JP6432338B2 - 波動減速機用の玉軸受 - Google Patents
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Description
また、このような波動減速機では、フレクスプライン99の楕円形状を損なわないように、玉軸受90におけるバックラッシ(ガタ)を抑える必要があり、そのために波動減速機用の玉軸受90では、一般的な玉軸受よりも玉数を多くしている。
したがって、従来の玉軸受90の場合、真円形状を保とうとする保持器97に対して、複数の玉96が楕円配置となることで、特にその楕円の長軸となる部分S1(図9参照)では、玉96とポケット94(図10(B)参照)との隙間が部分的に無くなり、これにより保持器97は変形し局部的な応力が発生するおそれがある。しかも、カム91は回転することからこのような応力が繰り返し発生する。
更に、長軸の部分S1を挟む両側位置S3,S4(図9参照)では、玉96の公転速度に差が生じ、玉96の進み遅れにより柱部97b(ポケット94)に玉96が衝突して保持器97に過大な応力を生じさせることがある。
しかし、この場合、保持器97は径方向に移動可能となる範囲が広くなり、玉軸受90の回転中に例えば保持器97が外輪98に接触して保持器97の外周面が異常摩耗する等、保持器97を損傷させる可能性がある。
さらに、前記周方向隙間は、前記径方向隙間よりも小さいことから、玉軸受が回転し、更に保持器が径方向に移動した際に、保持器が軌道輪に当接するよりも優先して玉に柱部(ポケット)が当接可能であるため、保持器は複数の玉により案内され、従来のように軌道輪と保持器とが接触して保持器が異常摩耗する等、保持器が損傷するのを防ぐことができる。
なお、前記周方向隙間は、ポケット中心と玉中心とが一致している状態で得られる隙間で定義される。また、前記径方向隙間は、軌道輪中心と保持器中心とが一致している状態で非円形に変形した前記軌道輪と前記保持器との間に形成される環状空間の径方向についての寸法で定義される。
この場合、非円形に変形した軌道輪の短軸方向が鉛直方向と一致する状態で、保持器が重力により鉛直下向きに移動しても、長軸方向に位置するポケットにおいて保持器は玉と当接し、軌道輪と保持器との間に形成される前記環状空間の前記径方向隙間は確保される。つまり、保持器が軌道輪に当接するよりも優先して玉に柱部(ポケット)が当接可能であるため、保持器を複数の玉により案内させることができる。
これにより、保持器が重力により鉛直下向きに移動しても、保持器は内側の軌道輪及び外側の軌道輪に接触せず、長軸方向に位置するポケットにおいて保持器は玉と当接し、保持器を複数の玉により案内させることができる。
〔波動減速機の構成について〕
図1は、本発明の玉軸受32を備えている波動減速機5の実施の一形態を軸方向から見た模式図である。図2は、この波動減速機5の縦断面図である。波動減速機5は、サーキュラスプライン10、フレクスプライン20、及び回転体30を備えている。
カム31の外周輪郭形状は楕円形であることから(図1参照)、内輪34は弾性変形してカム31の形状に沿って楕円形となり、また、複数の玉35を介して外輪33及び円筒部22も弾性変形して楕円形となる。
以上より、回転体30は、フレクスプライン20を楕円形に撓ませ、このフレクスプラインの外歯21を、サーキュラスプライン10の内歯11に部分的に噛み合わせることができる。本実施形態では、外歯21と内歯11とが180度離れた二箇所で噛み合う。
図1に示すように、フレクスプライン20は、回転体30により楕円形に撓んだ状態にある。この楕円の長軸の部分S1で外歯21と内歯11とが噛み合い、短軸の部分S2で外歯21と内歯11とは離れた状態にある。サーキュラスプライン10は固定状態にあり、この状態でカム31を、図1において軸心Cを中心として時計回りに回転させると(図4(A)参照)、フレクスプライン20の長軸の部分S1の位置が移動(変化)し、外歯21と内歯11との噛み合い部分が移動(変化)する。
そして、図4(C)に示すように、カム31を図4(B)の状態から更に180度回転させると、フレクスプライン20は、外歯21と内歯11との歯数差である二枚分に相当する距離だけ、カム31の回転方向と反対の方向(反時計回りの方向)に移動する。カム31は図外の入力軸と一体回転可能であり、フレクスプライン20は図外の出力軸と一体回転可能であることから、この波動減速機5では、カム31の入力に対して、フレクスプライン20の回転が出力として取り出される。なお、図4では、玉軸受32の保持器36を省略して記載している。
図5は、玉軸受32が有する保持器36の半分を示す説明図である。保持器36は、いわゆる冠型の保持器であり、環状である円環部42と、この円環部42から軸方向に延在している複数の柱部41とを有している。そして、周方向で隣り合う柱部41,41の間がポケット37となる。各ポケット37に玉35が一つ収容される。玉軸受32がカム31に取り付けられる前の状態では、保持器36は、外輪33及び内輪34と同様に、円形(真円)に形成されている。本実施形態の保持器36は樹脂製である。
また、図3に示すように、保持器36の外周面47(径方向外側面)は、保持器36の軸線を中心線とする円筒面に沿った形状を有しており、また、保持器36の内周面48(径方向内側面)は、保持器36の軸線を中心線とする円筒面に沿った形状を有している。
図7は、楕円形に変形している玉軸受32の説明図であり、玉軸受32を軸方向から見た図である。この図7では、外輪33の内周面46、保持器36の外周面47及び内周面48、並びに、内輪34の外周面49の輪郭形状を示している。
前記のとおり、玉軸受32が外嵌するカム31(図1参照)は楕円形であることから、玉軸受32の内輪34も楕円形に弾性変形し、複数の玉35も楕円に沿った配置となり、更に、外輪33も楕円形に弾性変形している。これに対して、保持器36は、前記のとおり、ポケット37の内側面45が半径方向にストレートである面からなるため(図6参照)、楕円配置となる玉35に追従しないで、元の真円状態が保たれている。このため、図7において、長軸方向の両側の位置におけるポケット37では、玉35(図6参照)とその両側の柱部41との間の周方向の隙間は、前記周方向隙間K5となる。なお、図7では、上下方向が短軸方向となり、左右方向が長軸方向であるが、波動減速機5の稼働状態(回転状態)では、カム31が回転することで、長軸方向及び短軸方向は逐次変化する。
内環状空間E2では、短軸位置における径方向隙間K4と、長軸位置における径方向隙間K3とが、異なっており、K3がK4よりも小さくなる(K3<K4)。また、この短軸位置における径方向隙間K4は、内環状空間E2において最大であり、また、長軸位置における径方向隙間K3は、内環状空間E2において最小である。
また、本実施形態では、図7に示すように、短軸位置において、保持器36と内輪34との径方向隙間K4は、保持器36と外輪33との径方向隙間K2以上となっている(K4≧K2)。
特に本実施形態では、前記のとおり、前記周方向隙間K5は、外環状空間E1の短軸位置における径方向隙間K2よりも小さく(K5<K2)、また、この外環状空間E1では、長軸位置における前記径方向隙間K1が最大であり、短軸位置における前記径方向隙間K2が最小であることから(K1>K2)、K1>K2>K5の関係となる。
以上より、本実施形態の玉軸受32は、保持器36を玉35に案内させる転動体案内の軸受となる。
20:フレクスプライン 21:外歯 30:回転体
31:カム 32:玉軸受 33:外輪(外側の軌道輪)
34:内輪(内側の軌道輪) 35:玉 36:保持器
37:ポケット 41:柱部 42:円環部
45:内側面 K1,K2,K3,K4:径方向隙間 K5:周方向隙間
E1:外環状空間(環状隙間) E2:内環状空間(環状隙間)
Claims (1)
- 内歯を有するサーキュラスプライン、当該サーキュラスプラインの内側に設けられ前記内歯と噛み合う外歯を有するフレクスプライン、及び、当該フレクスプラインの内側に設けられ当該フレクスプラインを非円形に撓ませて前記外歯を前記内歯に部分的に噛み合わせるための回転体を備える波動減速機用の玉軸受であって、
前記回転体が有する非円形のカムと一体回転可能でありかつ弾性変形が可能である内側の軌道輪と、前記フレクスプラインと一体回転可能でありかつ弾性変形が可能である外側の軌道輪と、内外の前記軌道輪間に設けられている複数の玉と、当該玉を収容するポケットが周方向に複数形成されている保持器と、を有し、
前記保持器は、円環部と、当該円環部から軸方向に延在している複数の柱部と、を有し、周方向で隣り合う前記柱部の間が前記ポケットとなり、当該ポケットが有する前記玉と接触可能な内側面は、半径方向にストレートである面からなり、
前記玉と前記柱部との間に形成される周方向隙間は、非円形に変形した前記軌道輪と前記保持器との間に形成される環状空間の径方向隙間よりも小さく、
非円形に変形した前記軌道輪の短軸方向が鉛直方向と一致する状態で、長軸方向の位置の前記ポケットにおける前記周方向隙間は、前記環状空間の短軸位置における径方向隙間よりも小さく、
前記短軸位置において、前記保持器と前記内側の軌道輪との径方向隙間は、前記保持器と前記外側の軌道輪との径方向隙間以上であることを特徴とする波動減速機用の玉軸受。
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