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JP6446981B2 - シングルタフトブラシ - Google Patents

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Description

本発明は、複数のフィラメントが束ねられた毛束が1つの植毛孔に植設されたシングルタフトブラシに関する。
従来より、歯と歯の間の窪んだ部分や歯と歯茎の境目など、ブラシの先端が平坦な歯ブラシでは清掃するのが難しい、狭い場所の清掃に適したいわゆるシングルタフトブラシが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このようなシングルタフトブラシは、ハンドル部の先端部に設けた1つの植毛孔に、複数本のフィラメントの束である1つの毛束が植設され、該毛束の先端部が円錐状に毛切りされて構成されている。これにより、円錐状の毛束の尖った先端部が狭い場所に入り込みやすくなるため、シングルタフトブラシを使用すると、先端が平坦な歯ブラシでは清掃しにくい歯と歯の間の窪んだ部分や歯と歯茎の境目などの狭い場所を容易に清掃することができる。
特開2008−272038号公報
ところで、近年、歯槽骨に、チタン等の材料で構成されたインプラント体を埋め込み、インプラント体と連結されるアバットメントに人工歯冠を装着するいわゆるインプラント治療が広く行われている。インプラント治療が行われると、インプラント体やアバットメントを構成する例えばチタン等の材料と歯肉との間に隙間ができ、いわゆる歯周ポケットに相当するインプラント周囲溝が生じる。
図17は、天然歯とインプラントの場合でのインプラント周囲溝(歯周ポケット)の状態を説明するための説明図である。(a)は天然歯の場合、(b)はインプラントの場合を示している。図17(a)に示すように、天然歯は、歯槽骨104で支えられた歯根101と、エナメル質103で覆われた歯冠102とを含む。歯根101は歯根膜105で覆われ、歯槽骨104は歯肉106で覆われている。歯根101、歯根膜105、及び歯肉は隙間なく密着し、歯肉106と歯冠102の間にいわゆる歯周ポケットPができている。天然歯の場合の歯周ポケットPの深さは、通常1mm〜2mm程度である。
一方、インプラントを埋め込んだ場合について、図17(b)を参照して説明する。インプラントは、歯槽骨104に埋め込まれるインプラント体110と、インプラント体110に連結されるアバットメント111とから構成されている。アバットメント111には、義歯112が取り付けられている。インプラントの場合、ポケット(インプラント周囲溝V)の底面がインプラント体110の上面となるため、図17(b)に示すように、歯周ポケットに相当するインプラント周囲溝Vが深くなる。
このようにインプラント体110やアバットメント111と歯肉との間にできるインプラント周囲溝Vは、深い溝であり、この溝に歯垢(プラーク)が溜まるとインプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎といった疾患を発症し、歯肉が炎症を起こしたり、歯槽骨が吸収されたりする。そのため、インプラントの利用者にとっては、インプラント周囲溝Vの清掃が重要となる。
しかしながら、上述のような円錐状の毛束が植設されたシングルタフトブラシでは、円錐先端の頂部がインプラント周囲溝の奥まで入らないため、インプラント周囲溝の入り口付近しか清掃することができない。そのため、インプラント利用者の、深い溝状のインプラント周囲溝Vを清掃することが困難であった。
本発明の目的は、インプラントの周囲の深い溝を清掃することが容易なシングルタフトブラシを提供することである。
本発明に係るシングルタフトブラシは、ユーザが把持するためのハンドル部と、複数のフィラメントが束ねられて形成され、前記ハンドル部の先端部に設けられた1つの植毛孔に植設された毛束とを備え、前記毛束の外周部のフィラメントより内側のフィラメントが、前記ハンドル部から突出する突出長さは、略前記外周部のフィラメントの突出長さ以下である。
この構成によれば、シングルタフトブラシの毛束を、ユーザが義歯の側面に押しつけることにより、毛束が拡がり毛束の外周部のフィラメントが撓んでインプラントの周囲の歯肉との間の溝に入り込む。これにより、インプラントの周囲の深い溝を清掃することが容易となる。
また、前記外周部のフィラメントと、前記内側のフィラメントとは、突出長さが略等しいことが好ましい。
この構成によれば、従来の円錐状の毛束が植設されたシングルタフトブラシよりも毛束の外周部のフィラメントが長くなる。その結果、ユーザが義歯の側面に押しつけることにより、撓んでインプラントの周囲の歯肉との間の溝に入り込むフィラメントが長くなるので、インプラントの周囲の深い溝を清掃することが容易となる。
また、前記内側のフィラメントは、前記外周部のフィラメントより前記突出長さが短いことが好ましい。
この構成によれば、ユーザが毛束の先端を義歯の側面に押し当てた際に、外周部のフィラメントが撓みやすくなってインプラントの周囲の歯肉との間の溝に入り込みやすくなる。
また、前記毛束には、前記フィラメントの突出長さが帯状に短い、又は前記フィラメントが帯状に設けられていないスリット部が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、スリット部が設けられた毛束は、スリット部が義歯の幅方向に沿うように毛束の先端が側歯面に押し当てられた際に、スリット部を境にして毛束の一部が撓んでインプラントの周囲の溝に入り込みやすくなる。
また、前記スリット部は、十文字状に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、ユーザが毛束(スリット部)の向きを意識することなく毛束の先端を側歯面に押し当てることによって、スリット部を境にして毛束の一部が撓んでインプラントの周囲の溝に入り込みやすくなる。
また、前記毛束は、前記植毛孔から先端に向かうに従って拡径するようにされていることが好ましい。
この構成によれば、毛束の先端を側歯面に押し当てた際に、毛束の外周付近のフィラメントが撓んでインプラントの周囲の溝に入り込みやすくなる。
また、前記外周部のフィラメントの突出長さは、6.5mm以上、9.5mm以下であることが好ましい。
この構成によれば、従来の円錐状の毛束が植設されたシングルタフトブラシよりも清掃性が向上する。
また、前記外周部のフィラメントの突出長さは、7.5mm以上、9.5mm以下であることが好ましい。
この構成によれば、従来の円錐状の毛束が植設されたシングルタフトブラシよりも、清掃性がさらに向上する。
また、前記外周部のフィラメントの突出長さは、略7.5mmであることが好ましい。
この構成によれば、最も良好な清掃性が得られる。
このような構成のシングルタフトブラシは、インプラントの周囲の深い溝を清掃することが容易である。
本発明の一実施形態に係るシングルタフトブラシの構成の一例を示す斜視図である。 図1に示すシングルタフトブラシのII−II線断面図である。 清掃性試験に用いた顎模型の斜視図である。 インプラント義歯を下顎模型から取り外し、インプラント義歯の下面側を斜め方向から見た斜視図である。 清掃性試験の評価方法を説明するための、インプラント義歯の下面図である。 清掃性試験の実施方法を説明するための説明図である。 清掃性試験の試験結果を示すグラフである。 シングルタフトブラシをインプラント義歯の側歯面に押し当てた状態を、斜め方向から撮影した写真である。 シングルタフトブラシをインプラント義歯の側歯面に押し当てた状態を、シングルタフトブラシの側方から撮影した写真である。 清掃性試験実施後におけるインプラント義歯の基底面と側歯面とを撮影した写真である。 円錐タフトブラシの毛束を擬似的な歯肉に押し当てた場合に毛束及び歯肉に生じる圧力を有限要素法によりシミュレーションした結果を示す説明図である。 シングルタフトブラシの毛束を擬似的な歯肉に押し当てた場合に毛束及び歯肉に生じる圧力を有限要素法によりシミュレーションした結果を示す説明図である。 被験者の歯茎をブラッシングした場合に歯肉に生じる擦過傷を、円錐タフトブラシとシングルタフトブラシとで比較した実験結果を撮影した撮影画像を示す説明図である。 円錐タフトブラシ「8.5−円錐」と、シングルタフトブラシ1である「7.5−フラット」について、43名(男性21名、女性22名)の被験者がブラッシングを行ったときの使用感を評価した評価結果を示すグラフである。 図2に示す毛束の形状の変形例を示す斜視図である。 図2に示す毛束の形状の変形例を示す斜視図である。 天然歯とインプラントの場合での歯周ポケット又はインプラント周囲溝の状態を説明するための説明図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。図1は、本発明の一実施形態に係るシングルタフトブラシの構成の一例を示す斜視図である。図2は、図1に示すシングルタフトブラシ1のII−II線断面図である。
図1、図2に示すように、シングルタフトブラシ1は、持ち手としてのハンドル部2と、ハンドル部2の先端部に連設された首部3と、首部3の先端部に設けた毛束保持部4とからなるハンドル5と、複数のフィラメント6aからなる1つの毛束6をハンドル5の毛束保持部4に形成された植毛孔9に平線7を用いて植設固定してなるブラシ部8とから構成されている。なお、毛束6の植設方法は平線7を用いる例に限らない。例えば、毛束6を植毛孔9内に接着剤で固定してもよく、他の方法で植設されていてもよい。
ハンドル5の各部の形状や寸法は、手でハンドル5を把持して操作可能であれば、任意の形状や寸法に設定できる。ハンドル5を構成する合成樹脂材料としては、歯ブラシのハンドルと同様の合成樹脂材料を採用でき、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチルテレフタレート、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、スチレン・アクリロニトリル樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、セルロースプロピオネート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリアリレート等の硬質の合成樹脂材料を採用できる。熱可塑性合成樹脂が好ましく、JISに規定する曲げ弾性率が1500MPa以上であることが好ましい。ただし、ハンドル5は、単一の合成樹脂材料で構成することも可能であるし、本体部を合成樹脂材料で構成し、滑り止め部をエラストマーで構成するなど、2種類以上の材料を用いて構成することもできる。
首部3は、口腔内におけるブラシ部8の操作性を十分に確保するため、ハンドル部2よりも小さな略円形断面に形成され、ブラッシング圧が過剰に大きくならないように、弾性変形可能に構成されている。
毛束保持部4は、植毛孔9を有する有底円筒状に形成されて、首部3の先端部に一体的に設けられ、毛束保持部4の中心線が首部3の中心線と略直交するように配置されている。
植毛孔9は、横断面円形に形成されている。ただし、横断面が楕円形や小判型や角形になるように構成することも可能である。植毛孔9の直径D1は、毛束6の直径に相当し、それに植設するフィラメント6aの直径D2及び本数に応じて適宜に設定することになる。直径D1は、大きすぎると操作性が低下するとともに、毛抜けが発生し易くなり、小さすぎると毛腰が弱くなって、清掃性が低下する。従って、直径D1は、例えば2.5mm〜4.5mmとされ、より好ましくは3.5mm〜4.5mmであり、例えば4.0mmとされている。フィラメント6aの本数は、フィラメント6aの直径D2により異なるが、82〜1580本が好ましく、より好ましくは378〜1580本であり、例えば815本とされている。
毛束6は、例えば、フィラメント6aを2つ折りにして、折り返し部の内側に金属製の平板状の平線7を挿入し、平線7とともに植毛孔9に植設固定されている。このように平線7を用いて毛束6を固定する場合には、フィラメント6aの基端部に溶融塊を形成し、ハンドルの成形空間内に溶融塊が配置されるように毛束6を固定した状態で、ハンドルを成形することで、溶融塊をハンドルに一体的に埋設固定して植設する植設方法や、複数本のフィラメントを束ねてなる毛束6の基端部に溶融塊を形成し、溶融塊に外嵌係合する固定部材を用いてハンドル先端に毛束6を固定する植設方法や、接着剤を用いた植設方法と比較して、安価に実施できるので好ましい。なお、毛束6の植設方法としては、種々の方法を用いることができ、特定の植設方法に限定されない。
フィラメント6aは、直径D2が0.076〜0.15mmの合成樹脂製の繊維材で構成されている。フィラメント6aの直径D2は、大きすぎると毛腰が硬くなり、小さすぎると十分な毛腰が得られないことから、0.076mm以上、0.15mm以下に設定することが好ましく、より好ましくは0.076〜0.10mmであり、例えば0.085mmとされている。このように設定することで、適度な毛腰が得られて、歯肉を傷つけるなどの為害性を軽減できるとともに、歯間の細部への挿入性を高めて、歯間の細部を一層綺麗に清掃できる。
フィラメント6aを構成する合成樹脂材料としては、例えば、ナイロン、アラミド樹脂等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート若しくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、熱可塑性エラストマー樹脂、その他、従来公知の熱可塑性樹脂フィラメントを用いることができる。フィラメント6aの断面形状は円形に構成することが好ましいが、三角形や四角形など、各種断面形状のフィラメントを採用することもできるし、芯鞘構造の複合フィラメントを用いることもできる。
植毛孔9から露出する各フィラメント6aは、突出長さHで切り揃えられている。すなわち、毛束保持部4から突出している部分の各フィラメント6aの長さ(毛丈)は突出長さHで互いに略等しくされている。これにより、毛束6の先端が略平坦にされている。
なお、「突出長さが略等しい」とは、加工精度等に起因する突出長さのバラツキ範囲を許容して等しいと見なす(当該バラツキ範囲の差があっても等しいと見なす)ことを意味している。具体的には、各フィラメント6aのうち、最も長いフィラメント6aの長さをL1、最も短いフィラメント6aの長さをL2とした場合、フィラメントの長さ比率L2/L1は、0.9以上、好ましくは0.95以上、より好ましくは0.97以上である。
また、毛束6の外周部のフィラメント6aの長さをLe、毛束6の中心部のフィラメント6aの長さをLsとした場合、フィラメントの長さ比率Ls/Leは、0.9〜1.1、好ましくは0.95〜1.1、より好ましくは0.97〜1.0である。
なお、毛束6の最外周のフィラメント6aeの突出長さHとフィラメント6aeより内側のフィラメント6aiの突出長さとが略等しい例を示したが、フィラメント6aiの突出長さはフィラメント6aeの突出長さH以下であればよく、必ずしもフィラメント6aeの突出長さHとフィラメント6aiの突出長さとが等しい例に限らない。
毛束6の突出長さHは、大きすぎると口腔内におけるブラシ部8の操作性が低下するとともに、毛腰が柔らかすぎて刷掃性が低下し、小さすぎると毛腰が硬くなりすぎて、歯肉に対する刺激が強くなる。従って、突出長さHは、6.5mm以上、10.5mm以下に設定することが好ましく、より好ましくは7.0mm以上、9.0mm以下である。
なお、本実施の形態では、手動式のシングルタフトブラシ1に本発明を適用した場合について説明したが、電動式のシングルタフトブラシ1に本発明を適用することも可能である。この場合には、周知の電動歯ブラシと同様に、替えブラシと、それを駆動する駆動手段とを備えさせ、替えブラシに首部3及び毛束保持部4を設け、毛束保持部4に1つの毛束6を植設してブラシ部8を形成し、駆動手段によりブラシ部8を振動又は往復反転運動させることになる。
(清掃性試験)
次に、図2に示す形状の毛束6を備えたシングルタフトブラシ1によるプラーク除去効果を確認するために行った清掃性試験について説明する。図3は、清掃性試験に用いた顎模型の斜視図である。図3では、奥側半分の記載を省略している。図3に示す顎模型120は、下顎模型126の第一大臼歯にインプラント義歯122が植設されている。
下顎模型126には、インプラント体が取り付けられており、インプラント義歯122は、下顎模型126のインプラント体に対して脱着可能にされている。また、下顎模型126には、インプラント義歯122周辺部にゴム製の模擬歯肉125が取り付けられている。これにより、インプラント義歯122と模擬歯肉125との間にいわゆる歯周ポケットに相当する溝が形成されるようになっている。以下、この溝をインプラント周囲溝Vと称する。
図4は、インプラント義歯122を下顎模型126から取り外し、インプラント義歯122の基底側(下面側)を斜め方向から見た斜視図である。図5は、清掃性試験の評価方法を説明するための、インプラント義歯122の下面図である。図4、図5(a)に示すように、インプラント義歯122下部の基底部には、アバットメント127が一体的に設けられている。アバットメント127は、インプラント体に隙間なく密着されるので、アバットメント127に歯垢(プラーク)が生じることはない。
アバットメント127周辺の対向面128は、下顎模型126に取り付けられたとき、模擬歯肉125と対向配置される。これにより、対向面128と模擬歯肉125との間にインプラント周囲溝が形成されるようになっている。インプラント義歯122の側面である側歯面129と、対向面128とは、滑らかな曲面で接続されている。
清掃性試験では、上述したようにインプラント周囲溝が形成されることになる対向面128と側歯面129とに、パスカル社製オクルードを疑似プラークとして塗布し、シングルタフトブラシ1と、従来の毛束が円錐形のタフトブラシ(以下、円錐タフトブラシと称する)とで疑似プラークの除去効果を比較した。図5(b)は、インプラント義歯122に塗布された疑似プラークをハッチングで示している。
図6は、清掃性試験の実施方法を説明するための説明図である。まず、図5(b)に示すように、インプラント義歯122の対向面128と側歯面129とに上述の疑似プラークを塗布し、そのインプラント義歯122を下顎模型126に取り付ける。
次に、ブラッシングシミュレータ機を用いてブラッシング圧や磨き方を一定にコントロールして清掃を行った。具体的には、固定した顎模型120のインプラント義歯122の側歯面の中央部にシングルタフトブラシ1を当て、ブラッシング圧を50〜100gに設定し、歯並び方向(図6のY方向)のストロークで、ストローク幅20mm、振動数120rpmでブラッシングした。比較例の円錐タフトブラシについても、シングルタフトブラシ1と同様に試験を行った。
シングルタフトブラシ1は、突出長さHが、6.5mm、7.5mm、8.5mm、9.5mmの4種類、各三つずつ用意し、上述の清掃性試験を実施した。円錐タフトブラシは、頂点部の長さが、7.5mm、8.5mm、9.5mmの3種類、各三つずつ用意し、上述の清掃を実施した。清掃性試験に用いたブラシの毛束の直径D1はいずれも4.0mm、フィラメントの直径はいずれも0.085mmである。
図5(c)は、ブラッシングシミュレータ機による清掃の後、疑似プラークが清掃された状態を示している。図5(c)のようにして得られた画像に基づき、図5(b)で疑似プラークが塗布された見かけの面積に対する、図5(c)で疑似プラークが除去された除去領域130の面積の比率(%)を、プラーク除去率(%)として算出した。プラーク除去率(%)は、「全体」と、「インプラント周囲溝内」とに対応して算出した。
「全体」に対応するプラーク除去率(%)は、図5(c)に示すインプラント義歯122下面全体からアバットメント127を除いた部分における除去領域130の面積の比率(%)であり、「インプラント周囲溝内」に対応するプラーク除去率(%)は、図5(c)に示す対向面128の見かけの面積からアバットメント127を除いた部分における除去領域130の面積の比率(%)である。
図7は、上述の清掃性試験の試験結果を示すグラフである。横軸は試験サンプルを示しており、「6.5−フラット」は突出長さHが6.5mmのシングルタフトブラシ1、「7.5−フラット」は突出長さHが7.5mmのシングルタフトブラシ1、「8.5−フラット」は突出長さHが8.5mmのシングルタフトブラシ1、「9.5−フラット」は突出長さHが9.5mmのシングルタフトブラシ1を示している。また、比較例として、「7.5−円錐」は頂点部のフィラメントの突出長さが7.5mmの円錐タフトブラシ、「8.5−円錐」は頂点部のフィラメントの突出長さが8.5mmの円錐タフトブラシ、「9.5−円錐」は頂点部のフィラメントの突出長さが9.5mmの円錐タフトブラシを示している。
各試験サンプルについて、「全体」に対応するプラーク除去率の平均値を示す棒グラフ(ハッチングなし)と「インプラント周囲溝内」に対応するプラーク除去率の平均値を示す棒グラフ(ハッチングあり)とを示した。図7の縦軸はプラーク除去率を百分率で示している。各棒グラフのエラーバーは標準偏差を示している。
図7に示す試験結果から、シングルタフトブラシ1については、突出長さHが7.5mmのとき、最も良好なプラーク除去率が得られた。このとき、「全体」に対応するプラーク除去率が31.3%、「インプラント周囲溝内」に対応するプラーク除去率が24.0%となった。
一方、比較例の円錐タフトブラシでは、頂点部のフィラメントの突出長さが8.5mmのとき最も良好なプラーク除去率が得られた。このとき、「全体」に対応するプラーク除去率が20.6%、「インプラント周囲溝内」に対応するプラーク除去率が13.7%となった。
そこで、シングルタフトブラシ1について最も良好なプラーク除去率が得られる「7.5−フラット」と、円錐タフトブラシについて最も良好なプラーク除去率が得られる「8.5−円錐」とを比較すると、シングルタフトブラシ1は、円錐タフトブラシよりも、「全体」に対応するプラーク除去率が31.3/20.6=1.52倍、「インプラント周囲溝内」に対応するプラーク除去率が24.0/13.7=1.75倍となった。
このように、シングルタフトブラシ1と円錐タフトブラシとでは、最も良好なプラーク除去効果が得られる毛丈同士で比較した場合、シングルタフトブラシ1の方が良好なプラーク除去効果が得られることが確認できた。特に、シングルタフトブラシ1は円錐タフトブラシに対して「インプラント周囲溝内」に対応するプラーク除去率が1.75倍となり、「全体」の場合の1.52倍よりも良好な結果が得られたことから、各フィラメント6aの突出長さHが互いに略等しいシングルタフトブラシ1は、インプラントの周囲の深い溝を清掃することが容易であることが確認できた。
ところで、清掃性試験に用いた各ブラシの突出長さは、シングルタフトブラシ1では略すべてのフィラメント6aの毛丈であるのに対し、円錐タフトブラシでは最も毛丈の長い頂点部のフィラメントの毛丈である。そのため、シングルタフトブラシ1と円錐タフトブラシとで、突出長さが同じもの同士を対応させて比較するのは妥当でない。図7によれば、シングルタフトブラシ1について最も良好なプラーク除去率が得られる「7.5−フラット」と、円錐タフトブラシについて最も良好なプラーク除去率が得られる「8.5−円錐」とを対応させ、以下、順番に「6.5−フラット」と「7.5−円錐」、「8.5−フラット」と「9.5−円錐」をそれぞれ対応させて比較することが妥当である。
このようにして対応させたシングルタフトブラシ1と円錐タフトブラシとでは、いずれの対応関係においても、「全体」と「インプラント周囲溝内」とで両方とも、シングルタフトブラシ1の方が円錐タフトブラシよりもプラーク除去率が上回ることが確認できた。また、「9.5−フラット」は、円錐タフトブラシのすべてのサンプル「7.5−円錐」、「8.5−円錐」、及び「9.5−円錐」よりもプラーク除去率が上回ることが確認できた。
従って、シングルタフトブラシ1の外周部のフィラメントの突出長さは、6.5mm以上、9.5mm以下であることが好ましい。
さらに、「7.5−フラット」、「8.5−フラット」、及び「9.5−フラット」は、いずれも円錐タフトブラシのすべてのサンプル「7.5−円錐」、「8.5−円錐」、及び「9.5−円錐」のいずれよりもプラーク除去率が上回ることが確認できた。
従って、シングルタフトブラシ1の外周部のフィラメントの突出長さは、7.5mm以上、9.5mm以下であることがより好ましい。
さらに、図7によれば、シングルタフトブラシ1の外周部のフィラメントの突出長さが7.5mmのとき、プラーク除去率が最大となった。このことから、シングルタフトブラシ1の突出長さは、略7.5mmであることがさらに好ましい。
図8は、「7.5−フラット」のシングルタフトブラシ1を、インプラント義歯122の側歯面129に押し当てた状態を斜め方向から撮影した写真である。図9は、「7.5−フラット」のシングルタフトブラシ1を、インプラント義歯122の側歯面129に押し当てた状態をシングルタフトブラシ1の側方から撮影した写真である。
図8、図9から、毛束6の最外周のフィラメント6aeが内側のフィラメント6aiと略同一長さのシングルタフトブラシ1は、最外周のフィラメント6aeが大きく撓んで義歯112と模擬歯肉125との隙間に入り込んでいるのが確認できる。このことから、シングルタフトブラシ1によれば、フィラメント6aがインプラント周囲溝Vの奥深くまで入り込み、良好な清掃効果が得られることが判る。
一方、従来の円錐タフトブラシでは、最外周のフィラメントが内側のフィラメントより短いため、必然的にシングルタフトブラシ1よりも最外周のフィラメントの撓みが少なくなる。その結果、図7で示したとおり、シングルタフトブラシ1の方が、従来の円錐タフトブラシよりも良好な清掃効果(プラーク除去率)が得られた。
また、図8、図9から、必ずしも毛束6の最外周のフィラメント6aeの長さが内側のフィラメント6aiと略同一に限られず、フィラメント6aiの突出長さがフィラメント6aeの突出長さH以下であれば、図8、図9と同様に最外周のフィラメント6aeが大きく撓むと考えられる。このことから、フィラメント6aiの突出長さがフィラメント6aeの突出長さH以下であれば、インプラントの周囲の深い溝を清掃することが容易となる。
また、円錐タフトブラシでは、インプラント周囲溝Vを清掃するためには、先端の円錐頂部をインプラント周囲溝Vの入口に押し当てて清掃する必要があるため、精度よく円錐タフトブラシを位置決め操作しなければならず、清掃操作が難しいという問題がある。特に、インプラント利用者は天然歯を失った高齢者が多いため、このような高精度の位置決め操作は困難である。
一方、図8、図9に示すように、シングルタフトブラシ1によれば、側歯面129に毛束6の先端を押し当てるだけで、毛束6の外周のフィラメント6aeが大きく撓んでインプラント周囲溝Vに入り込むので、インプラント周囲溝Vの清掃操作が容易となる。
また、側歯面129に毛束6の先端を押し当てることで、毛束6によって側歯面129が包み込まれるようにして清掃される。その結果、シングルタフトブラシ1によれば、インプラント周囲溝Vのみならず、側歯面129の清掃効果も増大する。このように、側歯面129の清掃効果も増大することが、図7に示す試験結果においてシングルタフトブラシ1と円錐タフトブラシとで最も良好なプラーク除去効果が得られる毛丈同士で比較した場合、「全体」に対応するプラーク除去率がシングルタフトブラシ1の方が良好なプラーク除去効果が得られることから確認できた。
図10は、上述の清掃性試験実施後におけるインプラント義歯122の基底面と側歯面129とを撮影した写真である。シングルタフトブラシ1で最も良好なプラーク除去率が得られた「7.5−フラット」と、円錐タフトブラシで最も良好なプラーク除去率が得られた「8.5−円錐」を用いた清掃試験後の写真を撮影している。
写真G1は、「7.5−フラット」のシングルタフトブラシ1で清掃した後の基底面を撮影した写真である。写真G2は、「7.5−フラット」のシングルタフトブラシ1で清掃した後の側歯面129を撮影した写真である。写真G11は、「8.5−円錐」の円錐タフトブラシで清掃した後の基底面を撮影した写真である。写真G12は、「8.5−円錐」の円錐タフトブラシで清掃した後の側歯面129を撮影した写真である。
図10の写真G1,G11から、清掃性試験により、「8.5−円錐」の円錐タフトブラシよりも、「7.5−フラット」のシングルタフトブラシ1の方が、インプラント義歯122の対向面128の疑似プラークX、すなわちインプラント周囲溝V内の疑似プラークXが広い範囲で除去されていることが確認できた。
また、図10の写真G2,G12から、清掃性試験により、「8.5−円錐」の円錐タフトブラシよりも、「7.5−フラット」のシングルタフトブラシ1の方が、側歯面129の疑似プラークXが広い範囲で除去されていることが確認できた。シングルタフトブラシ1で清掃した図10の写真G2では、側歯面129の疑似プラークXは略全域で除去され、インプラント義歯122の上部や歯の間にわずかに疑似プラークXが残留しているだけであるのに対し、円錐タフトブラシで清掃した図10の写真G12では、側歯面129の下側の疑似プラークXは除去されたものの、側歯面129の上側には疑似プラークXが残留している。
図8、図9に示すように、シングルタフトブラシ1で歯の清掃を行う際には、側歯面129に毛束6の先端を押し当てることによってフィラメント6aが大きく撓み、外側のフィラメント6aがインプラント周囲溝Vに入り込むと共に側歯面129が拡がった毛束6で包み込まれるようにして清掃される。その結果、シングルタフトブラシ1によれば、図10の写真G1,G2に示すように、インプラント周囲溝V内のプラークのみならず、側歯面129のプラークも広い範囲で除去されることが確認できた。
一方、円錐タフトブラシで歯の清掃を行う際には、インプラント周囲溝Vを清掃するために先端の円錐頂部をインプラント周囲溝Vの入口に押し当てて清掃する必要があるため、インプラント周囲溝Vの入口に近い側歯面129の下側の疑似プラークXは除去されたものの、円錐タフトブラシの毛束の外側のフィラメントは短く側歯面129の上側まで拡がらないため、側歯面129の上側の疑似プラークXは除去できないことが確認できた。
(擦過傷低減効果検証)
従来の円錐タフトブラシを歯肉に押し当てて清掃すると、圧力がブラシ先端の一点に集中して歯肉に擦過傷を生じやすい。一方、シングルタフトブラシ1によれば、圧力が一点に集中することがなく、分散されるので、円錐タフトブラシよりも歯肉に擦過傷を生じにくくできるという効果が得られる。
以下、従来の円錐タフトブラシと本発明に係るシングルタフトブラシ1の比較では、上述の清掃性試験でそれぞれ最も良好なプラーク除去率が得られた「8.5−円錐」と「7.5−フラット」とを用いることとした。
図11は、従来の円錐タフトブラシの毛束Bを擬似的な歯肉Cに押し当てた場合に毛束B及び歯肉Cに生じる圧力を有限要素法によりシミュレーションした結果を示す説明図である。毛束Bとして「8.5−円錐」を用いている。図11(a)は毛束B及び歯肉Cの側断面における圧力分布を示し、図11(b)は歯肉Cの毛束Bによる押圧面(上面)における圧力分布を示している。
図12は、本発明に係るシングルタフトブラシ1の毛束6を擬似的な歯肉Cに押し当てた場合に毛束6及び歯肉Cに生じる圧力を有限要素法によりシミュレーションした結果を示す説明図である。毛束6として「7.5−フラット」を用いている。図12(a)は毛束6及び歯肉Cの側断面における圧力分布を示し、図12(b)は歯肉Cの毛束6による押圧面(上面)における圧力分布を示している。図11、図12のいずれも、図中直上から、毛束B又は毛束6の軸方向に沿って歯肉Cに垂直に20gの荷重をかけた状態を示している。
図11に示すように、従来の円錐タフトブラシの毛束Bでは、円錐の頂点付近に圧力が集中し、歯肉Cに頂点部が当接する領域A1で2.0×10〜1.9×10(N/m)、領域A1の周辺領域A2で1.8×10〜1.5×10(N/m)、領域A2の周辺領域A3で7.3×10〜4.5×10(N/m)、領域A3の外側の領域A4で4.0×10〜0.0(N/m)となった。
これに対し、図12に示すシングルタフトブラシ1の毛束6によれば、毛束6が歯肉Cに当接する全領域A11に対して、加わる圧力は略均等化され、1.0×10〜0.0(N/m)程度の弱い圧力となった。
このことから、シングルタフトブラシ1によれば、円錐タフトブラシと比べて歯肉に加わる圧力が低減され、歯肉に擦過傷を生じにくいことが確認できた。
図13は、被験者の歯茎をブラッシングした場合に歯肉に生じる擦過傷を、円錐タフトブラシとシングルタフトブラシ1とで比較した実験結果を撮影した撮影画像を示す説明図である。図13の左側は「8.5−円錐」による実験結果、図13の右側は「7.5−フラット」による実験結果を示している。
実験は、図13の左側には従来の「8.5−円錐」ブラシを当て、図13の右側には本発明に係る「7.5−フラット」ブラシを当ててそれぞれ10秒間ブラッシングした後、歯垢顕示液を塗布して擦過傷を染め出すことで行った。図13に示すように、左側の「8.5−円錐」では擦過傷A12が確認されたのに対し、右側の「7.5−フラット」では、擦過傷がほとんど生じなかった。このことから、シングルタフトブラシ1によれば、円錐タフトブラシと比べて歯肉に擦過傷を生じにくいことが確認できた。
図14は、円錐タフトブラシ「8.5−円錐」と、シングルタフトブラシ1である「7.5−フラット」について、43名(男性21名、女性22名)の被験者がブラッシングを行ったときの使用感を評価した評価結果を示すグラフである。評価項目として、ブラッシングによる歯茎の「1.痛み」、ブラッシング時の「2.歯・歯肉への感触」の善し悪し、各被験者の毛のかたさに対する好みによる評価である「3.毛かたさ嗜好」、毛のかたさをやわらかいと感じたかどうかを示す「4.毛のかたさ」の4項目について、評価を行った。
評価は、1(最もネガティブ)〜5(最もポジティブ)の5段階評価で行った。「1.痛み」〜「4.毛のかたさ」の各評価項目についてのネガティブとポジティブの内容は以下の通りである。
「1.痛み」・・・・・・・・ネガティブは「痛い」、ポジティブは「痛くない」
「2.歯・歯肉への感触」・・ネガティブは「悪い」、ポジティブは「良い」
「3.毛かたさ嗜好」・・・・ネガティブは「きらい」、ポジティブは「好き」
「4.毛のかたさ」・・・・・ネガティブは「かたい」、ポジティブは「やわらかい」
(使用感評価試験)
図14に示すように、「1.痛み」、「2.歯・歯肉への感触」、「3.毛かたさ嗜好」、「4.毛のかたさ」の4項目すべてについて、従来の円錐タフトブラシ「8.5−円錐」よりもシングルタフトブラシ1の「7.5−フラット」の方が、良好(ポジティブ)な評価結果が得られた。このことから、従来の円錐タフトブラシよりもシングルタフトブラシ1の方が、良好な使用感が得られることが確認できた。
図15、図16は、図2に示す毛束6の形状の変形例を示す斜視図である。図15は、毛束6の先端部分の形状(軸方向と垂直方向の断面形状)に関する変形例を示し、図16は、毛束6を構成する各フィラメント6aの長さに関する変形例を示している。
図15(a)に示す毛束6は、図1に示す毛束6と同様の円筒形状となっている。図15(b)に示す毛束6は、毛束保持部4出口の根元の太さ(直径)S1よりも、毛束6先端の太さ(直径)S2の方が大きくなっている。すなわち、各フィラメント6aが根元から先端に向かうに従って拡がる(毛束6が拡径する)ようにされている。図15(b)に示す毛束6によれば、毛束6の先端を側歯面129に押し当てた際に、毛束6の外周付近のフィラメント6aが撓んでインプラント周囲溝Vに入り込みやすくなるので好ましい。
毛束根元と先端部との拡がり比率S2/S1は、例えば1.0〜1.5であり、好ましくは1.0〜1.3であり、より好ましくは1.1〜1.3である。太さS1,S2は、必ずしも直径に限らない。例えば後述する図15(c)、図15(d)のように、毛束6の断面形状が円形ではない場合、毛束の太さS1,S2は、例えば対角線、辺の長さ等、毛束の太さを表す種々のパラメータが適宜用いられる。
図15(c)、図15(d)に示すように、毛束6の先端部分の形状(軸方向と垂直方向の断面形状)は、円形に限らず、四角形や花びら型等、種々の形状とすることができる。また、図15(e),(f)に示すように、毛束6にはフィラメント6aの突出長さが帯状に短い、又はフィラメント6aが帯状に設けられていないスリット部Sが形成されていてもよい。
図15(f)に示すように、スリット部Sが設けられた毛束6は、スリット部Sが歯の幅方向に沿うように、毛束6の先端が側歯面129に押し当てられた際に、スリット部Sを境にして毛束の一部が撓んでインプラント周囲溝Vに入り込みやすくなるので好ましい。また、図15(e)に示すように、スリット部Sを十文字状に形成することによって、ユーザが毛束6の向きを意識することなく毛束6の先端を側歯面129に押し当てることによって、スリット部Sを境にして毛束の一部が撓んでインプラント周囲溝Vに入り込みやすくなるので好ましい。
図16(a)に示すように毛束6の中央部付近を中空にしてもよく、図16(b),(c)に示すように、毛束6の中央付近のフィラメント6aを短くしてもよい。また、図16(d)に示すように、毛束6の外周部から内周に向かうに従って、フィラメント6aが徐々に短くなるようにしてもよい。
図16(a)〜(d)に示すように、毛束6の外周部よりも内周部のフィラメント6aを短くすることにより、毛束6の先端が側歯面129に押し当てられた際に、外周部のフィラメント6aが撓みやすくなってインプラント周囲溝Vに入り込みやすくなるので好ましい。
1 シングルタフトブラシ
2 ハンドル部
3 首部
4 毛束保持部
5 ハンドル
6 毛束
6a,6ae,6ai フィラメント
7 平線
8 ブラシ部
9 植毛孔
110 インプラント体
111,127 アバットメント
112 義歯
120 顎模型
122 インプラント義歯
125 模擬歯肉
126 下顎模型
128 対向面
129 側歯面
130 除去領域
D1,D2 直径
P 歯周ポケット
S スリット部
V インプラント周囲溝
X 疑似プラーク

Claims (8)

  1. ユーザが把持するためのハンドル部と、
    複数のフィラメントが束ねられて形成され、前記ハンドル部の先端部に設けられた1つの植毛孔に固定的に植設された毛束とを備え、
    前記毛束の外周部のフィラメントより内側のフィラメントが、前記ハンドル部から突出する突出長さは、略前記外周部のフィラメントの突出長さ以下であり、
    前記毛束には、前記フィラメントの突出長さが帯状に短い、又は前記フィラメントが帯状に設けられていないスリット部が形成されているシングルタフトブラシ。
  2. 前記スリット部は、十文字状に形成されている請求項1記載のシングルタフトブラシ。
  3. 前記外周部のフィラメントと、前記内側のフィラメントとは、突出長さが略等しい請求項1又は2記載のシングルタフトブラシ。
  4. 前記内側のフィラメントは、前記外周部のフィラメントより前記突出長さが短い請求項1又は2記載のシングルタフトブラシ。
  5. 前記毛束は、前記植毛孔から先端に向かうに従って拡径するようにされている請求項1〜のいずれか1項に記載のシングルタフトブラシ。
  6. 前記外周部のフィラメントの突出長さは、6.5mm以上、9.5mm以下である請求項1〜のいずれか1項に記載のシングルタフトブラシ。
  7. 前記外周部のフィラメントの突出長さは、7.5mm以上、9.5mm以下である請求項記載のシングルタフトブラシ。
  8. 前記外周部のフィラメントの突出長さは、略7.5mmである請求項記載のシングルタフトブラシ。
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