以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一または関連する符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
また、液晶表示装置は、表示機能層である液晶層の液晶分子の配向を変化させるための電界の印加方向により、大きくは以下の2通りに分類される。すなわち、第1の分類として、液晶表示装置の厚さ方向(あるいは面外方向)に電界が印加される、所謂、縦電界モードがある。縦電界モードには、例えばTN(Twisted Nematic)モードや、VA(Vertical Alignment)モードなどがある。また、第2の分類として、液晶表示装置の平面方向(あるいは面内方向)に電界が印加される、所謂、横電界モードがある。横電界モードには、例えばIPS(In-Plane Switching)モードや、IPSモードの一つであるFFS(Fringe Field Switching)モードなどがある。以下で説明する技術は、縦電界モードおよび横電界モードのいずれにも適用できるが、以下で説明する実施の形態では、一例として、横電界モードの表示装置を取り上げて説明する。
<液晶表示装置の基本構成>
まず、液晶表示装置の基本構成について説明する。図1は、本実施の形態の液晶表示装置の一例を示す平面図、図2は図1のA−A線に沿った断面図である。また、図3は、図2のB部の拡大断面図である。また、図4は、図2のC部の拡大断面図である。
なお、図1は平面図であるが、平面視における表示部DPと額縁部FLの境界を見やすくするため、表示部DPにハッチングを付し、かつ、表示部DPの輪郭を二点鎖線で示している。また、図1では、表示部DPの周囲を囲むように設けられたシール部SLの平面形状を見やすくするため、シール部SLにハッチングを付し、かつ、シール部SLの輪郭を点線で示している。また、図1では、図4に示す部材FSの平面視におけるレイアウトを明示的に示すため、部材FSの輪郭に点線を付し、かつドットパターンで示している。また、図2は断面図であるが、見易さのためにハッチングは省略した。
図1に示すように、本実施の形態の液晶表示装置LCD1は、入力信号に応じて外部から視認可能な画像が形成される表示領域である表示部DPを有する。また、液晶表示装置LCD1は、平面視において、表示部DPの周囲に枠状に設けられた非表示領域である額縁部FLを有する。また、液晶表示装置LCD1は、平面視において、額縁部FLのさらに外側に設けられた端子部TMを有する。端子部TMには、表示部DPに形成された複数の表示用の素子に電気信号、あるいは駆動用の電圧を供給するための複数の端子TM1が形成されている。
図1に模式的に示すように、複数の端子TM1は配線経路FPCに接続される。配線経路FPCは、例えば、樹脂フィルム内に複数の配線が形成され、配置場所の形状に応じて自在に変形させることができる、所謂、フレキシブル配線板である。複数の端子TM1は、配線経路FPCを介して画像表示用の駆動回路DR1や制御回路CNT1と電気的に接続される。
また、液晶表示装置LCD1は、対向配置される一対の基板の間に、液晶層が形成された構造を有している。すなわち、図2に示すように、液晶表示装置LCD1は、表示面側の基板11、基板11の反対側に位置する基板12、および基板11と基板12の間に配置される液晶層LCL(図3参照)を有する。
また、液晶表示装置LCD1は、図1に示すように、平面視において、液晶層LCLが形成された表示部DPの周囲の額縁部に形成されたシール部SLを有する。シール部SLは、表示部DPの周囲を連続的に囲むように形成され、図2に示す基板11と基板12は、図1および図4に示すシール部SLに設けられるシール材より接着固定される。このように、表示部DPの周囲にシール部SLを設けることで、表示部DPと額縁部FLの一部とに形成された液晶層LCLを封止することができる。
図1に示す基板11は、平面視において、X方向に沿って延びる辺11s1、辺11s1に対向する辺11s2、X方向に対して直交するY方向に沿って延びる辺11s3、および辺11s3に対向する辺11s4を有する。図6に示す基板11が有する辺11s1、辺11s2、辺11s3、および辺11s4のそれぞれから表示部DPまでの距離は、同程度である。
また、図2に示すように、液晶表示装置LCD1の基板12の背面12b側には、光源LSから発生した光を偏光する偏光板PL2が設けられている。偏光板PL2は、接着層を介して基板12に接着固定されている。一方、基板11の前面11f側には、偏光板PL1が設けられている。偏光板PL1は、接着層を介して基板11に接着固定されている。
なお、図2では、表示画像を形成するための基本的な構成部品を例示的に示しているが、変形例としては図2に示す構成部品に加えて、他の部品を追加することができる。例えば、偏光板PL1を傷や汚れなどから保護する保護層として、保護フィルムやカバー部材を偏光板PL1の前面側に取り付けても良い。また例えば、偏光板PL1及び偏光板PL2に、位相差板などの光学フィルムを貼り付ける実施態様に適用することができる。あるいは、基板11及び基板12のそれぞれに、光学フィルムを成膜する方法を適用することができる。また、図1に対する変形例として、例えば、画素電極PE(図3参照)に画素電圧を供給する駆動回路が形成された半導体チップを基板12の前面12fに搭載しても良い。ガラス基板上に、半導体チップを搭載する方式は、COG(Chip on glass)方式と呼ばれる。また、駆動回路の一部を表示用の素子を形成する際に同時に形成された素子を利用して額縁領域に形成する構成であってもよい。
また、図3に示すように、液晶表示装置LCD1は、基板11と基板12の間に配置される複数の画素電極PE、および基板11と基板12の間に配置される共通電極CEを有する。本実施の形態の液晶表示装置LCD1は、上記したように横電界モードの表示装置なので、複数の画素電極PEおよび共通電極CEは、それぞれ基板12に形成されている。
図3に示す、基板12は、ガラス基板などから成る基材12stを有し、主として画像表示用の回路が基材12stに形成されている。基板12は、基板11側に位置する前面12fおよびその反対側に位置する背面12b(図2参照)を有する。また、基板12の前面12f側には、TFT(Thin-Film Transistor)などのアクティブ素子と、複数の画素電極PEがマトリクス状に形成されている。基板12のように、アクティブ素子としてTFTが形成された基板は、TFT基板と呼ばれる。
図3に示す例は、上記したように横電界モード(詳しくはFFSモード)の液晶表示装置LCD1を示しているので、共通電極CEおよび画素電極PEは、それぞれ基板12の前面12f側に形成されている。共通電極CEは、基板12が備える基材12stの前面側に形成され、絶縁層OC2に覆われる。また、複数の画素電極PEは、絶縁層OC2を介して共通電極CEと対向するように絶縁層OC2の基板11側に形成される。
また、図3に示す基板11は、ガラス基板などから成る基材11stに、カラー表示の画像を形成するカラーフィルタCFが形成された基板であって、表示面側である前面11f(図2参照)および前面11fの反対側に位置する背面11bを有する。基板11のように、カラーフィルタCFが形成された基板は、上記したTFT基板と区別する際に、カラーフィルタ基板、あるいは、液晶層を介してTFT基板と対向するため、対向基板と呼ばれる。なお、図3に対する変形例としては、カラーフィルタCFをTFT基板に設ける構成を採用しても良い。
基板11は、例えばガラス基板などの基材11stの一方の面に、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のカラーフィルタ画素CFr、CFg、CFbを周期的に配列して構成されたカラーフィルタCFが形成されている。カラー表示装置では、例えばこの赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のサブピクセルを1組として、1画素(1ピクセルともいう)を構成する。基板11の複数のカラーフィルタ画素CFr、CFg、CFbは、基板12に形成されている画素電極PEを有するそれぞれのサブピクセルと、互いに対向する位置に配置されている。
また、各色のカラーフィルタ画素CFr、CFg、CFbのそれぞれの境界には、遮光膜BMが形成されている。遮光膜BMはブラックマトリクスと呼ばれ、例えば黒色の樹脂から成る。遮光膜BMは、平面視において、格子状に形成される。言い換えれば、基板11は、格子状に形成された遮光膜BMの間に、形成された、各色のカラーフィルタ画素CFr、CFg、CFbを有する。
なお、本願において、表示部DPまたは表示領域と表示する領域は、額縁部FLよりも内側の領域として規定される。また、額縁部FLは、図2に示す光源LSから照射された光を遮光する遮光膜BMにより覆われた領域である。遮光膜BMは表示部DP内にも形成されるが、表示部DPには、遮光膜BMに複数の開口部が形成されている。一般的に、遮光膜BMに形成された開口部のうち、最も周縁部側に形成された開口部の端部が、表示部DPと額縁部FLの境界として規定される。
また、基板11は、カラーフィルタCFを覆う樹脂層OC1を有する。各色のカラーフィルタ画素CFr、CFg、CFbの境界には、遮光膜BMが形成されているので、カラーフィルタCFの内側面は、凹凸面になっている。樹脂層OC1は、カラーフィルタCFの内側面の凹凸を平坦化する、平坦化膜として機能する。あるいは、樹脂層OC1は、カラーフィルタCFから液晶層に対して不純物が拡散するのを防止する保護膜として機能する。樹脂層OC1は、材料に熱硬化性樹脂成分、あるいは、光硬化性樹脂成分など、エネルギーを付与することで硬化する成分を含有させることで、樹脂材料を硬化させることができる。
また、基板11と基板12の間には、画素電極PEと共通電極CEとの間に表示用電圧が印加されることで表示画像を形成する液晶層LCLが設けられる。液晶層LCLは、印加された電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものである。
また、基板11は、液晶層LCLと接する界面である背面11bに、樹脂層OC1を覆う配向膜AF1を有する。また、基板12は、液晶層LCLと接する界面である前面12fに、絶縁層OC2および複数の画素電極PEを覆う配向膜AF2を有する。この配向膜AF1、AF2は液晶層LCLに含まれる液晶の初期配向を揃えるために形成された樹脂膜であって、例えばポリイミド樹脂から成る。
また、図4に示すように、液晶層LCLを囲むように配置されるシール部SLは、シール材(封着材)SLpを備える。液晶層LCLは、シール材SLpで囲まれた領域内に封入されている。つまり、シール材SLpは、液晶層LCLの漏れ出しを防ぐ封着材としての機能を有している。また、シール材SLpは、基板11の背面11bおよび基板12の前面12fのそれぞれに密着しており、基板11と基板12とは、シール材SLpを介して接着固定されている。つまり、シール材SLpは、基板11及び基板12を接着固定する接着部材としての機能も有している。
図3および図4に示す液晶層LCLの厚さは、基板11や基板12の厚さと比較して極端に薄い。例えば、液晶層LCLの厚さは、基板11や基板12の厚さと比較すると、0.1%〜10%程度の厚さである。図3および図4に示す例では、液晶層LCLの厚さは、表示部DPにおいて例えば3μm程度(2.5μm〜3.5μm)、周辺部(図4に示す表示部DPの外側〜シール部SLの内側)は例えば4μm程度(3.5μm〜4.5μm)である。
また、本実施の形態では、図1および図4に示すように、シール部SLは、液晶層LCLの周囲に配置され、液晶層LCLの外縁に沿って延びる部材である、部材FSを有している。図1および図4に示す部材FSは、基板11および基板12のうちのいずれか一方、または両方に形成することができる。以下では、代表例として、基板11に部材FSを形成した実施態様を取り上げて説明する。
部材FSは、液晶表示装置LCD1の製造工程において、基板11の背面11bに配向膜AF1を形成する際に、配向膜AF1が周縁部に広がってしまうことを抑制する、堰き止め用部材としての機能を備える。このため、部材FSは、図11の背面11bに対して突出するように形成された突出(凸状)部材である。
基板11の背面11bにおいて、配向膜AF1が周縁部まで広がった場合、シール部SLを含む背面11bが、配向膜AF1により覆われる。この場合、シール材SLpが配向膜AF1の部材と接触しない。このため、シール部SLの接着強度、あるいは、シール部SLの内側の領域の機密性、などのシール特性が低下する原因になる。なお、シール部の接着強度、言い換えれば、シール部SLにおけるシール強度に関しては、後で詳細に説明する。
また、配向膜AF1は、上記したようにポリイミド樹脂などの流動性が高い樹脂材料から成る。このため、表示領域の周囲に堰き止め用の部分を形成しなければ、配向膜AF1が広範囲に広がり易い。
そこで、本実施の形態では、配向膜AF1が周縁部に広がってしまうことを抑制する、堰き止め用部材として、液晶層LCLの周囲に配置され、液晶層LCLの外縁に沿って延びる部材FSを形成する。これにより、配向膜AF1は、部材FSにより堰き止められる。つまり、部材FSの外側(周縁部側)に配向膜AF1が広がることを抑制できる。部材FSの高さ、すなわち図4に示す基板11の背面11bから基板12に向かうZ方向(厚さ方向)の長さは、例えば、2.5μm〜3.4μm程度である。
また、本実施の形態では、額縁部FLの面積の低減を図るため、部材FSは、シール部SLに形成されている。すなわち、図4に示すように、シール材SLpの一部は、部材FSの内側、言い換えれば、部材FSよりも表示部DP側において、配向膜AF1の周縁部と厚さ方向に重なる。一方、基板11は、部材FSの外側、言い換えれば、基板11の周縁部側には配向膜AF1が広がっていない。このため、シール材SLpの他の一部は、部材FSの外側、すなわち、基板11の周縁部側において、配向膜AF1の周縁部とは重ならず、基板11の背面11bを持つ樹脂層OC1と密着する。
図3に示す液晶表示装置LCD1によるカラー画像の表示方法は、例えば以下の通りである。すなわち、光源LSから出射された光は、偏光板PL2によってフィルタリングされ、偏光板PL2を通過する光が液晶層LCLに入射する。液晶層LCLに入射した光は、液晶の屈折率異方性(言い換えれば複屈折)に応じて偏光状態を変化させて液晶層LCLの厚さ方向(言い換えれば基板12から基板11に向かう方向)に伝搬され、基板11から出射される。この時、画素電極PEと共通電極CEに電圧を印加して形成される電界により、液晶配向が制御され、液晶層LCLは光学的なシャッターとして機能する。つまり、液晶層LCLにおいて、サブピクセル毎に光の透過率を制御することができる。基板11に到達した光は、基板11に形成されたカラーフィルタにおいて、色フィルタリング処理(すなわち、所定の波長以外の光を吸収する処理)が施され、前面11fから出射される。また、前面11fから出射された光は、偏光板PL1を介して観者VWに到達する。
<シール部の詳細>
ここで、図4に示すシール部SLの詳細について説明する。本セクションでは、シール部SLにおけるシール強度と部材FSの関係を説明する。また、本セクションでは、シール部SLにおける部材FSの位置が、基板11と基板12との離間距離の制御に及ぼす影響について説明する。図18および図19は、それぞれ図4とは別の検討例を示す拡大断面図である。また、図5は、図1に示すシール部の周辺の拡大平面図である。また、図6は、図3および図4に示す対向基板の背面側に形成された複数の部材を模式的に示す平面図である。なお、図5は、図4に示す基板11に形成された部材FSを基板12側からみた拡大平面図である。また、図5に示す部材FSは、図4に示す基板11と基板12の間に配置される部材であるが、部材FSの平面位置を明示的に示すため、図5では部材FSを実線で示し、かつ、ドットパターンを付している。
まず、シール部SLにおけるシール強度は、基板11および基板12のそれぞれに形成された構成物間の接着強度と、それらとシール材SLpとの接着強度によって規定される。シール材SLpと配向膜AF1の接着強度、および配向膜AF1と樹脂層OC1の接着強度は、それぞれシール材SLpと樹脂層OC1の接着強度よりも低い。同様に、シール材SLpと配向膜AF2の接着強度、および配向膜AF2と絶縁層OC2の接着強度は、それぞれシール材SLpと絶縁層OC2の接着強度よりも低い。
したがって、基板11とシール材SLpの接着強度を向上させる観点からは、シール材SLpと樹脂層OC1の密着(接触)面積を大きくすることが好ましい。また、基板12とシール材SLpの接着強度を向上させる観点からは、シール材SLpと絶縁層OC2の密着面積を大きくすることが好ましい。
上記したように、配向膜AF1、AF2は、ポリイミド樹脂などの流動性が高い材料から成る。このため、表示部DPの全体を覆うように配向膜AF1、AF2を形成すると、表示部DPの周囲に広がり易い。したがって、シール材SLpと樹脂層OC1の密着面積を大きくする観点からは、堰き止め用の部材FSは、シール部SLと表示部DPの間に設けることが好ましい。例えば、図18に示す表示装置LCDh1が有する部材FShは、シール部SLと表示部DPの間に形成される。図18に示す表示装置LCDh1のように、シール部SLと表示部DPの距離を広く確保できる場合には、シール部SLと表示部DPの間に堰き止め用の部材FShを設けることで、シール材SLpと樹脂層OC1の密着面積を最大化できる。
ところで、表示装置のデザイン性向上、表示装置の小型化、あるいは表示装置の軽量化の観点から、有効表示領域の周囲に設けられた額縁部の面積を低減する取組が検討されている。つまり、図1に示す額縁部FLの面積を低減し、平面視における表示部DPの専有面積を増加させる技術に対する要求がある。
図1に示すように、シール部SLは、額縁部FLに形成されるので、額縁部FLの面積が小さくなれば、シール部SLと表示部DPの距離は近くなる。このため、図19に示す液晶表示装置LCDh2ように、シール部SLに部材FShを設けることになる。液晶表示装置LCDh2のように、堰き止め用の部材FShをシール部SLに設けると、部材FShとシール材SLpとが接触する。
詳しくは、シール部SLに堰き止め用の部材FShを設けた場合、液晶表示装置LCDh2の製造工程において、シール材SLpを押し広げる際に、堰き止め用の部材FShによって、シール材SLpの広がりが阻害される。この場合、図19に示すように、部材FShに阻害された部分でシール材SLpが盛り上がって、厚くなってしまう。この結果、基板11と基板12との離間距離が、シール材SLpの盛り上がりの程度によってばらつくので、液晶層LCLの厚さを制御し難くなる。
このように、液晶層LCLの厚さが安定せず、平面視において厚さにムラが生じた場合、カラーフィルタCFと、画素電極PEとの位置ズレの懸念が生じる。また、シール材SLpの広がりが不十分になると、シール材SLpと基板11、あるいはシール材SLpと基板12の密着面積が低下する懸念がある。
本願発明者は、上記課題について検討を行い、本実施の形態で説明する液晶表示装置LCD1の構成を見出した。すなわち、図1に示すように、本実施の形態の液晶表示装置LCD1が有する部材FSは、液晶層の周囲を囲むように延びるシール部SLの幅方向における中央に形成されている。詳細は後述するが、図4に示すようなシール部SLの構造は、部材FS上にシール材SLpを塗布した後、シール材SLpを部材FSの両隣に向かって押し広げることで形成される。また、本実施の形態の例では、シール部SLには、部材FS以外には、基板11の背面11bn側から基板12側に向かって突出する部材は形成されていない。
このため、図19を用いて説明した液晶表示装置LCDh2の構造と比較して、シール材SLpの広がりは阻害され難い。この結果、図1に示す表示部DPの周囲を囲むシール部SLの延在方向において、シール材SLpの厚さは、ほぼ一定に揃えられている。したがって、本実施の形態によれば、液晶層LCLの厚さを安定的に制御できる。
なお、液晶層LCLの厚さ、すなわち、基板11と基板12との離間距離を規定する方法には、いくつかの方法がある。例えば、本実施の形態の場合、シール材SLpには、樹脂材料の他ガラス繊維が含まれており、このガラス繊維の厚さにより基板11と基板12との離間距離が規定される。また、本実施の形態に対する変形例としては、図4に示すシール部SL以外の部分に基板11と基板12との離間距離を規定するスペーサ部材を形成しても良い。いずれの場合にも、シール材SLpの広がりが阻害された場合、特に表示部DPにおける基板11と基板12との離間距離が、設計値よりも大きくなる傾向がある。しかし、上記したように、本実施の形態によれば、シール材SLpを安定的に広げることができる。したがって、本実施の形態によれば、上記したガラス繊維の厚さによる方法、あるいはスペーサ部材を用いる方法のいずれの場合でも、基板11と基板12との離間距離を安定的に制御することができる。
本実施の形態の液晶表示装置LCD1が有するシール部SLは、上記の通り、シール材SLpを部材FS上から部材FSの両隣に向かって押し広げることで形成される。このため、シール材SLpは、部材FSの両隣、すなわち、部材FSよりも液晶層LCL側の隣と、部材FSよりも周縁部側の隣の両方に形成されている。また、図4に示す例では、部材FS高さ(言い換えれば厚さ)は、基板11と基板12との離間距離よりも小さいので、シール材SLpの一部は、部材FSと基板12の前面12fとの間に形成されている。言い換えれば、部材FSはシール材SLpに封止されている。このため、図4に示すように部材FSは液晶層LCLとは接触せず、部材FSと液晶層LCLの間には、シール材SLpが介在する。
また、部材FSは上記したように、配向膜AF1の広がりを抑制する堰き止め用の部材なので、図4に示すように、部材FSよりも表示部DP側の領域では、シール材SLpと配向膜AF1が厚さ方向に重なる。
ここで、配向膜AF1を部材FSにより堰き止めることができれば、部材FSの外側、すなわち、部材FSから見て表示部DPの反対側には、配向膜AF1は広がらない。したがって、部材FSの外側にシール材SLpを確実に形成することができれば、シール材SLpの外側でシール材SLpと樹脂層OC1とを密着させることができる。
本実施の形態のように、部材FSの外側において、シール材SLpを基板11および基板12にしっかりと密着させることができれば、部材FSの内側において、シール材SLpと配向膜AF1が厚さ方向に重なっていても必要な接着強度を確保することができる。つまり、部材FSの両隣に、シール材SLpを安定的に押し広げることができれば、必要な接着強度を確保することができる。
また、上記したように、シール材SLpを部材FS上から部材FSの両隣に向かって押し広げることにより形成されたシール部SLは、図5にX方向として示す、シール部SLの幅方向において、ほぼ中央に部材FSが存在する。詳しくは、シール材SLpは、部材FSの液晶層LCL側に配置される部分SLp1、および部材FSの液晶層LCLとは反対側に配置される部分SLp2を有する。図5に示す例では、部分SLp1の幅Ws1と部分SLp2の幅Ws2とは、ほぼ等しい。言い換えれば、部分SLp1の幅Ws1と部分SLp2の幅Ws2との比率は、5:5である。
ただし、幅Ws1と幅Ws2との比率は、種々の変形例がある。例えば、シール材SLpを塗布する時の加工精度、あるいはシール材SLpを押し広げる時の加工精度に起因して、幅Ws1および幅Ws2が異なる値になる場合もある。そこで、以下では、図5に示す幅Ws1および幅Ws2の好ましい範囲について説明する。
上記したように、図4に示す基板11と基板12のシール強度を向上させる観点からは、シール材SLpと基板11の密着面積を大きくすることが好ましい。つまり、図5に示す幅Ws2の値は、必要なシール強度を確保する観点から好ましい範囲がある。例えば、本実施の形態の例では、幅Ws0が0.8mm程度であるのに対し、幅Ws2が0.3mm程度以上であることが好ましい。
また、シール材SLpと図4に示す樹脂層OC1の密着性を向上させる材料を選択した場合には、幅Ws2が0.15mm程度でも必要なシール強度が確保できる場合がある。この場合、シール部SL全体の幅Ws0を小さくすることができる。すなわち、図4に示す額縁部FLの幅を低減することができる。
上記のように、幅Ws2の具体的な数値は、液晶表示装置の寸法やシール部SLの構成材料に応じて変化する。しかし、額縁部FLの幅を低減することを考慮すると、シール部SLの全体の幅Ws0に対して好ましい幅Ws2の割合を規定することができる。すなわち、部分SLp2の幅Ws2は、シール部SL全体の幅Ws0に対して25%以上であることが好ましく、35%以上であることがより好ましく、40%以上であることが特に好ましい。
また、図19を用いて説明したように、シール材SLpの広がりが阻害され、部材FS上におけるシール材SLpの厚さが厚くなってしまう事を抑制する観点からは、図5に示す部分SLp2側から部分SLp1側に乗り越えて広がるシール材SLpの量を低減させることが好ましい。したがって、シール材SLpの部分SLp1は、部分SLp2と比較すると、シール強度に対する貢献の程度は低いが、シール材SLpの厚さを制御することを考慮すると、幅Ws1の値を極端に小さくしないことが好ましい。すなわち、図5に示す部分SLp1の幅Ws1は、シール部SL全体の幅Ws0に対して25%以上であることが好ましく、35%以上であることがより好ましく、40%以上であることが特に好ましい。
また、図4に示すように、本実施の形態では、部材FSが基板12の前面12fと接触しない。このため、部材FSと基板12の間には、シール材SLpが存在する。この場合、シール材SLpを押し広げる際に、部材FSを乗り越えさせるために必要な押圧力を小さくすることができる。したがって、シール材SLpの厚さを制御し易くする観点からは、図4に示すように、部材FSが基板12の前面12fと接触しない構造が好ましい。
また、図1に示す表示部DPにおいて、基板11と基板12との離間距離を保つ観点からは、図6に模式的に示すように、表示部DPが複数のスペーサ部材PSを有していることが好ましい。複数のスペーサ部材PSには、図4に示す基板11および基板12の両方に接触する第1の厚さを有する複数のスペーサ部材PS1が含まれる。このように、表示部DPに複数のスペーサ部材PS1を配置することで、図4に示す基板11と基板12とを接着固定する際に、基板11と基板12の離間距離はスペーサ部材PS1の厚さにより規定される。したがって、表示部DPに複数のスペーサ部材PS1を配置すれば、図4に示す基板11と基板12との離間距離、言い換えれば、液晶層LCLの厚さを揃えることができる。
また、複数のスペーサ部材PSには、スペーサ部材PS1が有する第1の厚さよりも薄い第2の厚さを有する複数のスペーサ部材PS2が含まれる。複数のスペーサ部材PS2のそれぞれは、例えば図4に示す部材FSと同じ厚さであり、基板11に接触し、かつ基板12には接触しない。このように異なる厚さの複数のスペーサ部材PSを表示部DPに配置することで、表示部DPに撓みが生じた場合であっても表示品質の低下を抑制できる。
近年、表示装置の応用例として、人の指などの入力治具を表示画面に近づけることで、情報を入力する、入力装置(タッチパネルとも呼ばれる)付きの表示装置がある。表示画面が入力治具により押圧されると、液晶表示装置LCD1に撓みが生じる場合がある。しかし、本実施の形態のように、表示部DPに複数のスペーサ部材PS1を設けることで、図4に示す基板11の撓みの発生を抑制できる。また、表示部DPに複数のスペーサ部材PS2を設けることで、図4に示す基板11の撓み量の増大を抑制することができる。
なお、スペーサ部材PSの数は、液晶表示装置の大きさに応じて、決定すれば良い。複数のスペーサ部材PSのそれぞれの形状は図6に示す形状には限定されず、図6に示す四角柱形状の他、円柱形状、楕円柱形状、多角柱形状など、種々の変形例がある。
また、スペーサ部材PSは、図6に示すように表示部DPに分散して形成されるので、スペーサ部材PSそれぞれの平面寸法は小さくても良い。例えば図6に示す例では、一辺の長さが30μm以下、好ましくは、7〜15μm程度である。
上記のように平面サイズが小さい複数のスペーサ部材PSが表示部DPに分散して配置されている場合、図3および図4に示す配向膜AF1や液晶層を塗布する際の阻害要因にはならない。また、例えば、複数のスペーサ部材PSのうちの一部が額縁部FLのシール部SLと重なる位置に形成されていても、シール材SLp(図4参照)の広がりは阻害され難い。
また、スペーサ部材PSは可視光に対して透明な樹脂材料により形成されるので、表示部DPに複数のスペーサ部材PSを形成しても、表示画像の乱れの原因にはなり難い。また、スペーサ部材PSは、例えば凸状部材FSと同じ部材で形成されており、部材FSを形成する際に、複数のスペーサ部材PSを一括して形成することができる。
また、上記したように、本実施の形態では、部材FSは、基板11に形成されている。また、図4に示すように、基板12に形成された配向膜AF2は、例えば、以下に説明する構造により、広がりが抑制される。すなわち、基板12が有する絶縁層OC2は、シール部SLと表示部DPの間に、シール部SLの延在方向に沿って延びる溝TR1が形成される。溝TR1を形成することにより、図4に示すように、配向膜AF2の広がりを溝TR1内で止めやすくなる。
一方、基板11の場合、額縁部FLには、遮光膜BMを設ける必要がある。このため、樹脂層OC1に溝TR1を形成する場合、遮光膜BMの厚さを考慮する必要があるので、基板12に溝TR1を形成する場合よりも溝深さが浅くなる場合がある。したがって、基板11では、部材FSを形成することにより、配向膜AF1の広がりを抑制する方が有利である。
また、本実施の形態に対する変形例としては、基板12に部材FSを形成する実施態様もある。ただし、基板11および基板12の両方に部材FSを形成した場合、シール材SLpを押し広げる際に、各基板に形成された部材FSによりシール材SLpの広がりが阻害される場合がある。したがって、対向する部材FSの距離をずらせるか、高さを異ならせる必要がある。また、基板12に部材FSを形成し、基板11には部材FSを形成しない場合には、図4に示す溝TR1に相当する溝を形成することで、配向膜AF1の広がりを抑制することが好ましい。また、基板11の樹脂層OC1に溝TR1を形成することで配向膜AF1の広がりを抑制する場合、樹脂層OC1の厚さを厚く形成する方が好ましい。
<液晶表示装置の製造方法>
次に、本実施の形態で説明した液晶表示装置の製造方法について説明する。なお、以下の説明では、代表例として、図1に示す液晶表示装置LCD1の製造方法を取り上げて説明する。図7は、図1に示す液晶表示装置の製造工程の概要を示す組立てフロー図である。なお、以下の説明で言及する部材の詳細については、上記した図1〜図6を適宜参照して説明する。
図7に示すように、本実施の形態の液晶表示装置の製造方法には、図3に示す基板11を準備する第1基板準備工程、基板12を準備する第2基板準備工程、を有している。また、本実施の形態の液晶表示装置の製造方法には、シール材塗布工程、液晶供給工程、基板重ね工程、シール材硬化工程、スクライブ/ブレイク工程、が含まれる。
図7に示す第1基板準備工程では、図3および図4に示す基板11に相当する対向基板を準備する。第1基板準備工程では、まず、例えばガラス基板から成る基材11stを準備する(基材準備工程)。また、基材準備工程の後、基材11stの一方の面に、遮光膜BM、および複数のカラーフィルタCFを形成する(CF形成工程)。遮光膜BMは表示部DPの他、図4に示すように額縁部FLにも形成する。本工程では、図4および図6に示すようにシール部SLのうち、部材FSと厚さ方向に重なる位置に、遮光膜BM上にさらに部材LAを形成しても良い。部材LAは、部材FSを形成する位置における樹脂層OC1の高さを調整するための高さ調整部材である。部材LAは、例えばカラーフィルタCFとおなじ樹脂材料で形成することができる。
また、CF形成工程の後、複数のカラーフィルタCFを覆うように樹脂層OC1を形成する(樹脂層形成工程)。樹脂層OC1でカラーフィルタCFおよび遮光膜BMを覆うことで、カラーフィルタCFおよび遮光膜BMが保護される。また、カラーフィルタCFを覆うように樹脂層OC1を形成することで、基板11の背面11bを平坦化することができる。
また、樹脂層形成工程の後、部材FSを形成する(第1部材形成工程)。部材FSは、カラーフィルタCFや遮光膜BMと同様に、露光工程と、不要部分を化学的に除去する除去工程と、を有するフォトリソグラフィ工程により形成することができる。また、部材FSを形成する際には、図6に示すスペーサ部材PSを一括して形成することができる。上記したように、厚さが異なるスペーサ部材PS1とスペーサ部材PS2を形成する場合、複数回露光する方法でも良い。また、露光工程の前に、複数のスペーサ部材PSが形成される領域上に光の透過率が異なる複数のマスクを積層し、その後、露光工程を実施すれば、1回の露光処理で厚さの異なるスペーサ部材PS1とスペーサ部材PS2を一括して形成することができる。
また、第1部材形成工程の後、基板11の背面11b側に配向膜AF1を形成する(配向膜形成工程)。配向膜形成工程では、例えば配向膜AF1の原料であるポリイミド樹脂を塗布した後、ラビング処理により配向膜AF1を形成することができる。また、ラビング処理に代えて、高分子膜上に紫外線照射て、偏光方向の高分子鎖を選択的に反応させることにより配向膜AF1を形成する、光配向法を適用しても良い。
また、ポリイミド樹脂の塗布方式は、例えばスクリーン印刷方式、あるいはインクジェット方式などを適用することができる。インクジェット方式でポリイミド樹脂を塗布する場合、スクリーン印刷方式の場合よりも配向膜AF1が周囲に広がりやすい。しかし、本実施の形態によれば、配向膜形成工程の前に、図1に示すように表示部の周囲を囲むように部材FSを形成するので、配向膜AF1が部材FSの外側まで広がることを抑制できる。
配向膜形成工程では、配向膜AF1は、部材FSで囲まれた領域内に広がり、部材FSに堰き止められる。言い換えれば、配向膜形成工程は、部材FSによって、配向膜AF1の広がりを堰き止める工程を有する。このため、図4に示すように、配向膜形成工程後の配向膜AF1の周縁部は、部材FSと接触する。但し、印刷版の位置ずれ、あるいは、小さい印刷版を使用するなどにより、接触しない場合もある。
なお、本実施の形態では、基板11には、電極や配線が形成されない実施態様を例示的に取り上げて説明する。しかし、変形例として基板11に電極や配線を形成する場合には、図7に示す第1基板準備工程において、電極を形成する。電極を形成するタイミングには種々の変形例があるが、部材FSを精度良く形成する観点から第1部材形成工程の前に行うことが好ましい。
また、図7に示す第2基板準備工程では、図3および図4に示す基板12に相当するTFT基板を準備する。第2基板準備工程では、まず、例えばガラス基板から成る基材12stを準備する(基材準備工程)。また、基材準備工程の後、基材12stの一方の面に、アクティブ素子である複数のトランジスタを有する薄膜である、TFTを形成する(TFT形成工程)。
また、TFT形成工程の後、TFTに電気的に接続される配線、図3に示す共通電極CEおよび画素電極PEを形成する(回路形成工程)。共通電極CEや画素電極PEは、例えばITOなどの透明電極材料により形成される。また、図3に示す例では、共通電極CEを形成した後、共通電極CEを覆うように絶縁層OC2を形成し、さらに絶縁層OC2上に複数の画素電極PEを形成する。なお、絶縁膜OC2は、共通電極と基材12stとの間に設けられたものであってもよい。また、本工程では、図4に示すようにシール部SLのうち、部材FSと厚さ方向に重なる位置には、部材LAを形成しても良い。部材LAは、部材FSを形成する位置における絶縁層OC2の高さを調整するための高さ調整部材である。部材LAは例えば共通電極CEと同じ、ITOなどの材料で形成することができる。
また、図4に示すように、基板12の表示部DPとシール部SLの間に溝TR1を形成する場合には、例えば、図7に示す回路形成工程の後に溝TR1を形成する(溝形成工程)。本工程では、例えば絶縁層OC2の一部をシール部SLの延在方向に沿って取り除き、溝TR1を形成する。ただし、図4に示すように、基板12に部材LAを形成する場合、絶縁層OC2は、部材LAの形状に倣って形成される。したがって、部材LAの形成位置および高さを調整することにより、溝TR1の位置および深さをある程度調整することができる。上記したように、絶縁層OC2の一部を除去しなくても溝TR1の深さを十分な深さにすることができる場合には、絶縁層OC2を形成する際に溝TR1が形成可能なので、本工程は省略可能である。
また、溝形成工程の後、基板12の前面12f側に配向膜AF2を形成する(配向膜形成工程)。配向膜形成工程では、例えば配向膜AF2の原料であるポリイミド樹脂を塗布した後、ラビング処理により配向膜AF2を形成することができる。また、ラビング処理に代えて、高分子膜上に紫外線を照射して、偏光方向の高分子鎖を選択的に反応させることにより配向膜AF2を形成する、光配向法を適用しても良い。
また、図7に示すシール材塗布工程では、基板11または基板12の表示部DPの周囲を囲むように、図8に示すシール材SLpを塗布する。図8は、図7に示すシール材塗布工程で、ノズルから吐出されることで塗布されたシール材を示す拡大断面図である。また、図9は、図8に示すノズルの移動方向に沿った拡大断面図である。
なお、図8は図5のA−A線に沿った拡大断面、図9は図5のB−B線に沿った拡大断面に対応する。また、図8は、塗布後のシール材SLpを示す拡大断面図であって、図8に示すような形状にシール材SLpが形成された時点では既にノズルNZは別の位置に移動している。しかし、図8では、ノズルNZからシール材SLpが吐出される様子を示すため、ノズルNZの一部、およびノズルNZの開口部NZkから吐出されるシール材SLpが拡大側面図として示されている。また、図8では、ノズルNZの開口部NZkの中心と部材FSとの位置関係を明示的に示すため、ノズルNZの開口部NZkの中心CTから部材FSに向かって延びる仮想線が二点鎖線で示されている。
シール材塗布工程では、図8および図9に示すように、ノズルNZからペースト状のシール材SLpを吐出しながら、部材FSの延在方向に沿ってノズルNZを移動させる。ここで、図7に示す基板重ね工程において、シール材SLpの広がりが部材FSによって阻害されることを抑制する観点からは、基板重ね工程で部材FSを跨いで移動するシール材SLpの量を低減させることが好ましい。
このため、図8に示すように、本工程では、部材FSの幅方向(部材FSの延在方向に直交する方向であって、図8に示す例ではX方向)において、部材FSを跨ぐようにシール材SLpが塗布されることが好ましい。部材FSを跨ぐようにシール材SLpが塗布されるためには、ノズルNZの吐出口である開口部NZkの開口径は、少なくとも部材FSの幅よりも大きい。図8に示す例では、ノズルNZの開口径は、0.10mm〜0.25mm程度である。
また、図7に示す基板重ね工程で部材FSを跨いで移動するシール材SLpの量を低減させるためには、塗布されたシール材SLpの幅方向における中心が部材FSと重なる位置に配置されることが好ましい。したがって、ノズルNZの開口部NZkの中心CTが部材FSの上方に位置する状態で、シール材SLpを吐出することが好ましい。
ただし、上記したノズルNZの開口部NZkの中心CTと部材FSの関係は、製造工程における設定値として好ましい関係を示したものである。実際の製造工程においては、ノズルNZと基板11の位置合わせ精度、あるいはノズルNZからのシール材SLpの吐出精度など、加工精度の影響により、ノズルNZの開口部NZkの中心CTが部材FSと重ならない場合もある。しかし、上記したように、シール材塗布工程において、ノズルNZの開口部NZkの中心CTが部材FS上に配置されるように設定することで、塗布されたシール材SLpの幅方向における中心と部材FSとの位置ずれの程度を低減することができる。
また、本実施の形態のシール材塗布工程では、上記したように、部材FSを跨ぐようにシール材SLpが塗布されるので、部材FSよりも表示部DP側、および部材FSよりも周縁部側(表示部DPの反対側)に、それぞれシール材SLpが塗布される。なお、図8に示す例では、部材FSの上面および両側面にシール材SLpが密着した状態を示している。しかし、シール材塗布工程の段階では、部材FSの側面とシール材SLpの間に隙間が生じていいても良い。
次に、図7に示す液晶供給工程では、基板11または基板12の間の表示部DPが満たされるように、液晶を滴下する。この液晶供給工程では、図8に示すシール材SLpに囲まれた領域内に液晶が満たされる。
次に、図7に示す基板重ね工程では、図3に示す基板11の背面11bと基板12の前面12fとが対向するように、基板11及び基板12を重ね合わせる。この時、基板12に形成されている複数の画素電極PEと、基板11の複数のカラーフィルタCFとが、それぞれ互いに対向するように重ね合わせる。
基板重ね工程では、対向配置された基板11と基板12の距離が近づく方向に、基板11および基板12のうちのどちらか一方、または両方を押し付ける。これにより、図8に示すシール材SLpは部材FSの両隣に向かって押し広げられる。
この時、本実施の形態によれば、シール材SLpは、部材FSを跨ぐように塗布されている。このため、本実施の形態では、基板重ね工程において、部材FSを跨ぐように流動するシール材SLpは少ない。また、シール部SLには、シール材SLpの広がりを阻害する部材が部材FS以外には形成されていない。したがって、シール材SLpはシール部SL全体に広げられる。
このようにシール材SLpの広がりを阻害せずに、シール部SL全体にシール材SLpを広げることができれば、部材FSの外側においてシール材SLpと樹脂層OC1を密着させることができる。これにより、基板11とシール材SLpの接着強度を向上させる。
また、シール材SLpの広がりが阻害されなければ、シール材SLpが局所的に盛り上がることも抑制できる。したがって、シール材SLpの広がり不足による基板11と基板12との離間距離のばらつきを抑制することができる。この結果、図4に示す液晶層LCLの厚さを高精度で制御することができる。
また、図7に示すシール材硬化工程では、図4に示すシール材SLpにエネルギーを付与してシール材SLpを硬化させる。シール材SLpを硬化させれば、基板11と基板12とがシール材SLpを介して接着固定される。シール材SLpを硬化させるエネルギーとしては、例えば熱エネルギー、あるいは紫外線などの光エネルギーなどを例示できる。
また、液晶表示装置LCD1の製造効率を向上させる観点からは、大型の基材に複数の製品を一括して形成し、最後に個片化する方法が好ましい。この場合、図7に示すスクライブ/ブレイク工程において、基板11または基板12の切断領域を切断して複数の製品に個片化する。これにより、図1に示す液晶表示装置LCD1の輪郭形状が得られる。この時、平面視において、基板12の外側に位置する基板11の端面(言い換えれば、周縁部に配置される側面)には研磨加工を施すことが好ましい。
また、図7に示す偏光板接着工程では、接着層を介して図2に示す偏光板PL1を基板11の前面11fに、接着層を介して偏光板PL2を基板12の背面12bに、それぞれ貼り付けて、基板11及び基板12に接着固定する。
以上の工程により図3および図4に示す液晶表示装置LCD1が得られる。その後、得られた液晶表示装置LCD1を、図示しない筐体に組み込んで、筐体付き表示装置が完成する。図2に示す光源LSは、予め筐体に組み込んでおくことができる。
<変形例>
次に、上記した実施の形態に対する変形例について、代表的な変形例を例示的に説明する。
<変形例1>
まず、シール部SLに配向膜AF1の広がりを堰き止める部材を複数配置した場合の変形例について説明する。図10は、図1に対する変形例を示す平面図である。また、図11は図5に対する変形例を示す拡大平面図である。また、図12は、図4に対する変形例を示す拡大断面図である。また、図13は、図10に示すシール部の角部周辺の拡大平面図である。また、図14は、図8に対する変形例を示す拡大断面図である。
なお、図11では、シール部SLの幅方向における中央線CL1と部材FS1および部材FS2との平面視における位置関係を明示するため、仮想線である中央線CL1を二点鎖線で示している。また、図11に示す部材FSは、図12に示す基板11と基板12の間に配置される部材であるが、部材FSの平面位置を明示的に示すため、図11では部材FSを実線で示し、かつ、ドットパターンを付している。
図10に示す液晶表示装置LCD2は、シール部SLに配向膜AF1の広がりを堰き止める部材FSが二本形成されている点で、図1に示す液晶表示装置LCD1と相違する。液晶表示装置LCD2は、平面視において、液晶層の外縁に沿って延びる部材FS1と、部材FS1と液晶層LCLとの間に配置される部材FS2と、を有する。また液晶表示装置LCD2が有するシール材SLpは、部材FS1の両隣、および部材FS2の両隣にそれぞれ配置される。
部材FS1および部材FS2は、それぞれ上記した部材FSと同様に、配向膜AF1を堰き止める目的で形成された部材である。また、図12に示す例では、部材FS1の高さと部材FS2の高さは、同じ高さになっている。
このように、配向膜AF1を堰き止める部材FSを二重に設けることで、配向膜AF1の広がりを、より確実に防ぐことができる。例えば、図10〜図12に示す例では、配向膜AF1の一部が部材FS2を乗り越えた場合であっても、部材FS1により堰き止められるので、部材FS1の外側の領域では、シール材SLpと基板11とを確実に密着させることができる。
また、図10に示すように、液晶表示装置LCD2の基板12は、額縁部FLのさらに外側に設けられた端子部TMに形成される複数の端子TM1を有する。複数の端子TM1のそれぞれは、表示部DPに形成された駆動回路などの各種回路と電気的に接続される。したがって、基板12には、表示部DPと端子部TMを電気的に接続する引き出し配線が形成される。
ここで、図12に示すように、部材FS1および部材FS2のそれぞれが、基板12とは接触しなければ、引き出し配線などの部材を基板12のシール部SLに形成しても損傷し難くすることができる。しかし、引き出し配線などの部材の損傷をより確実に防止する観点からは、図13に示すように、部材FS1および部材FS2に隙間FSkを形成し、隙間FSkと重なる位置に引き出し配線を形成することが好ましい。
この時、図1に示す液晶表示装置LCD1のようにシール部SLに形成された部材FSが一本である場合、部材FSに隙間FSk(図13参照)を形成すると、隙間FSkから配向膜AF1(図4参照)が漏れる懸念がある。このため、部材FSに隙間FSkを形成する場合は、枠状に形成された部材FSの角部に隙間FSkを形成することが好ましい。部材FSの角部は、表示部DPまでの距離が大きいので、仮に、配向膜AF1が隙間FSkから漏れた場合でも表示部に与える影響を低減できる。
一方、図13に示すように、部材FSを二重で設けた場合、部材FSの一部に隙間FSkを形成した場合でも、配向膜AF1(図12参照)の漏れを抑制できる。また、図13に示すように、部材FS1および部材FS2に隙間FSkを形成する場合は、枠状に形成された部材FS1および部材FS2のそれぞれの角部の近傍に隙間FSkを形成することが好ましい。
詳しくは、図13に示すように、相対的に表示部DP側に配置される部材FS2に形成された隙間FSkから部材FS2の角までの長さFSL2は、部材FS1に形成された隙間FSkから部材FS1の角までの長さFSL1よりも短い。配向膜AF1が図10に示す表示部DPの中央から放射状に広がると考えた場合、図13に示すように隙間FSkを配置すれば、配向膜AF1(図12参照)の漏れを防ぐことができる。
上記のように、部材FSを二重で設けた場合、配向膜AF1の漏れを抑制する点では好ましい。しかし、液晶表示装置LCD2の場合、シール部SLにシール材SLpの広がりを阻害する要因に成り得る部材が複数形成される。したがって、シール材SLpを塗布した後、シール部SLに広げる際に、上記した図1に示す液晶表示装置LCD1の場合よりもシール材SLpの広がりが阻害され易い。
そこで、本変形例のシール材塗布工程では、図14に示すように、部材FS1および部材FS2の幅方向において部材FS1および部材FS2のそれぞれを跨ぐようにシール材SLpが塗布される。図14に示す例では、本変形例のシール材塗布工程では、部材FS2の表示部DP側およびその反対側の側面、および部材FS1の表示部DP側およびその反対側の側面のそれぞれにシール部SLpが密着する。これにより、基板重ね工程において、部材FS1または部材FS2を越えて移動するシール材SLpの量を低減することができる。
このように、部材FS1および部材FS2の幅方向において部材FS1および部材FS2のそれぞれを跨ぐようにシール材SLpを塗布するため、ノズルNZによるシール材SLpの塗布幅は、部材FS1および部材FS2の総幅(部材FS1および部材FS2を一体物と見做した時の幅)よりも広くすることが好ましい。すなわち、ノズルNZの開口部NZkの開口幅WNZは、部材FS2の表示部DP側の側面SDPから部材FS1の表示部DPとは反対側の側面SPPまでの距離WFSよりも大きい。
また、基板重ね工程において、部材FS1または部材FS2を越えて移動するシール材SLpの量をさらに低減する観点から、図11に示すように、部材FS1と部材FS2は、シール部SLの幅方向における中央線CL1を挟んで互いに反対側に形成されていることが好ましい。
また、基板重ね工程において、部材FS1または部材FS2を越えて移動するシール材SLpの量をさらに低減する観点から、シール材塗布工程では、図14に示すように、ノズルNZの開口部NZkの中心CTが部材FS1と部材FS2の間の領域の上方に位置する状態で、シール材SLpを吐出することが好ましい。
また、シール材SLpを部材FS上から部材FSの両隣に向かって押し広げることにより形成されたシール部SLは、図11にX方向として示す、シール部SLの幅方向において、ほぼ中央に部材FSが存在する。詳しくは、シール材SLpは、部材FS2の液晶層LCL側に配置される部分SLp1、および部材FS1の液晶層LCLとは反対側に配置される部分SLp2、および部材FS1と部材FS2の間に配置される部分SLp3を有する。図11に示す例では、部分SLp1の幅Ws1と部分SLp2の幅Ws2とは、ほぼ等しい。言い換えれば、部分SLp1の幅Ws1と部分SLp2の幅Ws2との比率は、5:5である。
一方、部分SLp3の幅Ws3は、部材FS1と部材FS2の間に気泡が残らない程度の範囲でできる限り小さい値にすることが好ましい。例えば、図11に示す例では、部分SLp3の幅Ws3は、幅Ws1および幅Ws2よりも狭い。このように幅Ws3を小さくすることにより、基板重ね工程において、部材FS1または部材FS2を越えて移動するシール材SLpの量を低減することができる。また、幅Ws3を小さくすることにより、シール部SLのシール強度に大きな影響を与える部分SLp2の平面積を増大させることができる。
また、部分SLp1の幅Ws1と部分SLp2の幅Ws2との関係は、図5を用いて説明した関係と同様である。
例えば、図12に示す基板11と基板12のシール強度を向上させる観点からは、シール材SLpと基板11の密着面積を大きくすることが好ましい。つまり、図11に示す幅Ws2の値は、必要なシール強度を確保する観点から好ましい範囲がある。例えば、本変形例では、幅Ws0が0.8mm程度であるのに対し、幅Ws2が0.3mm程度以上であることが好ましい。また、シール材SLpと図12に示す樹脂層OC1の密着性を向上させる材料を選択した場合には、幅Ws2が0.15mm程度でも必要なシール強度が確保できる場合がある。この場合、シール部SL全体の幅Ws0を小さくすることができる。すなわち、図12に示す額縁部FLの幅を低減することができる。
上記のように、幅Ws2の具体的な数値は、液晶表示装置の寸法やシール部SLの構成材料に応じて変化する。しかし、額縁部FLの幅を低減することを考慮すると、シール部SLの全体の幅Ws0に対して好ましい幅Ws2の割合を規定することができる。すなわち、部分SLp2の幅Ws2は、シール部SL全体の幅Ws0に対して25%以上であることが好ましく、40%以上であることが特に好ましい。
また、シール材SLpの広がりが阻害され、部材FS上におけるシール材SLpの厚さが厚くなってしまう事を抑制する観点からは、図11に示す部分SLp1の幅Ws1は、シール部SL全体の幅Ws0に対して25%以上であることが好ましく、40%以上であることが特に好ましい。
また、図12に示すように、本実施の形態では、部材FS1および部材FS2が基板12の前面12fと接触しない。このため、部材FS1と基板12の間、および部材FS2と基板12の間には、シール材SLpがそれぞれ存在する。この場合、シール材SLpを押し広げる際に、部材FS1や部材FS2を乗り越えさせるために必要な押圧力を小さくすることができる。したがって、シール材SLpの厚さを制御し易くする観点からは、図12に示すように、部材FS1および部材FS2が基板12の前面12fと接触しない構造が好ましい。
<変形例2>
次に、シール部SLに部材FS以外の突出部材を形成した場合の変形例について説明する。図15は図11に対する変形例を示す拡大平面図である。なお、図15では、部材FSおよびスペーサ部材PSの平面形状およびレイアウトを明示的に示すため、部材FSおよびスペーサ部材PSを実線で示し、かつ、ドットパターンを付している。
上記実施の形態および変形例1では、例えば図5や図11に示すようにシール部SLにおいて、基板11の背面11b(図4および図12参照)から突出する突出部材は、配向膜を堰き止める目的で形成された部材FS以外は形成されていない実施態様について説明した。しかし、図6に示す複数のスペーサ部材PSのように、それぞれ独立した部材が、互いに離間して配置されている場合、流体の移動を阻害する要因にはなり難い。
したがって、図15に示す液晶表示装置LCD3のように、基板11の背面11b(図12参照)から突出する部材である複数のスペーサ部材PSのうちの一部が、シール部SLに形成されていても良い。
ただし、シール材SLpの広がりがスペーサ部材PSにより阻害されないようにするため、シール部SLに配置される複数のスペーサ部材PSのうち、隣り合うPSの離間距離P1は、シール部SLの延在方向におけるスペーサ部材PSの長さL1よりも大きい事が好ましい。例えば、離間距離P1は100μmよりも大きいことが好ましい。また、スペーサ部材PSそれぞれの長さL1は、部材FSの幅と同程度で、例えば、30μm〜60μm程度が好ましい。
これにより、シール材SLpは、隣り合うスペーサ部材PSの間の空間を通って、スペーサ部材PSの周囲に回り込むので、安定的に広がり易くなる。
また、図15に示す液晶表示装置LCD3は図11に示す液晶表示装置LCD2の変形例として示したが、図5に示すように、シール部SLに一本の部材FSが形成された液晶表示装置LCD1に対する変形例として適用しても良い。
また、部材FSを乗り越えるシール材SLpの量を低減するという観点からは、図16に示す液晶表示装置LCD4のような構成も考えられる。図16は、図11に対する別の変形例を示す拡大平面図である。また、図17は図16のA−A線に沿った拡大断面図である。
図16および図17に示す液晶表示装置LCD4は、シール材SLpが部材FSを乗り越えない事を前提としている点で、上記した液晶表示装置LCD1、LCD2、LCD3と相違する。
詳しくは、液晶表示装置LCD4では、シール部SLの幅方向における両端部に、液晶層LCLの外縁に沿って延びる部材FS1および部材FS2が配置されている。また、部材FS1と部材FS2の間には、基板11の背面11b(図17参照)から突出する部材は、形成されていない。
液晶表示装置LCD4の場合、部材FSがシール材SLpの広がりを阻害する特性を利用して、シール材SLpが広がる範囲を制御している。このため、シール材塗布工程では、部材FS1および部材FS2の間にシール材SLpを塗布し、部材FS1および部材FS2は跨がない点で、液晶表示装置LCD1、LCD2、LCD3の製造方法と相違する。
この変形例の場合、シール材SLpの塗布量の精度が高い場合には、シール部SLの形成範囲を制御できる点で好ましい。
一方、上記した液晶表示装置LCD1、LCD2、LCD3の場合、シール材SLpの塗布量に多少のバラつきがある場合でも、安定的にシール材SLpを広げることができる点で好ましい。また、上記した液晶表示装置LCD2、LCD3の場合、周縁部側に配置される部材FS1の外側までは配向膜AF1は広がらないので、確実にシール強度を向上させられる点で好ましい。
以上、本願発明者によってなされた発明を実施の形態および代表的な変形例に基づき具体的に説明したが、例えば、上記した種々の変形例同士を組み合わせて適用することもできる。
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。