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JP6344256B2 - 光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の接着方法 - Google Patents

光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の接着方法 Download PDF

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Description

本発明は、特定の光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を基材に接着させる方法に関する。
従来、アルケニル基とヒドロシリル基との付加反応を利用した硬化性含フッ素エラストマー組成物は公知であり、更に第3成分として、ヒドロシリル基とエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基を有するオルガノポリシロキサンを添加することにより自己接着性を付与した組成物が提案されている(特許文献1及び2)。これは、比較的短時間の加熱により硬化させることができ、得られる硬化物は、耐溶剤性、耐薬品性、耐熱性、低温特性、低透湿性、電気特性に優れているので、これらの特性が要求される各種工業分野の接着用途に使用される。特に、自動車工業において電装部品の接着シール剤として多用されている。
近年、省エネルギー化や生産性の向上の観点から、より低温で、且つ短時間で硬化・接着可能なエラストマー材料の開発が求められている。上記加熱硬化タイプの接着剤組成物で速硬化性を得ようとすると、保存安定性や可使時間が犠牲になってしまい、逆に良好な保存安定性や可使時間の確保には速硬化性が犠牲になる、というジレンマがあった。また、一度の加熱処理で硬化工程と接着工程を担っているため、より低温で硬化物と基材との接着性を得ようとした場合、硬化工程に時間がかかってしまい、その結果短時間で硬化物と接着性を得ることが困難であった。
一方、撥水撥油性、耐薬品性などに優れたエラストマー組成物として、(A)少なくとも2個のアルケニル基を有し、パーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状フルオロポリエーテル化合物、(B)少なくとも2個のメルカプト基を有し、1価フルオロアルキル基又は1価フルオロポリエーテル基を有するオルガノポリシロキサン、(C)光開始剤を含有する光硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物が開発されており、自動車用、化学プラント用、インクジェットプリンター用、半導体用製造ライン用など、各種電気電子部品のコーティング材、ポッティング材としての応用が期待される(特許文献3)。
しかし、上記光硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物は、硬化物がゲル状又はゴム状で非常に軟らかく、また各種基材へ接着性を持たないため、各種基材へのコーティング、ポッティング用途としては好適な材料ではあるが、封止材、接着シール材など、基材への接着性を求められる用途や、エラストマー材料としての強度が求められる用途には適用が困難な材料であった。
よって、後者のような用途にも適用可能で、室温で良好な保存性と速硬化性を兼ね備え、低温且つ短時間の加熱処理で自己接着性を発現するフルオロエラストマー材料の開発が望まれていた。
特許第3239717号公報 特許第3567973号公報 特開2007−106875号公報
従って、本発明は、組成物は良好な保存安定性と速硬化性を併せ持ち、且つ比較的低温にて短時間で接着が可能である、という特長を有する光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の接着方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、以下、光硬化工程と加熱接着工程の2段階の工程を経ることで、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物をより低温且つ短時間で各種基材に接着させることが可能であることを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明は、下記の光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の接着方法を提供するものである。
〔1〕
下記(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分を含有する光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を光照射により硬化させ、得られた硬化物を80℃〜200℃に加熱すること特徴とする、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を基材に接着させる方法であって、
光照射において、使用する光が、発光スペクトルにおける300nmから400nmの領域に最大ピーク波長を有し、且つ該光の300nmより短い波長領域にある各波長の放射照度が前記最大ピーク波長の放射照度5%以下であり、
照射する光の365nm積算光量が1,000mJ/cm〜50,000mJ/cmである方法。
(A)下記式(1)で表される、分岐を有する鎖状フルオロポリエーテル化合物
CH=CH−(X)−Rf−(X’)−CH=CH (1)
[式中、Xは−CH−、−CHO−、−CHOCH−又は−Y−NR−CO−
(ここで、Yは−CH−、−Si(CHCHCHCH−、−Si(CH)(CH=CH)CHCHCH−、−Si(CH=CHCHCHCH−又は下記構造式(Z)
(式(Z)中、R、Rはそれぞれ独立に−CH又は−CH=CHである。)
で示されるo−、m−又はp−シリルフェニレン基であり、
は水素原子又は非置換若しくは置換の1価炭化水素基である)であり、
X’は−CH−、−OCH−、−CHOCH−又は−CO−NR−Y’−
(ここで、Y’は−CH−、−CHCHCHSi(CH−、−CHCHCHSi(CH)(CH=CH)−、−CHCHCHSi(CH=CH−又は下記構造式(Z’)
(式(Z’)中、R3’、R4’はそれぞれ独立に−CH又は−CH=CHである。)
で示されるo−、m−又はp−シリルフェニレン基であり、Rは水素原子又は非置換若しくは置換の1価炭化水素基である)である。
gは独立に0又は1である。
Rfは下記式(i)又は(ii)
(式中、p及びqはそれぞれ0又は1〜150の整数であって、且つpとqの和の平均は2〜200である。rは0〜6の整数であり、tは2又は3である。)
(式中、uは1〜200の整数であり、vは1〜50の整数であり、tは2又は3である。)
で表される2価のパーフルオロポリエーテル基である。]
(B)1分子中にケイ素原子に直結した水素原子を2個以上有する含フッ素オルガノ水素シロキサン
(C)光活性型ヒドロシリル化反応触媒
(D)疎水性シリカ粉末、並びに、
(E)1分子中にケイ素原子に直結した水素原子と、炭素原子又は炭素原子と酸素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基をそれぞれ1個以上有するオルガノシロキサン
〔2〕
上記(B)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサンが、1分子中に1個以上の1価のパーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロオキシアルキル基、2価のパーフルオロアルキレン基、又は2価のパーフルオロオキシアルキレン基を有する〔1〕記載の光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を基材に接着させる方法。
〔3〕
上記(C)成分の光活性型ヒドロシリル化反応触媒が(η−シクロペンタジエニル)トリ(σ―アルキル)白金(IV)である〔1〕又は〔2〕記載の光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を基材に接着させる方法。
〔4〕
上記(C)成分の光活性型ヒドロシリル化反応触媒がβ―ジケトナト白金(II)錯体である〔1〕又は〔2〕記載の光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を基材に接着させる方法。
〔5〕
上記(E)成分のオルガノシロキサンが、更に炭素原子又は炭素原子と酸素原子を含む2価の連結基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基を1個以上有する〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載の光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を基材に接着させる方法。
〔6〕
更に、(F)成分としてヒドロシリル化反応の反応制御剤を含む〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載の光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を基材に接着させる方法。
〔7〕
更に、(G)成分としてカルボン酸無水物を含む〔1〕〜〔6〕のいずれか1項記載の光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を基材に接着させる方法。
〔8〕
光照射において、光学フィルターを用い、300nmより短い波長領域にある各波長の放射照度が、最大ピーク波長の放射照度の5%以下とする〔7〕記載の光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を基材に接着させる方法。
本発明の接着方法は、主に、300〜400nmの光照射により光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を基材上で硬化させる工程(光硬化工程)と、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー硬化物を、80℃〜200℃の加熱処理により、各種基材と接着させる工程(加熱接着工程)とで、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を比較的低温且つ短時間で各種基材に接着することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物
本発明に用いる光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物は次の(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分を含有するものである。
〔(A)成分〕
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物における(A)成分は、上記式(1)で表されるものである。
ここで、R及びRとしては、水素原子、炭素数1〜12、特に1〜10の炭化水素基が好ましく、該炭化水素基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基などや、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素等のハロゲン原子で置換した置換1価炭化水素基などが好ましいものとして挙げられる。
ここで、上記式(1)中のRfは2価のパーフルオロポリエーテル基であり、下記式(i)又は(ii)で表されるものである。
(式(i)中、p及びqはそれぞれ1〜150の整数、好ましくは10〜150の整数であって、且つpとqの和の平均は、2〜200、好ましくは20〜160である。また、rは0〜6の整数、好ましくは0〜4の整数であり、tは2又は3である。)
(式(ii)中、uは1〜200の整数、好ましくは20〜160の整数であり、vは1〜50の整数、好ましくは5〜40の整数であり、tは2又は3である。)
Rf基の好ましい例としては、例えば、下記の3つのものが挙げられる。この内、特に1番目の式の構造の2価の基が好ましい。
(式中、p1及びq1はそれぞれ1〜150の整数であり、p1+q1(平均)=2〜200である。Lは2〜6の整数である。)
(式中、p2及びq2はそれぞれ1〜150の整数であり、p2+q2(平均)=2〜200である。Lは2〜6の整数である。)
(式中、u1は1〜200の整数であり、v1は1〜50の整数である。)
(A)成分の好ましい例としては、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
[式(2)中、Xは−CH−、−CHO−、−CHOCH−又は−Y−NR11−CO−(Yは前記と同じものを示し、R11は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である)を示し、X’は−CH−、−OCH−、−CHOCH−又は−CO−NR12−Y’−(R12は上記R11と同じものを示し、Y’は前記と同じものを示す)で表される基であり、gは独立に0又は1であり、Lは2〜6の整数であり、p3及びq3はそれぞれ1〜150の整数であり、p3+q3(平均)=2〜200である。]
式(1)で表される鎖状フルオロポリエーテル化合物の具体例としては、下記式で表されるものが挙げられる。
(式中、p’及びq’はそれぞれ1〜150の整数であり、p’+q’=6〜200を満足する数を示す。)
(式中、p”及びq”はそれぞれ1〜150の整数であり、p”+q”=2〜200を満足する数を示す。)
上記式(1)で表される鎖状フルオロポリエーテル化合物に含まれるアルケニル基量は0.005〜0.050モル/100gが好ましく、更に好ましくは0.007〜0.040モル/100gである。鎖状フルオロポリエーテル化合物に含まれるアルケニル基量が少なすぎると硬化物の物理的強度が低下したり、硬化物が得られなくなる場合がある。鎖状フルオロポリエーテル化合物に含まれるアルケニル基量が多すぎると得られる硬化物が脆く割れやすい場合がある。
なお、上記式(1)の鎖状フルオロポリエーテル化合物の粘度(23℃)は、100〜100,000mPa・s、より好ましくは500〜50,000mPa・s、更に好ましくは1,000〜20,000mPa・sの範囲内にあることが、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物をシール、ポッティング、コーティング、含浸等に使用する際に、硬化物においても適当な物理的特性を有しているので望ましい。式(1)の鎖状フルオロポリエーテル化合物は用途に応じて最も適切な粘度のものを選択する。また、低粘度のポリマーと高粘度のポリマーを混合し、所望の粘度に調整して用いることも可能である。
更に、上記式(1)の鎖状フルオロポリエーテル化合物を目的に応じた所望の重量平均分子量に調節して使用するため、予め上記したような鎖状フルオロポリエーテル化合物を分子内にヒドロシリル基(Si−H基)を2個含有する有機ケイ素化合物と通常の方法及び条件でヒドロシリル化反応させ、鎖長延長した生成物を(A)成分として使用することも可能である。
これらの鎖状フルオロポリエーテル化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
(A)成分の、1分子中に2個以上のアルケニル基を有する鎖状フルオロポリエーテル化合物の組成物中の配合量は、50〜99質量%とすることが好ましく、特に70〜95質量%、更に80〜95質量%とすることが好ましい。
〔(B)成分〕
(B)成分は、1分子中に含フッ素有機基を1個以上、好ましくは1〜10個有し、且つケイ素原子に直結した水素原子(即ち、Si−Hで示されるヒドロシリル基)を2個以上、好ましくは3〜50個有する含フッ素オルガノ水素シロキサンである。(B)成分は、上記(A)成分の架橋剤及び/又は鎖長延長剤として機能するものであり、また、(A)成分との相溶性、分散性、硬化後の均一性等の観点から、含フッ素有機基として、1分子中に1個以上の1価のパーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロオキシアルキル基、2価のパーフルオロアルキレン基、又は2価のパーフルオロオキシアルキレン基等のフッ素含有基を有するものが好ましい。
この1価又は2価の含フッ素有機基としては、例えば下記式で表されるもの等を挙げることができる。
2g+1
−C2g
(式中、gは1〜20の整数、好ましくは2〜10の整数である。)
(式中、fは1〜200の整数、好ましくは1〜100の整数、hは1〜3の整数である。)
(式中、i及びjはそれぞれ1以上の整数、好ましくは1〜100の整数であり、i+jの平均は2〜200、好ましくは2〜100である。)
−(CFO)−(CFCFO)−CF
(式中、d及びeはそれぞれ1〜50の整数、好ましくは1〜40の整数である。)
また、これらパーフルオロアルキル基、パーフルオロオキシアルキル基、パーフルオロアルキレン基又はパーフルオロオキシアルキレン基とケイ素原子とは2価の連結基により繋がれていることが好ましく、該2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基及びそれらの組み合わせ、若しくはこれらの基にエーテル結合酸素原子、アミド結合、カルボニル結合、エステル結合、ジオルガノシリレン基等を介在させたものであってもよく、例えば、以下の炭素数2〜12の2価の連結基等が挙げられるが、これらに限定されない。
(式中、Phはフェニル基であり、Ph’はフェニレン基である。)
また、この(B)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサンにおける上記1価又は2価の含フッ素有機基及びケイ素原子に結合した水素原子以外のケイ素原子に結合した1価の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基及びこれらの基の水素原子の一部又は全部が塩素原子、シアノ基等で置換された、例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、シアノエチル基等の炭素数1〜20、好ましくは1〜12の非置換又は置換の1価炭化水素基が挙げられる。
(B)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサンとしては、環状、鎖状、三次元網状及びそれらの組み合わせのいずれでもよい。この含フッ素オルガノハイドロジェンポリシロキサンのケイ素原子数は、特に制限されるものではないが、通常2〜60、好ましくは3〜30程度である。
このような1価又は2価の含フッ素有機基及びケイ素原子結合水素原子を有する(B)成分としては、例えば下記の化合物が挙げられる。これらの化合物は、1種単独でも2種以上を併用して用いてもよい。なお、下記式において、Meはメチル基を示し、Phはフェニル基を示す。
上記(B)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサンに含まれるSi−H基量は0.00050〜0.01000モル/gが好ましく、更に好ましくは0.00100〜0.00800モル/gである。含フッ素オルガノ水素シロキサンに含まれるSi−H基量が少なすぎると架橋密度が不十分となり得られる硬化物の物理的特性が低下する場合がある。また、含フッ素オルガノ水素シロキサンに含まれるSi−H基量が多すぎると硬化時に発泡したり、得られる硬化物の物理的特性が経時で大きく変化したりする場合がある。
これらの含フッ素オルガノ水素シロキサンは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
上記(B)成分の配合量は、(A)成分中に含まれるビニル基、アリル基、シクロアルケニル基等のアルケニル基1モルに対し、(B)成分中のヒドロシリル基、即ちSi−H基が0.5〜3.0モルとなる量が好ましく、特に0.8〜2.0モルとなる量が好ましい。ヒドロシリル基(≡Si−H)が少なすぎると、架橋密度が不十分となる結果、硬化物が得られないことがある。また、ヒドロシリル基(≡Si−H)が多すぎると硬化時に発泡することがある。
〔(C)成分〕
(C)成分は、光活性型ヒドロシリル化反応触媒である。光活性型ヒドロシリル化反応触媒は、光、特に300〜400nmの紫外線の照射によって活性化され、(A)成分中のアルケニル基と、(B)成分中のヒドロシリル基との付加反応を促進する触媒である。この光活性型ヒドロシリル化反応触媒は、主に白金族系金属触媒及びニッケル系金属触媒が挙げられ、白金族系金属触媒としては白金系、パラジウム系、ロジウム系の金属錯体化合物、ニッケル系金属触媒としてはニッケル系、鉄系、コバルト系の金族錯体化合物が挙げられる。中でも白金系金属錯体化合物は、比較的入手し易く且つ良好な触媒活性を示すため好ましい。
光活性型の白金系金属錯体化合物としては、例えば、(η−シクロペンタジエニル)トリ(σ―アルキル)白金錯体化合物やβ―ジケトナト白金錯体化合物などがあり、具体的には(メチルシクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)、(シクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)、(1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)、(シクロペンタジエニル)ジメチルエチル白金(IV)、(シクロペンタジエニル)ジメチルアセチル白金(IV)、(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)、(メトキシカルボニルシクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)、(ジメチルフェニルシリルシクロペンタジエニル)トリメチルシクロペンタジエニル白金(IV)、トリメチル(アセチルアセトナト)白金(IV)、トリメチル(3,5−ヘプタンジオネート)白金(IV)、トリメチル(メチルアセトアセテート)白金(IV)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)白金(II)、ビス(2,4−へキサンジオナト)白金(II)、ビス(2,4−へプタンジオナト)白金(II)、ビス(3,5−ヘプタンジオナト)白金(II)、ビス(1−フェニル−1,3−ブタンジオナト)白金(II)、ビス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)白金(II)、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)白金(II)などが挙げられる。
これらの触媒の使用にあたっては、それが固体触媒であるときには固体状で使用することも可能であるが、より均一な硬化物を得るためには適切な溶剤に溶解したものを(A)成分のフルオロポリエーテル化合物に相溶させて使用することが好ましい。
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して金属原子換算で0.1〜500ppmが好ましく、特に1〜100ppmが好ましい。配合量が少なすぎると、十分な光硬化性が得られず、一方多すぎると硬化物の耐熱性に悪影響を及ぼす可能性がある。
〔(D)成分〕
(D)成分は、疎水性シリカ粉末であり、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物から得られる硬化物に適切な物理的強度を付与すると同時に、後述する(F)成分のオルガノシロキサンを該組成物中に均一に分散させる作用を有するものである。この(D)成分の疎水性シリカ粉末としては、シリコーンゴム用充填剤として公知のBET比表面積が50m/g以上、特に50〜400m/gの微粉末シリカを疎水化処理したものが好適である。
BET比表面積が50m/g未満の場合は、得られる硬化物の物理的強度が不十分であり、また、(F)成分が均一に分散しないことがある。400m/gを超えると混練作業が困難となり、(D)成分の分散が不均一になる場合がある。微粉末シリカとしては、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、コロイドシリカ等が例示されるが、これらの中では煙霧質シリカが最も好ましい。なお、本願におけるBET比表面積は、DIN 66131に準拠して測定した。
また、上記微粉末シリカの疎水化処理剤としては、オルガノクロロシラン、オルガノジシラザン、環状オルガノポリシラザン、線状オルガノポリシロキサン等が例示されるが、これらの中ではオルガノクロロシラン、オルガノジシラザン、環状オルガノポリシラザンが好ましい。
この(D)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部が好ましく、1〜25質量部がより好ましい。配合量が0.5質量部未満の場合には、得られる硬化物の物理的特性が低下し、且つ接着性が不安定になることがある。一方、30質量部を超えると組成物の流動性が悪くなり、また光による硬化性も著しく低下することがある。
〔(E)成分〕
(E)成分であるオルガノシロキサンは、これを配合することによって光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物に自己接着性を十分に発現させることができる。該オルガノシロキサンは、1分子中にケイ素原子に直結した水素原子と、炭素原子又は炭素原子と酸素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基をそれぞれ1個以上有するオルガノシロキサンであり、好ましくは更に、炭素原子又は炭素原子と酸素原子を含む2価の連結基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基を1個以上有するオルガノシロキサンである。
このオルガノシロキサンのシロキサン骨格は、環状、鎖状、分岐状などのいずれでもよく、またこれらの混合形態でもよい。(E)成分であるオルガノシロキサンとしては、下記平均組成式で表わされるものを用いることができる。
(式中、Rは独立に非置換又はハロゲン置換の1価炭化水素基であり、Aは炭素原子又は炭素原子と酸素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基を示し、Bは、炭素原子又は炭素原子と酸素原子を含む2価の連結基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基を示す。wは0≦w≦100、xは1≦x≦100、yは1≦y≦100、zは0≦z≦100を示す。)
上記式中、Rの非置換又はハロゲン置換の1価炭化水素基としては、炭素数1〜10、特に1〜8のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基などや、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素等のハロゲン原子で置換した置換1価炭化水素基などが挙げられ、この中で特にメチル基が好ましい。
wは0≦w≦20が好ましく、xは1≦x≦20が好ましく、yは1≦y≦20が好ましく、zは1≦z≦20が好ましく、w+x+y+zは3≦w+x+y+z≦50が好ましい。
Aは炭素原子又は炭素原子と酸素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基を示し、具体的には、下記の基を挙げることができる。
(式中、Rは酸素原子が介在してもよい炭素数1〜10、特に1〜5の2価炭化水素基で、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等のアルキレン基、シクロへキシレン基等のシクロアルキレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基等のオキシアルキレン基などを示す。)
−R10−Si(OR11
(式中、R10は炭素数1〜10、特に1〜4の2価炭化水素基であり、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、シクロヘキシレン基、オクチレン基等のアルキレン基などを示し、R11は独立に炭素数1〜8、特に1〜4の1価炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基などを示す。)
(式中、R12は独立に炭素数1〜8、特に1〜4の1価炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基などを示し、R13は水素原子又はメチル基であり、kは2〜10の整数、好ましくは2〜6の整数を示す。)
Aとして、具体的には、下記に示すものを例示することができる。
Bは、炭素原子又は炭素原子と酸素原子を含む2価の連結基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基を示す。1価のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基の例としては、例えば、下記式で表されるもの等を挙げることができる。
2g+1
(式中、gは1〜20の整数、好ましくは2〜10の整数である。)
(式中、fは1〜200の整数、好ましくは1〜100の整数、hは1〜3の整数である。)
炭素原子又は炭素原子と酸素原子を含む2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基及びそれらの組み合わせ、若しくはこれらの基にエーテル結合酸素原子、アミド結合、カルボニル結合等を介在させたものであってもよく、例えば、以下の炭素数2〜12の2価の連結基等が挙げられるが、これらに限定されない。
−CHCH−、
−CHCHCH−、
−CHCHCHOCH−、
−CHCHCH−NH−CO−、
−CHCHCH−N(CH)−CO−、
−CHCHCH−N(Ph)−CO−
(式中、Phはフェニル基である。)
Bとして、具体的には、下記に示すものを例示することができる。
(式中、Phはフェニル基である。)
これらのオルガノシロキサンは、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子(Si−H基)を3個以上有するオルガノ水素ポリシロキサンにビニル基、アリル基等の脂肪族不飽和基とエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基とを含有する化合物、更に必要により脂肪族不飽和基とパーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基とを含有する化合物を、常法に従って部分付加反応させることにより得ることができる。なお、上記脂肪族不飽和基の数は、Si−H基の数より少ない必要がある。
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物におけるこのオルガノシロキサンの製造に際しては、反応終了後に目的物質を単離してもよいが、未反応物及び付加反応触媒を除去しただけの混合物を使用することもできる。
(E)成分として用いられるオルガノシロキサンとして、具体的には、下記の構造式で示されるものが例示される。なお、これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、Meはメチル基であり、Phはフェニル基である。
(式中、x1は1〜8、y1は1〜3、w1は1〜4、y2は1〜3である。)
(式中、x3は1〜8、w2は1〜4、z2は1〜3、y4は1〜3である。)
(E)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、特に0.2〜5質量部が好ましい。(E)成分の配合量が(A)成分100質量部に対して0.1質量部未満の場合には十分な接着性が得られないことがある。(E)成分の配合量が(A)成分100質量部に対して10質量部を超えると組成物の流動性が悪くなり、得られる硬化物の物理的強度が低下し、また硬化性を阻害することがある。
本発明に用いる光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物には、更に、以下の成分を添加してもよい。
〔(F)成分〕
(F)成分は、ヒドロシリル化反応の反応制御剤である。ここでの反応制御剤の例としては、例えば1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンテン−3−オール、フェニルブチノールなどのアセチレンアルコールや、3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のアセチレン化合物、以下の構造式で示される含フッ素アセチレンアルコール化合物、
ポリメチルビニルシロキサン環式化合物及び有機リン化合物などが挙げられる。これら反応制御剤は、その化学構造によって制御能力が異なるため、添加量についてはそれぞれ最適な量に調整すべきである。一般的に制御剤の添加量が少なすぎると室温での長期保存安定性が得られず、多すぎると硬化性が鈍くなり十分な硬化性が得られなくなる可能性がある。
〔(G)成分〕
(G)成分であるカルボン酸無水物は、これを配合することによって(E)成分の接着付与能力を向上させ、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の接着性の発現を促進させるためのものである。このような成分としては、エポキシ樹脂用の硬化剤として使用されているものはすべて包含され、室温で固体状でも液体状でもよく、トリアルコキシシリル基を含んでいてもよい。
具体的には下記の構造式で示されるものが例示される。なお、これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(G)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対し、0.1〜2.0質量部が好ましく、特に0.1〜1.0質量部の範囲が望ましい。(G)成分の配合量は(A)成分100質量部に対して0.1質量部未満の場合には十分な接着促進効果が得られない。(G)成分の配合量は(A)成分100質量部に対して2.0質量部を超えると組成物の保存性が悪くなり、得られる硬化物の物理的強度が低下し、且つ経時変化することが多いので好ましくない。
〔その他の成分〕
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物においては、その実用性を高めるために上記の成分以外にも、可塑剤、粘度調節剤、可撓性付与剤、無機充填剤、接着促進剤、シランカップリング剤等の各種配合剤を必要に応じて添加することができる。これら添加剤の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲、及び組成物の特性及び硬化物の物性を損なわない限りにおいて任意である。
可塑剤、粘度調節剤、可撓性付与剤として、下記式(3)で表されるポリフルオロモノアルケニル化合物及び/又は下記式(4)若しくは(5)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物を併用することができる。
Rf−(X’)CH=CH (3)
[式中、X’、aは上記と同じ、Rfは、下記式(iii)である。
(式中、f1は1以上の整数、好ましくは2〜100の整数であり、tは上記と同じであり、且つ上記(A)成分のRf基に関するp+q(平均)及びrの和、並びにu及びvの和のいずれの和よりも小さい。)]
D−O−(CFCFCFO)c1−D (4)
(式中、Dは式:C2s+1−(sは1〜3)で表される基であり、c1は1〜200の整数、好ましくは2〜100の整数であり、且つ、前記(A)成分のRf基に関するp+q(平均)及びrの和、並びにu及びvの和のいずれの和よりも小さい。)
D−O−(CFO)d1(CFCFO)e1−D (5)
(式中、Dは上記と同じであり、d1及びe1はそれぞれ1〜200の整数、好ましくは1〜100の整数であり、且つ、d1とe1の和は、前記(A)成分のRf基に関するp+q(平均)及びrの和、並びにu及びvの和のいずれの和以下である。)
上記式(3)で表されるポリフルオロモノアルケニル化合物の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる(なお、下記f1’は、上記要件を満足するものである。)。
上記式(4)又は(5)で表される直鎖状ポリフルオロ化合物の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられる(なお、下記c1’、及びd1’とe1’の和は、上記要件を満足するものである。)。
CFO−(CFCFCFO)c1’−CFCF
CF−[(OCFCFe1’(OCFd1’]−O−CF
(式中、c1’は1〜200の整数であり、d1’は1〜200の整数、e1’は1〜200の整数で、d1’+e1’=2〜200である。)
上記式(3)〜(5)の化合物の配合量は、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物中の(A)成分、特に上記式(1)のポリフルオロジアルケニル化合物100質量部に対して1〜300質量部が好ましく、特に50〜250質量部が好ましい。また、回転粘度計による粘度(23℃)は、ポリフルオロジアルケニル化合物と同様の理由により、5〜100,000mPa・sの範囲であることが望ましい。
無機充填剤として、例えば、石英粉末、溶融石英粉末、珪藻土、炭酸カルシウム等の補強性又は準補強性充填剤、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、アルミン酸コバルト等の無機顔料、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、酸化セリウム、水酸化セリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸マンガン等の耐熱向上剤、アルミナ、窒化硼素、炭化ケイ素、金属粉末等の熱伝導性付与剤、カーボンブラック、銀粉末、導電性亜鉛華等の導電性付与剤等を添加することができる。
また、チタン酸エステル等の接着促進剤、エポキシ基含有シラン等のシランカップリング剤を添加することができる。
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物は、上記した(A)〜(E)成分とその他の任意成分とをプラネタリーミキサー、ロスミキサー、ホバートミキサー等の混合装置、必要に応じてニーダー、三本ロール等の混練装置を使用して均一に混合することによって製造することができる。
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の接着方法
本発明の光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の接着方法は、以下「光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の光硬化方法」と「光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の加熱接着方法」とを含む。
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の光硬化方法
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物は、光照射により硬化される。硬化の際、照射する光は発光スペクトルにおける最大ピーク波長が300〜400nmの領域にあり、且つ300nmより短い波長領域にある各波長の放射照度は前記最大ピーク波長の放射照度の5%以下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.1%以下、つまり0に近ければ近いほど好ましい。300nmより短い波長領域にあり、放射照度が前記最大ピーク波長の放射照度の5%より大きい波長を有する光を照射すると、ポリマー末端基の分解が起きたり、触媒の一部が分解するなどして、十分な硬化物を得ることができない可能性がある。
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を硬化させるのに用いる活性光線種は特に限定はされないが、紫外線であることが好ましい。紫外線照射量(照度)は、積算光量として好ましくは1,000mJ/cm〜50,000mJ/cm、より好ましくは2,000mJ/cm〜20,000mJ/cm、さらに好ましくは5,000〜10,000mJ/cmとすることが良好な硬化性を得る上で望ましい。紫外線照射量(照度)が上記範囲未満の場合、組成物中の光活性型ヒドロシリル化反応触媒を活性化するのに十分なエネルギーが得られず、十分な硬化物を得ることができない可能性があり、一方、紫外線照射量(照度)が上記範囲以上の場合、組成物に必要以上のエネルギーが照射され、ポリマー末端基の分解が起こったり、触媒の一部が失活したりするなどして、十分な硬化物を得ることができない可能性がある。
紫外線照射は複数の発光スペクトルを有する光であっても、単一の発光スペクトルを有する光であってもよい。また、単一の発光スペクトルは300nmから400nmの領域にブロードなスペクトルを有するものであってもよい。単一の発光スペクトルを有する光は、300nmから400nm、好ましくは350nmから380nmの範囲にピーク(即ち、最大ピーク波長)を有する光である。このような光を照射する光源としては、紫外線発光ダイオード(紫外線LED)や、紫外線発光半導体レーザー等の紫外線発光半導体素子光源が挙げられる。
複数の発光スペクトルを有する光を照射する光源としては、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、ナトリウムランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等のランプ等、窒素等の気体レーザー、有機色素溶液の液体レーザー、無機単結晶に希土類イオンを含有させた固体レーザー等が挙げられる。
前記光が発光スペクトルにおいて300nmより短い波長領域にピークを有する場合、若しくは、300nmより短い波長領域に前記発光スペクトルにおける最大ピーク波長の放射照度の5%より大きい放射照度を有する波長が存在する場合(例えば、発光スペクトルが広域波長領域に渡ってブロードである場合)には、光学フィルターにより300nmより短い波長領域にある波長の光を除去することが好ましい。これにより、300nmより短い波長領域にある各波長の放射照度を最大ピーク波長の放射照度の5%以下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.1%以下、さらに好ましくは0%にする。尚、発光スペクトルにおいて300nmから400nmの波長領域に複数のピークが存在する場合には、その中で最大の吸光度を示すピーク波長を最大ピーク波長とする。光学フィルターは300nmより短い波長をカットするものであれば特に制限されず公知の物を使用すればよい。例えば365nmバンドパスフィルター等を使用することができる。なお、紫外線の照度、スペクトル分布は分光放射照度計、例えばUSR−45D(ウシオ電機)にて測定することができる。
光照射装置としては、特に限定はされないが、例えばスポット式照射装置、面式照射装置、ライン式照射装置、コンベア式照射装置等の照射装置が使用できる。
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を硬化させる際、光照射時間は、例えば1〜300秒、好ましくは10〜200秒、より好ましくは30〜150秒であり、光照射の1〜60分後、特には5〜30分後には組成物は流動性を失いゴム弾性体を得ることができる。
本発明において、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の基材への塗布方法は、組成物を基材に塗布した後に上記方法により光照射を行い硬化させてもよく、また別途光照射を行った組成物を、硬化するまでの間に基材に塗布する方法でもよい。
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の加熱接着方法
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の加熱接着方法は、上記光照射を行った後、熱処理を施すことにより基材との接着性を得る方法である。
詳述すると、光硬化工程を経ることによって基材に密着している光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー硬化物を80℃〜200℃、好ましくは80℃〜150℃にて10分〜1時間、好ましくは、15分〜1時間加熱することにより、基材と光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー硬化物とを強固に接着させることができる方法である。
本発明によれば、光硬化工程によって、室温で且つ短時間で硬化を完了することが可能であるため、従来の加熱のみによる硬化・接着方法よりも比較的低温で且つ短時間で接着性を得ることができる。
本発明の接着方法は、光硬化性エラストマー組成物を自動車関連部品、各種電気・電子部品などに接着させる方法として有用である。例えば、自動車の制御系に使用される各種圧力センサー、ガス濃度検知器、温度センサーなどの検知器・センサーの接着シール剤や保護用コーティング剤、ポッティング剤、また各種ガス、温水、薬品などに曝されるセンサーなどの保護用封止剤、インクジェットプリンター用の接着剤、プリンターヘッド用の接着剤・封止剤、レーザープリンターや複写装置のロールやベルトのコーティング剤、各種回路基板の接着シール剤、コーティング剤、ポッティング剤などに光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を接着する方法として有用である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において部は質量部を示す。また、粘度は23℃における測定値を示す(JIS K7117―1に準拠)。
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の調製
[調製例1]
下記式(6)で示されるポリマー(粘度10,000mPa・s、数平均分子量16,700、ビニル基量0.012モル/100g)55.1部をプラネタリーミキサー内に仕込み、内温を50〜100℃に保持しながら、ジメチルジクロロシランで表面処理された煙霧質シリカ(BET比表面積110m/g)17.5部を分割添加した。その後、加熱を停止して1時間減圧下(ゲージ圧;−0.093MPa)で混練した。引き続き混練しながら装置を加熱し、内温が130℃に達してから130〜160℃に保持しながら3時間減圧下(ゲージ圧;−0.093MPa)で熱処理した。次に、内容物を40℃以下に冷却後、下記式(6)で示されるポリマー42部を追加して30分間減圧下(ゲージ圧;−0.093MPa)で混練した。内容物を取り出し、三本ロールを2回通してベースコンパウンドIを得た。
また、下記式(7)で示される固体状カルボン酸無水物25部と下記式(6)で示されるポリマー75部をプラネタリーミキサー内に仕込み、常温で30分間混合し、更に30分間減圧下(ゲージ圧;−0.093MPa)で混合した。この混合物を取り出し、三本ロールを2回通してカルボン酸無水物ペーストを得た。
上記ベースコンパウンドI 29.5部に対して下記式(6)で示されるポリマー75.0部、上記カルボン酸無水物ペースト0.8部をプラネタリーミキサー内に仕込み、均一になるまで混合した。これに(メチルシクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)の1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン溶液(白金濃度3.0質量%)0.06部、1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサンのトルエン溶液(5.0質量%)0.03部を添加し、均一になるまで混合した。次に下記式(8)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン1.8部(Si−H基量0.00393モル/g)、下記式(9)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン1.2部(Si−H基量0.00683モル/g)、下記式(10)で示される接着付与剤2.0部、下記式(11)で示されるエポキシ基含有シラン化合物0.1部を順次添加し、均一になるように混合した。その後、脱泡操作を行うことにより組成物を調製した。
[調製例2]
上記式(6)で示されるポリマー(粘度10,000mPa・s、数平均分子量16,700、ビニル基量0.012モル/100g)100部をプラネタリーミキサー内に仕込み、内温を50〜100℃に保持しながら、ジメチルジクロロシランで表面処理された煙霧質シリカ(BET比表面積110m/g)10部を分割添加した。その後、加熱を停止して1時間減圧下(ゲージ圧;−0.093MPa)で混練した。引き続き混練しながら装置を加熱し、内温が130℃に達してから130〜160℃に保持しながら3時間減圧下(ゲージ圧;−0.093MPa)で熱処理した。次に、内容物を40℃以下に冷却後、内容物を取り出し、三本ロールを2回通してベースコンパウンドIIを得た。
上記ベースコンパウンドI 27.9部、ベースコンパウンドII 41.3部、上記式(6)で示されるポリマー38.9部をプラネタリーミキサー内に仕込み、均一になるまで混合した。これに(メチルシクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)の1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン溶液(白金濃度3.0質量%)0.06部、1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサンのトルエン溶液(5.0質量%)0.03部を添加し、均一になるまで混合した。次に下記式(12)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン1.6部(Si−H基量0.00387モル/g)、上記式(9)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン1.2部(Si−H基量0.00683モル/g)、下記式(13)で示される接着付与剤2.0部、下記式(14)で示される接着付与剤0.5部を順次添加し、均一になるように混合した。その後、脱泡操作を行うことにより組成物を調製した。
[調製例3]
上記調製例1において、光活性型ヒドロシリル化反応触媒;(メチルシクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)の1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン溶液(白金濃度3.0質量%)0.06部をビス(2,4−へプタンジオナト)白金(II)の酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチル溶液(白金濃度0.5質量%)0.48部に変更した以外は同様にして組成物を調製した。
[調製例4]
上記調製例1において、光活性型ヒドロシリル化反応触媒;メチルシクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)の1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン溶液(白金濃度6.0質量%)0.06部の代わりに、非光活性型ヒドロシリル化反応触媒;白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のエタノール溶液(白金濃度3.0質量%)0.07部に変更した以外は同様にして硬化性組成物を調製した。
[調製例5]
上記調製例1において、光活性型ヒドロシリル化反応触媒;メチルシクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)の1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン溶液(白金濃度6.0質量%)0.06部の代わりに、非光活性型ヒドロシリル化反応触媒;白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金濃度0.5質量%)0.20部、1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサンのトルエン溶液(5.0質量%)0.03部の代わりに1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサンのトルエン溶液(60質量%)0.25部に変更した以外は同様にして硬化性組成物を調製した。
[調製例6]
上記調製例2において、光活性型ヒドロシリル化反応触媒;メチルシクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)の1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン溶液(白金濃度6.0質量%)0.06部の代わりに、非光活性型ヒドロシリル化反応触媒;白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金濃度0.5質量%)0.39部、1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサンのトルエン溶液(5.0質量%)0.03部の代わりに1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサンのトルエン溶液(50質量%)0.25部に変更した以外は同様にして硬化性組成物を調製した。
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の保存安定性
[参考例1〜3]
上記調製例1〜3より得られた組成物の遮光中23℃での保存安定性を確認した。その際、保存安定性の評価方法としては、JIS K7117−1に準拠し、TV−10U型回転粘度計(東機産業(株)製)による23℃における初期粘度と23℃×2週間後の粘度変化より評価を行った。
[比較例1]
上記調製例4より得られた組成物において、上記参考例1〜3と同様にして保存安定性を確認した。
表1の結果より、光活性型ヒドロシリル化反応触媒を用いた本参考例の組成物では良好な保存安定性が得られることが確認された。
光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物の光硬化性評価
[実施例1]
上記調製例1より得られた組成物を、アルミニウム基材上に約2gポッティングし、均一照射光学ユニットを装着したSP−V型紫外線照射器(ウシオ電機(株)社製)を用いて光照射を行った。その際、300nmより短い波長領域にある光を365nmバンドパスフィルター(ウシオ電機(株)社製)により除去し、メインの365nmの光の積算光量が9,000mJ/cmとなるよう90秒間照射を行った。
光照射後は直ちに遮光し、23℃×30分後の硬化性を評価した。(十分なゴム弾性体が得られた場合を○、表面の糸引きなど硬化不完全な場合は×で評価した。)その結果を表2に示す。
[実施例2]
上記実施例1において、用いる組成物を調製例2より得られた組成物に変更した。その結果を表2に示す。
[実施例3]
上記実施例1において、用いる組成物を調製例3より得られた組成物に変更した。その結果を表2に示す。
[比較例2]
上記実施例1において、紫外線照射時に365nmバンドパスフィルター(ウシオ電機社製)を用いなかった以外は同様の操作を行った。その結果を表2に示す。
表2の結果より、365nmバンドパスフィルターを用いなかった比較例では、十分な硬化物が得られなかった。
[実施例4]
上記実施例1において、メインの365nmの光の積算光量を1,000mJ/cmとし、23℃×120分後の硬化性を評価した。その結果を表3に示す。
[実施例5]
上記実施例1において、メインの365nmの光の積算光量を50,000mJ/cmとし、照射直後の硬化性を評価した。その結果を表3に示す。
[比較例3]
上記実施例1において、メインの365nmの光の積算光量を500mJ/cmとし、23℃×24時間後の硬化性を評価した。その結果を表3に示す。
[比較例4]
上記実施例1において、メインの365nmの光の積算光量を100,000mJ/cmとし、照射直後の硬化性を評価した。その結果を表3に示す。
表3の結果より、本実施例の光硬化性組成物は1,000mJ/cm〜50,000mJ/cmのUV照射条件にて、良好な光硬化性を示すことが確認された。一方、比較例3においては、500mJ/cmでは光量が十分ではなく硬化物が得られなかった。また、比較例4においては、100,000mJ/cmでは光量が過剰であり、硬化物表面でポリマーの分解が確認された。
光硬化物の接着性評価
[実施例6]
上記調製例1より得られた組成物を、鉄、アルミニウム、エポキシガラス、PBT、PPS基材上に約2gポッティングし、上記実施例1と同様の操作で光硬化物を作製した。その後、100℃×60分、120℃×20分、150℃×10分の計3条件での熱処理を行い、それぞれ23℃×2時間の放冷後、各種基材への接着性を確認した。(ゴムの凝集破壊が確認された場合は○、界面剥離が確認された場合は×で評価した。)その結果を表4に示す。
[実施例7]
上記実施例6において、用いる組成物を調製例2より得られた組成物に変更し、また、光硬化後の加熱処理工程を80℃×30分、100℃×10分、120℃×10分の計3条件に変更し、各種基材への接着性を確認した。その結果を表5に示す。
[比較例5]
上記調製例1〜3より得られた組成物を、鉄、アルミニウム、エポキシガラス、PBT、PPS基材上に約2gポッティングし、上記実施例1と同様の操作で光硬化物を作製した。その後、加熱処理は行わず各種基材への接着性を確認した。(ゴムの凝集破壊が確認された場合は○、界面剥離が確認された場合は×で評価した。)その結果を表6に示す。
表6の結果より、光硬化により硬化物は得られたが、基材への接着性は確認されなかった。
[比較例6]
上記実施例4において、調製例1の組成物から調製例5の組成物に変更し、同様の基材上に組成物をポッティングし、光照射は行わずに、100℃×60分、120℃×20分、150℃×10分の計3条件で加熱処理し、23℃×2時間の放冷後、各種基材への接着性を確認した。(ゴムの凝集破壊が確認された場合は○、界面剥離が確認された場合は×で評価した。)その結果を表7に示す。
表7の結果より、150℃x10分のみの条件でゴム弾性体を得た。それ以外の加熱処理条件では、十分な硬化物が得られなかった。
[比較例7]
上記実施例7において、調製例2の組成物から調製例6の組成物に変更し、同様の基材上に組成物をポッティングし、光照射は行わずに、80℃×30分、100℃×10分、120℃×10分の計3条件で加熱処理し、23℃×2時間の放冷後、各種基材への接着性を確認した。(ゴムの凝集破壊が確認された場合は○、界面剥離が確認された場合は×で評価した。)その結果を表8に示す。
表8の結果より、いずれの加熱処理条件でも、十分な硬化物が得られなかった。

Claims (6)

  1. 下記(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分を含有する光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を光照射により硬化させ、得られた硬化物を80℃〜200℃に加熱すること特徴とする、光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を基材に接着させる方法であって、
    光照射において、使用する光が、発光スペクトルにおける300nmから400nmの領域に最大ピーク波長を有し、且つ該光の300nmより短い波長領域にある各波長の放射照度が前記最大ピーク波長の放射照度5%以下であり、
    照射する光の365nm積算光量が1,000mJ/cm2〜50,000mJ/cm2である方法。
    (A)下記式(1)で表される、分岐を有する鎖状フルオロポリエーテル化合物
    CH2=CH−(X)g−Rf1−(X')g−CH=CH2 (1)
    [式中、Xは−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−又は−Y−NR1−CO−(ここで、Yは−CH2−、−Si(CH32CH2CH2CH2−、−Si(CH3)(CH=CH2)CH2CH2CH2−、−Si(CH=CH22CH2CH2CH2−又は下記構造式(Z)

    (式(Z)中、R3、R4はそれぞれ独立に−CH3又は−CH=CH2である。)
    で示されるo−、m−又はp−シリルフェニレン基であり、R1は水素原子又は非置換若しくは置換の1価炭化水素基である)であり、X'は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR2−Y'−(ここで、Y'は−CH2−、−CH2CH2CH2Si(CH32−、−CH2CH2CH2Si(CH3)(CH=CH2)−、−CH2CH2CH2Si(CH=CH22−又は下記構造式(Z')


    (式(Z')中、R3'、R4'はそれぞれ独立に−CH3又は−CH=CH2である。)で示されるo−、m−又はp−シリルフェニレン基であり、R2は水素原子又は非置換若しくは置換の1価炭化水素基である)である。
    gは独立に0又は1である。
    Rf1は下記式(i)又は(ii)
    (式中、p及びqはそれぞれ0又は1〜150の整数であって、且つpとqの和の平均は2〜200である。rは0〜6の整数であり、tは2又は3である。)

    (式中、uは1〜200の整数であり、vは1〜50の整数であり、tは2又は3である。)
    で表される2価のパーフルオロポリエーテル基である。]
    (B)1分子中にケイ素原子に直結した水素原子を2個以上有する含フッ素オルガノ水素シロキサン
    (C)(メチルシクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)、(シクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)、(1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)、(シクロペンタジエニル)ジメチルエチル白金(IV)、(シクロペンタジエニル)ジメチルアセチル白金(IV)、(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)、(メトキシカルボニルシクロペンタジエニル)トリメチル白金(IV)、(ジメチルフェニルシリルシクロペンタジエニル)トリメチルシクロペンタジエニル白金(IV)、トリメチル(アセチルアセトナト)白金(IV)、トリメチル(3,5−ヘプタンジオネート)白金(IV)、トリメチル(メチルアセトアセテート)白金(IV)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)白金(II)、ビス(2,4−へキサンジオナト)白金(II)、ビス(2,4−へプタンジオナト)白金(II)、ビス(3,5−ヘプタンジオナト)白金(II)、ビス(1−フェニル−1,3−ブタンジオナト)白金(II)、ビス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)白金(II)、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)白金(II)からなる群から一つ以上選択される光活性型ヒドロシリル化反応触媒
    (D)疎水性シリカ粉末、並びに、
    (E)1分子中にケイ素原子に直結した水素原子と、炭素原子又は炭素原子と酸素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基をそれぞれ1個以上有するオルガノシロキサン
  2. 上記(B)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサンが、1分子中に1個以上の1価のパーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロオキシアルキル基、2価のパーフルオロアルキレン基、又は2価のパーフルオロオキシアルキレン基を有する請求項1記載の光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を基材に接着させる方法。
  3. 上記(E)成分のオルガノシロキサンが、更に炭素原子又は炭素原子と酸素原子を含む2価の連結基を介してケイ素原子に結合した1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基を1個以上有する請求項1又は2に記載の光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を基材に接着させる方法。
  4. 更に、(F)成分としてヒドロシリル化反応の反応制御剤を含む請求項1〜のいずれか1項記載の光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を基材に接着させる方法。
  5. 更に、(G)成分としてカルボン酸無水物を含む請求項1〜のいずれか1項記載の光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を基材に接着させる方法。
  6. 光照射において、光学フィルターを用い、300nmより短い波長領域にある各波長の放射照度が、最大ピーク波長の放射照度の5%以下とする請求項記載の光硬化性フルオロポリエーテル系エラストマー組成物を基材に接着させる方法。
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