[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の概略構成図(正面図)である。また、図2は、この冷蔵庫における、冷蔵室の概略構成図(側面投影図)である。なお、図2は、図1のA−A’断面を示している。
図1に示すように、冷蔵庫1000は、複数の貯蔵室を備えている。例えば、貯蔵室は、冷蔵室100、製氷室200、切替室300、冷凍室400、及び、野菜室500からなる。詳細に説明すると、各貯蔵室は、上から冷蔵室100、製氷室200、切替室300、冷凍室400及び野菜室500の順で配置されている。また、冷蔵室100の冷蔵室扉101には、各貯蔵室温度の設定や、現在の温度情報や庫内の画像や収納状況の表示が可能な操作パネル1が設置されている。また、冷蔵庫1000の筐体の近傍(つまり、貯蔵室の外部)には、画像サーバ2が設置されている。本実施の形態1では、画像サーバ2は、冷蔵庫1000の筐体の天井部に設けられている。画像サーバ2は、後述するように、冷蔵庫1000内部の画像の保存、処理、及び外部機器等の表示装置への送信を行うものである。
なお、操作パネル1の設置位置は、冷蔵室100の冷蔵室扉101に限るものではなく、他の貯蔵室の貯蔵室扉や冷蔵庫1000の筐体の側面に設置されてもよい。また、画像サーバ2の設置位置は、冷蔵庫1000の天井部に限るものではなく、冷蔵庫1000の貯蔵室の外であれば、冷蔵庫1000の筐体の側面や背面、あるいは貯蔵室の貯蔵室扉に設置されてもよい。また例えば、画像サーバ2は、冷蔵庫1000の背面に設置された制御基板1001に実装されてもよい。
図2において、冷蔵室100は、前面側の開口部を冷蔵室扉101によって開閉自在に閉塞され、内部には複数の冷蔵室棚板102が設置されており、複数の空間(棚)に仕切られた構成となっている。チルド室110は、最下段の冷蔵室棚板102によって冷蔵室100と仕切られており、チルド室110の内部には、図示しないレール等の案内治具に沿って、冷蔵室扉101側へ引き出すことができるチルドケース111が設置されている。また、冷蔵室100内の天井壁には、冷蔵室100内を照らす(冷蔵室100内の照度を一定以上に保つ)ための冷蔵室照明103(照明手段)が設置されている。なお、冷蔵室照明103の設置位置は、冷蔵室100内の天井壁に限るものではなく、冷蔵室100内の側面壁や背面壁でもよい。また、複数の位置に冷蔵室照明103を設置すれば、より高い照度を確保できるという利点がある。
冷蔵室扉101の内面には、冷蔵室100の天井面からチルド室110までを視野範囲とするカメラ3(撮影手段)が設置されており、ユーザの視点と同じ冷蔵室扉101側から冷蔵室100内を撮影することが可能な構成となっている。なお、カメラ3の設置位置は、冷蔵室扉101の内面に限るものではなく、冷蔵室棚板102に載置される食品を広範囲に撮影できる位置であればどこでもよく、例えば冷蔵室照明103の近傍に設置すれば、照度が確保できるため撮影しやすいという利点がある。
また、冷蔵庫1000の庫外天井部に設置された画像サーバ2には、撮影に関連する装置として、信号受信装置4(信号受信手段)及び撮影信号発信装置5(撮影信号発信手段)が内蔵されており、画像処理に関連する装置として、画像メモリ6(画像記憶手段)、画像処理装置7(画像処理手段)及び情報通信装置8(通信手段)が内蔵されている。
信号受信装置4は、無線通信のモジュール(例えばWi−Fi及びBluetooth(登録商標)など)の無線通信及び有線通信(例えばシリアルインターフェース及びLANなど)の有線通信のモジュールが具備されている。そして、信号受信装置4は、表示手段の1つである操作パネル1とは有線通信が可能な構成となっており、ユーザの携帯端末などの表示手段とは無線通信が可能な構成となっている。撮影信号発信装置5は、信号受信装置4、カメラ3及び冷蔵室照明103と接続されており、信号受信装置4からの信号を受け、カメラ3及び冷蔵室照明103を動作させる。画像メモリ6は、カメラ3で撮影された画像を一時保存するものであり、カメラ3及び画像処理装置7と接続されている。画像メモリ6は、最低でも冷蔵室100内の全体画像1枚分のメモリ容量を具備している。画像処理装置7は、画像の高速処理可能なCPU(例えば動作周波数400MHz以上)と、処理後画像を保存し得るメモリを具備し、画像メモリ6のほか情報通信装置8と接続されている。情報通信装置8は、信号受信装置4と同様に、操作パネル1とは有線通信、ユーザの携帯端末などとは無線通信が可能な構成となっている。
また、操作パネル1、画像サーバ2、カメラ3、及び冷蔵室照明103は、図示しないが、冷蔵庫1000の背面に設置された制御基板1001と接続され、制御基板1001から電力を供給される構成となっている。
次に、図1及び図2を用いて動作の一例について説明する。
図2において、操作パネル1あるいは遠隔地等にいるユーザの携帯端末からの撮影要求を信号受信装置4が受信した際(換言すると、操作パネル1あるいは遠隔地等にいるユーザの携帯端末を介して、冷蔵室100内を撮影する旨の指示があった際)、撮影信号発信装置5は、まず冷蔵室照明103を点灯させた後、カメラ3に撮影実施を指示する。撮影された冷蔵室100内の全体画像は、一旦画像メモリ6に保存された後、画像処理装置7に転送される。画像処理装置7は、冷蔵室100内の全体画像を画像処理し、処理後の画像のみを情報通信装置8に転送する。情報通信装置8は、撮影要求のあった操作パネル1又は携帯端末に、有線通信又は無線通信にて、処理後画像を送信し表示させる。
図3は、本発明の実施の形態1に係る冷蔵庫における、冷蔵室の撮影データ及び画像処理後データの一例である。なお、図3(a)は、カメラ3によって撮影され、画像メモリ6に保存された冷蔵室100内の全体画像である。また、図3(b)〜(d)は、画像処理装置7において各種の画像処理を実施した、処理後画像の一例を示したものである。詳しくは、図3(b)は全体画像の画素間にて平均化処理し、1/8に圧縮した圧縮処理後画像、図3(c)は全体画像を16個の領域に分割した分割処理後画像、図3(d)は全体画像から、食品部分のみを抽出した食品抽出処理後画像である。
本実施の形態1に係る画像処理装置7は、画像メモリ6に保存された冷蔵室100内の全体画像(貯蔵室画像)を、当該全体画像よりも1回の通信データ量が低減する画像に加工する。例えば、図3(b)に示すように、画像処理装置7は、図3(a)に示した冷蔵室100内の全体画像を、解像度を低下させた圧縮画像に加工する。これにより、情報通信装置8を介してそのまま操作パネル1あるいはユーザの携帯端末に図3(a)に示した冷蔵室100内の全体画像を送信する場合と比較し、通信データ量を削減でき(図3の例では1/8)、通信速度を向上させることができる。つまり、画像処理装置7によって冷蔵室100内の全体画像を圧縮画像に加工することにより、つまり圧縮率を調整することにより、解像度は粗くなるが冷蔵室100内の状況はおおよそ把握できるので、遠隔地においても、撮影要求とほぼ同時に最新の収納状況を確認することが可能となる。
また例えば、図3(c)に示すように、画像処理装置7は、図3(a)に示した冷蔵室100内の全体画像を、冷蔵室100内の所定の領域面積毎、あるいは所定の個数に分割した分割画像に加工する。これにより、1回の通信データ量を削減できる(図3の例では1/16)ので、通信速度を向上させることができる。さらに、例えば最下段のみ、左側のみ等、特定の領域を要求して分割画像を送信させることにより、解像度を維持したままで、所望の領域の収納状況を確認することが可能となる。
また例えば、図3(d)に示すように、画像処理装置7は、図3(a)に示した冷蔵室100内の全体画像と、例えば冷蔵室100内がカラの状態における全体画像との差分を演算することにより、撮影要求時における画像の変化、すなわち食品が載置されている部分のみを抽出する。抽出した画像を順番に送信することにより、1回の通信データ量を削減できるので通信速度が向上する。さらに、必要とする在庫食品画像のみを入手でき、例えば買い物先において、食品抽出画像から在庫状況を推定し、無駄な食材の買い過ぎや買い忘れを防止することが可能となる。またこのとき、画像を表示する媒体が、遠隔地の携帯端末ではなく、冷蔵室扉101の外側に設置された操作パネル1の場合であっても、冷蔵室扉101を開けずに冷蔵室100内の収納状況を確認できれば、扉開閉による無駄な冷却の抑制が可能となる。
なお、図2において、カメラ3と画像メモリ6とを接続する通信線は、有線接続であることが望ましい。カメラ3から画像メモリ6に送信される画像情報は、図3(a)に示した、情報量の多い冷蔵室100内の全体画像である。このため、無線通信では通信速度が低下する可能性がある。カメラ3と画像メモリ6とを有線で接続して、通信速度を維持することにより、操作パネル1や携帯端末などにおいて、冷蔵室100内の収納状況をリアルタイムで確認することが可能となる。
また、操作パネル1や携帯端末に画像を送信する際、画像情報とともに、カメラ3で撮影した時刻(撮影時刻情報)、あるいは処理後画像を送信する時刻の情報(送信時刻情報)を併せて送信するのが望ましい。画像情報とともに、これらの時刻情報を保存しておけば、時間を遡って冷蔵室100内の収納状況を確認することが可能となり、例えば図3(d)に示した食品抽出画像を閲覧し、対象とする食品について時間を遡って入庫時期を検索して、賞味期限又は消費期限を推定することが可能となる。なお、時刻情報を入手する時刻入手手段としては、例えば、冷蔵庫1000又はカメラ3に時計機能を備えてもよい。また例えば、時刻入手手段として、携帯端末の時計情報を利用してもよい。また、画像情報及び上記の時刻情報の保存先としては、専用の記憶手段(画像メモリ)等を備えてもよいし、既存の記憶手段(画像メモリ6、画像処理装置7)を用いてもよい。また例えば、画像情報及び上記の時刻情報の保存先として、携帯端末の記憶手段を利用してもよい。
また、図2において、画像メモリ6に保存される画像データは、最新の冷蔵室100内の全体画像1枚分のみであって、カメラ3によって新しい画像が撮影された場合には、過去の全体画像は消去されるのが望ましい。冷蔵室100内の収納状況としては、操作パネル1あるいは携帯端末に送信された、図3(b)〜(d)に示した処理後画像にて確認することが可能である。なお、過去の全体画像を消去する主体は、画像メモリ6自体が行ってもよいし、ユーザが操作パネル1あるいは携帯端末を介して行ってもよい。これにより、画像メモリ6のメモリ容量を削減できるという効果があり、ユーザは必要な情報のみを保存しておくことができる。
なお、本実施の形態1では、冷蔵室100にカメラ3を設置する構成を例に説明したが、これらの構成を適用する貯蔵室は任意である。冷蔵室100以外の貯蔵室において、例えばカメラ3を冷凍室400や野菜室500の天井面に設置して、画像サーバ2と接続し、撮影された冷凍室400や野菜室500の全体画像を画像処理装置7にて処理し、図3(b)〜(d)に示したような処理後画像を、情報通信装置8を介して、操作パネル1やユーザの携帯端末に表示させた場合も、同様の効果が得られる。
[実施の形態2]
図4は、本発明の実施の形態2に係る冷蔵庫における、冷蔵室の概略構成図(側面断面図)である。なお、本実施の形態2で特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図4においては、冷蔵室扉101と接する冷蔵庫1000(冷蔵室100)の筐体側に、扉開閉検知センサ9(扉開閉検知手段)が設置されている。扉開閉検知センサ9としては、例えば、冷蔵室扉101に埋め込まれたマグネット(磁石)の近接を、冷蔵庫1000の筐体側に設置された一対のリードスイッチが距離によって検出するマグネット方式が一般的である。扉開閉検知センサ9の主な役割としては、冷蔵室扉101の開状態が検知された時に冷蔵室照明103を点灯し、閉状態が検知された時には冷蔵室照明103を消灯するものである。本実施の形態2においては、実施の形態1で画像サーバ2に内蔵されていた撮影信号発信装置5を冷蔵庫1000の背面に設置された制御基板1001に実装し、扉開閉検知センサ9、冷蔵室照明103及びカメラ3を、撮影信号発信装置5と接続している。
次に、図4を用いて動作の一例について説明する。動作についても、実施の形態1と同一の箇所については説明を割愛する。
図4において、扉開閉検知センサ9により、冷蔵室扉101が閉じられたことが検知された際、撮影信号発信装置5は、まずカメラ3に撮影を指示し、撮影終了後に冷蔵室照明103を消灯させるという動作を自動で実施する。撮影された冷蔵室100内の全体画像は、実施の形態1と同様に、一旦画像メモリ6に保存された後、画像処理装置7に転送され、図3(b)〜(d)に示したように画像処理される。処理後の画像は、情報通信装置8を介して、画像要求のあった操作パネル1あるいは携帯端末に、有線通信あるいは無線通信にて送信され表示される。
冷蔵室100内に食品を出し入れするには、冷蔵室扉101の開閉動作を必要とするため、冷蔵室100内の収納状況が変化する場合には、常に扉開閉検知センサ9が反応する。本実施の形態2では、扉開閉検知センサ9をトリガーとして、冷蔵室扉101の開閉毎にカメラ3にて撮影し、画像処理装置7にて画像処理して、少なくとも最後の扉開閉時の処理後画像を保管しているので、操作パネル1あるいは携帯端末から画像要求があった際に、要求があってから画像撮影及び画像処理することなく、最新=最後の扉開閉時の処理後画像をすぐに送信できる。このため、実施の形態1で示した効果に加え、画像要求からのタイムラグなく、最新の冷蔵室100内の収納状況を確認できるという効果が得られる。
図4では、扉開閉毎に冷蔵室100内の全体画像を撮影し、画像処理装置7にて画像処理しても、最新=最後の扉開閉時の処理後画像のみ保管される構成となっているが、例えば処理後画像用の画像メモリを備え、撮影あるいは画像処理が実施された時刻情報とともに保存しておいてもよい。処理後画像のデータ容量は小さく、また扉開閉時という収納状況が変化した時のみという最低限の保存容量で、収納状況の時系列変化を確認することができ、また時刻情報を基に、特定の食品について時間を遡って入庫時期を検索して、賞味期限又は消費期限を推定することが可能となる。
また図4では、扉開閉検知センサ9及び冷蔵室照明103が、カメラ3の撮影以外の用途にも使用されることを考慮し、撮影信号発信装置5を制御基板1001に実装する構成を示したが、撮影関連機能を冷蔵庫1000と独立させたい場合には、撮影信号発信装置5を画像サーバ2内に内蔵し、扉開閉検知センサ9及び冷蔵室照明103と通信線で別途接続してもよい。撮影信号発信装置5が画像サーバ2内に内蔵されていても、扉開閉検知センサ9により、冷蔵室扉101が閉じられたことが検知された際にカメラ3に撮影を指示し、撮影終了後に冷蔵室照明103を消灯させるという動作が自動で実施されれば、同様の効果が得られる。
[実施の形態3]
図5は、本発明の実施の形態3に係る冷蔵庫における、冷蔵室の概略構成図(側面断面図)である。なお、本実施の形態3で特に記述しない項目については実施の形態1又は実施の形態2と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
冷蔵室扉101は、一方の端部側を支点として回転する扉である。このため、図5では、実施の形態2の構成における扉開閉検知センサ9の代わりに、冷蔵室扉101に扉開閉角度検知センサ10(扉開閉角度検知手段)が設置されている。扉開閉角度検知センサ10としては、直接角度を計測する以外にも、例えば、冷蔵庫1000の筐体側と冷蔵室扉101との距離を赤外線などで計測し角度に換算するものや、また、ある特定の角度のみを検出することを目的として、対象物(冷蔵室扉101の一部)が特定の位置を通過することを検知する赤外線センサなどがある。さらに、加速度センサのように移動方向を検知すれば、冷蔵室扉101の開閉角度だけでなく、開閉方向も検知することが可能となる。
また、カメラ3は冷蔵室扉101の内面に設置され、冷蔵室扉101の開閉動作に伴って、カメラ3の視野範囲は水平方向に移動することになるが、冷蔵室100内の状況を最も把握しやすい角度(所定の角度)を、扉開閉角度検知センサ10が検知する構成となっている。このとき、カメラ3の設置位置としては、冷蔵室扉101の回転軸になるべく近いほうが望ましい。回転軸に近いほど回転軌跡の半径が小さくなり、冷蔵室扉101の開閉時に、カメラ3が冷蔵室100内を視野範囲に捉える回転角度が増加する。
また、冷蔵庫1000の背面に設置された制御基板1001に実装された、撮影信号発信装置5は、カメラ3及び扉開閉角度検知センサ10と接続されており、扉開閉角度検知センサ10により、冷蔵室扉101の開閉角度が所定の角度となったことが検知された時に、カメラ3に撮影指示を送信するものである。
次に、図5を用いて動作の一例について説明する。動作についても、実施の形態1、又は実施の形態2と同一の箇所については説明を割愛する。
図5において、扉開閉角度検知センサ10により、冷蔵室扉101の開閉角度が、予め設定された、冷蔵室100内の状況を最も把握しやすい角度となったことが検知された際、撮影信号発信装置5は、カメラ3に撮影実施を指示する。撮影された冷蔵室100内の全体画像は、実施の形態1及び実施の形態2と同様に、一旦画像メモリ6に保存された後、画像処理装置7に転送され、図3(b)〜(d)に示したように画像処理される。処理後の画像は、情報通信装置8を介して、画像要求のあった操作パネル1あるいは携帯端末に、有線通信あるいは無線通信にて送信され表示される。
実施の形態2においては、扉開閉検知センサ9により、冷蔵室扉101が閉じられたことを検知した際に、カメラ3により撮影した後に冷蔵室照明103を消灯していたのに対し、本実施の形態3では、扉開閉角度検知センサ10により、冷蔵室扉101が特定の角度となる、扉開閉途中においてカメラ3により撮影している。一般的に、冷蔵室扉101の開状態において冷蔵室照明103は点灯しているため、図5の構成では、撮影信号発信装置5により、カメラ3の撮影と冷蔵室照明103の消灯のタイミングを制御することなく、充分な照度を確保した状況で撮影することが可能となる。
また、扉開閉角度検知センサ10により冷蔵室扉101の開閉角度を検知し、特定の角度においてカメラ3により撮影する場合、1回の扉開閉に対し、開動作時と閉動作時の2回撮影が実施されることになり、画像処理装置7における処理量が倍になるうえ、開閉速度が大きい場合には、開動作時と閉動作時の位置にズレが発生することがある。そこで、扉開閉角度検知センサ10として、加速度センサのように移動方向も検知し、開閉方向を識別するのが望ましい。開動作と閉動作を区別して、どちらか一方の動作時における冷蔵室100内の全体画像についてのみ、画像メモリ6に保存し、画像処理装置7にて画像処理を実施することにより、画像処理量を削減でき、常に一定の開閉角度における安定した画像を入手できるという効果が得られる。
[実施の形態4]
図6は、本発明の実施の形態4に係る冷蔵庫における、冷蔵室の概略構成図(側面断面図)である。なお、本実施の形態4で特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態3と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図6では、実施の形態2の構成における画像サーバ2内に、入出庫食品推定装置11(入出庫食品推定手段、在庫食品推定手段)が内蔵され、画像処理装置7及び情報通信装置8と接続されている。入出庫食品推定装置11は、例えば、冷蔵室扉101の開閉状態に基づいて撮影された連続する2回の冷蔵室100内の画像を画像処理した食品画像を比較することにより、冷蔵室扉101の開閉時に、入庫したと推測される食品の食品画像及び出庫したと推測される食品の食品画像を選定する構成となっている。そして、情報通信装置8は、操作パネル1あるいはユーザの携帯端末に、選定された食品画像(冷蔵室100内の入出庫推定食品抽出画像)を送信する構成となっている。
次に、図6を用いて動作の一例について説明する。動作についても、実施の形態1〜実施の形態3と同一の箇所については説明を割愛する。
図6において、実施の形態2と同様に、扉開閉検知センサ9により、冷蔵室扉101が閉じられたことが検知された際、カメラ3により撮影された冷蔵室100内の全体画像は、実施の形態1〜実施の形態3と同様に、一旦画像メモリ6に保存された後、画像処理装置7に転送され、図3(b)〜(d)に示したように画像処理される。このとき、本実施の形態4では、扉開閉毎に得られる処理後画像のうち、連続する2回の扉開閉時における、図3(d)に示した食品抽出画像を、入出庫食品推定装置11にて比較することにより、扉開閉時において、入庫及び出庫したと推定される食品の画像を選定する。入出庫食品推定装置11にて推定された、入出庫食品抽出画像は、情報通信装置8を介して、画像要求のあった操作パネル1あるいは携帯端末に、有線通信あるいは無線通信にて送信され表示される。
図7は、本発明の実施の形態4に係る冷蔵庫における、冷蔵室の画像処理後データ及び入出庫食品抽出画像の一例である。つまり、画像処理装置7における画像処理による食品抽出画像と、入出庫食品推定装置11において選定された、入庫及び出庫したと推定される食品抽出画像を示したものである。なお、図7(a)は時刻Aの扉開閉時に、画像処理装置7における画像処置にて抽出された食品抽出画像、図7(b)は時刻Bの扉開閉時(時刻Aの次の扉開閉時)に、画像処理装置7における画像処置にて抽出された食品抽出画像、図7(c)は時刻Bの扉開閉時に、入出庫食品推定装置11にて出庫したと選定された出庫食品抽出画像、図7(d)は時刻Bの扉開閉時に、入出庫食品推定装置11にて入庫したと選定された入庫食品抽出画像である。
図7において、(a)時刻Aの扉開閉時、(b)時刻Bの扉開閉時の食品抽出画像により、それぞれの扉開閉時において、実施の形態1で述べたように、必要最低限のデータ量にて在庫状況を推定できるうえ、連続する2回の扉開閉時における食品抽出画像を比較することにより、扉開閉時に入庫及び出庫した食品を画像として推定できる。すなわち、時刻Bの扉開閉に対し、(a)時刻Aの扉開閉時の食品抽出画像は、時刻Bの扉開閉前の在庫状況、(b)時刻Bの扉開閉時の食品抽出画像は、時刻Bの扉開閉後の在庫状況を示しているので、(c)に示した(a)で抽出され(b)で抽出されていない食品は、時刻Bの扉開閉において出庫した、(d)に示した(a)で抽出されず(b)で抽出されている食品は、時刻Bの扉開閉において入庫したと推定することが可能となる。
図8は、本発明の実施の形態4に係る冷蔵庫における、携帯端末における食品抽出画像の表示方法の一例である。つまり、図7に示した、画像処理装置7における画像処理による食品抽出画像(=在庫食品抽出画像)と、入出庫食品推定装置11において選定された、入出庫食品抽出画像の携帯端末への表示イメージである。なお、図8(a)は時刻Bの扉開閉時における、在庫食品の食品抽出画像の表示例、図8(b)は時刻Bの扉開閉時までの、入庫/出庫の識別情報と共にリスト表示した、食品抽出画像の表示例である。
図8(a)より、ある特定の扉開閉時における、抽出された在庫食品画像のみを簡単に閲覧できるので、遠隔地、例えば買い物先において、在庫食品を一覧で確認することができ、無駄な食材の買い過ぎや買い忘れを防止することが可能となる。また図8(b)では、例えば対象とする食品について時間を遡って検索することにより、入庫及び出庫の履歴から、現在の残量や賞味/消費期限を推定することが可能となる。
図6では、扉開閉検知センサ9により、冷蔵室扉101が閉じられたことを検知した際に、カメラ3により撮影した冷蔵室100内の全体画像から、画像処理装置7にて食品画像を抽出し、入出庫食品推定装置11にて入出庫食品画像を推定しているが、実施の形態3と同様に、扉開閉角度検知センサ10により、冷蔵室扉101が特定の角度となる、扉開閉途中においてカメラ3により撮影した冷蔵室100内の全体画像を用いて、食品画像を抽出してもよい。特定の扉角度で撮影した場合でも、扉開閉毎の食品画像を抽出できるので、同様の効果が得られる。
また図8では、画像処理装置7における画像処理による食品抽出画像(=在庫食品抽出画像)と、入出庫食品推定装置11において選定された入出庫食品抽出画像を、携帯端末に表示する例を示したが、表示する媒体は、冷蔵室扉101の外側に設置された操作パネル1でもよい。遠隔地でなくとも、扉を開けずに在庫状況や入出庫を確認できれば、扉開閉による無駄な冷却の抑制が可能となる。
[実施の形態5]
図9は、本発明の実施の形態5に係る冷蔵庫における、冷蔵室の概略構成図(側面断面図)である。なお、本実施の形態5で特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態4と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図9では、実施の形態4の構成における画像サーバ2内に、収納量推定装置12(収納量推定手段)が内蔵され、入出庫食品推定装置11及び情報通信装置8と接続されている。収納量推定装置12は、入出庫食品推定装置11において選定された、入庫及び出庫したと推定される食品画像から、冷蔵室100内の収納量を推定する。換言すると、収納量推定装置12は、入出庫食品推定装置11によって選定された、冷蔵室100内に現在保管されていると推定される食品の食品画像により、現在の冷蔵室100内の収納量を推定する。また、情報通信装置8は、操作パネル1あるいはユーザの携帯端末に、冷蔵室100内の収納量推定結果を送信する構成となっている。
次に、図9を用いて動作の一例について説明する。動作についても、実施の形態1〜実施の形態4と同一の箇所については説明を割愛する。
図9において、実施の形態2と同様に、扉開閉検知センサ9により、冷蔵室扉101が閉じられたことが検知された際、カメラ3により撮影された冷蔵室100内の全体画像は、実施の形態1〜実施の形態4と同様に、一旦画像メモリ6に保存された後、画像処理装置7に転送され、画像処理により図3(d)に示した食品抽出画像が得られる。連続する2回の扉開閉時における食品抽出画像を、実施の形態4と同様に、入出庫食品推定装置11にて比較することにより、扉開閉時における入出庫食品画像、及び在庫食品画像が抽出され、収納量推定装置12に転送される。本実施の形態5では、収納量推定装置12において、入出庫食品画像、及び在庫食品画像を用いて冷蔵室100内の収納量を推定し、入出庫食品推定装置11にて抽出された食品画像とともに、収納量推定結果が、情報通信装置8を介して、要求のあった操作パネル1あるいは携帯端末に、有線通信あるいは無線通信にて送信され表示される。
図10は、本発明の実施の形態5に係る冷蔵庫における、携帯端末における収納量推定結果及び在庫食品画像の表示方法の一例である。詳しくは、図10は、図8(a)に示したような在庫食品画像一覧に、収納量推定結果を重ねて表示したものである。なお、図10(a)は収納量が多い(収納率:約90%)場合、図10(b)は収納量が少ない(収納率:約60%)場合における表示結果で、それぞれ左側は画面を一番上までスクロールした時、右側は画面を一番下までスクロールした時のものである。
図10の在庫品一覧に示されているように、入出庫食品推定装置11において推定された、扉開閉ごとの食品抽出画像、及びその画像に付随する撮影時刻と入庫/出庫を識別する情報から、ある時刻において在庫していると推定される食品抽出画像の個数を算出することにより、おおよその収納物による容積占有率、すなわち収納量を推定することができる。例えば、収納物がない場合に撮影した、カラ画像が24個得られたとし、それに対して、在庫食品画像が22個得られた図10(a)の場合は、22/24=92%≒90%、在庫食品画像が14個得られた図10(b)の場合は、14/24=58%≒60%というように、収納量推定装置12において収納量を推定し、この収納量推定結果を、図10に示すように、在庫食品画像一覧とともに情報通信装置8を介してユーザの携帯端末に送信することにより、例えば遠隔地にて買い物中に収納余力を把握できるので、収納できない無駄な買い物等を防ぐことができるという効果が得られる。
図9では、扉開閉検知センサ9により、冷蔵室扉101が閉じられたことを検知した際に、カメラ3により撮影した冷蔵室100内の全体画像から、画像処理装置7にて食品画像を抽出し、入出庫食品推定装置11にて推定した入出庫食品画像及び在庫食品画像を用いて、収納量推定装置12にて冷蔵室100内の収納量を推定しているが、実施の形態3と同様に、扉開閉角度検知センサ10により、冷蔵室扉101が特定の角度となる、扉開閉途中においてカメラ3により撮影した冷蔵室100内の全体画像を用いて、食品画像を抽出してもよい。特定の扉角度で撮影した場合でも、扉開閉毎の食品画像を抽出できるので、同様の効果が得られる。
また図10では、画像処理装置7における画像処理による食品抽出画像(=在庫食品抽出画像)と、収納量推定装置12において推定された冷蔵室100内の収納量推定結果を、携帯端末に表示する例を示したが、表示する媒体は、冷蔵室扉101の外側に設置された操作パネル1でもよい。遠隔地でなくとも、扉を開けずに在庫状況や収納量を確認できれば、扉開閉による無駄な冷却の抑制が可能となる。
[実施の形態6]
図11は、本発明の実施の形態6に係る冷蔵庫における、冷蔵室の概略構成図(側面断面図)である。なお、本実施の形態6で特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態5と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図11において、実施の形態5の構成に加え、冷蔵室100の例えば背面壁に、冷蔵室100内の空気温度を検出する庫内温度センサ13(庫内温度検出手段)が設置されている。また、冷蔵庫1000の庫外天井部に設置された画像サーバ2内には、冷却負荷推定装置14(冷却負荷推定手段)が内蔵され、収納量推定装置12と庫内温度センサ13からの入力を受け、情報通信装置8を介して、操作パネル1あるいはユーザの携帯端末に、冷蔵室100内の冷却負荷推定結果を送信する構成となっている。
次に、図11を用いて動作の一例について説明する。動作についても、実施の形態1〜実施の形態5と同一の箇所については説明を割愛する。
図11において、実施の形態2と同様に、扉開閉検知センサ9により、冷蔵室扉101が閉じられたことが検知された際、カメラ3により撮影された冷蔵室100内の全体画像は、実施の形態1〜実施の形態5と同様に、一旦画像メモリ6に保存された後、画像処理装置7に転送され、画像処理により図3(d)に示した食品抽出画像が得られる。連続する2回の扉開閉時における食品抽出画像を比較することにより、実施の形態4と同様に、入出庫食品推定装置11にて扉開閉時における入出庫食品画像、及び在庫食品画像が抽出され、実施の形態5と同様に、収納量推定装置12にて、在庫食品画像の占有率により冷蔵室100内の収納量を推定する。本実施の形態6では、収納量推定装置12による冷蔵室100内の収納量推定結果と、庫内温度センサ13による冷蔵室100内の空気温度検出結果を用いて、冷却負荷推定装置14が冷蔵室100内の冷却負荷を推定し、入出庫食品推定装置11にて抽出された食品画像とともに、冷却負荷推定結果が、情報通信装置8を介して、要求のあった操作パネル1あるいは携帯端末に、有線通信あるいは無線通信にて送信され表示される。
ここで、冷蔵庫1000に食品を保管する場合、食品の品質を維持するためには、食品の冷却負荷に適した温度で冷却する必要がある。一般的に冷却負荷は収納量に比例するが、収納量が小さくても収納物の熱負荷が大きい場合には冷却負荷が大きくなり、それ以上の収納量増加は食品の品質劣化を招き、一方収納量が多くても低温で温度が安定していれば、冷却負荷は小さいので収納量を減少させる必要はなく、多い収納量に対して設定温度を低くすると、逆に食品が凍結して品質劣化する場合もある。したがって、冷却負荷を推定するには、食品の収納量だけではなく、庫内の空気温度も反映させることが望ましい。
そこで、本実施の形態6では、図11に示すように、収納量推定装置12による収納量推定結果に、庫内温度センサ13による空気温度検出結果を反映させ、冷却負荷推定装置14によって、冷蔵室100内の冷却負荷を推定している。
図12〜図14は、本発明の実施の形態6に係る冷蔵庫における、冷蔵室の温度履歴を示す実測データの一例である。図12は収納容積占有率:0%、図13は収納容積占有率:40%、図14は収納容積占有率:70%において、まず冷蔵室100の冷蔵室扉101を1分間全開にした後、24時間運転した際に、冷蔵室100内各位置の温度、及び消費電力の実測値である。なお、図12〜図14において、(a)は冷蔵室100内の主要温度と消費電力、(b)は冷蔵室100内の棚温度、(c)は冷蔵室100内の扉棚温度の実測結果である。また、(a)には、冷蔵室天井面の平均温度である冷蔵室天井面平均温度15、冷蔵室背面の平均温度である冷蔵室背面平均温度16、冷蔵室100の背面に設置された吹出口から供給される冷却空気の平均温度である冷蔵室吹出平均温度17、及び、冷蔵庫1000全体の全消費電力18を示している。(b)には、冷蔵室棚板102によって4段に仕切られた、冷蔵室100内各棚のマス温度19を示しており、より詳しくは、冷蔵室棚最上段マス温度19a、冷蔵室棚2段目マス温度19b、冷蔵室棚3段目マス温度19c、冷蔵室棚最下段マス温度19dを示している。(c)には、冷蔵室扉101の裏面に3段分設置された、冷蔵室100内各扉棚(図示せず)のマス温度20を示しており、より詳しくは、冷蔵室扉棚上段マス温度20a、冷蔵室扉棚中段マス温度20b、冷蔵室扉棚下段マス温度20cを示している。なお、収納物は袋入りインスタントラーメンで模擬し、(b)に示される冷蔵室100内各棚のマス温度19の測定位置は、収納物より背面側となっている。
図12〜図14より、(a)〜(c)の庫内温度履歴において、収納容積占有率が高いほど、収納物より背面側に配置されている、冷蔵室棚のマス温度19は低温になっていることが示されている。また、収納物より扉側に配置されている、冷蔵室扉棚のマス温度20は高温になっていることが示されている。つまり、収納物により、冷却空気の扉側への供給が阻害されていることが示されている。特に、図14の収納容積占有率:70%の場合は、冷蔵室100内下方の棚温度である、冷蔵室棚3段目マス温度19c、及び冷蔵室棚最下段マス温度19dが0℃以下まで低下している。一方の冷蔵室100内上方の扉棚温度である、冷蔵室扉棚上段マス温度20aは13〜14℃を維持しており、冷蔵温度帯から外れ、食品の劣化を促進させる温度環境となっていることが示されている。また、全消費電力18は、収納容積占有率:0〜70%において、最大値は50W程度を維持している。しかしながら、圧縮機をOFFして、空気搬送装置のみで運転されている期間は、収納容積占有率が高いほど減少している。つまり、収納容積占有率が高いほど、消費電力量としては増加していることが示されている。
したがって、収納量推定装置12による収納量推定結果に加え、庫内温度センサ13による空気温度検出結果を用いて、冷却負荷推定装置14が冷蔵室100内の冷却負荷を推定し、情報通信装置8を介して、操作パネル1やユーザの携帯端末に、冷蔵室100内の冷却負荷推定結果を送信し表示しているので、収納量としては余裕があっても、これ以上収納すると食品の保存品質が低下する、また、冷却負荷が小さいので設定温度を上げても支障がないなどの情報をユーザに開示することにより、食品の保存品質を維持したうえで、最適な収納や冷却方法、省エネ行動などを啓蒙することができるという効果が得られる。
ここで、図11において、庫内温度センサ13は、3段目の冷蔵室棚板102の背面壁に設置されているが、設置位置はこの場所に限るものではなく、冷蔵室100内の空気温度を代表できる位置であれば、他の冷蔵室棚板102の背面壁でも、あるいは冷蔵室扉101側でもよい。特に、図12〜図14に示したように、収納量増加によって最も温度上昇が著しい、冷蔵室扉棚上段マス温度20aの測定位置付近に庫内温度センサ13を設置すれば、品質劣化の可能性をいち早く検知し、ユーザに注意を促すことが可能となる。
また図11では、扉開閉検知センサ9により冷蔵室扉101が閉じられたことを検知した際に、カメラ3により冷蔵室100内の全体画像を撮影している。これに限らず、実施の形態3と同様に、扉開閉角度検知センサ10により、冷蔵室扉101が特定の角度となる、扉開閉途中においてカメラ3により冷蔵室100内の全体画像を撮影してもよい。冷蔵室100内の全体画像から画像処理装置7にて食品画像を抽出し、入出庫食品推定装置11にて選定した入出庫食品画像及び在庫食品画像を用いて、収納量推定装置12にて冷蔵室100内の収納量を推定し、また収納量推定結果を用いて、冷却負荷推定装置14にて冷蔵室100内の冷却負荷を推定することにより、同様の効果が得られる。
[実施の形態7]
図15は、本発明の実施の形態7に係る冷蔵庫の概略構成図(側面断面図)である。なお、本実施の形態7で特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態6と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図15において、この冷蔵庫1000には、各貯蔵室へ供給する空気を冷却する冷凍サイクル回路と、この冷凍サイクル回路によって冷却された空気を各貯蔵室へ供給するための風路を備えている。
冷凍サイクル回路は、圧縮機1002、圧縮機1002から吐出された冷媒を凝縮させる凝縮器(図示せず)、凝縮器から流出した冷媒を膨張させる絞り装置(図示せず)、及び、絞り装置で膨張した冷媒によって各貯蔵室へ供給する空気を冷却する冷却器1003等によって構成されている。圧縮機1002は、例えば、冷蔵庫1000の背面側の下部に配置されている。冷却器1003は、後述する冷却風路1010に設けられている。また、冷却風路1010には、冷却器1003で冷却された空気を各貯蔵室へ送るための(換言すると、冷蔵庫1000内で空気を循環させるための)空気搬送装置1004も設けられている。
この冷凍サイクル回路によって冷却された空気を各貯蔵室へ供給するための風路は、冷却風路1010、戻り風路1020、冷蔵室戻り風路104、及び野菜室戻り風路501等から構成されている。冷却風路1010は、例えば冷蔵庫1000の背面部に形成されており、冷却器1003にて冷却された空気が、各貯蔵室に搬送される通風路である。各貯蔵室への冷却空気の流入量は、冷却風路1010内に設置されたダンパ(吹出風量制御装置、図15では、冷蔵室用の冷蔵室ダンパ105のみ図示)によって調節される。戻り風路1020は、各室を冷却した空気が、冷却器1003へ搬送される通風路である。冷蔵室戻り風路104は、冷蔵室100及びチルド室110を冷却した空気が、野菜室500に搬送される通風路である。冷蔵室100及びチルド室110を冷却した空気は、野菜室戻り風路501において野菜室500を冷却した空気と混合され、冷却器1003に搬送される。
図15において、実施の形態6の構成に加え、冷蔵庫1000の背面に設置された制御基板1001には、冷却制御装置21(冷却制御手段)が実装されている。冷却制御装置21は、圧縮機1002、空気搬送装置1004、及び冷蔵室ダンパ105やその他の貯蔵室のダンパ(図示せず)に接続されている。この冷却制御装置21は、画像サーバ2内に内蔵された収納量推定装置12及び冷却負荷推定装置14の入力を受け、必要な機器に制御信号を送るとともに、情報通信装置8を介して、操作パネル1あるいはユーザの携帯端末に、庫内の冷却負荷推定結果、各機器への制御内容、及び各貯蔵室の設定温度等も送信可能な構成となっている。
次に、図15を用いて動作の一例について説明する。動作についても、実施の形態1〜実施の形態6と同一の箇所については説明を割愛する。
図15において、実施の形態2と同様に、扉開閉検知センサ9により、冷蔵室扉101が閉じられたことが検知された際、カメラ3により撮影された冷蔵室100内の全体画像は、実施の形態1〜実施の形態5と同様に、一旦画像メモリ6に保存された後、画像処理装置7に転送され、画像処理により図3(d)に示した食品抽出画像が得られる。連続する2回の扉開閉時における食品抽出画像を比較することにより、実施の形態4と同様に、入出庫食品推定装置11にて扉開閉時における入出庫食品画像、及び在庫食品画像が抽出され、実施の形態5と同様に、収納量推定装置12にて、在庫食品画像の占有率により冷蔵室100内の収納量が推定される。さらに、実施の形態6と同様に、収納量推定結果に庫内温度センサ13による冷蔵室100内の空気温度検出結果が反映され、冷却負荷推定装置14にて冷蔵室100内の冷却負荷が推定され、入出庫食品推定装置11にて抽出された食品画像とともに、冷却負荷推定結果が、情報通信装置8を介して、要求のあった操作パネル1あるいは携帯端末に送信され表示される。
また図15において、一般的に冷却器1003で冷却された庫内空気が、空気搬送装置1004によって冷却風路1010を経由して各貯蔵室へ搬送される。そして、各貯蔵室を冷却した後の戻り空気が戻り風路1020を経由して再度冷却器1003に戻る周回風路となっている。このとき、冷却器1003で冷却された空気(例えば−30℃〜−25℃)を分配して各貯蔵室を冷却し、冷蔵室ダンパ105を初めとする、複数のダンパの開閉によって冷却空気の流入量を調節することにより、各貯蔵室に対して個別の温度設定を行っている。例えば、最も低温設定となる冷凍室400(例えば−22℃〜−16℃)の流入ダンパはほぼ全開とし、最も高温設定となる野菜室500(例えば3℃〜9℃)の流入ダンパはほぼ全閉としている。そして、野菜室500より温度設定の低い冷蔵室100(例えば0℃〜6℃)及びチルド室110(例えば0℃〜2℃)を冷却した戻り空気で野菜室500を間接冷却するなどして、温度設定を変更している。
ここで、冷却過剰や冷却不足に対応して、各貯蔵室の温度設定は±2℃〜3℃程度の調整が可能であり、例えば、冷凍室400は−25℃〜−13℃程度、冷蔵室100は−2℃〜9℃程度の範囲で設定変更が可能である。冷却不足により、特定の貯蔵室が低温設定された場合、例えば冷蔵室100のみを低温化する場合には、冷蔵室ダンパ105の開度を大きくすることによって、冷蔵室100への冷却空気の流入量を増加させるが、複数の貯蔵室を低温化する必要がある場合には、圧縮機1002の回転数や空気搬送装置1004による搬送風量を増加させ、冷凍サイクル回路の冷却能力を上昇させることになる。したがって、冷蔵庫1000の消費電力は増加する。逆に冷却過剰により、貯蔵室を高温化する場合には、特定の貯蔵室に対してはダンパの開度を小さくして、冷却空気の流入量を減少させ、複数の貯蔵室に対しては、圧縮機1002の回転数や空気搬送装置1004による搬送風量を減少させるので、冷蔵庫1000の消費電力は減少する。
冷蔵庫1000の消費電力は、ルームエアコンやIHクッキングヒータなどの他の家電機器に比べて小さいが、食品を管理しているために冷却を停止(電源OFF)することができないため、節電運転を実施するためには、食品の保存状況や冷却負荷に応じて、各貯蔵室の設定温度を上昇させる必要がある。例えば、貯蔵室内の食品保存量が少ない場合や、食品保存量が多くても低温で安定している場合などでは、冷却能力が過剰となるので、設定温度を上昇させても、食品の保存品質を損なうことなく節電運転することが可能となる。
そこで、本実施の形態7では、収納量推定装置12による収納量推定結果及び冷却負荷推定装置14による庫内の冷却負荷推定結果のうちの少なくとも一方を入力として、冷却制御装置21が、収納量及び冷却負荷の一方に応じて、圧縮機1002、空気搬送装置1004及びダンパのうちの少なくとも1つを制御する。例えば、貯蔵室内の収納量が小さい、あるいは収納量は大きくても冷却負荷が小さく、冷却能力に余裕がある場合には、圧縮機1002の回転数、及び空気搬送装置1004による搬送風量を減少させる信号を冷却制御装置21が送信することにより、食品の保存品質を維持しつつ消費電力レベルを低減することが可能となる。
また特定の貯蔵室のみの冷却負荷が上昇した場合、例えば、朝食時や夕食時に冷蔵室100の扉開閉が頻発し、冷蔵室100の冷却負荷が急増したという信号を冷却負荷推定装置14から入手した場合、冷却制御装置21は、冷蔵室ダンパ105の開率を大きく、圧縮機1002の回転数、及び空気搬送装置1004による搬送風量を減少させる信号を送信し、冷蔵室100に集中的に冷却空気を流入させることにより、冷蔵庫1000全体としての消費電力レベルを低減することが可能となる。
[実施の形態8]
図16は、本発明の実施の形態8に係る冷蔵庫が載置される宅内システムの概略構成図である。なお、本実施の形態8で特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態7と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図16に示すように、本実施の形態8に係るネットワークシステムは、宅内ネットワークシステムである宅内システム2000を備えている。この宅内システム2000では、冷蔵庫1000を含めた、ルームエアコン、給湯器、照明機器、テレビなどの各家電機器、及び電力計測装置2002が電灯線によって系統電源2001と接続され、電力を供給されている。なお、家電機器は上記5種類だけではなく、IHクッキングヒータ、炊飯器、空気清浄機、クリーナなどの他、パソコンなどネットワークで接続できるものを全て含む。電力計測装置2002は、各家電機器に供給される電力(消費電力)、及び系統電源2001から供給される全電力を、例えばCTなどの電力計測端子2003によって計測し、履歴を保存することができる。また、各家電機器、及び電力計測装置2002には、宅内コントローラ2004と双方向通信するための情報通信装置8が、内蔵または外部に接続されている。このとき、情報通信装置8としては、Wi−Fi及びBluetooth(登録商標)などの無線通信モジュールが想定されるが、各家電機器及び宅内コントローラ2004は同じ宅内に載置されているので、例えばシリアルインターフェース及びLANなどを用いて有線で接続してもよい。宅内コントローラ2004では、電力計測装置2002から入手した、各家電機器の消費電力及び系統電源2001の供給電力、並びに、各家電機器から入手した運転状態や周囲環境の情報を管理し、各家電機器に対して制御変更指示を送信することも可能な構成となっている。
次に、図16を用いて動作の一例について説明する。動作についても、実施の形態1〜実施の形態7と同一の箇所については説明を割愛する。
図16において、冷蔵庫1000、ルームエアコン、給湯器、照明機器、テレビなどの各家電機器は、系統電源2001から電力を供給されて運転を実施し、継続的に、あるいは要求があった際に、情報通信装置8を介して、宅内コントローラ2004に運転状態や周囲環境の情報を送信する。運転状態の情報としては、例えば冷蔵庫1000では、各貯蔵室の設定温度や実際の温度履歴、製氷運転や急冷運転の有無などの運転モード、さらに給水タンクの空状態や扉の開状態などのアラート情報等がある。また周囲環境の情報としては、例えばルームエアコンでは、吸込空気から検出される室内の空気温度や空気湿度、照明機器では、室内の照度等の情報がある。
このとき、電力計測端子2003によって、各家電機器に供給されている電流を測定し、電力計測装置2002において、各家電機器の消費電力及び系統電源2001の供給電力を算出し、情報通信装置8を介して、宅内コントローラ2004に電力情報を送信する。宅内コントローラ2004においては、電力計測装置2002から入手した、各家電機器の消費電力及び系統電源2001の供給電力、並びに、各家電機器から入手した運転状態及び周囲環境の情報を管理し、またそれらの情報をもとに各家電機器に対して制御変更指示を送信する。例えば、各家電機器の消費電力合計が、系統電源2001の供給容量に迫っている場合には、特に消費電力の大きい家電機器に対して節電指示を送信し、冷蔵庫1000については、貯蔵室の設定温度と実際の温度履歴から、冷却過剰と判断された場合に、設定温度の上昇を指示することができる。
さらに冷蔵庫1000では、実施の形態7で述べたように、収納量推定装置12による収納量推定結果や、冷却負荷推定装置14による庫内の冷却負荷推定結果を入力として、冷却制御装置21が、収納量や冷却負荷に応じて、圧縮機1002及び空気搬送装置1004を制御している。このとき、冷蔵庫1000の冷却制御では、一般的に、各貯蔵室の設定温度を目標として冷却する以前に、冷蔵庫1000周辺の空気温度によって、圧縮機1002の運転率などの基本制御が決まっている。すなわち、冷蔵庫1000周辺が低温であれば、圧縮機1002の運転を抑制する代わりに凍結防止用のヒータを運転し、逆に高温であれば、圧縮機1002の運転率やデフロスト運転の頻度を上げ、不具合なく冷却できるように最適化を図っている。
そこで、本実施の形態8では、冷蔵庫1000は、情報通信装置8を介して、つまり宅内システム2000を介して、他の家電機器から冷蔵庫1000周辺(冷蔵庫1000が設置された環境)の環境情報を入手する。そして、冷蔵庫1000の冷却制御装置21は、当該環境情報に基づいて、貯蔵室に対する冷却能力を変更する。本実施の形態8では、当該環境情報として、例えばルームエアコンによる室内の空気温湿度情報、及び照明機器による室内の照度情報を、宅内コントローラ2004を介して入手することが可能な構成となっている。つまり、冷蔵庫1000の冷却制御装置21は、冷蔵庫1000周辺の空気温度によって基本制御を決定し、さらに空気温度以外に照度情報を入手し、日射や照明の負荷を反映した冷蔵庫1000周辺の環境負荷を推定することにより、例えば「低温でも日射による負荷が高いので、冷却能力の維持が必要である」、あるいは、「高温であるのは照明によるもので、夜間なので冷却負荷をそれほど高くない」などの判断ができるので、食品の保存品質を維持するうえで、過不足ない冷却が可能となり、無駄な運転を抑制し省エネにもなるという効果が得られる。なお、本実施の形態8では、上記環境情報に基づいて冷蔵庫1000が載置された環境の冷却負荷を推定する環境負荷推定手段として、冷却制御装置21を用いている。これに限らず、環境負荷推定手段を冷却制御装置21とは別に設けても勿論よい。
また、冷蔵庫1000は、宅内コントローラ2004を介して、室内(つまり、冷蔵庫1000の周囲)の空気湿度情報を入手することができるので、冷蔵庫1000の運転に湿度情報を反映することが可能となる。例えば、上記のような庫外冷却負荷の推定の際に、潜熱負荷を考慮することができるだけでなく、最も消費電力が大きくなる霜取運転に対して、低湿度の場合は扉開閉による霜付の可能性も低減するので、霜取運転の回数を削減する、あるいは時間間隔を延長することにより、大幅な消費電力の低減効果が得られる。
一方で、実施の形態1〜実施の形態7で述べたように、冷蔵庫1000側から宅内コントローラ2004へは、画像処理装置7にて処理された、図3(b)〜(d)に示した処理後画像、入出庫食品推定装置11にて抽出された、扉開閉時における入出庫食品画像や在庫食品画像、収納量推定装置12にて推定された、冷蔵室100内の収納量推定結果、冷却負荷推定装置14にて推定された、冷蔵室100内の冷却負荷推定結果、及び冷却制御装置21により実施された制御変更内容が、情報通信装置8を介して送信される。本実施の形態8では、情報通信装置8から送信されたこれらの情報を、宅内コントローラ2004及び他の家電機器で閲覧することが可能な構成となっているので、例えば宅内コントローラ2004にて、他の家電機器を含めた消費電力情報や制御変更内容を閲覧できれば、宅内全体の制御変更による消費電力抑制効果を一覧で確認でき、またテレビやパソコン画面にて、画像処理装置7による処理後画像や在庫食品画像を閲覧することにより、わざわざ冷蔵庫1000の所まで行くことなく、収納状況や在庫食品を確認しながら、インターネットで無駄なく食材を購入することが可能になるという効果が得られる。なお、後述の図17で示すように、宅内コントローラ2004にユーザの携帯端末3003を接続しておけば、ユーザの携帯端末から、画像処理装置7による処理後画像や在庫食品画像等を閲覧することもできる。
[実施の形態9]
図17は、本発明の実施の形態9に係る冷蔵庫が載置される宅内システム及び宅外システムの概略構成図である。なお、本実施の形態9で特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態8と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図17に示すように、本実施の形態9に係るネットワークシステムは、宅内システム2000に加えて、宅外ネットワークシステムである宅外システム3000を備えている。詳しくは、実施の形態8で示した宅内システム2000内にブロードバンドルーター2005を設置し、宅内コントローラ2004は、ブロードバンドルーター2005を経由して宅外システム3000内のインターネット3001に接続されている。さらにインターネット3001は、各種電力情報や天気予報等の環境情報が格納されているクラウドサーバ3002(外部サーバ)、及び、スマートフォンや携帯タブレットなどのユーザの携帯端末3003に接続されている。このため、宅内コントローラ2004は、クラウドサーバ3002から電力情報や環境情報を入手する一方、電力計測装置2002から入手した、各家電機器の消費電力や系統電源2001の供給電力、及び各家電機器から入手した運転状態や周囲環境の情報を、ユーザの携帯端末3003に送信することが可能な構成となっている。
また、クラウドサーバ3002には、例えば冷蔵庫1000のIDとユーザの携帯端末3003のIDが登録されたデータベースが格納され、特定の冷蔵庫1000に対し、登録された携帯端末3003以外からのアクセスを制限する個人認証手段を備えている。
次に、図17を用いて動作の一例について説明する。動作についても、実施の形態1〜実施の形態8と同一の箇所については説明を割愛する。
図17において、宅内コントローラ2004は、実施の形態8で述べたように、宅内システム2000において、電力計測装置2002から各家電機器の消費電力及び系統電源2001の供給電力を入手し、また各家電機器から運転状態及び周囲環境の情報を入手する。さらに本実施の形態9では、ブロードバンドルーター2005を経由してインターネット3001に接続しているので、クラウドサーバ3002から各種電力情報や環境情報を入手することが可能となっている。例えば、電力情報として、宅内システム2000が載置されている地域に関する、電力の需給状況を入手し、地域の消費電力が供給可能電力に迫っている場合には、特に消費電力の大きい家電機器に対して節電指示を送信し、冷蔵庫1000については、貯蔵室の設定温度と実際の温度履歴から、冷却過剰と判断された場合に、設定温度の上昇を指示することができる。
さらに冷蔵庫1000では、実施の形態7で述べたように、収納量推定装置12による収納量推定結果や、冷却負荷推定装置14による庫内の冷却負荷推定結果を入力として、冷却制御装置21が、収納量や冷却負荷に応じて、圧縮機1002及び空気搬送装置1004等を制御し、また実施の形態8と同様に、宅内コントローラ2004を介して、温湿度情報や照度情報を入手して庫外の環境負荷を推定し、冷却制御に反映している。さらに本実施の形態9では、例えば環境情報として、宅内システム2000が載置されている地域に関する、天気予報の情報をクラウドサーバ3002から入手して、冷却負荷(環境負荷)の変動を予測することができるので、冷却制御装置21は冷却負荷に対応した制御を予め指示できるので、急激な環境変化にも対応可能となり、常に食品の保存品質を維持できるという効果が得られる。
また、実施の形態8で示したように、冷蔵庫1000側からは、画像処理装置7にて処理された、図3(b)〜(d)に示した処理後画像、入出庫食品推定装置11にて抽出された、扉開閉時における入出庫食品画像や在庫食品画像、収納量推定装置12にて推定された、冷蔵室100内の収納量推定結果、冷却負荷推定装置14にて推定された、冷蔵室100内の冷却負荷推定結果、及び冷却制御装置21により実施された制御変更内容が、情報通信装置8を介して送信され、宅内コントローラ2004及び他の家電機器で閲覧可能である。さらに、本実施の形態9では、ブロードバンドルーター2005及びインターネット3001を経由して、宅外においてユーザの携帯端末3003から、これらの情報を閲覧することができる。このとき、クラウドサーバ3002における個人認証手段により、登録されたユーザの携帯端末3003以外からの閲覧を制限できるので、例えば家族の携帯端末3003を登録しておけば、セキュリティを維持したうえで貯蔵室内の収納状況及び在庫食品などの情報を共有することが可能となり、家族相互によるダブリ買いや買い忘れなどを防ぐという効果が得られる。