JP6432421B2 - 排水からの石膏回収方法 - Google Patents
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Description
また、無機イオンが多く含まれている排水が有効にリサイクルされることなく廃棄されている状況に鑑み、これらの排水を有効利用することが期待されている。
また、請求項2記載の排水からの石膏回収方法は、請求項1記載の排水からの石膏回収方法において、カルシウムイオンを含む排水Aはカルシウムイオン濃度が5000ppm以上であり、硫酸イオンを含む排水Bは硫酸イオン濃度が5000ppm以上であることを特徴とする、排水からの石膏回収方法である。
Ccx(μS/cm)=C1×(1−x)+C2×x・・・(式1)
(但し、式1中、混合割合(混合率)xは、x=排水Bの体積(cm3)/(排水Aの体積(cm3)+排水Bの体積(cm3))、Ccx(μS/cm)は混合割合x時の計算上の電気伝導度を示す)、
混合割合x時の混合液の実測の電気伝導度Crx(μS/cm)を測定し、前記計算上の電気伝導度Ccxと前記実測の電気伝導度との差(Ccx−Crx)が最大となる混合割合で排水Aと排水Bとを混合することを特徴とする、排水からの石膏回収方法である。
特に、回収された石膏を、セメント製造用の石膏として有効利用することで、セメント製造工程において使用料の多い石膏の供給資源としての有効利用の拡大を図ることができる。
本発明の排水からの石膏回収方法は、カルシウムイオンを含む排水Aと、硫酸イオンを含む排水Bとを混合することで石膏を生成し、生成した石膏を回収する、排水からの石膏回収方法である。
例えば、産業廃棄物回収業者は、上記したように廃棄物をアルカリで中和処理するが、その結果として、硫酸ナトリウムや硫酸カリウムを含む排水、即ち硫酸イオンを含む排水が発生する。また焼却灰や飛灰洗浄業者からは、塩化カルシウムを含む排水、即ちカルシウムイオンを含む排水が発生する。
本発明においては、これらのカルシウムイオンを含む排水や硫酸イオンを含む排水を好適に用いることができ、これにより、これまで廃棄処理されていた排水の有効利用を図ることが可能となる。
特に規制物質が重金属等であった場合には、本発明の方法により回収された石膏を用いて製造するセメントの品質に影響を及ぼすため、なるべく排水から重金属等の規制物質を除去する処理を行なった後の排水を用いることが望ましい。
該混合により生成される石膏の生成効率を向上させるため、カルシウムイオンを含む排水Aはカルシウムイオン濃度が5000ppm以上であり、硫酸イオンを含む排水Bは硫酸イオン濃度が5000ppm以上であることが、排水からの石膏を効率良く回収できる点から望ましい。
排水Aと排水Bのそれぞれの排水に含まれるカルシウム濃度や硫酸イオン濃度は一定ではなく変化する。そのため電気伝導度の測定を行い、石膏沈殿が最も効率的に行える混合割合を決定することが望ましい。
Ccx=C1×(1−x)+C2×x・・・式1
但し、上記式中において、
混合割合x=排水Bの体積/(排水Aの体積+排水Bの体積)
混合割合xの時の計算上の電気伝導度:Ccx
混合割合xの時の実測の電気伝導度:Crx
を示す。
次いで、排水Aと排水Bとを混合した後の混合液の実際の電気伝導度をCrxとして測定し、上記計算上の電気伝導度Ccxと実測した混合液の電気伝導度Crxより(Ccx−Crx)を算出し、該算出値が最大となるように、排水Aと排水Bとの混合割合を制御することで、生成される石膏沈殿物の量を最大となるように制御することが可能となる。
また、混合方式は、バッチ処理でも連続処理でもどちらでも構わない。
回収される石膏が二水石膏でも無水石膏であっても、セメント用石膏として何ら問題なく利用できるが、設備的・熱エネルギー的に常温で反応させることが好ましい。
その際には、石膏の粒子径が大きいほど濾過性能が高く生産性が高いため、石膏の粒子径については30μm以上、より好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上とすることが望ましい。
例えば、遠心分離装置、フィルタープレス、ベルトプレス等の手段を用いて固液分離することができ、特に含水率の調整が行いやすい、遠心分離装置を好適に適用することができる。
回収する石膏の含水率に関しては、特に限定されない。例えば、遠心分離装置を適用した場合には、遠心力・時間により含水率の調整が可能であるが、5質量%未満となると、屋外にストックした場合、風などにより粉塵が舞う恐れがあるため、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上のものを回収することが望ましい。また、20質量%を超えると、回収した石膏がべたべたとするようになりハンドリングが悪くなる場合があるので、20質量%以下、望ましくは15質量%以下とすることが好ましい。
飛灰洗浄水を水処理して得られた飛灰洗浄処理排水を排水A(溶液1〜3)とし、産業廃棄物処理業者が産業廃棄物にアルカリ処理を施して中和した中和処理排水を排水B(溶液4〜5)として、各溶液1〜5に含まれる無機イオンの量を測定した。
その結果をそれぞれ表1及び表2に示す。
なお、排水Aの溶液1と排水Bの溶液4との混合を実験1、排水Aの溶液2と排水Bの溶液4との混合を実験2、排水Aの溶液3と排水Bの溶液4との混合を実験3とした。
その結果を図1〜図3に示す。
また、排水A(各溶液1〜3)それぞれと、排水B(溶液5)とを種々の混合率で混合し、生成した沈殿物を回収して、生成量を計量した。
なお、排水Aの溶液1と排水Bの溶液5との混合を実験4、排水Aの溶液2と排水Bの溶液5との混合を実験5、排水Aの溶液3と排水Bの溶液5との混合を実験6とした。
その結果を図4〜図6に示す。
その結果を図7に示す。
図7のチャートより、得られた沈殿物は二水石膏であることが明らかとなった。
また、同様に排水Aの溶液2又は3と排水Bの溶液4との混合から得られた各沈殿物、また排水Aの各溶液1〜3と排水Bの溶液5との混合から得られた各沈殿物も、上記と同様にして粉末X線回析(ブルカー社製、D8 ADVANCE)により解析して該乾燥沈殿物の同定を行ったところ、二水石膏であることが明らかとなった。
従って、各排水Aと各排水Bとをそれぞれ混合することにより、二水石膏が得られることがわかった。
排水Aの溶液1と排水Bの溶液4とを混合する場合を代表例として、以下に具体的に説明する。
排水Aの溶液1の電気伝導度を、TOADKK社製のポータブル電気伝導度計(CM−31P)を用いて測定し、その値をC1とする。一方の排水Bの溶液4の電気伝導度を、同様にして測定し、その値をC2とする。なお、溶液1のC1は、76100μS/cmであり、溶液4のC2は、105300μS/cmであった。
Ccx(μS/cm)=C1×(1−x)+C2×x・・・(式1)
但し、式1中、
混合割合(混合率)x=排水Bの溶液4の体積(cm3)/(排水Aの溶液1の体積(cm3)+排水Bの溶液4の体積(cm3))
Ccx(μS/cm):混合割合x時の計算上の電気伝導度
を示す。
その結果を図1に示す。
なお、溶液2のC1は77700μS/cm、溶液3のC1は61500μS/cm、溶液5のC2は70100μS/cmであった。
具体的には、まずセメントクリンカとして、住友大阪セメント株式会社製の普通ポルトランドセメントクリンカを用い、得られるセメント中のSO3量が2質量%となるように、回収した石膏を添加して、次いでボールミルにてブレーン比表面積が3400cm2/gとなるように調整して試製セメント(実施例1及び実施例2)を製造した。
得られた各セメントに、JIS R 5205に準じて、各材齢3日、7日、28日における圧縮強さ試験と、凝結試験を実施した。
その結果を表3に示す。
Claims (3)
- カルシウムイオンを含む排水Aと、硫酸イオンを含む排水Bとを混合することで石膏を生成し、生成した石膏を回収する排水からの石膏回収方法であって、排水Aと排水Bとの混合割合は、電気伝導度C1(μS/cm)の排水A及び電気伝導度C2(μS/cm)の排水Bを混合割合xで混合した混合液の計算上の電気伝導度Ccxを、以下の式1より求め、
Ccx(μS/cm)=C1×(1−x)+C2×x・・・(式1)
(但し、式1中、混合割合(混合率)xはx=排水Bの体積(cm 3 )/(排水Aの体積(cm 3 )+排水Bの体積(cm 3 ))、Ccx(μS/cm)は混合割合x時の計算上の電気伝導度を示す)、
混合割合x時の混合液の実測の電気伝導度Crx(μS/cm)を測定し、前記計算上の電気伝導度Ccxと前記実測の電気伝導度Crxとの差(Ccx−Crx)が最大となる混合割合で排水Aと排水Bとを混合することを特徴とする、排水からの石膏回収方法。 - 請求項1記載の排水からの石膏回収方法において、カルシウムイオンを含む排水Aはカルシウムイオン濃度が5000ppm以上であり、硫酸イオンを含む排水Bは硫酸イオン濃度が5000ppm以上であることを特徴とする、排水からの石膏回収方法。
- 請求項1又は2記載の排水からの石膏回収法において、排水は蒸発濃縮又は膜濃縮によりカルシウムイオン濃度及び/又は硫酸イオン濃度を高めてから混合し、また回収した石膏はセメント製造に用いることを特徴とする、排水からの石膏回収方法。
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