、砥石の加工面により研削加工を施す被加工部材の周面は、クラウニング部Cやだらし部D等の曲面部が全体的に設けられたものに限らず、例えば、図8に示す様な円筒ころ軸受を構成する円筒ころ10aの転動面12aや、図9に示す様な円すいころ軸受を構成する円すいころ31の転動面32や、図10に示す様な円すいころ軸受を構成する外輪33の内周面に設けられた外輪軌道34の様に、クラウニング部Cやだらし部D等の曲面部が軸方向両端部にのみ設けられたものであっても良い。
1 ドレス装置
2 砥石
3 加工面
4 円筒ころ軸受
5 外輪軌道
6 外輪
7 内輪軌道
8 内輪
9 保持器
10、10a 円筒ころ
11 鍔部
12、12a 転動面(外周面)
13 円弧クラウニング部
14 円弧対数クラウニング部
15 だらし部
16a 円弧クラウニング加工部
16b 円弧対数クラウニング加工部
17 だらし加工部
18 NC装置
19 第一移動台(テーブルスライド)
20 第一移動台駆動装置
21 砥石回転装置
22 ドレス工具
23 第二移動台(クロススライド)
24 第二移動台駆動装置
25 ドレス工具回転装置
26 第一位置検出装置(エンコーダ)
27 第二位置検出装置(エンコーダ)
28 入力部
29 演算部
30 表示部
31 円すいころ
32 転動面
33 外輪
34 外輪軌道
35 制御部

Claims (7)

  1. 被加工部材の周面に、所定の母線形状を有する曲面部を成形する為に使用される、総型の砥石を対象として、この砥石を自身の中心軸を中心として回転させながら、この砥石との相対位置を変化させる事が可能なドレス工具により、この砥石の外周面に設けられた加工面を削る事で、この加工面に、前記曲面部を成形する為の曲面加工部を成形する、ドレス装置であって、
    関係式δ=f(x)と、入力部と、演算部と、表示部とを備え、
    前記関係式δ=f(x)は、前記砥石の径方向座標δと、この砥石の軸方向座標xと、前記曲面部の諸元によって変化するパラメータとを含む関係式であって、前記ドレス工具により成形すべき前記曲面加工部の母線を表す線上に存在する複数の座標点(x、δ)を求める為のものであり、
    前記入力部は、前記関係式δ=f(x)と、この関係式δ=f(x)に関する、前記曲面部の諸元に見合った前記パラメータの値とのうち、このパラメータの値のみを入力する為のものであり、
    前記演算部は、前記入力部から入力された前記パラメータの値を代入して得られた前記関係式δ=f(x)に、前記砥石の軸方向座標xの値を複数代入して、前記曲面加工部の母線を表す線上に存在する複数の座標点(x、δ)を計算により求めるものであり、
    前記表示部は、前記演算部が求めた複数の座標点(x、δ)のうち、少なくとも一部の座標点(x、δ)を表示するものである、
    事を特徴とするドレス装置。
  2. 前記砥石の加工面を前記ドレス工具により削る際に、これら砥石とドレス工具との相対位置を検出可能な位置検出手段を備えており、
    互いに同じ軸方向座標xの位置に於ける、前記演算部が求めた座標点(x、δ)と、前記位置検出手段が検出した前記相対位置に基づいて求められる、前記ドレス工具により実際に成形された前記曲面加工部の母線上の座標点(x、δ)とを、前記表示部に表示可能としている、
    請求項1に記載したドレス装置。
  3. 請求項1又は2に記載したドレス装置を用いたドレス方法であって、
    前記入力部に前記パラメータの値を入力する入力工程と、
    前記表示部に表示された、前記演算部が求めた複数の座標点(x、δ)のうちの少なくとも一部の座標点(x、δ)の径方向座標δの値と、前記被加工部材の製造指示図に参照値として記載された、該座標点(x、δ)と同じ軸方向座標xの位置に於ける、前記被加工部材の曲面部の落ち量との差が、許容範囲に収まっているか否かを判定する第一判定工程と、
    前記第一判定工程で前記差が許容範囲に収まっていると判定された場合にのみ、前記砥石を自身の中心軸を中心として回転させながら、前記ドレス工具が、前記演算部が求めた複数の座標点(x、δ)を通過すると共に、これら複数の座標点(x、δ)のうち互いに隣り合う座標点(x、δ)同士の間を直線的に移動する様に、前記砥石と前記ドレス工具との相対位置を変化させることによって、前記砥石の加工面に、前記曲面加工部を成形する成形工程と、を備えた、
    ドレス方法。
  4. 前記表示部に表示された、互いに同じ軸方向座標xの位置に於ける、前記演算部が求めた座標点(x、δ)と、前記位置検出手段が検出した前記相対位置に基づいて求められる、前記ドレス工具により実際に成形された前記曲面加工部の母線上の座標点(x、δ)との、互いの径方向座標δの値の差が、許容範囲に収まっているか否かを判定する第二判定工程をさらに備え、
    前記第二判定工程で前記差が許容範囲に収まっていないと判定された場合にのみ、前記砥石及び前記ドレス工具の駆動を制御する装置のパラメータを変更して前記成形工程をやり直し、その後、再度前記第二判定工程を行う、
    請求項2に記載したドレス装置を用いた、請求項3に記載したドレス方法。
  5. ころ軸受を構成するころの製造方法であって、請求項3又は4に記載したドレス方法により加工面に曲面加工部を成形された砥石を用いて、前記ころの外周面に所定の母線形状を有する曲面部を成形する、ころの製造方法。
  6. ころを備えたころ軸受の製造方法であって、前記ころを、請求項5に記載したころの製造方法により製造する、ころ軸受の製造方法。
  7. ころ軸受を備えた回転機械装置の製造方法であって、前記ころ軸受を、請求項6に記載したころ軸受の製造方法により製造する、回転機械装置の製造方法。
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