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JP6368097B2 - 亜鉛負極及び電池 - Google Patents

亜鉛負極及び電池 Download PDF

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Description

本発明は、亜鉛負極及び電池に関する。より詳しくは、亜鉛種を含む活物質層を含んで構成される、経済性、安全性に優れ、性能が高い電池を形成することができる亜鉛負極、及び、該亜鉛負極を用いた電池に関する。
負極は、負極活物質によって構成される電池の負極であり、中でも、亜鉛を負極活物質とする亜鉛負極は、電池の普及とともに古くから研究されてきたものである。亜鉛を負極に用いる電池としては、一次電池、二次電池(蓄電池)、空気電池等が挙げられ、例えば、正極活物質に空気中の酸素を用いる空気・亜鉛電池、正極活物質にニッケル含有化合物を用いるニッケル・亜鉛電池、正極活物質にマンガン含有化合物を用いるマンガン・亜鉛電池や亜鉛イオン電池、正極活物質に酸化銀を使用する銀・亜鉛電池等が研究及び開発され、特に、空気・亜鉛一次電池、マンガン・亜鉛一次電池、銀・亜鉛一次電池は実用化され、広く世界で使用されている。一方で、近年においては、携帯機器から自動車等まで多くの産業において電池の開発・改良の重要性が高まっており、主に電池の性能やその二次電池化の面で優れた新たな電池系が種々開発・改良されているのが現状である。
従来、研究及び開発が行われてきた亜鉛を負極に用いることができる電池としては、少なくとも導電体と、電池反応に関与するイオンは透過するが充電時の負極に析出する負極活物質は透過しにくい絶縁体又は半導体とを有する負極活物質保持体を有する二次電池用負極において、前記負極活物質保持体は空隙率10%以上の空隙を有することを特徴とする二次電池用負極が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、正極と、電解質層と、負極と、がこの順に積層されてなる積層体を有する電気化学デバイスであって、前記正極または前記負極の少なくとも一方が、集電体と、前記集電体の表面に接合された針状活物質粒子を含む活物質層とを有し、かつ、前記活物質層に固体電解質が充填されてなることを特徴とする、電気化学デバイスが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
更に、亜鉛極に関する言及は無いが、集電体上に電極活物質を含む電極において、前記電極はお互いに連結された状態の電極活物質の表面が高分子によってコーティングされた電極であって、高分子はお互いに連結された状態の電極活物質粒子らの間に形成された気孔構造をそのまま維持しながら独立的な相(phase)で存在することを特徴とする電極が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開平08−171901号公報 特開2010−80376号公報 特表2007−510267号公報
亜鉛を負極に用いる電池としては、上述したように種々のものが研究されてきたが、他の元素を負極に用いた新たな電池が開発されるにつれ、電池開発の主流ではなくなっていた。しかしながら、本発明者らは、このように亜鉛を負極に用いる場合は、亜鉛負極が安価であること、水含有電解液を使用でき、その場合は安全性が高いことに加え、エネルギー密度も高く、そのような観点から様々な用途において好適に使用することができる可能性があるところに着目した。そして、亜鉛を負極に用いる電池の性能面について検討したところ、近年用いられる電池に要求される性能を満たすためには、活物質の形状・形態変化が先ず問題となり、その解決策として、固体電解質を使用すること、例えば、固体電解質を活物質層上、及び/又は、該層内に導入することが挙げられるが、従来の固体電解質では、固体電解質特有の課題である、(1)固体電解質作製時や充放電時に固体電解質が膨張や収縮を起こすことに起因して、電極活物質層に亀裂が入る等、活物質・固体電解質・集電体同士の接触が悪くなり、電極が劣化し機能しなくなること、(2)充放電時における活物質の密度変化等に起因して、活物質・固体電解質・集電体同士の接触が悪くなり、電極が劣化し機能しなくなること、(3)固体電解質のイオン伝導性が不充分であること等の課題が未だ残されていることを見出した。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものでもあり、電池を作製・作動等させる際の膨張・収縮度合が小さくイオン伝導性の高い固体電解質を活物質層上、及び/又は、該層内に導入して、活物質の形状・形態変化を充分に抑制するとともに、電池性能が充分に向上された電池を形成することができる亜鉛負極、及び、該亜鉛負極を用いた電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、亜鉛負極について種々検討を行い、活物質の形状・形態変化を充分に抑制するために、電池を作製・作動等させる際の膨張・収縮度合の小さい固体電解質を活物質層上、及び/又は、該層内に導入することに着目し、固体電解質を用いながらも電極性能を優れたものとすることができる亜鉛負極を種々検討した。
ここで本発明者らは、従来、固体電解質を活物質層上、及び/又は、該層内に導入した亜鉛負極は、固体電解質の形成時や充放電操作時等において固体電解質が膨張・収縮することにより、活物質と導電助剤との連結や、これらと集電体との連結の一部又は全てが途切れることとなり、活物質と導電助剤との間や、これらと集電体との間の電子伝導パスが消失し、活物質の酸化還元反応が円滑に行われなくなることを見出した。また、電極活物質層に亀裂が入る等の問題が生じることを見出した。更に、固体電解質を活物質層上、及び/又は、該層内に導入した亜鉛負極においては、活物質の表面と固体電解質との間のイオン伝導性も充分に優れたものとならないことを見出した。このように本発明者らは、従来の固体電解質を活物質層上、及び/又は、該層内に導入した亜鉛負極には上記特有の課題があり、電極性能が劣化していたことを見出した。そこで、本発明者らは、電子伝導パス及びイオン伝導パスの両方を保持し、電極性能の劣化を抑制し、更に、電極活物質層に亀裂が入る等の不具合が生じない亜鉛負極とすることを種々検討した。そして、本発明者らは、上記固体電解質が、多価イオン、無機化合物、及び、窒素含有有機化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含み、該多価イオン及び/又は無機化合物が、周期表のLi、Na、K、Rb、Cs、第2族〜第14族、P、Sb、Bi、第16族、及び、第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有することにより、固体電解質の膨張・収縮を抑制し、固体電解質の体積変化を無くすか、又は、小さくすることができ、電子伝導パスを保持するとともに、電極活物質層に亀裂が入る等の問題が起きないものとすることができることを見出した。更に、このような多価イオン、無機化合物及び窒素含有有機化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物によって、イオン伝導パスを保持し、イオン伝導性も充分に優れたものとすることができることを見出した。本発明者らは、このような特徴を有する亜鉛負極が、電極性能の劣化を抑制し、上記課題を見事に解決することができることに想到した。なお、このような特徴を有する亜鉛負極は、電池の負極としてより好適に用いることができるものである。また、このような亜鉛負極を用いた電池は特に水含有電解液を用いることができるために安全性の高い電池となる。
なお、上述した特許文献に開示の電池は、亜鉛負極において、特定の多価イオン、無機化合物及び窒素含有有機化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含む固体電解質を活物質層上、及び/又は、該層内に導入することは開示されていなかった。上述した特許文献に開示の電池は、亜鉛負極の負極活物質の形態変化を充分に抑制し、かつ電極性能を優れたものとすることができるものではなく、上記課題を充分に解決するために工夫の余地があるものであった。
すなわち本発明は、集電体と、亜鉛種を含む活物質層とを含んで構成される亜鉛負極であって、上記亜鉛負極は、活物質層上、及び/又は、該層内に、固体電解質を含有し、上記固体電解質は、多価イオン、無機化合物及び窒素含有有機化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含み、上記多価イオン及び/又は無機化合物は、周期表のLi、Na、K、Rb、Cs、第2族〜第14族、P、Sb、Bi、第16族、及び、第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する亜鉛負極である。なお、本明細書中、亜鉛負極は、負極として用いられる亜鉛電極をいう。
また本発明は、上記固体電解質がポリマーを含有する電解質である上記亜鉛負極でもある。
更に、本発明は、上記多価イオン、無機化合物及び窒素含有有機化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物がアニオン伝導性を有する上記亜鉛負極でもある。
そして、本発明は、上記無機化合物が酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、粘土化合物、及び、硫酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物である上記亜鉛負極でもある。なお、本明細書中、水酸化物は、層状複水酸化物以外の水酸化物を言う。
また本発明は、本発明の亜鉛負極、正極、セパレーター、及び、電解質を用いて構成される電池でもある。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載される本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせた形態もまた、本発明の好ましい形態である。
本発明の亜鉛負極は、通常は、酸化亜鉛と導電助剤が連結し、これらと集電体とが連結しており、酸化亜鉛と導電助剤の間や、これらと集電体との間を電子が伝導できる電子伝導パスを充分に保持することができる。また、固体電解質が特定の多価イオン及び/又は無機化合物や、窒素含有有機化合物を含むことにより、活物質の表面と固体電解質との間のイオン伝導パスを介するイオン伝導性が優れたものとなる。
次に、本発明の亜鉛負極における上記固体電解質について説明する。
本発明の亜鉛負極が、活物質層上、及び/又は、該層内に、固体電解質を含有することにより、電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化、溶解、腐食、不動態形成を抑制したうえで、高いサイクル特性、レート特性、及び、クーロン効率といった電池性能を発現することができる効果を得ることができる。上記固体電解質は、その表面、内部に空孔を有するものであってもよく、空孔を有さないものであってもよいが、可能な限り空孔を有さないことが好ましい。
上記固体電解質は、多価イオン、無機化合物及び窒素含有有機化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含む。これら化合物は、電解質・電解液・活物質・ポリマー等との相互作用や、上記化合物同士の相互作用等により、固体電解質として機能するものと推察される。多価イオン、無機化合物、窒素含有有機化合物は、それぞれ、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
上記固体電解質は、無機化合物を含むことが好ましい。
上記無機化合物は、周期表のLi、Na、K、Rb、Cs、第2族〜第14族、P、Sb、Bi、第16族、及び、第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有するものであればよいが、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、P、Sb、Bi、S、Se、Te、F、Cl、Br、Iからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含む酸化物;複合酸化物;合金;ハイドロタルサイト等の層状複水酸化物;水酸化物;粘土化合物;固溶体;ゼオライト;ハロゲン化物;カルボキシラート化合物;炭酸化合物;炭酸水素化合物;硝酸化合物;硫酸化合物;スルホン酸化合物;スルホン酸塩化合物;ヒドロキシアパタイト等のリン酸化合物;亜リン化合物;次亜リン酸化合物、ホウ酸化合物;ケイ酸化合物;アルミン酸化合物;硫化物;オニウム化合物;塩等が挙げられる。好ましくは、上記元素の群より選ばれる少なくとも1つの元素を含む酸化物;複合酸化物;合金;ハイドロタルサイト等の層状複水酸化物;水酸化物;粘土化合物;固溶体;ゼオライト;フッ化物;炭酸化合物;硫酸化合物;ヒドロキシアパタイト等のリン酸化合物;ホウ酸化合物;ケイ酸化合物;アルミン酸化合物;塩である。
中でも、上記無機化合物は、アニオン伝導性を有するものであることが好ましい。より好ましくは、例えば、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、粘土化合物及び硫酸化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である。更に好ましくは、酸化アルミニウム(水和物)、酸化ビスマス(水和物)、酸化インジウム(水和物)、酸化カルシウム(水和物)、酸化イットリウム(水和物)、酸化マグネシウム(水和物)、酸化ストロンチウム(水和物)、酸化バリウム(水和物)、酸化ランタン(水和物)、酸化チタン(水和物)、酸化ガリウム(水和物)、酸化セリウム(水和物)、酸化ニオブ(水和物)、酸化錫(水和物)、酸化ジルコニウム(水和物)、水酸化セリウム、水酸化ジルコニウム、ハイドロタルサイト及びエトリンガイトからなる群より選択される少なくとも1種の化合物である。特に好ましくは、酸化アルミニウム(水和物)、酸化ビスマス(水和物)、酸化インジウム(水和物)、酸化カルシウム(水和物)、酸化ストロンチウム(水和物)、酸化バリウム(水和物)、酸化イットリウム(水和物)、酸化マグネシウム(水和物)、酸化ランタン(水和物)、酸化チタン(水和物)、酸化ガリウム(水和物)、酸化セリウム(水和物)、酸化ニオブ(水和物)、酸化錫(水和物)、酸化ジルコニウム(水和物)、ハイドロタルサイトである。
上記酸化セリウムは、例えば、酸化サマリウム、酸化ガドリニウム、酸化ビスマス等の金属酸化物がドープされたものや、酸化ジルコニウム等の金属酸化物との固溶体であってもよい。酸素欠陥を持つものであってもよい。
上記ハイドロタルサイトとは、下記式;
[M 1−x (OH)](An−x/n・mH
(M=Mg、Fe、Zn、Ca、Li、Ni、Co、Cu等;M=Al、Fe、Mn等;A=CO 2−等、mは0以上の正数、nは2又は3、xは、0.20≦x≦0.40程度)に代表される化合物であり、150℃〜900℃で焼成することにより、脱水した化合物や、層間内の陰イオンを分解させた化合物、層間内の陰イオンを水酸化物イオン等に交換した化合物、天然鉱物であるMgAl(OH)16CO・mHO等を上記無機化合物として使用してもよい。ハイドロタルサイトを使用する固体電解質が、ポリマーやオリゴマーを含まない場合には、ハイドロタルサイト以外の多価イオン及び/又は無機化合物を共存させるか、もしくは、x=0.33のハイドロタルサイトを使用することがより好ましい。この化合物を、150℃〜900℃で焼成することにより脱水した化合物や、層間内の陰イオンを分解させた化合物、層間内の陰イオンを水酸化物イオン等に交換した化合物、天然鉱物であるMgAl(OH)16CO・mHO等を上記無機化合物として使用してもよい。上記ハイドロタルサイトには、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シラノール基等の官能基を持つ化合物が配位していてもよい。層間内に有機物を有していてもよい。
なお、上記ヒドロキシアパタイトとは、Ca10(PO(OH)に代表される化合物であり、調製時の条件によりCaの量を減らした化合物や、Ca以外の元素を導入したヒドロキシアパタイト化合物等を上記無機化合物として使用してもよい。
上記無機化合物は、上記元素を有する化合物を前駆体として、固体電解質内で生成させてもよい。上記無機化合物は、それを電解液原料、電解液、固体電解質(ゲル電解質)等に導入した際に、溶解状態、コロイド等の分散状態、不溶状態等のいずれであってもよく、その表面の一部がプラスやマイナスの電荷に帯電するものが好ましく、ゼータ電位の測定等により、粒子の帯電状態を推察することができる。これら無機化合物は、後述するように、上記固体電解質がポリマーを含有する場合には、主に上記無機化合物と当該ポリマーが有する官能基との共有結合、配位結合や、イオン結合、水素結合、π結合、ファンデルワールス結合、アゴスチック相互作用等の非共有結合により相互作用して固体電解質になるものと考えられる。また、上記固体電解質がポリマーを含有しない場合にも固体電解質を構成することは可能である。この場合には、上記無機化合物を電解液中に存在させるだけでよく、電解液中のイオンと無機化合物とが好適に作用し結びつくものと推察される。この際、上記多価イオンが含まれていてもよく、多価イオンに含まれる元素と、無機化合物に含まれる元素とは、同じであっても異なっていてもよいが、少なくとも一つ異なる方がより好ましい。また、ハイドロタルサイト等の層状化合物を用いる場合には、その層内にポリマーや有機分子等が形成・配置されていてもよい。また、上記無機化合物は、それを電解液原料、電解液、固体電解質等に導入した際に、その表面の一部がプラスやマイナスの電荷に帯電しない状態(等電点に相当)で使用してもよく、その場合には、電気的相互作用ではなく、配位結合等を好ましい駆動力として固体電解質を形成することになる。
上記多価イオンの元素としては、周期表のLi、Na、K、Rb、Cs、第2族〜第14族、P、Sb、Bi、第16族、及び、第17族から選ばれる少なくとも1種の元素であればよいが、より好ましくは、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Yb、Ti、Zr、Nb、Nd、Cr、Mo、W、Mn、Co、B、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、P、Sb、Biである。
上記多価イオンは、該多価イオンの元素を含む酸化物;複合酸化物;ハイドロタルサイト等の層状複水酸化物;水酸化物;粘土化合物;固溶体;合金;ハロゲン化物;カルボキシラート化合物;炭酸化合物;炭酸水素化合物;硝酸化合物;硫酸化合物;スルホン酸化合物;リン酸化合物;亜リン化合物;次亜リン酸化合物、ホウ酸化合物;ケイ酸化合物;アルミン酸化合物;硫化物;オニウム化合物;塩等を、電解液原料、電解液、固体電解質等に導入することにより発生するアニオンやカチオンを指す。該多価イオンの元素を含む化合物の一部又は全てが電解液原料、電解液、固体電解質等に溶解することにより、上記アニオンやカチオンが発生してもよいし、該多価イオンの元素を含む化合物が不溶の場合には、それを電解液原料、電解液、固体電解質等に導入した際に、その表面等一部に上記アニオンやカチオンが発生してもよい。上記多価イオンは、上記元素を有する化合物を前駆体として、固体電解質内で生成させてもよい。上記固体電解質がポリマーを含有する固体電解質である場合には、上記多価イオンは該ポリマー由来のものであってもよい。
後述するように、上記固体電解質がポリマーを含有する固体電解質である場合には、上記多価イオンが主に当該ポリマーが有する官能基との共有結合、配位結合や、イオン結合、水素結合、π結合、ファンデルワールス結合、アゴスチック相互作用等の非共有性結合により相互作用し、固体電解質となる。
また、上記固体電解質がポリマーを含有しない固体電解質である場合にも固体電解質を構成することは可能である。この場合には、上記多価イオンと後述する無機化合物とを電解液中に共存させるだけでよく、電解質中のイオンと共に多価イオンが無機化合物をより好適に結びつけることができるものと推察される。この際、多価イオンに含まれる元素と、無機化合物に含まれる元素とは、同じであっても異なっていてもよいが、少なくとも一つ異なる方がより好ましい。
多価イオンと無機化合物とを併用する場合は、多価イオンと無機化合物との質量割合は、50000/1〜1/100000であることが好ましい。
上記窒素含有有機化合物としては、エチレンジアミン等のアルキレンジアミン、窒素上の水素原子がアルキル基及び/又は芳香環含有基で置換されたエチレンジアミン等の置換アルキレンジアミン、ポリエチレンイミン、ビピリジン・イミダゾール・ピラゾール・トリアゾール・テトラゾール・ピラジン・フェナントロリン・フェナジン等に代表される複素環式化合物、アゾ基・ニトロ基・ニトロソ基・第四級アンモニウム塩基等を含有する有機化合物等が挙げられる。
上記多価イオン、無機化合物及び窒素含有有機化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の総量は、固体電解質100質量%中、0.01質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、0.1質量%以上であり、更に好ましくは、0.5質量%以上である。また、上記化合物の総量は、99.9質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、98質量%以下であり、更に好ましくは、95質量%以下である。
上記固体電解質を作製する際に使用する電解液として、後述する水含有電解液を用いた場合には、上記多価イオンを発生させる化合物、無機化合物、窒素含有有機化合物は、高いイオン伝導性の発現と充放電中に発生した気体の吸収性・透過性に寄与すると共に、熱力学的に通常起こり得る、水の分解反応が進行して水素や酸素が発生する副反応や、活物質の形態変化、溶解、腐食を抑制し、充放電特性やクーロン効率を格段に向上する働きも担うことになる。これは、多価イオン、無機化合物、窒素含有有機化合物の、負極表面との好適な相互作用や、亜鉛含有化合物拡散の抑制が一因と考えられる。
上記固体電解質は、多価イオン、無機化合物及び窒素含有有機化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物、並びに、電解液のみからなる固体電解質でもよく、更にポリマーやオリゴマーを含む固体電解質であってもよい。固体電解質が更にオリゴマーやポリマーを含む場合、オリゴマーやポリマーは、多価イオン、無機化合物及び窒素含有有機化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と相互作用し得ることとなる。これら固体電解質の使用に起因して、特に電極内及び/又はその表面におけるイオンの拡散を物理的・化学的に効果的に制限できることにより、電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化、溶解、腐食を抑制することができると推察される。また、このような固体電解質を使用することで、不動態の形成や、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電を抑制する効果も得られることになる。この不動態の形成や自己放電を抑制する効果も、上記のような固体電解質の作用によって得られるものと推察される。更に、そのような固体電解質を用いて形成された蓄電池は、高い電気伝導性を保持したまま、高いサイクル特性、レート特性、及び、クーロン効率を発現することができるものとなる。したがって、上記固体電解質は、一次電池、二次電池(蓄電池)、キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ等の電気化学デバイスのいずれにも使用できるものであるが、蓄電池に使用されることが好ましい。
なお、以下において、ポリマーというときには、オリゴマーも含まれる。
上記固体電解質がポリマーを含むことは、本発明の好適な実施形態の一つである。固体電解質にポリマーを使用する場合、該ポリマーは、共有結合、配位結合や、イオン結合、水素結合、π結合、ファンデルワールス結合等の非共有結合を発現するものが好ましい。より好ましくは、上記ポリマーが、ポリマーが有する官能基と多価イオン及び/又は無機化合物と相互作用するようなポリマーであることが好ましい。従来、その電解液に起因する酸性条件下又は塩基性条件下、及び/又は、電気的負荷がかかる条件下において当該ポリマーの連結部位は分解を受けてしまう場合が多く、その結果、電解液に溶解して固体電解質の劣化が徐々に進行してしまう。ところが、多価イオン、無機化合物及び窒素含有有機化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と相互作用し、ポリマーの官能基が該化合物による連結点となり、好適な電池特性を発現する構造を有する化合物が形成されるものと考えられる。これにより、固体電解質の劣化を充分に抑制することができ、その結果、電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化、溶解、腐食、不動態形成の抑制、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電の効果的な抑制を持続的に行うことが可能となり、また、固体電解質の形成時や充放電操作時等における固体電解質の膨張・収縮を極力抑制することにより、電子伝導パス及びイオン伝導パスの両方を良好に保持することが可能となり、高い電池性能を更に長時間維持することが可能となる。
上記固体電解質に使用されるポリマーとしては、ポリスチレン等に代表される芳香族基含有ポリマー;アルキレングリコール等に代表されるエーテル基含有ポリマー;ポリビニルアルコール、ポリ(α−ヒドロキシメチルアクリル酸塩)、ポリビニルアルコールやポリ(α−ヒドロキシメチルアクリル酸塩)等に代表される水酸基含有ポリマー;ポリアミド、ナイロン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、N−置換ポリアクリルアミド等に代表されるアミド基含有ポリマー;ポリマレイミド等に代表されるイミド基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリメチレングルタル酸等に代表されるカルボキシル基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリマレイン酸塩、ポリイタコン酸塩、ポリメチレングルタル酸塩等に代表されるカルボン酸塩基含有ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のハロゲン含有ポリマー;エポキシ樹脂等のエポキシ基が開環することにより結合したポリマー;スルホン酸塩部位含有ポリマー;ARB(Aは、N又はPを表す。Bは、ハロゲンアニオンやOH等のアニオンを表す。R、R、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜7のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルキルカルボキシル基、芳香環基を表す。R、R、Rは、結合して環構造を形成してもよい。)で表される基が結合したポリマーに代表される第四級アンモニウム塩や第四級ホスホニウム塩含有ポリマー;陽イオン・陰イオン交換膜等に使用されるイオン交換性重合体;天然ゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)等に代表される人工ゴム;セルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシエチルセルロース)、カルボキシメチルセルロース、キチン、キトサン、アルギン酸(塩)等に代表される糖類;ポリエチレンイミンに代表されるアミノ基含有ポリマー;カルバメート基部位含有ポリマー;カルバミド基部位含有ポリマー;エポキシ基部位含有ポリマー;複素環、及び/又は、イオン化した複素環部位含有ポリマー;導電性ポリマー;ポリマーアロイ;ヘテロ原子含有ポリマー;低分子量界面活性剤等が挙げられる。ポリマーはその構成単位に該当するモノマーより、ラジカル重合、ラジカル(交互)共重合、アニオン重合、アニオン(交互)共重合、カチオン重合、カチオン(交互)共重合、グラフト重合、グラフト(交互)共重合、リビング重合、リビング(交互)共重合、分散重合、乳化重合、懸濁重合、開環重合、環化重合、光、紫外線や電子線照射による重合、メタセシス重合、電解重合等により得ることができる。電極作製時に上記ポリマーの原料となるモノマーを使用し、充放電時にポリマー化させても良い。これらポリマーが官能基を有する場合には、それを主鎖及び/又は側鎖に有していてもよく、架橋剤との結合部位として存在してもよい。これらポリマーは、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。上記ポリマーは、上記多価イオン、無機化合物及び窒素含有有機化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物以外の有機架橋剤化合物により、エステル結合、アミド結合、イオン結合、ファンデルワールス結合、アゴスチック相互作用、水素結合、アセタール結合、ケタール結合、エーテル結合、ペルオキシド結合、炭素−炭素結合、炭素−窒素結合、炭素−酸素結合、炭素−硫黄結合、カルバメート結合、チオカルバメート結合、カルバミド結合、チオカルバミド結合、オキサゾリン部位含有結合、トリアジン結合等を介して、架橋されていてもよい。
上記ポリマーは、重量平均分子量が、200〜7000000であることが好ましい。ポリマーの重量平均分子量がこのような範囲であることによって、固体電解質を充分形成することができる。重量平均分子量としてより好ましくは、400〜6500000であり、更に好ましくは、500〜5000000である。上記ポリマーの分子量の選択や、分子量や種類の異なる複数のポリマーの使用等により、生成する固体電解質の強度をコントロールすることができ、電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化、溶解、腐食や不動態形成を抑制し、また、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電を抑制し、高いイオン伝導性を保持したまま、高いサイクル特性、レート特性、及び、クーロン効率を最も良好に発現することができる。また、正極や負極における副反応により発生する水素や酸素も良好に対極まで輸送し、これらを消滅させることも可能である。上記ポリマーは熱や圧力等により繊維化された状態になってもよい。ポリマーの繊維化により、活物質部位や固体電解質部位の強度、言い換えれば、ポリマーが関与する相互作用を調節することもできる。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)やUV検出器によって、測定することができる。
上記固体電解質におけるポリマーと、多価イオン、無機化合物及び窒素含有有機化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物との配合割合としては、ポリマーと、多価イオン、無機化合物及び窒素含有有機化合物の少なくともいずれか一方に該当するものとの質量割合が、5000000/1〜1/100000であることが好ましい。このような配合割合であると、固体電解質の劣化を抑制すると共に、シェイプチェンジやデンドライトといった形態変化、溶解、腐食や不動態形成の抑制、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電の効果的な抑制を充分持続的に行うことが可能であり、高い電池性能をより長時間維持することが可能となる。より好ましくは、2000000/1〜1/10000であり、更に好ましくは、1000000/1〜1/1000である。一層好ましくは、1000000/1〜1/100である。より一層好ましくは、100/3〜75/100である。特に好ましくは、100/50〜75/100である。
上記固体電解質の作製に使用する無機化合物、電解液、及び、ポリマーは、脱酸素処理を行ったものを用いることが好ましい。また、多価イオン、無機化合物及び窒素含有有機化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物、電解液、並びに、ポリマーの混合は、不活性雰囲気下で行うことが好ましい。脱酸素処理を行った原料を用い、不活性雰囲気下で混合を行うと、得られる固体電解質が良好な電気特性を有するものとなる。より好ましくは、限りなく固体電解質の溶存酸素量を0mg/Lに近づけることである。溶存酸素濃度を低減することにより、亜鉛極活物質の電解液への溶解を極力低減させることが可能となり、亜鉛極活物質の形状変化、溶解、腐食反応を抑制し、電極の寿命が向上することになる。また、強アルカリ性水溶液含有電解液の場合には、二酸化炭素が混入すると炭酸塩が多量に生成し、電導度が低下して蓄電池性能に悪影響を及ぼすことがあるため、上記操作により溶存二酸化炭素も同時に除去することが好ましい。
上記固体電解質は、多価イオン、無機化合物及び窒素含有有機化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物と相互作用を有するものであって、そのような固体電解質を用いた蓄電池は、電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化、溶解、腐食や不動態形成の抑制、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電を抑制し、高いイオン伝導性を保持したまま、高いサイクル特性、レート特性、及び、クーロン効率を発現することができるものである。また、固体電解質の形成時や充放電操作時等における固体電解質の膨張・収縮を極力抑制することにより、電子伝導パス及びイオン伝導パスの両方を良好に保持することが可能となる。また、この固体電解質は、一次電池にも好適に用いることができ、電極活物質の形態変化を抑制、高いイオン伝導性を保持したまま、高いレート特性を発現することができる。
上記のとおり、上記固体電解質は蓄電池の種々の特性を高めることができるものであることから、本発明の電池が蓄電池であることは本発明の好適な実施形態の1つである。
本発明の亜鉛負極が活物質層上、及び/又は、該層内に含有する固体電解質は、全てが本発明の固体電解質であってもよいし、一部に本発明の固体電解質を含むものであってもよい。上記固体電解質が全て本発明の固体電解質である電池は、電解質が電解液を含有し、固体電解質となったものを含むこととなる。なお、本発明の固体電解質とは、多価イオン、無機化合物及び窒素含有有機化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含み、該多価イオン及び/又は無機化合物を含む場合は、該多価イオン及び/又は無機化合物は、周期表のLi、Na、K、Rb、Cs、第2族〜第14族、P、Sb、Bi、第16族、及び、第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有するものをいう。
また上記電解質の一部が本発明の固体電解質である電池は、電解質が本発明の固体電解質と、当該固体電解質以外の他の固体電解質等によって構成されているものである。例えば、亜鉛含有化合物を負極とし、電解質が本発明の固体電解質と、上述した特定の多価カチオン及び/又は無機化合物や、窒素含有有機化合物のいずれも含まない固体電解質とから構成されている形態を指す。なお、亜鉛負極が、活物質層上に固体電解質を含有する場合は、上記固体電解質が、電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化、溶解、腐食、不動態形成の抑制、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電の抑制、固体電解質の形成時や充放電操作時等における固体電解質の膨張・収縮を極力抑制することが可能となること等から、活物質層に接する電解質が本発明の固体電解質を必須として形成されることが好ましい。この場合、活物質層に接する電解質の少なくとも一部が本発明の固体電解質を必須として形成されたものであればよいが、活物質層に接する電解質の全てが本発明の固体電解質を必須として形成されたものであることが好ましい。該固体電解質は、予め重合したり、多価イオン、無機化合物及び窒素含有有機化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とポリマーと電解液とを混練する等の操作により作製したものを電池に使用してもよいし、モノマーを始めとする固体電解質の原料を電池内に入れた後、電池内で重合してこれを作製してもよい。また、集電体上、又は、活物質層上に厚さ20nm以上、5mm以下の厚みで、予め作製された固体電解質(ゲル電解質)を塗布・圧着・接着・圧電・圧延・延伸・溶融等したり、固体電解質の原料を塗布した後、重合させることで電極表面上に電解質の塗膜を形成してもよい。
また亜鉛負極が、活物質層内に固体電解質を含有する場合は、例えば、上述したように活物質層上に塗工・圧着・接着・圧電・圧延・延伸・溶融等した固体電解質を、熱・圧力・溶媒等の使用により、活物質層内に導入することができる。この場合は、固体電解質が、実質的に活物質層の全体に導入されたものであることが好ましいが、活物質層の一部のみに導入されたものであってもよい。例えば、0℃〜400℃の熱を用いたり、常圧〜20tの圧力を用いたり、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、N−メチルピロリドン等の溶媒を用いたり、これらの組み合わせにより、好適に固体電解質を活物質層内に導入することができる。なお、固体電解質を活物質層内に導入する場合には、亜鉛負極上は、上述したように固体電解質を使用してもよいが、電解液(液体)を使用してもよい。また、固体電解質又は固体電解質原料を、亜鉛負極合剤原料と共に混合する工程を用いて亜鉛負極合剤を作製し、次いで、塗工・圧着・接着・圧電・圧延・延伸・溶融等により集電体上に固体電解質を含む活物質層を作製してもよい。この場合は、固体電解質又は固体電解質原料が亜鉛負極合剤原料と混合された亜鉛負極合剤のみを用いて固体電解質を含む活物質層のみを作製することが好ましいが、固体電解質又は固体電解質原料が亜鉛負極合剤原料と混合された亜鉛負極合剤を用いて固体電解質を含む活物質層を作製するとともに、固体電解質又は固体電解質原料が混合されていない亜鉛負極合剤を用いて固体電解質を含まない活物質層を作製し、両活物質層が積層されるようなものとしても構わない。このようにして、固体電解質をその内に含む活物質層を作製してもよい。
上記固体電解質が本発明の固体電解質と、当該固体電解質以外の他の固体電解質等とによって構成されているものである場合、固体電解質の全量100質量%に対する本発明の固体電解質の割合は、0.001質量%以上、100質量%未満であることが好ましい。より好ましくは、0.01質量%以上である。更に好ましくは、0.02質量%以上である。
上記固体電解質を作製する際に使用する電解液や上記電解液としては、電池の電解液として通常用いられるものを用いることができ、特に制限されず、有機溶剤系電解液、水含有電解液を使用することができる。
上記電解質としては、電池の電解質として通常用いられるものであれば特に制限されず、例えば、水含有電解液、有機溶剤系電解液等が挙げられ、水含有電解液が好ましい。水含有電解液とは、水のみを電解液原料として使用する電解液(水系電解液)や、水に有機溶剤を加えた液を電解液原料として使用する電解液を指す。上記水系電解液としては、例えば、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、硫酸亜鉛水溶液、硝酸亜鉛水溶液、リン酸亜鉛水溶液、酢酸亜鉛水溶液等が挙げられる。このように、電解質として特に制限されないが、水系電解液を使用する場合には、系中でイオン伝導を担う水酸化物イオンを発生させる化合物が好ましい。特にイオン伝導性の観点からは水酸化カリウム水溶液が好ましい。上記水系電解液は、1種でも2種以上でも使用することができる。
また、上記水含有電解液は、有機溶剤系電解液に用いられる有機溶剤を含んでいてもよい。該有機溶剤としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジエトキシエタン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、イオン性液体、フッ素含有カーボネート類、フッ素含有エーテル類、ポリエチレングリコール類、フッ素含有ポリエチレングリコール類等が挙げられる。上記有機溶剤系電解液は、1種でも2種以上でも使用することができる。
有機溶剤系電解液を含む水含有電解液の場合、水系電解液と有機溶剤系電解液の合計100質量%に対して、水系電解液の含有量は、好ましくは10〜99.9質量%、より好ましくは20〜99.9質量%である。
上記電解液の濃度は、電解質(例えば水酸化カリウム)の濃度が0.01〜50mol/Lであることが好ましい。このような濃度の電解液を用いることにより、良好な電池性能を発揮することができる。より好ましくは、1〜20mol/Lであり、更に好ましくは、3〜18mol/Lである。また、亜鉛含有化合物を負極とする水含有電解液を使用した一次電池や二次電池に対して下記水含有電解液を使用する場合には、電解液へ更に、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、リン酸亜鉛、ピロリン酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、ケイ酸亜鉛、アルミン酸亜鉛、亜鉛金属、テトラヒドロキシ亜鉛イオン塩、硫化亜鉛から選ばれる亜鉛化合物を少なくとも1種添加することが好ましい。これにより、充放電時の亜鉛極活物質の溶解に伴うシェイプチェンジやデンドライトといった電極活物質の形態変化の発生、成長や不動態の形成、及び、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電を更に抑制することができる。電解液中の上記亜鉛化合物は、0.0001mol/L〜飽和濃度であることが好ましい。
上記電解液は、上記多価イオン、無機化合物及び窒素含有有機化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を添加剤として含んでいてもよい。水系電解液を用いた場合には、熱力学的に通常起こり得る、水の分解反応が進行して水素が発生する充放電時の副反応や、亜鉛極活物質の形態変化、不動態形成、溶解及び腐食反応、並びに、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電を抑制し、充放電特性やクーロン効率を格段に向上する働きも担うことになる。これは、添加剤が酸化亜鉛上の表面や電解液中の亜鉛含有化合物等と好適に相互作用し、副反応、亜鉛極活物質の形態変化、不動態形成、溶解、腐食反応や自己放電を抑制するものと考えられる。
添加剤としては、例えば水酸化カリウムを電解質に使用した水系電解液の場合には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、酸化リチウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酢酸ストロンチウム、酢酸マグネシウム、酢酸バリウム、酢酸カルシウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、フッ化セシウム、フッ化ベリリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、酢酸カリウム、ホウ酸、メタホウ酸カリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸水素カリウム、ホウ酸カルシウム、ホウフッ酸、リン酸、リン酸カリウム、ピロリン酸カリウム、亜リン酸カリウム、シュウ酸カリウム、ケイ酸カリウム、アルミン酸カリウム、硫化カリウム、硫酸カリウム、チオ硫酸カリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化ランタノイド、酸化ニオブ、酸化クロム、酸化銅、酸化ガリウム、酸化タリウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化鉛、酸化テルル、酸化錫、酸化インジウム、トリアルキルリン酸、第四級アンモニウム塩含有化合物、第四級ホスホニウム塩含有化合物、カルボン酸塩基含有化合物、ポリエチレングリコール鎖含有化合物、キレート剤、メタノール、エタノール、ブタノール、カルボン酸、カルボン酸塩、スルホン酸、スルホン酸塩、スルホンアミド、スルホン、スルホキシド、ポリマー、ゲル化合物、カルボキシラート基、及び/又は、スルホン酸塩基、及び/又は、スルフィン酸塩基、及び/又は、第四級アンモニウム塩、及び/又は、第四級ホスホニウム塩、及び/又は、ポリエチレングリコール鎖、及び/又は、フッ素等のハロゲン基を有する低分子量有機化合物、界面活性剤、周期表の第1族〜第17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を含む化合物を含有するポリマーやゲル化合物等が挙げられる。
上記周期表の第1族〜第17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する化合物を電解液に添加してもよい。添加剤は、1種でも2種以上でも使用することができる。
上記本発明の固体電解質以外の他の固体電解質としては、例えば、電解液等の液体の非存在下においてもリチウム等のカチオンを伝導することが可能な固体電解質や、上記多価イオン及び/又は無機化合物を含まず、それ以外の化合物(架橋剤)により架橋された固体電解質等が挙げられる。
本発明の亜鉛負極が活物質層上に固体電解質を含有する場合は、後述する亜鉛負極合剤を集電体上に塗工・圧着・接着・圧電・圧延・延伸・溶融等して活物質層を調製した後、該活物質層上に上述した固体電解質を形成するものであってよい。また、本発明の亜鉛負極が活物質層内に固体電解質を含有する場合は、活物質層上に塗工・圧着・接着・圧電・圧延・延伸・溶融等した固体電解質を、熱・圧力・溶媒等の使用により、活物質層内に導入すればよい。また、固体電解質又は固体電解質原料を、亜鉛負極合剤原料と共に混合する工程を用いて後述する亜鉛負極合剤を作製し、しかる後に、塗工・圧着・接着・圧電・圧延・延伸・溶融等により集電体上に固体電解質を含む活物質層を作製してもよい。これにより、固体電解質をその内に含む活物質層が作製される。
固体電解質がポリマーを含有する場合には、その原料となるモノマーを含む固体電解質原料を用意し、それを活物質層上に塗工・圧着・接着・圧電・圧延・延伸・溶融等したのち、あるいは、上記原料を亜鉛負極合剤原料と共に混合する工程を用いて後述する亜鉛負極合剤を作製し、しかる後に、塗工・圧着・接着・圧電・圧延・延伸・溶融等により集電体上に活物質層を作製したのち、重合工程を経ることにより、固体電解質を活物質層上及び/又は該層内に含有させることができる。重合方法としては、ラジカル(共)重合、アニオン(共)重合、カチオン(共)重合、グラフト(共)重合、リビング(共)重合、分散(共)重合、乳化(共)重合、懸濁(共)重合、開環(共)重合、環化(共)重合、光・紫外線・電子線照射による重合、メタセシス(共)重合、電解(共)重合等を使用することができる。
上記固体電解質と上記活物質層中の亜鉛種(亜鉛含有化合物)との質量割合は、10000/1〜1/10000であることが好ましい。より好ましくは、1000/1〜1/10000であり、更に好ましくは、500/1〜1/10000である。
上記亜鉛種を含む活物質層における亜鉛種とは、亜鉛含有化合物を言う。該亜鉛含有化合物は、負極活物質として用いることができるものである限り、特に制限されないが、例えば、酸化亜鉛(1種/2種/3種)、導電性酸化亜鉛、亜鉛金属、亜鉛末、亜鉛繊維、水酸化亜鉛や、硫化亜鉛・テトラヒドロキシ亜鉛アルカリ金属塩・テトラヒドロキシ亜鉛アルカリ土類金属塩・亜鉛ハロゲン化合物・亜鉛カルボキシラート化合物・亜鉛合金・亜鉛固溶体・ホウ酸亜鉛・リン酸亜鉛・リン酸水素亜鉛・ケイ酸亜鉛・アルミン酸亜鉛・炭酸化合物・炭酸水素化合物・硝酸化合物・硫酸化合物等に代表される周期表の第1族〜第17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する亜鉛(合金)化合物、有機亜鉛化合物、及び、亜鉛化合物塩等が挙げられる。これらの中でも、酸化亜鉛(1種/2種/3種)、導電性酸化亜鉛、亜鉛金属、亜鉛末、亜鉛繊維、水酸化亜鉛、テトラヒドロキシ亜鉛アルカリ金属塩、テトラヒドロキシ亜鉛アルカリ土類金属塩、亜鉛ハロゲン化合物、亜鉛カルボキシラート化合物、亜鉛合金、亜鉛固溶体、ホウ酸亜鉛、リン酸亜鉛、ケイ酸亜鉛、アルミン酸亜鉛、炭酸亜鉛がより好ましい。上記亜鉛金属、亜鉛合金は、それぞれ、(アルカリ)乾電池や空気電池に使用される亜鉛金属、(アルカリ)乾電池や空気電池に使用される亜鉛合金であってもよい。上記亜鉛含有化合物は、1種でも2種以上でも使用することができる。
上記亜鉛種を含む活物質層は、亜鉛含有化合物を含む亜鉛負極合剤を集電体に塗工・圧着・接着・圧電・圧延・延伸・溶融等して調製することができる。
上記亜鉛含有化合物の亜鉛負極合剤中の配合量としては、亜鉛負極合剤の全量100質量%に対して、50〜99.9質量%であることが好ましい。亜鉛含有化合物の配合量がこのような範囲であると、亜鉛負極合剤から形成される亜鉛負極を、電池の負極として用いた場合に、より良好な電池性能を発揮する。より好ましくは、55〜99.5質量%であり、更に好ましくは、60〜99質量%である。
上記亜鉛含有化合物の粒子の形状としては、微粉状、粉状、粒状、微粒状、鱗片状、繊維状、顆粒状、多面体状、ロッド状、直方状、円柱状、曲面含有状等が挙げられる。
上記亜鉛含有化合物の比表面積は、0.01m/g以上であることが好ましい。比表面積としてより好ましくは、0.1m/g以上であり、更に好ましくは、0.2m/g以上である。また、該比表面積は、200m/g以下であることが好ましい。
上記比表面積は、比表面積測定装置等により測定することができる。なお、比表面積が上述のような範囲の粒子は、例えば、粒子をナノ粒子化したり、粒子製造の際の調製条件を選択することにより粒子表面に凹凸をつけたりすることにより製造することが可能である。
上記亜鉛含有化合物は、下記平均粒子径及び/又はアスペクト比を満たす粒子を含むことが好ましい。また、亜鉛含有化合物が、下記平均粒子径及び/又はアスペクト比を満たすものであることがより好ましい。
上記亜鉛含有化合物の平均粒子径としては、好ましくは1nm〜500μm、より好ましくは5nm〜100μmであり、更に好ましくは10nm〜20μmであり、特に好ましくは、100nm〜10μmである。
上記亜鉛含有化合物は、酸化亜鉛の粒子をイオン交換水に加えて5分間超音波照射分散した後に粒度分布測定装置で測定した場合、平均粒子径は、100nm〜100μmであることが好ましい。より好ましくは、200nm〜50μmであり、更に好ましくは、300nm〜10μmである。また、モード径は、50nm〜20μmであることが好ましい。より好ましくは、70nm〜10μmであり、更に好ましくは、100nm〜5μmである。そして、メジアン径は、100nm〜10μmであることが好ましい。より好ましくは、150nm〜7μmであり、更に好ましくは、500nm〜5μmである。
上記亜鉛含有化合物のアスペクト比(縦/横)は、例えば、上記亜鉛含有化合物が直方状・円柱状・球状・曲面含有状・多面体状、鱗片状やロッド状等で測定可能な場合には、好ましくは1.1〜100000、より好ましくは1.2〜50000、更に好ましくは1.5〜10000である。上記平均粒子径及びアスペクト比を満たす粒子を含まない場合には、負極活物質の形状変化や不動態形成に伴うサイクル特性の低下や、充電状態時や充電状態での保存時における自己放電が起こりやすくなる等の可能性がある。
なお、上記平均粒子径は、亜鉛含有化合物の粒子をイオン交換水に加えて5分間超音波照射分散した後に粒度分布測定装置で測定することができる。上記アスペクト比(縦/横)は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した粒子の形状から、直方状の場合には、最も長い辺を縦、2番目に長い辺を横として、縦の長さを横の長さで除することにより求めることができる。円柱状・球状・曲面含有状・多面体状等の場合には、アスペクト比が最も大きくなるように、ある一つの部分を底面に置き、それをアスペクト比が最も大きくなるような方向から投影した時にできる二次元の形において、ある一点から最も離れた一点の長さを測定し、その最も長い辺を縦、縦の中心点を通る直線のうち最も長い辺を横として、縦の長さを横の長さで除することにより求めることができる。
上記亜鉛負極合剤は、亜鉛含有化合物とともに、導電助剤を含むものであることが好ましい。
上記導電助剤としては、例えば、導電性カーボン、導電性セラミックス、亜鉛・亜鉛末・亜鉛合金・(アルカリ)(蓄)電池や空気電池に使用される亜鉛(以下、纏めて金属亜鉛とも称する)、銅・真鍮・ニッケル・銀・ビスマス・インジウム・鉛・錫等の金属等を用いることができる。
上記導電性カーボンとしては、黒鉛、天然黒鉛、人造黒鉛、グラッシーカーボン、アモルファス炭素、易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素、カーボンナノフォーム、活性炭、グラフェン、ナノグラフェン、グラフェンナノリボン、フラーレン、カーボンブラック、黒鉛化カーボンブラック、ケッチェンブラック、気相法炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、メソカーボンマイクロビーズ、金属によりコートしたカーボン、カーボンコートした金属、ファイバー状カーボン、ホウ素含有カーボン、窒素含有カーボン、多層/単層カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、バルカン、アセチレンブラック、酸素含有官能基を導入することにより親水処理したカーボン、SiCコートカーボン、分散・乳化・懸濁・マイクロサスペンジョン重合等により表面処理したカーボン、マイクロカプセルカーボン等が挙げられる。
上記導電性セラミックスとしては、例えば、酸化亜鉛と共に焼成したBi、Co、Nb及びYから選ばれる少なくとも1種を含有する化合物等が挙げられる。
上記導電助剤の中でも、黒鉛、天然黒鉛、人造黒鉛、易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素、グラフェン、カーボンブラック、黒鉛化カーボンブラック、ケッチェンブラック、気相成長炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、メソカーボンマイクロビーズ、ファイバー状カーボン、多層/単層カーボンナノチューブ、バルカン、アセチレンブラック、酸素含有官能基を導入することにより親水処理したカーボン、金属亜鉛、銅・真鍮・ニッケル・銀・ビスマス・インジウム・鉛・錫等の金属が好ましい。なお、金属亜鉛はアルカリ(蓄)電池や空気電池のような実電池に使用されるものであってもよく、表面を他元素やカーボン等で処理されたものであってもよいし、合金化されていてもよい。固溶体であってもよい。上記導電助剤は、1種でも2種以上でも使用することができる。
また、金属亜鉛は活物質としても働くことが可能である。
金属亜鉛は、負極の調製段階で負極合剤として加えることになる。電池の使用の過程で、亜鉛含有化合物である酸化亜鉛や水酸化亜鉛等から生成する亜鉛金属は導電助剤としても機能することになる。この場合、亜鉛含有化合物は、電池の使用の過程では、負極活物質かつ導電助剤として実質的に機能することになる。
上記導電助剤は、これを用いて蓄電池を作製した際に水含有電解液を使用した場合には、電池の使用の過程で水の分解副反応を進行させる場合があり、該副反応を抑制するために、特定の元素を導電助剤に導入してもよい。特定の元素としては、Al、B、Ba、Bi、Br、C、Ca、Cd、Ce、Cl、Cu、Eu、F、Ga、Hg、In、La、Mg、Mn、N、Nb、Nd、Ni、P、Pb、Sb、Sc、Si、Sm、Sn、Sr、Ti、Tl、Y、Zr等が挙げられる。導電性カーボンを導電助剤の一つとして使用する場合には、特定の元素としては、Al、B、Ba、Bi、C、Ca、Cd、Ce、Cu、F、In、La、Mg、Mn、N、Nb、Nd、Ni、P、Pb、Sb、Sc、Si、Sn、Tl、Y、Zrが好ましい。
ここで、特定の元素を導電助剤に導入するとは、導電助剤をこれらの元素を構成元素とする化合物とすることを意味する。
上記導電助剤の配合量としては、亜鉛負極合剤中の亜鉛含有化合物100質量%に対して、0.0001〜100質量%であることが好ましい。導電助剤の配合量がこのような範囲であると、亜鉛負極合剤から形成される亜鉛負極を、電池の負極として用いた場合に、より良好な電池性能を発揮する。より好ましくは、0.0005〜60質量%であり、更に好ましくは、0.001〜40質量%である。
なお、金属亜鉛を負極合剤調製時に導電助剤として使用する場合には、金属亜鉛は亜鉛含有化合物ではなく、導電助剤として考えて計算する。また、亜鉛含有化合物である酸化亜鉛や水酸化亜鉛等から電池の使用の過程で生成する亜鉛金属は、系中で導電助剤としての機能も果たすことになるが、亜鉛負極合剤や亜鉛負極調製時には0価の亜鉛金属ではないため、ここでは導電助剤として考慮しないこととする。すなわち、上記導電助剤の好ましい配合量は、亜鉛負極合剤や亜鉛負極の調製時に配合する導電助剤の好ましい量である。
上記導電助剤の平均粒子径としては、好ましくは1nm〜500μm、より好ましくは5nm〜200μm、更に好ましくは10nm〜100μmであり、最も好ましくは、10nm〜60μmである。
上記導電助剤の比表面積としては、好ましくは、0.1m/g以上であり、より好ましくは、1m/g以上である。また、好ましくは、1500m/g以下であり、より好ましくは、1200m/g以下であり、更に好ましくは、900m/g以下であり、より更に好ましくは、250m/g以下であり、特に好ましくは、50m/g以下である。
導電助剤の比表面積を上記値とすることにより、電池の使用の過程で活物質である亜鉛含有化合物の形状変化や不動態の形成を抑制することができる等の効果がある。
なお、上記平均粒子径及び比表面積は、前述と同じ方法により測定することができる。
活物質層を調製するのに用いられる亜鉛負極合剤は、上記亜鉛含有化合物、導電助剤と共に、必要に応じて、周期表の第1族〜第17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する化合物、有機化合物、及び、有機化合物塩からなる群より選択される少なくとも1種を混合して調製することができる。周期表の第1族〜第17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する化合物としては種々のものを用いることができるが、例えばアンモニウム塩やチオ尿素等の窒素含有化合物も好ましいものの1つである。例えば、亜鉛含有化合物と、周期表の第1族〜第17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する化合物とを、必要に応じて導電助剤を添加し、乾式法や湿式法で混合して、亜鉛負極合剤を調製してもよい。亜鉛含有化合物と、周期表の第1族〜第17族に属する元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素を有する化合物とを、合金化してもよい。また、還元電位が亜鉛よりも貴である元素を、充放電工程により、上記亜鉛含有化合物に該元素を導入することも可能である。スプレー・レーザー等を使用してもよいし、メカノケミカル法・ゾル−ゲル法・共沈法等を使用することもできる。
上記亜鉛負極合剤は、更に、上述した活物質層上、及び/又は、該層内の固体電解質への添加剤や、電解液への添加剤を含んでいてもよい。これにより、上述した電解液中の添加剤が発揮する効果と同様の効果を発揮することができる。
本発明の亜鉛負極は、上記亜鉛負極合剤を用いて活物質層が形成されてなるものであることが好ましい。
上記亜鉛負極の活物質層の調製方法としては、例えば、次のような方法が挙げられる。
上述した調製方法により得られた亜鉛負極合剤に、上記同様のポリマーをバインダーや増粘剤等として使用することにより、亜鉛負極合剤含有スラリー又はペースト混合物を得る。次に、得られたスラリー又はペースト混合物を、集電体の上に、できる限り膜厚が一定になるように塗工、圧着、接着、圧電、圧延、延伸・溶融等する。なお、上述したように、本発明の亜鉛負極が活物質層上に固体電解質を含有する場合は、亜鉛負極合剤を集電体の上に塗工・圧着・接着・圧電・圧延・延伸・溶融等して活物質層を調製した後、該活物質層上に固体電解質を形成することができる。また、上述したように、本発明の亜鉛負極が活物質層内に固体電解質を含有する場合は、活物質層上に塗工・圧着・接着・圧電・圧延・延伸・溶融等した固体電解質を、熱・圧力・溶媒等の使用により、活物質層内に導入すればよい。また、固体電解質又は固体電解質原料を、亜鉛負極合剤原料と共に混合する工程を用いて亜鉛負極合剤を作製し、しかる後に、塗工・圧着・接着・圧電・圧延・延伸・溶融等により集電体に固体電解質を含む活物質層を作製してもよい。これにより、固体電解質をその内に含む活物質層が作製される。
上記集電体としては、(電解)銅箔、銅メッシュ(エキスパンドメタル)、発泡銅、パンチング銅、真鍮等の銅合金、真鍮箔、真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)、発泡真鍮、パンチング真鍮、ニッケル箔、耐食性ニッケル、ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)、パンチングニッケル、金属亜鉛、耐食性金属亜鉛、亜鉛箔、亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)、(パンチング)鋼板、導電性を付与した不織布;Ni・Zn・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・真鍮等を添加した(電解)銅箔・銅メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡銅・パンチング銅・真鍮等の銅合金・真鍮箔・真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡真鍮・パンチング真鍮・ニッケル箔・耐食性ニッケル・ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)・パンチングニッケル・金属亜鉛・耐食性金属亜鉛・亜鉛箔・亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)・(パンチング)鋼板・不織布;Ni・Zn・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・真鍮等によりメッキされた(電解)銅箔・銅メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡銅・パンチング銅・真鍮等の銅合金・真鍮箔・真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡真鍮・パンチング真鍮・ニッケル箔・耐食性ニッケル・ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)・パンチングニッケル・金属亜鉛・耐食性金属亜鉛・亜鉛箔・亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)・(パンチング)鋼板・不織布;銀;アルカリ(蓄)電池や空気亜鉛電池に集電体や容器として使用される材料等が挙げられる。
上記スラリー又はペースト混合物は、集電体の片面に塗工、圧着、接着、圧電、圧延、延伸・溶融等してもよいし、両面・全面に塗工、圧着、接着、圧電、圧延、延伸・溶融等してもよい。塗工・圧着・接着・圧電・圧延・延伸・溶融中、及び/又は、塗工・圧着・接着・圧電・圧延・延伸・溶融後、0〜400℃で乾燥する。乾燥温度としてより好ましくは、15〜380℃である。乾燥は真空乾燥や減圧乾燥で行ってもよい。乾燥時間は、5分間〜48時間であることが好ましい。塗工と乾燥の工程を繰り返し行ってもよい。また、上記スラリー又はペースト混合物の乾燥前後にロールプレス機等により常圧〜20tの圧力で、ロールプレス機等によりプレスを行うことが好ましい。プレスする圧力としてより好ましくは、常圧〜15tの圧力である。プレス時に、10〜500℃の温度をかけてもよい。また、プレス工程は1回であってもよいし、複数回であってもよい。プレスを行う際に、活物質同士、活物質と結着剤、活物質と集電体等の密着性を向上させ、また、活物質量や活物質層の厚み、強度、可とう性等を調節することも可能である。
このようにして得られた亜鉛負極(亜鉛合剤電極)は、特に二次電池用負極として使用した場合に、亜鉛負極内における水の分解を抑制することになり、電極活物質のシェイプチェンジやデンドライトといった形態変化、不動態形成による劣化や、電池の負極としての使用の過程での水素の発生を最大限に抑制することができる。
亜鉛負極の膜厚は、電池構成や集電体からの活物質の剥離抑制等の点から1nm〜10000μmであることが好ましい。より好ましくは、10nm〜1500μmであり、更に好ましくは、20nm〜1000μmであり、特に好ましくは、100nm〜800μmである。
本発明の亜鉛電極を用いた電池は、電解液として特に水含有電解液を用いることができるために、安全性の高い電池を得ることができる。
上記本発明の電池は、上記亜鉛負極以外に、正極、亜鉛負極と正極との間に挟持される電解質等を含むことができる。このように、本発明の亜鉛負極、正極、及び、電解質を用いて構成される電池も、本発明の1つである。
また、電解液としては、後述のように水含有電解液が好ましい。そこで、本発明の亜鉛負極、正極、セパレーター、及び、亜鉛負極と正極との間に挟持される水含有電解液を有してなる電池も、本発明の1つである。本発明の電池は、これらの各成分をそれぞれ1種含むものであってもよいし、2種以上を含んでいてもよい。
本発明の電池における亜鉛負極の好ましい構成は、上述した本発明の亜鉛負極の好ましい構成と同様である。
上記正極としては、一次電池や二次電池の正極活物質として通常用いられるものを用いて形成することができ、特に制限されないが、例えば、酸素(酸素が正極活物質となる場合、正極は、酸素の還元や水の酸化が可能なペロブスカイト型化合物、コバルト含有化合物、鉄含有化合物、銅含有化合物、マンガン含有化合物、バナジウム含有化合物、ニッケル含有化合物、イリジウム含有化合物、白金含有化合物;パラジウム含有化合物;金含有化合物;銀化合物;炭素含有化合物等より構成される空気極となる);オキシ水酸化ニッケル、水酸化ニッケル、コバルト含有水酸化ニッケル等のニッケル含有化合物;二酸化マンガン等のマンガン含有化合物;酸化銀;コバルト酸リチウム等のリチウム含有化合物;鉄含有化合物等が挙げられる。
上記亜鉛負極と正極との間に挟持される電解液としては、電池の電解液として通常用いられるものであれば特に制限されず、例えば、水含有電解液、有機溶剤系電解液等が挙げられ、水含有電解液が好ましい。水含有電解液とは、水のみを電解液原料として使用する電解液(水系電解液)や、水に有機溶剤を加えた液を電解液原料として使用する電解液を指す。
上記水系電解液の好ましいものは、上述した活物質層上、及び/又は、該層内の固体電解質に用いた水系電解液の好ましいものと同様である。すなわち、上記電解液を固体電解質の原料として使用してもよいし、固体電解質を活物質層内に含有する場合には、正極/負極間は電解液のみを使用してもよい。
上記電解液の濃度の好ましい範囲は、上述した活物質層上、及び/又は、該層内の固体電解質の電解液の濃度の好ましい範囲と同様である。
なお、電解液は循環させてもよいし、させなくてもよい。
上記電解液は、添加剤を含んでいてもよい。水系電解液を用いた場合には、熱力学的に通常起こり得る、水の分解反応が進行して水素が発生する電池の使用の過程での副反応や、亜鉛極活物質の形態変化、不動態形成を抑制することができる。これは、添加剤が酸化亜鉛上の表面と好適に相互作用し、副反応、亜鉛極活物質の形態変化、不動態形成を抑制するものと考えられる。
添加剤の好ましいものは、上述した活物質層上、及び/又は、該層内の固体電解質の電解液への添加剤の好ましいものと同様である。
上記亜鉛負極と正極との間に挟持される電解質は、固体電解質(ゲル電解質)であってもよい。該固体電解質の好ましいものは、上述した活物質層上、及び/又は、該層内における固体電解質の好ましいものと同様である。
本発明の電池は、更に、セパレーターを使用することもできる。セパレーターとは、正極と負極を隔離し、電解液を保持して正極と負極との間のイオン伝導性を確保する部材である。電解質として固体電解質(ゲル電解質)を使用する場合には、これ自身がセパレーターの役割を兼ねるが、固体電解質以外のセパレーターを使用してもよい。
上記セパレーターは、国際公開第2013/027767号に記載に代表される一般的なセパレーターを用いることができる。また、上記セパレーターは、上述した第1の本発明に係るアニオン伝導性材料と同様の材料を含んで構成されるものであってもよい。アニオン伝導性材料そのものがセパレーターとしての役割を果たすこともできる。なお、後述するように電解質として固体電解質(ゲル電解質)を使用する場合にも、これ自身がセパレーターの役割を兼ねることができるが、固体電解質以外のセパレーターを使用してもよい。アニオン伝導性材料や固体電解質(ゲル電解質)を、上記セパレーターや、ガラスフィルター、カーボンペーパー、メンブレンフィルター、撥水材料等の(多孔質)化合物(以下、構造体とも称する)等に塗工、圧着、接着、圧電、圧延、延伸、溶融等することにより、一体化させてもよい。この場合、アニオン伝導性材料や固体電解質にポリマーが含まれていることにより、得られる材料の強度や可とう性が増すと共に、上記構造体からの、アニオン伝導性材料や固体電解質の滑落が大きく低減されることになる。上記構造体は、材料の強度や可とう性を増すと共に、正負極を湿潤させる働き、液枯れを回避する働き等を増すこともできる。なお、上記構造体は、シート状(膜状)のものが好ましい。
空気電池や燃料電池等に使用する際には、アニオン伝導性材料、固体電解質、アニオン伝導性材料や固体電解質を一体化させた構造体は、触媒層やガス拡散層を備えていてもよい。
上記セパレーターは、1種でも2種以上でも使用することができ、抵抗が上昇し電池性能が低下しなければ、任意の枚数を使用することができる。セパレーターは、細孔、微細孔やガス拡散層を有していてもよい。水含有電解液を使用する場合、界面活性剤導入等により、セパレーターの親水処理を施すことが好ましい。水含有電解液と、固体電解質とを併用してもよい。
セパレーターとしては、セパレーター内に、上記特定の多価カチオン及び/又は無機化合物や、窒素含有有機化合物、界面活性剤、電解液等を含んでいてもよい。
本発明の亜鉛電極を負極として用いた電池の形態としては、一次電池;充放電が可能な二次電池(蓄電池);メカニカルチャージ(亜鉛負極の機械的な交換)の利用;本発明の亜鉛負極と後述のような正極活物質より構成される正極とは別の第3極(例えば、充放電中に発生する酸素や水素を除去する極)の利用等、いずれの形態であってもよい。好ましくは二次電池(蓄電池)である。
上述のように、上記亜鉛負極合剤より調製した亜鉛負極を有する電池も、本発明の一つである。また、正極としては、ニッケル極、マンガン極、又は、空気極であることがより好ましい。ここでは、ニッケル極を例に取り、ニッケル・亜鉛蓄電池の構成を以下に説明する。
上記ニッケル・亜鉛蓄電池は、上記亜鉛負極、ニッケル正極、正極と負極を隔てるセパレーター、電解質や電解液、それらを含むアッセンブリ、及び、保持容器から成る。
ニッケル極としては、特に制限はなく、ニッケル・水素電池、ニッケル・金属水素化物電池(ニッケル水素吸蔵合金電池)、ニッケル・カドミウム電池等に使用されるニッケル極を使用することも可能である。アッセンブリや保持容器の内壁は、腐食や電池の使用の過程での反応等により劣化しない物質を使用する。アルカリ電池や空気亜鉛電池に使用される容器を使用することも可能である。蓄電池は、単一型、単二型、単三型、単四型、単五型、単六型、R123A型、R−1/3N型等の円筒型;9V型、006P型等の角型;ボタン型;コイン型;ラミネート型;積層型;短冊状に成形した正負極板をプリーツ加工したセパレーターに交互に挟み込んだ型等でもよく、また、密閉型や開放型でもよいし、ベント型でもよい。電池の使用の過程で発生する気体をリザーブする部位を有していてもよい。
本発明の電池の製造工程は、湿式工程でもよいし、乾式工程でもよい。湿式工程は、例えば、正極集電体と負極集電体を、それぞれ、正極材料のペーストあるいはスラリー、負極材料のペーストあるいはスラリーで被覆し、被覆した電極シートを乾燥・圧縮し、カッティングとクリーニングの後、カッティングした電極とセパレーターを層状に重ね、電池アッセンブリを形成する。乾式工程は、例えば、スラリーやペーストの代わりに、電極成分の粉末や顆粒状乾燥混合物を用いる工程で、(1)負極材料を集電体に塗布、(2)乾燥状態で正極材料を集電体に塗布、(3)(1)と(2)のシートの間にセパレーターを配置して層状構造を作り、電池アッセンブリを形成、(4)(3)の電池アッセンブリを巻きつけ、あるいは、折りたたむ等して三次元構造を形成、等の工程を経るものである。電極は、セパレーター、アニオン伝導性材料、(ゲル)固体電解質等で包んだり、それらでコートしたりしてもよい。正極や負極は電池を構成する容器を兼ねていてもよい。端子を取り付ける工程としては、スポット溶接、超音波溶接、レーザー溶接、はんだ付け、端子と集電体の材料に適したその他任意の導電接合法が選ばれる。電池の製造工程や保存時においては、該電池は充電状態であってもよいし、放電状態であってもよい。
本発明の電池が蓄電池である場合、蓄電池の充放電レートとしては、0.01C以上、100C以下であることが好ましい。より好ましくは、0.01C以上、80C以下であり、更に好ましくは、0.01C以上、60C以下であり、特に好ましくは、0.01C以上、30C以下である。蓄電池は地球上の寒冷地及び熱帯地の両方で使用できることが好ましく、−50℃〜100℃の温度で使用できることが好ましい。
本発明の亜鉛負極は、上述の構成よりなり、これを用いて電池を形成すると、亜鉛負極を用いた従来の電池に比べて、固体電解質を活物質層上、及び/又は、該層内に導入して活物質の形状・形態変化を充分に抑制するとともに、固体電解質の膨張・収縮を抑制することができ、電子伝導パスを保持し、電極活物質層に亀裂が入る等の不具合が生じないものとすることができ、イオン伝導性も充分に優れたものとすることができ、電池性能を充分に向上することができる。
図1は、実施例1に係る固体電解質について充放電試験をおこなった結果を示すグラフである。 図2は、実施例5において、200サイクル充放電試験前の亜鉛合剤電極を撮影した顕微鏡写真である。 図3は、実施例5において、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極を撮影した顕微鏡写真である。 図4は、実施例7において、200サイクル充放電試験前の亜鉛合剤電極を撮影した顕微鏡写真である。 図5は、実施例7において、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極を撮影した顕微鏡である。 図6は、実施例9において、200サイクル充放電試験前の亜鉛合剤電極を撮影した顕微鏡写真である。 図7は、実施例9において、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極を撮影した顕微鏡である。 図8は、実施例11において、200サイクル充放電試験前の亜鉛合剤電極を撮影した顕微鏡写真である。 図9は、実施例11において、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極を撮影した顕微鏡写真である。 図10は、実施例15において、200サイクル充放電試験前の亜鉛合剤電極を撮影した顕微鏡写真である。 図11は、実施例15において、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極を撮影した顕微鏡写真である。 図12は、実施例21において、200サイクル充放電試験前の亜鉛合剤電極を撮影した顕微鏡写真である。 図13は、実施例21において、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極を撮影した顕微鏡写真である。 図14は、実施例22において、200サイクル充放電試験前の亜鉛合剤電極を撮影した顕微鏡写真である。 図15は、実施例22において、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極を撮影した顕微鏡写真である。 図16は、実施例24において、200サイクル充放電試験前の亜鉛合剤電極を撮影した顕微鏡写真である。 図17は、実施例24において、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極を撮影した顕微鏡写真である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例中、無機化合物の平均粒子径は、粒度分布測定装置を用いて測定した。
図1は、実施例1に係る固体電解質について充放電試験をおこなった結果を示すグラフである。図1中、「1st−charge」、「100th−charge」は、それぞれ、1回目、100回目の充電曲線を表す。また、「3rd−discharge」、「10th−discharge」、「20th−discharge」、「40th−discharge」、「80th−discharge」、「100th−discharge」は、それぞれ、3回目、10回目、20回目、40回目、80回目、100回目の放電曲線を表す。
(実施例1)
酸化亜鉛(27.6g)、アセチレンブラック(0.90g)、酸化セリウム(IV)(2.4g)、エタノール(99.5%)(92.7g)、水(92.7g)をボールミル中に添加し、ボールミル混合を行った。その後、エバポレーターにて減圧下100℃で2時間乾燥し、更に、静置式の減圧乾燥機にて減圧下110℃で1晩乾燥した。乾燥後の固体は、粉砕機(WARING社製X−TREME MX1200XTM)を用いて、回転数18000rpmで60秒間粉砕した。得られた固体(1.1g)、12%ポリフッ化ビニリデン/N−メチルピロリドン溶液(2.0g)、N−メチルピロリドン(0.90g)をガラスバイアルに加え、スターラーバーを用いて、スターラーで一夜間撹拌した。得られたスラリーを銅箔に自動塗工装置を用いて塗工し、80℃で12時間乾燥した。亜鉛合剤を塗工した銅箔を3tのプレス圧でプレスした後、これを打ち抜き機(直径:15.95mm)で打ち抜くことにより亜鉛合剤電極とし、見かけ面積0.50cmのワーキング電極となるようにして使用した。
次に、酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(10g)にアクリル酸(1.1g)をゆっくり加え、続いてハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)](CO 2−0.1・mHO(0.5g)を加えて撹拌した。ここに4%過硫酸アンモニウム水溶液(0.4g)を加え、上記亜鉛合剤電極に塗布して窒素下で重合させることにより、電極活物質上、及び、該層内にハイドロタルサイト含有アクリル酸塩固体電解質(1)が形成したことを走査型電子顕微鏡(SEM)やレーザー顕微鏡により確認した。
続いて、酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(8.2g)にポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量150万)(1.0g)及びハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)](CO 2−0.1・mHO(1.5g)を加えて撹拌することにより、ハイドロタルサイト含有アクリル酸塩固体電解質(2)を調製した。
カウンター電極としてニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の3倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト含有アクリル酸塩固体電解質(2)(厚さ:1mm)を使用し、コインセルを用いて0.89mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間/1.9V及び1.2Vカットオフ)。その結果を図1に示した。図1より、本発明に係る固体電解質を用いる実施例1は、安定的、かつ、高容量を発現する充放電が可能であることが分かる。また、100サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMやレーザー顕微鏡により観察したところ、電極には亀裂・活物質形態変化等の劣化は全く見られなかった。ハイドロタルサイト含有アクリル酸塩固体電解質(2)にも変化が無いことを目視により確認した。
(実施例2)
実施例1と同様に亜鉛合剤電極を作製し、見かけ面積0.50cmのワーキング電極となるようにして使用した。次に、実施例1と同様にハイドロタルサイト含有アクリル酸塩固体電解質(2)を調製し、これを上記亜鉛合剤電極に塗布して24時間放置した。この操作により、電極活物質上、及び、該層内の一部にハイドロタルサイト含有アクリル酸塩固体電解質(2)が形成したことをSEMやレーザー顕微鏡により確認した。
カウンター電極としてニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の3倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したハイドロタルサイト含有アクリル酸塩固体電解質(2)(厚さ:1mm)を使用し、コインセルを用いて1.0mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間)。100サイクル目の放電容量は、504mAh/gであった。また、100サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMやレーザー顕微鏡により観察したところ、電極には亀裂・活物質形態変化等の劣化は全く見られなかった。ハイドロタルサイト含有アクリル酸塩固体電解質(2)にも変化が無いことを目視により確認した。
(実施例3)
酸化亜鉛(0.86g)、亜鉛(0.26g)、ハイドロタルサイト[Mg0.67Al0.33(OH)](CO 2−0.165・mHO(0.1g)に、60%ポリテトラフルオロエチレン水溶液(0.2g)、2%ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量150万)水溶液(0.1g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌した。得られた固体をローリングミルで加圧した後、ロールプレス機で銅メッシュ集電体に圧着(活物質層厚み:片面約300μm)して亜鉛合剤電極とし、見かけ面積1cmのワーキング電極となるようにして使用した。
電解液として酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた4mol/L水酸化カリウム水溶液、セパレーターとして不織布、カウンター電極としてニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の1.8倍に設定)を使用し、三極セルを用いて10mA/cmの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間)。少なくとも50サイクルの充放電が可能であり、また、50サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMやレーザー顕微鏡により観察したところ、電極には亀裂・活物質形態変化等の劣化は全く見られなかった。この時、集電体の銅が亜鉛によりメッキされていることも確認できた。
(実施例4)
2%ポリアクリル酸ナトリウム水溶液(0.1g)を2%カルボキシメチルセルロース水溶液に代えた以外は、実施例3と同様にして亜鉛合剤電極を作製し、見かけ面積1cmのワーキング電極となるようにして使用した。
電解液として酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた4mol/L水酸化カリウム水溶液、セパレーターとして不織布、カウンター電極としてニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の1.8倍に設定)を使用し、三極セルを用いて10mA/cmの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間)。少なくとも50サイクルの充放電が可能であり、また、50サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMやレーザー顕微鏡により観察したところ、電極には亀裂・活物質形態変化等の劣化は全く見られなかった。この時、集電体の銅が亜鉛によりメッキされていることも確認できた。
(比較例1)
酸化セリウムを加えなかった以外は実施例1と同様に亜鉛合剤電極を作製し、見かけ面積0.50cmのワーキング電極となるようにして使用した。次に、酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(8.2g)にポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量150万)(1.0g)を加えて撹拌することにより、アクリル酸塩固体電解質(3)を調製し、これを上記亜鉛合剤電極に塗布して24時間放置した。この操作により、電極活物質上、及び、該層内の一部にアクリル酸塩固体電解質(3)が形成したことをSEMやレーザー顕微鏡により確認した。
カウンター電極としてニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の3倍以上に設定)、ゲル電解質として上記調製したアクリル酸塩固体電解質(3)(厚さ:1mm)を使用し、コインセルを用いて0.90mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間)。しかしながら、48サイクル目で充放電が不可能となった。48サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMやレーザー顕微鏡により観察したところ、電極活物質の形態変化が見られ、活物質等粒子同士の接触も悪化していた。また、負極から正極に向かってアクリル酸塩固体電解質(3)の中を亜鉛種のデンドライトが成長していることを目視で確認し、コインセルの充放電が不可能になった原因が短絡であることも分かった。
(比較例2)
酸化セリウムを加えなかった以外は実施例1と同様に亜鉛合剤電極を作製し、見かけ面積2cmのワーキング電極となるようにして使用した。カウンター電極としてニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の3倍以上に設定)、電解液には、酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム+20g/L水酸化リチウム水溶液(8.2g)を使用し、亜鉛極とニッケル極の間に不織布(2枚)と親水性微多孔膜(1枚)をセパレーターとして挟み、コインセルを用いて3.2mAの電流値で充放電試験を行った(充放電時間:各1時間)。しかしながら、ニッケル極からの酸素、及び/又は、亜鉛極からの水素の発生に伴い、コインセルに膨らみが観測され、これにより放電容量が徐々に減少し、19サイクル目で充放電が不可能となった。
(実施例5)
ハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)](CO 2−0.1・mHO(2.0g)にポリテトラフルオロエチレン(3g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌した。得られた固体をローリングミルで加圧した後、ロールプレス機で圧延して固体電解質を作製した。
次に、酸化亜鉛(0.61g)、酸化ビスマス(0.019g)に、60%ポリテトラフルオロエチレン水溶液(0.033g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌した。得られた固体をローリングミルで加圧した後、これをロールプレス機で銅メッシュ集電体に圧着し、続いて上記固体電解質をロールプレス機で圧着して、活物質上に固体電解質を有する亜鉛合剤電極を見かけ面積1cmのワーキング電極となるようにして使用した。
電解液として酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム水溶液、
セパレーターとして不織布、カウンター電極としてニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の0.7倍に設定)、参照極として正極(カウンター電極)と同じ電極を50%充電した電極を使用し、三極セルを用いて25mA/cmの電流値で充放電試験(充放電時間:各1時間)を行い、少なくとも200サイクル以上のサイクル寿命を観測した(200回目充放電のクーロン効率:88.6%)。また、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察したところ、デンドライトや大きな活物質形態変化等の劣化は見られなかった。また、集電体を銅メッシュから、ニッケルメッキ鋼板、錫メッキ鋼板、亜鉛メッキ鋼板に変更した場合にも同様の結果が得られた。
参考として、実施例5において、200サイクル充放電試験前後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察した結果を図2、図3に示す。
(実施例6)
実施例5と同様にして固体電解質を作製した。
次に、酸化亜鉛(0.61g)、酸化ビスマスナノ粒子(0.019g:平均粒子径87nm)に、60%ポリテトラフルオロエチレン水溶液(0.033g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌し、実施例5と同様にしてワーキング電極を作製した。
実施例5と同様に充放電試験(充放電時間:各1時間)を行い、少なくとも200サイクル以上のサイクル寿命を観測した(200回目充放電のクーロン効率:94.5%)。また、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察したところ、デンドライトや大きな活物質形態変化等の劣化は見られなかった。
(実施例7)
実施例5と同様にして固体電解質を作製した。
次に、酸化亜鉛(0.61g)、酸化錫(0.019g)に、60%ポリテトラフルオロエチレン水溶液(0.033g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌し、実施例5と同様にしてワーキング電極を作製した。
実施例5と同様に充放電試験(充放電時間:各1時間)を行い、少なくとも200サイクル以上のサイクル寿命を観測した(200回目充放電のクーロン効率:90.8%)。また、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察したところ、デンドライトや大きな活物質形態変化等の劣化は見られなかった。
参考として、実施例7において、200サイクル充放電試験前後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察した結果を図4、図5に示す。
(実施例8)
ハイドロタルサイト[Mg0.8Al0.2(OH)](CO 2−0.1・mHO(2.0g)に、2%ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量150万)(0.1g)、ポリテトラフルオロエチレン(3g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌した。得られた固体をローリングミルで加圧した後、ロールプレス機で圧延して固体電解質を作製した。
次に、酸化亜鉛(0.61g)、酸化ビスマス(0.019g)に、60%ポリテトラフルオロエチレン水溶液(0.033g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌し、実施例5と同様にしてワーキング電極を作製した。
実施例5と同様に充放電試験(充放電時間:各1時間)を行い、少なくとも200サイクル以上のサイクル寿命を観測した(200回目充放電のクーロン効率:92.8%)。また、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察したところ、デンドライトや大きな活物質形態変化等の劣化は見られなかった。
(実施例9)
実施例5と同様にして固体電解質を作製した。
次に、酸化亜鉛(0.61g)、酸化インジウム(0.019g)に、60%ポリテトラフルオロエチレン水溶液(0.033g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌し、実施例5と同様にしてワーキング電極を作製した。
実施例5と同様に充放電試験(充放電時間:各1時間)を行い、少なくとも200サイクル以上のサイクル寿命を観測した(200回目充放電のクーロン効率:90.3%)。また、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察したところ、デンドライトや大きな活物質形態変化等の劣化は見られなかった。
参考として、実施例9において、200サイクル充放電試験前後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察した結果を図6、図7に示す。
(実施例10)
実施例5と同様にして固体電解質を作製した。
次に、酸化亜鉛(0.61g)、酸化カルシウム(0.019g)に、60%ポリテトラフルオロエチレン水溶液(0.033g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌し、実施例5と同様にしてワーキング電極を作製した。
実施例5と同様に充放電試験(充放電時間:各1時間)を行い、少なくとも200サイクル以上のサイクル寿命を観測した(200回目充放電のクーロン効率:89.8%)。また、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察したところ、デンドライトや大きな活物質形態変化等の劣化は見られなかった。
(実施例11)
実施例5と同様にして固体電解質を作製した。
次に、酸化亜鉛(0.61g)、酸化イットリウム(0.019g)に、60%ポリテトラフルオロエチレン水溶液(0.033g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌し、実施例5と同様にしてワーキング電極を作製した。
実施例5と同様に充放電試験(充放電時間:各1時間)を行い、少なくとも200サイクル以上のサイクル寿命を観測した(200回目充放電のクーロン効率:91.0%)。また、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察したところ、デンドライトや大きな活物質形態変化等の劣化は見られなかった。
参考として、実施例11において、200サイクル充放電試験前後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察した結果を図8、図9に示す。
(実施例12)
実施例5と同様にして固体電解質を作製した。
次に、酸化亜鉛(0.61g)、酸化ランタン(0.019g)に、60%ポリテトラフルオロエチレン水溶液(0.033g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌し、実施例5と同様にしてワーキング電極を作製した。
実施例5と同様に充放電試験(充放電時間:各1時間)を行い、少なくとも200サイクル以上のサイクル寿命を観測した(200回目充放電のクーロン効率:92.2%)。また、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察したところ、デンドライトや大きな活物質形態変化等の劣化は見られなかった。
(実施例13)
実施例5と同様にして固体電解質を作製した。
次に、酸化亜鉛(0.61g)、酸化セリウム(0.019g)に、60%ポリテトラフルオロエチレン水溶液(0.033g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌し、実施例5と同様にしてワーキング電極を作製した。
実施例5と同様に充放電試験(充放電時間:各1時間)を行い、少なくとも200サイクル以上のサイクル寿命を観測した(200回目充放電のクーロン効率:91.7%)。また、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察したところ、デンドライトや大きな活物質形態変化等の劣化は見られなかった。
(実施例14)
実施例5と同様にして固体電解質を作製した。
次に、酸化亜鉛(0.61g)、酸化チタン(0.019g)に、60%ポリテトラフルオロエチレン水溶液(0.033g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌した。得られた固体をローリングミルで加圧した後、これをロールプレス機で銅メッシュ集電体に圧着(活物質層厚み:片面約300μm)し、続いて上記固体電解質をロールプレス機で圧着し、実施例5と同様にしてワーキング電極を作製した。
実施例5と同様に充放電試験(充放電時間:各1時間)を行い、少なくとも200サイクル以上のサイクル寿命を観測した(200回目充放電のクーロン効率:89.1%)。また、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察したところ、デンドライトや大きな活物質形態変化等の劣化は見られなかった。
(実施例15)
実施例5と同様にして固体電解質を作製した。
次に、酸化亜鉛(0.61g)、酸化ジルコニウム(0.019g)に、60%ポリテトラフルオロエチレン水溶液(0.033g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌し、実施例5と同様にしてワーキング電極を作製した。
実施例5と同様に充放電試験(充放電時間:各1時間)を行い、少なくとも200サイクル以上のサイクル寿命を観測した(200回目充放電のクーロン効率:86.2%)。また、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察したところ、デンドライトや大きな活物質形態変化等の劣化は見られなかった。
参考として、実施例15において、200サイクル充放電試験前後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察した結果を図10、図11に示す。
(実施例16)
実施例5と同様にして固体電解質を作製した。
次に、酸化亜鉛(0.61g)、酸化ニオブ(0.019g)に、60%ポリテトラフルオロエチレン水溶液(0.033g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌し、実施例5と同様にしてワーキング電極を作製した。
実施例5と同様に充放電試験(充放電時間:各1時間)を行い、少なくとも200サイクル以上のサイクル寿命を観測した(200回目充放電のクーロン効率:94.5%)。また、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察したところ、デンドライトや大きな活物質形態変化等の劣化は見られなかった。
(実施例17)
実施例5と同様にして固体電解質を作製した。
次に、酸化亜鉛(0.61g)、ホウ酸(0.019g)に、60%ポリテトラフルオロエチレン水溶液(0.033g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌し、実施例5と同様にしてワーキング電極を作製した。
実施例5と同様に充放電試験(充放電時間:各1時間)を行い、少なくとも200サイクル以上のサイクル寿命を観測した(200回目充放電のクーロン効率:88.3%)。また、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察したところ、デンドライトや大きな活物質形態変化等の劣化は見られなかった。
(実施例18)
実施例5と同様にして固体電解質を作製した。
次に、酸化亜鉛(0.61g)、酸化アルミニウム(0.019g)に、60%ポリテトラフルオロエチレン水溶液(0.033g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌し、実施例5と同様にしてワーキング電極を作製した。
実施例5と同様に充放電試験(充放電時間:各1時間)を行い、少なくとも200サイクル以上のサイクル寿命を観測した(200回目充放電のクーロン効率:92.9%)。また、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察したところ、デンドライトや大きな活物質形態変化等の劣化は見られなかった。
(実施例19)
実施例5と同様にして固体電解質を作製した。
次に、酸化亜鉛(0.61g)、酸化ガリウム(0.019g)に、60%ポリテトラフルオロエチレン水溶液(0.033g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌し、実施例5と同様にしてワーキング電極を作製した。
実施例5と同様に充放電試験(充放電時間:各1時間)を行い、少なくとも200サイクル以上のサイクル寿命を観測した(200回目充放電のクーロン効率:92.8%)。また、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察したところ、デンドライトや大きな活物質形態変化等の劣化は見られなかった。
(実施例20)
実施例5と同様にして固体電解質を作製した。
次に、酸化亜鉛(0.61g)、ヒドロキシアパタイト(0.019g)に、60%ポリテトラフルオロエチレン水溶液(0.033g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌し、実施例5と同様にしてワーキング電極を作製した。
実施例5と同様に充放電試験(充放電時間:各1時間)を行い、少なくとも200サイクル以上のサイクル寿命を観測した(200回目充放電のクーロン効率:89.2%)。また、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察したところ、デンドライトや大きな活物質形態変化等の劣化は見られなかった。
(実施例21)
実施例5と同様にして固体電解質を作製した。
次に、酸化亜鉛(0.61g)、ドデシル硫酸ナトリウム(0.0063g)に、60%ポリテトラフルオロエチレン水溶液(0.033g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌し、実施例5と同様にしてワーキング電極を作製した。
実施例5と同様に充放電試験(充放電時間:各1時間)を行い、少なくとも200サイクル以上のサイクル寿命を観測した(200回目充放電のクーロン効率:75.6%)。また、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察したところ、デンドライトや大きな活物質形態変化等の劣化は見られなかった。
参考として、実施例21において、200サイクル充放電試験前後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察した結果を図12、図13に示す。
(実施例22)
実施例5と同様にして固体電解質を作製した。
次に、酸化亜鉛(0.61g)、臭化テトラブチルアンモニウム(0.0063g)に、60%ポリテトラフルオロエチレン水溶液(0.033g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌し、実施例5と同様にしてワーキング電極を作製した。
実施例5と同様に充放電試験(充放電時間:各1時間)を行い、少なくとも200サイクル以上のサイクル寿命を観測した(200回目充放電のクーロン効率:86.4%)。また、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察したところ、大きな活物質形態変化等の劣化は見られなかった。
参考として、実施例22において、200サイクル充放電試験前後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察した結果を図14、図15に示す。
(実施例23)
実施例5と同様にして固体電解質を作製した。
次に、酸化亜鉛(0.61g)、チオ尿素(0.019g)に、60%ポリテトラフルオロエチレン水溶液(0.033g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌し、実施例5と同様にしてワーキング電極を作製した。
実施例5と同様に充放電試験(充放電時間:各1時間)を行い、少なくとも200サイクル以上のサイクル寿命を観測した(200回目充放電のクーロン効率:87.0%)。また、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察したところ、デンドライトや大きな活物質形態変化等の劣化は見られなかった。
(実施例24)
実施例5と同様にして固体電解質を作製した。
次に、酸化亜鉛(0.61g)、酸化ビスマスナノ粒子(0.0095g:平均粒子径87nm)及び酸化セリウムナノ粒子(0.0095g:平均粒子径15nm)に、60%ポリテトラフルオロエチレン水溶液(0.033g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌し、実施例5と同様にしてワーキング電極を作製した。
実施例5と同様に充放電試験(充放電時間:各1時間)を行い、少なくとも200サイクル以上のサイクル寿命を観測した(200回目充放電のクーロン効率:86.5%)。また、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察したところ、デンドライトや大きな活物質形態変化等の劣化は見られなかった。
参考として、実施例24において、200サイクル充放電試験前後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察した結果を図16、図17に示す。
(実施例25)
実施例5と同様にして固体電解質を作製した。
次に、酸化亜鉛(28.5g)、酸化ビスマス(1.5g)、27%ポリオレフィン水溶液(1g)に、60%ポリテトラフルオロエチレン水溶液(2.0g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌した。得られた固体をローリングミルで加圧した後、これをロールプレス機で銅メッシュ集電体に圧着(理論容量:80mAh/cm)し、続いて上記固体電解質をロールプレス機で圧着して、活物質上に固体電解質を有する亜鉛合剤電極を見かけ面積1.95cmのワーキング電極となるようにして使用した。
電解液として酸化亜鉛を飽和するまで溶解させた8mol/L水酸化カリウム水溶液、
セパレーターとして不織布、カウンター電極としてニッケル極(活物質:コバルトコート水酸化ニッケル、容量は亜鉛極の1倍に設定)、参照極として正極(カウンター電極)と同じ電極を50%充電した電極を使用し、三極セルを用いて20mA/cmの電流値で充放電試験(充放電時間:各1時間)を行い、少なくとも200サイクル以上のサイクル寿命を観測した。また、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察したところ、デンドライトや大きな活物質形態変化等の劣化は見られなかった。
(実施例26)
実施例5と同様にして固体電解質を作製した。
次に、酸化亜鉛(28.5g)、酸化ビスマス(1.5g)、100%ポリエチレンイミン(2.0g)に、60%ポリテトラフルオロエチレン水溶液(2g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌し、実施例25と同様と同様にしてワーキング電極を作製した。
実施例25と同様に充放電試験(充放電時間:各1時間)を行い、少なくとも150サイクル以上のサイクル寿命を観測した。また、150サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察したところ、デンドライトや大きな活物質形態変化等の劣化は見られなかった。
(実施例27)
実施例5と同様にして固体電解質を作製した。
次に、酸化亜鉛(28.5g)、酸化ビスマス(1.5g)、2%ポリアクリル酸ナトリウム水溶液(15g)に、60%ポリテトラフルオロエチレン水溶液(2.0g)、水を加え、メノウ乳鉢で撹拌し、実施例25と同様と同様にしてワーキング電極を作製した。
実施例25と同様に充放電試験(充放電時間:各1時間)を行い、少なくとも200サイクル以上のサイクル寿命を観測した。また、200サイクル充放電試験後の亜鉛合剤電極をSEMにより観察したところ、デンドライトや大きな活物質形態変化等の劣化は見られなかった。
実施例の結果から、以下のことが分かった。
集電体と、亜鉛種を含む活物質層とを含んで構成される亜鉛負極であって、上記亜鉛負極は、活物質層上、及び/又は、該層内に、固体電解質を含有し、上記固体電解質は、多価イオン及び/又は無機化合物を含み、上記多価イオン及び/又は無機化合物は、周期表のLi、Na、K、Rb、Cs、第2族〜第14族、P、Sb、Bi、第16族、及び、第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する亜鉛負極は、活物質の形状・形態変化を充分に抑制するとともに、電池性能が充分に向上された電池を形成することができることが実証された。
なお、上記実施例においては、多価イオン及び/又は無機化合物として、特定の無機化合物を用いているが、本発明の亜鉛負極が、活物質層上、及び/又は、該層内に、固体電解質を含有し、活物質の形状・形態変化を充分に抑制し、更に、該固体電解質が周期表のLi、Na、K、Rb、Cs、第2族〜第14族、P、Sb、Bi、第16族、及び、第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する多価イオン及び/又は無機化合物を含むものとすれば、固体電解質の膨張・収縮を抑制することができ、電子伝導パスを保持し、電極活物質層に亀裂が入る等の不具合が生じないものとすることができる。更に、このような多価イオン及び/又は無機化合物によってイオン伝導性も充分に優れたものとすることができる。このように、電池性能が充分に向上された電池を形成することができることは、周期表のLi、Na、K、Rb、Cs、第2族〜第14族、P、Sb、Bi、第16族、及び、第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する多価イオン及び/又は無機化合物を用いた場合には全て同様であるといえる。
従って、上記実施例の結果から、本発明の技術的範囲全般において、また、本明細書において開示した種々の形態において本発明が適用でき、有利な作用効果を発揮することができるといえる。

Claims (3)

  1. 集電体と、亜鉛含有化合物を含む活物質層とを含んで構成される亜鉛負極であって、
    該亜鉛負極は、活物質層上に、固体電解質を含有し、
    該固体電解質は、マグネシウムを含む、層状複水酸化物及び/又は水酸化物を含有する
    ことを特徴とする亜鉛負極。
  2. 前記固体電解質は、ポリマーを含有する電解質である
    ことを特徴とする請求項1に記載の亜鉛負極。
  3. 請求項1又は2に記載の亜鉛負極、正極、セパレーター、及び、電解質を用いて構成されることを特徴とする電池。
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