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JP6363765B1 - 新規な化合物及びそれを含む結核の治療用薬学組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】結核の予防または治療用薬学組成物の提供。
【解決手段】化学式2で表される化合物、その薬学的に許容される塩及びそれらの有効成分として含有する組成物。

Description

本発明は、新規な化合物、及び新規な化合物を含む結核の予防または治療用組成物に関する。
長い歴史を持つ結核は、現在、世界人口の1/3が感染しており、感染者らは、エイズのような疾病に感染して免疫機能が低下する場合、いつでも結核患者となり得る。現在、世界的に1,600万人の患者が推算され、毎年800万人の新たな結核患者が発生している。また、そのうち毎年200万人が死亡している。
先進国の場合、結核感染率は0.1%以下であり、疾病発生率も25%以下である。大韓民国の場合は、活動性肺結核有病率(X線撮影による有病率)が1965年5.1%から1995年1.0%に減少し、菌に対する陽性有病率は0.94%から0.22%に減少し、年間結核感染危険率は5.3%から0.5%に減少した。結核による死亡率を見ると、人口10万人当たり1991年10.4%から2001年6.3人に減少した。
しかし、結核は、依然として死亡原因トップ10の一つであり、治療のための原則としては、初期治療は6ヶ月の短期療法を原則とする。一般に、一次抗結核剤であるリファンピン(rifampin、RIF)、イソニアジド(isoniazid、INH)、ピラジンアミド(pyrazinamide、PZA)、エタンブトール(ethambutol、EMB)の4剤を併用し、2ヶ月後、RIF、INH及びEMBの3剤を4ヶ月間維持治療する。初期の集中治療2ヶ月の間、EMBの代わりにstreptomycin(STR)を使用することができる。この場合、維持治療はRIF及びINHを投与する。再発患者に対する再治療は、最初の治療薬剤に対してほとんど感受性が残っているため、元の薬剤を再び使用することが原則であり、定められた最初治療の期間よりも3ヶ月をさらに延長して治療する。最初治療の失敗者に対する再治療は、薬剤感受性検査を施行して、最初治療に使用した薬剤を全て除外し、過去に使用しなかった新しい感受性薬剤を最小限3剤、可能であれば4剤、またはそれ以上を併用して治療し、原則的に18ヶ月以上治療する。
肺結核の治療は、通院治療及び耐性獲得を予防するために4剤を併用することを原則とする。抗結核剤耐性菌は、約106細胞分裂毎に1個の頻度で突然変異株が出現する。したがって、最小限2つ以上の抗結核剤を共に使用する多剤併用療法の原則を守らなければならない。
結核治療の最も大きな問題点は、一次抗結核剤に対する耐性ができた場合に、特別な治療方法がないということである。実際に効果的な抗結核剤の開発と体系的な管理で結核の発生及び死亡が急激に減少したが、最近、多剤耐性結核(multi−drug resistant tuberculosis、MDR−TB)の発生及び後天性免疫不全症候群(AIDS)の流行で結核が増加している趨勢である。MDR−TBとは、rifampin(RIF)、isoniazid(INH)を含め、最小限2つ以上の薬剤に同時耐性が発生したことをいう。判定の基準は、薬剤が含まれた培地で育った結核菌株の数が、薬剤が含まれていない培地で育った菌株の数の1%を超える場合としている。
最近、多剤耐性結核を含んだ耐性結核が深刻な保健問題として台頭している。最近の何年間、大韓民国の結核感染率がこれ以上減少しておらず、これは、耐性結核患者が減少していない事実と密接な関連がある。また、耐性結核患者の50%が死亡すると知られている。したがって、結核で死亡する原因の多くは耐性結核に起因する。
1995年、大韓民国の結核実態調査でINHに対する耐性率は9.2%であった。1つ以上の薬剤に対する耐性は9.9%であり、INHとRIFを含む2つ以上の薬剤に対する耐性率は5.3%であった。これらは、持続的に薬剤耐性菌を地域社会に拡散させる根源となっている。
現在、いくつかの種類の2次抗結核剤が開発されたが、効果の観点で一次薬剤を代替し得る薬剤はない。したがって、既存の薬剤と作用機序が異なる新しい抗結核剤の開発は非常に急を要する課題である。
大韓民国公開特許公報第10−2015−0096041号(2015.08.24)
本発明の目的は、化学式2で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供することである。
本発明の目的は、化学式2で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、結核の予防または治療用薬学組成物を提供することである。
本発明の目的は、化学式2で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、耐性結核の予防または治療用薬学組成物を提供することである。
本発明の目的は、下記化学式2で表される化合物またはその食品学的に許容される塩を有効成分として含む、結核の予防または改善用食品組成物を提供することである。
本発明の目的は、下記化学式2で表される化合物またはその食品学的に許容される塩を有効成分として含む、耐性結核の予防または改善用食品組成物を提供することである。
化学式1で表されるフェナントレニル系化合物において、Rの置換基を異ならせて、H37Ra(Mycobacterium tuberculosis H37Ra)に対する抗結核活性を評価した。このとき、Rの置換基が、炭素数が4個であるButylである場合、炭素数が少ない−CH、−Ethyl、−Propylに比べて抗結核活性が最小2〜4倍以上優れており、炭素数がさらに多い−n−Pentyl、−Hexyl、−Heptylに比べて抗結核活性が16〜32倍優れていることを確認し、また、Rの置換基が
Figure 0006363765
である場合に比べて抗結核活性が2〜4倍優れており、
Figure 0006363765
又は−CHCHCHSOHに比べても抗結核活性が128倍以上優れていることを確認し、化学式1におけるRの置換基がButylである化学式2の化合物を用いて抗結核治療剤を提供しようとする。
Figure 0006363765
前記化学式1におけるRはブチルであり、Rはメチルである化学式2の化合物は、下記化学式2の通りである。
Figure 0006363765
前記目的を達成するために、本発明は、下記化学式2で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
Figure 0006363765
本発明で使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、前記化合物の所望の生物学的及び/又は生理学的活性を保有しており、望まない毒物学的効果は最小限に示すあらゆる塩を意味する。当該技術分野における通常の方法によって製造された塩を意味し、このような製造方法は当業者に公知されている。具体的に、前記薬学的に許容される塩は、薬理学的又は生理学的に許容される無機酸、有機酸及び塩基から誘導された塩を含むが、これに限定されない。
例えば、薬剤学的に許容される塩基付加塩は、無機及び有機塩基から製造することができる。無機塩基から誘導された塩は、これに制限されるものではないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、及びマグネシウム塩を含むことができる。有機塩基から誘導された塩は、これに制限されるものではないが、一次、二次及び三次アミン;天然的に発生する置換されたアミンを含む置換されたアミン;及びイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、トロメタミン(tromethamine)、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン(procaine)、ヒドラバミン(hydrabamine)、コリン(choline)、ベタイン(betaine)、エチレンジアミン、グルコサミン、N−アルキルグルカミン、テオブロミン(theobromine)、プリン、ピペラジン、ピペリジン、及び/又はN−エチルピペリジンを含む環状アミンの塩を含むことができる。また、他のカルボン酸誘導体、例えば、カルボキサミド(carboxamides)、低級アルキルカルボキサミド、ジ(低級アルキル)カルボキサミドなどを含むカルボン酸アミドも含まれ得る。
例えば、薬学的に許容される酸付加塩は、無機及び有機酸から製造することができる。無機酸から誘導された塩は、塩酸、臭素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含む。有機酸から誘導された塩は、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸(malic acid)、マロン酸、コハク酸、マレイン酸(maleic acid)、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸(cinnamic acid)、マンデル酸(mandelic acid)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、及び/又はサリチル酸などを含むことができるが、これに限定されない。
本発明は、他の態様として、下記化学式2で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、結核の予防または治療用薬学組成物を提供する。
Figure 0006363765
本発明において、結核の予防または治療用薬学組成物の有効成分は、前記化学式2で表される化合物の(S)−formまたは(R)−formであってもよい。
前記(S)−formは、下記化学式3の構造を有することができ、(S)−メチル 1−((6−ブトキシ−2,3−ジメトキシフェナントレン−10−イル)メチル)−5−オキソピロリジン−2−カルボキシレート((S)−methyl 1−((6−butoxy−2,3−dimethoxyphenanthren−10−yl)methyl)−5−oxopyrrolidine−2−carboxylate)であり、前記(R)−formは、下記化学式4の構造を有することができ、(R)−メチル 1−((6−ブトキシ−2,3−ジメトキシフェナントレン−10−イル)メチル)−5−オキソピロリジン−2−カルボキシレート((R)−methyl 1−((6−butoxy−2,3−dimethoxyphenanthren−10−yl)methyl)−5−oxopyrrolidine−2−carboxylate)と命名することができる。
Figure 0006363765
Figure 0006363765
本発明において、前記結核は、結核菌による感染のため発生するもので、前記結核としては、耐性結核、肺結核、痰結核、骨結核、咽喉結核、リンパ腺結核、乳房結核、脊椎結核などを含み、前記結核の原因菌である結核菌としては、マイコバクテリウムツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)、ツベルクルバシラス(Tubercle bacillus)であってもよく、より具体的には、マイコバクテリウムツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)であってもよい。
本発明の一実施例では、前記化学式2の化合物の(S)−form及び(R)−formに該当する化学式3及び化学式4の化合物が、マイコバクテリウムツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)に対して抗結核活性を有することを確認した。また、(S)−formに該当する化学式3の化合物が、(R)−formに該当する化学式4の化合物に比べて抗結核活性が2倍以上優れていることを確認した。
本発明で使用される「薬学的に許容される塩」という用語に対する説明は、上述した通りである。
本発明で使用される「予防」という用語は、本発明に係る組成物を個体に投与して結核の発病を抑制又は遅延させるあらゆる行為を意味し得る。本発明で使用される「治療」という用語は、本発明の前記組成物によって結核による症状が好転したり、良好になるようにするあらゆる行為を意味し得る。
本発明の化学式2で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、薬学組成物は、薬学組成物の製造に一般的に使用する適切な担体、賦形剤または希釈剤をさらに含むことができる。このとき、前記組成物に含まれる化学式2で表される化合物またはその薬学的に許容される塩は、特にこれに限定されないが、組成物の総重量に対して0.001重量%〜99重量%、好ましくは0.01重量%〜50重量%含まれてもよい。
前記薬学組成物は、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、懸濁剤、内用液剤、油剤、シロップ剤、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、油剤、凍結乾燥剤及び坐剤からなる群から選択されるいずれか1つの剤形を有することができ、経口または非経口の様々な剤形であってもよい。製剤化する場合には、通常使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤などの希釈剤又は賦形剤を使用して調製される。
経口投与のための固形製剤には錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は、少なくとも1つ以上の賦形剤、例えば、澱粉、炭酸カルシウム、スクロース(sucrose)又はラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混合して調製されてもよい。また、単なる賦形剤以外に、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどのような潤滑剤も使用することができる。経口投与のための液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、油剤、シロップ剤などが該当し、よく使用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィン以外に、様々な賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれてもよい。非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、油剤、凍結乾燥製剤、坐剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁溶剤としては、プロピレングリコール(propylene glycol)、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性油、オレイン酸エチルのような注射可能なエステルなどが使用されてもよい。坐剤の基剤としては、ウィテップゾール(witepsol)、マクロゴール、ツイン(tween)61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロゼラチンなどが使用されてもよい。
本発明の薬学組成物は、薬学的に有効な量で投与することができる。本発明において、「薬学的に有効な量」という用語は、医学的治療に適用可能な合理的な受恵/危険の割合で疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効容量のレベルは、個体の種類及び重症度、年齢、性別、疾病の種類、薬物の活性、薬物に対する敏感度、投与時間、投与経路及び排出割合、治療期間、同時使用される薬物を含む要素、及びその他の医学分野によく知られている要素によって決定されてもよい。本発明の組成物は、個別治療剤として投与するか、または他の治療剤と併用して投与することができ、従来の治療剤とは順次又は同時に投与されてもよい。そして、単一又は多重投与されてもよい。前記要素を全て考慮して、副作用なしに最小限の量で最大の効果が得られる量を投与することが重要であり、当業者によって容易に決定され得る。
本発明の薬学組成物は、結核の治療または予防を目的とする個体であれば特に限定されず、どのようなものであれ適用可能である。例えば、猿、犬、猫、ウサギ、モルモット、ラット、マウス、牛、羊、豚、ヤギなどのような非ヒト動物、ヒト、鳥類及び魚類などのいずれにも使用することができ、前記薬学組成物は、非経口、皮下、腹腔内、肺内及び鼻腔内に投与することができ、局部的治療のために、必要であれば、病変内投与を含む適した方法によって投与することができる。本発明の前記薬学組成物の好ましい投与量は、個体の状態、体重、疾病の程度、薬物の形態、投与経路及び期間に応じて異なるが、当業者によって適切に選択され得る。例えば、経口、直腸、静脈、筋肉、皮下、子宮内硬膜または脳血管注射によって投与されてもよいが、これに制限されるものではない。
好適な総1日使用量は、正しい医学的判断の範囲内で担当医によって決定されてもよく、一般的に、0.001〜1000mg/kgの量、好ましくは0.05〜200mg/kg、より好ましくは0.1〜100mg/kgの量を1日1回〜数回に分けて投与することができる。
本発明は、他の態様として、下記化学式2で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、耐性結核の予防または治療用薬学組成物を提供する。
Figure 0006363765
本発明において、前記耐性結核は、スーパー結核(Extensively drug−resistant tuberculosis、XDR−TB)、イソニアジド耐性結核(isoniazid−resistant tuberculosis、INHr−TB)、リファンピン耐性結核(rifampin−resistant tuberculosis、RIFr−TB)、ピラジンアミド耐性結核(pyrazinamide−resistant tuberculosis、PZAr−TB)、及びストレプトマイシン耐性結核(Streptomycin−resistant tuberculosis、STRr−TB)からなる群から選択された1つ以上であってもよい。
本発明の一実施例では、前記化学式2で表される化合物の(S)−form及び(R)−formに該当する化学式3及び化学式4で表される化合物が、耐性結核であるスーパー結核(Extensively drug−resistant tuberculosis、XDR−TB)、イソニアジド耐性結核(isoniazid−resistant tuberculosis、INHr−TB)、リファンピン耐性結核(rifampin−resistant tuberculosis、RIFr−TB)、ピラジンアミド耐性結核(pyrazinamide−resistant tuberculosis、PZAr−TB)、及びストレプトマイシン耐性結核(Streptomycin−resistant tuberculosis、STRr−TB)に対して抗結核活性を有することを確認した。
本発明において、「化学式2で表される化合物」、「薬学的に許容される塩」、「予防」、「治療」という用語に対する説明は、上述した通りである。
本発明は、他の態様として、下記化学式2で表される化合物またはその食品学的に許容される塩を有効成分として含む、結核の予防または改善用食品組成物を提供する。
Figure 0006363765
本発明において、「化学式2で表される化合物」、「結核」、「予防」に対する説明は、上述した通りである。
本発明での「改善」という用語は、化学式2で表される化合物またはその食品学的に許容される塩を有効成分として含む食品組成物を個体に投与して、結核の症状が好転したり、良好になるようにするあらゆる行為を意味し得る。
具体的に、本発明の化学式2で表される化合物またはその食品学的に許容される塩を、結核の予防または改善を目的として食品組成物に添加することができる。
本発明の食品組成物は、丸剤、粉末、顆粒、浸剤、錠剤、カプセルまたは液剤などの形態を含むことができ、本発明の化学式2で表される化合物またはその食品学的に許容される塩を添加できる食品の種類には特に制限がなく、例えば、各種飲料、ガム、茶、ビタミン複合剤、健康補助食品類などがある。
前記食品組成物には、化学式2で表される化合物またはその食品学的に許容される塩以外にも、他の成分を追加することができ、その種類は特に限定されない。例えば、通常の食品と同様に、種々の生薬抽出物、食品学的に許容される食品補助添加剤または天然炭水化物などを追加成分として含有することができ、これに限定されない。
本発明の食品学的に許容される塩は、食品学的に許容される遊離酸(free acid)によって形成される酸付加塩、または塩基によって形成される金属塩であってもよい。前記遊離酸としては、無機酸及び有機酸を使用することができる。無機酸としては、塩酸、硫酸、臭素酸、亜硫酸またはリン酸などを使用することができ、有機酸としては、クエン酸、酢酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、メタンスルホン酸などを使用することができる。また、金属塩としては、アルカリ金属塩又はアルカリ土金属塩、ナトリウム、カリウムまたはカルシウム塩を使用することができる。しかし、必ずしもこれに制限されるものではない。
本発明において、用語「食品補助添加剤」とは、食品に補助的に添加できる構成要素を意味し、各剤形の健康機能食品を製造するのに添加されるものであって、当業者が適切に選択して使用することができる。食品補助添加剤の例としては、種々の栄養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成風味剤及び天然風味剤などの風味剤、着色剤、充填剤、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使用される炭酸化剤などが含まれるが、前記例によって本発明の食品補助添加剤の種類が制限されるものではない。
前記天然炭水化物の例は、ブドウ糖、果糖などの単糖類;マルトース、スクロースなどの二糖類;デキストリン、シクロデキストリンなどの多糖類;及びキシリトール、ソルビトール、エリトリトールなどの糖アルコールがあり、上述したもの以外の香味剤として、天然香味剤(タウマチンなど)、ステビア抽出物(レバウジオシドA、グリシルリジンなど)及び合成香味剤(サッカリン、アスパルテームなど)を有利に使用することができる。
本発明の食品組成物には健康機能性食品が含まれてもよい。本発明で使用された用語、「健康機能性食品」とは、人体に有用な機能性を有する原料や成分を使用して錠剤、カプセル、粉末、顆粒、液状及び丸などの形態で製造及び加工した食品をいう。ここで、機能性とは、人体の構造及び機能に対して、栄養素を調節したり、生理学的作用などのような保健の用途に有用な効果を得ることを意味する。本発明の健康機能性食品は、当業界で通常使用される方法により製造可能であり、前記製造時には、当業界で通常添加する原料及び成分を添加して製造することができる。また、一般の薬品とは異なり食品を原料とすることで、薬品の長期服用時に発生し得る副作用などがないという利点があり、携帯性に優れる。
有効成分の混合量は、使用目的(予防、健康又は治療的処置)に応じて好適に決定され得る。一般的に、食品の製造時に、本発明の化学式2で表される化合物またはその食品学的に許容される塩は、原料組成物のうち1〜50重量%、好ましくは5〜10重量%の量で添加されてもよいが、これに制限されるものではない。しかし、健康及び衛生を目的としたり、健康調節を目的としたりする長期間の摂取の場合には、前記量は前記範囲以下に使用されてもよい。
前記食品の種類には特に制限はない。前記物質を添加できる食品の例としては、肉類、ソーセージ、パン、チョコレート、キャンディ類、スナック類、菓子類、ピザ、ラーメン、その他の麺類、ガム類、アイスクリーム類を含む酪農製品、各種スープ、飲料水、茶、ドリンク剤、アルコール飲料及びビタミン複合剤などがあり、一般的な意味での健康機能性食品をいずれも含む。
本発明は、他の態様として、下記化学式2で表される化合物またはその食品学的に許容される塩を有効成分として含む、耐性結核の予防または改善用食品組成物を提供する。
Figure 0006363765
本発明において、「化学式2で表される化合物」、「食品学的に許容される」、「耐性結核」、「予防」、「改善」という用語に対する説明は、上述した通りである。
本発明は、化学式2で表される化合物、及び化学式2で表される化合物の結核の予防または治療の用途に関する。前記抗結核活性を有する化学式2で表される化合物は、結核菌株及び耐性結核菌株でも活性に優れ、細胞毒性も低いという特徴を有し、結核の予防または治療用薬学組成物として活用することができる。
本発明のSCH1702の化合物のNMR Hの結果を示すグラフである。 本発明のSCH1702の化合物のNMR 13Cの結果を示すグラフである。 本発明のSCH1702の化合物の偏光器を用いたS−form及びR−formの分析結果を示すグラフである。 THP−1、Raw264.7、L929及びHEK−293細胞において化学式3の化合物に該当するSCH1702(S−form)の細胞毒性の結果を示す。実験は3回繰り返して行い、n=3であった。値は、平均±標準偏差を示す。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。ただし、下記の実施例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明の内容が下記の実施例に限定されるものではない。
製造例1:化学式2の化合物(SCH1702)の合成
下記の反応式1に示したような方法により化学式2の化合物(SCH1702)を合成した。
Figure 0006363765
前記の反応式1において、化学式(イ)で表されるホモベラトルム酸(Homoveratric acid)と化学式(ロ)で表される4−ブトキシベンズアルデヒド(4−butoxybenzaldehyde)を、トリエチルアミン(triethylamine、EtN)、無水酢酸(Acetic anhydride、AcO)と共にN下で10時間反応させ、冷却させた後、フィルターで濾過した後、EtOAcで精製して、黄色の化合物を得た(工程1−1)。
化学式(ハ)で表される化合物に塩化チオニル(thionyl chloride、SOCl)を加えて40分間反応させ、真空濃縮して溶媒を除去した後、再びピリジン(pyridine)とメタノールを加えた後、再び40分間氷槽で反応を行うことで、化学式(二)で表される化合物を得た(工程:1−2)。
化学式(二)で表される化合物にCHClと無水FeClを氷槽で加えた後、室温で12時間反応させ、その後、NaHCOを加えて有機層を分画して乾燥させることによって、化学式(ホ)で表される黄色の化合物を得た(工程:1−3)。
化学式(ホ)で表される化合物にLiAlH(lithium aluminium hydride)とTHF(tetrahydrofolic acid)を0℃で加え、50分間反応させた後、THFとHOを加えて反応を停止させ、メタノールで再結晶して、化学式(へ)で表される白色の化合物を得た(工程:1−4)。
化学式(へ)で表される化合物をアルコールとNaI、アセトニトリル(acetonitril)とTMSCl(chlorotrimethylsilane)を加えて10分間反応させた後、ジイソプロピルグルタメート(L−diisopropyl glutamate又はD−diisopropyl glutamate)とKCOを加えて5時間反応させた後、水とCHClで分画した。有機層を減圧濃縮して、酢酸とメタノールを加え、50℃で5時間反応させた。減圧濃縮して1,4−ジオキサン(1,4−dioxane)とメタノール、そして、KOHを加え、室温で1時間反応させ、水とCHClで分画した。水層を、HPOを加えてpH4.0に酸性化した。フィルターで濾過した後、メタノールで再結晶して、白色の化学式SCH1702(化学式2)を得た(工程1−5)。工程1−5の反応で化合物[L−diisopropyl glutamateを適用した場合、(S)−メチル 1−((6−ブトキシ−2,3−ジメトキシフェナントレン−10−イル)メチル)−5−オキソピロリジン−2−カルボキシレート((S)−methyl 1−((6−butoxy−2,3−dimethoxyphenanthrene−10−yl)methyl)−5−oxopyrrolidine−2−carboxylate);D−diisopropyl glutamateを適用した場合、(R)−メチル 1−((6−ブトキシ−2,3−ジメトキシフェナントレン−10−イル)メチル)−5−オキソピロリジン−2−カルボキシレート((R)−methyl 1−((6−butoxy−2,3−dimethoxyphenanthren−10−yl)methyl)−5−oxopyrrolidine−2−carboxylate)]を得た(工程:1−5)。
前記SCH1702で表される化合物は、本発明の化学式2で表される化合物であって、NMR分析結果(1H,13C)をそれぞれ図1及び図2に示した。また、偏光器を用いたSCH1702のS−form、R−formの分析結果を図3に示した。
比較例1:化学式1の化合物(SCH1701)
化学式5の化合物(SCH1701)を、製造例1で製造されたSCH1702化合物との活性の比較のために比較例として用いた。
Figure 0006363765
前記SCH1701化合物は、下記化学式1においてRの置換基がメチル(−CH)であり、SCH1702化合物は、Rの置換基がブチル(−Butyl)に該当する。
Figure 0006363765
実施例1:抗結核効能の評価
抗結核効能は、REMA(Resazurin microtiter assay)及びMGIT assayを用いて二重に確認した。
1)レサズリン(Resazurin)溶液の準備
40mlの滅菌された水にレサズリンナトリウム塩(resazurin sodium salt、sigma−aldrich)4mgを入れ、0.01%のレサズリン溶液を製造した後、0.45μmのフィルターで濾過してレサズリン(Resazurin)溶液を製造し、冷蔵保管した後に使用した。
2)結核菌及び耐性結核菌の準備
H37Ra(Mycobacterium tuberculosis H37Ra)とH37rv(Mycobacterium tuberculosis H37Rv)、スーパー結核(Extensively drug−resistant tuberculosis、XDR−TB)、イソニアジド耐性結核(isoniazid−resistant tuberculosis、INHr−TB)、リファンピン耐性結核(rifampin−resistant tuberculosis、RIFr−TB)、ピラジンアミド耐性結核(pyrazinamide−resistant tuberculosis、PZAr−TB)及びストレプトマイシン耐性結核(Streptomycin−resistant tuberculosis、STRr−TB)を7H9培地(7H9 media)と希釈して、菌数を最終濃度5×10 cells/mlで準備しておいた。
3)抗結核活性の検定方法
REMAは、次のような方法で行った。
7H9メディア(7H9 media)を100μLずつ分注した96 wellに、化学式3及び4の化合物100μlを加えた後、連続希釈(serial dilution、1.5μg/ml〜50μg/ml)した後、結核菌株H37Ra(Mycobacterium tuberculosis H37Ra)とH37rv(Mycobacterium tuberculosis H37rv)、スーパー結核(Extensively drug−resistant tuberculosis、XDR−TB)、イソニアジド耐性結核(isoniazid−resistant tuberculosis、INHr−TB)、リファンピン耐性結核(rifampin−resistant tuberculosis、RIFr−TB)、ピラジンアミド耐性結核(pyrazinamide−resistant tuberculosis、PZAr−TB)、ストレプトマイシン耐性結核(Streptomycin−resistant tuberculosis、STRr−TB)の濃度を5×10 cells/mlに調節した後、100μLずつ添加した。一週間後、準備したレサズリン(resazurin)溶液30μLずつを各wellに添加して、抗結核活性を確認した。
陽性対照群として、イソニアジド(isoniazid、INH)、リファンピン(rifampin、RIF)、ストレプトマイシン(streptomycin、STR)、ピラジンアミド(pyrazinamide、PZA)、エタンブトール(ethambutol、EMB)を使用し、陰性対照群としては同量のDMSOを使用した。
MGIT assayは、次のような方法で行った。
MGIT 960 Systemを用いて、化学式3及び4の化合物の結核菌生長抑制能力を確認した。MGIT tubeに7mlの7H9メディア(7H9 media)を入れ、追加で740〜820μLのグロースサプリメント(growth supplement)を添加した後、化学式3及び4の化合物を添加して濃度を調節して使用した。その後、結核菌株H37Ra(Mycobacterium tuberculosis H37Ra)とH37rv(Mycobacterium tuberculosis H37rv)、スーパー結核(Extensively drug−resistant tuberculosis、XDR−TB)、イソニアジド耐性結核(isoniazid−resistant tuberculosis、INHr−TB)、リファンピン耐性結核(rifampin−resistant tuberculosis、RIFr−TB)、ピラジンアミド耐性結核(pyrazinamide−resistant tuberculosis、PZAr−TB)、ストレプトマイシン耐性結核(Streptomycin−resistant tuberculosis、STRr−TB)の濃度を5×10 cells/mlに調節した後、100μLを入れた後、MGIT機器で結核菌の生長を毎日測定して、各化合物の結核菌生長抑制活性を測定した。
陽性対照群として、イソニアジド(isoniazid、INH)、リファンピン(rifampin、RIF)、ストレプトマイシン(streptomycin、STR)、ピラジンアミド(pyrazinamide、PZA)、エタンブトール(ethambutol、EMB)を使用し、陰性対照群としては同量のDMSOを使用した。
4)抗結核活性の検定結果
前記実験方法によって抗結核効能の評価結果を、下記の表にMIC(minimum inhibitory concentration、μL/ml)で整理して示した。
イ.結核(Ra)菌に対する抑制効果
表1は、SCH1702(S−form及びR−form)のH37Ra(Mycobacterium tuberculosis H37Ra)に対する抗結核活性を示したものである。
下記の表1に使用された薬物はSCH1702(S−form及びR−form)であり、SCH1701(S−form)は比較例であり、そして、イソニアジド(isoniazid、INH)、リファンピン(rifampin、RIF)、及びストレプトマイシン(streptomycin、STR)は陽性対照群として使用された。
その結果、下記の表1を参考にすると、本発明の化学式1に該当するSCH1702化合物の場合、結核菌H37Ra(Mycobacterium tuberculosis H37Ra)に対する抗結核活性に優れているものと示された。また、SCH1702化合物におけるS−formの活性が、R−formに比べて優れており、比較例のSCH1701(S−form)に比べて2倍以上抗結核活性が優れているものと確認された。
Figure 0006363765
ロ.結核(Rv)菌に対する抑制効果
表2は、SCH1702(S−form及びR−form)のH37Rv(Mycobacterium tuberculosis H37Rv)に対する抗結核活性を示したものである。
下記の表2に使用された薬物はSCH1702(S−form及びR−form)であり、SCH1701(S−form)は比較例であって、イソニアジド(isoniazid、INH)、リファンピン(rifampin、RIF)、ストレプトマイシン(streptomycin、STR)、ピラジンアミド(pyrazinamide、PZA)、エタンブトール(ethambutol、EMB)を使用し、陰性対照群としては同量のDMSOを使用した。
その結果、下記の表2を参考にすると、本発明の化学式2に該当するSCH1702化合物の場合、結核菌H37Rv(Mycobacterium tuberculosis H37Rv)に対する抗結核活性に優れているものと示された。また、SCH1702化合物におけるS−formの活性が、R−formに比べて優れており、比較例のSCH1701(S−form)に比べて2倍以上抗結核活性が優れているものと確認された。
Figure 0006363765
ハ.結核(XDR)耐性菌に対する抑制効果
表3は、SCH1702(S−form及びR−form)のスーパー結核(Extensively drug−resistant tuberculosis、XDR−TB)に対する抗結核活性を示したものである。
下記の表3に使用された薬物はSCH1702(S−form及びR−form)であり、SCH1701(S−form)は比較例であって、イソニアジド(isoniazid、INH)、リファンピン(rifampin、RIF)、ストレプトマイシン(streptomycin、STR)、ピラジンアミド(pyrazinamide、PZA)、エタンブトール(ethambutol、EMB)を使用し、陰性対照群としては同量のDMSOを使用した。
その結果、下記の表3を参考にすると、本発明の化学式2に該当するSCH1702化合物の場合、耐性結核菌であるスーパー結核(Extensively drug−resistant tuberculosis、XDR−TB)に対する抗結核活性に優れているものと示された。また、SCH1702化合物におけるS−formの活性が、R−formに比べて優れており、比較例のSCH1701(S−form)に比べて2倍以上抗結核活性が優れているものと確認された。
Figure 0006363765
二.結核(INHr)耐性菌に対する抑制効果
表4は、SCH1702(S−form及びR−form)のイソニアジド耐性結核(isoniazid−resistant tuberculosis、INHr−TB)に対する抗結核活性を示したものである。
下記の表4に使用された薬物はSCH1702(S−form及びR−form)であり、SCH1701(S−form)は比較例であって、イソニアジド(isoniazid、INH)、リファンピン(rifampin、RIF)、及びストレプトマイシン(streptomycin、STR)が陽性対照群として使用された。
その結果、下記の表4を参考にすると、本発明の化学式2に該当するSCH1702化合物の場合、耐性結核菌であるイソニアジド耐性結核(isoniazid−resistant tuberculosis、INHr−TB)に対する抗結核活性に優れているものと示された。また、SCH1702化合物におけるS−formの活性が、R−formに比べて優れており、比較例のSCH1701(S−form)に比べて2倍以上抗結核活性が優れているものと確認された。
Figure 0006363765
ホ.結核(RIFr)耐性菌に対する抑制効果
表5は、SCH1702(S−form及びR−form)のリファンピン耐性結核(rifampin−resistant tuberculosis、RIFr−TB)に対する抗結核活性を示したものである。
下記の表5に使用された薬物はSCH1702(S−form及びR−form)であり、SCH1701(S−form)は比較例であって、イソニアジド(isoniazid、INH)、リファンピン(rifampin、RIF)、及びストレプトマイシン(streptomycin、STR)が陽性対照群として使用された。
その結果、下記の表5を参考にすると、本発明の化学式2に該当するSCH1702化合物の場合、耐性結核菌であるリファンピン耐性結核(rifampin−resistant tuberculosis、RIFr−TB)に対する抗結核活性に優れているものと示された。また、SCH1702化合物におけるS−formの活性が、R−formに比べて優れており、SCH1701(S−form)に比べて2倍以上抗結核活性が優れているものと確認された。
Figure 0006363765
へ.結核(PZAr)耐性菌に対する抑制効果
表6は、SCH1702(S−form及びR−form)のピラジンアミド耐性結核(pyrazinamide−resistant tuberculosis、PZAr−TB)に対する抗結核活性を示したものである。
下記の表6に使用された薬物はSCH1702(S−form及びR−form)であり、SCH1701(S−form)は比較例であって、イソニアジド(isoniazid、INH)、リファンピン(rifampin、RIF)、及びストレプトマイシン(streptomycin、STR)は陽性対照群として使用した。
その結果、下記の表6を参考にすると、本発明の化学式2に該当するSCH1702化合物の場合、耐性結核菌であるピラジンアミド耐性結核(pyrazinamide−resistant tuberculosis、PZAr−TB)に対する抗結核活性に優れているものと示された。また、SCH1702化合物におけるS−formの活性が、R−formに比べて優れており、比較例のSCH1701(S−form)に比べて2倍以上抗結核活性が優れているものと確認された。
Figure 0006363765
ト.結核(STRr)耐性菌に対する抑制効果
表7は、SCH1702(S−form及びR−form)のストレプトマイシン耐性結核(Streptomycin−resistant tuberculosis、STRr−TB)に対する抗結核活性を示したものである。
下記の表7に使用された薬物はSCH1702(S−form及びR−form)であり、SCH1701(S−form)は比較例であって、イソニアジド(isoniazid、INH)、リファンピン(rifampin、RIF)、及びストレプトマイシン(streptomycin、STR)は陽性対照群として使用した。
その結果、下記の表7を参考にすると、本発明の化学式2に該当するSCH1702化合物の場合、耐性結核菌であるストレプトマイシン耐性結核(Streptomycin−resistant tuberculosis、STRr−TB)に対する抗結核活性に優れているものと示された。また、SCH1702化合物におけるS−formの活性が、R−formに比べて優れており、比較例のSCH1701(S−form)に比べて2倍以上抗結核活性が優れているものと確認された。
Figure 0006363765
結論的に、前記SCH1702(S−form)化合物の結核及び耐性結核菌株に対する抑制効果を表8にまとめると、次の通りである。すなわち、SCH1702(S−form)化合物は、結核菌株H37Ra(Mycobacterium tuberculosis H37Ra)とH37rv(Mycobacterium tuberculosis H37rv)、耐性結核菌株であるスーパー結核(Extensively drug−resistant tuberculosis、XDR−TB)、イソニアジド耐性結核(isoniazid−resistant tuberculosis、INHr−TB)、リファンピン耐性結核(rifampin−resistant tuberculosis、RIFr−TB)、ピラジンアミド耐性結核(pyrazinamide−resistant tuberculosis、PZAr−TB)、及びストレプトマイシン耐性結核(Streptomycin−resistant tuberculosis、STRr−TB)に対する抗結核活性に優れている。
Figure 0006363765
実施例2:細胞毒性評価
結核の感染、増殖と関連するHP−1、Raw264.7、L929及びHEK−293細胞において細胞毒性を測定した。10×10 cells/wellをDMEM培地にSCH1702(S−form)を処理して、24時間、48時間培養した。新しい培地として24ウェルプレート(well plate)に培地500μLとMTT溶液5μLを入れ、4時間さらに反応させた。培地を除去した後、200μLのDMSOでホルマザン(formazan)を溶かし、マイクロプレートリーダー(microplate reader)を用いて540nmで吸光度を測定し、その結果を、細胞毒性は、50%毒性効果(CC50、50% Cytotoxic concentration)で表記して図4に示した。全ての測定値は、3回繰り返し実験の平均値としてその結果を示した。図4を参照すると、SCH1702(S−form)の化合物は、細胞毒性がほとんどないことが確認できた。
実施例3:置換基別に結核菌株に対する抗結核活性評価
表9は、化学式1の化合物のS−formにおいてRの置換基を異ならせて、これによるH37Ra(Mycobacterium tuberculosis H37Ra)に対する抗結核活性を示したものである。
その結果、表9に示したように、Rの置換基が、炭素数が4個であるButylである場合、炭素数が1〜3個と少ないメチル基、エチル基、プロピル基に比べて、抗結核活性が最小2〜4倍以上優れていた。また、炭素数が5〜7個とさらに多い−n−Pentyl、−Hexyl、−Heptylに比べて、抗結核活性が16〜32倍優れていた。また、置換基が
Figure 0006363765
である場合に比べて、抗結核活性が2〜4倍優れており、
Figure 0006363765
又は−CHCHCHSOHである場合に比べても128倍以上抗結核活性が著しく優れていた。結論的に、化学式1において、Rの置換基が、炭素数が4個であるButylである場合、抗結核活性が最も優れていることを確認した。
Figure 0006363765
化学式1において、Rの置換基による抗結核活性及び細胞毒性に対する効果をまとめると、表10及び11の通りである。すなわち、SCH1702化合物の抗結核活性が最も優れており、細胞毒性も優れていた。
Figure 0006363765
Figure 0006363765
Figure 0006363765
以上で本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形及び改良形態もまた本発明の権利範囲に属する。

Claims (8)

  1. 下記化学式2で表される化合物またはその薬学的に許容される塩。
    Figure 0006363765
  2. 下記化学式2で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、結核の予防または治療用薬学組成物。
    Figure 0006363765
  3. 下記化学式3又は化学式4で表される化合物であるものである、請求項2に記載の結核の予防または治療用薬学組成物。
    Figure 0006363765
    Figure 0006363765
  4. 前記結核の原因菌はマイコバクテリウムツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)である、請求項2に記載の結核の予防または治療用薬学組成物。
  5. 下記化学式2で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、耐性結核の予防または治療用薬学組成物。
    Figure 0006363765
  6. 前記耐性結核は、スーパー結核(Extensively drug−resistant tuberculosis、XDR−TB)、イソニアジド耐性結核(isoniazid−resistant tuberculosis、INHr−TB)、リファンピン耐性結核(rifampin−resistant tuberculosis、RIFr−TB)、ピラジンアミド耐性結核(pyrazinamide−resistant tuberculosis、PZAr−TB)、及びストレプトマイシン耐性結核(Streptomycin−resistant tuberculosis、STRr−TB)からなる群から選択された1つ以上である、請求項5に記載の耐性結核の予防または治療用薬学組成物。
  7. 下記化学式2で表される化合物またはその食品学的に許容される塩を有効成分として含む、結核の予防または改善用食品組成物。
    Figure 0006363765
  8. 下記化学式2で表される化合物またはその食品学的に許容される塩を有効成分として含む、耐性結核の予防または改善用食品組成物。
    Figure 0006363765
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