JP6325641B1 - アルミニウム合金スパッタリングターゲット - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のアルミニウム合金スパッタリングターゲットと同程度の導電性を有し、かつフレークの発生を低減できるアルミニウム合金スパッタリングターゲットの提供。【解決手段】Ni、Cr、Fe、Co及びCuから選択される少なくとも1種の元素を合計で0.01〜0.04原子%、好ましくは0.01〜0.03原子%と、La以外の希土類元素から選択される少なくとも1種の元素を合計で0.01〜0.06原子%、好ましくは、0.03〜0.05原子%とを含み、残部がAl及び不可避不純物であるアルミニウム合金スパッタリングターゲット。前記希土類元素がY、Ce、Pr、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy及びYbである前記アルミニウム合金スパッタリングターゲット。【選択図】なし
Description
本発明は、液晶ディスプレイおよびMEMSディスプレイなどの表示デバイス用薄膜トランジスタの電極等を形成するために使用するアルミニウム合金スパッタリングターゲットに関する。
アルミニウム合金薄膜は、電気抵抗が低く、エッチングによる加工が容易であることから、液晶ディスプレイなどの表示デバイスの走査電極および信号電極として使用されている。アルミニウム合金薄膜の形成は、一般的にスパッタリングターゲットを用いたスパッタリング法で行われる。
スパッタリング法以外の金属薄膜の主な成膜手法として真空蒸着法が知られている。真空蒸着法等の方法と比較して、スパッタリング法はスパッタリングターゲットと同一組成の薄膜を形成できる点がメリットである。また工業的には、大面積に安定成膜できる点でも優位な成膜手法である。
スパッタリング法に用いるアルミニウム合金スパッタリングターゲットとして、例えば純AlまたはAl−Ndなどのアルミニウム合金が知られている。特許文献1は、液晶ディスプレイの電極として用いられるAl−(Ni,Co)−(La,Nd)系合金ターゲット材を開示している。また、特許文献1に係るターゲット材は、スプラッシュと呼ばれる、ターゲット材の一部が欠陥に起因する冷却不足のため過熱して液相となり基板に付着する現象を低減できることを開示している。
液晶ディスプレイに用いる基板の大型化等に対応して、アルミニウム合金スパッタリングターゲットの大型化が進んでいる。特許文献1に記載のものも含め、従来のアルミニウム合金スパッタリングターゲットを用いて表示デバイスの電極用薄膜を量産すると、スパッタリングチャンバー内壁面材との熱膨張係数の差に起因して、チャンバーの壁面から厚膜堆積物がフレークとして剥がれ落ちる現象が発生する問題があった。
このようなフレークが表示デバイスを有するパネル基材に付着することにより、またはこれを防止するためにスパッタリングチャンバー内壁のクリーニング等のメンテナンスを行うことにより、生産歩留りが低下するという課題があった。
本発明はこの課題を解決するものであり、従来のアルミニウム合金スパッタリングターゲットと同程度の導電性を有し、かつフレークの発生を低減できるアルミニウム合金スパッタリングターゲットを提供することを目的とする。
上述の課題を解決できる本発明のアルミニウム合金スパッタリングターゲットは、Ni、Cr、Fe、CoおよびCuからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計で0.01原子%〜0.04原子%と、La以外の希土類元素から選択される少なくとも1種の元素を合計で0.01原子%〜0.06原子%とを含み、残部がAlおよび不可避不純物である。
本発明の好ましい実施形態において、前記希土類元素がY、Ce、Pr、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、DyおよびYbである。
本発明の好ましい実施形態において、アルミニウム合金スパッタリングターゲットは、Ni、Cr、FeおよびCoからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計で0.01原子%〜0.03原子%と、Y、Ce、Pr、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、DyおよびYbからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計で0.03原子%〜0.05原子%とを含む。
本発明により、従来よりも高い導電性を有し、かつフレークの発生を低減できるアルミニウム合金スパッタリングターゲットを提供できる。
以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのアルミニウム合金スパッタリングターゲットを例示するものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、実施形態は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下に詳細を示すように、固溶または僅かにAl−Ni、Al−Cr、Al−Fe、Al−CoまたはAl−Cu系金属間化合物が析出する程度の少量のNi、Cr、Fe、CoおよびCuからなる群から選択される少なくとも1種の元素と、固溶または僅かにAl−希土類系金属間化合物が析出する程度の少量の希土類元素、より詳細にはNi、Cr、Fe、CoおよびCuからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計で0.01原子%〜0.04原子%と、La以外の希土類元素から選択される少なくとも1種の元素を合計で0.01原子%〜0.06原子%とを添加し、残部をAlおよび不可避不純物とすることで、従来のアルミニウム合金スパッタリングターゲットと同程度の導電性を有し、かつフレークの発生を抑制できることを見いだし本発明に至ったものである。
Ni、Cr、Fe、CoおよびCuからなる群から選択される少なくとも1種の元素とLa以外の希土類元素から選択される少なくとも1種の元素とを含む当該組成範囲は、特開2011−106025号公報のAl−(NiまたはCo)−(NdまたはLa)合金スパッタリングターゲットでは、十分な量のAl−NiまたはCo系金属間化合物およびAl−NdまたはAl−La系金属間化合物が得られないとして顧みられることのなかったものである。
なお、本明細書おいて「アルミニウム合金スパッタリングターゲット」とは、例えば、合計で0.1質量%程度以下といった比較的少量の添加元素を更に含むスパッタリングターゲットを包含する概念である。また、本明細書において「アルミニウム合金薄膜」とは、例えば、合計で0.1質量%程度以下といった比較的少量の添加元素を更に含むスパッタ薄膜を包含する概念である。
以下に本発明に係るアルミニウム合金スパッタリングターゲットの詳細を説明する。
本発明に係るアルミニウム合金スパッタリングターゲットは、Ni、Cr、Fe、CoおよびCuからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計で0.01原子%〜0.04原子%と、La以外の希土類元素から選択される少なくとも1種の元素を合計で0.01原子%〜0.06原子%とを含有し、残部がAlおよび不可避不純物である。最初にこの組成の詳細を説明する。
本発明に係るアルミニウム合金スパッタリングターゲットは、Ni、Cr、Fe、CoおよびCuからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計で0.01原子%〜0.04原子%と、La以外の希土類元素から選択される少なくとも1種の元素を合計で0.01原子%〜0.06原子%とを含有し、残部がAlおよび不可避不純物である。最初にこの組成の詳細を説明する。
1.組成
(1)Ni、Cr、Fe、CoおよびCu
Ni、Cr、Fe、CoおよびCuからなる群から選択される少なくとも1種の元素の含有量は、合計で0.01原子%〜0.04原子%である。Alに対するNi、Cr、Fe、CoおよびCuの固溶限は、文献により値が異なるが、0.01原子%〜0.04原子%程度である。すなわち、含有する全てのNi、Cr、Fe、CoおよびCuがAl中に固溶するか、またはNi、Cr、Fe、CoおよびCuの全量のうち少量がアルミニウム結晶組織の粒界にAl−Ni、Al−Cr、Al−Fe、Al−CoまたはAl−Cu系金属間化合物として偏析し、残りのNi、Cr、Fe、CoおよびCuはAl中に固溶する。これにより従来のアルミニウム合金スパッタリングターゲットと同程度の高い導電性を維持し、かつフレークの発生を低減することができる。Ni、Cr、Fe、CoおよびCuの金属間化合物が析出する場合、粒界に偏析するのはNi、Cr、Fe、CoおよびCuの金属結合半径がAlの金属結合半径の80〜90%であることに起因する。
(1)Ni、Cr、Fe、CoおよびCu
Ni、Cr、Fe、CoおよびCuからなる群から選択される少なくとも1種の元素の含有量は、合計で0.01原子%〜0.04原子%である。Alに対するNi、Cr、Fe、CoおよびCuの固溶限は、文献により値が異なるが、0.01原子%〜0.04原子%程度である。すなわち、含有する全てのNi、Cr、Fe、CoおよびCuがAl中に固溶するか、またはNi、Cr、Fe、CoおよびCuの全量のうち少量がアルミニウム結晶組織の粒界にAl−Ni、Al−Cr、Al−Fe、Al−CoまたはAl−Cu系金属間化合物として偏析し、残りのNi、Cr、Fe、CoおよびCuはAl中に固溶する。これにより従来のアルミニウム合金スパッタリングターゲットと同程度の高い導電性を維持し、かつフレークの発生を低減することができる。Ni、Cr、Fe、CoおよびCuの金属間化合物が析出する場合、粒界に偏析するのはNi、Cr、Fe、CoおよびCuの金属結合半径がAlの金属結合半径の80〜90%であることに起因する。
添加元素は、好ましくはNi、Cr、FeおよびCoからなる群から選択される少なくとも1種の元素である。また、Ni、Cr、Fe、CoおよびCuからなる群から選択される少なくとも1種の元素の含有量は、好ましくは合計で0.01原子%〜0.03原子%である。上述の効果をより確実に得ることができるからである。
Ni、Cr、Fe、CoおよびCuからなる群から選択される少なくとも1種の元素の含有量が合計で0.01原子%より少ないとフレークの発生の低減が十分でない。一方、Ni、Cr、Fe、CoまたはCuからなる群から選択される少なくとも1種の元素の含有量が合計で0.04原子%を超えると導電性が低下する。
Ni、Cr、Fe、CoおよびCuからなる群から選択される少なくとも1種の元素の含有量が合計で0.01原子%より少ないとフレークの発生の低減が十分でない。一方、Ni、Cr、Fe、CoまたはCuからなる群から選択される少なくとも1種の元素の含有量が合計で0.04原子%を超えると導電性が低下する。
なお、「従来のアルミニウム合金スパッタリングターゲットと同程度の導電性」とは、例えば、対象となるアルミニウム合金スパッタリングターゲットを用いて、スパッタリング法により基板上に形成したアルミニウム薄膜の電気抵抗率が、純アルミニウムスパッタリングターゲットを用いて同様のスパッタリング法により基板上に形成した純アルミニウム薄膜の電気抵抗率の1.05倍以下である場合のことをいう。
後述する実施例に示すように、本発明のアルミニウム合金スパッタリングターゲットを用いて作製したアルミウム薄膜の電気抵抗率が、純アルミニウムスパッタリングターゲットを用いて同様のスパッタリング法により基板上に形成した純アルミニウム薄膜の電気抵抗率の1倍未満となる場合もある。すなわち本発明のアルミニウム合金スパッタリングターゲットを用いて作製したアルミウム薄膜の導電性の方が、純アルミニウムターゲットを用いて形成したアルミニウム薄膜の導電性より優れる場合がある。この理由について、以下のように推定しているが、これは本発明の技術的範囲を限定するものではない。後述の実施例に示すように、電気抵抗率の測定の際には、アルミニウム薄膜に上下層としてMo薄膜を積層し、例えば450℃で加熱を行った後に抵抗率の測定を行う。本発明のアルミニウム合金スパッタリングターゲットを用いて作製したアルミウム薄膜は、Ni、Cr、Fe、CoおよびCuからなる群から選択される少なくとも1種の元素が添加されていることから、純アルミニウム薄膜と比べ、結晶粒径が大きくなる。結晶粒径が小さく、従って結晶粒界の多い純アルミニウム薄膜の方が電気抵抗が高くなる場合がある。
(2)希土類元素
希土類元素含有量は、合計で0.01原子%〜0.06原子%である。Alに対する希土類元素の固溶限は、文献により値が異なるが、0.01原子%程度である。すなわち、含有する全ての希土類元素がAl中に固溶するか、または希土類元素の全量のうち一部がアルミニウム結晶組織の粒内にAl−希土類元素系金属間化合物として析出し、残りの希土類元素の多くはAl中に置換原子として固溶する。希土類元素が置換原子として存在することにより、後述する圧延の際に、転位が堆積し、フレーク発生が低減される。これは、希土類元素の金属結合半径がAlの金属結合半径の110%以上であることに起因する。さらに、希土類元素の一部は、表面のAlの自然酸化膜中の粒界に偏析し、酸化膜強度の向上に寄与する。
希土類元素含有量は、合計で0.01原子%〜0.06原子%である。Alに対する希土類元素の固溶限は、文献により値が異なるが、0.01原子%程度である。すなわち、含有する全ての希土類元素がAl中に固溶するか、または希土類元素の全量のうち一部がアルミニウム結晶組織の粒内にAl−希土類元素系金属間化合物として析出し、残りの希土類元素の多くはAl中に置換原子として固溶する。希土類元素が置換原子として存在することにより、後述する圧延の際に、転位が堆積し、フレーク発生が低減される。これは、希土類元素の金属結合半径がAlの金属結合半径の110%以上であることに起因する。さらに、希土類元素の一部は、表面のAlの自然酸化膜中の粒界に偏析し、酸化膜強度の向上に寄与する。
これにより従来のアルミニウム合金スパッタリングターゲットと同程度の高い導電性を確保し、かつフレーク発生が低減することができる。
希土類元素は、好ましくは、Y、Ce、Pr、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、DyおよびYbである。希土類元素含有量は、好ましくは、合計で0.03原子%〜0.05原子%である。希土類元素含有量を合計で0.03原子%以上にすることで、フレークの発生をより低減することができる。一方、希土類元素含有量が合計で0.05原子%を超えると、硬いAl−希土類元素系金属間化合物の析出量が過剰となって、フレーク発生低減効果が得られにくくなる。また、希土類元素含有量が合計で0.01原子%より少ないとフレークの発生の低減が十分でない。一方、希土類元素含有量が合計で0.06原子%を超えると導電性が低下する。
上述のように、Ni、Cr、Fe、CoおよびCuは、粒界に析出し強度増加に寄与する。一方、希土類元素は粒内において置換型固溶体を形成するとともに、表面のAlの酸化膜中において粒界に偏析し、フレークの発生が低減される。このように、Ni、Cr、Fe、CoまたはCuと希土類元素は、異なるメカニズムでフレーク発生の低減に寄与するため、それぞれの効果の積算によるフレーク発生低減効果を得ることができる、最適の組み合わせであることを見出したものである。
(3)残部
残部は、Alと不可避不純物である。好ましい形態では不可避不純物量は合計で、0.01質量%以下である。なお、不可避不純物量は通常、質量比で管理されることが多いため質量%で示した。不可避不純物として、Si、Mg、Mn、TiおよびZnを例示できる。
残部は、Alと不可避不純物である。好ましい形態では不可避不純物量は合計で、0.01質量%以下である。なお、不可避不純物量は通常、質量比で管理されることが多いため質量%で示した。不可避不純物として、Si、Mg、Mn、TiおよびZnを例示できる。
2.アルミニウム合金スパッタリングターゲットの形態
本発明に係るアルミニウム合金スパッタリングターゲットは、既知のアルミニウム合金スパッタリングターゲットが有する任意の形状を有してよい。このような形状として、上面視した形状が、正方形、長方形、円および楕円、ならびにこれら形状の一部を為す形状を挙げることができる。このような形状を有するアルミニウム合金スパッタリングターゲットは任意の大きさを有してよい。本発明のアルミニウム合金スパッタリングターゲットの大きさとして、長さ100mm〜4000mm、幅100mm〜3000mm、板厚5mm〜35mmを例示できる。
本発明に係るアルミニウム合金スパッタリングターゲットは、既知のアルミニウム合金スパッタリングターゲットが有する任意の形状を有してよい。このような形状として、上面視した形状が、正方形、長方形、円および楕円、ならびにこれら形状の一部を為す形状を挙げることができる。このような形状を有するアルミニウム合金スパッタリングターゲットは任意の大きさを有してよい。本発明のアルミニウム合金スパッタリングターゲットの大きさとして、長さ100mm〜4000mm、幅100mm〜3000mm、板厚5mm〜35mmを例示できる。
本発明のアルミニウム合金スパッタリングターゲットは、既知のアルミニウム合金スパッタリングターゲットが有する任意の表面性状を有してよい。例えば、イオンが衝突する面は、切削等の機械加工仕上げ面であってもよい。好ましくは、イオンが衝突する面は、研磨面である。
本発明のアルミニウム合金スパッタリングターゲットを、例えば次のように用いて、スパッタリングにより基板上にアルミニウム薄膜を形成してよい。本発明のアルミニウム合金スパッタリングターゲットを、例えば銅または銅合金のバッキングプレートにろう材を用いて接合する。このように、バッキングプレートに接合した状態で、真空装置であるスパッタリング装置に取り付ける。
3.製造方法
本発明のアルミニウム合金スパッタリングターゲットは、任意の既知のアルミニウム合金スパッタリングターゲットの製造方法を用いて製造してよい。以下に本発明のアルミニウム合金スパッタリングターゲットの製造方法を例示する。
本発明のアルミニウム合金スパッタリングターゲットは、任意の既知のアルミニウム合金スパッタリングターゲットの製造方法を用いて製造してよい。以下に本発明のアルミニウム合金スパッタリングターゲットの製造方法を例示する。
(1)溶解鋳造
まず、溶解するために所定の組成を有する配合原料を準備する。配合原料を構成する原料として、Al、Ni、Cr、Fe、Co、Cuおよび希土類元素、それぞれの金属単体を用いてもよく、また、Ni、Cr、Fe、Co、Cuおよび希土類元素の少なくとも1種を含むアルミニウム合金を原料として用いてもよい。金属単体の原料を用いる場合、Al原料、Ni原料、Cr原料、Fe原料、Co原料およびCu原料は、純度が99.9質量%以上であることが好ましく、99.95質量%以上であることがより好ましい。希土類元素原料は純度が99質量%以上であることが好ましく、99.5質量%以上であることがより好ましい。真空溶解により配合原料を溶解した後、鋳造し所定の組成を有するインゴットを得る。
まず、溶解するために所定の組成を有する配合原料を準備する。配合原料を構成する原料として、Al、Ni、Cr、Fe、Co、Cuおよび希土類元素、それぞれの金属単体を用いてもよく、また、Ni、Cr、Fe、Co、Cuおよび希土類元素の少なくとも1種を含むアルミニウム合金を原料として用いてもよい。金属単体の原料を用いる場合、Al原料、Ni原料、Cr原料、Fe原料、Co原料およびCu原料は、純度が99.9質量%以上であることが好ましく、99.95質量%以上であることがより好ましい。希土類元素原料は純度が99質量%以上であることが好ましく、99.5質量%以上であることがより好ましい。真空溶解により配合原料を溶解した後、鋳造し所定の組成を有するインゴットを得る。
本発明のアルミニウム合金スパッタリングターゲットは、従来のAl−(Ni、Cr、Fe、CoまたはCu)−希土類元素スパッタリングターゲットと比べ、Ni、Cr、Fe、CoおよびCuの合計の含有量並びに希土類元素の合計の含有量が少ないため、スプレーフォーミングを用いなくても、すなわち真空溶解を行っても組成を均一にできるという利点を有する。しかし、このことは、スプレーフォーミングによる溶解鋳造を排除するものではなく、スプレーフォーミングを行ってインゴットを得てもよい。真空溶解に代えて、アルゴン雰囲気等の不活性雰囲気中で溶解を行ってもよい。
なお、Ni、Cr、Fe、CoおよびCu並びに希土類元素は、蒸気圧が高く、溶解中の蒸発が限定的であるため、配合原料組成と溶解鋳造により得られたインゴットの組成および最終的に得られたアルミニウム合金スパッタリングターゲットの組成は実質的に同じであることを本発明者らは確認している。このため、溶解時の配合組成を得られたアルミニウム合金スパッタリングターゲットの組成として用いてよい。ただし、実際に得られたアルミニウム合金スパッタリングターゲットの組成を確認することが好ましい。
(2)圧延、熱処理、機械加工
得られたインゴットを得ようとするアルミニウム合金スパッタリングターゲットと同程度の厚さになるように圧延を行い、圧延材(板材)を得る。圧延は例えば冷間圧延でよい。得られた圧延材に熱処理(焼鈍)を行う。熱処理温度は、例えば、240℃〜260℃であり、保持時間は2時間〜3時間であり、雰囲気は大気中でであってよい。
得られたインゴットを得ようとするアルミニウム合金スパッタリングターゲットと同程度の厚さになるように圧延を行い、圧延材(板材)を得る。圧延は例えば冷間圧延でよい。得られた圧延材に熱処理(焼鈍)を行う。熱処理温度は、例えば、240℃〜260℃であり、保持時間は2時間〜3時間であり、雰囲気は大気中でであってよい。
熱処理後の圧延材に機械加工を施しアルミニウム合金スパッタリングターゲットを得る。機械加工として、旋盤等の切削加工および丸抜き加工を例示できる。また、機械加工後にさらに研磨を行い、表面、とりわけイオンが衝突する面を平滑にしてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前記または後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
実施例1〜5:
Al原料、Ni原料、およびNd原料を用いて、Ni添加量が0.01〜0.04原子%、Nd添加量が0.01〜0.06原子%、残部がAl(不可避不純物を含む)となるように原料を配合し、配合原料(溶解原料)を得た。Al原料とNi原料は、どちらも純度が99.98質量%のものを用い、Nd原料は純度が99.5質量%のものを用いた。この配合原料を真空溶解および鋳造し、配合原料と同じ組成を有するアルミニウム合金インゴットを作製した。
Al原料、Ni原料、およびNd原料を用いて、Ni添加量が0.01〜0.04原子%、Nd添加量が0.01〜0.06原子%、残部がAl(不可避不純物を含む)となるように原料を配合し、配合原料(溶解原料)を得た。Al原料とNi原料は、どちらも純度が99.98質量%のものを用い、Nd原料は純度が99.5質量%のものを用いた。この配合原料を真空溶解および鋳造し、配合原料と同じ組成を有するアルミニウム合金インゴットを作製した。
得られたインゴットを冷間圧延し圧延材を得た。冷間圧延は、圧延前の厚さ100mm、圧延後の厚さ8mm、すなわち圧下率92%で行った。そして圧延材を250℃で2時間、大気中で熱処理した。そして、切断後、機械加工として切削を施し、φ304.8mm×5mmtの形状に加工して、アルミニウム合金スパッタリングターゲットを得た。得られたアルミニウム合金スパッタリングターゲットの組成が配合原料の組成と同じであることを確認した。上述のろう材を用いて、得られたアルミニウム合金スパッタリングターゲットを純Cu製のバッキングプレートに接合した。
実施例6〜9:
配合原料の組成をCr、Fe、CoまたはCuが0.02原子%、Ndが0.04原子%、残部がAl(不可避不純物を含む)とした以外は実施例1と同じ方法で、アルミニウム合金スパッタリングターゲットを作製した。得られたアルミニウム合金スパッタリングターゲットの組成が配合原料の組成と同じであることを確認した。
配合原料の組成をCr、Fe、CoまたはCuが0.02原子%、Ndが0.04原子%、残部がAl(不可避不純物を含む)とした以外は実施例1と同じ方法で、アルミニウム合金スパッタリングターゲットを作製した。得られたアルミニウム合金スパッタリングターゲットの組成が配合原料の組成と同じであることを確認した。
実施例10〜25:
配合原料の組成をNiが0.02原子%、各希土類元素(Laを除く)が0.04原子%、残部がAl(不可避不純物を含む)とした以外は実施例1と同じ方法で、アルミニウム合金スパッタリングターゲットを作製した。得られたアルミニウム合金スパッタリングターゲットの組成が配合原料の組成と同じであることを確認した。
配合原料の組成をNiが0.02原子%、各希土類元素(Laを除く)が0.04原子%、残部がAl(不可避不純物を含む)とした以外は実施例1と同じ方法で、アルミニウム合金スパッタリングターゲットを作製した。得られたアルミニウム合金スパッタリングターゲットの組成が配合原料の組成と同じであることを確認した。
比較例1:
配合原料をAl原料のみとした以外は実施例1と同じ方法で、純アルミニウムスパッタリングターゲットを作製した。
配合原料をAl原料のみとした以外は実施例1と同じ方法で、純アルミニウムスパッタリングターゲットを作製した。
比較例2:
配合原料の組成をTaが0.03原子%、Ndが0.04原子%、残部がAl(不可避不純物を含む)とした以外は実施例1と同じ方法で、アルミニウム合金スパッタリングターゲットを作製した。得られたアルミニウム合金スパッタリングターゲットの組成が配合原料の組成と同じであることを確認した。
配合原料の組成をTaが0.03原子%、Ndが0.04原子%、残部がAl(不可避不純物を含む)とした以外は実施例1と同じ方法で、アルミニウム合金スパッタリングターゲットを作製した。得られたアルミニウム合金スパッタリングターゲットの組成が配合原料の組成と同じであることを確認した。
比較例3:
配合原料の組成をNiが0.02原子%、Tiが0.04原子%、残部がAl(不可避不純物を含む)とした以外は実施例1と同じ方法で、アルミニウム合金スパッタリングターゲットを作製した。得られたアルミニウム合金スパッタリングターゲットの組成が配合原料の組成と同じであることを確認した。
配合原料の組成をNiが0.02原子%、Tiが0.04原子%、残部がAl(不可避不純物を含む)とした以外は実施例1と同じ方法で、アルミニウム合金スパッタリングターゲットを作製した。得られたアルミニウム合金スパッタリングターゲットの組成が配合原料の組成と同じであることを確認した。
比較例4:
配合原料の組成をNiが0.02原子%、Laが0.04原子%、残部がAl(不可避不純物を含む)とした以外は実施例1と同じ方法で、アルミニウム合金スパッタリングターゲットを作製した。得られたアルミニウム合金スパッタリングターゲットの組成が配合原料の組成と同じであることを確認した。
配合原料の組成をNiが0.02原子%、Laが0.04原子%、残部がAl(不可避不純物を含む)とした以外は実施例1と同じ方法で、アルミニウム合金スパッタリングターゲットを作製した。得られたアルミニウム合金スパッタリングターゲットの組成が配合原料の組成と同じであることを確認した。
[フレークの観察]
実施例1〜25および比較例1〜4、それぞれについて、アルミニウム合金スパッタリングターゲットまたは純アルミニウムスパッタリングターゲットが接合されたバッキングプレートをマグネトロンDCスパッタリング装置に装着し、DC4.5kW、圧力0.3Paの条件でスパッタリングを行った。スパッタリングは、4インチサイズのシリコン基板に1回当たり250秒間の成膜をおこない、厚さ1000nmのアルミニウム薄膜を形成した。1回の成膜毎にシリコン基板を交換した。
実施例1〜25および比較例1〜4、それぞれについて、アルミニウム合金スパッタリングターゲットまたは純アルミニウムスパッタリングターゲットが接合されたバッキングプレートをマグネトロンDCスパッタリング装置に装着し、DC4.5kW、圧力0.3Paの条件でスパッタリングを行った。スパッタリングは、4インチサイズのシリコン基板に1回当たり250秒間の成膜をおこない、厚さ1000nmのアルミニウム薄膜を形成した。1回の成膜毎にシリコン基板を交換した。
成膜したシリコン基板を光学式パーティクルカウンタにより検査し、パーティクル発生個所を顕微鏡により観察した。パーティクルを観察し、その形状からフレークであるか否かを判定してシリコン基板1枚当たりのフレーク数を調べ、シリコン基板1枚当たりのフレーク数が14個以下のアルミニウム合金スパッタリングターゲットを実用可能な水準であると判定した。測定結果を表1に示す。
[電気抵抗率の測定]
実施例1〜25および比較例1〜4、それぞれについて、アルミニウム合金スパッタリングターゲットまたは純アルミニウムスパッタリングターゲットを用いて、成膜時間を変更した以外は上記と同様にしてスパッタリングを行い、厚さ900nmのアルミニウム薄膜を形成した。次に、その上下層としてMo薄膜をそれぞれ70nm積層し、450℃で1時間の加熱を行った後のアルミニウム薄膜の抵抗率を測定した。純アルミニウム薄膜(比較例1)の1.05倍以下の電気抵抗率であるアルミニウム薄膜を形成できたアルミニウム合金スパッタリングターゲットを実用可能な水準であると判定した。測定結果を表1に示す。
実施例1〜25および比較例1〜4、それぞれについて、アルミニウム合金スパッタリングターゲットまたは純アルミニウムスパッタリングターゲットを用いて、成膜時間を変更した以外は上記と同様にしてスパッタリングを行い、厚さ900nmのアルミニウム薄膜を形成した。次に、その上下層としてMo薄膜をそれぞれ70nm積層し、450℃で1時間の加熱を行った後のアルミニウム薄膜の抵抗率を測定した。純アルミニウム薄膜(比較例1)の1.05倍以下の電気抵抗率であるアルミニウム薄膜を形成できたアルミニウム合金スパッタリングターゲットを実用可能な水準であると判定した。測定結果を表1に示す。
実施例1〜25はいずれも、本発明で規定する要件の全てを満足する例であり、シリコン基板1枚当たりのフレーク数が20個以下、またアルミニウム薄膜の電気抵抗率が純アルミニウム薄膜(比較例1)の1.05倍以下であり、従来のアルミニウム合金スパッタリングターゲットと同程度の導電性を有し、かつフレークの発生を低減することができた。
それらの中でも、0.01原子%〜0.03原子%のNi、Cr、FeまたはCoからなる群から選択される少なくとも1種の元素と、0.03原子%〜0.05原子%のY、Ce、Pr、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、DyまたはYbからなる群から選択される少なくとも1種の元素とを含む実施例1〜8および11〜21は、シリコン基板1枚当たりのフレーク数が10個以下であり、フレークの発生をさらに低減することができた。
実施例9はCuを含む例であり、Cuに代えて同量のNi、Fe、CoまたはCrを含む実施例3および6〜8と比較すると、若干フレークが多い傾向にあった。これは、Cuの金属結合半径(1.28Å)が、純Alの金属結合半径(1.45Å)の80〜90%に入るものの、88%と他の元素(Cr、Ni、Fe、Co)より大きいためである。
また、実施例10および22〜25は、Sc、Ho、Er、TmまたはLuを含む例であり、それらの元素に代えて同量のY、Ce、Pr、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、DyまたはYbを含む実施例11〜21と比較すると、若干フレークが多い傾向にあった。これは、Sc、Ho、Er、TmまたはLuの金属結合半径が、純Alの金属結合半径(1.45Å)の110%以上に入るものの、112〜120%と他の希土類元素(Laを除く)より小さいためである。
これに対して、比較例1はAl(不可避不純物を含む)以外の元素を含まない例であり、シリコン基板1枚当たりのフレーク数が24個であり、フレークの発生が多い。
比較例2は本発明に規定しないTaを含む例であり、シリコン基板1枚当たりのフレーク数が18個であり、フレークの発生が多い。
比較例3は本発明に規定しないTiを含む例であり、シリコン基板1枚当たりのフレーク数が21個であり、フレークの発生が多い。またアルミニウム薄膜の電気抵抗率が純アルミニウム薄膜(比較例1)の1.06倍であり、導電性が劣っている。
比較例4は本発明に規定しないLaを含む例であり、シリコン基板1枚当たりのフレーク数が15個であり、フレークの発生が多い。
Claims (2)
- Ni、Cr、FeおよびCoからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計で0.01原子%〜0.04原子%と、Nd、Y、Ce、Pr、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、DyおよびYbからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計で0.01原子%〜0.06原子%とを含み、残部がAlおよび不可避不純物であることを特徴とするアルミニウム合金スパッタリングターゲット。
- Ni、Cr、FeおよびCoからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計で0.01原子%〜0.03原子%と、Nd、Y、Ce、Pr、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、DyおよびYbからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計で0.03原子%〜0.05原子%とを含むことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金スパッタリングターゲット。
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