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JP6406143B2 - 車両用回転電機 - Google Patents

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JP6406143B2
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Description

本発明は、発電機能を有する車両用回転電機に関する。
発電機能を有する車両用回転電機は、出力端子に接続された配線を介して、各種の電気負荷やバッテリに電力を供給する。車両用回転電機の発電作動時に、配線が出力端子やバッテリ端子から外れると、ロードダンプと呼ばれる過渡的な高電圧が発生する。このようなロードダンプの発生時には、固定子巻線に蓄積されたエネルギーが消滅するまで、スイッチング素子をオンオフして高電圧を抑制するロードダンプ保護技術が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の車両用回転電機では、ロードダンプ保護動作を開始した直後に出力電圧が第1閾値電圧から第2閾値電圧まで低下する時間と、第2閾値電圧から第1閾値電圧まで上昇する時間とを実際に測定している。そして、上記車両用回転電機では、それ以後のスイッチング素子のオンオフ時間を実際に測定した時間よりも短くすることにより、ロードダンプ発生時に配線に残存する負荷の大きさに関係なく、ロードダンプ保護動作中の出力電圧変動を小さくしている。さらに、上記車両用回転電機では、固定子巻線に蓄積されたエネルギーが消滅した時点でロードダンプ保護を終了し、通常の整流動作に復帰している。
特開2015−65788号公報
一般に、車両用回転電機は、始動時にエンジンの負荷を徐々に増加させるため、発電量を徐々に増加させる始動時徐励を行う。ロードダンプ発生に起因してロードダンプ保護終了後に始動時徐励が実施されると、発電電力よりも負荷の消費電力の方が大きくなって、車両用回転電機の出力電圧が低下することがある。出力電圧が低下すると、発電制御装置等の電源を維持できなくなり、発電が停止に至るおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑み、ロードダンプ保護動作の終了後に、徐励の実施を抑制可能な車両用回転電機を提供することを主たる目的とする。
第1の発明は、回転軸が内燃機関の回転軸に接続される車両用回転電機であって、回転子の界磁極を磁化させる界磁巻線と、前記界磁極によって発生する回転磁界により交流電圧を発生する複数相の電機子巻線と、上アーム及び下アームを有し、前記上アーム及び前記下アームの少なくとも一方がスイッチング素子で構成されたブリッジ回路であって、前記電機子巻線の誘起電圧を整流して出力する整流回路と、前記界磁巻線に供給する励磁電流を調整して、前記整流回路の出力電圧を制御する発電制御装置と、前記スイッチング素子のオンオフを制御するスイッチング制御装置と、を備え、前記発電制御装置は、前記発電制御装置のリセット又は前記内燃機関の始動を検出し、且つ前記回転子の回転速度が所定回転速度よりも低い場合に、所定の徐励期間、発電量を徐々に上げる徐励を実施する徐励部を備え、前記スイッチング制御装置は、前記出力電圧が第1閾値を超えた場合に、ロードダンプの発生を検出する検出部と、前記出力電圧が前記第1閾値を超えた場合に、前記上アーム及び前記下アームの一方の前記スイッチング素子をオン状態にするとともに、前記出力電圧が前記第1閾値よりも低い第2閾値まで低下した場合に、前記一方のスイッチング素子をオフ状態にする保護部と、前記検出部により前記ロードダンプの発生が検出された場合に、前記所定回転速度よりも高い回転速度の疑似信号を前記発電制御装置へ出力する疑似信号部と、を備える、ことを特徴とする。
第1の発明によれば、発電制御装置のリセット又は内燃機間の始動が検出され、且つ回転子の回転速度が所定回転速度よりも低い場合に、所定の徐励期間、徐励が実施される。これにより、エンジンの回転速度を安定させることができる。また、出力電圧が第1閾値を超えた場合に、ロードダンプの発生が検出される。そして、出力電圧が第1閾値を超えた場合に、上アーム及び下アームの一方のスイッチング素子がオン状態にされ、出力電圧が第2閾値まで低下した場合に、スイッチング素子がオフ状態にされる。すなわち、ロードダンプ保護動作が実施される。これにより、出力電圧が低下しすぎて界磁巻線が再励磁されることを抑制しつつ、出力電圧を抑制することができる。
ここで、ロードダンプ発生に起因して、発電制御装置がリセットされ、内燃機関の始動が誤検出されたりすることがある。その場合、ロードダンプ保護動作の終了時に、回転子の回転速度が所定回転速度よりも低くなっていると、内燃機関の始動時でないにもかかわらず、徐励が実施されるおそれがある。この点、ロードダンプの発生が検出された場合に、所定回転速度よりも高い回転速度の疑似信号が発電制御装置へ出力される。これにより、ロードダンプ保護動作の終了時に、実際の回転速度が所定回転速度よりも低くなっている場合でも、所定回転速度よりも高い回転速度と認識される。したがって、ロードダンプ保護動作を終了して発電を再開した際に、徐励が実施されることを抑制できる。
第2の発明は、前記発電制御装置は、前記出力電圧が所定電圧よりも低くなった場合に、前記徐励をキャンセルするキャンセル部と、前記発電制御装置のリセット又は前記内燃機関の始動が検出されてから所定期間、前記キャンセル部による前記徐励のキャンセルを無効化する無効化部と、を備え、前記疑似信号部は、前記キャンセル部によるキャンセル機能が有効になるまで、前記疑似信号を前記発電制御装置へ送信する、ことを特徴とする。
第2の発明によれば、発電制御装置のリセット又は内燃機関の始動が検出されてから所定期間経過するまでの間は、出力電圧が所定電圧よりも低くなっても、徐励が停止されないため、低負荷の状態でエンジンを確実に始動させることができる。ただし、ロードダンプの発生が検出された場合には、キャンセル機能が有効になるまで、疑似信号が出力される。よって、ロードダンプの発生に起因して、発電制御装置がリセットされ、内燃機関の始動が誤検出されたりした場合でも、ロードダンプ保護動作の終了後に、徐励が実施されることを抑制できる。また、徐励のキャンセル機能が有効になった後は、出力電圧が所定電圧よりも低下すれば徐励が停止されるため、出力電圧が所定電圧よりも低下することがない。よって、出力電圧の低下を抑制して、発電停止を抑制できる。
第3の発明は、前記発電制御装置は、前記回転子の回転速度を検出する速度検出端子を備え、前記スイッチング制御装置は、前記疑似信号を出力する信号出力端子を備え、前記速度検出端子は、前記電機子巻線の一端と抵抗を介して接続されているとともに、前記信号出力端子と接続されている、ことを特徴とする。
第3の発明によれば、発電制御装置の速度検出端子には、電機子巻線の相電圧に疑似信号が重畳した信号が入力される。これにより、発電制御装置は、疑似信号を読み取って、所定回転速度よりも高い回転速度を検出することができる。また、速度検出端子には、抵抗を介して相電圧が入力されるため、スイッチング制御装置の一部の素子が故障した場合でも、発電制御装置は、相電圧を検出して発電制御を継続することができる。
第4の発明は、前記スイッチング制御装置は、前記電機子巻線の相電圧を出力する第1経路と、前記疑似信号を出力する第2経路と、を備え、前記疑似信号部は、前記検出部により前記ロードダンプの発生が検出された場合に、前記第1経路と前記発電制御装置との接続を切断するとともに、前記第2経路と前記発電制御装置とを接続させる、ことを特徴とする。
第4の発明によれば、ロードダンプの発生時には、第1経路と発電制御装置との接続が切断されるとともに、第2経路と発電制御装置とが接続され、発電制御装置に、相電圧の代わりに疑似信号が入力される。この場合、疑似信号が発電制御へ直接入力されるため、理想的な波形の疑似信号が読み取られる。よって、回転速度の誤検出を抑制できる。また、電機子巻線と発電制御装置との間に抵抗を接続する必要がない。一般に、モジュール外に抵抗を接続する場合、溶接や防水等の加工の手間がかかり、製造コストが増加する。この点、電気子巻線と発電制御装置との間、すなわちモジュール外に抵抗を接続する必要がないため、製造時の加工の手間及び製造コストを低減することができる。
第1実施形態に係る車両用発電機の構成を示す図。 第1実施形態に係る発電制御装置の構成を示す図。 第1実施形態に係る整流器モジュールの構成を示す図。 負荷遮断時における負サージの発生を示す図。 従来の負荷遮断時における、(a)出力電圧、出力端コンデンサ電圧、及び相電圧、(b)下スイッチの駆動信号、(c)レギュレータ電圧のタイムチャート。 第1実施形態の負荷遮断時における、(a)出力電圧、出力端コンデンサ電圧、及び相電圧、(b)下スイッチの駆動信号、(c)疑似信号、(d)レギュレータ電圧のタイムチャート。 第1実施形態に係る信号出力部の構成を示す図。 (a)相電圧、(b)疑似信号を示す図。 第1実施形態において、発電制御装置に入力される信号を示す図。 ロードダンプ保護動作の処理手順を示すフローチャート。 第2実施形態に係る信号出力部の構成を示す図。 第2実施形態において、発電制御装置に入力される信号を示す図。
以下、車両用回転電機を具現化した各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係る車両用回転電機は、車両用発電機として具現化することを想定している。
(第1実施形態)
まず、本実施形態に係る車両用発電機の構成について、図1を参照して説明する。本実施形態に係る車両用発電機10は、2つの電機子巻線11,12、界磁巻線14、2つの整流器モジュール群15,16、発電制御装置17、及びツェナーダイオード18、を備えている。
電機子巻線11は、複数相の固定子巻線、具体的にはX相巻線、Y相巻線及びZ相巻線からなる3相巻線であり、固定子鉄心(図略)に巻装されている。同様に、電機子巻線12は、U相巻線、V相巻線及びW相巻線からなる3相の固定子巻線である。電機子巻線12は、電機子巻線11に対して、電気角30度ずらした位置に巻装されている。本実施形態では、電機子巻線11,12及び固定子鉄心によって、固定子が構成されている。
界磁巻線14は、固定子鉄心の内周側に対向配置された界磁極(図略)に巻装されて回転子を構成している。回転子の回転軸140は、プーリー等を介してエンジン200(内燃機関)に接続されている。界磁巻線14に励磁電流を流すことにより、界磁極が磁化される。そして、磁化された界磁極により発生する回転磁界によって、電機子巻線11,12に交流電圧が発生する。
整流器モジュール群15は、整流器モジュール15X,15Y,15Zから構成されている。整流器モジュール15X,15Y,15Zは、それぞれ、2個のMOSトランジスタの直列体と、2つのMOSトランジスタのオンオフを制御する制御回路54とを含む。整流器モジュール15X,15Y,15Zは、それぞれ、電機子巻線11のX相巻線,Y相巻線,Z相巻線に接続されている。整流器モジュール15X,15Y,15Zに含まれる6個のMOSトランジスタから、図4に示すように、上アーム及び下アームを有する三相のブリッジ回路であり、電機子巻線11,12に発生する誘起電圧を整流する整流回路15Aが構成される。この整流回路15Aは、電機子巻線11から出力される交流電圧を整流して出力端子であるB端子から出力する。なお、整流器モジュール15Xの詳細な構成は後述する。
同様に、整流器モジュール群16は、電機子巻線12のU相巻線,V相巻線,W相巻線に接続される整流器モジュール16U,16V,16Wから構成されている。そして、整流器モジュール16U,16V,16Wに含まれる6個のMOSトランジスタから、上アーム及び下アームを有する三相のブリッジ回路である整流回路(図略)が構成される。この整流回路は、電機子巻線12から出力される交流電圧を整流して出力端子Bから出力する。
発電制御装置17は、車両用発電機10の出力電圧Vb(整流器モジュール群15,16に含まれる整流回路の出力電圧)と、調整電圧Vrefとの比較に基づいて、F端子を介して接続された界磁巻線14に供給する励磁電流を制御する。すなわち、発電制御装置17は、出力電圧Vbが調整電圧Vrefになるように、励磁電流を調整する。なお、発電制御装置17の詳細な構成は後述する。
ツェナーダイオード18は、整流器モジュール群15、16の出力端子間、すなわちB端子とグランドに接続されたE端子との間に接続されている。詳しくは、ツェナーダイオード18のカソードがB端子に接続されており、アノードがE端子に接続されている。
車両用発電機10の出力端子であるB端子には、配線25の一端が接続されている。配線25の他の一端は、バッテリ40の正極端子に接続されている。すなわち、配線25は、B端子とバッテリ40の正極端子とを接続する電気配線である。配線25には、出力端コンデンサ20及び負荷31の第1端が接続されている。また、バッテリ40の正極端子には、配線25とは異なる配線により負荷32の第1端が接続されている。負荷31,32は、ワイパー、空調装置、ヘッドライト、各種IC、ECU等の車載電気負荷である。バッテリ40の負極端子、出力端コンデンサ20及び負荷31,32の第2端は、グランドに接続されている。車両用発電機10の出力電圧Vbは、配線25やその他の配線を介して、バッテリ40や負荷31,32に供給される。
次に、発電制御装置17について、図2を参照して説明する。発電制御装置17は、NチャネルMOSFETであるスイッチング素子71、還流ダイオード72、抵抗73、74、電圧比較回路75、励磁電流制御回路76、回転検出回路77、通信回路78及、電源回路79及びコンデンサ80を備える。また、発電制御装置17は、B端子(出力端子)、F端子(励磁駆動端子)、P端子(相電圧検出端子)、及びL端子(通信端子)を備える。
電源回路79は、B端子の電圧を用いて、発電制御装置17に含まれる各回路に動作電源を供給する。通信回路78は、L端子を介して外部の制御装置であるECU100とシリアル通信を行い、ECU100から送信された調整電圧Vref等を受信する。
発電制御装置17は、後述するロードダンプの発生に起因して、車両用発電機10の出力電圧Vbが急激に落ち込んだ場合、すなわち、B端子の電圧が急激に低下した場合に、コンデンサ80の容量が比較的小さい場合、出力電圧Vbが落ち込んだ際に電源電圧が不足して、発電制御装置17は自動的にリセットする。また、発電制御装置17は、エンジン200の始動に伴い出力電圧Vbが急激に落ち込んだ場合や、エンジン200の始動を判断した場合に、リセットされる。
スイッチング素子71及び還流ダイオード72は、それぞれB端子とF端子、F端子とE端子との間に、接続されている。抵抗73,74は、B端子とE端子との間に直列に接続されて分圧回路を構成し、出力電圧Vbを分圧した電圧を、電圧比較回路75へ入力する。電圧比較回路75は、分圧された出力電圧Vbと、調整電圧Vrefに対応する基準電圧とを比較する。
励磁電流制御回路76は、電圧比較回路75の比較結果に基づいて、スイッチング素子71のオンオフを制御することにより、界磁巻線14に供給する励磁電流を調整する。詳しくは、励磁電流制御回路76は、出力電圧Vbが調整電圧Vrefよりも高い場合には、励磁電流の供給を停止又は低減し、出力電圧Vbが調整電圧Vref以下の場合には、励磁電流の供給を行う。励磁電流制御回路76は、回転検出回路77により回転子の回転停止が検出された場合に、励磁電流の供給を停止又は低減して、初期励磁状態へ移行させる。
また、一般に、車両用発電機は、車両の停止中において、エンジン200を始動する際に、励磁電流を徐々に大きくして、発電量を徐々に上げる徐励を実施する。エンジン200の始動時に急激に発電量を上げると、エンジン200の負荷が急激に上がることになる。その結果、エンジン200の回転速度が低下し、エンジン200の始動が不安定になる。よって、一般に、車両用発電機は、エンジン200の始動時において、エンジン200の負荷を緩やかに上昇させるように徐励を実施する。
本実施形態では、励磁電流制御回路76は、徐励部76a、キャンセル部76b及び無効化部76cの機能を備える。徐励部76aは、発電制御装置17のリセットを検出し、且つ車両用発電機10の回転子の回転速度が徐励キャンセル回転速度(所定回転速度)よりも低い場合に、所定の徐励期間(例えば、数s)、徐励を実施する。あるいは、徐励部76aは、エンジン200の始動を検出し、且つ車両用発電機10の回転速度が徐励キャンセル回転速度よりも低い場合に、所定の除励期間、徐励を実施する。徐励部76aは、ECU100から発電開始指示を受信するとともに、回転速度を検出した場合や、発電制御装置17がリセットされた場合等に、エンジン200の始動を検出する。よって、ロードダンプの発生に起因して、発電制御装置17がリセットされた際に、車両用発電機10の回転速度が徐励キャンセル回転速度よりも低い場合には、徐励が実施される。
キャンセル部76bは、出力電圧Vbが所定電圧よりも低くなった場合に、徐励をキャンセルする。通常、出力電圧Vbが所定電圧よりも低くなった場合に、徐励の実施を継続すると、出力電圧Vbが過度に低下する。出力電圧Vbが過度に低下すると、各種ICやECU等の電源が不足して各種ICやECU等が停止し、エンスト等のおそれがある。よって、キャンセル部76bは、出力電圧Vbが所定電圧よりも低くなった場合に、徐励をキャンセルする。
無効化部76cは、発電制御装置17のリセット又はエンジン200の始動が検出されてから所定期間(例えば数百ms)、キャンセル部76bによる徐励のキャンセルを無効化する。これにより、発電制御装置17のリセット又はエンジン200の始動が検出されてから所定期間が経過するまでの間は、出力電圧Vbが所定電圧よりも低くなった場合でも、徐励が継続される。すなわち、所定期間が経過するまでの間は、出力電圧Vbの維持よりもエンジン200の始動を優先して、負荷の急激な上昇を確実に抑制する。これにより、エンジン200を安定して始動させることができる。
回転検出回路77は、P端子に接続されており、P端子は、抵抗13を介して、電機子巻線11,12(例えばX相巻線)に接続されている。回転検出回路77には、抵抗13(破線で示す)及びP端子を介して、電機子巻線11,12のいずれかの相電圧Vp(例えばX相)が入力される。回転検出回路77は、入力された相電圧Vpの振幅の振動周期に基づいて、回転子の回転速度を検出する。また、回転検出回路77は、ロードダンプ保護動作中に、後述する整流器モジュール15Xの信号出力部60から疑似信号Spを受信し、受信した疑似信号Spに基づいて、回転子の回転速度を検出する。なお、本実施形態では、P端子が速度検出端子に相当する。
コンデンサ80は、B端子とE端子との間に接続されており、整流器モジュール群15、16の出力端子であるB端子から入力されるノイズを除去するものである。コンデンサ80の容量Cinは、出力端コンデンサ20の容量Cconよりも小さい。例えば、容量Cinは数μF程度、容量Cconは数mF程度である。
次に、整流器モジュール15Xについて、図3を参照して説明する。整流器モジュール15X,15Y,15Z,16U,16V,16Wは、同じ構成となっているので、ここでは、代表して整流器モジュール15Xについて説明する。
整流器モジュール15Xは、上スイッチ50、下スイッチ51、及び制御回路54を備える。また、整流器モジュール15Xは、B端子(出力端子)、P端子(相電圧検出端子)、E端子(グランド)、及びRP端子(信号出力端子)を備える。
上スイッチ50は、整流回路15Aの上アーム(ハイサイド側)のスイッチング素子であり、下スイッチ51は、整流回路15Aの下アーム(ローサイド側)のスイッチング素子である。本実施形態では、上スイッチ50及び下スイッチ51は、NチャネルMOSFETを用いている。上スイッチ50は、ソース端子がP端子を介して電機子巻線11のX相巻線に接続されており、ドレイン端子が出力端子であるB端子に接続されている。下スイッチ51は、ドレイン端子がP端子を介して電機子巻線11のX相巻線に接続されており、ソース端子がE端子に接続されている。すなわち、上スイッチ50のソース端子と、下スイッチ51のドレイン端子とは接続されている。
そして、上スイッチ50のゲート端子は、制御回路54の出力端子HGに接続されており、下スイッチ51のゲート端子は、制御回路54の出力端子LGに接続されている。上スイッチ50及び下スイッチ51は、制御回路54からゲート端子に入力される駆動信号によりオンオフされる。また、上スイッチ50及び下スイッチ51のそれぞれのソース−ドレイン間には、ボディダイオードが並列に接続されている。また、RP端子は、抵抗13を介してX相巻線に接続されている。
制御回路54(スイッチング制御装置)は、電源63及び制御部55を備える。電源63は、B端子の電圧を用いて、制御回路54に含まれる各素子に動作電源を供給する。
制御部55は、ロードダンプが発生していない通常時には、上スイッチ50及び下スイッチ51に、オン状態又はオフ状態にする駆動信号を送信して、同期整流を行う。詳しくは、P端子に入力された相電圧Vpが、B端子に入力された出力電圧Vbを超えている期間に渡って、上スイッチ50をオン状態にするとともに、下スイッチ51をオフ状態とする。また、相電圧Vpが負電圧となっている期間に渡って、上スイッチ50をオフ状態とするとともに、下スイッチ51をオン状態とする。
また、制御部55は、ロードダンプの発生時に、電機子巻線11に蓄積されたエネルギーが消滅するまで、上スイッチ50及び下スイッチ51の一方をオフ状態にしたまま、他方のスイッチのオンオフを繰り返すロードダンプ保護動作を行う。本実施形態では、上スイッチ50をオフ状態にしたまま、下スイッチ51のオンオフを繰り返すロードダンプ保護動作を行う。詳しくは、下スイッチ51をオフ状態にして、電機子巻線11からグランドへ電流を流し、出力電圧Vbが調整電圧Vref以下になる前に、下スイッチ51をオン状態にして、出力電圧Vbを回復させることを繰り返す。
具体的には、制御部55は、電圧検出部56、ロードダンプ検出部57、保護部58及び信号出力部60の機能を備える。電圧検出部56は、B端子の電圧である出力電圧Vbを検出する。ロードダンプ検出部57(検出部)は、出力電圧Vbが閾値Vth1(第1閾値)を超えた場合に、ロードダンプの発生を検出する。
図5(a)及び図6(a)は、出力電圧Vb、出力端コンデンサ20の端子間電圧Vcon、X相の相電圧Vpのタイムチャートを示す。図5(b)及び図6(b)は、下スイッチ51の駆動信号のタイムチャートを示す。図5(c)及び図6(d)は、レギュレータ電圧であるF端子の電圧VFのタイムチャートを示す。また、図6(c)は、後述する疑似信号Spのタイムチャートを示す。なお、端子間電圧Vconは、直接検出できないため、出力電圧Vbから推定した推定値となっている。
保護部58は、出力電圧Vbが閾値Vth1(第1閾値)を超えた場合に、上スイッチ50をオフ状態にしたまま下スイッチ51をオン状態にする。このとき相電圧Vpは、0Vとなる。図5及び図6において、遅れ時間T1は、実際に出力電圧Vbが閾値Vth1を超えた時点t10,t20から、下スイッチ51がオン状態になる時点t11,t21までの遅れ時間である。
そして、保護部58は、下スイッチ51をオン状態にしたことに伴い、出力電圧Vbが閾値Vth2(第2閾値)まで低下した場合に、下スイッチ51をオフ状態にする。閾値Vth2は、閾値Vth1よりも低く、調整電圧Vrefよりも高い値とする。このとき相電圧Vpは、ボディダイオードの順方向電圧となる。図5及び図6において、遅れ時間T2は、実際に出力電圧Vbが閾値Vth2まで低下した時点t12,t22から、下スイッチ51がオフ状態になる時点t13,t23までの遅れ時間である。
保護部58は、電機子巻線11に蓄積されたエネルギーが消滅するまで、下スイッチ51のオンオフを繰り返して、ロードダンプ保護動作を実施する。保護部58は、出力電圧Vbが一定時間継続して閾値Vth1よりも低くなった場合や、出力電圧Vbが一定時間継続して閾値Vth2よりも低くなった場合に、電機子巻線11に蓄積されたエネルギーが消失したと判定して、ロードダンプ保護動作を終了する。本実施形態では、保護部58は、出力電圧Vbが、下スイッチ51をオフ状態にしてから車両用発電機10の1周期以上、継続して閾値Vth1よりも低くなった場合に、ロードダンプ保護動作を終了する。ロードダンプ保護動作の終了後、出力電圧Vbが調整電圧Vrefを下回ると、励磁電流の供給が再開され、発電が再開される。
負荷遮断が発生して出力電圧Vbが閾値Vth1を超えると、上スイッチ50がオフ状態、下スイッチ51がオン状態にされる。その際、上スイッチ50がオフ状態で上スイッチ通電中に、下スイッチ51がオン状態にされると、上スイッチ50に並列接続されたダイオードよりも下スイッチ51の方が、電流が流れやすいため、出力電流Ibの流れが止まり、下スイッチ51を通って電流が流れるようになる。これに伴い、B端子に接続されている配線25のインダクタンスLにより、B端子に負サージが発生する。その結果、図5(a)及び図6(a)に示すように、出力電圧Vbが0Vまで急激に落ち込む。この負サージは、配線25のインダクタンスLによる一時的なものであり、配線25に蓄えられているエネルギーがなくなると消失する。
出力電圧Vbが0Vまで急激に落ち込んだ時点t11,時点t21において、発電制御装置17はリセットされる。これに伴い、徐励部76aは、徐励Dutyの初期値をセットして、内部で所定の徐励時間をかけてDutyを上げていく。その後、出力電圧Vbが回復し、時点t14,t24において、再び出力電圧Vbが0Vまで落ち込むと、発電制御装置17は再度リセットされる。これに伴い、徐励部76aは、徐励Dutyカウンタの初期値を再度セットして徐励Dutyを上げる。
そして、保護部58によるロードダンプ保護動作が終了すると、出力電圧Vbが調整電圧Vrefよりも低下した時点で、発電が再開される。従来、徐励部76aは、発電の再開時に回転子の回転速度が徐励キャンセル回転速度よりも低い場合、図5(c)に示すように、徐励Dutyのカウント時間(時点t14から時点t15までの時間)に応じた徐励Dutyで、スイッチング素子71を制御して徐励を開始していた。
ロードダンプの発生原因が負荷遮断の場合、配線25に負荷31のような残存負荷が接続されている場合がある。配線25に残存負荷が接続されている状態で、発電量を徐々に上げる徐励を実施すると、発電量が十分に上がる前に、負荷31の消費電力量に対して発電量が足りなくなり、出力電圧Vbが過度に低下してしまうおそれがある。出力電圧Vbが過度に低下すると、発電制御装置17や整流器モジュール15,16等の各種ICやECUに電源電圧が供給されなくなり、各種ICやECUが停止して、発電が停止してしまうおそれがある。よって、ロードダンプ保護動作の終了後に発電を再開する際には、徐励を実施せず、通常の発電制御を実施することが望ましい。
そこで、信号出力部60(疑似信号部)は、図6(c)に示すように、ロードダンプの発生が検出された場合に、徐励キャンセル回転速度よりも高い回転速度の疑似信号Spを、RP端子から発電制御装置17のRP端子へ送信する。これにより、発電制御装置17の回転検出回路77は、回転子の回転速度を疑似信号Spの回転速度と認識する。そのため、徐励部76aは、ロードダンプ保護動作の終了後に発電を再開する際に、徐励を実施しない。励磁電流制御回路76は、図6(d)に示すように、ロードダンプ保護動作の終了後に、出力電圧Vbが調整電圧Vref以下となった場合には、通常の発電制御を実施する。
以下、信号出力部60の具体的な構成について、図7を参照して説明する。信号出力部60は、抵抗R1AとスイッチSWAとの直列体と、スイッチSWAを駆動する駆動部とから構成される。抵抗R1AとスイッチSWAとの直列体は、整流器モジュール15XのB端子とRP端子との間に接続されている。また、発電制御装置17のP端子は、抵抗13及び整流器モジュール15XのP端子を介してX相巻線の一端に接続されているとともに、整流器モジュール15XのRP端子に接続されている。スイッチSWAを、所望の回転速度に応じた周期でオンオフすると、図8(b)に示す疑似信号Spが、整流器モジュール15XのRP端子から発電制御装置17のP端子へ入力される。また、図8(a)に示す相電圧Vpも、整流器モジュール15XのP端子及び抵抗13を介して、発電制御装置17のP端子へ入力される。よって、発電制御装置17のP端子には、図9に示す相電圧Vpに疑似信号Spが重畳した信号が入力される。相電圧Vpに疑似信号Spを重畳することにより、相電圧VpはスイッチSWAから流し込む電流に応じて(例えば5V)持ち上げられる。
信号出力部60は、図6(c)に示すように、保護部58によりロードダンプ保護動作の終了が判断された時点t25において、スイッチSWAの駆動を開始して、疑似信号Spの出力を開始する。なお、発電を再開するのはロードダンプ保護動作の終了後であるが、信号出力部60は、ロードダンプ保護動作の終了前から疑似信号Spを出力するようにしてもよい。例えば、信号出力部60は、出力電圧Vbが閾値Vth1を最初に超えた時点t20や、ロードダンプ保護動作を開始した時点t21から、疑似信号Spの出力を開始してもよい。
さらに、信号出力部60は、キャンセル部76bによる徐励のキャンセル機能が有効になるまで、疑似信号Spの出力を継続する。上述したように、無効化部76cは、発電制御装置17のリセット又はエンジン200の始動が検出されてから所定期間、キャンセル部76bによる徐励のキャンセルを無効化する。信号出力部60は、この所定期間が終了するまで疑似信号Spの出力を継続する。例えば、無効化部76cが、時点t24から時点t27までを所定期間として、徐励のキャンセルを無効化する場合、信号出力部60は、どの時点から疑似信号Spの出力を開始したとしても、時点t27まで疑似信号Spの出力を継続する。キャンセル部76bによる徐励のキャンセル機能が有効になった後は、出力電圧Vbが低下した場合に徐励がキャンセルされて、発電量が増加する。そのため、徐励のキャンセル機能が有効になった後は、疑似信号Spを送信しなくても、出力電圧Vbの過度な低下が抑制される。
発電制御装置17の回転検出回路77は、疑似信号Spの周期を読み取って、回転速度を検出する。よって、回転子の実際の回転速度が徐励キャンセル回転速度よりも低い場合でも、徐励回転速度よりも高い回転速度と認識される。これにより、図6(d)に示すように、ロードダンプ保護動作の終了後において、徐励が実施されず、通常の発電制御が実施される。
また、制御回路54の一部の素子が故障して、上スイッチ50や下スイッチ51がオン状態にならない場合でも、発電制御装置17のP端子には、抵抗13を介して相電圧Vpが入力される。よって、制御回路54の一部の素子が故障しても、発電制御装置17は、相電圧Vpを検出して発電制御を継続できる。上スイッチ50又は下スイッチ51がオン状態にならない場合には、ボディダイオードによる整流が行われる。
次に、ロードダンプ保護動作の処理手順について、図10のフローチャートを参照して説明する。本処理手順は、制御部55が所定間隔で繰り返し実行する。
まず、発電中か否か判定する(S10)。発電中でない場合は(S10:NO)、S10の処理を繰り返し実行する。発電中の場合は(S10:YES)、次に、出力電圧Vbが閾値Vth1よりも大きいか否か判定する(S11)。すなわち、ロードダンプが発生して、過電圧となったか否か判定する。出力電圧Vbが閾値Vth1以下の場合は(S11:NO)、ロードダンプが発生していないと判定して、S10の処理に戻る。
一方、出力電圧Vbが閾値Vth1よりも大きい場合は(S11:YES)、ロードダンプが発生したと判定して、ロードダンプ保護動作を開始する。まず、上スイッチ50をオフ状態にするとともに、下スイッチ51をオン状態にする(S12)。
続いて、出力電圧Vbが閾値Vth2よりも低いか否か判定する(S13)。出力電圧Vbが閾値Vth2以上の場合は(S13:NO)、S13の処理を繰り返し実行する。一方、出力電圧Vbが閾値Vth2よりも低い場合は(S13:YES)、上スイッチ50をオフ状態にしたまま、下スイッチ51をオフ状態にする(S14)。
続いて、出力電圧Vbが閾値Vth1よりも低い状態が、下スイッチ51をオフ状態に切り替えてから、車両用発電機10の1周期以上継続しているか否か判定する(S15)。すなわち、電機子巻線11に蓄積されたエネルギーが消滅したか否か判定する。
下スイッチ51をオン状態に切り替えてから、車両用発電機10の1周期が経過する前に、出力電圧Vbが閾値Vth1を超えた場合は(S15:NO)、S12の処理に戻って、ロードダンプ保護動作を繰り返し実行する。一方、下スイッチ51をオフ状態に切り替えてから、車両用発電機10の1周期が経過するまでの間、出力電圧Vbが継続して閾値Vth1よりも低かった場合は(S15:YES)、ロードダンプ保護動作を終了して、疑似信号Spの出力を開始する(S16)。以上で本処理を終了する。
以上説明した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)ロードダンプの発生が検出された場合に、徐励キャンセル回転速度よりも高い回転速度の疑似信号Spが、整流器モジュール15Xの信号出力部60から発電制御装置17へ出力される。これにより、ロードダンプ保護動作の終了後に、実際の回転速度が徐励キャンセル回転速度よりも低くなっている場合でも、徐励キャンセル回転速度よりも高い回転速度と認識される。したがって、ロードダンプ保護動作を終了して発電を再開した際に、徐励が実施されることを抑制できる。
(2)発電制御装置17のリセット又はエンジン200の始動が検出されてから所定期間経過するまでの間は、出力電圧Vbが所定電圧よりも低くなっても、徐励が停止されないため、低負荷の状態でエンジン200を確実に始動させることができる。
(3)ロードダンプの発生が検出された場合には、徐励のキャンセル機能が有効になるまでの間、疑似信号Spが出力される。よって、ロードダンプの発生に起因して、発電制御装置17がリセットされエンジン200の始動が誤検出されたりした場合には、ロードダンプ保護動作の終了後に、徐励が実施されること抑制できる。また、徐励のキャンセル機能が有効になった後は、出力電圧Vbが所定電圧よりも低下すれば徐励が停止されるため、出力電圧Vbが所定電圧よりも低下することがない。よって、出力電圧Vbの過度の低下を抑制して、発電停止を抑制できる。
(4)発電制御装置17のP端子には、相電圧Vpに疑似信号Spが重畳した信号が入力されるため、発電制御装置17は、疑似信号Spを読み取って、徐励キャンセル回転速度よりも高い回転速度を検出することができる。
(5)上スイッチ50や下スイッチ51がオフ状態のままとなっても、発電制御装置17のP端子には、抵抗13を介して相電圧Vpが入力されるため、発電制御装置17は発電制御を継続することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る整流器モジュール15,16は、第1実施形態に係る整流器モジュール15,16と、信号出力部60の構成が異なる。また、第2実施形態では、図2及び図3において破線で示す抵抗13は接続されていない。すなわち、第2実施形態では、整流器モジュール15XのRP端子及び発電制御装置17のP端子は、抵抗13を介して電機子巻線11,12に接続されていない。
以下、第2実施形態に係る信号出力部60の構成について、図11を参照して説明する。第2実施形態に係る信号出力部60は、抵抗R1BとスイッチSWBとの直列体と、スイッチSWCと、スイッチSWB及びスイッチSWCを駆動する駆動部とから構成される。抵抗R1BとスイッチSWBとの直列体は、整流器モジュール15XのB端子とRP端子との間に接続されている。スイッチSWCは、整流器モジュールXのP端子とRP端子との間に接続されている。
スイッチSWCをオン状態にすると、スイッチSWCを介して、相電圧Vpが整流器モジュール15XのRP端子から発電制御装置17のP端子に入力される。また、スイッチSWBを、所望の回転速度に応じた周期でオンオフすると、図12に示す疑似信号Spが、整流器モジュール15XのRP端子から発電制御装置17のP端子に入力される。抵抗R1Bの抵抗値よりも抵抗R2Bの抵抗値を十分に大きくすることにより、疑似信号Spの振幅は、相電圧Vpと略等しい値にする。本実施形態では、スイッチSWCが、相電圧Vpを出力する第1経路に相当し、抵抗R1BとスイッチSWBとの直列体が、疑似信号Spを出力する第2経路に相当する。なお、第1経路には、スイッチSWCと直列にボルテージフォロアが接続されていてもよい。
本実施形態では、通常時は、スイッチSWBをオフ状態、且つスイッチSWCをオン状態にして、発電制御装置17のP端子に相電圧Vpが入力されるようにする。一方、ロードダンプの発生が検出された場合には、スイッチSWCをオフ状態にしたまま、スイッチSWCをオンオフして、発電制御装置17のP端子に疑似信号Spが入力されるようにする。すなわち、本実施形態では、相電圧Vpに疑似信号Spを重畳させない。本実施形態では、通常時とロードダンプ発生時とで信号出力部60内の経路を切替え、相電圧Vpと疑似信号Spのいずれか一方を、発電制御装置17のP端子に出力するようにしている。なお、本実施形態では、通常時にスイッチSWCが故障してオン状態にならない場合には、相電圧Vpが発電制御装置17のP端子に入力されなくなるため、発電制御装置17は発電制御を継続できなくなる。
本実施形態では、疑似信号Spを相電圧Vpに重畳させないため、発電制御装置17のP端子には、理想的な波形の疑似信号Spが入力される。よって、発電制御装置17の回転検出回路77が、疑似信号Spの回転速度を誤検出するおそれが抑制される。
また、本実施形態では、電気子巻線11の一端と発電制御装置17のP端子との間に抵抗13を接続する必要がない。一般に、整流器モジュール15Xや発電制御装置17のようなモジュール内に素子を接続する場合は、比較的容易に接続できる。これに対して、電機子巻線11の一端と発電制御装置17のP端子との間のように、モジュール外に素子を接続する場合、溶接加工や防水加工等をする必要があり、接続加工に手間がかかる。ひいては、製造コストが増加する。本実施形態では、抵抗13を接続しないため、製造時の加工の手間及び製造コストが低減される。
以上説明した第2実施形態によれば、第1実施形態の(1)〜(3)と同様の効果を奏するともに、次の効果を奏する。
(6)疑似信号Spを相電圧Vpに重畳させないことにより、発電制御装置17のP端子には、理想的な波形の疑似信号Spが入力される。よって、疑似信号Spを相電圧Vpに重畳させる場合と比べて、疑似信号Spの回転速度の誤検出を抑制することができる。
(7)相電圧Vpに疑似信号Spを重畳させないため、電機子巻線11の一端と発電制御装置17のP端子との間に抵抗13を接続しない。そのため、製造時の加工の手間を低減し、ひいては製造コストを低減することができる。
(他の実施形態)
・1個の整流器モジュールが、2相分以上のスイッチング素子を備え、2相分以上のスイッチング素子のオンオフを制御するようにしてもよい。また、全てのスイッチング素子に対して共通の1個の制御回路を設け、1個の制御回路で全てのスイッチング素子のオンオフを制御するようにしてもよい。
・上スイッチ50,下スイッチ51は、MOSFETに限らず、IGBTやバイポーラトランジスタ等の半導体スイッチでもよい。
・整流器モジュール群15,16の上アーム及び下アームのいずれか一方のみをスイッチング素子で構成し、他方をダイオードで構成してもよい。この場合、スイッチング素子の方のアームをオンオフして、ロードダンプ保護動作を実施する。
・車両用発電機10は、6相以外、例えば、電機子巻線11だけを備えた3相でもよい。また、電機子巻線11,12は、3相に限らず、2相や4相以上でもよい。
10…車両用発電機、11,12…電機子巻線、14…界磁巻線、15A…整流回路、17…発電制御装置、54…制御回路、140…回転軸、200…エンジン。

Claims (4)

  1. 回転軸(140)が内燃機関(200)の回転軸に接続される車両用回転電機(10)であって、
    回転子の界磁極を磁化させる界磁巻線(14)と、
    前記界磁極によって発生する回転磁界により交流電圧を発生する複数相の電機子巻線(11,12)と、
    上アーム及び下アームを有し、前記上アーム及び前記下アームの少なくとも一方がスイッチング素子で構成されたブリッジ回路であって、前記電機子巻線の誘起電圧を整流して出力する整流回路(15A)と、
    前記界磁巻線に供給する励磁電流を調整して、前記整流回路の出力電圧を制御する発電制御装置(17)と、
    前記スイッチング素子のオンオフを制御するスイッチング制御装置(54)と、を備え、
    前記発電制御装置は、
    前記発電制御装置のリセット又は前記内燃機関の始動を検出し、且つ前記回転子の回転速度が所定回転速度よりも低い場合に、所定の徐励期間、発電量を徐々に上げる徐励を実施する徐励部を備え、
    前記スイッチング制御装置は、
    前記出力電圧が第1閾値を超えた場合に、ロードダンプの発生を検出する検出部と、
    前記出力電圧が前記第1閾値を超えた場合に、前記上アーム及び前記下アームの一方の前記スイッチング素子をオン状態にするとともに、前記出力電圧が前記第1閾値よりも低い第2閾値まで低下した場合に、前記一方のスイッチング素子をオフ状態にする保護部と、
    前記検出部により前記ロードダンプの発生が検出された場合に、前記所定回転速度よりも高い回転速度の疑似信号を前記発電制御装置へ出力する疑似信号部と、を備える、ことを特徴とする車両用回転電機。
  2. 前記発電制御装置は、
    前記出力電圧が所定電圧よりも低くなった場合に、前記徐励をキャンセルするキャンセル部と、
    前記発電制御装置のリセット又は前記内燃機関の始動が検出されてから所定期間、前記キャンセル部による前記徐励のキャンセルを無効化する無効化部と、を備え、
    前記疑似信号部は、前記キャンセル部によるキャンセル機能が有効になるまで、前記疑似信号を前記発電制御装置へ送信する、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用回転電機。
  3. 前記発電制御装置は、前記回転子の回転速度を検出する速度検出端子(P)を備え、
    前記スイッチング制御装置は、前記疑似信号を出力する信号出力端子(RP)を備え、
    前記速度検出端子は、前記電機子巻線の一端と抵抗(13)を介して接続されているとともに、前記信号出力端子と接続されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用回転電機。
  4. 前記スイッチング制御装置は、前記電機子巻線の相電圧を出力する第1経路(SWC)と、前記疑似信号を出力する第2経路(R1B,SWB)と、を備え、
    前記疑似信号部は、前記検出部により前記ロードダンプの発生が検出された場合に、前記第1経路と前記発電制御装置との接続を切断するとともに、前記第2経路と前記発電制御装置とを接続させる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用回転電機。
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