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JP6440142B2 - 圧力センサー付き鉗子 - Google Patents

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Description

本発明は、圧力センサー付き鉗子に関する。
厚生労働省人口動態統計によると、2010年に新たにがんに罹患した患者は約80万人に達し、がんによる死者は2012年には約36万人であったと報告されている。このうち、本邦における前立腺がんの罹患率は胃がん、大腸がん、肺がんに次いで第4位であるが、全世界では2008年時点で罹患者は年間約90万人であり、男性癌の13.7%を占め、第2位とされている。ロボット支援根治的前立腺全摘除術は2000年に登場して以来、早期前立腺がんの治療の中心として欧米を中心に急速に普及してきた。本邦においても、2012年4月にロボット支援根治的前立腺全摘除術が保険収載されて以降、急速な普及が進んでおり、2013年には約5600人の患者が本手術を受けている。2014年時点では、保険適応は前立腺全摘除術のみである。本術式は、従来の開放手術と比較して、術中出血量が極めて少なく低侵襲手術の代表となっている。このようにロボット手術では、出血量が少なく、術者は安心して手術を実施することが可能であるが、現時点のロボット技術には触覚がないという大きな問題が存在する。医師の手に伝わる感触が欠如するため、内視鏡スコープから得られる腹腔内の画像による視覚のみに頼っている。
ロボット手術システム用鉗子は、その把持する部位に触覚がないため、臓器を把持することで必要以上の圧力をかける危険性があり、場合によっては臓器を圧挫滅することで臓器損傷する危険性が指摘されている。このため、現時点では、ロボット手術システム用鉗子を挿入するためのトロカー以外に、介助者が従来の鉗子を入れて手術の補助を行う2本のトロカーの留置を必要としている。また、縫合糸を用いた結紮操作も手術においては重要な操作であるが、これも視覚のみに頼って行っているのが現状であり、糸がちぎれたり、組織が裂けたりすることも少なくない。一方、鉗子の柄の部分にも触覚がないため、手術中スコープの視野外となる死角においては、例えば、消化管や大血管を強く圧迫して正常な臓器を損傷する危険性が指摘されている。そのため、術者の技量によらず、臓器損傷を回避できる触覚を有する各種鉗子の開発が急がれている。
内視鏡スコープから得られた視覚以外の方法によって、臓器をどのくらいの強さで押しているかの情報を入手可能にした内視鏡装置としては、特許文献1に記載の消化管内視鏡装置が知られている。特許文献1に記載の消化管内視鏡装置では、内視鏡スコープの先端角部にドーナツ型の圧力センサーを設けたものを使用している。
このドーナツ型の圧力センサーは、環状の第1電極及び第1電極の周囲を被覆する感圧抵抗体とからなるドーナツ型の感知部と、内視鏡スコープの先端部に形成された環状の溝と、この環状の溝の表面に複数個、等間隔に設けられた第2電極とを有している。ドーナツ型の感知部が内視鏡スコープの先端部に形成された環状の溝に嵌め込まれると、第2電極が部分的に感圧抵抗体の外周に接触した状態となるので、ドーナツ型の圧力センサーとして作動するようになり、第1電極と第2電極との間の抵抗値の変化を測定することによって内視鏡スコープの挿入部の先端に加わる圧力を検知することができる。この消化管内視鏡装置によれば、挿入部の先端の稜線部に印加されている圧力の大きさと位置とを検出することができるため、腸管穿孔が起こる前に検出した圧力に基づいて内視鏡スコープを操作することができ、腸管穿孔を防ぐことができるようになる。
一方、画像や感触以外の方法によって腸壁をどのくらいの強さで押しているかの情報を入手可能にした鉗子としては、特許文献2に記載の触覚センサーを備える鉗子が知られている。特許文献2に記載の触覚センサーを備える鉗子は、把持鉗子の把持面ないし剥離鉗子の剥離面に多数の圧力センサーがマトリクス状配置された触覚センサーを設けたものであり、この触覚センサーの出力によって把持鉗子の把持面ないし剥離鉗子の剥離面に加わっている力を検知することができるようになる。
国際公開WO2012/153703公報 特開平6−209902号公報
特許文献2に開示されている触覚センサーを備える鉗子は、把持している組織に対する把持力や剥離している組織に対する剥離力を測定することができるという良好な効果を奏する。しかしながら、触覚センサーを備える鉗子による腸管穿孔は、内視鏡スコープ内に挿通された鉗子の顎部の稜線部が腸管を強く押したときに生じやすいが、特許文献2に開示されている鉗子では、顎部の稜線部には触覚センサーが設けられていないこと、及び、触覚センサーとしては半導体集積回路的に作製されているものであるために、鉗子の顎部の稜線部に触覚センサーを配置し難く、腸管穿孔の抑制目的にはさらなる改良の余地がある。
加えて、鉗子は、縫合糸を把持しての結紮にも使用されるが、結紮時に縫合糸の引っ張り強さを測定するためには鉗子の顎部の稜線部の両側端にも触覚センサーを配置する必要がある。しかしながら、特許文献2に開示されている鉗子では、顎部の稜線部の両側端には触覚センサーが設けられていないことから、結紮時の縫合糸の引っ張り強さの測定は困難である。
本発明の目的は、各種鉗子の顎部の稜線部ないし外表面に沿って取り付けても外径寸法の増大化が小さい、細径の、圧力分布を測定し得る圧力センサーを提供することにある。また、本発明の別の目的は、鉗子の顎部の稜線部ないし外表面に加わる力を高感度に検知することができるとともに、縫合糸の結紮時に縫合糸の引っ張り強さも測定し得る圧力センサー付き鉗子を提供することにある。
本発明の参考例の圧力センサーによれば、
線状の導電性材料からなる第1電極及び前記第1電極の周囲を覆う加圧されることにより電気的特性が変化する感圧部材からなる線状圧力感応部と、
前記線状圧力感応部の表面に形成された第2電極と、
前記第1電極に接続された第1リード線と、
前記第2電極に接続された第2リード線と、
を有する圧力センサーであって、
平面視で直線状かつ平行に、互いに離間して配置された複数の導電性糸が織り込まれ又は縫い込まれた異方導電性布を有し、
前記異方導電性布は、前記複数の導電性糸が前記線状圧力感応部における第1電極の延在方向とは交差する方向となるように、前記線状圧力感応部の表面の少なくとも一部を被覆しており、
前記異方導電性布の複数の導電性糸のそれぞれが第2電極を構成し、
前記第2リード線は複数設けられ、
前記複数の第2電極は、それぞれ個別に又は隣接する複数本毎に、それぞれ前記複数の第2リード線のいずれかに接続されている、
圧力センサーが提供される。
参考例の圧力センサーにおいては、線状の導電性材料からなる第1電極として細径のものを使用することができ、また、異方導電性布はフレキシブル配線基板等に比すると柔軟性に富むため、第2電極を構成する複数の導電性糸のそれぞれを感圧部材を介して第1電極と密接に対向させることができる。そのため、第1の態様の圧力センサーによれば、細径でありながら高感度の圧力センサーが得られる。
しかも、参考例の圧力センサーにおいては、第2電極を構成する複数の導電性糸のそれぞれが圧力センサーの検知用電極として作動する。そのため、複数の導電性糸のそれぞれを個別に第2リード線に接続すれば、長さ方向に沿った圧力分布を高精細に測定することができるようになる。また、複数の導電性糸を隣接する複数本毎に第2リード線に接続すれば、分解能は低下するが、長さ方向に沿った隣接する複数本の領域毎の平均化された圧力分布を測定することができるようになる。
なお、参考例の圧力センサーは、抵抗検出型のもの及び容量検出型のもののいずれにも適用可能である。また、第1の態様の圧力センサーにおいては、異方導電性布は、必ずしも線状圧力感応部の全てを覆っている必要はなく、部分的に被覆することにより第2電極として作動する導電性糸が一部でも感圧部材を介して第1電極と対向していれば、圧力センサーとしての作用効果を奏することができる。
参考例の圧力センサーにおいては、さらに平面視で直線状かつ平行に、互いに離間して配置された複数の導電性糸が織り込まれ又は縫い込まれたリード線用異方導電性布を有し、前記リード線用異方導電性布における前記複数の導電性糸が前記複数の第2リード線を構成しているものとしてもよい。係る場合においては、前記リード線用異方導電性布は第1リード線も兼ねているものとすることができる。細い複数のリード線を用いると絡みやすいが、リード線用異方導電性布の複数の導電性糸を複数の第2リード線や第1リード線として兼用すると、複数の導電性糸は固定されているために絡むことがなくなり、配線が容易となる。
また、参考例の圧力センサーにおいては、前記リード線用異方導電性布は前記第2電極を構成する複数の導電性糸を有する異方導電性布と一体化されているものとしてもよい。このような構成を備えていると、別途リード線用異方導電性布を設ける必要がなくなるので、製造が容易となる。
また、参考例の圧力センサーにおいては、前記リード線用異方導電性布は、前記複数の導電性糸が細線状の絶縁性部材に沿うように、前記細線状の絶縁性部材の表面に巻き付けられて細径ケーブルを形成しているものとしてもよい。係る場合も、複数の導電性糸は固定されているために絡むことがなくなり、配線が容易となる。
さらに、本発明の第1の態様の圧力センサー付き鉗子によれば、
線状の導電性材料からなる第1電極及び前記第1電極の周囲を覆う加圧されることにより電気的特性が変化する感圧部材からなる線状圧力感応部と、
前記線状圧力感応部の表面に形成された第2電極と、
前記第1電極に接続された第1リード線と、
前記第2電極に接続された第2リード線と、
鉗子と、
を有する圧力センサー付き鉗子であって、
平面視で直線状かつ平行に、互いに離間して配置された複数の導電性糸が織り込まれ又は縫い込まれた異方導電性布を有し、
前記線状圧力感応部は、前記鉗子の少なくとも一方の顎部の稜線に沿って取り付けられており
前記異方導電性布は、前記複数の導電性糸が前記線状圧力感応部における第1電極の延在方向とは交差する方向となるように、前記線状圧力感応部の表面の少なくとも一部を被覆しており、
前記異方導電性布の複数の導電性糸のそれぞれが第2電極を構成し、
前記第2リード線は複数設けられ、
前記複数の第2電極は、それぞれ個別に又は隣接する複数本毎に、それぞれ前記複数の第2リード線のいずれかに接続されており、
前記第1リード線及び前記複数の第2リード線はともに前記鉗子のシャフトの表面に沿って前記鉗子の操作部側まで延在されている、
圧力センサー付き鉗子が提供される。
本発明の第1の態様の圧力センサー付き鉗子によれば、線状圧力感応部が細径であり、異方導電性布も薄いため、線状圧力感応部及び異方導電性布を各種鉗子の鍔部の稜線部に沿って取り付けても外径寸法の増大化が小さく、従来の通常の鉗子、内視鏡用鉗子ないしロボット手術システム用鉗子と同様に取り扱うことができるようになる。しかも、線状圧力感応部及び異方導電性布からなる圧力センサーの感度が高いので、鉗子が体腔と接触したことを高感度に検出することができ、体腔穿孔が起こる前に検出した圧力に基づいて鉗子を操作することができようになり、体腔穿孔を回避できるようになる。
加えて、縫合糸の結紮時には、縫合糸を鉗子の一方の顎部に巻回させて把持した状態で縫合するが、第2の態様の圧力センサー付き鉗子によれば、縫合糸の結紮時における縫合糸の引っ張り強さを鉗子の側面に設けられている線状圧力感応部及び異方導電性布からなる圧力センサー部によって正確かつ高精度に測定することができるようになる。なお、第2の態様の圧力センサー付き鉗子においては、圧力センサーは鉗子の少なくとも一方の顎部の稜線に設けられていれば所定の作用効果を奏するようになるが、両方の顎部に設けてもよい。
また、係る態様の圧力センサー付き鉗子においては、さらに平面視で直線状かつ平行に、互いに離間して配置された複数の導電性糸が織り込まれ又は縫い込まれたリード線用異方導電性布を有し、前記リード線用異方導電性布における前記複数の導電性糸が前記複数の第2リード線を構成しているものとしてもよく、前記リード線用異方導電性布は前記第1リード線も兼ねているものとしてもよい。さらには、前記リード線用異方導電性布は、前記複数の導電性糸が細線状の絶縁性部材に沿うように、前記細線状の絶縁性部材の表面に巻き付けられて細径ケーブルを形成しているものとしてもよい。細い複数のリード線を用いると絡みやすいが、リード線用異方導電性布の複数の導電性糸を複数の第2リード線や第1リード線として兼用すると、複数の導電性糸は固定されているために絡むことがなくなり、配線が容易となる。
第1の態様の圧力センサー付き鉗子においては、
前記異方導電性布は第1及び第2の異方導電性布からなり、
前記第1の異方導電性布は、前記複数の導電性糸が前記顎部の先端側の線状圧力感応部における第1電極の延在方向とは交差する方向となるように、前記鉗子の前記線状圧力感応部が取り付けられた顎部の把持面側から前記線状圧力感応部の先端側の表面を覆うとともに前記顎部の外表面を覆うように設けられており、
前記顎部の外表面及び把持面側を覆う前記第1の異方導電性布上にはそれぞれ絶縁性部材が配置され、
前記第2の異方導電性布が、前記第2の異方導電性布の前記複数の導電性糸が前記顎部の両側面側の線状圧力感応部における第1電極の延在方向とは交差する方向となるように、前記鉗子の前記線状圧力感応部が取り付けられた顎部の把持面側から、前記線状圧力感応部の一方の側面、前記絶縁性部材の表面、及び、前記線状圧力感応部の他方の側面を覆うとともに前記顎部の把持面側の絶縁性部材も覆うように設けられており、
前記第1の異方導電性布の複数の導電性糸にそれぞれ前記第2リード線が接続され、
前記第2の異方導電性布の複数の導電性糸にそれぞれ第3リード線が接続されており、
前記複数の第3リード線は前記第1リード線及び前記複数の第2リード線とともに前記鉗子のシャフトの表面に沿って前記鉗子の操作部側まで延在されているものとしてもよい。
このような構成の圧力センサー付き鉗子によれば、第1リード線と第2リード線との間の出力を測定することにより、鉗子の先端側に加わった圧力分布を測定することができる。また、第1の異方導電性布を鉗子の顎部の先端側に位置する線状圧力感応部の一部を被覆するように取付けること、及び、第2の異方導電性布を鉗子の顎部の両側面に位置する線状圧力感応部の一部を被覆するように取り付けることは容易であるので、かかる形態の圧力センサー付き鉗子を容易に製造することができるようになる。しかも、第1の異方導電性布が鉗子の顎部の背面を経て鉗子のシャフト側まで延在されているので、第1の異方導電性布の第2電極として作動する導電性糸と第2リード線との接続も行い易くなる。
加えて、係る態様の圧力センサー付き鉗子によれば、鉗子の顎部の両側面側の線状圧力感応部同士が第2の異方導電性布における導電性糸により短絡された形になり、第3のリード線のそれぞれと第1のリード線との間の出力として、鉗子の顎部の両側面側の線状圧力感応部に加わっている圧力の平均値に基づく圧力分布を測定することができるようになる。
また、第1の態様の圧力センサー付き鉗子においては、
前記異方導電性布は第1の異方導電性布及び第2の異方導電性布からなり、
前記第1の異方導電性布は、前記複数の導電性糸が前記顎部の先端側の線状圧力感応部における第1電極の延在方向とは交差する方向となるように、前記鉗子の前記線状圧力感応部が取り付けられた顎部の把持面側から前記線状圧力感応部の先端側の表面を覆うとともに前記顎部の外表面を覆うように設けられており、
前記顎部の把持面及び外表面を覆う前記第1の異方導電性布上には、それぞれシート状感圧部材が配置され、
前記第2の異方導電性布が、前記第2の異方導電性布の前記複数の導電性糸が前記顎部の両側面側の線状圧力感応部における第1電極の延在方向とは交差する方向となるように、前記鉗子の前記線状圧力感応部が取り付けられた顎部の把持面側から、前記線状圧力感応部の一方の側面、前記シート状感圧部材の表面、及び、前記線状圧力感応部の他方の側面を覆うとともに前記顎部の把持面側のシート状感圧部材も覆うように設けられており、
前記第1の異方導電性布の複数の導電性糸にそれぞれ前記第2リード線が接続され、
前記第2の異方導電性布の複数の導電性糸にそれぞれ第3リード線が接続されおり、
前記複数の第3リード線は前記第1リード線及び前記複数の第2リード線とともに前記鉗子のシャフトの表面に沿って前記鉗子の操作部側まで延在されているものとしてもよい。
このような構成の圧力センサー付き鉗子によれば、第1リード線と第2リード線との間の出力を測定することにより、鉗子の先端側に加わった圧力分布を測定することができるようになる。また、第1の異方導電性布が鉗子の顎部の背面を経て鉗子のシャフト側まで延在されているので、第1の異方導電性布の第2電極として作動する導電性糸と第2リード線との接続も行いやすくなる。
また、係る態様の圧力センサー付き鉗子においては、鉗子の顎部の両側面側の線状圧力感応部同士が第2の異方導電性布における導電性糸により短絡された形になっている。そのため、第3のリード線のそれぞれと第1のリード線との間の出力により、顎部の両側面側の線状圧力感応部に加わっている圧力の平均値に基づく圧力分布を測定することができる
また、第1の異方導電性布と第2の異方導電性布との間にシート状感圧部材が配置されているから、第1の異方導電性布のそれぞれの導電性糸と第2の異方導電性布のそれぞれの導電性糸との平面視における交点はそれぞれ圧力感応部となり、平面状の圧力分布を測定し得る面状圧力センサーを形成する。そのため係る態様の圧力センサー付き鉗子によれば、複数の第2リード線と複数の第3リード線のそれぞれの出力を測定することにより、鉗子の把持面側の把持力分布及び外面側の圧力分布を測定することができるようになる。なお、シート状感圧部材としては、周知のものを適宜選択して採用することができる。
また、第1の態様の圧力センサー付き鉗子においては、
さらに線状の導電性材料及び前記線状の導電性材料の周囲を覆う加圧されることにより電気的特性が変化する感圧部材からなる第2の線状圧力感応部を複数有し、
前記異方導電性布は、前記複数の導電性糸が前記顎部の先端側の線状圧力感応部における第1電極の延在方向とは交差する方向となるように、前記鉗子の前記線状圧力感応部が取り付けられた顎部の把持面側から前記線状圧力感応部の先端側の表面を覆うとともに前記顎部の外表面を覆うように設けられており、
さらに、前記複数の第2の線状圧力感応部が、互いに平行に、かつ前記顎部の外表面を覆う異方導電性布の複数の導電性糸と交差する方向に、前記顎部の外表面を覆う異方導電性布に配置され、
前記複数の第2の線状圧力感応部のそれぞれの両端の線状の導電性材料はそれぞれ両側面側の前記線状圧力感応部の外表面と接触しており、
前記複数の第2の線状圧力感応部の線状の導電性材料にはそれぞれ第3リード線が接続され、
前記複数の第3リード線は前記第1リード線及び前記複数の第2リード線とともに前記鉗子のシャフトの表面に沿って前記鉗子の操作部側まで延在されているものとしてもよい。
このような構成の圧力センサー付き鉗子によっても、上記の第1の態様の圧力センサー付き鉗子と同様の作用効果を奏するほか、異方導電性布を鉗子の顎部の先端側に位置する線状圧力感応部の一部を被覆するように取付けること、及び、第2の線状圧力感応部を鉗子の顎部の両側面に位置する線状圧力感応部の一部を被覆するように取り付けることが容易となる。また、第1の異方導電性布が鉗子の顎部の背面を経て鉗子のシャフト側まで延在されているので、第1の異方導電性布の第2電極として作動する導電性糸と第2リード線との接続も行い易くなる。加えて、第2の線状圧力感応部の出力が第3のリード線によって取り出されているので、鉗子の背面側の押圧力も測定することができるようになる。
係る態様の圧力センサー付き鉗子においては、さらに前記複数の第2の線状圧力感応部が、互いに平行に、かつ前記顎部の把持面を覆う異方導電性布の複数の導電性糸と交差する方向に、前記顎部の把持面を覆う異方導電性布上にも配置されているとともに、両端側でのみ前記顎部の把持面を覆う異方導電性布上に固定されており、前記把持面側の複数の第2の線状圧力感応部のそれぞれの両端の線状の導電性材料はそれぞれ両側面側の前記線状圧力感応部の外表面と接触しており、前記把持面側の複数の第2の線状圧力感応部の線状の導電性材料にもそれぞれ第3リード線が接続されているものとしてもよい。このような構成を備えていると、把持している組織等の把持圧力の分布を測定することができるほか、縫合糸を把持している場合には縫合糸の引っ張り力も測定することができるようになる。
また、係る態様の圧力センサー付き鉗子においては、さらに平面視で直線状かつ平行に、互いに離間して配置された複数の導電性糸が織り込まれ又は縫い込まれたリード線用異方導電性布を有し、前記リード線用異方導電性布における前記複数の導電性糸が前記複数の第2リード線を構成しているものとしてもよく、前記リード線用異方導電性布は前記第1リード線も兼ねているものとしてもよい。さらには、前記リード線用異方導電性布は、前記複数の導電性糸が細線状の絶縁性部材に沿うように、前記細線状の絶縁性部材の表面に巻き付けられて細径ケーブルを形成しているものとしてもよい。細い複数のリード線を用いると絡みやすいが、リード線用異方導電性布の複数の導電性糸を複数の第2リード線や第1リード線として兼用すると、複数の導電性糸は固定されているために絡むことがなくなり、配線が容易となる。
図1Aは異方導電性布の平面図であり、図1Bは図1AのIA部分の拡大図であり、図1Cは図1BのIC−IC線に沿った断面図である。 図2Aは線状圧力感応部の平面図であり、図2Bは図2AのIIB−IIB線に沿った断面図である。 図3Aは参考例の圧力センサーの正面図であり、図3Bは側面側から見た図である。 図4Aは変形例1の圧力センサー20Bを先端側から見た図であり、図4Bは変形例2の圧力センサー20Cを先端側から見た図であり、図4Cは変形例3の圧力センサー20Dを先端側から見た図であり、図4Dは細径ケーブルの断面図である。 図5Aは実施形態1の圧力センサー付き鉗子の正面図であり、図6Bは図6AのVIB部分の拡大図である。 図6Aは実施形態1の圧力センサー付き鉗子の先端部の拡大平面図であり、図6Bは同じく先端部を開いたときの正面図である。 図7Aは実施形態1の圧力センサー付き鉗子の変形例1における先端部の拡大平面図であり、図7Bは同じく変形例2における先端部の拡大平面図であり、図7Cは同じく変形例3における拡大正面図である。 図8A〜図8Dは、実施形態2の圧力センサー付き鉗子の製造工程を順を追って説明する図である。 図9A〜図9Dは、実施形態3の圧力センサー付き鉗子の製造工程を順を追って説明する図である。 図10Aは、実施形態4の圧力センサー付き鉗子の一方の把持面側の平面図であり、図10B(a)は図10AのXB部分の模式拡大図であり、図10B(b)は同じく縫合糸を把持した際の模式拡大図であり、図10B(c)は同じく縫合糸を引っ張ったとき模式拡大図であり、図10C(a)〜(d)は縫合糸を把持した際の線状圧力感応部の状態を順を追って説明するための模式拡大断面図である。
以下、図面を参照して本発明の参考例の圧力センサー及びこの圧力センサーを備えた実施形態の圧力センサー付き鉗子を説明する。ただし、以下に示す各実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための参考例圧力センサー及びこの圧力センサーを備えた実施形態の圧力センサー付き鉗子を例示するものであって、本発明をこれらのものに特定することを意図するものではない。本発明は、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。なお、この明細書における説明のために用いられた各図面においては、各部材を図面上で理解可能な程度の大きさとするため、各部材毎に適宜に縮尺を異ならせて表示しており、必ずしも実際の寸法に比例して表示されているものではない。
[異方導電性布について]
最初に、図1を参照して参考例及び各実施形態の線状圧力センサーの構成要素である異方導電性布10の具体的構成について説明する。なお、図1Aは異方導電性布の平面図であり、図1Bは図1AのIB部分の拡大図であり、図1Cは図1BのIC−IC線に沿った断面図である。
異方導電性布10は、非導電性繊維の織物11に、平面視で直線状かつ平行に、互いに離間して配置された複数本の導電性糸12が織り込まれ又は縫い込まれたものであり、実質的に非導電性繊維の織物11における縦糸又は横糸の一部を予め定めた一定の間隔で導電性糸12に置換したものないし予め定めた一定の間隔で導電性糸を縫い込んだものからなる。図1A〜図1Cは、導電性糸が横糸として織り込まれた場合の例を示している。
なお、この明細書における「平面視」とは、異方導電性布10を平坦面に載置して、異方導電性布10の表面に対して垂直方向から視認することを意味し、「側面視」とは、異方導電性布10を平坦面に載置し、異方導電性布10に対して導電性糸12の延在方向に対して垂直な側面から視認することを意味する。同じく「平面視で直線状かつ平行」とは、異方導電性布10を平面視した場合に、複数の導電性糸12のそれぞれが直線状にかつ平行に見えることを意味し、導電性糸12は、異方導電性布10に織り込まれ又は縫い込まれているので、図1Bに示されているように、一部が非導電性繊維の織物11における縦糸によって覆われた状態となっていても、図1Cに示されているように、側面視で波状に見える状態となっていてもよい。
非導電性繊維としては例えば繊維径約25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)繊維が用いられている。異方導電性布10は、厚さが約50μmで、非常に柔軟性に富んでいる。なお、異方導電性布10を構成する非導電性繊維は、PET以外にも非導電性のものであれば種類を問わずに使用し得るが、耐熱性及び化学的耐性を有するものが好ましい。また、導電性糸12は、銀糸、金糸、ステンレススチール糸、炭素繊維、銀めっきナイロン糸等の、径が細く、導電性を有し、柔軟なものであれば使用することができ、その径は非導電性繊維と同程度とすることが好ましい。異方導電性布10を構成する非導電性繊維及び導電性糸12の径は、数μm〜数十μm範囲のものを用いることができる。複数の導電性糸12間の間隔は、特に臨界的限度はないが、圧力分布を高分解能で測定することができるようにするためには0.5〜1.0mm程度とすればよく、用途によって1〜数cm程度となるようにすることもできる。
[線状圧力感応部]
次に、参考例及び各実施形態に共通する線状圧力感応部について、図2を参照しながら説明する。なお、図2Aは線状圧力感応部の平面図であり、図2Bは図2AのIIB−IIB線に沿った断面図である。
先ず、図2に示したような構成を有する線状の導電性材料15と、線状の導電性材料15の周囲を覆う、加圧されることにより電気的特性が変化する感圧部材16とからなる線状圧力感応部17を製造する。ここでは、感圧部材16は線状の導電性材料15の周囲を全周にわたって被覆しており、線状の導電性材料15と感圧部材16とは同心的に配置されている。線状圧力感応部17の長さは、使用する鉗子の稜線部の長さとほぼ同程度とされる。線状の導電性材料15は、銀線、金線、ステンレススチール線等、径が約100〜500μm程度の導電性金属線材を使用することが好ましい。
線状圧力感応部17は、チューブ状に形成された感圧部材16の中空孔に線状の導電性材料15である導電性金属線材を挿入することにより製造することができるが、通常の絶縁単線の製造方法と同様にして長尺状の線状圧力感応部17を製造した後に切断することにより製造してもよい。なお、感圧部材16としては、周知の感圧抵抗体や極板間の容量変化として検出するための誘電体を用いることもできるが、測定の容易さを考慮すれば感圧抵抗体を使用することが好ましい。
参考例(圧力センサー)]
参考例の圧力センサー20Aを図3を参照して説明する。なお、図3Aは参考例の圧力センサーの正面図であり、図3Bは側面側から見た図である。
参考例の圧力センサー20Aは、線状の導電性材料15からなる第1電極(以下、「第1電極15」と表す。)と、第1電極15の周囲を覆う、加圧されることにより電気的特性が変化する感圧部材16とからなる線状圧力感応部17と、線状圧力感応部17の表面の少なくとも一部を覆う異方導電性布10とを有している。なお、図3では、線状圧力感応部17の表面の実質的に全てを異方導電性布10で覆った例が示されている。異方導電性布10は、複数の導電性糸12がそれぞれ第1電極15とは実質的に直交する方向に配置されている。
なお、この明細書における「実質的に直交」とは、正確に直交していれば最も望ましいが、必ずしも正確に直交していなくても90度に近い角度で交差していれば良いことを意味する。これらの複数の導電性糸12がそれぞれ参考例の圧力センサー20Aにおける第2電極21を形成する。そして、第1電極15には第1リード線22が、複数の第2電極21にはそれぞれ第2リード線23が接続されている。なお、第1リード線22としては第1電極15とほぼ同径のものが用いられており、第2リード線23としては導電性糸12とほぼ同径のエナメル線等の表面が絶縁された導電線が用いられている。
感圧部材16と異方導電性布10とは接着剤(図示省略)により固定されている。これにより、異方導電性布10の複数の導電性糸12からなる第2電極21はそれぞれ感圧部材16を介して第1電極15と対向することになり、複数の導電性糸12からなる第2電極21のそれぞれが独立した感圧センサーの一方の電極を構成することになる。
図3A及び図3Bに示した参考例の圧力センサー20Aでは、長さ方向に沿って直線状に異方導電性布10が被覆されていない溝部24が形成されている。この溝部24は異方導電性布10を感圧部材16の表面に巻き付けて固定するために形成されるものである。この溝部24内には、複数の第2リード線23が異方導電性布10の表面に露出しないように配置されており、複数の第2リード線23は第1リード線22と同一方向に延在されている。なお、溝部24内に配置された複数の第2リード線23を接着剤によって固定してもよい。
この圧力センサー20Aによれば、第2電極21と第1電極15と間の電気的特性の変化(例えば抵抗変化や容量変化)を測定することにより圧力を測定することができるが、複数の第2電極21は互いに独立しているため、それぞれの第2電極21に加わっている圧力の分布を測定することができる。また、第2リード線23を隣接する複数の第2電極21毎にまとめて接続すれば、圧力分布測定の分解能は低下するが、隣接する複数本の第2電極21の領域毎に平均された圧力分布を測定することができるようになる。
しかも、圧力センサー20Aにおいては、線状の導電性材料からなる第1電極15として細径のものを使用することができ、また、異方導電性布10はフレキシブル配線基板等に比すると柔軟性に富むため、第2電極21を構成する複数の導電性糸12のそれぞれを感圧部材16を介して第1電極15と密接に対向させることができる。そのため、参考例の圧力センサー20Aによれば、小型でありながら高感度な線状の圧力センサーが得られる。この圧力センサー20Aは、直径は0.5mm〜1.5mm程度、長さは任意とすることができ、適宜の形状に折り曲げて使用することができる。
さらに、参考例の圧力センサー20Aにおいては、導電性糸12からなる第2電極21の数及び第2電極21間距離は任意であり、第2電極21間距離を短くして単位長さ当たりの第2電極21の数を増加させれば、高分解能で圧力分布を測定することができるようになる。
[圧力センサーの変形例1〜3]
参考例の圧力センサー20Aでは、線状圧力感応部17の表面の実質的に全てを異方導電性布10で覆った例及び複数の導電性糸12からなる第2電極21のそれぞれに対して第2リード線23を接続した例を示した。しかしながら、線状圧力感応部17の表面の実質的に全てを異方導電性布10で被覆することは必要ではなく、第2電極21を構成する異方導電性布10の導電性糸12と第1電極15とが感圧部材16を介して対向していれば、圧力センサーとして作動する。また、リード線の取り出しには種々の形態を取り得る。
そこで、線状圧力感応部17の表面に対する異方導電性布10の被覆形態及びリード線の取り出し形態を変更した変更例1〜3の圧力センサーを図4を用いて説明する。なお、図4Aは変形例1の圧力センサー20Bを先端側から見た図であり、図4Bは変形例2の圧力センサー20Cを先端側から見た図であり、図4Cは変形例3の圧力センサー20Dを先端側から見た図であり、図4Dは細径ケーブルの断面図である。また、変形例1〜3においては、圧力センサー20B〜20Dの正面図は、先端側から見た図を示すのみでそれぞれ自明であるので、図示省略した。また、変形例1〜3の圧力センサー20B〜20Dにおいては、参考例の圧力センサー20Aと構成が同一の部分には同一の参照符号を付与して詳細な説明は省略する。
参考例の圧力センサー20Aでは、複数の導電性糸12からなる第2電極21のそれぞれに対して第2リード線23を接続した例を示したが、図4Aに示した変形例1の圧力センサー20Bでは、平面視で直線状かつ平行に、互いに離間して配置された複数の導電性糸が織り込まれ又は縫い込まれたリード線用異方導電性布25を用い、このリード線用異方導電性布25の導電性糸(図示省略)を第2リード線として用いたものである。リード線用異方導電性布25としては、導電性糸としてエナメル線等の表面が絶縁された導電線からなるものを用いることが好ましい。細い複数のリード線を用いると絡みやすいが、リード線用異方導電性布25の複数の導電性糸を複数の第2リード線として兼用すると、複数の導電性糸は固定されているために絡むことがなくなり、配線が容易となる。
この場合においては、第2電極21を構成する導電性糸12を有する異方導電性布10を延在させることによりリード線用異方導電性布25として用いてもよく、異方導電性布10の導電性糸12とリード線用異方導電性布25の導電性糸との間を別途リード線によって接続してもよい。前者の場合は、別途第2電極を構成する導電性糸12にリード線を接続する手間が不要となるので、製造が容易となる。また、後者の場合は、リード線を接続するための手間が必要となるが、第2リード線としてのリード線用異方導電性布25の配置の自由度が増加する。
また、参考例の圧力センサー20Aでは線状圧力感応部17の周囲の実質的に全てを異方導電性布10で被覆した例を示したが、図4Bに示した変形例2の圧力センサー20Cは線状圧力感応部17の周囲の実質的に半分のみを異方導電性布10で被覆したものである。このような構成の変形例2の圧力センサー20Cでも、実質的に参考例の圧力センサー20Aと同等の作用効果を奏することができる。
さらに、図4Cに示した変形例3の圧力センサー20Dは、変形例2の圧力センサー20Cにおいて、リード線用異方導電性布25を用い、このリード線用異方導電性布25の導電性糸を第2リード線として用いたものである。この場合も、第2電極21を構成する導電性糸12を有する異方導電性布10を延在させることによりリード線用異方導電性布25として用いてもよく、異方導電性布10の導電性糸12とリード線用異方導電性布25の導電性糸との間を別途リード線によって接続してもよい。このような構成の変形例3の圧力センサー20Dでも、実質的に変形例2の圧力センサー20Cと同等の作用効果を奏することができる。
なお、リード線用異方導電性布25を用いる場合には、図4Dに示したように、細線状の絶縁性部材27の表面にリード線用異方導電性布25を複数の導電性糸26が細線状の絶縁性部材27の延在方向に沿うように巻き付けた細径ケーブル28からなるものを用いることもできる。細径ケーブル28の径は、細い方が望ましいが、細すぎても製造が困難となるので、1〜2mm程度とすることが好ましい。
実施形態1(圧力センサー付き鉗子1)]
実施形態1の圧力センサー付き鉗子30Aの具体的構成について、図5及び図6を用いて説明する。なお、図5Aは実施形態1の圧力センサー付き鉗子の正面図であり、図5Bは図5AのVB部分の拡大図である。また、図6Aは実施形態1の圧力センサー付き鉗子の先端部の拡大平面図であり、図6Bは同じく先端部を開いた時の正面図である。なお、図5及び図6においては、参考例の圧力センサー20Aと同一の構成部分には同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略する。
なお、鉗子は、従来の鉗子だけでなく、内視鏡用鉗子やロボット手術システム用鉗子も知られている。これらの鉗子は、それぞれ操作部の構成が相違するが、シャフト及び顎部の構成には実質的に相違はない。また、従来の鉗子としては、把持鉗子だけではなく、生検鉗子、剥離鉗子等、種々のものが周知である。そのため、以下においては従来の周知の把持鉗子に対して本発明を適用したものについて、本発明の圧力センサー付き鉗子を代表して説明する。また、鉗子の顎部も、片開きタイプのものや両開きタイプのもの等種々のものが周知であるが、本発明の圧力センサー付き鉗子は顎部の形状の如何に関わらず適用可能であるので、両開きタイプのものを例にとって説明する。
実施形態1の圧力センサー付き鉗子30Aは、例えば互いに開閉可能な第1顎部31a及び第2顎部31bと、中空長尺のシャフト32と、操作部33とを備えている。操作部33は、ハンドル33a及びレバー33bを有している。操作者がレバー33bを操作することにより、第1顎部31a及び第2顎部31bの開閉を行うことができる。また、操作部33は鉗子30を操作する際の把持部となり、さらに操作部33全体を動かすことにより、第1顎部31a及び第2顎部31bの回転、押し込み及び引き抜きを行うことができ、大腸内での生体組織の剥離や把持、縫合糸の結紮などの各種処置操作を行うことができる。
第1顎部31a及び第2顎部31bは、シャフト32の先端に開閉可能に軸支されており、ここでは第1顎部31aの稜線に沿って圧力センサー20が設けられている。この圧力センサー20としては、上述した参考例及び変形例1〜変形例3に示したいずれをも使用することができるが、ここでは参考例に記載の圧力センサーを用いた例を示している。この圧力センサー20は、図6Aに示されているように、第1顎部31aの稜線部に沿って折り曲げられて接着剤(図示せず)によって固定されている。
圧力センサー20から伸びている第1リード線22及び第2リード線23は、第1顎部31aからシャフト32の外壁に沿って、それぞれ個別にないし束ねられて操作部33の近傍まで延在され、操作部33の近傍で鉗子30から離間して信号処理部(図示省略)に接続されている。第1リード線22及び複数の第2リード線23は適宜に束ねられてシャフト32の外壁に接着剤(図示せず)によって固定されている。なお、第1顎部31a及び第2顎部31bを開いた状態を、図6Bに示した。
第2リード線23としては導電性糸12とほぼ同等の径のエナメル線等の表面が絶縁された導電線が用いられ、それぞれ平行状態に配置して、より線として、あるいは生体安全性が確認されている細径チューブ(図示省略)内を通されて、シャフト32の外壁に固定されている。
実施形態1の圧力センサー付き鉗子30Aによれば、圧力センサー20が細径であることから、圧力センサー20を市販の鉗子の鍔部の稜線部に沿って取り付けても外径寸法の増大化が小さく、市販の鉗子と同様に取り扱うことができるようになる。しかも、圧力センサー20の感度が高いので、鉗子30が体腔と接触したことを高感度に検出することができ、腸管穿孔が起こる前に検出した圧力に基づいて鉗子30を操作することで、体腔穿孔を回避できるようになる。
加えて、縫合糸を鉗子30の一方の顎部31aに巻回ないし引っ掛けるようにして牽引する場合において、検出された圧力から縫合糸の牽引強さを測定することができるようになるので、不適切な縫合となる虞を抑制することができる。なお、第2の態様の圧力センサー付き鉗子30においては、圧力センサー20は鉗子の少なくとも一方の顎部31aないし31bの稜線に設けられていれば所定の作用効果を奏するようになるが、両方の顎部に設けてもよい。
また、実施形態1の圧力センサー付き鉗子30Aにおいては、第1リード線22を圧力センサー20の一方側の端部に設けた例を示したが、他方側の端部にも設け、必要であれば第2リード線23の一部とともに、別途シャフト32の外壁に沿って操作部33の近傍まで延在させてもよい。
[圧力センサー付き鉗子1の変形例1〜3]
実施形態1の圧力センサー付き鉗子30Aの変形例1〜3を図7を用いて説明する。なお、図7Aは実施形態1の圧力センサー付き鉗子における変形例1の先端部の拡大平面図であり、図7Bは同じく変形例2の先端部の拡大平面図であり、図7Cは同じく変形例3の拡大正面図である。
実施形態1の圧力センサー付き鉗子30Aにおいては、第1リード線22及び複数の第2リード線23を圧力センサー20の長さ方向に沿って延出し、鉗子のシャフト32の外壁に沿って操作部33側まで延在させた例を示した。変形例1及び2の圧力センサー付き鉗子30B及び30Cでは、複数の第2リード線23を圧力センサー20が取り付けられている第1顎部31aの背面側に沿って配置したものである。
変形例1の圧力センサー付き鉗子30Bは、図7Aに示したように、圧力センサー20の第2電極となる異方導電性布10の複数の導電性糸12のそれぞれに接続されている第2リード線23を、圧力センサー20が設けられている第1顎部31aの背面側に固定してものである。
なお、変形例1の圧力センサー付き鉗子30Bでは、第1リード線22を圧力センサー20の両端部にそれぞれ設け、複数の第2リード線23の一部とともに束ねられ、別途シャフト32の外壁に沿って操作部33の近傍まで延在させた例を示してある。変形例1の圧力センサー付き鉗子30Bによれば、第2リード線23の固定を行い易くなる他は実質的に実施形態1の圧力センサー付き鉗子30Aと同様の作用効果を奏することができるようになる。
変形例2の圧力センサー付き鉗子30Cは、図7Bに示したように、圧力センサー20の第2電極となる異方導電性布10の複数の導電性糸12を隣接する複数本毎に第2リード線23に接続したものである。このような構成とすると、第2リード線23の数が減るので、第2リード線23の固定を行い易くなる。ただし、変形例2の圧力センサー付き鉗子30Cでは、変形例1の圧力センサー付き鉗子30Bと比すると分解能は低下するが、隣接する複数本の導電性糸12が設けられた領域毎に平均化された圧力分布を測定することができるようになる。
なお、圧力センサー付き鉗子として、図4Aに示した変形例1及び図4Cに示した変形例3の圧力センサー20B、20Dを用いた場合には、図7A及び図7Bに示した変形例1及び2の圧力センサー付き鉗子30B、30Cの構成を採用すると、第2リード線23の配線が特に容易となる。
また、実施形態1の圧力センサー付き鉗子30Aにおいては、複数の第2リード線23を鉗子のシャフト32の外壁に沿って操作部33側まで延在させた例を示したが、第2リード線23は細いために絡みやすい。そこで、変形例3の圧力センサー付き鉗子30Dでは、鉗子のシャフト32の外表面に沿って複数の導電性糸34を有するリード線用異方導電性布35を固定し、このリード線用異方導電性布35の複数の導電性糸34に第2リード線23としての機能を持たせたものである。なお、リード線用異方導電性布35における導電性糸34としてはエナメル線等の表面が絶縁された導電線からなるものを用いている。
このような構成の変形例3の圧力センサー付き鉗子30Dによれば、リード線用異方導電性布35の複数の導電性糸34は所定間隔で平行に固定されているために絡むことがないので、第2リード線23の取り扱いが容易となる。なお、圧力センサー20の第2電極としての異方導電性布10の複数の導電性糸12とリード線用異方導電性布35の複数の導電性糸34との間の接続は、別途リード線によって接続する方法や、変形例1又は2に示されているような構成の第1顎部31aの背面に設けられた第2リード線23を利用する方法を採用し得る。なお、リード線用異方導電性布35を用いる場合には、図4Dに示したような細径ケーブル状のものも使用し得る。
実施形態2(圧力センサー付き鉗子2)]
実施形態2の圧力センサー付き鉗子30Eを図8を用いて説明する。なお、図8A〜図8Dは、実施形態2の圧力センサー付き鉗子の製造工程を順を追って説明する図である。なお、図8においては、参考例の圧力センサー20A及び実施形態1の圧力センサー付き鉗子30Aと同一の構成部分には同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略する。
まず、図8Aに示したように、鉗子の第1顎部31aの稜線に沿って線状圧力感応部17を固定する。次いで、図8Bに示したように、第1の異方導電性布10aを、第1の異方導電性布10aの複数の導電性糸12aが線状圧力感応部17の第1電極15(図2参照)と実質的に直交する方向となるように、鉗子の第1顎部31aの把持面側から線状圧力感応部17の先端側の表面を覆うとともに第1顎部31aの外表面を覆うように設ける。なお、第1の異方導電性布10aの複数の導電性糸12aが鉗子の第1顎部31aに直接接触しないようにするため、第1の異方導電性布10aの鉗子の第1顎部31aと接触する側を電気的に絶縁することが好ましい。このうち、第1の異方導電性布10aにおける複数の導電性糸12aが鉗子の先端側の線状圧力感応部17の外表面と接触している部分が本発明の圧力センサーの一部を形成する。
次いで、図8Cに示したように、第1顎部31aの外表面を覆う第1の異方導電性布10a上及び把持面側を覆う第1の異方導電性布10a上にそれぞれ絶縁性部材36又はシート状感圧部材37を配置する。なお、把持面側の絶縁性部材36及びシート状感圧部材37については図示省略した。絶縁性部材36及びシート状感圧部材37としては厚さが薄いものが好ましく、また、絶縁性部材36としては絶縁フィルムあるいは絶縁性塗料を用いることができる。
次いで、図8Dに示したように、第2の異方導電性布10bを、第2の異方導電性布10bの複数の導電性糸12bが第1顎部31aの両側面側の線状圧力感応部17における第1電極15の延在方向と実質的に直交する方向に、第1顎部31aの把持面側から線状圧力感応部の一方の側面を覆うとともに絶縁性部材36又はシート状感圧部材37の表面も覆い、さらに、線状圧力感応部17の他方の側面を覆うとともに第1顎部31aの把持面側の絶縁性部材36又はシート状感圧部材37まで覆う。このうち、第2の異方導電性布10bにおける複数の導電性糸12bが第1顎部31aの両側面側の線状圧力感応部17の外表面と接触している部分も本発明の圧力センサーの一部を形成する。
その後、第1の異方導電性布10aにおける複数の導電性糸12aのそれぞれに第2リード線23を接続し、第2の異方導電性布10bにおける複数の導電性糸12bのそれぞれに第3リード線38を接続し、これらの第2リード線22及び第3リード線38ともに、実施形態1の圧力センサー付き鉗子30Aの場合と同様にして、適宜にシャフト32の外壁に固定する。これにより、実施形態2の圧力センサー付き鉗子30Eが得られる。
実施形態2の圧力センサー付き鉗子30Eによれば、第1リード線22と第2リード線23との間の出力を測定することにより、鉗子の先端側に加わった圧力分布を測定することができるようになる。しかも、実施形態2の圧力センサー付き鉗子30Eによれば、第1の異方導電性布10aを鉗子の第1顎部31aの先端側に位置する線状圧力感応部17の一部を被覆するように取付けること、及び、第2の異方導電性布10bを鉗子の第1顎部31aの両側面に位置する線状圧力感応部17の一部を被覆するように取り付けることが容易となる。また、第1の異方導電性布10aが鉗子の第1顎部31aの背面を経て鉗子のシャフト32側まで延在されているので、第1の異方導電性布10aの第2電極として作動する導電性糸12aと第2リード線23との接続も行い易くなる。
加えて、実施形態2の圧力センサー付き鉗子30Eにおいては、鉗子の第1顎部31aの両側面側の線状圧力感応部17同士が第2の異方導電性布10bにおける導電性糸12bにより短絡された形になっている。そのため、第3のリード線38のそれぞれと第1のリード線22との間の出力は、絶縁性部材36及びシート状感圧部材37のいずれが用いられた場合でも、鉗子の第1顎部31aの両側面側の線状圧力感応部17に加わっている圧力の平均値に基づく圧力分布が測定されることになる。
また、シート状感圧部材37が用いられた場合には、第1の異方導電性布10aと第2の異方導電性布10bとの間にシート状感圧部材37が配置されているから、第1の異方導電性布10aのそれぞれの導電性糸12aと第2の異方導電性布10bのそれぞれの導電性糸12bとの平面視における交点はそれぞれ圧力感応部となり、平面状の圧力分布を測定し得る面状圧力センサーを形成する。そのため、複数の第2リード線23と複数の第3リード線のそれぞれの出力を測定することにより、実施形態2の圧力センサー付き鉗子30Eの把持面側の把持力分布及び外面側の圧力分布を測定し得るようになる。
実施形態3(圧力センサー付き鉗子3)]
実施形態3の圧力センサー付き鉗子30Fを図9を用いて説明する。なお、図9A〜図9Dは、実施形態3の圧力センサー付き鉗子の製造工程を順を追って説明する図である。なお、図9においては、参考例の圧力センサー20A及び実施形態2の圧力センサー付き鉗子30Eと同一の構成部分には同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略する。
まず、図9Aに示したように、鉗子の第1顎部31aの稜線に沿って線状圧力感応部17を固定する。次いで、図9Bに示したように、異方導電性布10を、異方導電性布10の複数の導電性糸12が線状圧力感応部17の第1電極15(図2参照)と実質的に直交する方向となるように、鉗子の第1顎部31aの把持面側から線状圧力感応部17の先端側の表面を覆うとともに第1顎部31aの外表面を覆うように設ける。この場合も、異方導電性布10の複数の導電性糸12が鉗子の第1顎部31aに直接接触しないようにするため、異方導電性布10の鉗子の第1顎部31aと対向する側を電気的に絶縁することが好ましい。このうち、異方導電性布10における複数の導電性糸12が鉗子の先端側の線状圧力感応部17の外表面と接触している部分が本発明の圧力センサーの一部を形成する。
次いで、図9Cに示したように、第1顎部31aの外表面を覆う異方導電性布10上に複数の第2の線状圧力感応部39をそれぞれが互いに平行になるように配置する。第2の線状圧力感応部39としては、参考例の圧力センサー20における線状圧力感応部17と同様の構成のものを使用し得る。次いで、それぞれの第2の線状圧力感応部39の両端側の導電性部材40をそれぞれ鉗子の第1顎部31aの両側端側に位置する線状圧力感応部17の表面に接触させる。これらの第2の線状圧力感応部39の両端側の導電性部材40が第1顎部31aの両側面側の線状圧力感応部17の外表面と接触している部分も本発明の圧力センサーの一部を形成する。
その後、異方導電性布10における複数の導電性糸12のそれぞれに対して第2リード線23を接続し、複数の第2の線状圧力感応部39のそれぞれの導電性部材40に対して第3リード線38を接続し、実施形態1の圧力センサー付き鉗子30Aの場合と同様にして、第1リード線22、これらの第2リード線23及び第3リード線38とともに適宜に束ねてシャフト32の外壁に固定する。これにより、実施形態3の圧力センサー付き鉗子30Fが得られる。
この実施形態3の圧力センサー付き鉗子30Fによれば、実施形態1の圧力センサー付き鉗子30Aと実質的に同様の作用効果を奏するほか、異方導電性布10を鉗子の顎部の先端側に位置する線状圧力感応部17の一部を被覆するように取付けることが容易となる。しかも、異方導電性布10が鉗子の第1顎部31aの背面を経て鉗子のシャフト32側まで延在されているので、異方導電性布10の第2電極として作動する導電性糸12と第2リード線23との接続も行い易くなる。
加えて、実施形態3の圧力センサー付き鉗子30Fにおいては、鉗子の両側面側の線状圧力感応部17同士が複数の第2の線状圧力感応部39の導電性部材40により短絡された形になっている。そのため、第3のリード線38のそれぞれと第1のリード線22との間の出力は、鉗子の第1顎部31aの両側面側の線状圧力感応部17に加わっている圧力の平均値に基づく圧力分布が測定されることになる。
また、複数の第2の線状圧力感応部39が異方導電性布10上に設けられているため、それぞれの第2の線状圧力感応部39の導電性部材40と異方導電性布10の複数の導電性糸12との平面視における交点はそれぞれ圧力感応部となり、平面状の圧力分布を測定し得る面状圧力センサーを形成する。そのため、複数の第2リード線23と複数の第3リード線のそれぞれの出力を測定することにより、実施形態3の圧力センサー付き鉗子30Fの外面側の圧力分布を測定し得るようになる。
実施形態4(圧力センサー付き鉗子4)]
実施形態4の圧力センサー付き鉗子30Gを図10を用いて説明する。なお、図10Aは、実施形態4の圧力センサー付き鉗子の一方の把持面側の平面図であり、図10B(a)は図10AのXB部分の模式拡大図であり、図10B(b)は同じく縫合糸を把持した際の模式拡大図であり、図10B(c)は同じく縫合糸を引っ張ったとき模式拡大図であり、図10C(a)〜(d)は縫合糸を把持した際の線状圧力感応部の状態を順を追って説明するための模式拡大断面図である。ただし、図10B及び図10Cにおいては、動作原理を理解しやすいようにするため、複数の第2の線状圧力感応部39の間隔は縮小して記載してあり、図10B(c)及び図10C(d)においては、複数の線状圧力感応部39の変形度合いを誇張して記載してある。なお、図10においては、図9に示した実施形態3の圧力センサー付き鉗子20Fと同一の構成部分には同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略する。
まず、図9に示した実施形態3の圧力センサー付き鉗子20Fと同一構成のものを用意する。このとき、図10Aに示したように、異方導電性布10が第1顎部21aの把持面41の大部分を覆うように延在させる。次いで、第1顎部31aの把持面41側を覆う異方導電性布10上に複数の第2の線状圧力感応部39をそれぞれが互いに平行になるように配置する。次いで、それぞれの第2の線状圧力感応部39の両端側の導電性部材40をそれぞれ鉗子の第1顎部31aの両側端側に位置する線状圧力感応部17の表面に接触させるとともに、導電性糸12が存在しない位置で、一対の固定部材42によって線状圧力感応部39を異方導電性布10の表面に固定する。
これらの把持面41側に設けられた第2の線状圧力感応部39の両端側の導電性部材40が第1顎部31aの両側面側の線状圧力感応部17の外表面と接触している部分も、本発明の圧力センサーの一部を形成する。なお、導電性糸12と第2の線状圧力感応部39との接点は、固定せず、両者が接触した状態のまま摺動可能とされている。
その後、把持面41側に設けられた第2の線状圧力感応部39の両端側のそれぞれの導電性部材40にも、図9Dに示した実施形態3の圧力センサー付き鉗子20Fの場合と同様に、第3リード線38を接続し、適宜に束ねてシャフト(図示省略)の外壁に固定する。これにより、実施形態4の圧力センサー付き鉗子30Gが得られる。
この実施形態4の圧力センサー付き鉗子30Gの使用形態を図10B及び図10Cを用いて説明する。使用前の第1顎部31aと第2顎部31bの配置状態は図10C(a)に示したとおりである。この状態から、縫合糸43を把持するために第1顎部31aと第2顎部31bを閉じると、その直後は図10C(b)に示したように、個々の線状圧力感応部39は元の形状を維持している。
さらに、縫合糸43に対して所定の操作を行うために、第1顎部31aと第2顎部31bに対して所定の把持力を加えると、図10C(c)に示したように、線状圧力感応部39の感圧部材16(図2参照)が潰れて変形する。この時の複数の第2の圧力感応部39の導電性部材40と異方導電性布10の複数の導電性糸12との間の出力を測定すると、縫合糸43の把持圧力の一次元分布を測定することができる。また、ここで縫合糸43に換えて組織(図示省略)を把持させると、複数の第2の圧力感応部39の導電性部材40と異方導電性布10の複数の導電性糸12との間の出力を測定することによって、組織の把持圧力の分布を測定することができる。
縫合糸43を把持した状態で、圧力センサー付き鉗子30Gを図10B及び図10Cにおける左方向へ引っ張ると、縫合糸43に対して引っ張り力44が印加されるが、線状圧力感応部39は、両端側が固定部材42によって異方導電性布10に固定されているが導電性糸12に対しては固定されていないため、図10B(c)及び図10C(d)に示したように、導電性糸12と接している部分が右側に引っ張られて変形する。これにより、複数の線状圧力感応部39の導電性材料40間の出力を測定することにより、横方向の引っ張り力、すなわち、縫合糸43を引っ張っている力を測定することができるようになる。
10、10a、10b…異方導電性布 11…非導電性繊維の織物
12、12a、12b…導電性糸 15…第1電極(線状の導電性材料)
16…感圧部材 17…線状圧力感応部
20、20A〜20D…圧力センサー 21…第2電極
22…第1リード線 23…第2リード線
24…溝部 25…リード線用異方導電性布
26…(リード線用異方導電性布の)導電性糸 27…細線状の絶縁性部材
28…細径ケーブル
30、30A〜30F…圧力センサー付き鉗子 31a…第1顎部
31b…第2顎部 32…シャフト
33…操作部 33a…ハンドル
33b…レバー 34…導電性糸
35…リード線用異方導電性布 36…絶縁性部材
37…シート状感圧部材 38…第3リード線
39…第2の線状圧力感応部 40…導電性材料
41…把持面 42…固定部材
43…縫合糸 44…引っ張り力

Claims (13)

  1. 線状の導電性材料からなる第1電極及び前記第1電極の周囲を覆う加圧されることにより電気的特性が変化する感圧部材からなる線状圧力感応部と、
    前記線状圧力感応部の表面に形成された第2電極と、
    前記第1電極に接続された第1リード線と、
    前記第2電極に接続された第2リード線と、
    鉗子と、
    を有する圧力センサー付き鉗子であって、
    平面視で直線状かつ平行に、互いに離間して配置された複数の導電性糸が織り込まれ又は縫い込まれた異方導電性布を有し、
    前記線状圧力感応部は、前記鉗子の少なくとも一方の顎部の稜線に沿って取り付けられており
    前記異方導電性布は、前記複数の導電性糸が前記線状圧力感応部における第1電極の延在方向とは交差する方向となるように、前記線状圧力感応部の表面の少なくとも一部を被覆しており、
    前記異方導電性布の複数の導電性糸のそれぞれが第2電極を構成し、
    前記第2リード線は複数設けられ、
    前記複数の第2電極は、それぞれ個別に又は隣接する複数本毎に、それぞれ前記複数の第2リード線のいずれかに接続されており、
    前記第1リード線及び前記複数の第2リード線はともに前記鉗子のシャフトの表面に沿って前記鉗子の操作部側まで延在されている、
    圧力センサー付き鉗子。
  2. さらに平面視で直線状かつ平行に、互いに離間して配置された複数の導電性糸が織り込まれ又は縫い込まれたリード線用異方導電性布を有し、
    前記リード線用異方導電性布における前記複数の導電性糸が前記複数の第2リード線を構成している、請求項に記載の圧力センサー付き鉗子。
  3. 前記リード線用異方導電性布は前記第2電極を構成する前記異方導電性布と一体化されている、請求項に記載の圧力センサー付き鉗子。
  4. 前記リード線用異方導電性布は前記第1リード線も兼ねている、請求項2又は3に記載の圧力センサー付き鉗子。
  5. 前記リード線用異方導電性布は、前記複数の導電性糸が細線状の絶縁性部材に沿うように、前記細線状の絶縁性部材の表面に巻き付けられて細径ケーブルを形成している、請求項2〜4のいずれかに記載の圧力センサー付き鉗子。
  6. 前記異方導電性布は第1及び第2の異方導電性布からなり、
    前記第1の異方導電性布は、前記複数の導電性糸が前記顎部の先端側の線状圧力感応部における第1電極の延在方向とは交差する方向となるように、前記鉗子の前記線状圧力感応部が取り付けられた顎部の把持面側から前記線状圧力感応部の先端側の表面を覆うとともに前記顎部の外表面を覆うように設けられており、
    前記顎部の外表面及び把持面側を覆う前記第1の異方導電性布上にはそれぞれ絶縁性部材が配置され、
    前記第2の異方導電性布が、前記第2の異方導電性布の前記複数の導電性糸が前記顎部の両側面側の線状圧力感応部における第1電極の延在方向とは交差する方向となるように、前記鉗子の前記線状圧力感応部が取り付けられた顎部の把持面側から、前記線状圧力感応部の一方の側面、前記絶縁性部材の表面、及び、前記線状圧力感応部の他方の側面を覆うとともに前記顎部の把持面側の絶縁性部材も覆うように設けられており、
    前記第1の異方導電性布の複数の導電性糸にそれぞれ前記第2リード線が接続され、
    前記第2の異方導電性布の複数の導電性糸にそれぞれ第3リード線が接続されており、
    前記複数の第3リード線は前記第1リード線及び前記複数の第2リード線とともに前記鉗子のシャフトの表面に沿って前記鉗子の操作部側まで延在されている、
    請求項に記載の圧力センサー付き鉗子。
  7. 前記異方導電性布は第1の異方導電性布及び第2の異方導電性布からなり、
    前記第1の異方導電性布は、前記複数の導電性糸が前記顎部の先端側の線状圧力感応部における第1電極の延在方向とは交差する方向となるように、前記鉗子の前記線状圧力感応部が取り付けられた顎部の把持面側から前記線状圧力感応部の先端側の表面を覆うとともに前記顎部の外表面を覆うように設けられており、
    前記顎部の把持面及び外表面を覆う前記第1の異方導電性布上には、それぞれシート状感圧部材が配置され、
    前記第2の異方導電性布が、前記第2の異方導電性布の前記複数の導電性糸が前記顎部の両側面側の線状圧力感応部における第1電極の延在方向とは交差する方向となるように、前記鉗子の前記線状圧力感応部が取り付けられた顎部の把持面側から、前記線状圧力感応部の一方の側面、前記シート状感圧部材の表面、及び、前記線状圧力感応部の他方の側面を覆うとともに前記顎部の把持面側のシート状感圧部材も覆うように設けられており、
    前記第1の異方導電性布の複数の導電性糸にそれぞれ前記第2リード線が接続され、
    前記第2の異方導電性布の複数の導電性糸にそれぞれ第3リード線が接続されおり、
    前記複数の第3リード線は前記第1リード線及び前記複数の第2リード線とともに前記鉗子のシャフトの表面に沿って前記鉗子の操作部側まで延在されている、
    請求項に記載の圧力センサー付き鉗子。
  8. さらに線状の導電性材料及び前記線状の導電性材料の周囲を覆う加圧されることにより電気的特性が変化する感圧部材からなる第2の線状圧力感応部を複数有し、
    前記異方導電性布は、前記複数の導電性糸が前記顎部の先端側の線状圧力感応部における第1電極の延在方向とは交差する方向となるように、前記鉗子の前記線状圧力感応部が取り付けられた顎部の把持面側から前記線状圧力感応部の先端側の表面を覆うとともに前記顎部の外表面を覆うように設けられており、
    さらに、前記複数の第2の線状圧力感応部が、互いに平行に、かつ前記顎部の外表面を覆う異方導電性布の複数の導電性糸と交差する方向に、前記顎部の外表面を覆う異方導電性布に配置され、
    前記複数の第2の線状圧力感応部のそれぞれの両端の線状の導電性材料はそれぞれ両側面側の前記線状圧力感応部の外表面と接触しており、
    前記複数の第2の線状圧力感応部の線状の導電性材料にはそれぞれ第3リード線が接続され、
    前記複数の第3リード線は前記第1リード線及び前記複数の第2リード線とともに前記鉗子のシャフトの表面に沿って前記鉗子の操作部側まで延在されている、
    請求項に記載の圧力センサー付き鉗子。
  9. さらに前記複数の第2の線状圧力感応部が、互いに平行に、かつ前記顎部の把持面を覆う異方導電性布の複数の導電性糸と交差する方向に、前記顎部の把持面を覆う異方導電性布上にも配置されているとともに、両端側でのみ前記顎部の把持面を覆う異方導電性布上に固定されており、
    前記把持面側の複数の第2の線状圧力感応部のそれぞれの両端の線状の導電性材料はそれぞれ両側面側の前記線状圧力感応部の外表面と接触しており、
    前記把持面側の複数の第2の線状圧力感応部の線状の導電性材料にもそれぞれ第3リード線が接続されている、
    請求項に記載の圧力センサー付き鉗子。
  10. さらに平面視で直線状かつ平行に、互いに離間して配置された複数の導電性糸が織り込まれ又は縫い込まれたリード線用異方導電性布を有し、
    前記リード線用異方導電性布における前記複数の導電性糸が前記複数の第2リード線を構成している、請求項6〜9のいずれかに記載の圧力センサー付き鉗子。
  11. 前記リード線用異方導電性布は前記第2電極を構成する前記第1の異方導電性布と一体化されている、請求項10に記載の圧力センサー付き鉗子。
  12. 前記リード線用異方導電性布は前記第1リード線及び第3リード線も兼ねている、請求項10又は11に記載の圧力センサー付き鉗子。
  13. 前記リード線用異方導電性布は、前記複数の導電性糸が細線状の絶縁性部材に沿うように、前記細線状の絶縁性部材の表面に巻き付けられて細径ケーブルを形成している、請求項10〜12のいずれかに記載の圧力センサー付き鉗子。
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