JP6441621B2 - 吸収性物品 - Google Patents

Description

本発明は、主には失禁パッド、使い捨ておむつ等に使用される吸収性物品に係り、肌側に長手方向に沿って凹溝が形成された吸収性物品に関する。

従来より、前記吸収性物品として、ポリエチレンシートまたはポリエチレンシートラミネート不織布などの不透液性裏面シートと、不織布または透液性プラスチックシートなどの透液性表面シートとの間に吸収体を介在したものが知られている。

この種の吸収性物品にも幾多の改良が重ねられ、多量の尿を吸収することなどを目的として、透液性表面シートと吸収体との間に高吸水性樹脂を含むポリマーシートを配置したものが存在する。例えば、下記特許文献１では、表面シートと吸収層との間に設けられ、高吸収性ポリマーのみからなる吸収体および該吸収体を挟む液透過性シートを含む液保持性の高吸収性ポリマーシートを備えた吸収性物品が開示されている。

特開２０１３−２４０４３５号公報

しかしながら、上記特許文献１に記載されるような高吸収性ポリマーシートは、一般的に高吸収性ポリマーがパルプなどの吸水性繊維と比較して吸水スピードが遅いため、一気に排出された尿を素早く吸収できないとともに、吸水後に膨潤して高吸収性ポリマー同士の間隔が狭くなるため、通液しにくくなるという欠点があった。このような高吸収性ポリマーシートを透液性表面シートと吸収体との間に介在させた吸収性物品では、特に尿が一気に排出された場合、前記高吸収性ポリマーシートで瞬時に吸収しきれず表面にあふれるとともに、排尿口付近の高吸収性ポリマーが膨潤して肌側に隆起することにより、表面にあふれた尿が両側に流れやすくなり、横漏れを生じるおそれがあった。

また、上記特許文献１記載の吸収性物品では、透液性表面シートと吸収体との間に介在された高吸収性ポリマーシートが多量の尿を吸収すると、表面材のさらっと感が失われて湿り感を感じやすくなるおそれがあった。

そこで本発明の主たる課題は、尿を素早く吸収し、横漏れを防止するとともに、吸水後に表面材のさらっと感を向上させた吸収性物品を提供することにある。

上記課題を解決するために請求項１に係る本発明として、透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在された吸収性物品において、
前記透液性表面シートと吸収体との間に、透液性の上部シートと下部シートとの間の所定領域に、高吸水性樹脂の単体で構成された樹脂層を備えたポリマーシートが配設され、
前記吸収体に前記透液性表面シート及びポリマーシートを積層した状態で、前記透液性表面シートの表面側からエンボスを施すことにより、肌側に長手方向に沿って凹溝が形成され、且つ前記ポリマーシートの少なくとも前記樹脂層が前記凹溝よりパッド長手方向外側に延在する長さで形成され、
前記樹脂層は、前記凹溝の両側面の全面に対応する第１領域及び前記凹溝の外側であって前記凹溝を跨いで両側の第２領域にそれぞれ設けられるとともに、前記第１領域と第２領域とが連続しており、前記樹脂層は前記凹溝の底面に設けられていないことを特徴とする吸収性物品が提供される。

上記請求項１記載の発明では、吸収性物品の肌側に長手方向に沿って凹溝を形成してあるため、一気に排出された尿は前記凹溝に流入し、この凹溝に沿って前後に拡散しつつ、凹溝内の周面を透過して吸収体に吸収されるようになる。このため、前記凹溝を通じて拡散した尿が吸収体の広い範囲に吸収されるので、尿が素早く吸収され、横漏れが防止できるようになる。

また、本発明に係る吸収性物品では、透液性表面シートと吸収体との間に、透液性の上部シートと下部シートとの間の所定領域に、高吸水性樹脂の単体で構成された樹脂層を備えたポリマーシートが配設され、前記樹脂層が、前記凹溝の両側面の全面に対応する第１領域及び前記凹溝の外側であって前記凹溝を跨いだ両側の第２領域にそれぞれ設けられるとともに、前記第１領域と第２領域とが連続しているため、凹溝に沿って拡散しつつ吸収体に吸収された尿が吸収体内部に保持しきれず、肌側にあふれ出そうになった場合でも、前記第１領域から第２領域にかけて連続して配設された樹脂層に吸収保持されるため、凹溝の近傍に溜まった尿が透液性表面シートの表面側に逆戻りするのが確実に防止でき、吸水後の表面材のさらっと感が向上できるようになる。

請求項２に係る本発明として、前記吸収体は、前記透液性表面シート側の面に、吸収性物品の長手方向に沿うとともに尿排出部位を含む長手方向範囲に亘って、圧搾によることなく凹溝状又はスリット状の吸収体凹部を備え、
前記凹溝は、前記吸収体に前記透液性表面シート及びポリマーシートを積層した状態で、前記透液性表面シートの表面側から前記吸収体凹部の底面に対し前記吸収体凹部に沿って前記エンボスを施すことにより形成されている請求項１記載の吸収性物品が提供される。

上記請求項２記載の発明では、前記吸収体の透液性表面シート側の面であって、前記凹溝の形成予定位置に、圧搾によることなく凹溝状又はスリット状の吸収体凹部を備え、前記吸収体凹部の底面に対し吸収体凹部に沿って前記エンボスを施すことにより凹溝を形成しているため、吸収体と一体的に圧搾することによって凹溝を形成した場合に比べ、凹溝の周囲の吸収体の密度が極端に高くなるのが防止でき、凹溝に一時貯留された尿が吸収体に移行しやすくなる。

以上詳説のとおり本発明によれば、尿が素早く吸収でき、横漏れが防止できるとともに、吸水後に表面材のさらっと感が向上できるようになる。

本発明に係る失禁パッド１の一部破断展開図である。 図１のII−II線矢視図である。 図１のIII−III線矢視図である。 吸収体４の断面図である。 ポリマーシート１５の平面図である。 図５のVI−VI線矢視図である。 他の実施例を示すポリマーシート１５の斜視図である。 尿の流通経路を示す失禁パッド１の断面図である。 他の形態例に係る失禁パッド１の断面図である。 (A)、(B)は凹溝２２の他の実施例を示す失禁パッド１の展開図である。 (A)〜(C)は凹溝２２の他の実施例を示す失禁パッド１の展開図である。 (A)〜(F)は凹溝２２の他の実施例を示す失禁パッド１の展開図である。 吸収体凹部２０の他の実施例を示す失禁パッド１の要部拡大断面図である。

以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。

〔失禁パッド１の基本構成〕
本発明に係る失禁パッド１は、図１〜図３に示されるように、ポリエチレンシートなどからなる不透液性裏面シート２と、尿などを速やかに透過させる透液性表面シート３と、これら両シート２、３間に介装された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体４と、前記吸収体４の形状保持および拡散性向上のために、必要に応じて前記吸収体を囲繞するクレープ紙や不織布等からなる被包シート５と、前記吸収体４の略側縁部を起立基端とし、かつ少なくとも尿排出部位Ｈを含むように長手方向に所定の区間内において肌側に突出して設けられた左右一対の立体ギャザーＢＳ、ＢＳを形成するサイド不織布７、７と、前記透液性表面シート３と吸収体４との間に配設され、高吸水性樹脂を含む樹脂層１４が備えられたポリマーシート１５とから主に構成され、かつ前記吸収体４の周囲においては、その長手方向端縁部では前記不透液性裏面シート２と透液性表面シート３との外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、またその両側縁部では吸収体４よりも側方に延出している前記不透液性裏面シート２と前記サイド不織布７とがホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合されている。なお、必要に応じて、前記透液性表面シート３と吸収体４との間に、親水性のセカンドシートを配置することができる。

以下、さらに前記失禁パッド１の構造について詳述すると、
前記不透液性裏面シート２は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、この他に防水フィルムを介在して実質的に不透液性を確保した上で不織布シート（この場合には、防水フィルムと不織布とで不透液性裏面シートを構成する。）などを用いることができる。近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが好適に用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートが好適に用いられる。

次いで、前記透液性表面シート３は、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高で圧縮復元性が高い点で優れている。

前記吸収体４は、たとえば綿状パルプ等の吸収性繊維と高吸水性樹脂８とにより構成され、図示例では平面形状がパッド長手方向に長い縦長の略小判形とされている。前記高吸水性樹脂８は例えば粒状粉とされ、吸収体４を構成するパルプ中に分散混入され、一部に偏在することなくほぼ均等に前記吸収性繊維と混在させてある。

前記パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶解パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。本失禁パッド１では、吸収体４を被包シート５で囲繞するため、結果的に透液性表面シート３と吸収体４との間に被包シート５が介在することになり、吸収性に優れる前記被包シート５によって尿を速やかに拡散させるとともに、これら尿等の逆戻りを防止するようになる。前記パルプの目付は、１００ｇ／ｍ^２〜６００ｇ／ｍ^２、好ましくは２００ｇ／ｍ^２〜５００ｇ／ｍ^２とするのがよい。

前記高吸水性樹脂８としては、たとえばポリアクリル酸塩架橋物、自己架橋したポリアクリル酸塩、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体架橋物のケン化物、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体架橋物、ポリスルホン酸塩架橋物や、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミドなどの水膨潤性ポリマーを部分架橋したもの等が挙げられる。これらの内、吸水量、吸水速度に優れるアクリル酸またはアクリル酸塩系のものが好適である。前記吸水性能を有する高吸水性樹脂は製造プロセスにおいて、架橋密度および架橋密度勾配を調整することにより吸収倍率（吸水力）と吸収速度の調整が可能である。

また、前記吸収体４には合成繊維を混合しても良い。前記合成繊維は、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロンなどのポリアミド系、及びこれらの共重合体などを使用することができるし、これら２種を混合したものであってもよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイドバイサイド型繊維、分割型繊維などの複合繊維も用いることができる。前記合成繊維は、尿に対する親和性を有するように、疎水性繊維の場合には親水化剤によって表面処理したものを用いるのが望ましい。

前記被包シート５は、ティシュー等の紙材あるいは不織布等の透液性のシートを用いることができる。特に、資材の破壊（破れ）が生じにくい不織布を用いるのが好ましい。このような不織布としては、薄さと強度のバランスに優れたスパンボンド法やＳＭＳ法により加工された不織布、熱可塑性エラストマー樹脂などからなる弾性繊維をスパンボンド法、メルトブロー法など紡糸工程に直結してウェブを形成する方法により加工された不織布、ラテックス、ウレタン、オレフィン系の繊維など伸縮性を有する素材を主成分とする不織布が好適である。なお、被包シート５は、少なくとも吸収体４の肌当接面側（表面側）の面が撥水性でなければシートの親水度は特に問わない。

本失禁パッド１の表面側両側部にはそれぞれ長手方向に沿って、かつ失禁パッド１の全長に亘ってサイド不織布７，７が設けられ、このサイド不織布７，７の外側部分が側方に延在されるとともに、前記不透液性裏面シート２が側方に延在され、これら側方に延在されたサイド不織布７部分と不透液性裏面シート２部分とをホットメルト接着剤等により接合して側部フラップが形成されている。

前記サイド不織布７としては、重要視する機能の点から撥水処理不織布または親水処理不織布を使用することができる。たとえば、尿等が浸透するのを防止する、あるいは肌触り感を高めるなどの機能を重視するならば、シリコン系、パラフィン系、アルキルクロミッククロリド系撥水剤などをコーティングしたＳＳＭＳやＳＭＳ、ＳＭＭＳなどの撥水処理不織布を用いるのが望ましく、尿の吸収性を重視するならば、合成繊維の製造過程で親水基を持つ化合物、例えばポリエチレングリコールの酸化生成物などを共存させて重合させる方法や、塩化第２スズのような金属塩で処理し、表面を部分溶解し多孔性とし金属の水酸化物を沈着させる方法等により合成繊維を膨潤または多孔性とし、毛細管現象を応用して親水性を与えた親水処理不織布を用いるのが望ましい。かかるサイド不織布７としては、天然繊維、合成繊維または再生繊維などを素材として、適宜の加工法によって形成されたものを使用することができる。

前記サイド不織布７、７は、適宜に折り畳まれて、前記吸収体４の略側縁近傍位置を起立基端として肌側に起立する左右一対の内側立体ギャザー１０、１０と、相対的に前記内側立体ギャザー１０より外側に位置するとともに、前記吸収体４よりも側方に延出する不透液性裏面シート２及びサイド不織布７によって形成された肌側に起立する左右一対の外側立体ギャザー１１、１１とからなる２重ギャザー構造の立体ギャザーＢＳを構成している。なお、前記立体ギャザーＢＳは、内側立体ギャザー１０または外側立体ギャザー１１のいずれかのみからなる１重ギャザー構造であっても良いし、サイド不織布７を配設するだけで肌側に起立した立体ギャザー状に形成されなくてもよい。

前記内側立体ギャザー１０および外側立体ギャザー１１の構造についてさらに詳しく説明すると、前記サイド不織布７は、図２に示されるように、幅方向両側端をそれぞれパッド裏面側に折り返して幅方向内側及び幅方向外側にそれぞれ二重シート部分７ａ、７ｂを形成するとともに、前記幅方向内側の二重シート部分７ａ内部に両端または長手方向の適宜の位置が固定された１本または複数本の、図示例では１本の糸状弾性伸縮部材１２が配設されるとともに、前記幅方向外側の二重シート部分７ｂ内部に両端または長手方向の適宜の位置が固定された１本または複数本の、図示例では２本の糸状弾性伸縮部材１３、１３が配設され、前記幅方向内側の二重シート部分７ａの基端部が吸収体４の側部に配設される透液性表面シート３の上面にホットメルト接着剤等により接着されるとともに、幅方向外側の二重シート部分７ｂの基端部が前記吸収体４よりも側方に延出する不透液性裏面シート２の側端部にホットメルト接着剤等により接着されることにより、前記幅方向内側の二重シート部分７ａによって肌側に起立する内側立体ギャザー１０が形成されるとともに、前記幅方向外側の二重シート部分７ｂによって肌側に起立する外側立体ギャザー１１が形成されている。なお、前記サイド不織布７は、パッド長手方向の両端部では、図３に示されるように、前記糸状弾性伸縮部材１２、１３が配設されないとともに、前記幅方向内側の二重シート部分７ａがホットメルト接着剤等によって吸収体４側に接合されている。

前記ポリマーシート１５は、高吸水性樹脂を含む樹脂層１４が所定の領域に備えられることにより、尿を吸収して保持する機能を有するものである。このポリマーシート１５については、後段で詳細に説明する。

〔凹溝２２について〕
本失禁パッド１では、肌側に長手方向に沿って尿流入用の凹溝２２が形成されている。前記凹溝２２は、透液性表面シート３の表面に排出された尿を受け止めて、尿を一時貯留するとともに、前後方向への尿の拡散を誘導し、且つ吸収体４への尿の吸収速度を速め、横漏れを防止するためのものである。

前記凹溝２２は、透液性表面シート３の表面側から透液性表面シート３から吸収体４にかけての構成部材を一体的に圧搾することにより形成したものでもよいが、予め前記吸収体４の凹溝２２の形成予定部分に吸収体凹部２０を形成しておき、この吸収体凹部２０に沿って透液性表面シート３の表面側（肌面側）から吸収体４より上層の構成部材を圧搾するエンボス部２１を設けることにより形成したものの方が、脚圧による凹溝２２の変形が防止できるなどの理由から望ましい。

本失禁パッド１では、前記吸収体４には、図２に示されるように、前記凹溝２２の形成予定部分に、予め、肌側（透液性表面シート３側）の面に、尿排出部位Ｈを含む長手方向に沿って、圧搾によることなく凹溝状又はスリット状の、図示例では凹溝状の吸収体凹部２０が形成されている。図２に示される吸収体凹部２０は、吸収体４の肌当接面側（透液性表面シート３側）の面において、周囲より非肌当接面側（不透液性裏面シート２側）に凹ませた、底面を有する非貫通型の凹溝部分である。この吸収体凹部２０は、圧搾によることなく、例えば図４に示されるように、(A)積繊、又は(B)吸収体凹部２０の底部の厚みで形成された下層吸収体４ａと、前記吸収体凹部２０に対応する部分が開口した上層吸収体４ｂとの積層構造などによって形成されている。

前記吸収体凹部２０は、図１に示されるように、吸収体４に対して、尿排出部位Ｈに対応するパッド幅方向の中央部であって長手方向の中間部に、１条のみ形成するのが好ましいが、失禁パッド１の幅方向に離間して複数条で形成したり、パッド長手方向に離間する不連続線状に形成するなど、種々の形態で形成することができる（図１０〜図１２参照）。前記吸収体凹部２０は、１条のみ形成する場合やその他の形態で形成する場合のいずれにおいても、尿排出部位Ｈに対応する部位を含む位置に、パッド長手方向に長い溝状に形成されている。なお、複数の吸収体凹部２０を設ける場合は、それぞれの吸収体凹部２０に対してエンボス部２１を設けるのが好ましい。

前記吸収体凹部２０の平面寸法は、パッド長手方向の長さが１００〜１８０ｍｍ、溝幅（底面の溝幅）が５〜３０ｍｍとするのがよい。前記吸収体凹部２０の深さは、吸収体４の厚みの５０％以上、具体的には５〜８ｍｍ程度とするのがよい。

前記吸収体４は、吸収体凹部２０の底面の密度と、その周辺（吸収体凹部２０以外の部分）の密度とがほぼ同一となるように設定するのが好ましい。つまり、吸収体凹部２０を圧搾によることなく凹溝状に形成することにより、吸収体の密度をほぼ同一にするのが好ましい。

前記吸収体凹部２０の底部（不透液性裏面シート２側の部分、非肌側の部分）に介在する吸収体４部分は、パルプの目付が０ｇ／ｍ^２〜２１０ｇ／ｍ^２、好ましくは７０ｇ／ｍ^２〜１９０ｇ／ｍ^２とするのがよい。この吸収体部分にも吸水性ポリマー８が所定の目付で分散混入されている。

前記凹溝２２を設けることにより、一気に排出された尿がこの凹溝２２に流入して一時貯留されるとともに、この凹溝２２に沿って前後に拡散しながら、凹溝２２の内周面を透過して吸収体４に吸収されるようになる。このように、前記凹溝２２を通じて前後に拡散した尿が吸収体４の広い範囲に吸収されるので、尿の素早い吸収が可能となり、横漏れが防止できるようになる。

また、吸収体４に透液性表面シート３及びポリマーシート１５を積層した状態で、前記透液性表面シート３の表面側からのエンボスにより前記凹溝２２を形成しているため、凹溝２２に沿って透液性表面シート３、ポリマーシート１５及び吸収体４が一体化するので、吸収体４がよれにくくなるとともに、凹溝２２が変形しにくくなる。
〔ポリマーシート１５について〕
以下、前記ポリマーシート１５について詳細に説明する。前記ポリマーシート１５は、前記透液性表面シート３と吸収体４との間に配設されている。本例のように吸収体４が被包シート５で囲繞される場合は、吸収体４の肌側面を覆う被包シート５と透液性表面シート３との間に配設される。また、前記透液性表面シート３と吸収体４との間に親水性のセカンドシート（図示せず）が設けられる場合は、セカンドシートと吸収体４との間に配設される。

前記ポリマーシート１５は、詳細には図５及び図６に示されるように、不織布や紙などからなる透液性の上部シート１６と下部シート１７との間の所定の領域に、前記高吸水性樹脂を含む樹脂層１４を均一な層状、筋状、ドット状などのパターンでバインダー樹脂やホットメルト接着剤などを用いて固着することにより形成することができる。また、前記ポリマーシート１５は、図７に示されるように、２枚のシートを(A)蛇腹状、(B)格子状（菱格子状）などのパターンでヒートシールを施すことにより複数の空間１５ａ、１５ａ…に区画し、それぞれの空間１５ａ内に高吸水性樹脂を含む樹脂層１４を設けることにより形成してもよい。

前記樹脂層１４は、高吸水性樹脂の単体又は高吸水性樹脂と吸水性繊維との混合物によって構成することができる。高吸水性樹脂の単体で構成した場合には尿の吸水性に優れ、吸水性樹脂との混合物で構成した場合には尿の通水性に優れるようになる。前記樹脂層１４における高吸水性樹脂の目付は、５０ｇ／ｍ^２〜５００ｇ／ｍ^２、好ましくは１００ｇ／ｍ^２〜４００ｇ／ｍ^２である。

前記樹脂層１４に含まれる高吸水性樹脂は、前記吸収体４に含まれる高吸水性樹脂８と同様に粒状粉とされている。また、かかる高吸水性樹脂としては、前記吸収体４に含まれる高吸水性樹脂８と同様に、たとえばポリアクリル酸塩架橋物、自己架橋したポリアクリル酸塩、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体架橋物のケン化物、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体架橋物、ポリスルホン酸塩架橋物や、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミドなどの水膨潤性ポリマーを部分架橋したもの等が挙げられる。これらの内、吸水量、吸水速度に優れるアクリル酸またはアクリル酸塩系のものが好適である。前記吸水性能を有する高吸水性樹脂は製造プロセスにおいて、架橋密度および架橋密度勾配を調整することにより吸収倍率（吸水力）と吸収速度の調整が可能である。

前記上部シート１６及び下部シート１７としては、前記透液性表面シート３と同様に、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートを用いてもよいし、ティシュー等の紙材などを用いてもよい。前記不織布を構成する素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。

前記ポリマーシート１５は、図５及び図６に示されるように、前記上部シート１６及び下部シート１７の両側部を前記樹脂層１４より外側に延在させるとともに、この外側延在部分を樹脂層１４の外側端を基端として下部シート１７側に折り返し、且つこの折返し部分をホットメルト接着剤などの接合手段によって下部シート１７側に接合している。また、前記上部シート１６及び下部シート１７のパッド長手方向の両端部を前記樹脂層１４より外側に延在させるとともに、この外側延在部分をヒートシールやホットメルト接着剤などの接合手段によって接合している。これによって、前記上部シート１６と下部シート１７との間に樹脂層１４が封止されている。前記樹脂層１４を封止するシートは、上部シート１６と下部シート１７の２枚で構成する必要はなく、１枚のシートを折り畳んで使用してもよい。

前記ポリマーシート１５は、図１に示されるように、前記凹溝２２を含むパッド幅方向の中央部に配設されている。前記ポリマーシート１５は、パッド幅方向の寸法が吸収体４のパッド幅方向の寸法とほぼ同等か、若干幅広に形成されている。またパッド長手方向の寸法は、少なくとも前記樹脂層１４が凹溝２２と幅方向に重なる領域を含む寸法で形成されている。好ましくは、凹溝２２から吸収体４に吸収された尿が表面側に逆戻りしようとするのを前記樹脂層１４で吸収できるようにするため、吸収体４内部での長手方向の拡散も考慮して、凹溝２２よりパッド長手方向外側に延在する長さで形成するのがよい。

前記ポリマーシート１５は、肌面側に隣接する透液性表面シート３と非肌面側に隣接する吸収体４（被包シート５）のいずれか一方又は両方と、ホットメルト接着剤などの接合手段によって接合することができる。これにより、透液性表面シート３又は吸収体４の剛性が増し、ヨレが防止できるようになる。

前記ポリマーシート１５が配設された凹溝２２を加工するには、前記吸収体凹部２０が設けられた吸収体４の肌面側に前記ポリマーシート１５を積層した状態で、前記ポリマーシート１５をピンエンボスや溝エンボスロール等で軽く押さえてガイドしながら、ポリマーシート１５のみを先行的に吸収体凹部２０の底部に対しエンボスを施した後、この肌面側に透液性表面シート３を積層し同じくエンボスを施すことにより前記凹溝２２を形成するか、前記吸収体４の肌面側に前記ポリマーシート１５及び透液性表面シート３を積層した状態で、前記透液性表面シート３の表面側から前記透液性表面シート３及びポリマーシート１５を同時にエンボスすることにより前記凹溝２２を形成することができる。

前記樹脂層１４は、ポリマーシート１５の所定の領域に設けられている。つまり、ポリマーシート１５の全面に亘って高吸水性樹脂を含む樹脂層１４が設けられるのではなく、高吸水性樹脂が存在する樹脂層領域と、高吸水性樹脂が存在しないか、存在しても前記樹脂層領域と比較して非常に少量の尿しか吸収できない程度の量しか存在しない非樹脂層領域とが設けられるようになっている。

前記ポリマーシート１５に前記樹脂層１４を配置する第１形態例として、図１及び図２に示されるように、前記凹溝２２の両側面に対応する第１領域１４ａ、１４ａ及び前記凹溝２２の外側であって凹溝２２を跨いだ両側に対応する第２領域１４ｂ、１４ｂにそれぞれ設けられるとともに、前記第１領域１４ａと第２領域１４ｂとが連続するように配置することができる。前記第１領域１４ａは、凹溝２２内の両側面の全部又は一部に対応する領域である。前記第２領域１４ｂは、前記凹溝２２を形成する際の透液性表面シート３の表面側からのエンボスによって不透液性裏面シート２側に窪んだ部分より外側の吸収体４表面が平坦な領域のことであって、エンボス時に透液性表面シート３の張力によって凹溝２２の外周部が若干傾斜状に形成された部分も含むものである。本例のように吸収体凹部２０が設けられる場合には、この吸収体凹部２０より幅方向外側の領域である。

前記第２領域１４ｂは、凹溝２２の側縁から幅方向外側の所定の範囲に設けられている。具体的には、凹溝２２の底面の側縁から幅Ｓの範囲に設けられている。この幅Ｓは、ポリマーシート１５の側縁に至らない範囲で設定され、具体的には１０ｍｍ〜３０ｍｍ、好ましくは１０ｍｍ〜２０ｍｍとするのがよい。

前記凹溝２２の幅方向それぞれに設けられた前記第１領域１４ａと第２領域１４ｂとは、図２に示されるように、連続して設けられている。これらの領域が連続するとは、凹溝２２の側面から凹溝２２開口側縁部を通って凹溝２２の外側に至る領域にかけて、非樹脂層領域がパッド幅方向に介在しないことである。したがって、第１領域１４ａと第２領域１４ｂとの境界は明確である必要はなく、図５及び図６に示されるように、これらの領域が連続する中央側部分を第１領域１４ａ、外側部分を第２領域１４ｂと設定すればよい。また、失禁パッド１の断面視では、図２に示されるように、吸収体４の肌側面に設けられる第２領域１４ｂから、凹溝２２の両側面に沿って垂下し始める適当な位置より中央側を第１領域１４ａと設定すればよい。

前記第１領域１４ａは、凹溝２２の両側面に対し、凹溝２２の開口側縁部から所定の深さで設けられている。この第１領域１４ａの深さとしては、凹溝２２の底面まで、即ち凹溝２２の側面の全面に亘って設けてもよいし、中間の深さまでとし、それより下方（非肌側方向）の側面には樹脂層が介在しないようにしてもよい。

図１に示されるように、前記第２領域１４ｂの幅方向外側には、樹脂層が介在しない非樹脂層領域を介して、前記樹脂層１４の第３領域１４ｃが設けられている。この第３領域１４ｃは、ポリマーシート１５の幅方向中間位置から側縁にかけて設けられている。この第３領域１４ｃは、必ずしも設ける必要はないが、設けることにより、吸収体４の両側部からの逆戻りが防止できるとともに、両側部の吸収能力が向上できる点で有効である。

前記樹脂層１４は、パッド長手方向に対し、連続的な１つの樹脂層領域のパターンで設けてもよいし、複数の樹脂層領域と非樹脂層領域とを交互に配置した間欠的なパターンで設けてもよい。図１に示される例では、パッド長手方向に延びる連続する帯状の樹脂層１４ａ、１４ｂ、１４ｃを設けている。

前記樹脂層１４は、図１に示される例では、パッド長手方向に等幅に形成されているが、異なる幅で形成してもよい。例えば、尿の吸収量は凹溝２２の中央部が最大で、両端部にいくに従って減少するのに合わせて、凹溝２２の長手方向中央部が最も幅広で、両端部にいくに従って徐々に幅狭となる形状で設けてもよい。

前記樹脂層１４を第１領域１４ａ及び第２領域１４ｂに設けることにより、次のような作用効果が奏される。図８に示されるように、排出された尿は、凹溝２２に一時貯留され、この凹溝２２に沿って前後に拡散しつつ、凹溝２２の内周面（側面や底面）を透過して吸収体４に吸収される。このとき、吸収の初期段階においては、吸収体４内を拡散せずに、凹溝２２に近い領域に比較的多くの尿が溜まるようになる。この際、吸収体４に吸収された尿が、吸収体４に混入された高吸水性樹脂８に吸収保持されるより前に、圧力を受けるなどして、吸収体４の内部に保持しきれず肌側にあふれ出そうになった場合でも、凹溝２２の両側部において、前記樹脂層１４の第１領域１４ａと第２領域１４ｂとが連続して設けられているため、これら第１領域１４ａ及び第２領域１４ｂに尿が吸収保持され、透液性表面シート３の表面側まで逆戻りすることがなく、吸水後に表面材のさらっと感が向上できるようになる。

なお、前記第１領域１４ａは、尿吸収の初期段階においては、この第１領域１４ａを尿が通過して吸収体４に素早く吸収されるとともに、その後次第に第１領域１４ａにも尿が吸収されるようになり、凹溝２２に沿って拡散した尿を両側面の第１領域１４ａでも吸収することが可能となる。なお、凹溝２２の両側面に配置された第１領域１４ａは、吸水して膨潤しても肌側に隆起することはないため、表面にあふれ出た尿が側方に流れて横漏れが生じやすくなるようなことはない。

また、前記樹脂層１４が凹溝２２の底面に設けられていないため、前記凹溝２２を形成するため透液性表面シート３の表面側からエンボスを施したときの、高吸水性樹脂によるポリマーシート１５の破れが防止できる。

次いで、前記ポリマーシート１５に前記樹脂層１４を配置する第２形態例として、図９に示されるように、前記第１領域１４ａ及び第２領域１４ｂの樹脂層１４に加えて、凹溝２２の底面に対応する第４領域１４ｄにも樹脂層１４を設けることができる。

この第４領域１４ｄは、前記第１領域１４ａと連続して設けてもよいし、離間していてもよい。凹溝２２内の尿透過性を確保するため離間して設けるのが好ましい。前記第４領域１４ｄは、溝長手方向に沿って連続的としてもよいし、非樹脂層領域を介在させた間欠的としてもよい。

前記凹溝２２の底面に対応する領域にも樹脂層１４を設けることによって、凹溝２２に沿って拡散した尿を底面の樹脂層１４でも吸収することが可能となる。なお、凹溝２２の底面に配置された樹脂層１４は、吸水して膨潤しても凹溝２２内で隆起するに止まり、肌側にまで隆起することはないため、表面にあふれ出た尿が側方に流れて横漏れが生じやすくなるようなことはない。

〔他の形態例〕
前記凹溝２２は、種々の形態で配置することができる。前記凹溝２２は、図１に示されるように、尿排出部位Ｈに対応するパッド幅方向の中央部であって長手方向の中間部に、１条のみ形成するのが好ましいが、図１０(A)に示されるように、パッド幅方向に離間して複数条形成してもよいし、同図１０(B)に示されるように、パッド長手方向に離間して不連続線状に形成してもよい。複数条形成した場合には、多くの尿が一気にドッと出たときでも尿の拡散効果をより確実に高めることができるようになる。また、不連続線状に形成した場合には、凹溝２２が幅方向両側から脚圧などの外力を受けたときの潰れがより確実に防止できる。パッド幅方向に離間して複数条形成する場合、同図１０(A)に示すように、パッド幅方向の中央部に形成し、その両側にそれぞれ１条又は複数条形成するように配置するのが好ましい。

また、前記凹溝２２の平面形状は、図１に示されるように、パッド長手方向に沿って等幅で形成してもよいし、図１１に示されるように、異なる溝幅で形成してもよい。図１１(A)では、凹溝２２のパッド長手方向の前側端部に、溝幅を拡大した拡幅部２２ａを設けている。前記拡幅部２２ａを設けることにより、尿の一時貯留空間が拡大でき、特に切迫性失禁などのように大量の尿が一度にドッと出た場合でも確実に凹溝２２で尿を受け止めることが可能となる。前記拡幅部２２ａは、同図１１(B)に示すようにパッド後側の端部に設けてもよいし、同図１１(C)に示すように前後端部にそれぞれ設けてもよい。

前記凹溝２２は、図１２に示されるように、１又は複数の枝分かれ部２２ｂ、２２ｃを設けてもよい。前記枝分かれ部２２ｂ、２２ｃを設けることにより、凹溝２２に一時貯留された尿が凹溝２２に沿って吸収体４の広い範囲に拡散するようになり、吸収体４のより広い範囲で尿を吸収できるようになる。図１２(A)〜(C)に示される例では、前記枝分かれ部２２ｂとして、パッド長手方向の前側、後側又は前側及び後側のそれぞれに、凹溝２２の両側縁から外側に延びるとともに、パッド長手方向の端部側に傾斜する複数、図示例では左右それぞれ３本ずつ設けられている。また、図１２(D)〜(F)に示される例では、前記枝分かれ部２２ｃとして、パッド長手方向の前端、後端又は前端及び後端のそれぞれに、凹溝２２が放射状に複数に、図示例では５本に枝分かれしたものが設けられている。

なお、予め吸収体４の凹溝２２の形成予定部分に前記吸収体凹部２０を設ける場合、上記凹溝２２の形状に沿って吸収体凹部２０を設けるようにする。

上記形態例では、前記吸収体凹部２０は、図２に示されるように、有底の凹溝状に形成していたが、図１３に示されるように、表面側から裏面側にかけて貫通したスリット状に形成してもよい。前記吸収体凹部２０をスリット状とした場合、前記エンボス部２１は、図１３に示されるように、吸収体凹部２０の底面に配置される吸収体凹部２０を貫通した不透液性裏面シート２に対して施すようにする。前記吸収体凹部２０をスリット状に形成し凹溝２２の底部に吸収体４が介在しない場合であっても、凹溝２２の底面に介在する透液性表面シート３を通じても尿が吸収体４に吸収保持されるとともに、この凹溝底面の透液性表面シート３に吸収された尿が凹溝２２に沿って拡散するため、吸収性能の低下は極僅かに抑えられる。

１…失禁パッド、２…不透液性裏面シート、３…透液性表面シート、４…吸収体、５…被包シート、７…サイド不織布、８…高吸水性樹脂、１０…内側立体ギャザー、１１…外側立体ギャザー、１２・１３…糸状弾性伸縮部材、１４…樹脂層、１５…ポリマーシート、１６…上部シート、１７…下部シート、２０…吸収体凹部、２１…エンボス部、２２…凹溝

Claims (2)

1. 透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在された吸収性物品において、
   前記透液性表面シートと吸収体との間に、透液性の上部シートと下部シートとの間の所定領域に、高吸水性樹脂の単体で構成された樹脂層を備えたポリマーシートが配設され、
   前記吸収体に前記透液性表面シート及びポリマーシートを積層した状態で、前記透液性表面シートの表面側からエンボスを施すことにより、肌側に長手方向に沿って凹溝が形成され、且つ前記ポリマーシートの少なくとも前記樹脂層が前記凹溝よりパッド長手方向外側に延在する長さで形成され、
   前記樹脂層は、前記凹溝の両側面の全面に対応する第１領域及び前記凹溝の外側であって前記凹溝を跨いで両側の第２領域にそれぞれ設けられるとともに、前記第１領域と第２領域とが連続しており、前記樹脂層は前記凹溝の底面に設けられていないことを特徴とする吸収性物品。
2. 前記吸収体は、前記透液性表面シート側の面に、吸収性物品の長手方向に沿うとともに尿排出部位を含む長手方向範囲に亘って、圧搾によることなく凹溝状又はスリット状の吸収体凹部を備え、
   前記凹溝は、前記吸収体に前記透液性表面シート及びポリマーシートを積層した状態で、前記透液性表面シートの表面側から前記吸収体凹部の底面に対し前記吸収体凹部に沿って前記エンボスを施すことにより形成されている請求項１記載の吸収性物品。

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