以下の実施の形態では特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
さらに、以下の実施の形態では便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数など(個数、数値、量、範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良いものとする。
また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、以下の実施の形態において、構成要素等について、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲等についても同様である。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
(実施の形態)
図1は実施の形態の半導体装置の構造の一例を示す斜視図、図2は図1の半導体装置の表面側の構造の一例を示す平面図、図3は図1の半導体装置の側面側の構造の一例を示す側面図、図4は図1の半導体装置の裏面側の構造の一例を示す裏面図、図5は図1の半導体装置の構造の一例を封止体を透過して示す平面図である。また、図6は図1のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図、図7は図1のB−B線に沿って切断した構造の一例を示す断面図、図8は図1のC−C線に沿って切断した構造の一例を示す断面図、図9は図1のD−D線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。さらに、図10は図1のE−E線に沿って切断した構造の一例を示す断面図、図11は図1のA−A線におけるリード断面構造とめっき構造の一例を示す部分断面図および拡大部分断面図、図12は図1のB−B線におけるリード断面構造とめっき構造の一例を示す部分断面図および拡大部分断面図である。
図1〜図5に示す本実施の形態の半導体装置は、リードフレームを用いて組み立てられる樹脂封止型の半導体パッケージ(以降、単にパッケージと言う)7であり、半導体チップとリードとの電気的な接続に大小2種類の太さ(直径)のワイヤ(細線)が用いられたものである。
本実施の形態では、上記パッケージ7の一例として、出力ピン(出力リード)が7本設けられたIPD(インテリジェントパワーデバイス)を取り上げて説明する。IPDは、主に、車載用等として用いられるパワーデバイス用のパッケージ7であるが、パッケージ7においても、ON抵抗低減のため、出力側(MOS側)用の内部接続配線には抵抗を少なくして大電流を流すために可能な限り太い(直径が大きい)ワイヤを使用し、一方、制御回路側は信号程度の微弱な電流しか流さないため、細い(直径が小さい)ワイヤを使用している。
すなわち、本実施の形態のパッケージ7では、制御回路用の信号等に用いられる細い(直径が小さい)第1ワイヤと、出力側(MOS側)の内部接続配線に接続されて大きな電流が流れる太い(直径が大きい)第2ワイヤとが用いられている。
図1〜図5に示すパッケージ7の構造について説明すると、半導体素子(MOSやその制御回路等の半導体集積回路)が形成された半導体チップ1と、半導体チップ1が搭載されたダイパッド3aと、ダイパッド3aの横に並んで配置された複数(ここでは、7本)のリードと、半導体チップ1の電極パッド1cと複数のリードとを電気的に接続する複数のワイヤ6とを有している。
なお、図5に示すように、半導体チップ1の表面1a(図6,7参照)には、複数の電極パッド1cが設けられており、これら複数の電極パッド1cは、複数の第1電極パッド1caと複数の第2電極パッド1cbとを含んでいる。
また、複数のリードのそれぞれは、インナリード3bと、このインナリード3bと一体に形成され、かつ出力ピン(外部端子)となるアウタリード3cとを含んでおり、さらに、複数のインナリード3bは、第1リード3baと第2リード3bbとを含んでいる。
また、複数のワイヤ6は、直径が小さい(細い)第1ワイヤであるAuワイヤ6aと、Auワイヤ6aより直径が大きい(太い)第2ワイヤであるAlワイヤ6bとを含んでいる。ここで、Auワイヤ6aは、Auを主成分とするワイヤであり、一例として、Au−Pdワイヤであるが、Cuワイヤ等を用いても良い。Auワイヤ6aの直径は、例えば23μm程度である。一方、Alワイヤ6bの直径は、例えば300μm程度である。
なお、半導体チップ1、複数の第1リード3baと第2リード3bb、複数のAuワイヤ6aとAlワイヤ6b、およびダイパッド3aの一部は、封止用樹脂から成る封止体4によって封止されている。
また、ダイパッド3aは、図6,7に示すように上面3aaとその反対側の下面3abを有しており、半導体チップ1は、ダイパッド3aの上面3aaにダイボンド材5を介して搭載されている。ダイボンド材5は、例えば、半田である。
また、ダイパッド3aの上面3aaは、図5に示すように略四角形であり、複数のインナリード3bのリード列と対向する第1辺3acと、第1辺3acに交差すると共にお互いに対向する第2辺3adおよび第4辺3afと、第1辺3acに対向する第3辺3aeとを有している。
なお、ダイパッド3aは、その第1辺3acにおいて、吊りリード3dと一体で形成されており、これにより、吊りリード3dによって支持されている。吊りリード3dは、複数のインナリード3bのリード列の中央に配置されている。
また、ダイパッド3aは、その第3辺3aeにおいて、放熱板3eと一体で形成されており、図2〜図5に示すように、放熱板3eは、封止体4から露出している。さらに、図4に示すように、ダイパッド3aもその下面3abが封止体4の裏面4aに露出している。
このように封止体4から露出する放熱板3eが設けられていると共に、ダイパッド3aの下面3abも封止体4の裏面4aに露出しているため、半導体チップ1から発せられる熱を放熱板3eとダイパッド3aの下面3abとから放出することができ、パッケージ7の放熱性を高めることができる。
また、半導体チップ1は、表面(主面)1aと、その反対側の裏面1bを有しており、表面1aには、図5に示すように複数の電極パッド1cが形成されている。したがって、図6に示すように、半導体チップ1は、その裏面1bがダイパッド3aの上面3aaと対向するように、ダイボンド材5を介してダイパッド3a上に搭載されている。
なお、半導体チップ1の表面1aに形成された複数の電極パッド1cのうち、図5に示す第2電極パッド1cbは、大電流が流れるため、その面積も大きく確保されており、一方、複数の第1電極パッド1caのそれぞれは、第2電極パッド1cbに比べて遥かに小さな面積のパッドとなっている。
したがって、半導体チップ1の複数の電極パッド1cのうちの第1電極パッド1caと、複数のインナリード3bのうちの第1リード3baとが、細いAuワイヤ6aを介して電気的に接続されている。
一方、半導体チップ1の複数の電極パッド1cのうちの第2電極パッド1cbと、複数のインナリード3bのうちの第2リード3bbとが、太いAlワイヤ6bで電気的に接続されている。
また、第1リード3baや第2リード3bbにそれぞれ繋がる複数のアウタリード3cは、吊りリード3dに繋がるアウタリード3cを除いて、図1および図3に示すようにガルウィング状に曲げ成形されており、さらに、全てのアウタリード3cの表面(先端の切断面は除く)は、図6〜図8に示すように、外装めっき9が施されている。外装めっき9は、例えば錫(Sn)100%のめっきであり、同様の外装めっき9がダイパッド3aの下面3abや放熱板3eの表面等、封止体4から露出する部分に施されている。
なお、ダイパッド3a、各リード(インナリード3b、アウタリード3c)、吊りリード3dおよび放熱板3eは、例えば銅(Cu)合金あるいは鉄(Fe)系合金等の板材からなるものである。
また、封止体4は、例えばエポキシ系の熱硬化性樹脂等からなるものである。
本実施の形態のパッケージ7では、複数のインナリード3bのそれぞれは、図5に示すように、ダイパッド3a側の先端にワイヤ接合部であるステッチ部3bcを有しており、さらに、各ステッチ部3bcは、最表面に第1めっきが施された第1領域3bdと、最表面に第1めっきと異なる第2めっきが施された第2領域3beとを有している。
さらに、ステッチ部3bcにおける第2領域3beは、ダイパッド3a側に配置され、一方、第1領域3bdは、第2領域3beよりダイパッド3aから離れた位置に配置されている。
すなわち、各ステッチ部3bcにおいて、ダイパッド3a側には、最表面に第2めっきが施された第2領域3beが形成され、封止体4の周縁部側には、最表面に第1めっきが施された第1領域3bdが形成されている。
また、ステッチ部3bcの第1領域3bdには、Auワイヤ6aが電気的に接続されており、一方、第2領域3beには、Alワイヤ6bが電気的に接続されている。
そこで、第1領域3bdの最表面には、図11に示すように、第1めっきとして、Auワイヤ6aとの接続が良好となるようにAgめっき8bが施され、一方、ダイパッド3a側の第2領域3beの最表面には、図12に示すように、第2めっきとして、Alワイヤ6bとの接続が良好となるようにNiめっき8aが施されている。
なお、各インナリード3bにおいて、図11および図12のそれぞれの拡大断面図に示すように、ステッチ部3bcの第1領域3bdではAgめっき(第1めっき)8bとNiめっき(第2めっき)8aとが積層されており、Agめっき8bの下層にNiめっき8aが配置されている。さらに、Niめっき8aは、第1領域3bdと第2領域3beとの両方に亘って配置されており、ダイパッド3a側の第2領域3beでは、Niめっき8aのみが形成された構造となっている。
すなわち、各インナリード3bのステッチ部3bcにおいて、第1領域3bdは、下層のNiめっき8aと上層のAgめっき8bとからなる2層めっき構造となっているのに対して、第2領域3beは、Niめっき8aのみの1層めっき構造となっており、Niめっき8aが第1領域3bdと第2領域3beとに形成された構造となっている。
ただし、第1領域3bdは、必ずしも2層めっき構造になっていなくてもよく、最表面にAgめっき8bが形成されていれば1層めっき構造であってもよい。
これにより、各ステッチ部3bcにおいて、ダイパッド3a側の領域(第2領域3be)の最表面にNiめっき8aを配置し、封止体4の周縁部側の領域(第1領域3bd)の最表面にAgめっき8bを配置することができる。
なお、Agめっき8bおよびNiめっき8aは、リードフレーム形成段階のスタンピングによるダイパッド3aおよび複数のリード(インナリード3bおよびアウタリード3c)を形成する前に、後述する図15に示すリードフレーム3にストライプめっき方法によって形成されたものである。ストライプめっき方法を採用することにより、低コストでAlワイヤ6bとAuワイヤ6aとに対応させることができる。
これにより、図7および図12に示すように、太いAlワイヤ6bを接続する第2リード3bbのステッチ部3bcにおいて、その先端側にNiめっき8aが配置されているため、ウェッジボンディングでの接続有効エリアを確保することができ、太線ワイヤであるAlワイヤ6bのワイヤボンディングにおける接続信頼性を高めることができると共に、接続信頼性を確保することができる。
なお、細いAuワイヤ6aは、ボールボンディングを採用するため、ステッチ部3bcの封止体4の周縁部側に配置されたAgめっき8bの領域(第1領域3bd)であっても、図6および図11に示すように、リード上方に向けてワイヤループを形成しながらワイヤボンディングすることができるため、先端側のNiめっき8aに接触することなく、ワイヤループを形成することができる。
このように各ステッチ部3bcにおいて、Alワイヤ6bに最適なNiめっき8aを第2領域3beに施し、かつAuワイヤ6aに最適なAgめっき8bを第1領域3bdに施すことができるため、それぞれのワイヤ6の接続信頼性を高めることができる。
また、図5に示すように複数のインナリード3bの各ステッチ部3bcにおいて、第2領域3beの平面視の面積は、第1領域3bdの平面視の面積より大きい。
したがって、2ndボンディングが行われる各ステッチ部3bcにおいて、ダイパッド側に位置するNiめっき8aの領域の方を、封止体4の周縁部側に位置するAgめっき8bの領域よりも平面視での面積を広く形成することができる。
その結果、太いAlワイヤ6bの2nd側におけるウェッジボンディングでの接続有効エリアを十分に確保することができるため、ウェッジボンディングでの接続性をより高めることができる。
次に、本実施の形態のパッケージ7の構造におけるその他の特徴部分について説明する。
図5に示すように、第2リード3bbのステッチ部3bcのダイパッド3a側の第2領域3beは、第1リード3baのステッチ部3bcの第2領域3beよりダイパッド3aに近づく方向に延びた延在部3bbaを有している。
このように第2リード3bbのステッチ部3bcの第2領域3beに延在部3bbaが設けられていることにより、Alワイヤ6bをウェッジボンディングする際に後述する図17のクランパ12で第2リード3bbを押し付ける時のクランプエリアとして使用することができ、ワイヤボンディング(ウェッジボンディング)時のクランプエリアを十分確保することができる。
また、ダイパッド3aは、その第2リード3bbの延在部3bbaに対向する位置に切り欠き部3agを有している。この切り欠き部3agは、これに対向して配置された第2リード3bbの延在部3bbaの形状に応じてダイパッド3aの上面3aaの角部を、平面視で斜めに切り欠いたものである。
なお、ダイパッド3aの切り欠き部3agは、ダイパッド3aの上面3aaにおいて、そのチップ搭載能力に影響を及ぼさない程度にダイパッド3aを切り欠いたものである。ここで、ダイパッド3aのチップ搭載能力に影響を及ぼさない程度とは、平面視でダイパッド3aから半導体チップ1が突出しない程度の意味である。
このように第2リード3bbの延在部3bbaの形状に対応させてダイパッド3aの角部に切り欠き部3agが形成されていることにより、第2リード3bbとダイパッド3aの接触を避けることができる。
また、図5に示すように、本実施の形態のパッケージ7においては、複数のインナリード3bから成るリード列と、ダイパッド3aの第1辺3acとが対向して配置されている。すなわち、ダイパッド3aの1つの辺である第1辺3acに対して7本のインナリード3bが全て対向し、かつ1列に並んで配置されている。これは、隣り合うリード間の間隔を可能な限り詰めた状態で7本のインナリード3bを配置したものであり、その結果、パッケージサイズを大きくすることなく、出力リードの本数を増やして高機能化の実現を図ることができる構造となっている。
また、パッケージ7では、複数のインナリード3bから成るリード列の中心にダイパッド3aを支持する吊りリード3dが配置されており、さらに第1リード3baのステッチ部3bcの第1領域3bdは、第1領域3bdの幅方向の中心線3baaが第1リード3baの幅方向の中心線3babより吊りリード3d側に位置している。
すなわち、第1リード3baは、封止体4の周縁部側からダイパッド3a側に向かうにつれて、平面視で吊りリード3d側に屈曲した形となっており、その結果、第1リード3baの第1領域3bdの中心線3baaが、平面視で第1リード3baの幅方向の中心線3babよりは吊りリード3d側に位置している。つまり、吊りリード3dの両側において、各第1リード3baは、それぞれの第1領域3bdがダイパッド3a側に寄って配置されている。
これにより、太いAlワイヤ6bを接続するステッチ部3bcの第2領域3beの面積をリードの幅方向に大きく形成することができる。特に、7本のインナリード3bから成るリード列において、2本の第2リード3bbのそれぞれが上記リード列の両端に配置されている。
これにより、上記リード列の両端では、それぞれ片側には隣のリードが配置されていないため、リードの幅方向に対してステッチ部3bcを大きく形成することができる。
その結果、ステッチ部3bcの第2領域3beにおいて太いAlワイヤ6bとステッチ部3bcの第2領域3beとの接続信頼性を高めることができる。
また、本実施の形態のパッケージ7では、図9に示すように、ダイパッド3aの第1辺3ac側の側面と第3辺3ae側の側面とに、突起部3ahが設けられている。さらに、図10に示すように、ダイパッド3aの第2辺3ad側の側面と第4辺3af側の側面とに、突起部3aiが設けられている。
このようにダイパッド3aの各側面に突起部3ah,突起部3aiが設けられていることにより、封止用樹脂(封止体4)との食いつきを向上させることができ、ダイパッド3aの封止体4からの脱落を抑制または防止することができる。
また、図5に示すダイパッド3aの第3辺3ae側の側面と繋がる放熱板3eとの接合部3amには、図6および図7に示すように、凹部3ajとV溝3akが設けられており、さらに凹部3aj内には突起部3ajaが形成されている。
このようにダイパッド3aと放熱板3eとを接続する接合部3amに、凹部3ajやV溝3akが設けられていることにより、封止用樹脂(封止体4)との食いつきを向上させることができ、ダイパッド3aおよび放熱板3eのリード延在方向への移動を抑制もしくは防止することができる。さらに、凹部3aj内に突起部3ajaが形成されていることにより、放熱板3eの封止体4からの外れや脱落を抑制または防止することができる。
次に、本実施の形態の半導体装置(パッケージ7)の組み立てを、図13に示す組み立てフローに沿って説明する。
図13は図1の半導体装置の組み立て手順の一例を示すフロー図、図14は図13の組み立てで用いられるリードフレームにおけるめっき形成方法の一例を示すプロセスフロー図である。さらに、図15は図13の組み立てで用いられるリードフレームの構造の一例を示す部分平面図、図16は図1の半導体装置の組み立ての太線ワイヤのワイヤボンディング工程におけるクランプエリアの一例を示す拡大部分平面図、図17は図16のクランプエリアを押さえて太線ワイヤをワイヤボンディングしている状態の一例を示す拡大部分平面図である。
まず、図14を用いて本実施の形態のリードフレーム3へのNiめっき8aとAgめっき8bの形成方法について説明する。
本実施の形態の半導体装置(パッケージ7)の組み立てで用いられるリードフレーム3は、スタンピングによってダイパッド3aや複数のリード(インナリード3bおよびアウタリード3c)を形成する前に、ストライプめっき方法によって所望箇所にNiめっき8aおよびAgめっき8bを形成するものである。
なお、ストライプめっき方法は、リード材(リードフレーム3)の表面に、所定の幅をもってリード材の長さ方向に帯状に部分めっきを形成する方法である。
まず、図14のステップS101に示すマスキングテープ貼り付けを行う。リードフレーム3は、ここでは、コイル状に巻かれており、めっき形成は、コイル状に巻かれた状態のリードフレーム3に対して行う。この時、めっきを付けない箇所にマスキングテープ10を貼り付ける。つまり、めっきを付ける箇所が開口するようにリードフレーム3にマスキングテープ10を貼り付ける。
その後、ステップS102に示すNiめっき形成を行う。ここでは、マスキングテープ10が貼られていない開口部にNiめっき8aを形成する。
その後、ステップS103に示すマスキングテープ貼り付けを行う。ここでは、Niめっき8a上のAgめっき8bを形成する箇所のみ開口するように、Niめっき8aの一部の上とマスキングテープ10上にマスキングテープ11を貼り付ける。
その後、ステップS104に示すAgめっき形成を行う。ここでは、マスキングテープ10とマスキングテープ11が貼り付けられていないNiめっき8a上の開口部にAgめっき8bを形成する。
これにより、Niめっき8aの一部の上にAgめっき8bが形成された状態となる。
その後、ステップS105に示すマスキングテープ剥がしを行う。ここでは、リードフレーム3からマスキングテープ10とマスキングテープ11を全て剥がす。これにより、リードフレーム3上の所望箇所にNiめっき8aとその一部の上層にAgめっき8bとが形成される。
その後、ステップS106に示すスタンピングを行って、図15に示すような、ダイパッド3aや複数のリード(インナリード3b、アウタリード3cおよび吊りリード3d等)が形成されたリードフレーム3が形成される。
この時、図15に示すように、各インナリード3bのそれぞれのステッチ部3bcの第1領域3bdの最表面にはAgめっき8bが形成され、一方、ステッチ部3bcの第2領域3beの最表面にはNiめっき8aが形成された状態となっている。これにより、上面3aaを有するダイパッド3aと、ダイパッド3aの横に並んで配置され、かつそれぞれダイパッド3a側の先端にステッチ部(ワイヤ接合部)3bcを有する複数のリード(インナリード3bおよびアウタリード3c)とを備え、さらに各ステッチ部3bcにNiめっき8aとAgめっき8bが形成されたリードフレーム3を準備する。
一方、リードフレーム3の形成とは、別の工程で、図13のステップS1に示すウェハ貼り付けを行い、その後、ステップS2のウェハダイシングを行って、良品の半導体チップ1を取得する。
次に、ステップS3のダイボンディングを行う。ここでは、図5および図6に示すように、表面1aと表面1aに形成された複数の電極パッド1cを有する半導体チップ1をダイパッド3aの上面3aaに搭載する。
この時、半田等のダイボンド材5を介してダイパッド3a上に半導体チップ1を搭載する。
その後、ステップS4のAlワイヤボンディングを実施する。ここでは、半導体チップ1の複数の電極パッド1cのうちの第2電極パッド1cbと、複数のインナリード3bのうちの第2リード3bbとをAlワイヤ6bによって電気的に接続する。
なお、複数のインナリード3bのそれぞれのステッチ部3bcは、ダイパッド3a側に配置された第2領域3beと、第2領域3beよりダイパッド3aから離れた位置に配置された第1領域3bdとを備えており、さらに各ステッチ部3bcの第1領域3bdの最表面にはAgめっき8bが形成され、一方、各ステッチ部3bcの第2領域3beの最表面にはNiめっき8aが形成されている。
また、第2リード3bbのステッチ部3bcの第2領域3beは、第1リード3baのステッチ部3bcの第2領域3beよりダイパッド3aに近づく方向に延びた延在部3bbaを有している。
そこで、半導体チップ1の第2電極パッド1cbと第2リード3bbとをAlワイヤ6bによって電気的に接続する際に、図16に示す第2リード3bbのステッチ部3bcの第2領域3beの延在部3bbaを、図17に示すようにクランパ12によって押さえた状態で接続する。
詳細には、図16に示す第2リード3bbのステッチ部3bcの第2領域3beの延在部3bbaのクランプエリアA(網掛け部)と、第1領域3bdのクランプエリアB(網掛け部)とを、それぞれ図17に示すようにクランパ12によって押さえ付けた状態でウェッジボンディングによってAlワイヤ6bを接続する。なお、図16および図17に示す領域Cが、ボンディング時にウェッジツールで押さえ付けられる箇所である。
これにより、Alワイヤ6bに対しても十分な超音波を印加することができるため、Alワイヤ6bと第2リード3bbの接続信頼性を高めることができる。
その後、ステップS5のAuワイヤボンディングを実施する。ここでは、図5および図6に示すように、半導体チップ1の複数の電極パッド1cのうちの第1電極パッド1caと、複数のインナリード3bのうちの第1リード3baの第1領域3bdとをAuワイヤ6aによって電気的に接続する。この時のワイヤボンディングは、ボールボンディングである。
すなわち、半導体チップ1の第1電極パッド1caと第1リード3baのステッチ部3bcの第1領域3bdとを、ボールボンディングによってAuワイヤ6aを介して電気的に接続する。つまり、2nd側では、Auワイヤ6aを第1リード3baのステッチ部3bcの第1領域3bdのAgめっき8bに接続する。
ワイヤボンディング後、ステップS6の樹脂封入(樹脂モールド)を行う。ここでは、複数のインナリード3b、吊りリード3d、ダイパッド3aの一部、半導体チップ1、複数の第1リード3baおよび第2リード3bbを、封止用樹脂によって封入し、封止体4を形成する。
その後、ステップS7に示す高温保管を行う。ここでは、ベーク処理によって封止体4を硬化させる。
その後、ステップS8に示すタイバーカットを行う。ここでは、図15に示すリードフレーム3のタイバー3fを切断し、アウタリード3cを個々に分離する。
その後、ステップS9に示すめっき形成を行って、封止体4から突出する複数のアウタリード3cの表面に外装めっき9を形成し、さらにめっき形成後、ステップS10に示す個片分離を行って各アウタリード3cおよび吊りリード3dを切断すると共に、各アウタリード3cをガルウィング状に曲げ成形する。
その後、ステップS11に示す特性選別を行う。ここでは、組み立てられたパッケージ7に対して電気的特性検査を行い、良品・不良品の判別を行う。
特性選別後、良品と判定されたパッケージ7に対してステップS12に示す捺印を行う。ここでは、図1に示す封止体4の表面に、例えば製品の型番等の情報をマーク(捺印)する。
捺印後、ステップS13の自動外観により、パッケージ7の外観検査を行う。
その後、ステップS14に示すテーピングを行い、さらにステップS15に示すテーピング外観を行ってテーピング状態の外観検査を行う。
その後、ステップS16に示す特性検査を行って、さらにステップS17に示す梱包を行う。梱包後、ステップS18に示す梱包検査およびステップS19に示す入庫を行い、その後、出荷となる。
本実施の形態の半導体装置(パッケージ7)およびその製造方法によれば、以下の効果を得ることができる。すなわち、複数のインナリード3bの各ステッチ部3bcは、最表面にAgめっき8bが施された第1領域3bdと、最表面にNiめっき8aが施された第2領域3beとを有している。さらに、第2領域3beがダイパッド3a側に配置され、かつ第1領域3bdは第2領域3beよりダイパッド3aから離れた位置(封止体4の周縁部側)に配置されているため、太いAlワイヤ6bを第2リード3bbの第2領域3beに接続し、細いAuワイヤ6aを第1リード3baの第1領域3bdに接続することができる。
つまり、複数のインナリード3bのそれぞれのステッチ部3bcにおいて、第1領域3bdと第2領域3beとで、最表面に施すめっきの種類を分けることができる。すなわち、本実施の形態では、各ステッチ部3bcにおいて、ダイパッド3a側の第2領域3beにはNiめっき8aが施され、封止体4の周縁部側にはAgめっき8bが施されており、このようにワイヤ6の種別に応じてリードのステッチ部3bcの第1領域3bdと第2領域3beに施すめっきの種類を分けることができる。
その結果、各ステッチ部3bcに形成するめっきとしてAuめっきの1種類のみを使用するということを避けることができるため、パッケージ7のコストの低減化を図ることができる。
また、複数のリードのそれぞれのステッチ部3bcは、ダイパッド3a側に配置された第2領域3beと、ダイパッド3aから離れた位置(封止体4の周縁部側)に配置された第1領域3bdとを備えており、第2リード3bbの第2領域3beは、第1リード3baの第2領域3beよりダイパッド3aに近づく方向に延びた延在部3bbaを有している。
これにより、第2リード3bbの第2領域3beに太いAlワイヤ6bをウェッジボンディングする際に、クランパ12によって押さえ付けるクランプエリアを延在部3bbaに確保することができる。
したがって、太いAlワイヤ6bに対しても安定してワイヤボンディングを行うことができ、ボンディング接合性を確保することができる。
その結果、パッケージ7の信頼性を向上させることができる。
また、2種類の直径(太さ)のワイヤ6を用いたパッケージ7であっても、パッケージサイズを変えることなく、出力リードの本数を増やすことができ、高機能化を図ることができる。
このことは、以下に示す課題を解決するための対策である。
すなわち、細線ワイヤと太線ワイヤの2種類の太さ(直径)のワイヤを用いるパワー系の半導体装置において、高機能化のためにパッケージサイズを変えることなく、出力リードの本数を増やしたいという要求があるが、この場合、リードの数を増やすと、リード1本1本のワイヤ接合部(ステッチ部)の大きさが小さく(狭く)なってしまう。
この場合、狭くなった限られた大きさのステッチ部に対して、太線ワイヤをボンディング(ウェッジボンディング)しなければならず、安定してボンディングするためのクランプエリア(ウェッジボンディング時に押さえ付けるエリア)の確保が不十分となり、ワイヤボンディングが不安定になるという課題が発生する。
つまり、太線ワイヤをリードのステッチ部にウェッジボンディングする際には、ワイヤの太さに応じて大きな超音波を印加する必要があるが、ステッチ部をクランパによってしっかりと押さえ付けないと太線ワイヤに超音波の大きなエネルギが十分に伝わらず、ワイヤボンディングの接合性が不安定になる可能性が高い。
このためには、太線ワイヤが接続されるリードのステッチ部において、クランパによる押さえ付けが可能な程度のクランプエリアを十分に確保しなければならない。
そこで、本実施の形態の半導体装置の組み立て工程のワイヤボンディング(ウェッジボンディング)時には、第2リード3bbのステッチ部3bcの第2領域3beに延在部3bbaを設けたことで、この延在部3bbaでクランプエリアを確保することができ、その結果、太いAlワイヤ6bに対しても安定してワイヤボンディングを行うことができる。
これにより、ボンディング接合性を確保することができ、パッケージ7の信頼性を向上させることができる。
さらに、上述のように、2種類の直径(太さ)のワイヤ6を用いたパッケージ7であっても、パッケージサイズを変えることなく、出力リードの本数を増やすことができ、高機能化を図ることができる。
次に本実施の形態の変形例について説明する。
図18は実施の形態の第1変形例の半導体装置の構造を示す断面図、図19は実施の形態の第1変形例の半導体装置の構造を示す断面図である。さらに、図20は実施の形態の第2変形例の半導体装置の構造を封止体を透過して示す平面図、図21は図20の半導体装置の組み立てで用いられるリードフレームの構造を示す部分平面図、図22は図20の半導体装置における太線ワイヤの接合状態を示す拡大部分平面図である。
図18〜図19に示す第1変形例は、半導体チップ1の上部に半導体チップ2が積層された構造のパッケージ13である。すなわち、2つの半導体チップ1,2が混載されたパッケージ13であり、例えば、半導体チップ1がMOSICであり、一方、半導体チップ2がMOSICを制御する制御ICである。
パッケージ13では、半導体チップ1上に半導体チップ2が搭載されており、半導体チップ2は、その裏面2bが半導体チップ1の表面1aにフィルム状の接着材等のダイボンド材5を介して接合されている。
パッケージ13においては、それぞれのチップ間が複数の細線ワイヤ(直径が細い)Auワイヤ6aによって電気的に接続されている。
また、図18に示すように、上層の半導体チップ2は、その表面(主面)2aに形成された電極パッド2cが細いAuワイヤ6aを介して第1リード3ba(インナリード3b)のステッチ部3bcの封止体4の周縁部側の第1領域3bdに電気的に接続されている。一方、図19に示すように、下層の半導体チップ1は、その表面1aの電極パッド1cが太いAlワイヤ6bを介して第2リード3bb(インナリード3b)のステッチ部3bcのダイパッド3a側の第2領域3beに電気的に接続されている。
すなわち、パッケージ7と同様に、半導体チップ2の電極パッド2cと第1リード3baのステッチ部3bcの第1領域3bdのAgめっき8bとが、細いAuワイヤ6aによって電気的に接続され、一方、半導体チップ1の電極パッド1cと第2リード3bbのステッチ部3bcの第2領域3beのNiめっき8aとが、太いAlワイヤ6bによって電気的に接続されている。
このようなパッケージ13においても、パッケージ7と同様の効果を得ることができる。
すなわち、各ステッチ部3bcにおいて、ダイパッド3a側の第2領域3beにはNiめっき8aが施され、封止体4の周縁部側にはAgめっき8bが施されており、このようにワイヤ6の種別に応じてリードのステッチ部3bcの第1領域3bdと第2領域3beに施すめっきの種類を分けることができる。
その結果、各ステッチ部3bcに形成するめっきとしてAuめっきの1種類のみを使用するということを避けることができるため、パッケージ13のコストの低減化を図ることができる。
また、複数のリードの各ステッチ部3bcは、ダイパッド3a側に配置された第2領域3beと、ダイパッド3aから離れた位置(封止体4の周縁部側)に配置された第1領域3bdとを備えており、第2リード3bbの第2領域3beは、第1リード3baの第2領域3beよりダイパッド3aに近づく方向に延びた図16の延在部3bbaを有している。
これにより、第2リード3bbの第2領域3beに太いAlワイヤ6bをウェッジボンディングする際に、クランパ12によって押さえ付けるクランプエリアを延在部3bbaに確保することができる。
したがって、パッケージ7と同様に、太いAlワイヤ6bに対しても安定してワイヤボンディングを行うことができ、ボンディング接合性を確保することができる。
その結果、パッケージ13の信頼性を向上させることができる。
さらに、2種類の直径(太さ)のワイヤ6を用いたパッケージ13であっても、パッケージサイズを変えることなく、出力リードの本数を増やすことができ、高機能化を図ることができる。
次に、図20〜図22に示す第2変形例は、図1〜図5に示すパッケージ7と同様に、1つの半導体チップ1のみが搭載されたパワー系のパッケージ14である。
パッケージ14では、第2リード3bbの延在部3bbaが、ダイパッド3aの切り欠き部3agと対向する位置に、ダイパッド3aの第2リード3bbと対向する第1辺3acに対して平面視で傾斜するように設けられた傾斜部3bbbを有している。すなわち、第2リード3bbのステッチ部3bcの第2領域3beの延在部3bbaに、傾斜部3bbbが設けられている。
このように、第2リード3bbのステッチ部3bcの第2領域3beの延在部3bbaに傾斜部3bbbが形成され、一方、この傾斜部3bbbに対応するダイパッド3aの角部に切り欠き部3agが形成されていることにより、第2リード3bbとダイパッド3aの接触を確実に避けることができる。
また、図22に示すように、太いAlワイヤ6bは、平面視で、第2リード3bbの延在部3bbaの傾斜部3bbbを横切るように配置されている。
これは、Alワイヤ6bが、半導体チップ1の第2電極パッド1cbから第2リード3bbに向けて末広がりに配置されていることで、第2リード3bbの延在部3bbaの傾斜部3bbbを横切るように配置することが可能になるものである。
その結果、第2リード3bbの延在部3bbaの傾斜部3bbbが、Alワイヤ6bの下部(図22のD部(斜線部))に配置されるため、Alワイヤ6bの第2リード3bbのステッチ部3bcでの接続部の面積を大きく確保することができ、Alワイヤ6bと第2リード3bbの接続信頼性をさらに高めることができる。
なお、パッケージ14によって得られるその他の効果については、パッケージ7やパッケージ13と同様であるため、その重複説明は省略する。
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施の形態では、半導体装置(パッケージ7,13,14)における出力リードの本数が7本の場合について説明したが、出力リードの本数は8本以上であってもよいことは言うまでもない。
また、上記実施の形態では、上記半導体装置においてダイパッド3aの下面3abが封止体4の裏面4aに露出する構造の場合を説明したが、上記半導体装置は、ダイパッド3aの下面3ab(あるいは一部)が封止体4から露出しない構造であってもよい。