JP6433711B2 - 酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤及び食品の保存方法 - Google Patents
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Description
アルコール蒸気発生型脱酸素剤や脱酸素剤は、食品包装体中に配置して使用される。
上記問題があるものの、酸素検知剤を、アルコール含有食品と脱酸素剤、若しくはアルコール蒸気発生型脱酸素剤とアルコール非含有食品と共に食品包装体に同封する程度であれば、使用されてきた。
その結果、食品を製造する際の行程が煩雑となってしまうという問題や、場合によっては、酸素検知剤の配置漏れが生じてしまうなどの問題が生じていた。
しかしながら、上記各提案では、酸素検知剤とアルコール蒸気発生型脱酸素剤とを一体化することについて記載も示唆もされていない。
<1> 酸素検知剤と、アルコール蒸気発生型脱酸素剤とが接着されてなり、
前記酸素検知剤が、酸素検知材をフィルム包装材に封入したものであり、
前記フィルム包装材が、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムを少なくとも備えることを特徴とする酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤である。
<2> 酸素検知剤と、アルコール蒸気発生型脱酸素剤とが接着されてなり、
前記酸素検知剤が、酸素検知材をフィルム包装材に封入したものであり、
前記フィルム包装材は、厚さ方向に積層された内面側フィルムと外面側フィルムとを少なくとも備え、
前記外面側フィルムが、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムであることを特徴とする酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤である。
<3> 酸素検知剤と、アルコール蒸気発生型脱酸素剤とが接着されてなり、
前記酸素検知剤が、酸素検知材をフィルム包装材に封入したものであり、
前記フィルム包装材は、厚さ方向に積層された内面側フィルムと外面側フィルムとを少なくとも備え、
前記内面側フィルムと、前記外面側フィルムとが、イソシアネート系接着剤を用いてラミネート加工により接着されてなることを特徴とする酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤である。
<4> 酸素検知剤と、アルコール蒸気発生型脱酸素剤とが接着されてなり、
前記酸素検知剤が、酸素検知材をフィルム包装材に封入したものであり、
前記フィルム包装材は、厚さ方向に積層された内面側フィルムと外面側フィルムとを少なくとも備え、
前記外面側フィルムが、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムであり、
前記内面側フィルムと、前記外面側フィルムとが、イソシアネート系接着剤を用いてラミネート加工により接着されてなることを特徴とする酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤である。
<5> 内面側フィルムが、孔を有さないポリエチレンフィルムである前記<2>から<4>のいずれかに記載の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤である。
<6> ポリエチレンフィルムが、低密度ポリエチレンフィルム、中密度ポリエチレンフィルム、及び高密度ポリエチレンフィルムからなる群から選ばれるいずれかである前記<5>に記載の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤である。
<7> ラミネート加工が、押出ラミネート加工及びドライラミネート加工のいずれかである前記<3>から<6>のいずれかに記載の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤である。
<8> 酸素検知材をフィルム包装材に封入した酸素検知剤であって、
前記フィルム包装材が、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムを少なくとも備えることを特徴とする酸素検知剤である。
<9> 酸素検知材をフィルム包装材に封入した酸素検知剤であって、
前記フィルム包装材は、厚さ方向に積層された内面側フィルムと外面側フィルムとを少なくとも備え、
前記外面側フィルムが、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムであることを特徴とする酸素検知剤である。
<10> 酸素検知材をフィルム包装材に封入した酸素検知剤であって、
前記フィルム包装材は、厚さ方向に積層された内面側フィルムと外面側フィルムとを少なくとも備え、
前記内面側フィルムと、前記外面側フィルムとが、イソシアネート系接着剤を用いてラミネート加工により接着されてなることを特徴とする酸素検知剤である。
<11> 酸素検知材をフィルム包装材に封入した酸素検知剤であって、
前記フィルム包装材は、厚さ方向に積層された内面側フィルムと外面側フィルムとを少なくとも備え、
前記外面側フィルムが、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムであり、
前記内面側フィルムと、前記外面側フィルムとが、イソシアネート系接着剤を用いてラミネート加工により接着されてなることを特徴とする酸素検知剤である。
<12> 食品を収納した包装体中に、前記<1>から<7>のいずれかに記載の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤、及び前記<8>から<11>のいずれかに記載の酸素検知剤の少なくともいずれかを配置する工程を含むことを特徴とする食品の保存方法である。
本発明の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤は、酸素検知剤と、アルコール蒸気発生型脱酸素剤とが接着されてなり、必要に応じて更にその他の構成を含む。
前記酸素検知剤は、酸素検知材がフィルム包装材に封入されてなり、必要に応じて更にその他の構成を含む。
前記酸素検知材としては、特に制限はなく、公知の酸素検知材を適宜選択することができる。
前記酸素検知材の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、錠剤状、シート状、粉末状、ペースト状などが挙げられる。
前記アルカリ金属化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナトリウム、カリウムなどの水酸化物、炭酸塩などが挙げられる。これらの中でも水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
前記還元性糖類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、D−マンノース、D−グルコース、D−フラクトース、D−エリスロース、D−アラビノースなどの単糖類、マルトース、ラクトースなどの単糖類分子からなるものなどが挙げられる。
前記還元性糖類によって還元される色素としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチレンブルー、ニューメチレンブルー、ラウスバイオレット、メチレングリーンなどが挙げられる。
前記還元性糖類によって還元されない色素としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サフラニンT、フェノサフラニンなどが挙げられる。
前記フィルム包装材は、単層フィルムからなるものであってもよいし、積層フィルムからなるものであってもよいが、厚さ方向に積層された内面側フィルムと外面側フィルムとを少なくとも備えることが好ましい。
前記内面側フィルムとは、前記酸素検知材側に位置するフィルムを言い、前記外面側フィルムとは、前記内面側フィルムの前記酸素検知材側とは反対側に位置するフィルムを言う。
前記単層フィルムとしては、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、「防湿OPP」と称することがある)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、孔を有しないことが好ましい。
前記防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムの市販品としては、例えば、二軸延伸ポリプロピレンフィルム QH−1(フタムラ化学株式会社製)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム WH−OP HM−1、HE−1(三井化学東セロ株式会社製)などが挙げられる。
前記単層フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm〜50μmが好ましく、10μm〜35μmがより好ましく、15μm〜30μmが特に好ましい。前記単層フィルムの厚みが、前記好ましい範囲内であると、酸素検知材の変色速度の遅延を抑制しつつ、転写異常、検知紙異常、及び酸素検知材の色素の食品への移行をより抑制することができる点で、有利である。
−−外面側フィルム−−
本発明における前記外面側フィルムの第1の態様は、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムである。前記防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、孔を有しないことが好ましい。
前記公知の樹脂フィルムは、市販品を用いることができる。
前記外面側フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm〜50μmが好ましく、10μm〜35μmがより好ましく、15μm〜30μmが特に好ましい。前記外面側フィルムの厚みが、前記好ましい範囲内であると、酸素検知材の変色速度の遅延を抑制しつつ、転写異常、検知紙異常、及び酸素検知材の色素の食品への移行をより抑制することができる点で、有利である。
前記内面側フィルムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンフィルム、無延伸ポリプロピレンフィルムなどが挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンフィルムが好ましく、孔を有さないポリエチレンフィルムがより好ましい。
前記ポリエチレンフィルムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(以下、「LLDPE」と称することがある)、低密度ポリエチレンフィルム(以下、「LDPE」と称することがある)、中密度ポリエチレン(以下、「MDPE」と称することがある)、高密度ポリエチレンフィルム(以下、「HDPE」と称することがある)などが挙げられる。これらの中でも、低密度ポリエチレンフィルム、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが、転写異常を抑制できる点で、好ましい。
前記低密度ポリエチレンフィルム、前記中密度ポリエチレン、前記高密度ポリエチレンフィルムは、市販品を用いることができる。
前記内面側フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、15μm〜45μmが好ましく、20μm〜40μmがより好ましく、25μm〜35μmが特に好ましい。前記内面側フィルムの厚みが、前記好ましい範囲内であると、酸素検知材の変色速度の遅延を抑制しつつ、転写異常、検知紙異常、及び酸素検知材の色素の食品への移行をより抑制することができる点で、有利である。
前記外面側フィルムと、前記内面側フィルムとの積層フィルムを製造する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ラミネート加工が好ましい。
前記第2の態様の外面側フィルムを用いる場合における前記ラミネート加工に用いられる接着剤は、イソシアネート系接着剤である。
前記イソシアネート系接着剤とは、イソシアネート(−N=C=Oという部分構造を有する化合物)を主成分とする接着剤をいい、市販品としては、アドロック(ロックペイント株式会社製)などが挙げられる。
前記イミン系接着剤としては、ポリエチレンイミン又はその変性物を主成分とするものが好ましく挙げられる。
前記積層フィルムは、二層以上であれば、特に制限はなく、三層以上の構成としてもよい。
また、前記積層フィルムの組合せとしても、特に制限はなく、片面を前記第1の態様とし、他の面を前記第2の態様とするなどが挙げられる。
前記任意のフィルムとしては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、公知のフィルムを適宜選択することができる。
前記アルコール透過度は、後述する試験例に記載の方法で測定することができる。
前記酸素透過性は、日本工業規格(JIS Z 1707)の酸素透過率の測定方法により測定することができる。
日本工業規格(JIS Z 1707)の酸素透過率の測定方法により測定した前記積層フィルムの酸素透過率としては、500mL/m2・24時間以上であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、800mL/m2・24時間以上が好ましい。
前記水蒸気透過性は、日本工業規格(JIS Z 0208 条件B)の水蒸気透過率の測定方法により測定することができる。
日本工業規格(JIS Z 0208 条件B)の水蒸気透過率の測定方法により測定した前記単層フィルム、又は積層フィルムの水蒸気透過率としては、20g/m2・24時間,40℃・90%RH以下であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10g/m2・24時間,40℃・90%RH以下が好ましい。
前記フィルム包装材に前記酸素検知材を封入する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、前記フィルム包装材を4方シール機で3方シールした後、前記酸素検知材を入れて残りの一方をシールする方法などが挙げられる。
前記アルコール蒸気発生型脱酸素剤は、酸素を除去すると共にアルコールを発生させるものである。
前記アルコール蒸気発生型脱酸素剤としては、特に制限はなく、公知のアルコール蒸気発生型脱酸素剤を適宜選択することができる。
前記イオン交換体の具体例としては、陰イオン交換樹脂、キトサン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。
前記その他の構成としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記酸素検知剤と、前記アルコール蒸気発生型脱酸素剤とを接着させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、両面テープ、接着剤、糊料などで貼り付ける方法などが挙げられる。
前記酸素検知剤は、前記アルコール蒸気発生型脱酸素剤の表面の全体に接着されていてもよいし、表面の一部に接着されていてもよい。
そのため、後述する試験例で示すように、複数の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤を1つの包装袋に入れた状態で保管した場合における、転写異常や酸素検知剤異常の発生を抑制し、長期間保管することができる。また、食品と酸素検知剤とが接触した状態で保管した場合であっても、酸素検知材に含まれる色素が食品へ移行することを抑制することができる。
本発明の酸素検知剤は、酸素検知材がフィルム包装材に封入されてなり、必要に応じて更にその他の構成を含む。
本発明の酸素検知剤は、上記した本発明の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤における酸素検知剤の項目に記載したものと同様である。
本発明の酸素検知剤は、本発明の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤に好適に用いることができるが、単独で使用してもよい。
本発明の食品の保存方法は、食品を収納した包装体中に、本発明の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤、及び本発明の酸素検知剤の少なくともいずれかを配置する工程を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
酸素検知剤のフィルム包装材に用いるフィルムについて、検討した。
防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚み20μm)と、低密度ポリエチレンフィルム(厚み20μm)とからなる積層フィルム−1を、ラミネート装置としてバーコータを用いたドライラミネート加工により、以下のようにして作製した。
防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルム(QH−1、フタムラ化学社製、孔を有さない)の表面に、有機溶剤を溶かした接着剤(アドロック(ロックペイント株式会社製))を塗布した。前記接着剤中の溶剤を熱風で蒸発乾燥させた後、低密度ポリエチレンフィルム(V−1、タマポリ株式会社製、孔を有さない)を貼り合わせ、冷却し、巻き取って積層フィルムとした。
前記積層フィルム−1の作製における低密度ポリエチレンフィルムの厚みを30μmに変えた以外は、前記積層フィルム−1の作製と同様にして、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚み20μm)と、低密度ポリエチレンフィルム(厚み30μm)とからなる積層フィルム−2を作製した。
前記積層フィルム−1の作製における低密度ポリエチレンフィルムを高密度ポリエチレンフィルム(HD、タマポリ株式会社製、厚み40μm、孔を有さない)に代えた以外は、前記積層フィルム−1の作製と同様にして、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚み20μm)と、高密度ポリエチレンフィルム(厚み40μm)とからなる積層フィルム−3を作製した。
前記積層フィルム−2の作製における防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムを二軸延伸ポリプロピレンフィルム(FOR、フタムラ化学社製、厚み25μm、孔を有さない)に代えた以外は、前記積層フィルム−2の作製と同様にして、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚み25μm)と、低密度ポリエチレンフィルム(厚み30μm)とからなる積層フィルム−4(対照)を作製した。
単層フィルム−1として、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルム(QH−1、フタムラ化学社製、孔を有さない、厚み30μm)を用意した。
前記積層フィルム−1〜4、及び単層フィルム−1のアルコール透過度について、以下のようにして試験した。結果を表1に示す。
120mm×120mm寸法の前記積層フィルムを折り曲げ、ヒートシールにより3辺を10mm幅でシールして袋を形成し、その中に無水エタノールを3g入れ、残りの1辺を10mm幅でシールしたものを試料とした。
前記試料を40℃中に24時間放置し、減量よりアルコール透過度(以下、「エタノール蒸気透過度」と称することがある)を求めた。
なお、前記アルコール透過度の単位は、g/m2・24時間,40℃である。例えば、エタノール減量が0.2gの場合は、20g/m2・24時間,40℃となる。前記アルコール透過度は、値の小さいほうがより「耐アルコール蒸気透過性」が良いと言える。なお、40℃の条件は、最も悪い条件での保存を考慮している。
前記積層フィルム−1〜4、及び単層フィルム−1の耐アルコール性について、以下のようにして試験した。
前記前記積層フィルム−1〜4、及び単層フィルム−1をアルコールに浸漬し、25℃で24時間保持した後の変色の有無、積層フィルムについては、剥離の有無についても目視で確認した。
前記試験の結果、いずれのフィルムにおいても変色は見られず、また、いずれの積層フィルムにおいても、剥離は見られず、前記フィルムは、耐アルコール性を有していた。
酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤としたときの酸素検知剤の安定性について検討した。
−酸素検知材−
1.0% ニューメチレンブルー水溶液 15質量部、3.0% サフラニンT水溶液 40質量部、40% D−マンノース水溶液 50質量部、及び10% 水酸化ナトリウム水溶液を混合した。前記混合液をパルプ100%の紙に含浸させ、一定水分まで乾燥してシート状としたものを5mm×10mmの寸法に裁断し、酸素検知材とした。
フィルム包装材として、前記試験例1に記載の積層フィルム−1〜4を使用した。
アルコール蒸気発生型脱酸素剤として、エタノール蒸気発生型脱酸素剤であるネガモールド(登録商標)(フロイント産業株式会社製、寸法:40mm×65mm)を用意した。
前記アルコール蒸気発生型脱酸素剤と、前記酸素検知剤−1〜4のそれぞれとを両面テープで貼り付けることにより、酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤−1〜4を作製した(単包製品、図1参照)。図1中、符号1は、酸素検知剤を表し、符号2は、アルコール蒸気発生型脱酸素剤を表す。
前記酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤−1〜4のそれぞれについて、包装用袋(ガスバリヤ性のある袋である、塩化ビニリデンコートポリプロピレンフィルム(23μm)と低密度ポリエチレンフィルム(40μm)とからなる積層フィルムの袋;袋の寸法:210mm×300mm)に、前記単包製品を100個入れて密閉し、15℃、又は20℃で保管し、転写異常、及び酸素検知剤異常が発生するまでの期間(以下、「許容保管期間」と称することがある)を調べた。結果を表2に示す。
なお、転写異常とは、酸素検知材の色素が、フィルム包装材の積層フィルムに移った状態をいい、検知紙異常とは、酸素検知材が濡れた状態をいう。
酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤としたときの酸素検知剤の安定性について検討した。
前記試験例2と同様にして、酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤−1〜4を作製した。
前記酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤−1〜4のそれぞれについて、酸素検知剤側の面と、食品であるバウムクーヘンとを密着させ(図2参照)、包装用袋(ガスバリヤ性のある袋である、塩化ビニリデンコートポリプロピレンフィルム(23μm)と低密度ポリエチレンフィルム(40μm)とからなる積層フィルムの袋;袋の寸法:210mm×150mm)で包装し、35℃で2週間保管し、酸素検知剤の色素のバウムクーヘンへの移行の有無を調べた。結果を表3に示す。
2 アルコール蒸気発生型脱酸素剤
3 酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤
4 バウムクーヘン
Claims (8)
- 酸素検知剤と、アルコール蒸気発生型脱酸素剤とが接着されてなり、
前記酸素検知剤が、酸素検知材をフィルム包装材に封入したものであり、
前記フィルム包装材が、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムを少なくとも備え、
前記フィルム包装材のアルコール透過度が、1.0g/m 2 ・24時間,40℃以下であることを特徴とする酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤。 - 酸素検知剤と、アルコール蒸気発生型脱酸素剤とが接着されてなり、
前記酸素検知剤が、酸素検知材をフィルム包装材に封入したものであり、
前記フィルム包装材は、厚さ方向に積層された内面側フィルムと外面側フィルムとを少なくとも備え、
前記外面側フィルムが、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムであり、
前記フィルム包装材のアルコール透過度が、1.0g/m 2 ・24時間,40℃以下であることを特徴とする酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤。 - 酸素検知剤と、アルコール蒸気発生型脱酸素剤とが接着されてなり、
前記酸素検知剤が、酸素検知材をフィルム包装材に封入したものであり、
前記フィルム包装材が、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムを少なくとも備え、
前記フィルム包装材は、厚さ方向に積層された内面側フィルムと外面側フィルムとを少なくとも備え、
前記内面側フィルムと、前記外面側フィルムとが、イソシアネート系接着剤を用いてラミネート加工により接着されてなり、
前記フィルム包装材のアルコール透過度が、1.0g/m 2 ・24時間,40℃以下であることを特徴とする酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤。 - 酸素検知剤と、アルコール蒸気発生型脱酸素剤とが接着されてなり、
前記酸素検知剤が、酸素検知材をフィルム包装材に封入したものであり、
前記フィルム包装材は、厚さ方向に積層された内面側フィルムと外面側フィルムとを少なくとも備え、
前記外面側フィルムが、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムであり、
前記内面側フィルムと、前記外面側フィルムとが、イソシアネート系接着剤を用いてラミネート加工により接着されてなり、
前記フィルム包装材のアルコール透過度が、1.0g/m 2 ・24時間,40℃以下であることを特徴とする酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤。 - 内面側フィルムが、孔を有さないポリエチレンフィルムである請求項2から4のいずれかに記載の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤。
- ポリエチレンフィルムが、低密度ポリエチレンフィルム、中密度ポリエチレンフィルム、及び高密度ポリエチレンフィルムからなる群から選ばれるいずれかである請求項5に記載の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤。
- ラミネート加工が、押出ラミネート加工及びドライラミネート加工のいずれかである請求項3から6のいずれかに記載の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤。
- 食品を収納した包装体中に、請求項1から7のいずれかに記載の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤を配置する工程を含むことを特徴とする食品の保存方法。
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