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JP6304443B2 - エレベータの診断装置 - Google Patents

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JP6304443B2
JP6304443B2 JP2017500200A JP2017500200A JP6304443B2 JP 6304443 B2 JP6304443 B2 JP 6304443B2 JP 2017500200 A JP2017500200 A JP 2017500200A JP 2017500200 A JP2017500200 A JP 2017500200A JP 6304443 B2 JP6304443 B2 JP 6304443B2
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Description

この発明は、エレベータの診断装置に関するものである。
従来におけるエレベータの診断装置においては、駆動滑車と主索間の滑り量を検出する滑り検出手段を備え、エレベータ制御装置は、エレベータ診断時には、駆動滑車の加減速度が通常の速度パターンのものよりも大きな値のエレベータ診断用の速度パターンに基づいて巻上機を回転制御して、滑り検出手段により滑り量を検出し、検出された滑り量に基づいて駆動滑車と主索間の摩擦力低下の有無の診断を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、綱車を回転させるモータの駆動状況を監視するためのモータ駆動監視手段としてモータに設けられた第1エンコーダと、かごの昇降速度を測定するための昇降速度測定手段として調速機に設けられた第2エンコーダと、を備え、モータ駆動監視手段を介して監視したモータの駆動状況に基づく綱車のロープ送り出し速度と、昇降速度測定手段からの信号に基づくかごの昇降速度との差をロープスリップ速度として算出し、そのロープスリップ速度が所定の速度を超えたときに、かごの運転を休止するものも従来において知られている(例えば、特許文献2参照)。
日本特開2011−032075号公報 日本特開2008−290845号公報
ところで、エレベータの綱車と主ロープとの相対的な位置関係の「ずれ」は、綱車と主ロープとの間の摩擦力すなわちトラクション能力の不足のみならず、乗りかご側と釣合い重り側の主ロープの張力差という力学的な要因によっても生じ得る。
しかしながら、これらの特許文献に示された従来のエレベータの診断装置においては、このような、力学的な要因によって生じる綱車と主ロープとの相対的な位置関係の「ずれ」を考慮に入れていない。このため、トラクション能力の低下を判定するしきい値の設定が困難であったり、トラクション能力診断が不正確なものとなったりするおそれがある。
また、特許文献1に示された従来のエレベータの診断装置では、巻上機(モータ)のみならず、調速機にもエンコーダを設ける必要があり、構成が複雑化し製造コストの増加をもたらしてしまうということもある。
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、調速機側にエンコーダが不要であって簡潔な構成で、より正確なトラクション能力の診断を実施することができるエレベータの診断装置を得るものである。
この発明に係るエレベータの診断装置においては、乗りかごを吊るす主ロープの中間部が巻き掛けられる綱車を有する巻上機と、前記巻上機の動作を制御することで前記乗りかごを走行させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、第1の加減速度で前記乗りかごを走行させる第1の走行制御、及び、前記第1の加減速度より小さい第2の加減速度で前記乗りかごを走行させる第2の走行制御を行うかご制御手段と、前記第1の走行制御と前記第2の走行制御とで同距離だけ前記乗りかごを走行させた際の、前記綱車の回転による前記主ロープの繰り出し量の差を検出するロープ繰出量差検出手段と、前記ロープ繰出量差検出手段により検出された前記主ロープの繰り出し量の差に基づいて、前記綱車のトラクション能力を判定する判定手段と、を備えた構成とする。
あるいは、この発明に係るエレベータの診断装置においては、乗りかごを吊るす主ロープの中間部が巻き掛けられる綱車を有する巻上機と、前記巻上機の動作を制御することで前記乗りかごを走行させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、第1の加減速時間で前記乗りかごを走行させる第1の走行制御、及び、前記第1の加減速時間より短い第2の加減速時間で前記乗りかごを走行させる第2の走行制御を行うかご制御手段と、前記第1の走行制御と前記第2の走行制御とで同距離だけ前記乗りかごを走行させた際の、前記綱車の回転による前記主ロープの繰り出し量の差を検出するロープ繰出量差検出手段と、前記ロープ繰出量差検出手段により検出された前記主ロープの繰り出し量の差に基づいて、前記綱車のトラクション能力を判定する判定手段と、を備えた構成とする。
この発明に係るエレベータの診断装置においては、簡潔な構成で、より正確なトラクション能力の診断を実施することができるという効果を奏する。
この発明の実施の形態1に係るエレベータの診断装置が適用されるエレベータの全体構成を模式的に示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータの診断装置の構成を示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータの診断装置の第1及び第2の走行制御を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータの診断装置の動作を示すフロー図である。 この発明の実施の形態2に係るエレベータの診断装置の第1及び第2の走行制御を説明する図である。 この発明の実施の形態3に係るエレベータの診断装置の主ロープ及び綱車を示す図である。
この発明を添付の図面を参照しながら説明する。各図を通じて同符号は同一部分又は相当部分を示している。同符号の部分についての重複説明は適宜に簡略化あるいは省略する。
実施の形態1.
図1から図4は、この発明の実施の形態1に係るもので、図1はエレベータの診断装置が適用されるエレベータの全体構成を模式的に示す斜視図、図2はエレベータの診断装置の構成を示す機能ブロック図、図3はエレベータの診断装置の第1及び第2の走行制御を説明する図、図4はエレベータの診断装置の動作を示すフロー図である。
図1に示すように、エレベータの昇降路1内には、乗りかご2が設置されている。乗りかご2は、図示しないガイドレールに案内されて昇降路内を昇降する。乗りかご2の上端には主ロープ10の一端が連結されている。主ロープ10の他端は釣合い重り3の上端に連結されている。釣合い重り3は昇降路1内に昇降自在に設置されている。
主ロープ10の中間部は、昇降路1の頂部に設置された巻上機5(図1においては図示せず)の綱車20に巻き掛けられている。また、主ロープ10の中間部は、昇降路1の頂部に綱車20に隣接して設けられたそらせ車4にも巻き掛けられている。このようにして、乗りかご2及び釣合い重り3は、主ロープ10によって昇降路1内で互いに相反する方向に昇降するつるべ状に吊るされている。すなわち、この発明に係るエレベータの診断装置が適用されるエレベータは、いわゆるトラクション方式のエレベータである。
次に、図2を参照しながら、エレベータの診断装置の制御系統を含めた構成についてさらに説明する。巻上機5は、綱車20を回転駆動する。巻上機5が綱車20を回転させると、主ロープ10と当該綱車20との間の摩擦力により、主ロープ10が移動する。主ロープ10が移動すると、主ロープ10に吊られている乗りかご2及び釣合い重り3が昇降路1内を互いに相反する方向へと昇降する。
巻上機5の動作は、制御盤30により制御される。すなわち、制御盤30は、巻上機5の動作を制御することで乗りかご2を走行させる制御手段である。乗りかご2を走行させるための巻上機5の制御は、特に、制御盤30が備えるかご制御部31が司っている。かご制御部31は、第1のかご走行制御部41及び第2のかご走行制御部42を備えている。
第1のかご走行制御部41は、第1の走行制御を行う。第1の走行制御とは、予め設定された第1の加減速度で乗りかご2を走行させる制御である。第2のかご走行制御部42は、第2の走行制御を行う。第2の走行制御とは、予め設定された第2の加減速度で乗りかご2を走行させる制御である。ここで、第2の加減速度は、第1の加減速度より小さくなるように設定される。
かご制御部31は、第1のかご走行制御部41及び第2のかご走行制御部42を備えることで、第1の加減速度で乗りかご2を走行させる第1の走行制御、及び、第1の加減速度より小さい第2の加減速度で乗りかごを走行させる第2の走行制御を行うかご制御手段を構成している。なお、かご制御部31は、走行以外の乗りかご2に関する制御全般、例えば、乗りかご2のドアの開閉の制御等も行っている。
制御盤30は、さらに、ロープ繰出量差検出部32を備えている。ロープ繰出量差検出部32は、前記第1の走行制御と前記第2の走行制御とで同距離だけ乗りかご2を走行させた際の、綱車20の回転による主ロープ10の繰り出し量の差を検出する。
前記第1の走行制御と前記第2の走行制御とで同距離だけ乗りかご2を走行させる点について、図3を参照しながら説明する。図3は、前記第1の走行制御及び前記第2の走行制御時における経過時間と乗りかご2の速度との関係を示すグラフである。図3の横軸が時間軸、縦軸が速度軸である。図3のグラフ中で実線で示すのが前記第1の走行制御時の乗りかご2の速度変化、一点鎖線で示すのが前記第2の走行制御時の乗りかご2の速度変化である。
この図3に示すように、前記第1の走行制御時には、乗りかご2が出発階を出発すると、まず、乗りかご2は前記第1の加減速度で加速される。乗りかご2の速度が予め定められた定格速度にまで達すると加速をやめる。乗りかご2は、この定格速度を最高速度とする一定速度でもって走行する。乗りかご2が停止階から予め定められた距離だけ手前の位置を通過すると、今度は、乗りかご2は前記第1の加減速度で減速される。そして、乗りかご2は停止階に停止する。
また、前記第2の走行制御時には、乗りかご2が出発階を出発すると、まず、乗りかご2は前記第2の加減速度で加速される。乗りかご2の速度が前記定格速度にまで達すると加速をやめる。乗りかご2は、前記定格速度を最高速度とする一定速度でもって走行する。すなわち、前記第2の走行制御における最高速度は、前記第1の走行制御の場合と同じく前記定格速度である。
乗りかご2が停止階から予め定められた距離だけ手前の位置を通過すると、今度は、乗りかご2は前記第2の加減速度で減速される。そして、乗りかご2は停止階に停止する。ここで、前述したように、前記第2の加減速度は前記第1の加減速より小さい。このため、出発階を出発してから乗りかご2が定格速度に達するまで時間及び減速を開始してから停止階に停止するまでの時間、すなわち加減速時間は、前記第1の走行制御時よりも前記第2の走行制御時の方が長いことになる。
前記第1の走行制御と前記第2の走行制御とで同距離だけ乗りかご2を走行させるというのは、前記第1の走行制御時の出発階から停止階までの距離と、前記第2の走行制御時の出発階から停止階までの距離とが等しいということである。すなわち、図3において、前記第1の走行制御時の速度変化のグラフと時間軸とで囲まれる面積と、前記第2の走行制御時の速度変化のグラフと時間軸とで囲まれる面積とは等しくなっている。このような走行を実現するには、具体的に例えば、前記第1の走行制御時の出発階及び停止階と、前記第2の走行制御時の出発階及び停止階とを全く同じにすればよい。
再び図2を参照しながら説明を続ける。綱車20の回転を検出するため、エンコーダ6が設けられている。エンコーダ6は、綱車20の回転位相角度に応じて例えばパルス状の信号を出力する。このエンコーダ6から出力されたパルス状信号のパルス数を計数することにより、綱車20の回転数及び綱車20の回転位相角度を検出することができる。
ロープ繰出量差検出部32は、前記第1の走行制御と前記第2の走行制御とで同距離だけ乗りかご2を走行させた際の、綱車20の回転数の差に基づいて、綱車20の回転による主ロープ10の繰り出し量の差を検出する。すなわち、ロープ繰出量差検出部32は、エンコーダ6の検出結果を用いて主ロープ10の繰り出し量の差を検出する。
具体的には、まず、ロープ繰出量差検出部32は、前記第2の走行制御で出発階から停止階まで乗りかご2を走行させた際のエンコーダ6により検出された綱車20の回転数を、制御盤30が備える記憶部33に記憶させる。次に、ロープ繰出量差検出部32は、前記第1の走行制御で出発階から停止階まで乗りかご2を走行させた際のエンコーダ6により検出された綱車20の回転数と、記憶部33に記憶されている前記第2の走行制御時の綱車20の回転数との差を求める。そして、ロープ繰出量差検出部32は、例えば、このようにして求めた綱車20の回転数の差に綱車20の周長を乗じることで、綱車20の回転による主ロープ10の繰り出し量の差を算出することができる。
制御盤30が備える判定部34は、このようにしてロープ繰出量差検出部32により検出された主ロープ10の繰り出し量の差に基づいて、綱車20のトラクション能力を判定する。この判定部34によるトラクション能力の判定原理について次に説明する。
トラクション方式のエレベータは、綱車20と主ロープ10との間に働く摩擦力により、綱車20の回転を主ロープ10の移動へと変換して乗りかご2を昇降させる。綱車20と主ロープ10との間に働く摩擦力が十分でなくなると、綱車20と主ロープ10との間に「滑り」が生じる。綱車20と主ロープ10との間に「滑り」が生じている状態が、トラクション能力が不十分な状態である。
そこで、綱車20のトラクション能力を判定するためには、綱車20と主ロープ10との間に「滑り」が生じているか否かを確認すればよい。しかしながら、綱車20と主ロープ10との相対的な位置関係の「ずれ」は、トラクション能力の不足のみならず、次に述べるような力学的な要因によっても生じる。
すなわち、乗りかご2側と釣合い重り3側の主ロープ10の張力に差がある状態で乗りかご2を移動させると、張力差による主ロープ10の伸び量の違いにより綱車20と主ロープ10との相対位置に微小な「ずれ」が必ず生じる。この現象は、綱車20の乗りかご2側と釣合い重り3側とを跨ぐように主ロープ10が移動する際の主ロープ10の張力変化により力学的に必ず発生する。1:1ローピングのエレベータで乗りかご2を往復運転させた場合に当該現象により生じる「ずれ」の量は次の(1)式で表すことができる。
ΔL=L・{ΔW/(A・E)} ・・・ (1)
なお、(1)式において、ΔLが綱車20と主ロープ10との相対位置の微小な「ずれ」の量で、Lは乗りかご2を往復運転させた階間距離、ΔWは乗りかご2側と釣合い重り3側の質量差(張力差)、Aは主ロープ10の断面積(鋼線の面積)、Eは主ロープ10の弾性係数である。
エレベータのトラクション能力を正確に診断するために、このような現象により生じる綱車20と主ロープ10との相対位置の「ずれ」についても考慮に入れる必要がある。ここで、(1)式によれば、同じ階間距離Lで乗りかご2を走行させても、他の変数であるΔW、A、Eが異なれば、「ずれ」の量ΔLは異なる。したがって、「ずれ」の量ΔLは、エレベータ毎に異なったものとなる。
ところで、エレベータの綱車20のトラクション能力が、綱車20と主ロープ10との間に「滑り」が生じることがない程度に十分大きいか否かは、次の(2)により判定することができる。
exp(k・μ・θ)≧{Wcar・(g+α)}/{Wcwt・(g−α)} ・・・ (2)
この(2)式において、exp(x)は自然対数の底eのx乗を意味している。kは溝係数であり、主ロープ10が巻き掛けられる綱車20の溝の形状により幾何学的に決定される値である。また、μは綱車20と主ロープ10との摩擦係数、θは巻付角であり、巻付角とは主ロープ10が綱車20に掛かる角度である。そして、Wcarは乗りかご2側の質量、Wcwtは釣合い重り3側の質量、gは重力加速度、αはエレベータの乗りかご2の運転時の加減速度である。
この(2)式が成立すれば、綱車20のトラクション能力が、綱車20と主ロープ10との間に「滑り」が生じることがない程度に大きい。一方、(2)式が成立しない場合には、綱車20のトラクション能力が小さく、綱車20と主ロープ10との間に「滑り」が生じてしまう。
ここで、(2)式によれば、乗りかご2の加減速度αの値が小さいほど、(2)式の右辺の値は小さくなる。そして、(2)式の右辺の値は小さいほど、(2)式の不等号は成立しやすくなる。したがって、トラクション能力が低下しても、乗りかご2の加減速度αの値を小さくすることで、綱車20と主ロープ10との間に「滑り」が生じることなく、(1)式で表されるような力学的要因による「ずれ」のみが発生する状態を作り出すことが可能である。
なお、エレベータのトラクション能力は綱車20の溝の摩耗等で徐々に低下していくことを考えると、通常の加減速度(前記第1の加減速度)で「滑り」が発生し出した状況では、通常の加減速度より小さい加減速度(前記第2の加減速度)では未だ「滑り」が発生しない状態である蓋然性が高い。
そこで、前述したように、この発明の実施の形態1に係るエレベータの診断装置においては、ロープ繰出量差検出部32は、前記第1の走行制御と前記第2の走行制御とで同距離だけ乗りかご2を走行させた際の、綱車20の回転による主ロープ10の繰り出し量の差を検出する。
前記第2の走行制御は、前記第1の走行制御における前記第1の加減速度より小さい前記第2の加減速度で乗りかご2を走行させるものである。したがって、前述した理由により、前記第1の走行制御時に「滑り」が発生していたとしても、前記第2の走行制御時の主ロープ10の繰り出し量は、(1)式で表される力学的要因による「ずれ」のみを反映したものであると考えることができる。
このため、ロープ繰出量差検出部32により検出された主ロープ10の繰り出し量の差は、(1)式で表される力学的要因による「ずれ」を差し引いた、トラクション能力低下による主ロープ10と綱車20との間の「滑り」の量である。そして、判定部34は、ロープ繰出量差検出部32により検出された主ロープ10の繰り出し量の差に基づいて、綱車20のトラクション能力を判定する。
すなわち、前記第1の走行制御時と前記第2の走行制御時とで、主ロープ10の繰り出し量に差異が無ければ主ロープ10と綱車20の間に「滑り」が無く、トラクションに問題が無いということが分かる。しかし、乗りかご2の走行距離が同じであっても、トラクション能力が落ちると前記第1の走行制御時の綱車20の回転数が変化して「ずれ」の量が多くなる。つまり、「滑り」が発生する。すると、前記第1の走行制御時と前記第2の走行制御時とで、主ロープ10の繰り出し量に差異が生じる。許容出来る「滑り」の量を予め設定しておき、その許容値を前記基準値としてトラクション能力を定期的に測定することで、未然にトラクション不具合を防ぐことが出来る。
このように、判定部34は、(1)式で表される力学的要因による「ずれ」を差し引いた、トラクション能力低下による主ロープ10と綱車20との間の「滑り」の量に基づいて、綱車20のトラクション能力を判定することができる。具体的に例えば、判定部34は、ロープ繰出量差検出部32により検出された主ロープ10の繰り出し量の差が予め設定された基準値以上である場合に、綱車20のトラクション能力が予め定められた基準より低いと判断する。
なお、ロープ繰出量差検出部32及び判定部34で用いる主ロープ10の繰り出し量の単位については、綱車20の周長を乗じることなく、綱車20の回転数そのものを単位としてもよい。
かご制御部31は、判定部34により綱車20のトラクション能力が予め定められた基準より低いと判断された後は、乗りかご2を通常時より小さい加減速度で走行させる。例えば、前記第1の加減速度を通常時の加減速度であるとすると、かご制御部31は、判定部34により綱車20のトラクション能力が基準より低いと判断された後は、乗りかご2を前記第2の加減速度で走行させる。
あるいは、かご制御部31は、判定部34により綱車20のトラクション能力が予め定められた基準より低いと判断された後は、乗りかご2を通常時より低い最高速度で走行させる。すなわち、かご制御部31は、判定部34により綱車20のトラクション能力が予め定められた基準より低いと判断された後は、乗りかご2を通常時の定格速度より低い最高速度で走行させる。
また、制御盤30は、報知部35を備えている。報知部35は、判定部34により綱車20のトラクション能力が前記基準より低いと判断された場合に、その旨を、当該エレベータが設置された建物内の管理室、あるいは、外部の例えば監視センター等に報知する。
以上のようにすることで、綱車20のトラクション能力低下した場合に、応急処置として加減速度あるいは最高速度を下げて「滑り」の発生を抑制するとともに、保守が必要な旨を通知して適切な対応を促すことが可能である。
次に、図4を参照しながら、以上のように構成されたエレベータの診断装置によるトラクション能力診断の動作の流れを今一度説明する。まず、ステップS0において、制御盤30がトラクション能力の診断を開始すると、ステップS1へと進む。
ここで、ステップS0のトラクション能力の診断の開始は、予め設定された時間帯になると自動的に行われる。この診断を開始する時間帯は、例えば、エレベータが使用されていない時間帯に予め設定する。すなわち、かご制御部31による第1の走行制御及び第2の走行制御、ロープ繰出量差検出部32による主ロープ10の繰り出し量の差の検出、並びに、判定部34による綱車20のトラクション能力の判定は、予め設定された、エレベータが使用されていない時間帯に行われる。
あるいは、制御盤30は、前記の時間帯において、乗りかご2が走行しておらず、かつ、呼び登録がされていない状態が一定時間以上継続した場合に、トラクション能力の診断を自動的に開始するようにしてもよい。
ステップS1においては、まず、かご制御部31の第2のかご走行制御部42は、前記第2の走行制御により、前記第1の加減速度より小さい前記第2の加減速度で、乗りかご2を走行させる。この走行は、予め設定された出発階と停止階との間で行われる。そして、ロープ繰出量差検出部32は、エンコーダ6の検出結果に基づいて、このときの綱車20の回転量を計測する。綱車20の回転量は、綱車20に対する主ロープ10の繰り出し量に相当する。こうして計測した主ロープの繰り出し量の値は、「滑り」の検出の基準ΔLとして、記憶部33に一旦記憶される。
ステップS1の後はステップS2へと進む。ステップS2においては、今度は、かご制御部31の第1のかご走行制御部41は、前記第1の走行制御により、前記第1の加減速度で乗りかご2を走行させる。この走行は、ステップS1での走行距離と等しくなるように予め設定された出発階と停止階との間で行われる。そして、ロープ繰出量差検出部32は、エンコーダ6の検出結果に基づいて、このときの綱車20の回転量、すなわち、綱車20に対する主ロープ10の繰り出し量を計測する。こうして計測した主ロープの繰り出し量の値をΔL1とする。
ステップS2の後はステップS3へと進む。ステップS3においては、判定部34は、トラクション能力の診断を行う。すなわち、判定部34は、まず、ステップS2で計測したΔL1と、ステップS1で計測し記憶部33に一旦記憶したΔLとの差(ΔL1−ΔL)を算出する。次に、判定部34は、算出した差(ΔL1−ΔL)と基準値とを比較する。なお、この基準値は、予め設定され、例えば記憶部33に予め記憶されている。
ステップS3の後はステップS4へと進む。ステップS4においては、判定部34は、エレベータが定格速度で運転可能か否かを判定する。すなわち、ステップS3での比較により、差(ΔL1−ΔL)が前記基準値より小さい場合には、判定部34は、エレベータが定格速度で運転可能であると判定する。一方、差(ΔL1−ΔL)が前記基準値以上の場合には、判定部34は、エレベータが定格速度で運転可能でないと判定する。
判定部34がエレベータが定格速度で運転可能であると判定した場合には、ステップS5へと進む。ステップS5においては、エレベータは定格速度でのサービスを継続する。すなわち、かご制御部31は、乗りかご2を定格速度を最高速度として走行させる。そして、一連の動作フローは終了となる。
一方、判定部34がエレベータが定格速度で運転可能でないと判定した場合には、ステップS6へと進む。ステップS6においては、報知部35は、トラクション能力が低下していることを通知する。この通知は、建物内の管理室又は外部の監視センター等に、警告を表示する等の方法により行われる。警告の表示に代えて、あるいは、警告の表示とともに音声により通知してもよい。
ステップS6の後はステップS7へと進む。ステップS7においては、エレベータは低加速度でのサービスを継続する。すなわち、かご制御部31は、通常時より小さい加減速度で乗りかご2を走行させる。そして、一連の動作フローは終了となる。
なお、このステップS7の低加速度でのサービス継続は、ステップS6の通知を受けた保守員等による対応を実施されるまでの暫定的なものである。ステップS6の通知を受けた保守員等が、例えば、綱車20を新しいものに交換する等の適切な対応を実施した後に、通常運転に復帰する。また、ステップS7においては、エレベータは低加速度でのサービスを継続する他、前述したように、最高速度を通常時より遅くしてサービスを継続するようにしてもよい。
ところで、以上においては、エレベータのローピング方式を、1:1ローピングとした場合について説明してきた。しかしながら、このローピング方式は、以上で説明した1:1ローピングに限られない。すなわち、この発明に係るエレベータの診断装置が適用されるエレベータは、トラクション方式であれば、2:1ローピング等、他のローピング方式であってもよい。
以上のように構成されたエレベータの診断装置は、乗りかご2を吊るす主ロープ10の中間部が巻き掛けられる綱車20を有する巻上機5と、巻上機5の動作を制御することで乗りかご2を走行させる制御手段である制御盤30と、を備えている。そして、制御手段である制御盤30は、第1の加減速度で乗りかご2を走行させる第1の走行制御、及び、前記第1の加減速度より小さい第2の加減速度で乗りかご2を走行させる第2の走行制御を行うかご制御部31と、前記第1の走行制御と前記第2の走行制御とで同距離だけ乗りかご2を走行させた際の、綱車20の回転による主ロープ10の繰り出し量の差を検出するロープ繰出量差検出部32と、ロープ繰出量差検出部32により検出された主ロープ10の繰り出し量の差に基づいて、綱車20のトラクション能力を判定する判定部34と、を備えている。
このため、調速機側にエンコーダが不要であって簡潔な構成で、安価かつ容易にトラクション能力の診断が可能である。また、乗りかご側と釣合い重り側の主ロープの張力差という力学的な要因によって生じた綱車と主ロープとの相対的な位置関係の「ずれ」も考慮に入れた、より正確なトラクション能力の診断を実施することができる。そして、ひいては、より適切な保守の実施を可能とすることができる。
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2に係るもので、エレベータの診断装置の第1及び第2の走行制御を説明する図である。
前述した実施の形態1は、トラクション能力を診断するために、加減速度を変えて乗りかご2を同距離だけ走行させた際の主ロープ10の繰り出し量の差を検出するものであった。これに対し、ここで説明する実施の形態2は、前述した実施の形態1の構成において、トラクション能力を診断するために、加減速時間を変えて乗りかご2の同距離だけ走行させた際の主ロープ10の繰り出し量の差を検出するものである。
この実施の形態2においても、エレベータの診断装置の制御系統を含めた基本的な構成は実施の形態1と同様であるため、実施の形態1の説明で用いた図2を参照しながら説明する。かご制御部31が備える第1のかご走行制御部41は、第1の走行制御を行う。また、かご制御部31が備える第2のかご走行制御部42は、第2の走行制御を行う。
ただし、この実施の形態2においては、実施の形態1と異なり、第1の走行制御とは、予め設定された第1の加減速時間で乗りかご2を走行させる制御である。また、第2の走行制御とは、予め設定された第2の加減速時間で乗りかご2を走行させる制御である。ここで、第2の加減速時間は、第1の加減速時間より短くなるように設定される。
かご制御部31は、第1のかご走行制御部41及び第2のかご走行制御部42を備えることで、第1の加減速時間乗りかご2を走行させる第1の走行制御、及び、第1の加減速時間より小さい第2の加減速時間で乗りかごを走行させる第2の走行制御を行うかご制御手段を構成している。
制御盤30が備えるロープ繰出量差検出部32は、実施の形態1と同じく、前記第1の走行制御と前記第2の走行制御とで同距離だけ乗りかご2を走行させた際の、綱車20の回転による主ロープ10の繰り出し量の差を検出する。
ただし、この実施の形態2においては、前記第1の走行制御及び前記第2の走行制御の内容が実施の形態1とは異なっている。そこで、この実施の形態2において、前記第1の走行制御と前記第2の走行制御とで同距離だけ乗りかご2を走行させる点について、図5を参照しながら説明する。図5は、前記第1の走行制御及び前記第2の走行制御時における経過時間と乗りかご2の速度との関係を示すグラフである。図5の横軸が時間軸、縦軸が速度軸である。図5のグラフ中で実線で示すのが前記第1の走行制御時の乗りかご2の速度変化、一点鎖線で示すのが前記第2の走行制御時の乗りかご2の速度変化である。
この図5に示すように、前記第1の走行制御時には、乗りかご2が出発階を出発すると、まず、乗りかご2は一定の加速度で加速される。そして、加速を開始してから前記第1の加減速時間が経過すると、乗りかご2の加速をやめる。この加速をやめた時点で、乗りかご2の速度は定格速度となっている。逆に言えば、前記第1の加減速時間は、前記一定の加速度で加速された乗りかご2が停止状態から定格速度にまで達するのに必要な時間と等しくなるように予め設定される。
乗りかご2は、この定格速度を最高速度とする一定速度でもって走行する。乗りかご2が停止階から予め定められた距離だけ手前の位置を通過すると、今度は、乗りかご2は一定の減速度で減速される。そして、乗りかご2は停止階に停止する。この際の減速に必要な時間は、前記第1の加減速時間である。
また、前記第2の走行制御時には、乗りかご2が出発階を出発すると、まず、乗りかご2は前記一定の加速度で加速される。そして、加速を開始してから前記第2の加減速時間が経過すると、乗りかご2の加速をやめる。前述したように、前記第2の加減速時間は前記第1の加減速時間より短い。したがって、この加速をやめた時点で、乗りかご2の速度は前記定格速度よりも遅い。乗りかご2は、この前記定格速度よりも遅い速度を最高速度とする一定速度でもって走行する。
乗りかご2が停止階から予め定められた距離だけ手前の位置を通過すると、今度は、乗りかご2は前記一定の減速度で減速される。そして、乗りかご2は停止階に停止する。この際の減速に必要な時間は、前記第2の加減速時間である。
このように、前記第2の走行制御は、前記第1の走行制御時の前記第1の加減速時間よりも短い前記第2の加減速時間でもって、出発時の加速及び停止時の減速が行われる。この際の加減速の大きさは、前記第1の走行制御と前記第2の走行制御とで等しい。したがって、前記第2の走行制御は、前記第1の走行制御時の最高速度よりも遅い最高速度で乗りかご2を走行させるものであると言い換えることができる。
なお、前記第1の走行制御と前記第2の走行制御とで同距離だけ乗りかご2を走行させるというのは、前記第1の走行制御時の出発階から停止階までの距離と、前記第2の走行制御時の出発階から停止階までの距離とが等しいということである。すなわち、図5において、前記第1の走行制御時の速度変化のグラフと時間軸とで囲まれる面積と、前記第2の走行制御時の速度変化のグラフと時間軸とで囲まれる面積とは等しくなっている。このような走行を実現するには、具体的に例えば、前記第1の走行制御時の出発階及び停止階と、前記第2の走行制御時の出発階及び停止階とを全く同じにすればよい。
制御盤30が備えるロープ繰出量差検出部32は、実施の形態1と同じく、前記第1の走行制御と前記第2の走行制御とで同距離だけ乗りかご2を走行させた際の、綱車20の回転数の差に基づいて、綱車20の回転による主ロープ10の繰り出し量の差を検出する。そして、制御盤30が備える判定部34は、実施の形態1と同じく、ロープ繰出量差検出部32により検出された主ロープ10の繰り出し量の差に基づいて、綱車20のトラクション能力を判定する。
ただし、この実施の形態2においては、前記第1の走行制御時の加減速度と前記第2の走行制御時の加減速度とは等しい。したがって、実施の形態1で示した(2)式の右辺の値は、前記第1の走行制御時と前記第2の走行制御時とで変わらないことになる。ただし、トラクション能力の低下により主ロープ10と綱車20との間に「滑り」が生じている場合、この「滑り」の量は「滑り」が生じている時間の長さに比例する。このため、加減速時間を短くすることで、生じる「滑り」の総量を少なくすることができる。
また、前記第1の走行制御時と前記第2の走行制御時のいずれにおいても、実施の形態1で示した(1)式で表される力学的要因による「ずれ」は発生する。そこで、前記第1の走行制御時と前記第2の走行制御時の主ロープ10の繰り出し量の差を評価することで、(1)式で表される力学的要因による「ずれ」の効果を取り除いた、トラクション能力低下による主ロープ10と綱車20との間の「滑り」の量について評価することができる。
このような原理により、この実施の形態2においても、判定部34は、(1)式で表される力学的要因による「ずれ」の効果を取り除いて、トラクション能力低下による主ロープ10と綱車20との間の「滑り」の量に基づいて、綱車20のトラクション能力を判定することができる。
なお、他の構成については実施の形態1と同様であって、その詳細説明は省略する。
以上のように構成されたエレベータの診断装置は、乗りかご2を吊るす主ロープ10の中間部が巻き掛けられる綱車20を有する巻上機5と、巻上機5の動作を制御することで乗りかご2を走行させる制御手段である制御盤30と、を備えている。そして、制御手段である制御盤30は、第1の加減速時間で乗りかご2を走行させる第1の走行制御、及び、前記第1の加減速時間より短い第2の加減速時間で乗りかご2を走行させる第2の走行制御を行うかご制御部31と、前記第1の走行制御と前記第2の走行制御とで同距離だけ乗りかご2を走行させた際の、綱車20の回転による主ロープ10の繰り出し量の差を検出するロープ繰出量差検出部32と、ロープ繰出量差検出部32により検出された主ロープ10の繰り出し量の差に基づいて、綱車20のトラクション能力を判定する判定部34と、を備えたものである。このために、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
実施の形態3.
図6は、この発明の実施の形態3に係るもので、エレベータの診断装置の主ロープ及び綱車を示す図である。
前述した実施の形態1及び実施の形態2は、トラクション能力を診断するために、第1の走行制御及び第2の走行制御で乗りかご2を同距離だけ走行させた際の主ロープ10の繰り出し量の差を検出するものであった。ここで説明する実施の形態3は、このような前述した実施の形態1又は実施の形態2の構成において、トラクション能力を診断するための乗りかご2の同距離の走行を往復走行にしたものである。
この実施の形態3においても、エレベータの診断装置の制御系統を含めた基本的な構成は実施の形態1又は実施の形態3と同様であるため、実施の形態1及び実施の形態2の説明で用いた図2を参照しながら説明する。かご制御部31が備える第1のかご走行制御部41は、第1の走行制御を行う。また、かご制御部31が備える第2のかご走行制御部42は、第2の走行制御を行う。
制御盤30が備えるロープ繰出量差検出部32は、前記第1の走行制御と前記第2の走行制御とで同距離だけ乗りかご2を走行させた際の、綱車20の回転による主ロープ10の繰り出し量の差を検出する。そして、この際の前記第1の走行制御と前記第2の走行制御とによる同距離の乗りかご2の走行は、予め定められた階床間の往復走行である。
すなわち、トラクション能力の診断時には、かご制御部31は、往路及び復路の一方を前記第1の走行制御で、往路及び復路の他方を前記第2の走行制御で乗りかご2を往復走行させる。具体的に例えば、かご制御部31の第2のかご走行制御部42は、出発階から停止階までを前記第2の走行制御により乗りかご2を走行させる。そして、かご制御部31の第1のかご走行制御部41は、今度は、前記停止階から前記出発階からまでを前記第1の走行制御により乗りかご2を走行させる。
このようにして、往路と復路とで走行制御を変えて乗りかご2を走行させることにより、容易に前記第1の走行制御と前記第2の走行制御で同じ距離だけ乗りかご2を走行させることができる。そして、ロープ繰出量差検出部32は、前記第1の走行制御と前記第2の走行制御とで乗りかご2を往復走行させた際の、綱車20の回転による主ロープ10の繰り出し量の差を検出する。この際、主ロープ10の繰り出し量の差は、実施の形態1及び実施の形態2と同様に、綱車20の回転数の差に基づいて検出してもよいが、次のようにしてもよい。
すなわち、乗りかご2を往復運転させて出発階に戻ってきたとき、理想的な条件下では綱車20の回転位相角度も、出発前の状態に戻っているはずである。そこで、この実施の形態3では、往復走行前後の綱車20の回転位相角度の差によって、主ロープの繰り出し量の差を求めることができる。そこで、ロープ繰出量差検出部32は、往路及び復路の一方を前記第1の走行制御で、往路及び復路の他方を前記第2の走行制御で乗りかご2を往復走行させた際の、綱車20の回転位相角度の差に基づいて主ロープ10の繰り出し量の差を検出する。
綱車20の回転位相角度の差に基づく主ロープ10の繰り出し量の差の検出の第1の例は、エンコーダ6の検出結果を利用する方法である。実施の形態1で説明したように、エンコーダ6は、綱車20の回転位相角度に応じて信号を出力し、綱車20の回転数のみならず、綱車20の回転位相角度を検出することができる。したがって、ロープ繰出量差検出部32は、このエンコーダ6の検出結果を利用して、綱車20の回転位相角度の差を検出することができる。
次に、綱車20の回転位相角度の差に基づく主ロープ10の繰り出し量の差の検出の第2の例を、図6を参照しながら説明する。この第2の例においては、図6に示すように、主ロープ10の予め定められた位置に、ロープ側マーク11が付されている。また、綱車20の予め定められた位置には綱車側マーク21が付されている。
そして、ロープ繰出量差検出部32は、往路及び復路の一方を前記第1の走行制御で、往路及び復路の他方を前記第2の走行制御で乗りかご2を往復走行させた際の、ロープ側マーク11と綱車側マーク21との相対位置の変化に基づいて主ロープ10の繰り出し量の差を検出する。前記第1の走行制御と前記第2の走行制御とで乗りかごを往復走行させた際の、ロープ側マーク11と綱車側マーク21との相対位置の変化に基づいて主ロープ10の繰り出し量の差を検出する。
例えば、往復走行の前に図6の(a)に示すようにロープ側マーク11と綱車側マーク21とが同じ位置にあり、往復走行の前に図6の(b)に示すようにロープ側マーク11と綱車側マーク21との位置に微小なズレが生じたとする。この場合、この図6の(b)に示された微小なズレにより往復走行前後の綱車20の回転位相角度の差を得ることができる。
ここで、ロープ側マーク11と綱車側マーク21との相対位置は、例えば、主ロープ10及び綱車20をカメラ等で撮影した画像処理等により検出することが可能である。また、もちろん、往復走行前後のロープ側マーク11と綱車側マーク21との相対位置の変化を保守員等の人の目により確認することも可能である。
なお、他の構成については実施の形態1又は実施の形態2と同様であって、その詳細説明は省略する。
以上のように構成されたエレベータの診断装置は、実施の形態1の構成又は実施の形態2の構成において、ロープ繰出量差検出部32は、往路及び復路の一方を第1の走行制御で、往路及び復路の他方を第2の走行制御で乗りかご2を往復走行させた際の、綱車20の回転位相角度の差に基づいて主ロープ10の繰り出し量の差を検出するようにしたものである。
このため、実施の形態1又は実施の形態2と同様の効果を奏することができるのに加えて、往復走行前後の綱車の回転位相角度の差に基づいてトラクション能力の診断をより容易に行うことが可能である。
この発明は、乗りかごを吊るす主ロープの中間部が巻き掛けられる綱車を有する巻上機を備えたトラクション方式のエレベータのトラクション能力を診断するエレベータの診断装置に利用できる。
1 昇降路
2 乗りかご
3 釣合い重り
4 そらせ車
5 巻上機
6 エンコーダ
10 主ロープ
11 ロープ側マーク
20 綱車
21 綱車側マーク
30 制御盤
31 かご制御部
32 ロープ繰出量差検出部
33 記憶部
34 判定部
35 報知部
41 第1のかご走行制御部
42 第2のかご走行制御部

Claims (9)

  1. 乗りかごを吊るす主ロープの中間部が巻き掛けられる綱車を有する巻上機と、
    前記巻上機の動作を制御することで前記乗りかごを走行させる制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    第1の加減速度で前記乗りかごを走行させる第1の走行制御、及び、前記第1の加減速度より小さい第2の加減速度で前記乗りかごを走行させる第2の走行制御を行うかご制御手段と、
    前記第1の走行制御と前記第2の走行制御とで同距離だけ前記乗りかごを走行させた際の、前記綱車の回転による前記主ロープの繰り出し量の差を検出するロープ繰出量差検出手段と、
    前記ロープ繰出量差検出手段により検出された前記主ロープの繰り出し量の差に基づいて、前記綱車のトラクション能力を判定する判定手段と、を備えたエレベータの診断装置。
  2. 乗りかごを吊るす主ロープの中間部が巻き掛けられる綱車を有する巻上機と、
    前記巻上機の動作を制御することで前記乗りかごを走行させる制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    第1の加減速時間で前記乗りかごを走行させる第1の走行制御、及び、前記第1の加減速時間より短い第2の加減速時間で前記乗りかごを走行させる第2の走行制御を行うかご制御手段と、
    前記第1の走行制御と前記第2の走行制御とで同距離だけ前記乗りかごを走行させた際の、前記綱車の回転による前記主ロープの繰り出し量の差を検出するロープ繰出量差検出手段と、
    前記ロープ繰出量差検出手段により検出された前記主ロープの繰り出し量の差に基づいて、前記綱車のトラクション能力を判定する判定手段と、を備えたエレベータの診断装置。
  3. 前記ロープ繰出量差検出手段は、前記第1の走行制御と前記第2の走行制御とで同距離だけ前記乗りかごを走行させた際の、前記綱車の回転数の差に基づいて前記主ロープの繰り出し量の差を検出する請求項1又は請求項2に記載のエレベータの診断装置。
  4. 前記ロープ繰出量差検出手段は、往路及び復路の一方を前記第1の走行制御で、往路及び復路の他方を前記第2の走行制御で前記乗りかごを往復走行させた際の、前記綱車の回転位相角度の差に基づいて前記主ロープの繰り出し量の差を検出する請求項1又は請求項2に記載のエレベータの診断装置。
  5. 前記綱車の回転数及び前記綱車の回転位相角度を検出するエンコーダを備え、
    前記ロープ繰出量差検出手段は、前記エンコーダの検出結果を用いて前記主ロープの繰り出し量の差を検出する請求項3又は請求項4に記載のエレベータの診断装置。
  6. 前記主ロープには、予め定められた位置にロープ側マークが付され、
    前記綱車には、予め定められた位置に綱車側マークが付され、
    前記ロープ繰出量差検出手段は、往路及び復路の一方を前記第1の走行制御で、往路及び復路の他方を前記第2の走行制御で前記乗りかごを往復走行させた際の、前記ロープ側マークと前記綱車側マークとの相対位置の変化に基づいて前記主ロープの繰り出し量の差を検出する請求項1又は請求項2に記載のエレベータの診断装置。
  7. 前記かご制御手段は、前記判定手段により前記綱車のトラクション能力が予め定められた基準より低いと判断された後は、前記乗りかごを通常時より小さい加減速度で走行させる請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のエレベータの診断装置。
  8. 前記かご制御手段は、前記判定手段により前記綱車のトラクション能力が予め定められた基準より低いと判断された後は、前記乗りかごを通常時より低い最高速度で走行させる請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のエレベータの診断装置。
  9. 前記かご制御手段による前記第1の走行制御及び前記第2の走行制御、前記ロープ繰出量差検出手段による前記主ロープの繰り出し量の差の検出、並びに、前記判定手段による前記綱車のトラクション能力の判定は、予め設定された、エレベータが使用されていない時間帯に行われる請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のエレベータの診断装置。
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