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JP6329064B2 - 熱拡散装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電気流体力学現象により冷却媒体として流動するEHD流体を用いた熱拡散装置に関する。
従来、電気流体力学(Electrohydrodynamics)現象によって流動するEHD流体を冷却媒体として発熱体を冷却する熱拡散装置(冷却装置)が知られている。
特許文献1に開示された冷却装置は、EHD流体の一種である電気感応作動媒体を冷却媒体として用い、少なくとも一対の電極に電圧を印加することにより、電気感応作動媒体を吸熱部と放熱部との間で移動させるポンプ機構を簡素な構成で実現している。
特開2000−222072号公報
特許文献1の冷却装置は、パーソナルコンピュータのCPU等の冷却効率を向上させ、薄型化に寄与する。しかし、この冷却装置に用いられる電気感応作動媒体は、熱伝達率が低いという課題がある。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、発熱体に接する絶縁基板や電極とEHD流体との間の熱伝達率を向上させる熱拡散装置を提供することにある。
本発明の熱拡散装置は、EHD流体と、流路形成部材と、第1電極及び第2電極からなる少なくとも一対の電極対と、交番電圧供給装置と、誘電微粒子とを備える。
EHD流体は、電気流体力学現象により冷却媒体として流動可能である。
流路形成部材は、EHD流体が流動可能に充填される流路を形成する。
少なくとも一対の電極対は、流路内に流路方向に沿って配置され、流路方向の先端が尖った第1電極、及び流路方向に貫通する隙間を有する第2電極からなる。そして、第1電極及び第2電極に互いに異なる極性の電圧が印加されたとき、第1電極の先端から第2電極の隙間に向かうEHD流体の流れを生成する。
交番電圧供給装置は、第1電極及び第2電極に対し、時間経過に伴って極性が交互に反転する電圧を印加可能である。交番電圧供給装置は、直流電源と、直流電源の電圧印加方向を反転させる極性反転装置とを組み合わせて構成されてもよいし、交流電源により構成されてもよい。
帯電した誘電微粒子は、EHD流体中に浮遊するように添加されている。
例えば誘電微粒子は、樹脂又はセラミックの粒子である。また、誘電微粒子の大きさは、第2電極の隙間の最狭間隔より小さいことが好ましく、誘電微粒子の比重は、EHD流体の比重の0.5倍以上、2.0倍以下であることが好ましい。
上記構成により、本発明の熱拡散装置では、第1電極を負極とし第2電極を正極とする第1電圧モードと、第1電極を正極とし第2電極を負極とする第2電圧モードとが交互に繰り返される。そして、EHD流体に添加された帯電した誘電微粒子が第1電極及び第2電極への付着とEHD流への放出を繰り返す。それにより、放熱フィンとしての機能を兼ねる電極対周辺のEHD流を乱流にすることで、絶縁基板や電極とEHD流体との間の熱伝達率を向上させることができる。
本発明の一実施形態による熱拡散装置の全体構成図。 熱拡散装置の内部構成を示す図1のII−II線断面図。 熱拡散装置の内部構成を示す図2のIII−III線断面図。 図1の熱拡散装置の流路におけるEHDポンプの構成を示す図。 第1電圧モードでのEHD流体の流れを説明する図4の部分拡大図。 第2電圧モードでのEHD流体の流れを説明する図4の部分拡大図。 誘電微粒子とEHD流体との好ましい比重比を示す図。 本発明の一実施形態による熱拡散装置での熱伝達率向上効果を説明する図。
以下、本発明の実施形態による熱拡散装置を図面に基づいて説明する。ここで用いる図は、本発明の特徴を理解しやすくするための模式的な図である。そのため、一部の構成要素の大きさ等を誇張して表しており、実際の製品における寸法比率を正確に反映したものではない。また、本発明の特徴的な構成以外の部分については図示を省略し、或いは簡略化して示している。
(一実施形態)
本発明の一実施形態による熱拡散装置について、最初に図1〜図3を参照して全体構成を説明した後、詳細部の特徴構成や作用効果を、図4〜図8を参照して説明する。この熱拡散装置は、電気流体力学(Electrohydrodynamics)現象によって流動するEHD流体を冷却媒体として発熱体を冷却する装置であり、例えばパーソナルコンピュータのCPUや車載用の電子制御装置(ECU)等に適用される。
本実施形態では、EHD流体の一種である電界共役流体(Electro-Conjugate Fluid、ECF)を用いることを想定する。ECFの具体例は、特許文献1(特開2000−222072号公報)等に記載されているため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の熱拡散装置の外観構成を図1に示す。また、図1のII−II断面の内部構成を図2に、図2のIII−III断面の内部構成を図3に示す。
図1に示すように、熱拡散装置31は、発熱体36を冷却するための冷却部32、冷却部32からEHD流体を媒体として送られてくる熱を外部に放出するための放熱部33、及び、冷却部32と放熱部33との間を連結する連結部35を含む。
冷却部32、放熱部33及び連結部35には、それぞれEHD流体が運ばれる流路が形成されている。以下、EHD流体の流路を包括する符号を「14」とし、各流路について141〜145の符号を付す(図2、図3参照)。
流路14内のEHD流体は、図2、図3に示す電極対15に電源38から電圧が印加されることにより、決められた方向に流れる。このことから、電極対15を一つのポンプ機構とみなし、「EHDポンプ(又はECFポンプ)15」とも呼ぶ。図2、図3に示したEHDポンプ15の数や配置は一例であり、実際には、EHDポンプ15は、流路14内の適宜の箇所に適宜の数だけ設置される。
また、本実施形態の電源38は、直流電源18及び極性反転装置19を組み合わせて構成されている。電極対15や電源38の詳細な構成及び作用については後述する。
図1に示すように、連結部35の内部には、冷却部32と放熱部33との間でEHD流体が双方向に運ばれる連絡流路141、142が形成されている。
また、冷却部32及び放熱部33は、それぞれ、EHD流体が運ばれる流路143〜145(図2、図3参照)が内部に形成されたケーシング34を複数有している。冷却部32の複数のケーシング34の間には、冷却対象となる発熱体36が挿入されている。放熱部33の複数のケーシング34の間には空冷フィン37が設置されている。なお、ケーシング34の数は、発熱体36や空冷フィン37の数、発熱量、装置規模等により適宜決めることができる。
ケーシング34内の流路14の構成について、図2、図3を参照する。ケーシング34は、外側を形成する外部板41と、外部板41の内部の空間を区画する内部板42とを用いて構成されている。図2に示すように、ケーシング34内の流路14は、縦方向流路143、145と横方向流路144とを含む。
図2において、連結部35の流路142から流入したEHD流体は、図の左側の縦方向流路143内を矢印fuのように上向きに流れ、分流されて複数の横方向流路144に流入し矢印fhのように横向きに流れる。複数の横方向流路144の流れは合流し、EHD流体は、図の右側の縦方向流路145内を矢印fdのように下向きに流れて、連結部35の連絡流路141に排出される。
図3に示すように、冷却部32の複数のケーシング34の縦方向流路145から排出されたEHD流体は、合流して連絡流路141を矢印faの向きに流れる。
こうして、冷却部32にて発熱体36から放射された熱は、EHD流体により、冷却部32から連結部35の一方の連絡流路(往路)141を矢印faのように通り、放熱部33まで運ばれる。
放熱部33のケーシング34内の流路14も、図2に示す冷却部32の流路14と同様に構成されている。冷却部32から運ばれた発熱体36の熱は、放熱部33のケーシング34の間に設置された空冷フィン37により、空気中に放出される。
冷却されたEHD流体は、連結部35の他方の連絡流路(復路)142を矢印fbのように通って冷却部32に運ばれる。熱拡散装置31は、EHD流体がこのような循環動作を行うことにより、冷却部32のケーシング34に隣接する発熱体36を冷却する。
続いて、電極対(EHDポンプ)15の詳細な構成について図4を参照して説明する。図4(a)は流路14の上方から視た模式図、図4(b)は流路14の側方から視た模式断面図である。
図4(b)の下側を重力方向下方とすると、流路14の底面は、絶縁基板13によって構成されている。絶縁基板13は流路14側で電極対15に直接接しており、電極対15に印加された電圧が短絡しないような絶縁性を有している。また、絶縁基板13は、流路14と反対側で発熱体36に接している。絶縁基板13と発熱体36との間には、例えばグリス状やシート状の熱伝導材を介在させてもよい。
流路14の側面及び天井面は、流路壁12によって構成されている。流路壁12は、放熱フィンとしての機能を有するので、電極対15と同様の金属等の熱伝導率が高い材料で形成される。また流路壁12は、絶縁基板13を介して電極対15と電気的に絶縁されている。
ここで、流路壁12及び絶縁基板13は、特許請求の範囲に記載の「流路形成部材」に相当し、図1〜図3との関係では、ケーシング34を構成するものである。流路14は、流路壁12及び絶縁基板13によって幅Wp及び高さHpに区画されている。
一対の電極対15は、絶縁基板13上に配置された針状電極16及びスリット電極17からなる。「第1電極」としての針状電極16は、流路方向の先端が尖っている。「第2電極」としてのスリット電極17は、流路方向に貫通するスリット状の隙間を有している。
スリット電極17は、隙間を介して対向した2つの柱部171、172(図4(a)の左の電極対15のみに符号を記載)が分割されていてもよい。或いは、2つの柱部が例えば底部で接続されていてもよい。以下、2つの柱部171、172の分割又は接続の形態に関しては言及せず、単に「スリット電極17」として記載する。
また、針状電極16及びスリット電極17は、放熱フィンとしての機能を兼ねる。
図4(b)に示すように、針状電極16及びスリット電極17は、直流電源18の電圧が極性反転装置19を通じて印加される。本実施形態では、直流電源18及び極性反転装置19が組み合わされて、特許請求の範囲に記載の「交番電圧供給装置」を構成し、外観構成を示す図1では、電源38として図示されている。
ここで、直流電源18の電圧は、例えば数十V〜数十kVの高電圧である。極性反転装置19は、直流電源18側の入力端IA、IBと電極対15側の出力端OA、OBとの接続を切り替えることにより、出力端OA、OBに出力される電圧極性を反転させる。本実施形態では、熱拡散装置31の作動中、極性反転装置19は、定期的(例えば数秒間隔)に電圧極性を反転させる。
複数の電極対15の針状電極16は極性反転装置19の一方の出力端OAに接続され、複数の電極対15のスリット電極17は極性反転装置19の他方の出力端OBに接続されている。これにより、各電極対の針状電極16及びスリット電極17には、互いに異なる極性の電圧が印加される。また、複数の電極対15の針状電極16同士、及び、スリット電極17は、それぞれ同じ極性の電圧が印加される。
次に、本実施形態の動作について、図5及び図6を参照して説明する。図5及び図6の各(a)は流路14の上方から視た模式図、各(b)は流路14の側方から視た模式断面図であり、それぞれ、図4(a)及び図4(b)の部分拡大図に相当する。
図5は、極性反転装置19の切替によって、針状電極16を負極としスリット電極17を正極とするように直流電源18の電圧が印加された状態を示し、この状態を「第1電圧モード」という。図6は、極性反転装置19の切替によって、針状電極16を正極としスリット電極17を負極とするように直流電源18の電圧が印加された状態を示し、この状態を「第2電圧モード」という。
図5及び図6において共通に、破線矢印fはEHD流体Fの流れを示す。EHD流体Fは、上流側(図の左側)から、針状電極16の左右両側を通った後、針状電極16の先端の先細り形状に沿って流路14の中心に向かい、スリット電極17の隙間を下流側(図の右側)に向かって通過する。つまり、第1電圧モードでも第2電圧モードでも、EHD流体Fの流れる方向は一定である。
また、本実施形態では、帯電した誘電微粒子Dが予めEHD流体Fに添加されていることを特徴とする。誘電微粒子Dは、誘電体の粒子であり、例えばPMMA(ポリメタクリル酸エチル)等の樹脂やセラミックの粒子を用いることができる。誘電微粒子Dは、EHD流体F以上の熱伝導率を有していることが好ましい。
図5及び図6において、負に帯電した誘電微粒子Dは、流路14内でEHD流体F中に浮遊している。なお、図中の誘電微粒子Dの数は、流路内の位置の分布や、図5と図6との相対的な関係を模式的に表すためのものであり、実際の数を反映したものではない。
図5に示す第1電圧モードでは、負に帯電した誘電微粒子Dは、負極である針状電極16には付着せず、正極であるスリット電極17に付着する。
一方、図6に示す第2電圧モードでは、負に帯電した誘電微粒子Dは、正極である針状電極16に付着する。また、第1電圧モードでスリット電極17に付着した誘電微粒子Dは、負極に転じたスリット電極17からEHD流体F中に放出され、スリット電極17の隙間を通過して下流側に流れる。
その後、再び第1電圧モードになると、第2電圧モードで針状電極16に付着した誘電微粒子Dは、負極に転じた針状電極16からEHD流体F中に放出される。
このように、極性が交互に反転された電圧が針状電極16及びスリット電極17に印加されることにより、帯電した誘電微粒子Dは、電極16、17への付着と、EHD流体F中への放出が繰り返される。これにより、電極対15周辺のEHD流に乱流が生じ、温度境界層が乱される。言い換えれば、温度境界層が破壊されて低減する。その結果、絶縁基板13や電極16、17とEHD流体Fとの間の熱伝達率が向上する。
次に、誘電微粒子Dの大きさ及び比重についての好ましい条件について説明する。
誘電微粒子Dの大きさは、スリット電極17の隙間を通過して流れることができるように、スリット電極17の隙間の最狭間隔We(図5(a)、図6(a)参照)よりも小さいことが好ましい。例えば、スリット電極17の製造時に加工可能なスリットの最小寸法が200μmであるとすると、誘電微粒子Dの大きさ(粒径)は、200μm未満に規定されることが好ましい。
また、誘電微粒子Dは、EHD流体Fの流れの中において重力方向下方に沈降したり、液面に浮上したりせず、液中に浮遊していることが好ましい。そこで、「EHD流体Fの比重に対する誘電微粒子Dの比重」である比重比をパラメータとして好ましい条件を規定する。理想的には比重比が1に近いほど良いことは明らかである。
図7に示すように、想定される流速を考慮した上で、比重比に対する「誘電微粒子Dの浮遊継続可能時間」をプロットすると山型の特性図が得られる。つまり、比重比が1より小さいほど液面に浮上しやすくなり、比重比が1より大きいほど重力方向下方に沈降しやすくなるため、いずれも誘電微粒子Dの浮遊継続可能時間が短くなる。そして、比重比が「0.5以上、2.0以下」の範囲で、誘電微粒子Dの浮遊継続可能時間が、本実施形態において使用可能な最小時間Tmin以上となることがわかる。よって、誘電微粒子Dの比重は、EHD流体の比重の0.5倍以上、2.0倍以下に規定されることが好ましい。
ところで、特開2013−187989号公報に開示された本願発明者による先行発明は、EHDポンプの電極に付着した異物である微粒子を、電極に印加する電圧の極性を反転させることで剥離させるものである。例えば電圧の極性を反転させるという点で、先行発明と本発明とは一見、共通するように思われるかもしれない。そこで、先行発明と本発明との相違点について説明する。
まず、EHD流体中の微粒子について、先行発明の微粒子は、EHD流体の流動をある時間にわたって行った結果、意図に反して事後的に自然発生した「異物」である。この異物微粒子は、流動中の摩擦によって自然に帯電し、その大きさや比重は成り行きである。もちろん、EHD流体に対して熱伝達率が大きいか小さいかということなど未知である。そして、電極に付着して悪影響を及ぼすことを防止するため除去されるべきものである。
これに対し、本発明に用いられる誘電微粒子Dは、予め意図的に帯電され、EHD流体Fに添加される。この誘電微粒子Dは、好ましくはEHD流体に対して熱伝達率が大きく、大きさや比重は、上記のように好ましい範囲に規定される。当然ながら、先行発明の異物微粒子のように積極的に除去されるものではない。
次に電圧の極性反転について、先行発明では、電極から異物微粒子を剥離させるため、一定の時間間隔で短時間だけ電圧極性を反転する(例えば作動中、1時間間隔で3秒反転する)のみであり、それ以外の作動時における電圧極性は一定である。
一方、本発明では、作動中、電極16、17に印加する電圧極性を常に反転し続ける。例えば10秒間隔で周期的に電圧極性を反転する。これにより、電極16、17への誘電微粒子Dの脱着による乱流発生効果を効果的に持続することができる。
このように、先行発明と本発明とは技術的思想が明らかに異なるものである。
次に、本実施形態の効果について、図8を参照して説明する。ここでは、同じ流速における層流状態と乱流状態とでの熱伝達率を計算により推定する。流速は、0.07m/sとする。
まず、比較例として、「誘電微粒子Dの添加」及び「電極への印加電圧の極性反転」を行わず、EHD流体のみを層流で流したときの熱伝達率を計算する。レイノルズ数Reが層流条件(Re=1066<2300)を満たすように内径10mmの円管で計算する。層流熱伝達の式から、熱伝達率α=230.1[W/(m2・K)]と計算される。
一方、電極対15の印加電圧を交番させ、誘電微粒子Dが電極対15への着脱を繰り返すことで乱流状態を発生させる本実施形態での熱伝達率を計算する。レイノルズ数Reが乱流条件(Re=5332>2300)を満たすように内径50mmの円管で計算する。乱流熱伝達の式から、熱伝達率α=557.1[W/(m2・K)]と計算される。
計算の結果、図8に示すように、同じ流速でも層流か乱流かによって、熱伝達率が2倍以上異なることがわかる。このように本実施形態の熱拡散装置31は、従来技術に相当する比較例に対し、熱伝達率を顕著に向上させることができる。
(他の実施形態)
(熱拡散装置の全体構成)
上記実施形態にて図1〜図3に示した全体構成は、あくまで一例である。例えば、流路の数や流路の大きさは、EHD流体の種類やケーシングの材質、発熱体の発熱量、EHDポンプの能力など、幾つかの条件により決定され得る。また、流路内に設置されるEHDポンプの数や配置間隔も、これらの条件などを考慮して設定され得る。
(EHD流体、誘電微粒子)
本発明の熱拡散装置に用いられるEHD流体Fは、ECFに限らず、どのようなEHD流体でもよい。また、誘電微粒子Dは、帯電してEHD流体F中を浮遊可能であり、好ましくは大きさや比重について上記実施形態で説明した条件を満たすものであれば、材質や種類を問わない。
(第1電極、第2電極)
上記実施形態では、「流路方向の先端が尖った第1電極」として針状電極16、「流路方向に貫通する隙間を有する第2電極」としてスリット電極17を例示したが、その他の第1電極及び第2電極の例として、特開2013−187989号公報の図6、図7等に開示された形状の電極を採用してもよい。
(交番電圧供給装置)
「第1電極及び第2電極に対し、時間経過に伴って極性が交互に反転する電圧を印加可能な交番電圧供給装置」としては、上記実施形態のように、直流電源18と極性反転装置19とを組み合わせたものに限らず、交流電源を用いてもよい。その場合の交流波形は、矩形波、正弦波、その他いずれの波形でもよい。また、直流電源18と極性反転装置19とを組み合わせる構成において、反転周期は一定とは限らず、何らかの変数に基づいて反転周期を可変とするようにしてもよい。
(熱拡散装置の用途)
本発明の熱拡散装置は、パーソナルコンピュータのCPUや車載用の電子制御装置(ECU)に限らず、特に小型化や高出力化に伴い、優れた放熱性が要求されるあらゆる機器に適用可能である。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
12・・・流路壁(流路形成部材)、
13・・・絶縁基板(流路形成部材)、
14(141〜145)・・・流路、
15・・・電極対、EHDポンプ、
16・・・針状電極(第1電極)、
17・・・スリット電極(第2電極)、
18・・・直流電源(交番電圧供給装置)、
19・・・極性反転装置(交番電圧供給装置)、
31・・・熱拡散装置、
34・・・ケーシング、
F ・・・EHD流体、
D ・・・誘電微粒子。

Claims (4)

  1. 電気流体力学現象により冷却媒体として流動可能なEHD流体(F)と、
    前記EHD流体が流動可能に充填される流路(14)を形成する流路形成部材(12、13)と、
    前記流路内に流路方向に沿って配置され、流路方向の先端が尖った第1電極(16)、及び流路方向に貫通する隙間を有する第2電極(17)からなり、前記第1電極及び前記第2電極に互いに異なる極性の電圧が印加されたとき、前記第1電極の先端から前記第2電極の隙間に向かう前記EHD流体の流れを生成する少なくとも一対の電極対(15)と、
    前記第1電極及び前記第2電極に対し、時間経過に伴って極性が交互に反転する電圧を印加可能な交番電圧供給装置(18、19)と、
    前記EHD流体中に浮遊するように添加された帯電した誘電微粒子(D)と、
    を備えることを特徴とする熱拡散装置。
  2. 前記誘電微粒子は、樹脂又はセラミックの粒子であることを特徴とする請求項1に記載の熱拡散装置。
  3. 前記誘電微粒子の大きさは、前記第2電極の隙間の最狭間隔より小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の熱拡散装置
  4. 前記誘電微粒子の比重は、前記EHD流体の比重の0.5倍以上、2.0倍以下である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱拡散装置。
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