JP6443092B2 - 錫めっき銅合金端子材 - Google Patents
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Description
近年、例えば自動車においては急速に電装化が進行し、これに伴い電気機器の回路数が増加するため、使用するコネクタの小型・多ピン化が顕著になっている。コネクタが多ピン化すると、単ピンあたりの挿入力は小さくても、コネクタを挿着する際にコネクタ全体では大きな力が必要となり、生産性の低下が懸念されている。そこで、錫めっき銅合金材の摩擦係数を小さくして単ピンあたりの挿入力を低減することが試みられている。
特許文献2では、表面めっき層を、錫めっき層と銀(Ag)またはインジウム(In)を含むめっき層とをリフロー処理または熱拡散処理された層としている。
また、特許文献3では、錫めっき層の上に銀めっき層を形成して熱処理することにより、銀錫(Sn−Ag)合金層を形成することが示されている。
これらの特許文献2、3記載の技術は、いずれも全面に銀錫合金めっきもしくは銀めっき等を施すものであり、コストが高くなる。
いずれも最表面が錫めっきであるため、同種の錫どうしが接触することで錫の凝着が発生して摩擦係数低減の効果が半減する。特に、低挿入力端子材は、錫系表面層の直下に硬い銅錫合金層が配置されているため、汎用の錫めっき端子材の軟らかい錫めっき層の錫が削れて凝着すると考えられる。
本実施形態の錫めっき銅合金端子材は、図1に模式的に示したように、銅又は銅合金からなる基材5上の表面に錫系表面層6が形成され、錫系表面層6と基材5との間に、銅錫合金層7/ニッケル錫合金層8/ニッケル又はニッケル合金層9が錫系表面層6から順に形成され、錫系表面層6の上に0.005μm以上0.05μm以下の銀系被覆層10が形成されており、表面の動摩擦係数が0.3以下である。
ニッケル又はニッケル合金層は、純ニッケル、ニッケルコバルト(Ni−Co)やニッケルタングステン(Ni−W)等のニッケル合金からなる層である。
銅錫合金層は、Cu6Sn5を主成分とし、Cu6Sn5の銅の一部がニッケルに置換した化合物合金層であり、ニッケル錫合金層は、Ni3Sn4を主成分とし、Ni3Sn4のニッケルの一部が銅に置換した化合物合金層である。これら化合物層は、後述するように基材の上にニッケルめっき層、銅めっき層、錫めっき層を順に形成してリフロー処理することにより形成されたものであり、ニッケル又はニッケル合金層の上に、ニッケル錫合金層、銅錫合金層の順に形成される。
基材として、銅又は銅合金からなる板材を用意する。この板材に脱脂、酸洗等の処理をすることによって表面を清浄にした後、下地ニッケルめっき、銅めっき、錫めっきをこの順序で施す。
(1)錫めっき層の厚みが0.5μm以上0.7μm未満に対して、銅めっき層の厚みが0.05以上0.16μm未満の場合は1秒以上6秒以下、銅めっき層の厚みが0.16μm以上0.20μ以下の場合は3秒以上9秒以下
(2)錫めっき層の厚みが0.7μm以上1.0μm以下に対して、銅めっき層の厚みが0.05以上0.16μm未満の場合は3秒以上9秒以下、銅めっき層の厚みが0.16μm以上0.20μ以下の場合は6秒以上12秒以下
このメス端子2は、図2に示す例では、全体としては角筒状に形成され、その一方端の開口部15からオス端子1を嵌合することにより、このオス端子1を両側から挟持した状態に保持して接続される。メス端子2の内部には、嵌合されるオス端子1の一方の面に接触される弾性変形可能な接触片16が設けられるとともに、この接触片16に対向している側壁17に、オス端子1の他方の面に接触する半球状の凸部18がエンボス加工により内方に突出した状態に形成されている。接触片16にも、凸部18に対向するように山折り状の折り曲げ部19が設けられている。これら凸部18及び折り曲げ部19は、オス端子1を嵌合したときにオス端子1に向けて凸となるように突出しており、該オス端子1に対する摺動部11となる。
なお、リフロー処理することなく、銅合金からなる基材に錫めっきにより平均厚み0.5μm以上3μm以下の錫めっき層を形成した端子材をオス端子材としてもよい。
この銀系被覆層が、錫系表面層に露出している銅錫合金層の露出部分になく、銅錫合金層の露出部分ではない錫系表面層の上にのみ形成されると、コネクタとして使用初期の段階で、銀系被覆層の剥離片が端子材どうしの摩擦面に存在しなくなり、その結果、同種の錫どうしが接触することで錫の凝着が発生し易くなり、摩擦係数低減の効果が持続しにくい。
この場合、各めっきの条件は表1に示す通りとした。表1中、Dkはカソードの電流密度、ASDはA/dm2の略である。
各めっき層の厚さ、リフロー条件は、表2に示す通りとした。
これらの測定結果、評価結果を表2に示す。
比較例のものは、図8に示されるようにNi3Sn4層が形成されず、Cu6Sn5中にもニッケルを含有していないことがわかる。
2 メス端子
5 基材
6 錫系表面層
7 銅錫合金層
8 ニッケル錫合金層
9 ニッケル又はニッケル合金層
10 銀系被覆層
11 摺動部
15 開口部
16 接触片
17 側壁
18 凸部
19 折り曲げ部
21 基材
22 錫めっき層
23 銅錫合金層
31 台
32 オス端子試験片
33 メス試験片
34 錘
35 ロードセル
Claims (3)
- 銅又は銅合金からなる基材上の表面に錫系表面層が形成され、該錫系表面層と前記基材との間に、前記錫系表面層から順に銅錫合金層/ニッケル錫合金層/ニッケル又はニッケル合金層が形成された錫めっき銅合金端子材であって、前記銅錫合金層は、Cu6Sn5を主成分とし、該Cu6Sn5の銅の一部がニッケルに置換した化合物合金層であり、前記ニッケル錫合金層は、Ni3Sn4を主成分とし、該Ni3Sn4のニッケルの一部が銅に置換した化合物合金層であり、前記銅錫合金層の局部山頂の平均間隔Sが0.8μm以上2.0μm以下であり、かつ前記錫系表面層の平均厚みが0.2μm以上0.6μm以下であり、前記錫系表面層に前記銅錫合金層の一部が露出しており、該銅錫合金層の露出部分の表面に0.005μm以上0.05μm以下の膜厚の銀系被覆層が形成されてなり、表面の動摩擦係数が0.3以下であることを特徴とする錫めっき銅合金端子材。
- 前記錫系表面層に前記銅錫合金層の一部が露出しており、前記銀系被覆層は、前記銅錫合金層の前記露出部分の上及び該露出部分以外の前記錫系表面層の上にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1記載の錫めっき銅合金端子材。
- 前記銅錫合金層は、前記Cu6Sn5中にニッケルが1at%以上25at%以下含有されていることを特徴とする請求項1又は2記載の錫めっき銅合金端子材。
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