JP6354266B2 - 熱転写シート、マゼンタ色材層用塗工液、熱転写シートの製造方法、画像形成方法 - Google Patents
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(特定方法)
所定の溶媒に、目的とするマゼンタ色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とするマゼンタ色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に溶解可能な色材であると特定する。一方、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に分散可能なマゼンタ色材であると特定する。所定の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
(特定方法)
所定の溶媒に、目的とするマゼンタ色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とするマゼンタ色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に溶解可能な色材であると特定する。一方、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に分散可能なマゼンタ色材であると特定する。所定の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
(特定方法)
所定の溶媒に、目的とするマゼンタ色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とするマゼンタ色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に溶解可能な色材であると特定する。一方、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に分散可能なマゼンタ色材であると特定する。所定の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
(特定方法)
所定の溶媒に、目的とするマゼンタ色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とするマゼンタ色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に溶解可能な色材であると特定する。一方、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に分散可能なマゼンタ色材であると特定する。所定の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
以下、本発明の熱転写シートについて説明する。図1に示すように、本発明の一実施形態の熱転写シート100は、基材1と、当該基材1の一方の面に設けられたマゼンタ色材層3を備える。基材1、マゼンタ色材層3は、本発明の熱転写シート100における必須の構成である。なお、図1に示す形態では、基材1とマゼンタ色材層3との間に、プライマー層4が設けられ、基材1の他方の面に背面層5が設けられているが、プライマー層4、背面層5は、本発明の熱転写シート100における任意の構成である。以下、熱転写シート100を構成する各層について具体的に説明する。
基材1について特に限定はなく、従来公知の材料を適宜選択して用いることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等の樹脂フィルム;コンデンサー紙、パラフィン紙、合成紙等の紙類;不織布;紙や不織布と樹脂との複合体等を挙げることができる。
基材1の接着処理として、基材1上にプライマー層4を設けてもよい。プライマー層4は、本発明の熱転写シート100における任意の構成であり、例えば、以下の有機材料及び無機材料から形成することができる。有機材料としては、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン及びその変性体等のビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等が挙げられる。無機材料としては、シリカ(コロイダルシリカ)、アルミナあるいはアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、擬ベークマイト等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等のコロイド状無機顔料超微粒子等が挙げられる。これ以外にも、有機チタネート、例えば、テトラキス(2−エチルヘキシル)チタネート、ビス(エチル−3−オキソブタノレート−01、03)ビス(2−プロパノレート)チタン、又はイソプロピルトリイソステアロイルチタネートから形成され;或いは、チタンアルコキシド、例えば、チタンテトライソプロポキシド、又はチタンテトラ−n−ブトキシドから形成される無機主鎖をもつポリマーをプライマー層の材料として用いることもできる。
図1に示すように、基材1の一方の面上には、直接的、或いは任意のプライマー層4等を介して間接的にマゼンタ色材層3が設けられている。マゼンタ色材層3は、マゼンタ色材、当該マゼンタ色材を分散可能な溶媒、分散剤、及びバインダー樹脂を含有している。そして、本発明の一実施形態の熱転写シート100は、マゼンタ色材層3が含有しているマゼンタ色材が、キナクリドン系マゼンタ色材、及びジケトピロロピロール系マゼンタ色材の何れか一方、又は双方であることを特徴としている。以下、キナクリドン系マゼンタ色材、及びジケトピロロピロール系マゼンタ色材を総称して、「特定のマゼンタ色材」と言う場合がある。また、「特定のマゼンタ色材」を分散可能な溶媒のことを「分散溶媒」と言う場合がある。
マゼンタ色材層3は、バインダー樹脂を含有している。バインダー樹脂は、「特定のマゼンタ色材」及び、任意で含有されるマゼンタ色材を担持するものである。バインダー樹脂としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。
マゼンタ色材層3は、「特定のマゼンタ色材」を分散可能な「分散溶媒」を含有している。「分散溶媒」とは、「特定のマゼンタ色材」を分散させることができる溶媒、換言すれば、「特定のマゼンタ色材」を溶解不能な溶媒を意味する。「特定のマゼンタ色材」を分散可能な「分散溶媒」について特に限定はなく、例えば、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、エタノール等の有機溶剤や、水等を挙げることができる。「分散溶媒」は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いることもできる。なお、マゼンタ色材層3が、2種以上の溶媒を含有している場合には、2種以上の溶媒のうちの少なくとも1つの溶媒が、「分散溶媒」であり、かつ、マゼンタ色材層3が含有している混合溶媒が、「特定のマゼンタ色材」を溶解不能な溶媒であることを条件とする。
マゼンタ色材層3は、分散剤を含有している。「特定のマゼンタ色材」、「分散溶媒」、バインダー樹脂に加え、分散剤を含有しているマゼンタ色材層3によれば、当該マゼンタ色材層3中に、「特定のマゼンタ色材」を均一に分散させた状態で存在させることができ、キックの発生をより効果的に抑制することができる。また、分散剤の働きにより、マゼンタ色材層を形成するためのマゼンタ色材層用塗工液中に、「特定のマゼンタ色材」を小さな粒径で存在させることができ、基材1とマゼンタ色材層3との密着性や、本発明の熱転写シートを用いて形成される画像の濃度を向上させることができる。
「特定のマゼンタ色材」、或いは「特定のマゼンタ色材」とは異なるマゼンタ色材が、溶媒に分散可能であるか否かは、以下の方法により判断することができる。所定の溶媒に、マゼンタ色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、マゼンタ色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、マゼンタ色材の析出を目視で確認できなかった場合には、マゼンタ色材は、所定の溶媒に対し溶解可能であると判断することができる。一方、マゼンタ色材の析出を目視で確認できた場合には、析出の確認ができたマゼンタ色材は、所定の溶媒に溶解不能、換言すれば分散可能であると判断することができる。
対象とする熱転写シート(以下、対象熱転写シートという)が、本発明の熱転写シートの発明特定事項を充足するものであるか否かは、例えば、以下の方法により判別可能である。まず、対象熱転写シートのマゼンタ色材層を分析して当該マゼンタ色材層に含まれている色材成分を特定する。色材成分の特定方法としては、核磁気共鳴分光法、IRスペクトル法等の従来公知の分析方法を用いて特定することができる。
図1に示すように、本発明の熱転写シート100は、基材1の他方の面上に、サーマルヘッドの熱によるスティッキングやシワなどの悪影響を防止し、熱転写プリンター等での滑り性をもたせ、搬送性を高めるための背面層5を設けることができる。背面層5を形成する樹脂について特に限定はなく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレンブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンまたはエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセトプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。
また、基材1と背面層5との間に背面プライマー層(図示しない)を設けることもできる。背面プライマー層は、基材1と、背面層5との密着性を向上させるために設けられる層であり、任意の層である。背面プライマー層としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。また、適宜導電性を付与するための導電材を含有させてもよい。例えば、スルホン化ポリアニリン、カーボン粒子、銀粒子、金粒子等が挙げられる。
変形例1のマゼンタ色材層3は、図4に示すように、「特定のマゼンタ色材」10x、「特定のマゼンタ色材」を分散可能な「分散溶媒」、バインダー樹脂、分散剤とともに、マゼンタ色材層3が含有している「分散溶媒」、或いはマゼンタ色材層3が含有している任意の溶媒に溶解可能な、他のマゼンタ色材10yを含有している。以下、上記「特定のマゼンタ色材」とは異なるマゼンタ色材であって、マゼンタ色材層3が含有している「分散溶媒」、或いはマゼンタ色材層3が含有している任意の溶媒に溶解可能なマゼンタ色材のことを他のマゼンタ色材と言う。換言すれば、変形例1のマゼンタ色材層3は、バインダー樹脂、「分散溶媒」、及び分散剤を含有し、「特定のマゼンタ色材」10xが分散され、他のマゼンタ色材10yが溶解されてなるマゼンタ色材層用塗工液を用いて形成されたマゼンタ色材層3である。変形例1のマゼンタ色材層は、上記で説明したマゼンタ色材層3において、「分散溶媒」、或いはマゼンタ色材層3が含有している任意の溶媒に溶解可能な他のマゼンタ色材10yを含有している点でのみ上記で説明したマゼンタ色材層3と相違している。なお、図4は、マゼンタ色材層3が含有している、「特定のマゼンタ色材」10x、他のマゼンタ色材10yの状態を模式的に示す熱転写シート1の部分概略断面図である。
変形例2のマゼンタ色材層3は、図5に示すように、基材1側から、第1のマゼンタ色材層3A、第2のマゼンタ色材層3Bがこの順で積層されてなる積層構成を呈しており、第1のマゼンタ色材層3Aが、マゼンタ色材10y、当該マゼンタ色材を溶解可能な溶媒、バインダー樹脂を含有している。また、第2のマゼンタ色材層3Bが、「特定のマゼンタ色材」、当該「特定のマゼンタ色材」を分散可能な「分散溶媒」、バインダー樹脂、及び分散剤を含有している。つまり、第1のマゼンタ色材層3Aは、上記で説明したマゼンタ色材層3Cと同じ構成をとり、第2のマゼンタ色材層3Bは、上記で説明したマゼンタ色材層3、或いは変形例1のマゼンタ色材層3と同じ構成をとる。なお、図5は、第1のマゼンタ色材層3Aが含有しているマゼンタ色材10y、及び第2のマゼンタ色材層3Bが含有している「特定のマゼンタ色材」10xの状態を模式的に示す熱転写シート1の部分概略断面図である。
次に、本発明のマゼンタ色材層用塗工液について説明する。本発明のマゼンタ色材層用塗工液は、上記で説明した熱転写シートのマゼンタ色材層を形成するための塗工液であって、キナクリドン系マゼンタ色材、及びジケトピロロピロール系マゼンタ色材の何れか一方、又は双方である「特定のマゼンタ色材」、当該「特定のマゼンタ色材」を分散可能な「分散溶媒」、バインダー樹脂、及び分散剤を含有していることを特徴としている。換言すれば、本発明のマゼンタ色材層用塗工液は、バインダー樹脂、分散剤、「分散溶媒」を含有しており、当該マゼンタ色材層用塗工液中に「特定のマゼンタ色材」が分散された状態で存在している。本発明のマゼンタ色材層用塗工液によれば、キックの発生を抑制することができ、かつ耐光性の高い画像を形成することができるマゼンタ色材層を得ることができる。「特定のマゼンタ色材」、「分散溶媒」、バインダー樹脂、及び分散剤は、上記本発明の熱転写シートで説明したものをそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
マゼンタ色材層用塗工液は、例えば、ペイントシェーカー、プロペラ型攪拌機、ディゾルバー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、2本ロールミル、3本ロールミル、超音波分散機、ニーダー、ラインミキサー、2軸押出機等を用いる従来公知の製造方法により製造することが出来る。マゼンタ色材層用塗工液を製造する1つの手法として、ビーズミル、ボールミルを用いる場合、用いるビーズ、ボールとしては、ガラス、セラミック、スチール、ジルコニア等が挙げられ、なかでもジルコニアビーズは特に硬度、耐磨耗性及び粒径の点から好適である。ビーズ径としては0.05〜2.0mmのものが好ましく、特に色材の初期粒径に応じてビーズ径を選定すればよい。
また、マゼンタ色材層用塗工液を製造する他の手法として、高シェアレートで、「特定のマゼンタ色材」、分散剤、バインダー樹脂の塊を混練し、それに、「分散溶媒」を加え、ペイントシェーカーにて「特定のマゼンタ色材」を分散させる手法がある。例えば、アイメックス(株)製 ウルトラビスコミル UVM−2を用いてジルコニアビーズ(平均直径0.3mm)、回転数1000rpmで10時間分散処理したインキと、関西ロール(株)製 2本ロールミルを用いてロール温度20℃、ロール回転数を前ロール20rpm、後ロール24rpmの条件にて、「特定のマゼンタ色材」、分散剤、バインダー樹脂を混練し、それに「分散溶媒」を加えペイントシェーカーにて分散させることにより調製できる。上記2つの手法で作製したマゼンタ色材層用塗工液における「特定のマゼンタ色材」の粒度分布は、両者とも前記粒度分布測定において、粒径が50nm〜300nmであることが確認できている。
上記2つの手法では、バインダー樹脂の存在下において、塗工液中に「特定のマゼンタ色材」を分散させているが、マゼンタ色材層用塗工液に含有されるバインダー樹脂の種別によっては、当該バインダー樹脂が、分散剤による「特定のマゼンタ色材」の分散性を阻害する場合がある。そこで、「特定のマゼンタ色材層用塗工液の調製方法」は、分散剤による「特定のマゼンタ色材」の分散性を十分に発揮させるべく、バインダー樹脂が存在しない、或いは、バインダー樹脂が微小に存在する条件下で、分散剤を用いて、「分散溶媒」を含む溶媒中に、「特定のマゼンタ色材」を分散してなる分散液を調製する。次いで、当該分散液に、バインダー樹脂、或いはバインダー樹脂を含む液を後添加することで、バインダー樹脂、「分散溶媒」を含む溶媒、分散剤を含有し、塗工液中に「特定のマゼンタ色材」が分散されてなるマゼンタ色材層用塗工液が調製される。この調製方法によれば、分散剤による「特定のマゼンタ色材」の分散性を阻害する要因となるバインダー樹脂の影響を受けない、或いは影響が小さい状態で、塗工液中に「特定のマゼンタ色材」を分散させることができ、上記2つの手法と比較して、最終的に調製されるマゼンタ色材層用塗工液中に、「特定のマゼンタ色材」を小さな粒径で存在させることができる。このマゼンタ色材層用塗工液の調製方法は、バインダー樹脂が存在しない、或いは微小に存在する条件下で色材の分散を行う点、「特定のマゼンタ色材」を分散させた後にバインダー樹脂を後添加する点以外は、上記2つの手法等を適宜選択して用いることができる。
次に、本発明の熱転写シートの製造方法について説明する。本発明の熱転写シートの製造方法は、基材の一方の面上にマゼンタ色材層用塗工液を塗工してマゼンタ色材層を形成するマゼンタ色材層形成工程を含み、マゼンタ色材層形成工程で用いられるマゼンタ色材層用塗工液が、キナクリドン系マゼンタ色材、及びジケトピロロピロール系マゼンタ色材の何れか一方、又は双方である上記「特定のマゼンタ色材」、当該「特定のマゼンタ色材」を分散可能な「分散溶媒」、バインダー樹脂、及び分散剤を含有していることを特徴としている。
マゼンタ色材層形成工程で用いられるマゼンタ色材層用塗工液は、上記で説明した本発明のマゼンタ色材層用塗工液をそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
次に、本発明の画像形成方法について説明する。本発明の画像形成方法は、基材の一方の面にマゼンタ色材層が設けられた熱転写シートと、他の基材の一方の面に受容層が設けられた熱転写受像シートとを組合せて使用して熱転写受像シート上に画像を形成する画像形成方法であって、熱転写シートのマゼンタ色材層が、キナクリドン系マゼンタ色材、及びジケトピロロピロール系マゼンタ色材の何れか一方、又は双方である上記「特定のマゼンタ色材」、当該「特定のマゼンタ色材」を分散可能な「分散溶媒」、バインダー樹脂、及び分散剤を含有していることを特徴とする。
本発明の画像形成方法で用いられる熱転写シートは、上記で説明した本発明の熱転写シートをそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
上記熱転写シートと組合せて用いられる熱転写受像シートは、他の基材と、当該他の基材上に設けられる受容層を必須の構成としている。熱転写受像シートは、この構成を備えるものであれば、いかなる限定もされることはなく、従来公知のあらゆる熱転写受像シートを適宜選択して用いることができる。
熱転写シートの色材層と、熱転写受像シートの受容層とを重ね合わせ、サーマルヘッド等の加熱手段により熱転写シートの背面側から熱を印加して、色材層に含まれる色材を受容層側に移行させることで画像を形成することができる。
トルエン/メチルエチルケトン=1/1混合溶媒を用い、色材の濃度が2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌した。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、マゼンタ色材の析出の有無を目視で確認した。確認の結果、マゼンタ色材の析出がない場合は、トルエン/メチルエチルケトンの混合溶媒に溶解可能なマゼンタ色材と判断し、析出が見られた場合はトルエン/メチルエチルケトンの混合溶媒分散可能な色材と判断した。
(マゼンタ色材層用塗工液1の作製)
下記組成のとおり、マゼンタ色材、分散剤、溶剤、及び粒径2.0mmジルコニアビーズ250質量部をガラス瓶に入れ密閉し、予備解砕としてペイントシェーカー(浅田鉄工社製)にて1時間振とうし、次いで前記ジルコニアビーズを取り除いてから粒径0.1mmのジルコニアビーズ250質量部をガラス瓶に入れ、同様に本解砕としてペイントシェーカーにて3時間分散を行うことで分散液(1)を作製した。次いで、作製した分散液(1)100部に対し、下記組成のバインダー液を50部添加することで、マゼンタ色材層用塗工液1を作製した。
・Pigment Violed 19(上式(1−2)で示される色材) 7.0部
・アクリル系ブロック型ポリマー分散剤 7.5部(固形分3.0部)
(BYK−LPN21116、重量平均分子量8000、固形分 40%、ビックケミー社製)
・メチルエチルケトン 42.75部
・トルエン 42.75部
・ポリビニルアセタール樹脂 2.0部
(KS−5、積水化学工業社製)
・メチルエチルケトン 24.0部
・トルエン 24.0部
基材として、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、下記組成のプライマー層用塗工液をワイヤーバーコーティングにより、固形分の塗工量が0.05g/m2になるように塗布、乾燥してプライマー層を形成した。次いで、プライマー層上に、上記マゼンタ色材層用塗工液1をワイヤーバーコーティングにより、固形分の塗工量が0.8g/m2になるように塗布、80℃2分乾燥して色材層を形成し、実施例1の熱転写シートを作製した。なお、上記基材の他方の面には、下記組成の背面層用塗工液をワイヤーバーコーティングにより、固形分の塗工量が1.0g/m2になるように塗布、乾燥して、背面層を予め形成しておいた。
・アルミナゾル(平均1次粒子径10×100nm(固形分10%)) 30部
(アルミナゾル200 日産化学工業(株))
・ポリビニルピロリドン樹脂) 3部
(K−90 ISP社)
・水 50部
・イソプロピルアルコール 17部
・ポリビニルブチラール樹脂 4.55部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 21.0部
(バーノックD750−45、固形分45質量%、大日本インキ化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 3.0部
(プライサーフA208N、第一工業製薬(株)製)
・タルク 0.7部
(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製)
・メチルエチルケトン 100部
・トルエン 100部
マゼンタ色材層用塗工液1にかえて、下記の方法で作製したマゼンタ色材層用塗工液2を使用した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例2の熱転写シートを作製した。
上記マゼンタ色材層用塗工液1の作製に用いた分散液(1)にかえて、当該分散液(1)におけるPigment Violed 19 7.0部を、上式(2−1)で示されるPigment Red 254 7.0部に変更した分散液(2)を使用した以外は、全てマゼンタ色材層用塗工液1と同様の作製方法にて、マゼンタ色材層用塗工液2を作製した。
マゼンタ色材層用塗工液1にかえて、下記の方法で作製したマゼンタ色材層用塗工液3を使用した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例3の熱転写シートを作製した。
上記マゼンタ色材層用塗工液1の作製に用いた分散液(1)にかえて、当該分散液(1)におけるアクリル系ブロック型ポリマー分散剤(BYK−LPN21116、重量平均分子量8000、固形分 40%、ビックケミー社製)7.5部(固形分3.0部)を、アクリル系ブロック型ポリマー分散剤(BYK−LPN6919、重量平均分子量9000、固形分 60%、ビックケミー社製)5.0部(固形分3.0部)に変更した分散液(3)を使用した以外は、全てマゼンタ色材層用塗工液1と同様の作製方法にて、マゼンタ色材層用塗工液3を作製した。
マゼンタ色材層用塗工液1にかえて、下記の方法で作製したマゼンタ色材層用塗工液4を使用した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例4の熱転写シートを作製した。
上記マゼンタ色材層用塗工液1の作製に用いた分散液(1)にかえて、当該分散液(1)におけるPigment Violed 19 7.0部を、上式(2−1)で示されるPigment Red 254 7.0部に変更し、アクリル系ブロック型ポリマー分散剤(BYK−LPN21116、重量平均分子量8000、固形分 40%、ビックケミー社製)7.5部(固形分3.0部)を、アクリル系ブロック型ポリマー分散剤(BYK−LPN6919、重量平均分子量9000、固形分 60%、ビックケミー社製)5.0部(固形分3.0部)に変更した分散液(4)を使用した以外は、全てマゼンタ色材層用塗工液1と同様の作製方法にて、マゼンタ色材層用塗工液4を作製した。
マゼンタ色材層用塗工液1にかえて下記の方法で作製したマゼンタ色材層用塗工液5を使用した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例5の熱転写シートを作製した。
分散時間を3時間から1時間に変更した以外は、全て分散液(1)の作製と同じ方法で分散液(1−1)を作製した。次いで、作製した分散液(1−1)100部に対し、上記組成のバインダー液を50部添加することで、マゼンタ色材層用塗工液5を作製した。
下記の方法で作製したマゼンタ色材層用塗工液6を使用した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例6の熱転写シートを作製した。
上記マゼンタ色材層用塗工液1の作製に用いた分散液(1)にかえて、下記組成の分散液(5)を使用した以外は、全てマゼンタ色材層用塗工液1の作製と同様にしてマゼンタ色材層用塗工液6を作製した。
・Pigment Violed 19(上式(1−2)で示される色材) 3.5部
・上式(3)で示されるピラゾロトリアゾール系マゼンタ色材 3.5部
・アクリル系ブロック型ポリマー分散剤 7.5部(固形分3.0部)
(BYK−LPN21116、重量平均分子量8000、固形分 40%、ビックケミー社製)
・メチルエチルケトン 42.75部
・トルエン 42.75部
マゼンタ色材層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ色材層用塗工液Aを使用した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例1の熱転写シートを作製した。
・ピラゾロトリアゾール系色材(上式(3)で示される色材) 1.5部
・ポリビニルアセタール樹脂 1.5部
(KS−5、積水化学工業社製)
・メチルエチルケトン 48.5部
・トルエン 48.5部
上記で作製した各実施例、及び比較例の熱転写シートを形成するためのマゼンタ色材層用塗工液について、色材の体積平均粒径(nm)を、上記で説明したレーザー光散乱粒度分布計による粒径の測定方法で測定した。粒径の測定結果を表1に示す。
上記で作製した各実施例、及び比較例の熱転写シートを形成するためのマゼンタ色材層用塗工液について、上記の色材分散条件にて調製したマゼンタ色材層用塗工液の初期の時と、常温で120時間放置した後で、沈殿物の有無を目視で観察し、以下の基準で塗工液の状態を評価した。評価結果を表1に示す。
1;全く沈殿物が無い。
2;ほぼ沈殿物が無い。
3;少し沈殿物が有る。
4;多くの沈殿物が有る。
熱転写シートの保存性を判断するために背面層への汚染性を評価した。汚染性の評価は、各実施例、及び比較例の熱転写シートのマゼンタ色材層面と、以下の背面層付基材の背面層面とを重ね合わせて20kg/cm2の荷重を加え40℃90%RHの環境に98時間保存し、背面層面への色材の移行性を評価した。移行性の評価は、保存前後の背面層面を、分光測定器(グレタグマクベス社製、spectrolino)により測定し、下記式で色差(ΔE*ab)を求めることにより行なった。測定結果を表1に併せて示す。背面層付基材は、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)上に、上記熱転写シートの作製で使用した上記組成の背面層用塗工液1をワイヤーバーコーティングにより、固形分の塗工量が1.0g/m2になるように塗工、乾燥して背面層を形成することで得たものである。
色差ΔE*ab=((Δa*)2+(Δb*)2)1/2
CIE1976 La*b*表色系(JIS Z8729(1980))参照
Δa*=a*(保存後)−a*(保存前)
Δb*=b*(保存後)−b*(保存前)
なお、a*及びb*は、CIE1976L*a*b*表色系に基づくものであり、a*及びb*は、知覚明度指数を表す。
また、ΔE*abの値が小さいほど、汚染性が少ない、換言すれば、キックの度合が少ないことを示す。
○・・・ΔE*abが10未満である。
△・・・ΔE*abが10以上である。
各熱転写シートのマゼンタ色材層と、下記の条件で作製した熱転写受像シートの受容層面とを対向させて重ね合わせ、熱転写シートの裏面からテストプリンターを用いて下記の印画条件1で印画を行い、0/255〜255/255(濃度Max)の階調パターン18stepのマゼンタ印画パターンを形成した。さらに、下記条件で作製した保護層転写シートを用い、下記印画条件2にて、マゼンタ印画パターン上に転写性保護層を転写することで最終印画物を得た。
多孔質ポリエチレンフィルム(トヨパール−SS P4255 東洋紡績(株)製 厚さ35μm)からなる多孔質フィルム層上に、下記組成の中間層用塗工液、受容層用塗工液をグラビアリバースコート方式で、順次塗布、乾燥して、中間層、受容層を形成した。その中間層、受容層の設けられた面と反対面の多孔質ポリエチレンフィルムに、下記組成の接着層用塗工液を用いて、グラビアリバースロールコート方式で塗布、乾燥して、接着層を形成し、RC原紙(155g/m2、厚さ151μm)(三菱製紙(株))と貼り合わせ熱転写受像シートを作製した。上記の各々の塗工量は、全て固形分で、中間層は1.5g/m2、受容層は5.0g/m2、接着層は5.0g/m2であった。
・ポリエステル樹脂 50部
(ポリエスターWR−905 日本合成化学工業(株)製)
・酸化チタン 20部
(TCA888 (株)トーケムプロダクツ製)
・蛍光増白剤 1.2部
(ユビテックスBAC チバ・スペシャリティーケミカルズ(株)製)
・水/イソプロピルアルコール=1/1 28.8部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 60部
(ソルバインC,日信化学工業(株)製)
・エポキシ変性シリコーン 1.2部
(X−22−3000T、信越化学工業(株)製)
・メチルスチル変性シリコーン 0.6部
(X−24−510,信越化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 5部
基材として、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を用い、当該基材の一方の面上に、下記組成の剥離層用塗工液1をワイヤーコーターバーにて固形分塗工量1.0g/m2となるように塗工し、110℃のオーブンにて1分間乾燥させることで剥離層を形成した。次いで、剥離層上に、上記熱転写シートの作製で使用した上記プライマー層用塗工液をワイヤーコーターバーにて固形分塗工量が0.2g/m2となるように塗工し、110℃のオーブンにて1分間乾燥させることでプライマー層を形成した。次いで、プライマー層上に、下記組成の接着層用塗工液を、ワイヤーコーターバーにて固形分塗工量1.0g/m2となるように塗工し、110℃のオーブンにて1分間乾燥させることで接着層を形成した。なお、上記基材の他方の面に、上記熱転写シートの作製で使用した上記組成の背面層用塗工液1をワイヤーバーコーティングにより、固形分の塗工量が1.0g/m2になるように塗工、乾燥して、背面層を予め形成しておいた。これにより、基材の一方の面上に、転写性保護層を構成する剥離層、プライマー層、接着層がこの順で設けられ、基材の他方の面上に背面層が設けられた保護層転写シートを得た。
・ポリメチルメタクリル酸(PMMA) 20部
(ダイヤナールBR−87 三菱レイヨン(株))
・トルエン 40部
・メチルエチルケトン 40部
・ポリエステル樹脂 23.5部
(バイロン700 東洋紡績(株))
・UVA化合物 6部
(チヌビン900 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株))
・シリカフィラー 0.5部
(サイリシア310P 富士シリシア(株))
・トルエン 35部
・メチルエチルケトン 35部
・サーマルヘッド:F3598(東芝ホクト電子株式会社製)
・発熱体平均抵抗値:5176(Ω)
・主走査方向印字密度:300dpi
・副走査方向印字密度:300dpi
・印画電力:0.12(W/dot)
・1ライン周期:2(msec.)
・パルスDuty:85%
・印画開始温度:35.5(℃)
・サーマルヘッド:F3598(東芝ホクト電子株式会社製)
・発熱体平均抵抗値:5176(Ω)
・主走査方向印字密度:300dpi
・副走査方向印字密度:300dpi
・印画電力:0.096(W/dot)
・1ライン周期:2(msec.)
・パルスDuty:85%
・印画開始温度:35.5(℃)
(照射条件)
・照射試験器:アトラス社製Ci35
・光源:キセノンランプ
・フィルタ:内側=IRフィルタ、外側=ソーダライムガラス
・ブラックパネル温度:45℃
・照射強度:1.2W/m2 −420nmでの測定値
・照射エネルギー:700kJ/m2 −420nmでの積算値
色差ΔE*ab=((Δa*)2+(Δb*)2)1/2
CIE1976 La*b*表色系(JIS Z8729(1980))参照
Δa*=a*(照射後)−a*(照射前)
Δb*=b*(照射後)−b*(照射前)
なお、a*及びb*は、CIE1976L*a*b*表色系に基づくものであり、a*及びb*は、知覚明度指数を表す。
また、ΔE*abの値が小さいほど、耐光性が良好であることを示す。
○・・・ΔE*abが10未満である。
△・・・ΔE*abが10以上である。
テストプリンターを用いて、各実施例の各熱転写シートと、上記で作製した熱転写受像シートを組み合わせて、上記印画条件1で、マゼンタ階調パターンを印画して、異常転写の有無を調べた。異常転写の評価は、以下の基準である。
1;異常転写が認められない。
2;実用上、問題ないレベルであるが、熱転写シートの熱転写受像シートとの印画後の剥離性で少し抵抗が強いレベルである。
3;異常転写が認められる。
各実施例の熱転写シートにおいて、セロハンテープをマゼンタ色材層表面に親指で、1往復擦って、貼り付け後、すぐに180度剥離にて、手で剥がし取ってマゼンタ色材層の基材との密着性を調べた。評価は剥がし取ったセロハンテープへのマゼンタ色材層の転移の状態を目視で調べて行なった。評価の基準は以下の通りである。密着性の評価結果を表2に示す。
1;セロハンテープへのマゼンタ色材層の転移は認められない。
2;セロハンテープへマゼンタ色材層の転移が、ごくわずか認められるが、実用上問題ない。
3;セロハンテープへマゼンタ色材層の転移が少し認められるが、実用上問題ない。
4;セロハンテープへマゼンタ色材層の転移が認められる。
3・・・マゼンタ色材層
5・・・背面層
10x・・・「分散溶媒」に分散可能な「特定のマゼンタ色材」
10y・・・溶媒に溶解可能マゼンタ色材
100・・・熱転写シート
Claims (10)
- 基材の一方の面にマゼンタ色材層が設けられた熱転写シートであって、
前記マゼンタ色材層は、所定の溶媒、下記の特定方法により当該所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材、下記の特定方法により当該所定の溶媒に溶解可能であると特定されるマゼンタ色材、バインダー樹脂、及び分散剤を含有しており、
前記所定の溶媒には、1つ、又は複数の溶媒が含まれ、前記所定の溶媒が複数である場合、前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記複数の溶媒の全てに対し分散可能であると特定されるマゼンタ色材であり、一方で、前記所定の溶媒に溶解可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記複数の溶媒の少なくとも1つに対し溶解可能であると特定されるマゼンタ色材であり、
前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材が、キナクリドン系マゼンタ色材、及びジケトピロロピロール系マゼンタ色材の何れか一方、又は双方であることを特徴とする熱転写シート。
(特定方法)
所定の溶媒に、目的とするマゼンタ色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とするマゼンタ色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に溶解可能な色材であると特定する。一方、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に分散可能なマゼンタ色材であると特定する。所定の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。 - 前記分散剤が、アクリル系ブロック型ポリマー分散剤であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
- 熱転写シートのマゼンタ色材層を形成するためのマゼンタ色材層用塗工液であって、
前記マゼンタ色材層用塗工液は、所定の溶媒、下記の特定方法により当該所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材、下記の特定方法により当該所定の溶媒に溶解可能であると特定されるマゼンタ色材、バインダー樹脂、及び分散剤を含有しており、
前記所定の溶媒には、1つ、又は複数の溶媒が含まれ、前記所定の溶媒が複数である場合、前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記複数の溶媒の全てに対し分散可能であると特定されるマゼンタ色材であり、一方で、前記所定の溶媒に溶解可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記複数の溶媒の少なくとも1つに対し溶解可能であると特定されるマゼンタ色材であり、
前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材が、キナクリドン系マゼンタ色材、及びジケトピロロピロール系マゼンタ色材の何れか一方、又は双方であることを特徴とするマゼンタ色材層用塗工液。
(特定方法)
所定の溶媒に、目的とするマゼンタ色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とするマゼンタ色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に溶解可能な色材であると特定する。一方、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に分散可能なマゼンタ色材であると特定する。所定の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。 - 前記分散剤が、アクリル系ブロック型ポリマー分散剤であることを特徴とする請求項3に記載のマゼンタ色材層用塗工液。
- 前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記マゼンタ色材層用塗工液中に50nm以上300nm以下の粒径で分散されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のマゼンタ色材層用塗工液。
- 熱転写シートの製造方法であって、
基材の一方の面上にマゼンタ色材層用塗工液を塗工してマゼンタ色材層を形成するマゼンタ色材層形成工程を含み、
前記マゼンタ色材層形成工程で用いられる前記マゼンタ色材層用塗工液は、所定の溶媒、下記の特定方法により当該所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材、下記の特定方法により当該所定の溶媒に溶解可能であると特定されるマゼンタ色材、バインダー樹脂、及び分散剤を含有しており、
前記所定の溶媒には、1つ、又は複数の溶媒が含まれ、前記所定の溶媒が複数である場合、前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記複数の溶媒の全てに対し分散可能であると特定されるマゼンタ色材であり、一方で、前記所定の溶媒に溶解可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記複数の溶媒の少なくとも1つに対し溶解可能であると特定されるマゼンタ色材であり、
前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材が、キナクリドン系マゼンタ色材、及びジケトピロロピロール系マゼンタ色材の何れか一方、又は双方であることを特徴とする熱転写シートの製造方法。
(特定方法)
所定の溶媒に、目的とするマゼンタ色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とするマゼンタ色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に溶解可能な色材であると特定する。一方、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に分散可能なマゼンタ色材であると特定する。所定の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。 - 前記分散剤が、アクリル系ブロック型ポリマー分散剤であることを特徴とする請求項6に記載の熱転写シートの製造方法。
- 前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記マゼンタ色材層用塗工液中に50nm以上300nm以下の粒径で分散されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の熱転写シートの製造方法。
- 基材の一方の面にマゼンタ色材層が設けられた熱転写シートと、他の基材の一方の面に受容層が設けられた熱転写受像シートとを組合せて使用して熱転写受像シート上に画像を形成する画像形成方法であって、
前記熱転写シートの前記マゼンタ色材層は、所定の溶媒、下記の特定方法により当該所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材、下記の特定方法により当該所定の溶媒に溶解可能であると特定されるマゼンタ色材、バインダー樹脂、及び分散剤を含有しており、
前記所定の溶媒には、1つ、又は複数の溶媒が含まれ、前記所定の溶媒が複数である場合、前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記複数の溶媒の全てに対し分散可能であると特定されるマゼンタ色材であり、一方で、前記所定の溶媒に溶解可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記複数の溶媒の少なくとも1つに対し溶解可能であると特定されるマゼンタ色材であり、
前記マゼンタ色材層が含有している、前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材が、キナクリドン系マゼンタ色材、及びジケトピロロピロール系マゼンタ色材の何れか一方、又は双方であることを特徴とする画像形成方法。
(特定方法)
所定の溶媒に、目的とするマゼンタ色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とするマゼンタ色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に溶解可能な色材であると特定する。一方、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に分散可能なマゼンタ色材であると特定する。所定の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。 - 前記マゼンタ色材層が含有している前記分散剤が、アクリル系ブロック型ポリマー分散剤であることを特徴とする請求項9に記載の画像形成方法。
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