先ず、本願発明に係る角度検出装置の一例としての角度検出装置30を搭載する一例としての測量装置10の概略的な構成について説明する。この測量装置10は、図1に示すように、本実施例ではトータルステーションであり、測定点へ向けてパルスレーザ光線を照射し、その測定点からのパルス反射光を受光して、パルス毎に測距を行い、測距結果を平均化して高精度の距離測定を行うことができる。この測量装置10は、整準部11と、基盤部12と、托架部13と、望遠鏡部14と、を備える。
整準部11は、三脚15に取付けられる箇所であり、測量装置10(望遠鏡部14)の傾きを検出することができる。基盤部12は、その整準部11に対する傾斜角を変更可能に整準部11に設けられている。托架部13は、基盤部12に対して鉛直軸線Avを回転中心として回転(鉛直軸線Av回りの回転)可能に、その基盤部12に設けられている。この托架部13には、表示部16と操作入力部17とが設けられている。この操作入力部17は、測量装置10における各種機能を利用するための操作部であり、入力操作された情報を後述する制御ユニット22(図2参照)へと出力する。表示部16は、制御ユニット22の制御下で、操作入力部17に為された操作に基づいて各種機能を利用するための操作画面や測定結果等を表示する。
望遠鏡部14は、托架部13に対して水平軸線Ahを回転中心として回転(水平軸線Ah回りの回転)可能に、その托架部13に設けられている。その望遠鏡部14には、測量装置10の概略の視準方向を設定するための照星照門18が設けられている。望遠鏡部14は、測定対象物を視準する第2望遠鏡19と、その第2望遠鏡19よりも低倍率で広範囲な視野を有する第1望遠鏡21と、を有する。この望遠鏡部14では、第1望遠鏡21の光学系を介して視準方向あるいは略視準方向の画像(広角画像)を取得する第1撮像部と、第2望遠鏡19の光学系を介して視準方向の画像(望遠画像)を取得する第2撮像部と、が設けられている。そして、望遠鏡部14には、第2望遠鏡19の光学系を共有する測距部が内蔵され、測距光を射出するとともに測定対象物からの反射光を受光して測定対象物までの光波距離測定を行う。
この測量装置10では、上述したように、托架部13が水平軸線Ah回りに回転可能に望遠鏡部14を支持しているとともに、その托架部13が基盤部12に対して鉛直軸線Av回りに回転可能とされている。このため、望遠鏡部14は、鉛直軸線Av回りすなわち水平方向に回転可能とされているとともに、水平軸線Ah回りすなわち鉛直方向に回転可能とされている。そして、測量装置10では、後述する制御ユニット22(図2参照)の制御下で、望遠鏡部14が鉛直軸線Av回り(水平方向)に適宜回転されるとともに、望遠鏡部14が水平軸線Ah回り(鉛直方向)に適宜回転される。測量装置10では、望遠鏡部14の鉛直軸線Av回り(水平方向)の回転角度と、望遠鏡部14の水平軸線Ah回り(鉛直方向)の回転角度と、を検出するために、角度検出装置30(図2参照)が設けられている。この角度検出装置30に関しては、後に詳細に説明する。
さらに、托架部13には、測量装置10の動作を統括的に制御する制御ユニット22(図2参照)が内蔵されている。その制御ユニット22は、水平駆動部および鉛直駆動部の駆動を制御して托架部13および望遠鏡部14を適宜回転させることにより、当該望遠鏡部14を所定の方向に向けることができるとともに所定の範囲を走査することができる。また、制御ユニット22は、第1望遠鏡21および第2望遠鏡19の切り替えを制御しつつ上述した第1撮像部および第2撮像部を適宜制御することにより、所要の倍率の画像を取得することができるとともに、上述した測距部を制御して所定の測定点の測距を行うことができる。そして、制御ユニット22は、角度検出装置30から角度検出信号を受けることにより、望遠鏡部14(その視準方向)における水平角と鉛直角とを取得することができる。このため、測量装置10では、整準部11、基盤部12、托架部13、望遠鏡部14、照星照門18、第2望遠鏡19、第1望遠鏡21、角度検出装置30(図2参照)が、制御ユニット22により駆動制御される測量ユニットとして機能する。
その角度検出装置30は、図2に示すように、望遠鏡部14の鉛直軸線Av回り(水平方向)の回転角度を検出する水平測角部31と、望遠鏡部14の水平軸線Ah回り(鉛直方向)の回転角度を検出するための鉛直測角部32と、それらを制御する制御機構33と、を有する。その水平測角部31は、その托架部13の基盤部12に対する水平方向の回転角度すなわち水平回転角を検出することにより、望遠鏡部14における視準方向の水平角を検出(測角)する。鉛直測角部32は、望遠鏡部14の托架部13に対する鉛直方向の回転角度すなわち鉛直回転角を検出することにより、望遠鏡部14における視準方向の鉛直角を検出(測角)する。この水平測角部31と鉛直測角部32とは、検出する角度(水平角または鉛直角)の差異に応じて配置関係が異なることを除くと、互いに等しい構成とされて等しい動作をするものであることから、等しい構成については同一の符号を付して説明する。
水平測角部31および鉛直測角部32では、目盛盤34を挟んで発光機構35と受光機構36とが対を為して設けられている。そして、水平測角部31および鉛直測角部32では、その発光機構35と受光機構36との組み合わせ(検出機構)が、目盛盤34の回転中心の設定位置に関して回転対称となるように2組設けられる対向検出構成とされている。このため、角度検出装置30では、水平角を検出するために1つの目盛盤34と2つの発光機構35と2つの受光機構36とを有し、鉛直角を検出するために1つの目盛盤34と2つの発光機構35と2つの受光機構36とを有する。以下では、目盛盤34を個別に表示する場合には、水平測角部31のものを水平目盛盤341とし、鉛直測角部32のものを鉛直目盛盤342とする。また、発光機構35を個別に表示する場合には、水平測角部31の一方を第1発光機構351とするとともに他方を第2発光機構352とし、鉛直測角部32の一方を第3発光機構353とするとともに他方を第4発光機構354とする。同様に、受光機構36を個別に表示する場合には、水平測角部31の一方を第1受光機構361とするとともに他方を第2受光機構362とし、鉛直測角部32の一方を第3受光機構363とするとともに他方を第4受光機構364とする。
その水平測角部31および鉛直測角部32では、目盛盤34と、対を為す発光機構35および受光機構36と、が相対的な回転が可能とされて設けられており、それぞれが所謂アブソリュートエンコーダを構成している。本実施例では、対を為す発光機構35および受光機構36に対して目盛盤34が回転するものとされている。すなわち、目盛盤34は、水平測角部31においては托架部13の基盤部12に対する水平方向の回転に伴って回転するように設けられ、鉛直測角部32においては望遠鏡部14の托架部13に対する鉛直方向の回転に伴って回転するように設けられている。
その目盛盤34は、図3に示すように、全体に円盤形状を呈し、外周縁部に円周方向(相対的な回転方向)に沿って一定の間隔(ピッチ)で複数の目盛としてのスリット37が設けられて構成される。その各スリット37は、後述するように発光機構35から出射される光の透過を許す箇所を構成するものであり、本実施例では、円周方向で見た幅寸法が大きいものと小さいものとが交互に並べられて形成される。そして、各スリット37は、後述するように、透過させた光を受光機構36で受光した際に、その受光領域の全域に渡る受光に基づく1ライン分のアナログ受光信号Ia(図7等参照)(アナログ画像データ)が、円周方向で見た他のいずれの場所での1ライン分のアナログ受光信号Ia(アナログ画像データ)に対しても一致しないように形成される。この目盛盤34は、本実施例では、円盤形状のガラス板の裏面にクロムメッキが施されて全体に光の透過を阻むものとされ、そのクロムメッキを部分的にエッチング等で除去することで各スリット37が設けられて形成される(図4参照)。
発光機構35と受光機構36とは、目盛盤34における各スリット37が設けられた箇所を挟むように、目盛盤34の回転中心方向で対向して設けられている。その発光機構35は、図4に示すように、制御機構33の制御下で、目盛盤34における各スリット37が設けられた箇所に向けて光を出射する。発光機構35は、本実施例では発光ダイオードを用いて構成されている。
受光機構36は、制御機構33の制御下で、発光機構35から出射されて目盛盤34の各スリット37を透過した光を受光して、その受光量に応じたアナログ受光信号Ia(図7等参照)を制御機構33に出力する。受光機構36は、複数の受光素子が直線上に直列されることで直線状の受光領域を有する構成とされた一次元固体撮像素子(リニアイメージセンサ)である。この受光機構36は、検出値を取得(蓄積)してからその検出値としてのアナログ受光信号Iaを出力するまでの間、その検出値(アナログ受光信号Ia)の劣化を防止することができるものとされている。この検出値(アナログ受光信号Ia)の劣化を防止するとは、検出値(アナログ受光信号Ia)を、それに基づく角度(水平角または鉛直角)の検出の精度に影響を及ぼさない範囲内での変化に留めることを言い、検出値(アナログ受光信号Ia)をまったく変化させないことを含むものである。
この受光機構36は、本実施例では、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを用いて構成されている。このため、受光機構36では、各受光素子(各画素)が光を受光すると各受光素子(各画素)が受光量に応じた量の電荷を蓄積し、その電荷を電圧に変換して、その電圧を保つことにより検出値を保つ。このように、受光機構36では、検出値(アナログ受光信号Ia)を電圧に変換して保つものであることから、ノイズに強いものとされており、時間が経過しても保った電圧(検出値(アナログ受光信号Ia))に大きな変化が生じることが防止されている。
そして、受光機構36では、2000個の受光素子が直列されて構成されており、受光領域が直列された2000画素で形成され、その2000画素分のアナログ受光信号Iaを出力するものとされている。この受光機構36は、本実施例では、2000画素分の受光領域において60個のスリット37を透過した光を受光することのできる位置関係とされている。以下では、アナログ受光信号Iaを個別に表示する場合には、第1受光機構361での検出値を第1アナログ受光信号Ia1とし、第2受光機構362での検出値を第2アナログ受光信号Ia2とし、第3受光機構363での検出値を第3アナログ受光信号Ia3とし、第4受光機構364での検出値を第4アナログ受光信号Ia4とする。
この角度検出装置30(水平測角部31および鉛直測角部32)では、発光機構35から光が出射されると、目盛盤34の各スリット37を透過した光が受光機構36に到達し、各スリット37が設けられていない箇所では当該光が到達しない。このため、受光機構36では、直列された複数(本実施例では2000個)の受光素子(画素)から為る受光領域の全域でアナログ受光信号Iaを取得することで、目盛盤34の回転姿勢に応じた位置における各スリット37のイメージをアナログ画像データとして取得することができる。すなわち、受光機構36では、各受光素子(画素)からの1ライン分のアナログ受光信号Iaを一括して取り扱うことで、読み取った目盛盤34の目盛としての各スリット37のイメージとしてのアナログ画像データを形成する。そのアナログ画像データは、本実施例では、目盛盤34の各スリット37を透過した光を受光機構36が受光するものであることから、各スリット37に応じた波形を描くものとなる。
この受光機構36は、複数画素分のアナログ受光信号Iaを、制御機構33(図2参照)に出力する。その制御機構33では、入力されたアナログ受光信号Iaを後述するAFE43(図7参照)で増幅・ノイズ除去等を行った後にAD変換してデジタル受光信号Id(図7参照)を生成し、そのデジタル受光信号Idを後述するCPU44(図7参照)に出力する。そのデジタル受光信号Idは、デジタルレベル値で0〜255までの諧調において画素毎の出力値が示すものとされる(図5参照)。そして、そのデジタル受光信号Idは、アナログ画像データを形成するアナログ受光信号IaがAD変換されたものであることから、各受光素子(画素)からの1ライン分(受光領域の全域)を一括して取り扱うことで、各スリット37に応じた波形を描くデジタル画像データとなる。ここで、受光機構36では、上述したように2000画素で形成された受光領域において60個のスリット37を透過した光を受光することが可能とされていることから、デジタル画像データ(アナログ画像データも同様である)では60個の山部分を有する波形が現れることとなる。
制御機構33(図2参照)では、図6に示すように、後述するCPU44(図7参照)において、デジタル画像データ(1ライン分のデジタル受光信号Id)における各山部分の中心位置Cと幅寸法Wとを算出する。その中心位置Cおよび幅寸法Wの算出は、一般に行われている各種の方法を用いて行うことができるので詳細な説明は省略する。制御機構33(CPU44)では、このように算出した各山部分の中心位置Cと幅寸法Wとに基づいて、受光機構36で取得した複数のスリット37の態様を求めることで、目盛盤34の回転姿勢を検出する。この複数のスリット37の態様を求めることおよび目盛盤34の回転姿勢を検出することに関しても、一般に行われている各種の方法を用いて行うことができるので詳細な説明は省略する。この角度検出装置30では、水平測角部31および鉛直測角部32のそれぞれにおいて、2組の受光機構36が設けられていることから、2組の受光機構36からの出力に基づいて目盛盤34の回転姿勢を検出することで、その目盛盤34における軸ブレに起因する角度検出誤差を打ち消して高い精度で目盛盤34の回転姿勢を検出することができる。
これにより、角度検出装置30では、水平測角部31における2組の第1受光機構361および第2受光機構362からの出力に基づいて水平目盛盤341の回転姿勢を検出することで、望遠鏡部14における視準方向の水平角を検出(測角)することができる。また、角度検出装置30では、鉛直測角部32における2組の第3受光機構363および第4受光機構364からの出力に基づいて鉛直目盛盤342の回転姿勢を検出することで、望遠鏡部14における視準方向の鉛直角を検出(測角)することができる。
次に、本発明に係る実施例の角度検出装置30における特徴的な構成について、主に図7から図11を用いて説明する。角度検出装置30では、制御機構33が、図7に示すように、駆動回路41と信号切替部42とアナログフロントエンド43(以下ではAFE43とも記載する)とCPU44とを有する。そのCPU44は、内臓する記憶部もしくは当該CPU44の外部に設けられた記憶部に格納されたプログラムにより角度検出装置30の動作を統括的に制御するものであり、入力されるデジタル受光信号Idを用いて目盛盤34の回転姿勢を検出する演算処理部として機能する。その記憶部には、角度検出装置30の各部の動作のための動作プログラムや、デジタル画像データ(1ライン分のデジタル受光信号Id)に基づく目盛盤34の回転姿勢の検出のための計算プログラム等のプログラムが格納されている。
駆動回路41は、CPU44の制御下で、4つの発光機構35、4つの受光機構36、信号切替部42、AFE43およびCPU44へと適宜信号を送ることにより、角度検出装置30における角度(水平角および鉛直角)の検出のための動作を可能とする。この駆動回路41は、各発光機構35に対して同時に点灯させるように発光信号Lを送る。その発光信号Lは、4つの発光機構35と受光機構36との組み合わせにおける個体差を無くすために、各発光機構35における発光強度を調整するものとされている。本実施例では、図8(a)に示すように、4つの発光機構35に送る発光信号Lにおいて、同時に点灯させるべく発光開始時間tsと発光停止時間teとを互いに等しいものとするとともに、発光開始時間tsから発光停止時間teまでの間に出力する電流Iの値を変化させて各発光機構35における発光強度を調整する。図8(a)に示す例では、第1発光機構351に送る第1発光信号L1を電流I1とし、第2発光機構352に送る第2発光信号L2を電流I2とし、第3発光機構353に送る第3発光信号L3を電流I3とし、第4発光機構354に送る第4発光信号L4を電流I4としている。
ここで、発光信号Lは、本実施例では、発光開始時間tsから発光停止時間teまでの間に出力する電流Iの値を変化させるものとしているが、各発光機構35における発光強度を調整するものであれば、他の構成であってもよく、本実施例の構成に限定されるものではない。その他の一例の発光信号Laを図8(b)に示す。その発光信号Laは、出力する電流Iの値を互いに等しい電流I5とするとともに、発光を継続する時間を変化させることにより、各発光機構35における発光強度を調整する。発光信号Laでは、発光を継続する時間を変化させるものであることから、4つの発光機構35を完全には同時に点灯させることが出来ないので、図8(b)に示す例では、発光を継続する時間における中央時点となる基準時間tbを等しくすることで同時の光の出射を可能としている。なお、発光開始時間tsもしくは発光停止時間teを等しくするものとしてもよい。そして、図8(b)に示す例では、第1発光機構351に送る第1発光信号La1を発光開始時間ts1から発光停止時間te1までとし、第2発光機構352に送る第2発光信号La2を発光開始時間ts2から発光停止時間te2までとし、第3発光機構353に送る第3発光信号La3を発光開始時間ts3から発光停止時間te3までとし、第4発光機構354に送る第4発光信号La4を発光開始時間ts4から発光停止時間te4までとしている。なお、この図8に示す各発光信号L(La)は、各発光機構35における発光強度を調整するための方法の理解を容易なものとするために例示したものであり、実際に各発光機構35に送られる各発光信号L(La)の態様と必ずしも一致するものではない。
駆動回路41は、図7に示すように、受光機構36に対して同時に受光させるように蓄積駆動信号Ddを送る。その各受光機構36は、蓄積駆動信号Ddが入力されている間で受光し、その後、その受光量に応じた検出値(アナログ受光信号Ia)を保つ。この蓄積駆動信号Ddは、4つの受光機構36における差異が無いことから、同時に受光させるべく同じ信号が同じタイミングで各受光機構36へと出力される。
また、駆動回路41は、各受光機構36に対して出力駆動信号Doを送る。その各受光機構36は、出力駆動信号Doが入力されると、受光量に応じた検出値としてのアナログ受光信号Iaを出力する。この出力駆動信号Doは、後述するように4つの受光機構36が別々に(異なるタイミングで)アナログ受光信号Iaを出力するように制御されることから、それぞれ異なるタイミングで各受光機構36へと出力される。そして、その出力駆動信号Doは、第1受光機構361へと送られるものを第1出力駆動信号Do1とし、第2受光機構362へと送られるものを第2出力駆動信号Do2とし、第3受光機構363へと送られるものを第3出力駆動信号Do3とし、第4受光機構364へと送られるものを第4出力駆動信号Do4とする。その各受光機構36には信号切替部42が接続されている。
その信号切替部42は、4つの受光機構36と個別に接続されるとともにAFE43と接続されており、いずれか1つの受光機構36とAFE43とを通じさせることを可能とする。すなわち、信号切替部42は、4つの受光機構36からAFE43へと至る伝送路を切り替えることで、いずれか1つの受光機構36とAFE43とを選択可能に接続させる。この信号切替部42は、駆動回路41から切替信号Sが入力されることで、4つの受光機構36からAFE43へと至る伝送路の切り替えを行う。その切替信号Sは、本実施例では、信号切替部42において、最初に入力されると第1受光機構361とAFE43とを接続するものとし、次に入力されると第2受光機構362とAFE43とを接続するものとし、その次に入力されると第3受光機構363とAFE43とを接続するものとし、次に入力されると第4受光機構364とAFE43とを接続するものとし、その次に入力されると再び第1受光機構361とAFE43とを接続するものとしている。このため、切替信号Sは、本実施例では、いずれの受光機構36を選択してAFE43と接続させる場合であっても、互いに等しいものとされている。なお、切替信号Sは、切り替える伝送路に応じて異なる信号とされているものであってもよく、本実施例の構成に限定されるものではない。
AFE43は、入力されたアナログ受光信号Iaの増幅・ノイズ除去等を適宜行い、そのアナログ受光信号IaをAD変換することでデジタル受光信号Idを生成し、そのデジタル受光信号Idを出力する。このAFE43は、駆動回路41から変換タイミング信号Tdが入力されることで、受光機構36から出力された信号から各画素に相当する箇所を適切に抜き出してアナログ受光信号Iaを判別し、そのアナログ受光信号IaをAD変換してデジタル受光信号Idを生成する。この変換タイミング信号Tdは、各受光機構36に送られる出力駆動信号Doと同期している。AFE43は、CPU44に接続されており、生成したデジタル受光信号IdをCPU44へと出力する。なお、AFE43は、入力されたアナログ受光信号Iaや生成したデジタル受光信号Idを一時的に記憶する機能を有するものではないので、上記した動作を各受光素子(画素)からのアナログ受光信号Ia毎に行い、デジタル受光信号Idを生成する度にCPU44へと出力する。以下では、デジタル受光信号Idを個別に表示する場合には、第1受光機構361での受光に基づくものを第1デジタル受光信号Id1とし、第2受光機構362での受光に基づくものを第2デジタル受光信号Id2とし、第3受光機構363での受光に基づくものを第3デジタル受光信号Id3とし、第4受光機構364での受光に基づくものを第4デジタル受光信号Id4とする。
そのCPU44は、駆動回路41から取得タイミング信号Tgが入力されることで、入力されたデジタル受光信号Idを取得する。この取得タイミング信号Tgは、各AFE43に送られる変換タイミング信号Tdと同期している。このため、CPU44は、単一の受光機構36が取得したアナログ画像データとしての1ライン分のアナログ受光信号Iaに対応するデジタル受光信号Idが連続して入力されることにより、1ライン分のデジタル受光信号Idからなるデジタル画像データとして取り扱うことができる。
次に、本発明に係る本実施例の角度検出装置30の制御機構33(そのCPU44)において実行される、角度検出のためのデータ処理について、図9を用いて説明する。その図9は、本実施例におけるCPU44にて実行されるデータ処理(データ処理方法)を示すフローチャートである。このデータ処理(データ処理方法)は、CPU44の内蔵する記憶部もしくは当該CPU44の外部に設けられた記憶部に記憶されたプログラムに基づいて、CPU44が実行する。以下では、このデータ処理(データ処理方法)としての図9のフローチャートの各ステップ(各工程)について説明する。この図9のフローチャートは、角度検出装置30を用いて角度検出を行う要求が為されると開始される。その角度検出を行う要求は、本実施例では、制御ユニット22(図2参照)から角度検出装置30の制御機構33(そのCPU44)へと為される。
ステップS1では、4つの検出機構で同時に検出してステップS2へ進む。このステップS1では、4つの検出機構、すなわち4つの発光機構35と受光機構36との組み合わせのそれぞれにおいて、4つの受光機構36から同時に光を出射させて、対応する位置の目盛盤34の各スリット37を透過した光を、4つの受光機構36で受光する。これにより、4つの受光機構36では、検出値(アナログ受光信号Ia)を同時に取得(蓄積)する。
ステップS2では、ステップS1での4つの検出機構で同時に検出することに続き、変数nを1に設定して、ステップS3へ進む。このステップS2では、新たにデータ処理(データ処理方法)を実行するために、変数nを1とする。
ステップS3では、ステップS2での変数nを1に設定すること、あるいは、ステップS6での変数n(その現状の値)に1を加算して新たな変数nとすること、に続き、接続する受光機構36を選択して、ステップS4へ進む。このステップS3では、設けられた受光機構36の選定のための変数をnとして、第n受光機構36を選択するものとし、その第n受光機構36とAFE43とを接続させる。この変数nは、ステップS2により1(初期値)とされていることから、この図9のフローチャートが始まってから最初にステップS3へと進んだ時点では1(初期値)とされている。
ステップS4では、ステップS3での接続する受光機構36を選択することに続き、選択した受光機構36で取得した検出値(アナログ受光信号Ia)のデータ処理を実行して、ステップS5へ進む。このステップS4では、選択した受光機構36から1ライン分のアナログ受光信号IaをAFE43に出力させ、そのAFE43で増幅・ノイズ除去等を行った後にデジタル受光信号Idを生成させ、生成した1ライン分のデジタル受光信号IdをCPU44に出力させる。
ステップS5では、ステップS4での選択した受光機構36で取得した検出値(アナログ受光信号Ia)のデータ処理を実行することに続き、変数nが受光機構36の個数と等しいか否かを判断し、Yesの場合はデータ処理(データ処理方法)を終了し、Noの場合はステップS6へ進む。このステップS5では、変数nが受光機構36の個数と等しいか否か、すなわち取得した検出値(アナログ受光信号Ia)のデータ処理(ステップS5)を全ての受光機構36に対して行ったか否かを判断する。すなわち、ステップS5では、変数nが受光機構36の個数と等しい場合にはデータ処理を全ての受光機構36に対して行ったものと判断し、等しくない場合にはデータ処理を全ての受光機構36に対して行っていないものと判断する。そして、ステップS5では、全ての受光機構36に対してデータ処理を行った場合にはこのフローチャートを終了し、まだデータ処理を行っていない受光機構36がある場合にはステップS6へ進む。
ステップS6では、ステップS5での変数nが受光機構36の個数と等しくないとの判断に続き、変数n(その現状の値)に1を加算して新たな変数nとして(n=n+1)、ステップS3へと戻る。このステップS6では、データ処理を行っていない受光機構36があることから、その残りの受光機構36に対するデータ処理を行うために、変数nを1つ増やすとともにステップS3からの流れを繰り返させる。
次に、角度検出装置30における角度(水平角および鉛直角)の検出のための動作(角度検出制御)を、図10のタイミングチャートを用いて説明する。なお、この図10では、各信号が出力される相対的なタイミングを示すものであり、各信号の態様(特に、出力駆動信号Do、各アナログ受光信号Ia、変換タイミング信号Td、各デジタル受光信号Id、取得タイミング信号Tg)は実際の信号の態様と必ずしも一致するものではない。
図9のフローチャートにおいて、ステップS1に進むことで、先ず、時刻t1において、制御機構33の駆動回路41から4つの受光機構36への蓄積駆動信号Ddの出力が開始される。その後、時刻t2において駆動回路41から各発光機構35(351〜354)に対してそれぞれ異なる発光信号L(L1〜L4)が出力され、時刻t3において各発光信号L(L1〜L4)の出力が停止される。そして、時刻t4において、駆動回路41から4つの受光機構36への蓄積駆動信号Ddの出力が停止される。これにより、4つの発光機構35から同時に出射された光が、目盛盤34の各スリット37を透過して対応する受光機構36で同時に受光され、その受光機構36において受光量に応じたアナログ受光信号Ia(Ia1〜Ia4)が生成されて保持される。
そして、図9のフローチャートにおいて、ステップS3に進むことで、時刻t4において、駆動回路41から信号切替部42へと切替信号Sが出力される(図7および図11参照)。これにより、信号切替部42は、第1受光機構361とAFE43とを接続する。加えて、図9のフローチャートにおいて、ステップS4に進むことで、時刻t4において、駆動回路41から第1受光機構361への第1出力駆動信号Do1の出力が開始され、かつ、駆動回路41からAFE43への変換タイミング信号Tdの出力が開始されるとともに、駆動回路41からCPU44への取得タイミング信号Tgの出力が開始される(図7および図11参照)。その後、時刻t5において、駆動回路41から第1受光機構361への第1出力駆動信号Do1の出力が終了される(図7および図11参照)。
これにより、第1受光機構361は、時刻t4から時刻t5において、保持するアナログ画像データとしての1ライン分の第1アナログ受光信号Ia1を一括してAFE43に出力する(図7および図11参照)。そのAFE43は、時刻t4から時刻t5において、入力された第1アナログ受光信号Ia1を増幅・ノイズ除去等を行った後にAD変換して第1デジタル受光信号Id1を生成し、その第1デジタル受光信号Id1をCPU44に出力する(図7および図11参照)。そのCPU44は、1ライン分の第1アナログ受光信号Ia1に基づく第1デジタル受光信号Id1が一括して入力されることから、第1受光機構361での受光に基づく1ライン分の第1デジタル受光信号Id1すなわちデジタル画像データを取得する。
そして、第1受光機構361のみのデータ処理が終了している場面であることから、図9のフローチャートにおいて、ステップS5→ステップS6→ステップS3に進むことで、時刻t5において、駆動回路41から信号切替部42へと切替信号Sが出力される(図7および図11参照)。これにより、信号切替部42は、第1受光機構361に替えて、第2受光機構362とAFE43とを接続する。加えて、図9のフローチャートにおいて、ステップS4に進むことで、時刻t5において、駆動回路41から第2受光機構362への第2出力駆動信号Do2の出力が開始され、時刻t6において、駆動回路41から第2受光機構362への第2出力駆動信号Do2の出力が終了される(図7および図11参照)。これにより、第2受光機構362は、時刻t5から時刻t6において、保持するアナログ画像データとしての1ライン分の第2アナログ受光信号Ia2をAFE43に出力する(図7および図11参照)。そのAFE43は、時刻t5から時刻t6において、入力された第2アナログ受光信号Ia2を増幅・ノイズ除去等を行った後にAD変換して第2デジタル受光信号Id2を生成し、その第2デジタル受光信号Id2をCPU44に出力する(図7および図11参照)。そのCPU44は、1ライン分の第2アナログ受光信号Ia2に基づく第2デジタル受光信号Id2が一括して入力されることから、第2受光機構362での受光に基づく1ライン分の第2デジタル受光信号Id2すなわちデジタル画像データを取得する。
そして、第1受光機構361および第2受光機構362のデータ処理が終了している場面であることから、図9のフローチャートにおいて、ステップS5→ステップS6→ステップS3に進むことで、時刻t6において、駆動回路41から信号切替部42へと切替信号Sが出力される(図7および図11参照)。これにより、信号切替部42は、第2受光機構362に替えて、第3受光機構363とAFE43とを接続する。加えて、図9のフローチャートにおいて、ステップS4に進むことで、時刻t6において、駆動回路41から第3受光機構363への第3出力駆動信号Do3の出力が開始され、時刻t7において、駆動回路41から第3受光機構363への第3出力駆動信号Do3の出力が終了される(図7および図11参照)。これにより、第3受光機構363は、時刻t6から時刻t7において、保持するアナログ画像データとしての1ライン分の第3アナログ受光信号Ia3をAFE43に出力する(図7および図11参照)。そのAFE43は、時刻t6から時刻t7において、入力された第3アナログ受光信号Ia3を増幅・ノイズ除去等を行った後にAD変換して第3デジタル受光信号Id3を生成し、その第3デジタル受光信号Id3をCPU44に出力する(図7および図11参照)。そのCPU44は、1ライン分の第3アナログ受光信号Ia3に基づく第3デジタル受光信号Id3が一括して入力されることから、第3受光機構363での受光に基づく1ライン分の第3デジタル受光信号Id3すなわちデジタル画像データを取得する。
そして、第1受光機構361、第2受光機構362および第3受光機構363のデータ処理が終了している場面であることから、図9のフローチャートにおいて、ステップS5→ステップS6→ステップS3に進むことで、時刻t7において、駆動回路41から信号切替部42へと切替信号Sが出力される(図7および図11参照)。これにより、信号切替部42は、第3受光機構363に替えて、第4受光機構364とAFE43とを接続する。加えて、図9のフローチャートにおいて、ステップS4に進むことで、時刻t7において、駆動回路41から第4受光機構364への第4出力駆動信号Do4の出力が開始され、時刻t8において、駆動回路41から第4受光機構364への第4出力駆動信号Do4の出力が終了される(図7および図11参照)。これにより、第4受光機構364は、時刻t7から時刻t8において、保持するアナログ画像データとしての1ライン分の第4アナログ受光信号Ia4をAFE43に出力する(図7および図11参照)。そのAFE43は、時刻t7から時刻t8において、入力された第4アナログ受光信号Ia4を増幅・ノイズ除去等を行った後にAD変換して第4デジタル受光信号Id4を生成し、その第4デジタル受光信号Id4をCPU44に出力する(図7および図11参照)。そのCPU44は、1ライン分の第4アナログ受光信号Ia4に基づく第4デジタル受光信号Id4が一括して入力されることから、第4受光機構364での受光に基づく1ライン分の第4デジタル受光信号Id4すなわちデジタル画像データを取得する。すると、全ての受光機構36のデータ処理が終了したことから、図9のフローチャートにおいて、ステップS5でその旨を判断することで、データ処理を終了する。
このように、角度検出装置30では、時刻t1から時刻t4において、4つの受光機構36から出射されて対応する位置の目盛盤34(341、342)の各スリット37を透過した光を、4つの受光機構36で受光する。このとき、各受光機構36は、時刻t2から時刻t3の間で光を出射していることから、各受光機構36では同時に目盛盤34の各スリット37を透過した光を取得していることとなる。そして、角度検出装置30の制御機構33では、図11に示す信号の流れにより、各受光機構36で取得した1ライン分のアナログ受光信号Ia(アナログ画像データ)に基づく1ライン分のデジタル受光信号Id(デジタル画像データ)をCPU44が取得する。なお、この図11では、制御機構33において、信号切替部42が単に伝送路を切り替えるものであって、各受光機構36からの信号の処理等を行うものではないことから、この信号切替部42を省略して示している。
先ず、第1受光機構361からのアナログ画像データとしての1ライン分の第1アナログ受光信号Ia1が、AFE43を経て、1ライン分の第1デジタル受光信号Id1(デジタル画像データ)としてCPU44に出力される。このとき、AFE43は、各受光素子(画素)からのアナログ受光信号Ia毎に第1デジタル受光信号Id1に変換してCPU44へと出力し、CPU44は、入力された第1デジタル受光信号Id1毎に取得する。このため、CPU44では、第1受光機構361からAFE43を経て1ライン分の第1デジタル受光信号Id1(デジタル画像データ)を取得するためには、1ライン分のデータ処理のための時間を要する。その後、第2受光機構362からのアナログ画像データとしての1ライン分の第2アナログ受光信号Ia2が、AFE43を経て、1ライン分の第2デジタル受光信号Id2(デジタル画像データ)としてCPU44に出力される。そして、第3受光機構363からのアナログ画像データとしての1ライン分の第3アナログ受光信号Ia3が、AFE43を経て、1ライン分の第3デジタル受光信号Id3(デジタル画像データ)としてCPU44に出力される。最後に、第4受光機構364からのアナログ画像データとしての1ライン分の第4アナログ受光信号Ia4が、AFE43を経て、1ライン分の第4デジタル受光信号Id4(デジタル画像データ)としてCPU44に出力される。
このとき、第2受光機構362、第3受光機構363、第4受光機構364では、自らよりも先に出力される各デジタル画像データの取得のための処理に要する時間だけ、取得(蓄積)した検出値としてのアナログ受光信号Iaの出力を待つこととなる。しかしながら、本願発明の角度検出装置30では、各受光機構36としてCMOSイメージセンサを用いており、取得(蓄積)した検出値(アナログ受光信号Ia)の劣化を防止しつつ保持することができる。このため、第2受光機構362、第3受光機構363、第4受光機構364では、取得(蓄積)してからアナログ受光信号Iaを出力するまでに時間を置くものであっても、角度検出の精度に影響を及ぼすことはない。
このように、角度検出装置30(制御機構33)では、4つの受光機構36からの1ライン分のアナログ受光信号Ia(アナログ画像データ)を順にAFE43を経てCPU44へと出力することで、CPU44が4つの受光機構36での受光に基づく4ライン分のデジタル受光信号Id(4つの受光機構36で取得したデジタル画像データ)を取得する。このとき、制御機構33では、信号切替部42で各受光機構36からAFE43への伝送路を切り替えることにより、4つの受光機構36が順に1ライン分のアナログ受光信号Ia(アナログ画像データ)をAFE43に出力することを可能としている。このため、制御機構33(角度検出装置30)では、単一のAFE43を用いるだけで、4つの受光機構36が同時に取得した4ライン分のアナログ受光信号Ia(アナログ画像データ)に対応する4ライン分のデジタル受光信号Id(デジタル画像データ)をCPU44に取得させることができる。このとき、制御機構33では、4ライン分のデータ処理のための時間で、4ライン分のデジタル受光信号Id(4つの受光機構36で取得したデジタル画像データ)をCPU44に取得させることができる。そのCPU44は、4つの1ライン分のデジタル受光信号Id(4つの受光機構36で取得したデジタル画像データ)に基づいて、望遠鏡部14における視準方向の水平角と、望遠鏡部14における視準方向の鉛直角と、を算出する。これにより、角度検出装置30では、水平測角部31での検出値としての望遠鏡部14における視準方向の水平角と、鉛直測角部32での検出値としての望遠鏡部14における視準方向の鉛直角と、を高い精度で検出(測角)することができる。
次に、複数の受光機構36を用いて角度を検出する角度検出装置の従来の技術の課題について、図12および図13で示す角度検出装置50を用いて説明する。この角度検出装置50は、角度検出装置30と同様に測量装置10の望遠鏡部14における視準方向の水平角と、その望遠鏡部14における視準方向の鉛直角と、を検出(測角)すべく設けられているものとする。角度検出装置50は、制御機構51における各部の構成が角度検出装置30の制御機構33とは異なることを除くと等しい構成であることから、等しい構成の個所には角度検出装置30(測量装置10)と同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
角度検出装置50では、図12に示すように、制御機構51が、駆動回路52と4つのAFE53と4つのデジタルデータ記憶部54とCPU55とを有する。その駆動回路52と各AFE53とCPU55とは、角度検出装置30の制御機構33における駆動回路41やAFE43やCPU44と基本的に等しいものである。
その4つのAFE53は、4つの受光機構36で取得したアナログ受光信号Iaを同時に処理するために、その各受光機構36に個別に対応して設けられている。この4つのAFE53は、個別に述べる場合には、第1受光機構361に接続されたものを第1AFE531とし、第2受光機構362に接続されたものを第2AFE532とし、第3受光機構363に接続されたものを第3AFE533とし、第4受光機構364に接続されたものを第4AFE534とする。
4つのデジタルデータ記憶部54は、4つのAFE53に個別に対応して設けられており、対応するAFE53で生成されたデジタル受光信号Idを取得しつつ一時的に保持する。この4つのデジタルデータ記憶部54は、個別に述べる場合には、第1AFE531に接続されたものを第1デジタルデータ記憶部541とし、第2AFE532に接続されたものを第2デジタルデータ記憶部542とし、第3AFE533に接続されたものを第3デジタルデータ記憶部543とし、第4AFE534に接続されたものを第4デジタルデータ記憶部544とする。この各デジタルデータ記憶部54では、駆動回路52から取得タイミング信号Tg(Tg1〜Tg4)が入力されることで、入力されたデジタル受光信号Idを取得して一時的に保持する。
この制御機構51(角度検出装置50)では、制御機構33(角度検出装置30)と同様に、駆動回路52から各発光機構35(351〜354)に発光信号L(L1〜L4)が出力されるとともに各受光機構36(361〜364)に蓄積駆動信号Ddが出力されることで、各受光機構36が受光量に応じたアナログ受光信号Ia(Ia1〜Ia4)を生成する。すると、制御機構51(角度検出装置50)では、駆動回路52から各受光機構36(361〜364)に出力駆動信号Do(Do1〜Do4)の出力が開始され、駆動回路52から各AFE53(531〜534)に変換タイミング信号Td(Td1〜Td4)が出力され、駆動回路52から各デジタルデータ記憶部54(541〜544)に取得タイミング信号Tg(Tg1〜Tg4)が出力される。すると、各受光機構36からアナログ受光信号Iaが対応するAFE53に出力され、その各AFE53で増幅・ノイズ除去等を行ってからデジタル受光信号Id(Id1〜Id4)を生成し、そのデジタル受光信号Idが各AFE53から対応するデジタルデータ記憶部54に出力されて記憶される。これにより、制御機構51(角度検出装置50)では、各デジタルデータ記憶部54に、対応する受光機構36での受光に基づく1ライン分のデジタル受光信号Id(デジタル画像データ)を記憶させることができる。そして、各デジタルデータ記憶部54は、CPU55の制御下で、デジタル画像データとしての1ライン分のデジタル受光信号Id(Id1〜Id4)を順にCPU55へと出力する。これにより、CPU55は、4つの受光機構36での受光に基づく1ライン分のデジタル受光信号Id(4つの受光機構36で取得したデジタル画像データ)を取得する。
このように、角度検出装置50では、角度検出装置30と同様に、4つの受光機構36から出射されて対応する位置の目盛盤34(341、342)の各スリット37を透過した光を、4つの受光機構36で受光する。そして、角度検出装置50の制御機構51では、図13に示す信号の流れにより、各受光機構36で取得した1ライン分のアナログ受光信号Ia(アナログ画像データ)に基づく1ライン分のデジタル受光信号Id(4つの受光機構36で取得したデジタル画像データ)をCPU55が取得する。
先ず、4つの受光機構36からのアナログ画像データとしての1ライン分の第1アナログ受光信号Ia1が、対応するAFE53を経て、1ライン分の第1デジタル受光信号Id1(デジタル画像データ)として対応するデジタルデータ記憶部54に同時に出力される。このとき、4つのAFE53は、各受光素子(画素)からのアナログ受光信号Ia毎にデジタル受光信号Idに変換してデジタルデータ記憶部54へと出力し、デジタルデータ記憶部54が入力されたデジタル受光信号Id毎に取得して記憶する。このため、各デジタルデータ記憶部54では、対応する受光機構36から対応するAFE53を経て1ライン分のデジタル受光信号Id(デジタル画像データ)を取得するためには、1ライン分のデータ処理のための時間を要する。そして、4つのデジタルデータ記憶部54では、1ライン分のデジタル受光信号Id(デジタル画像データ)を取得する動作が同時に為されることから、1ライン分のデータ処理のための時間で、それぞれが対応する受光機構36でのデジタル画像データを取得することができる。
その後、第1デジタルデータ記憶部541から、第1受光機構361での受光に基づく1ライン分の第1デジタル受光信号Id1(デジタル画像データ)が、CPU55に出力される。次に、第2デジタルデータ記憶部542から、第2受光機構362での受光に基づく1ライン分の第2デジタル受光信号Id2(デジタル画像データ)が、CPU55に出力される。そして、第3デジタルデータ記憶部543から、第3受光機構363での受光に基づく1ライン分の第3デジタル受光信号Id3(デジタル画像データ)が、CPU55に出力される。最後に、第4デジタルデータ記憶部544から、第4受光機構364での受光に基づく1ライン分の第4デジタル受光信号Id4(デジタル画像データ)が、CPU55に出力される。このように、各デジタルデータ記憶部54から順にCPU55へと1ライン分のデジタル受光信号Id(デジタル画像データ)が出力されるので、それぞれが1ライン分のデータ転送のための時間と切り換えのための時間とを要して、CPU55は、入力された各デジタル受光信号Idを取得する。このため、CPU55では、4つの受光機構36での受光に基づく4ライン分のデジタル受光信号Id(デジタル画像データ)を取得するために、1ライン分のデータ処理のための時間と、4ライン分のデータ転送のための時間およびその切り換えのための時間と、を要する。
このように、制御機構51(角度検出装置50)では、4つの受光機構36に個別に対応して4つのAFE53を設けることにより、4つの受光機構36が同時に1ライン分のアナログ受光信号Ia(アナログ画像データ)を出力して同時にデータ処理を行うことを可能としている。ところが、各AFE53が入力されたアナログ受光信号Iaや生成したデジタル受光信号Idを一時的に記憶する機能を有するものではないことから、4つのAFE53が同時にデジタル受光信号Idを生成すると、各AFE53から異なる受光機構36での受光に基づくデジタル受光信号Idが一斉にCPU55に出力される。すると、CPU55では、入力された各デジタル受光信号Idがいずれのデジタル画像データを構成するものであるのかの判別ができなくなり、各受光機構36での受光に基づく4ライン分のデジタル受光信号Id(デジタル画像データ)として取り扱うことが困難となってしまう。このため、制御機構51(角度検出装置50)では、4つのAFE53に個別に対応して4つのデジタルデータ記憶部54を設け、各AFE53で同時にデータ処理を行いつつ各デジタルデータ記憶部54で対応する1ライン分のデジタル受光信号Id(デジタル画像データ)を一時的に記憶させる。そして、各デジタルデータ記憶部54から、順に1ライン分のデジタル受光信号Id(デジタル画像データ)をCPU55へと出力させる。これにより、制御機構51(角度検出装置50)では、各受光機構36での受光に基づく4ライン分のデジタル受光信号Id(4つの受光機構36で取得したデジタル画像データ)をCPU55が取得することができる。
しかしながら、角度検出装置50(制御機構51)では、受光機構36と等しい個数だけ、AFE53およびデジタルデータ記憶部54を設ける必要があるので、回路規模の増大を招いてしまう。加えて、角度検出装置50(制御機構51)では、4ライン分のデジタル受光信号Id(4つの受光機構36で取得したデジタル画像データ)をCPU55に取得させるために、1ライン分のデータ処理のための時間と、4ライン分のデータ転送のための時間およびその切り換えのための時間と、を要することとなる。
これに対して、本発明に係る角度検出装置の一実施例としての角度検出装置30では、制御機構33において、各発光機構35を同時に発光させて各受光機構36で受光させた後、各受光機構36のいずれか1つからAFE43へと1ライン分の(受光領域の全域に渡る)アナログ受光信号Iaを出力させ、それに基づきAFE43で生成したデジタル受光信号IdをCPU44(演算処理部)へと入力させる工程を、すべての受光機構36に対して順に行う。これにより、角度検出装置30では、単一のAFE43を用いるだけで、4つの受光機構36が同時に取得した4ライン分のアナログ受光信号Ia(4つの受光機構36で取得したアナログ画像データ)に対応する4ライン分のデジタル受光信号Id(4つの受光機構36で取得したデジタル画像データ)をCPU44に取得させることができる。このため、角度検出装置30では、受光機構36の数と同じ数のAFE43を設ける必要がないので回路規模の増大を抑制することができるとともに、4つの発光機構35を用いて同じ時点での角度検出を可能とすることができる。
また、角度検出装置30では、複数の受光機構36のいずれか1つからAFE43へと1ライン分のアナログ受光信号Iaを出力させて生成したデジタル受光信号IdをCPU44(演算処理部)へと入力させる工程を、すべての受光機構36に対して順に行うものであることから、受光機構36の数よりもAFE43の数を少なくすることを可能としつつ、その複数の受光機構36を用いて同じ時点での角度検出を可能とすることができる。このため、角度検出装置30では、受光機構36の数よりもAFE43の数が少ないものであれば、設ける装置や用いる場所等に応じて、受光機構36の数を増減させたりAFE43の数を増やしたりすることができるので、設計自由度を高めることができる。
さらに、角度検出装置30では、信号切替部42を設けることにより、4つの受光機構36のいずれか1つからAFE43へと1ライン分のアナログ受光信号Ia(アナログ画像データ)を出力させることを可能としている。その信号切替部42は、4つの受光機構36のいずれか1つとAFE43とを選択可能に接続するものであることから、回路規模を殆ど増大させることはない。また、信号切替部42は、切替信号Sを受けると、4つの受光機構36のうちのいずれか1つを選択してAFE43に接続するものであることから、伝送路の選択および切り替えを容易なものとすることができる。このため、角度検出装置30では、回路規模の増大を抑制しつつ、簡易な構成で4つの受光機構36のいずれか1つからAFE43へと1ライン分のアナログ受光信号Ia(アナログ画像データ)を出力させることを可能とすることができる。
角度検出装置30では、4つの受光機構36が、検出値を取得(蓄積)してからその検出値(アナログ受光信号Ia)を出力するまでの間、その検出値(アナログ受光信号Ia)の劣化を防止することができるものとされている。このため、角度検出装置30では、4つの受光機構36が同時に受光した後に自らの順番が来るまでの間、各受光機構36が取得(蓄積)した検出値(アナログ受光信号Ia)の出力を待つこととなるが、角度検出の精度が低減することを防止することができる。換言すると、検出値(アナログ受光信号Ia)の劣化を防止することができない複数の受光機構36を用いつつ単一のAFE43を用いるものとすると、角度検出の精度を確保するためには、各受光機構36が順に受光してAFE43へとアナログ受光信号Iaを出力する必要がある。このため、4つの発光機構35を用いて同じ時点で角度検出することができなくなってしまう。このことから、角度検出装置30では、単一のAFE43を用いるものとしつつ、同じ時点での角度検出を精度良く行うことができる。
角度検出装置30では、CMOSイメージセンサを用いて各受光機構36を構成することにより、検出値を取得(蓄積)してからその検出値(アナログ受光信号Ia)を出力するまでの間、その検出値(アナログ受光信号Ia)の劣化を防止することを可能としている。このため、角度検出装置30では、一般的に用いられる受光素子であるCMOSイメージセンサを用いて各受光機構36を構成しているので、容易に実現することができる。ここで、角度検出装置30では、一般的に用いられる受光素子としてCCDイメージセンサを用いて各受光機構36を構成することも考えられる。しかしながら、CCDイメージセンサでは、各受光素子(各画素)が光を受光すると各受光素子(各画素)が受光量に応じた量の電荷を蓄積し、その電荷を保つことにより検出値を保つものであることから、ノイズ等の影響を受けやすく、検出値(アナログ受光信号Ia)の劣化を防止することが困難である。このことから、CCDイメージセンサを用いて各受光機構36を構成すると、4つの発光機構35を用いて同じ時点で角度検出するためには、上述した角度検出装置50のような構成とする必要があり、回路規模の増大を招いてしまう。このことから、角度検出装置30では、回路規模の増大を抑制するとともに、単一のAFE43を用いるものとしつつ、同じ時点での角度検出を精度良く行うことができる。
角度検出装置30では、単一のAFE43を用いる構成であるにも拘らず、4ライン分のデータ処理のための時間で、4ライン分のデジタル受光信号Id(4つの受光機構36で取得したデジタル画像データ)をCPU44に取得させることができる。このため、角度検出装置30では、4つのAFE53を用いる角度検出装置50と比較して、4つの発光機構35を用いて同じ時点での角度検出を可能としつつ回路規模の増大を抑制することができるにも拘わらず、全体としてのデータ処理の速度を高めることができる。
角度検出装置30では、4つの各受光機構36に互いに等しい蓄積駆動信号Ddを送ることにより、各受光機構36を同時に受光させている。このため、角度検出装置30では、簡易な構成および簡易な制御で各受光機構36を同時に受光させることができ、より適切に同じ時点で角度検出することができる。
角度検出装置30では、制御機構33(その駆動回路41)が、各発光機構35の個体差を無くすべく発光強度の調整する発光信号L(L1〜L4)を各発光機構35に個別にかつ同時に送っている。このため、角度検出装置30では、簡易な構成および簡易な制御で各発光機構35から同時に光を出射させることができ、より適切に同じ時点で角度検出することができる。
角度検出装置30では、対を為す発光機構35および受光機構36(検出機構)が、目盛盤34の回転中心に関して回転対称となる位置で2組設けられていることから、目盛盤34の軸ブレに起因する角度検出誤差を打ち消して角度検出することができる。そして、角度検出装置30では、同時に受光させた2組の受光機構36からの2ライン分のアナログ受光信号Ia(2つの受光機構36で取得したアナログ画像データ)に対応する2ライン分のデジタル受光信号Id(2つの受光機構36で取得したデジタル画像データ)をCPU44に取得させることができる。このため、角度検出装置30では、より適切に角度検出することができる。
測量装置10では、角度検出装置30を搭載するものであることから、上記した各効果を得ることができるとともに、測量ユニットによる方向の測定をより適切なものとすることができる。
測量装置10では、角度検出装置30により望遠鏡部14の視準方向における水平角と鉛直角とを検出することから、各受光機構36を同時に受光させて水平角と鉛直角とを検出することができるので、望遠鏡部14が視準方向を変化させている途中の時点であっても適切に水平角と鉛直角とを検出することができる。このため、測量装置10では、より使い勝手を向上させることができる。
したがって、本発明に係る角度検出装置の一実施例としての角度検出装置30では、回路規模の増大を抑制しつつ、複数の受光機構36を用いて同じ時点で角度検出を行うことができる。
なお、上記した実施例では、本発明に係る角度検出装置の一実施例としての角度検出装置30について説明したが、複数の発光機構と、目盛盤を挟んで前記各発光機構と対を為し直線状の受光領域を有する複数の受光機構と、前記各発光機構および前記各受光機構を制御する制御機構と、を備え、前記制御機構は、前記各受光機構から受けたアナログ受光信号をデジタル受光信号に変換するアナログフロントエンドと、前記デジタル受光信号を用いて前記目盛盤の回転姿勢を検出する演算処理部と、を有し、前記制御機構では、前記各発光機構を同時に発光させて前記各受光機構で受光させた後、前記各受光機構のいずれか1つから前記アナログフロントエンドへと前記受光領域の全域に渡る前記アナログ受光信号を出力させて生成した前記デジタル受光信号を前記演算処理部へと入力させる工程を、すべての前記受光機構に対して順に行う角度検出装置であればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
また、上記した実施例では、4つの受光機構36に対して1つのAFE43を設ける構成としている。しかしながら、各受光機構36のいずれか1つからAFE43へと1ライン分の(受光領域の全域に渡る)アナログ受光信号Iaを出力させて生成したデジタル受光信号IdをCPU44(演算処理部)へと入力させる工程を、すべての受光機構36に対して順に行うものであればよいので、受光機構36の数よりもAFE43の数が少ない構成であればよい。この一例としての角度検出装置30Aの構成を図14に示す。この角度検出装置30Aでは、第1受光機構361および第2受光機構362(水平測角部31)に対応して第1AFE43A1を設けるとともに、第3受光機構363および第4受光機構364(鉛直測角部32)に対応して第2AFE43A2を設けている。これに伴って、第1受光機構361および第2受光機構362のいずれか一方と第1AFE43A1とを選択的に接続する第1信号切替部42A1と、第3受光機構363および第4受光機構364のいずれか一方と第2AFE43A2とを選択的に接続する第2信号切替部42A2と、を設けている。この角度検出装置30Aでは、第1AFE43A1と第2AFE43A2とを選択的に動作させる必要があるので、基本的には角度検出装置30と同じようにデータ処理を行うことができる。この角度検出装置30Aであっても、複数の受光機構36を用いて同じ時点で角度検出を行うことができるとともに、受光機構36と同じ数だけAFE43Aを設ける必要がないので、回路規模の増大を抑制することができる。
さらに、上記した実施例では、AFE43からCPU44(演算処理部)へと1ライン分のデジタル受光信号Id(デジタル画像データ)を出力する構成としていたが、求められる速度や用いるCPU(演算処理部)の能力によっては、図15に示すように、角度検出装置50のデジタルデータ記憶部54と同様のデジタルデータ記憶部45を、AFE43とCPU44との間に設けるものとしてもよい。このデジタルデータ記憶部45は、図7に示すCPU44と同様に、AFE43から4つの受光機構36での受光に基づく4ライン分のデジタル受光信号Id(4つの受光機構36で取得したデジタル画像データ)を取得する。そして、デジタルデータ記憶部45は、その後に取得した4ライン分のデジタル受光信号Id(4つの受光機構36で取得したデジタル画像データ)をCPU44に出力する。このような構成とした場合であっても、複数の受光機構36を用いて同じ時点で角度検出を行うことができ、角度検出装置50と比較して回路規模の増大を抑制することができる。
上記した実施例では、CMOSイメージセンサを用いて各受光機構36を構成していたが、各受光機構36は検出値を取得(蓄積)してからその検出値(アナログ受光信号Ia)を出力するまでの間、その検出値(アナログ受光信号Ia)の劣化を防止することができるものであればよく、上記した実施例の構成に限定されるものではない。
上記した実施例では、対を為す発光機構35から出射されて目盛盤34の各スリット37を透過した光を受光機構36が受光する構成としていた。しかしながら、発光機構35から出射した光を、対を為す受光機構36で受光することで目盛盤34における目盛を読み取るものであればよく、上記した実施例の構成に限定されるものではない。
上記した実施例では、対を為す発光機構35および受光機構36(検出機構)が、目盛盤34の回転中心に関して180度回転対称となる位置で2組設けられていたが、目盛盤34の軸ブレを打ち消すように目盛盤34の回転中心に関して回転対称となる位置に設けられていればよく、上記した実施例の構成に限定されるものではない。
上記した実施例では、角度検出装置30が、測量装置10の望遠鏡部14における視準方向の水平角と鉛直角との2つの角度を検出するものとされていたが、複数の受光機構36を用いて同じ時点で角度を検出するものであれば、単一の角度(測量装置10を例にすると望遠鏡部14における視準方向の水平角または鉛直角のみ)を検出するものであってもよく、3つ以上の角度を検出するものであってもよく、上記した実施例の構成に限定されるものではない。
上記した実施例では、角度検出装置30が、目盛盤34の軸ブレを打ち消すように目盛盤34の回転中心に関して回転対称となる位置に複数の組で設ける対向検出構成としていたが、単一の目盛盤34に対して単一の発光機構35および受光機構36(検出機構)を設けるものであってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、角度検出装置30を測量装置10に設けていたが、複数の受光機構36を用いて同じ時点で角度検出を行うことが求められるものであれば、他の装置に用いるものであってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
以上、本発明の角度検出装置および測量装置を実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。