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JP6421462B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機 Download PDF

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JP6421462B2 JP2014113917A JP2014113917A JP6421462B2 JP 6421462 B2 JP6421462 B2 JP 6421462B2 JP 2014113917 A JP2014113917 A JP 2014113917A JP 2014113917 A JP2014113917 A JP 2014113917A JP 6421462 B2 JP6421462 B2 JP 6421462B2
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Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機として、特許文献1および特許文献2に記載されているものが知られている。
このダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図3および図4に示すように構成されている。図3に示すように、ケーシング50の内側には入力軸1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板(ローディングカム)7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された中間壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1とともに回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面;トラクション面とも言う)2a,2aと出力ディスク3,3の内側面(凹面;トラクション面とも言う)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図4参照)が回転自在に挟持されている。
図3中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図3の右面)は、入力軸1の外周面に形成されたネジ部に螺合されたローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力(予圧)を付与する。
図4は、図3のA−A線に沿う断面図である。図4に示すように、ケーシング50の内側には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図4においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、支持板部16の長手方向(図4の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部(第1の軸部)23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部(第2の軸部)23bの周囲には、各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図4の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。各ヨーク23A,23Bは鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、ヨーク23A,23Bの幅方向(図3の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は円筒面として、球面ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ(シリンダボディ)31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図4で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受(スラスト軸受)24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(以下、転動体という)26,26と、これら各転動体26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図4の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸1の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図4の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。
その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動(傾転)する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、ダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機では、図5に示すように、一対の入力側ディスク2,2の間に配置される一対の出力側ディスク3,3の背面同士を接合した状態に、一対の出力側ディスク3,3を一体にするとともに、この一体になった出力側ディスク3,3の外周面に外周歯41を設けて出力歯車とした一体型出力側ディスク34が用いられている(例えば、特許文献3参照)。
このような一体型出力側ディスク34では、外周歯41にかかるギヤ反力を入力軸1で受けないようにするために、入力軸1が円筒状の中空軸71に挿通され、この中空軸71に一体型出力側ディスク34がラジアルニードル軸受35を介して回転可能に支持される場合がある。
中空軸71は、その両端部が例えば、上述の上下一対の球面ポスト64,68を繋いで一体とした一対の柱状ポスト69に支持されている。この柱状ポスト69の下端部がシリンダボディ31に支持固定され、上端部が固定部材52に固定されている。そして、シリンダボディ31および固定部材52がケーシングに固定されるようになっている。
また、入力軸1は柱状ポスト69の中央部を貫通している。一対の柱状ポスト69,69の間に、一体型出力側ディスク34が配置されるとともに、それぞれの柱状ポスト69と一体型出力側ディスク34との間にスラスト軸受67が配置され、一体型出力側ディスク34の軸方向に沿った位置が規制されている。
ラジアルニードル軸受35は、一体型出力側ディスク34の内径面と、中空軸71の外径面との間に配置されるとともに、一体型出力側ディスク34の軸方向に沿った両端部となる2箇所に対応して互いに間隔を開けて配置されている。
特開平11−303961号公報 特許第2638896号公報 特開2001−116097号公報
ところで、図3および図4に示す従来のトロイダル型無段変速機では、中央の出力側ディスク(内側ディスク)3,3間に、出力側ディスク3,3を支持する中間壁13が設けられているので、この中間壁13の存在に起因して入力軸(軸)1の長さが長くなってその重量が大きくなるとともに、中間壁13の重量も加わって、トロイダル型無段変速機の重量が大きくなるとともに大型化するという問題がある。
一方、図5に示す従来のトロイダル型無段変速機では、中間壁がないため、重量の増大を抑制できる。しかし、このトロイダル型無段変速機では、中空軸71と、一体型出力側ディスク34の小端側の端面と、ポスト(柱状ポスト)69との間にスラスト軸受67を設けることによって、一体型出力側ディスク34を支持しているので、このスラスト軸受67のために柱状ポスト69の中空軸近傍の剛性が低くなる。このため、柱状ポスト69に支持されているパワーローラ11(の傾転中心(傾転軸))がずれ易くなって、変速比が不安定になるという問題がある。
また、トロイダル型無段変速機では、パワーローラ11と内側ディスク(例えば一体型出力側ディスク)34との位置関係がずれると、それぞれのトラクション接触部の押付力が不均一となる。トラクション接触部の押付力が小の場合、滑りが生じトルク容量が低下したり、押付力過大の場合、転動面の耐久性が低下したりする。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、重量の増大や大型化を抑制できるとともに、パワーローラと内側ディスクの位置決めを容易に行えるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のトロイダル型無段変速機は、軸に同心的に支持された一対の外側ディスクと、当該一対の外側ディスクの間に同心的に設けられて背面同士が対向する一対の内側ディスクと、互いに対向する前記外側ディスクと前記内側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラを回転自在に支持するトラニオンとを備えたトロイダル型無段変速機において、
前記内側ディスクが、前記トラニオンをヨークを介して支持するポストに回転不能に設けられるとともに前記軸が挿通された中空軸に回転可能に支持され、
前記中空軸の外径側の面に、当該中空軸と前記内側ディスクとの間に設けられ、かつ前記内側ディスクの軸方向の荷重を受ける軸受の第1転送面が設けられ、前記内側ディスクの背面側でかつ内径面に近い部分に第2転送面が前記第1転送面と対向して設けられ、前記第2の転送面は、前記第1の転送面と同様の断面略円弧状に、かつ前記内側ディスクの周方向に沿って形成されていることを特徴とする。
本発明においては、内側ディスクが、ポストに回転不能に設けられた中空軸に回転可能に支持されているので、従来のような内側ディスクを支持する中間壁が不要となる。したがって、従来に比して、軸を短くしてその重量を小さくできるとともに、中間壁の重量もないので、トロイダル型無段変速機の重量の増大や大型化を抑制できる。
また、中空軸の外径側に、当該中空軸と内側ディスクとの間に設けられ、かつ前記内側ディスクの軸方向の荷重を受ける軸受の第1転送面が設けられているので、この軸受によって内側ディスクを支持することができるとともに、当該内側ディスクの軸方向の位置および中心軸の位置(径方向の位置)が決まる。
また、従来において、中空軸と、一体型出力側ディスクの小端側の端面と、ポストとの間に設けられていたスラスト軸受が不要なる。このため、ポストの中空軸近傍の剛性を高めることができるので、このポストに支持されているパワーローラの位置が決まる。
したがって、パワーローラと内側ディスクの位置決めを容易に行える。また、パワーローラ(の傾転中心)が確実に位置決めされているため、変速比が安定する。
さらに、軸受によって内側ディスクを支持することができるとともに、当該内側ディスクの軸方向の位置および中心軸の位置(径方向の位置)が決まるため、内側ディスクのキャビティ内の位置が決まる。パワーローラ(の傾転中心)は、通常、ポストとヨークにより位置が決まるので、内側ディスクのキャビティ内の位置とパワーローラ(の傾転軸中心)の位置を、少ない部品点数で位置決めできる。
また、中空軸の外径側に内側ディスクの軸方向の荷重を受ける軸受の転送面が設けられており、この軸受によって、内側ディスクから作用する軸方向の荷重を受けることができる。このため、従来要していたスラスト軸受等の内側ディスク回りの部品点数が減るため、部品の軸方向寸法のバラツキの影響が小さくなって、シムなどによる軸受の予圧の管理が不要なる。
また、一対の内側ディスク間のスペースは、内側ディスクの小端側の端面とポストとの間のスペースより大きいため、従来に比して大きな軸受を設けることができ、軸受容量を大きくすることができる。
さらに、一体型出力側ディスクでは、その外周部に歯車(ギア)があり、ギアの嵌合部が大きいため、ギア比の設定に制限があるが、本発明では、一対の内側ディスクの間に歯車(ギア)を設けることができ、ギア径に自由度があるため、ギア比の設定に自由度が増す。
また、本発明の前記構成において、前記内側ディスクの背面側に第2転送面が前記第1転送面と対向して設けられている。
このような構成によれば、第1転送面と第2転送面とを備えた軸受によって、内側ディスクから作用する軸方向の荷重を確実に受けることができる。
本発明によれば、従来のような内側ディスクを支持する中間壁が不要となるので、従来に比して、軸を短くしてその重量を小さくできるとともに、中間壁の重量もないので、トロイダル型無段変速機の重量の増大や大型化を抑制できる。
また、中空軸の外径側に、当該中空軸と内側ディスクとの間に設けられ、かつ内側ディスクの軸方向の荷重を受ける軸受の第1転送面が設けられているので、パワーローラと内側ディスクの位置決めを容易に行える。
本発明の実施形態に係るトロイダル型無段変速機を示すもので、断面図である。 同、図1における中空軸とその近傍を示す要部の断面図である。 従来のトロイダル型無段変速機の一例を示す断面図である。 図3におけるA−A線に沿う断面図である。 一体型出力側ディスクを有する従来のトロイダル型無段変速機の一例を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1に示すように、この実施形態は本発明をダブルキャビティ式ハーフトロイダル型無段変速機に適用した場合の一例である。
なお、この実施形態のトロイダル型無段変速機の主な特徴は、一対の外側ディスク(入力側ディスク)2,2間に、一対の内側ディスク(出力側ディスク)3,3を設けた点、出力側ディスク3が回転不能な中空軸71に回転可能に支持されている点、中空軸71と出力側ディスク3との間に軸受73が設けられている点等であり、その他の構成は図3〜図5に示したトロイダル型無段変速機と略同様であるので、以下では前記特徴について詳しく説明する。
一対のヨーク23A,23Bを支持する上下の球面ポスト64,68は、上下で繋がれた一体型の柱状ポスト(ポスト)69になっている。柱状ポスト69の上下端部にそれぞれ球面ポスト64,68が配置され、柱状ポスト69の中央部に入力軸1が貫通している。また、一対の柱状ポスト69は、一対の出力側ディスク(内側ディスク)3,3を挟むように、図1において左右に離間して配置されている。また、出力側ディスク3の内径面と中空軸71の外径面との間にはラジアルニードル軸受35が設けられている。
柱状ポスト69は、その下端部がシリンダボディ(基台)31に支持固定され、上端部が固定部材52に固定されている。そして、シリンダボディ31および固定部材52がケーシング(図示略)に固定されることによって、柱状ポスト69がシリンダボディ31および固定部材52を介してケーシングに支持されている。
このようにして固定された一対の柱状ポスト69,69間に中空軸71が配置され、この中空軸71の両端部がそれぞれ柱状ポスト69,69に固定されて回転不能に支持されている。
詳しくは、図2に示すように、柱状ポスト69の上下方向略中央部に、入力軸1の外側において当該入力軸1と同軸の円筒内周面69aと、この円筒内周面69aから径方向内側に突出するフランジ部69bが設けられている。そして、円筒内周面69aとフランジ部69bとにそれぞれ中空軸71の端部外周面と端面とが嵌合されることによって、中空軸71の両端部がそれぞれ柱状ポスト69,69に支持固定されている。
また、上述したように、中空軸71と出力側ディスク3との間にラジアルニードル軸受35,35が設けられている。すなわち、出力側ディスク3の内径面にはその軸方向両端部に大径部3bが設けられており、この大径部3bの内径面と中空軸71の外径面との間にラジアルニードル軸受35,35が設けられている。
また、図1に示すように、中空軸71には入力軸(軸)1が挿通されており、この入力軸1の両端部にそれぞれ入力側ディスク(外側ディスク)2,2が支持されている。図1において左側(押圧装置12Aから遠い側)の入力側ディスク2の背面側には、入力軸1に固定されたコッタ36が当接している。油圧式の押圧装置12Aから入力軸1に、押圧装置12A側に引っ張る力が作用した場合に、この力がコッタ36を介して、入力軸1から左側の入力側ディスク2に伝達され、この入力側ディスク2がパワーローラ11を間に介して出力側ディスク3,3に押し付けられる状態になる。
また、前記中空軸71の軸方向中央部の外径側には、大径部72が設けられており、この大径部72の両端面には、それぞれ第1転送面(軌道面)73aが形成されている。この第1転送面73aは、断面略円弧状に、かつ大径部72の周方向に沿って形成されている。
一方、出力側ディスク3の背面側でかつ内径面に近い部分には、第2転送面(軌道面)73bが第1転送面73aと対向して設けられている。この第2転送面73bは、第1転送面73aと同様の断面略円弧状に、かつ出力側ディスク3の周方向に沿って形成されている。
第1転送面73aと第2転送面73bとの間には玉73cが周方向(大径部72の周方向)に所定間隔で複数設けられており、当該玉73cが第1転送面73aと第2転送面73bとを転動可能となっている。
このように、第1転送面73aと第2転送面73bと玉73cとによって軸受73が構成されている。
したがって、この軸受73によって軸方向の荷重(例えば出力側ディスク3からの軸方向の荷重)を受けることができるようになっている。
また、左右一対の出力側ディスク3,3の間には、その内径側に寄せて、出力歯車74が設けられている。この出力歯車74は、略円筒状の本体部74aと、この本体部74aの外径面に形成された歯車部74bとから構成されており、本体部74aの軸方向の両端部が出力側ディスク3,3の背面に、二面幅嵌合、凹凸嵌合、またはスプライン嵌合等によって嵌合固定されている。したがって、出力歯車74は左右一対の出力側ディスク3,3とともに同期して回転するようになっている。
また、右側(押圧装置12Aに近い側)の入力側ディスク2は入力軸1とボールスプライン結合によって結合しており、軸方向への移動が許容され、かつ入力軸1とともに回転するようになっている。なお、この入力側ディスク2は押圧装置12Aによって出力側ディスク3側に向けて押圧され、移動するようになっている。
押圧装置12Aは、入力軸1と回転するとともに、入力側ディスク2の背面との間に油圧室80を形成するシリンダ81を備え、このシリンダ81の内周面に右側の入力側ディスク2の外周面が摺接している。油圧室80には上述の皿ばね8と同様の機能を有する皿ばね8aが設けられている。
そして、入力側ディスク2は油圧室80に導入された油圧によって、出力側ディスク3に向けて押圧され、移動するようになっている。そしてこの入力側ディスク2がパワーローラ11を間に介して出力側ディスク3に押し付けられる状態になる。
したがって、油圧式の押圧装置12Aは、一対の入力側ディスク2,2をその間にある出力側ディスク3,3に向けて押圧している。この出力側ディスク3,3から作用する軸方向の力は軸受73が受けるようになっている。
また、図2に示すように、中空軸71と入力軸1との間に軸受75が設けられ、これによって入力軸1が中空軸71に軸受75を介して回転可能に支持されている。軸受75は転がりまたは滑り軸受で構成され、中空軸71の両端側にそれぞれ配置され、規制部77によって軸方向への移動が規制されている。
規制部77は、中空軸71の両端部と径方向において対向する入力軸1の外径面に設けられた一対の凸部77a,77aによって構成されている。凸部77a,77aは軸方向に離間しかつ周方向に連続または所定間隔で設けられ、さらに凸部77a,77aと中空軸71の内径面との間には所定の隙間が設けられている。
そして、凸部77a,77a間における入力軸1の外径面に軸受75が設けられ、この軸受75は凸部77a,77aによって軸方向への移動が規制されている。なお、このような規制部77は中空軸71の内径面に設けてもよく、さらに入力軸1の外径面および中空軸71の内径面の双方に設けてもよい。
このように、入力軸1は軸受75を介して中空軸71によって支持されている。また、入力側ディスク2,2は入力軸1によって支持されている。したがって、入力側ディスク2,2は入力軸1、軸受75を介して中空軸71によって支持されている。
一方、出力側ディスク3,3は軸受35および軸受73を介して中空軸71によって支持されている。
よって、入力側ディスク2,2および出力側ディスク3,3は中空軸71によって支持されていることになる。また、この中空軸71は上述したように柱状ポスト69によって支持されている。
さらに、入力軸1は軸受75を介して中空軸71によって支持されているので、入力軸1の軸端に軸受を設ける必要がなく、その分、従来の入力軸に比して短くなっている。
また、入力軸1には軸方向に延在する油路1Aが設けられるとともに、入力軸1の外径面と中空軸71の内径面との間に潤滑油を供給するための油孔1Bが入力軸1の軸方向に対して直交して設けられている。そして入力軸1の外径面と中空軸71の内径面との間に供給された潤滑油は軸受75に供給されるようになっている。
また、中空軸71の軸方向略中央部にある大径部72には、その内径面から外径面に貫通する油孔1Cが設けられている。そして、入力軸1の外径と中空軸71の内径面との間に供給された潤滑油は油孔1Cを通って、大径部72と出力歯車74との間に供給され、この供給された潤滑油が軸受73および軸受35に供給されるようになっている。
このような構成のトロイダル型無段変速機では、出力側ディスク(内側ディスク)3,3が、柱状ポスト69に回転不能に設けられた中空軸71に回転可能に支持されているので、従来のような内側ディスクを支持する中間壁が不要となる。したがって、従来に比して、入力軸1を短くしてその重量を小さくできるとともに、中間壁の重量もないので、トロイダル型無段変速機の重量の増大や大型化を抑制できる。
また、中空軸71の外径側に、当該中空軸71と出力側ディスク(内側ディスク)3との間に設けられ、かつ出力側ディスク3の軸方向の荷重を受ける軸受73の第1転送面73aが設けられているので、この軸受73によって出力側ディスク3を支持することができるとともに、当該出力側ディスク3の軸方向の位置および中心軸の位置(径方向の位置)が決まる。
また、図5に示すように、従来において、中空軸71と、一体型出力側ディスク34の小端側の端面と、柱状ポスト69との間に設けられていたスラスト軸受67が不要なる。このため、柱状ポスト69の中空軸近傍の剛性を高めることができるので、この柱状ポスト69に支持されているパワーローラ11の位置が決まる。
したがって、パワーローラ11と出力側ディスクの3の位置決めを容易に行える。また、パワーローラ11(の傾転中心)が確実に位置決めされているため、変速比が安定する。
さらに、軸受73によって出力側ディスク3を支持することができるとともに、当該出力側ディスク3の軸方向の位置および中心軸の位置(径方向の位置)が決まるため、出力側ディスク3のキャビティ内の位置が決まる。パワーローラ11(の傾転中心)は、通常、ポスト69とヨーク23A,23Bにより位置が決まるので、出力側ディスク3のキャビティ内の位置とパワーローラ11(の傾転軸中心)の位置を、少ない部品点数で位置決めできる。
また、中空軸71の外径側の大径部72に軸受73の転送面73aが設けられており、この軸受73によって、出力側ディスク3から作用する軸方向の荷重を受けることができる。このため、従来要していたスラスト軸受等の出力側ディスク回りの部品点数が減るため、部品の軸方向寸法のバラツキの影響が小さくなって、シムなどによる軸受の予圧の管理が不要なる。
また、一対の出力側ディスク3,3間のスペースは、出力側ディスク3の小端側の端面と柱状ポスト69との間のスペースより大きいため、従来に比して大きな軸受73を設けることができ、軸受容量を大きくすることができる。
また、図5に示すような一体型出力側ディスク34では、その外周部に歯車(ギア)41があり、ギア41の嵌合部が大きいため、ギア比の設定に制限があるが、本実施の形態では、一対の出力側ディスク3,3間に出力歯車(ギア)74を設けることができ、ギア径に自由度があるため、ギア比の設定に自由度が増す。
さらに、入力軸1の端部を支持する軸受を要することなく、中空軸71、軸受35、軸受73および軸受75によって容易かつ確実に両ディスク2,3の芯ずれを抑制できる。
また、ケーシングの加工精度が比較的悪い場合でも、その加工精度に関係なく、両ディスク2,3の芯ずれを抑制できるため、パワーローラ11の荷重負担分を均等にして、グロススリップを回避できる。
なお、本実施形態では、出力側ディスク3,3を中空軸71で支持する場合を例にとって説明したが、トロイダル型無段変速機では、入力側ディスクと出力側ディスクの入出力関係を逆にする場合もある。したがって、本発明は内側に位置する一対の入力側ディスクを中空軸で支持する場合にも適用できる。
また、本実施の形態ではダブルキャビティ式ハーフトロイダル型無段変速機に適用する場合を例にとって説明したが、これに限ることなく、本発明はダブルキャビティ式フルトロイダル型無段変速機にも適用することができる。
1 入力軸(軸)
2 入力側ディスク(外側ディスク)
3 出力側ディスク(内側ディスク)
11 パワーローラ
69 柱状ポスト(ポスト)
71 中空軸
73 軸受
73a 第1転送面
73b 第2転送面

Claims (1)

  1. 軸に同心的に支持された一対の外側ディスクと、当該一対の外側ディスクの間に同心的に設けられて背面同士が対向する一対の内側ディスクと、互いに対向する前記外側ディスクと前記内側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラを回転自在に支持するトラニオンとを備えたトロイダル型無段変速機において、
    前記内側ディスクが、前記トラニオンをヨークを介して支持するポストに回転不能に設けられるとともに前記軸が挿通された中空軸に回転可能に支持され、
    前記中空軸の外径側の面に、当該中空軸と前記内側ディスクとの間に設けられ、かつ前記内側ディスクの軸方向の荷重を受ける軸受の第1転送面が設けられ、前記内側ディスクの背面側でかつ内径面に近い部分に第2転送面が前記第1転送面と対向して設けられ、前記第2の転送面は、前記第1の転送面と同様の断面略円弧状に、かつ前記内側ディスクの周方向に沿って形成されていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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