[go: up one dir, main page]

JP6302918B2 - ポリプロピレンを含むポリエチレン組成物 - Google Patents

ポリプロピレンを含むポリエチレン組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6302918B2
JP6302918B2 JP2015536184A JP2015536184A JP6302918B2 JP 6302918 B2 JP6302918 B2 JP 6302918B2 JP 2015536184 A JP2015536184 A JP 2015536184A JP 2015536184 A JP2015536184 A JP 2015536184A JP 6302918 B2 JP6302918 B2 JP 6302918B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polypropylene
composition
density polyethylene
astm
composition according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015536184A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015532331A (ja
JP2015532331A5 (ja
Inventor
フェライ,サイード
Original Assignee
サウディ ベーシック インダストリーズ コーポレイション
サウディ ベーシック インダストリーズ コーポレイション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by サウディ ベーシック インダストリーズ コーポレイション, サウディ ベーシック インダストリーズ コーポレイション filed Critical サウディ ベーシック インダストリーズ コーポレイション
Publication of JP2015532331A publication Critical patent/JP2015532331A/ja
Publication of JP2015532331A5 publication Critical patent/JP2015532331A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6302918B2 publication Critical patent/JP6302918B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L23/00Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L23/02Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
    • C08L23/04Homopolymers or copolymers of ethene
    • C08L23/06Polyethene
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L23/00Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L23/02Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
    • C08L23/10Homopolymers or copolymers of propene
    • C08L23/12Polypropene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L23/00Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L23/02Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
    • C08L23/10Homopolymers or copolymers of propene

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)

Description

本発明は、直鎖状低密度ポリエチレンまたは高密度ポリエチレンおよびポリプロピレンを含む組成物に関する。本発明は、その組成物の(薄肉)射出成形における使用およびその組成物を使用する方法にも関する。
射出成形物品を製造する商業上魅力的な方法に、薄肉射出成形(TWIM)がある。この薄肉射出成形において、サイクル時間は、薄肉の急速冷却のためにより短くなり得るので、物品を高速で製造することができる。さらに、薄肉射出成形は、カーボンフットプリントを減少させ、それにより、成形物品を製造するより持続可能な方法が達成される。何故ならば、射出成形するのにより少ない材料しか必要なく、射出成形法により少ないエネルギーしか必要ないからである。
射出成形に使用される材料が良好な光学的性質(透明性(transparency)、ヘイズおよび/または透明度(clarity))を有することが好ましい。
この目的を達成するために、熱可塑性高分子に核形成剤および/または清澄剤が加えられて、その核形成剤および/または清澄剤により提供される核形成サイトに結晶を成長させることができる。
例えば、特許文献1にも、ポリエチレン組成物における核形成剤の使用が開示されている。
詳しくは、特許文献1には、組成物であって、
(a)直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、およびそれらの組合せからなる群より選択されるポリエチレン、および
(b)核形成ポリオレフィンであって、該核形成ポリオレフィンは、ポリエチレン以外のポリオレフィンおよび核形成剤または清澄剤を含み、該核形成剤または清澄剤は、安息香酸塩、置換安息香酸塩、ジカルボン酸金属塩、ヘキサヒドロフタル酸金属塩、リン酸エステル塩、グリセロレート(glycerolate)塩、ジ−、トリ−およびテトラ−アミド、松脂誘導体、2,6−ナフタレンジカルボキサミドおよびポリビニルシクロヘキサンからなる群より選択される、核形成ポリオレフィン、
を含み、前記核形成ポリオレフィンが、組成物の総質量に基づいて、1,000から100,000ppmの量でこの組成物中に存在する、組成物が記載されている。
欧州特許第1924642B1号明細書
本発明の課題は、射出成形、特に、薄肉射出成形に適した、良好な透明度を有する、直鎖状低密度ポリエチレンまたは高密度ポリエチレンに基づく組成物を提供することにある。
この課題は、ASTM D−1238(190℃/2.16kg)を使用して測定して、4から125g/10分の範囲のメルトマスフローレートを有する直鎖状低密度ポリエチレンまたはASTM D−1238(190℃/2.16kg)を使用して測定して、4から125g/10分の範囲のメルトマスフローレートを有する高密度ポリエチレンおよびポリプロピレンを含む組成物であって、ポリプロピレンの量が、直鎖状低密度ポリエチレンまたは高密度ポリエチレンおよびポリプロピレンの総質量に基づいて0.005から10質量%であり、ポリプロピレンが約140℃から約200℃の溶融温度(Tm)および/または約100℃から約140℃の結晶化温度(Tc)を有し、TmおよびTcが、10mgのサンプルについて10℃/分の走査速度を使用し、第2の加熱サイクルを使用した、ASTM D3418−08にしたがう示差走査熱量測定法を使用して測定されたものである、組成物によって達成される。
約140℃から約200℃の溶融温度(Tm)または約100℃から約140℃の結晶化温度(Tc)を有するポリプロピレンであって、TmおよびTcが、10mgのサンプルについて10℃/分の走査速度を使用し、第2の加熱サイクルを使用した、ASTM D3418−08にしたがう示差走査熱量測定法を使用して測定されたものである、ポリプロピレンを使用した場合、そのLLDPE、またはHDPE組成物が、良好な光学的性質、特に、高い透明度を提供することが分かった。さらに、ポリプロピレンに基づく射出成形グレードと比べて、本発明の組成物は、十分な強度を提供するが、例えば、0℃辺りの低温でそれほど脆くない。したがって、いくつかの用途のために、本発明のポリエチレン組成物は、ポリプロピレンの射出成形グレードの適切な代用品を提供するであろう。
このことは、ポリエチレン組成物の向上した透明度のためには、ポリオレフィンの次に、安息香酸塩、置換安息香酸塩、ジカルボン酸金属塩、ヘキサヒドロフタル酸金属塩、リン酸エステル塩、グリセロレート塩、ジアミド、トリアミド、テトラミド、松脂誘導体、2,6−ナフタレンジカルボキサミドおよびポリビニルシクロヘキサンからなる群より選択される核形成剤または清澄剤が存在する必要があることが教示されている特許文献1に鑑みて、意外である。
約140℃から約200℃の溶融温度(Tm)および/または約100℃から約140℃の結晶化温度(Tc)を有するポリプロピレンであって、TmおよびTcが、10mgのサンプルについて10℃/分の走査速度を使用し、第2の加熱サイクルを使用した、ASTM D3418−08にしたがう示差走査熱量測定法を使用して測定されたものである、ポリプロピレンを使用することによって、良好な透明度のために、そのような核形成剤をポリエチレン組成物中に含ませることは、もはや必要ないことが分かった。理論に拘束されることを意図するものではなく、そのポリオレフィンは、第2の核形成剤が存在しなくても、核形成剤として働くと考えられる。
したがって、好ましくは、前記組成物は、1500ppm(全組成物に基づく質量の百万分率)未満、例えば、1000ppm未満、より好ましくは1000ppm未満、例えば、500ppm未満、例えば、300ppm未満、例えば、100ppm未満、例えば、10ppm未満、例えば、1ppm未満、例えば、0.1ppm未満、例えば、0.05ppm未満、例えば、0.01ppm未満しか核形成剤または清澄剤、好ましくは、安息香酸塩、置換安息香酸塩、ジカルボン酸金属塩、ヘキサヒドロフタル酸金属塩、リン酸エステル塩、グリセロレート塩、ジアミド、トリアミド、テトラミド、松脂誘導体、2,6−ナフタレンジカルボキサミド、ポリビニルシクロヘキサン、タルク、顔料およびそれらの組合せからなる群より選択される核形成剤または清澄剤を含まない。前記組成物が、安息香酸塩、置換安息香酸塩、ジカルボン酸金属塩、ヘキサヒドロフタル酸金属塩、リン酸エステル塩、グリセロレート塩、ジアミド、トリアミド、テトラミド、松脂誘導体、ジアセタール誘導体、2,6−ナフタレンジカルボキサミド、ポリビニルシクロヘキサンおよびそれらの混合物からなる群より選択されるいずれの核形成剤または清澄剤も実質的に含まないことがより好ましい。
核形成剤および/または清澄剤として使用するのに適した安息香酸塩の例としては、以下に限られないが、安息香酸ナトリウム、安息香酸リチウム、パラ−第3ブチル安息香酸アルミニウム、およびそれらの組合せが挙げられる。
本発明の目的に関して、核形成剤または清澄剤により、液体ポリマーから半結晶性ポリマーへの相変化を効果的に加速させる任意の材料(示差走査熱量計により測定されるより速い晶析速度または光学顕微鏡により観察される小さい晶子により明らかである)を意味する。
核形成剤の例に、2,6−ナフタレンジカルボキサミド、ピメリン酸カルシウムおよびスベリン酸カルシウムなどの脂肪族モノ−またはジ−カルボン酸塩;およびポリビニルシクロヘキサンがある。
核形成剤および/または清澄剤として使用するのに適したリン酸エステルとしては、以下に限られないが、2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸ナトリウム(旭電化工業株式会社から得られる、「NA−11(商標)」として知られている)、ヒドロキシビス[2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸アルミニウム](旭電化工業株式会社から得られる、「NA−21(商標)」として知られている)、および例えば、米国特許第5342868号および同第4463113号の各明細書に開示されたような他のリン酸エステルが挙げられる。
核形成剤および/または清澄剤として使用するのに適した二環式ジカルボン酸金属塩としては、以下に限られないが、米国特許第6465551号および同第6534574号の各明細書に記載されたそれらの塩が挙げられる。下記に示される構造を有する二環式塩:
Figure 0006302918
式中、M1およびM2は、独立して、ナトリウム、カルシウム、ストロンチウム、リチウム、亜鉛、マグネシウム、および一塩基性アルミニウムからなる群より選択され;R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、およびR10は、独立して、水素およびC1〜C9アルキルからなる群より選択され;さらに、任意の2つの隣接して位置するR3〜R10アルキル基は、必要に応じて、結合して、炭素環を形成してもよい。特に、適切な二環式ジカルボン酸金属塩としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸二ナトリウム、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸カルシウム、およびそれらの組合せが挙げられる。サウスカロライナ州、スパータンバーグ所在のMilliken & Companyから得られるHYPERFORM(登録商標)HPN−68またはHPN−68Lを使用してもよい。HPN−68Lは、市販されていおり、下記に示されるような、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸二ナトリウムを含む:
Figure 0006302918
ヘキサヒドロフタル酸(HHPA)の金属塩が当業者に公知である。そのような化合物は、下記に示されるようなものであってよい:
Figure 0006302918
式中、M1およびM2は、同じかまたは異なり、1つの陽イオンに組み合わされてもよく、カルシウム、ストロンチウム、リチウム、および一塩基性アルミニウムの少なくとも一つの金属陽イオンから選択され;R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、およびR10は、同じかまたは異なり、個別に、水素、C1〜C9アルキル、ヒドロキシ、C1〜C9アルコキシ、C1〜C9アルキレンオキシ、アミン、およびC1〜C9アルキルアミン、ハロゲン、およびフェニルからなる群より選択される。1つの好ましい実施の形態において、M1およびM2は、カルシウムイオンとして組み合わされている。ここに称されるCaHHPAは、以下の化合物を指す:
Figure 0006302918
核形成剤および/または清澄剤として使用されることもある、ジアセタール誘導体としては、以下に限られないが、米国特許第5049605号明細書に記載されたソルビトールジアセタールなどの、アルジトールアセタールが挙げられる。適切なジアセタール誘導体が下記の式に従うことが好ましい。
Figure 0006302918
式(I)において、nは、通常、0、1、または2から選択される値である。Rは、通常、水素、アルケニル(アリルなど)、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシルアルキル、ハロゲン化アルキル、芳香族基および置換芳香族基からなる群より選択される。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、およびR10は、通常、独立して、水素、フルオロカーボン、アルケニル、アルキル、アルキニル、アルコキシ、カルボキシ、ハロゲン化物、アミノ、チオエーテルおよび芳香族基からなる群より選択される。特定の実施の形態において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、およびR10から選択される任意の2つの隣接する基が結合して、メチレンジオキシ、シクロペンチル、シクロヘキシル、または他の類似の環状基からなる群より選択される環状基を形成してもよい。特定の実施の形態において、核形成剤または清澄剤が、商標名Millad(登録商標)3988でMilliken Chemicalから得られる、1,3:2,4−ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール(以後、DMDBS)であることが好ましい。
核形成剤および/または清澄剤として使用するのに適したジ−、トリ−、およびテトラ−アミドとしては、以下に限られないが、単一および縮合4、5、6、7員芳香族または脂環式環いずれかからなるアミドコアを含有するジ−およびトリ−アミド;ジおよびトリ脂肪族カルボン酸またはジおよびトリ脂肪族アミンからなるアミドコアを含有するジ−およびトリ−アミド;並びに脂肪族トリ−およびテトラカルボン酸および脂肪族または脂環式アミンからなるアミドコアを含有するトリ−およびテトラ−アミドが挙げられる。これらの化合物は、国際公開第2004/072168号、欧州特許第0940431号明細書、および国際公開第2005/06387号を含む特許公報に例示されている。
さらに、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、または高密度ポリエチレン(HDPE)中にポリプロピレンが存在するために、本発明の組成物は、改善された熱安定性(例えば、熱変形温度の上昇および/または軟化点の上昇により示されるような)およびそれゆえ、射出成形に使用されるときの減少したサイクル時間、増加した剛性、上昇した結晶化温度、減少した結晶化度および/または改善された機械的性質、例えば、増加した引張係数および/または曲げ割線係数、降伏応力の増加、降伏歪みの減少、破壊応力の増加および/または破壊歪みの減少も提供することがある。
本発明による組成物中の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、短鎖を有する、すなわち、エチレンおよびC4〜C10アルファオレフィンコモノマーまたはその混合物(少なくとも2つのC4〜C10アルファオレフィンコモノマーの)を含む、実質的に直鎖状コポリマーである。このLLDPEは、エチレンC5〜C10アルファオレフィンコポリマーであってよい。好ましいアルファオレフィンコモノマーとしては、IUPAC名で、それぞれ、ブタ−1−エン、ペンタ−1−エン、ヘキサ−1−エン、ヘプタ−1−エンおよびオクト−1−エンとして知られている、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテンおよび1−オクテンが挙げられる。前記アルファオレフィンコモノマーが、1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンであることがより好ましい。
このアルファオレフィンコモノマーは、LLDPE中に、エチレン−アルファオレフィンコポリマーに基づいて、約1から約20質量%の量で、好ましくは約3から約15質量%の量で存在してよい。当該技術分野で公知のどのタイプのLLDPEを、例えば、ASTM D1238−10(190℃/2.16kg)を使用して測定して、4から125g/10分に及ぶメルトマスフローレート(メルトフローインデックスとしても知られている)およびASTM D1505−10を使用して測定して、900kg/m3から940kg/m3未満の範囲の密度を有するLLDPEを使用してもよい。例えば、直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、約915kg/m3から940kg/m3未満に及ぶ。
ここに用いたように、低密度ポリエチレン(LDPE)は、約910から約940kg/m3の範囲の密度を有する。当該技術分野で公知のどのタイプのLDPEを、例えば、ASTM D1238−10(190℃/2.16kg)を使用して測定して、4から125g/10分に及ぶメルトマスフローレートを有するLDPEを使用してもよい。
LLDPE、LDPEおよびHDPEは、当該技術分野で公知のどの方法を使用して製造してもよい。LLDPE、LDPEおよびHDPEの製造プロセスが、A. PeacockによるHandbook of Polyethylene, Dekker ed., ISBN 0824795466,2000の43〜66頁に纏められている。LLDPEを製造するための触媒としては、チーグラー・ナッタ触媒、フィリップス触媒およびシングルサイト触媒が挙げられる。後者の分類は、異なる分類の化合物の一群であり、メタロセン触媒がその内の1つである。このHandbookの53〜54頁に説明されているように、チーグラー・ナッタ触媒高分子は、有機金属化合物またはI〜III族金属の水素化物のIV〜VIII族遷移金属の誘導体との相互作用により得られる。(修飾)チーグラー・ナッタ触媒の例は四塩化チタンに基づく触媒であり、有機金属化合物はトリエチルアルミニウムである。メタロセン触媒とチーグラー・ナッタ触媒との間の違いは、活性部位の分布である。チーグラー・ナッタ触媒は、不均一系であり、多くの活性部位を有する。その結果として、これらの異なる触媒により製造される高分子は、例えば、分子量分布およびコモノマー分布に関して、異なるであろう。LLDPEおよびLDPEを製造するための適切な技術としては、当業者により知られているように、気相流動床重合、溶液重合、非常に高いエチレン圧下でのポリマー溶融物重合、およびスラリー重合が挙げられる。
ここに用いたように、高密度ポリエチレンにより、ASTM D1505−10を使用して測定して、940から965kg/m3の範囲の密度を有するポリエチレンを意味する。
本発明の組成物において、2.16kgの荷重において190℃(190℃/2.16kg)で測定するASTM D1238を使用して決定したLLDPEまたはHDPEのメルトマスフローレートは、4〜125g/10分に及ぶ。例えば、LLDPEのメルトマスフローレートは4から10g/10分の範囲、例えば、4から25g/10分の範囲、例えば、4から50g/10分の範囲にある。
ASTM D−1238(190℃/2.16kg)を使用して決定したLLDPEまたはHDPEのメルトフローインデックスは、例えば、10g/10分と75g/10分の間、例えば、4g/10分と50g/10分の間、例えば、20g/10分と50g/10分の間に及ぶであろう。例えば、HDPEのメルトマスフローレートは、4から10g/10分の範囲、例えば、4から25g/10の範囲、例えば、4から50g/10分の範囲にある。
本発明の組成物中のLLDPEまたはHDPEの量が、全組成物に基づいて、少なくとも80質量%、例えば、少なくとも85質量%、例えば、少なくとも90質量%、例えば、少なくとも95質量%、例えば、少なくとも97質量%、例えば、少なくとも98質量%であることが好ましい。
ここに用いたポリプロピレンにより、プロピレンホモポリマーまたはプロピレンとα−オレフィン、例えば、2または4から10のC原子を有するα−オレフィンの群から選択されるα−オレフィンとのコポリマーを意味し、例えば、ここで、α−オレフィンの量は、全プロピレンコポリマーに基づいて10質量%未満である。
ポリプロピレンおよびプロピレンのα−オレフィンとのコポリマーは、どの公知の重合技法並びにどの公知の重合触媒系により製造しても差し支えない。技法については、スラリー重合、溶液重合または気相重合を言及できる;触媒系については、チーグラー・ナッタ触媒系、メタロセン系またはシングルサイト触媒系を言及できる。全てが、それ自体で、当該技術分野において公知である。
本発明に使用されるポリプロピレンがプロピレンホモポリマーであることが好ましい。
DSCを使用して決定した、前記ポリプロピレンの溶融温度Tmが、約140から180、例えば、約150から約165℃、例えば、約155から約160℃である、またはDSCを使用して決定した、ポリプロピレンの結晶化温度Tcが約100℃から約120℃、例えば、約105から約115℃、例えば、約110から約115℃であることがより好ましい。この溶融温度Tmまたは結晶化温度Tcは、10mgのサンプルについて10℃/分の走査速度を使用し、第2の加熱サイクルを使用した、ASTM D3418−08にしたがう示差走査熱量測定法を使用して測定することができる。
特別な実施の形態において、ポリプロピレンの溶融温度は、少なくとも約160℃、かつ、例えば、多くとも約200、例えば、多くとも約180℃である。
本発明の組成物において、前記ポリプロピレンの結晶化度は、10mgのサンプルについて10℃/分の走査速度を使用し、第2の加熱サイクルを使用した、ASTM D3418−08にしたがう示差走査熱量測定法を使用して測定して、少なくとも35%、例えば、少なくとも40%、かつ、例えば、多くとも80%、例えば、多くとも75%であることが好ましい。
例えば、前記ポリプロピレンの結晶化度は、10mgのサンプルについて10℃/分の走査速度を使用し、第2の加熱サイクルを使用した、ASTM D3418−08にしたがう示差走査熱量測定法を使用して測定して、30から55%の範囲、例えば、35から50%の範囲にある。
ポリプロピレンからの分岐度が低いことが好ましく、例えば、分岐指数g’が、少なくとも0.95、好ましくは少なくとも0.96、例えば、少なくとも0.97、例えば、少なくとも0.98、例えば、少なくとも0.99、例えば、1.00である。分岐指数g’は、分岐度を定義し、ポリマーの分岐の量と相関する。分岐指数g’は、g’=[IV]br/[IV]linとして定義され、式中、g’は分岐指数であり、[IV]brは分岐したポリプロピレンの固有粘度であり、[IV]linは、その分岐したポリプロピレンと同じ平均分子量(±3%の範囲内)を有する直鎖状ポリプロピレンの固有粘度である。したがって、低いg’値は、高度に分岐したポリマーの指標である。言い換えると、g’値が減少すると、ポリプロピレンの分岐が増加する。これに関連して、B.H. Zimm and W.H. Stockmeyer, J. Chem. Phys. 17, 1301 (1949)について言及する。この文献をここに引用する。分岐指数g’を決定するために必要な固有粘度は、DIN ISO 1628/1、1999年10月(135℃のデカリン中)にしたがって測定される。
あるいは、ポリプロピレンの分岐は13C NMRを使用して測定してもよい。ポリプロピレンにおける分岐の量が少ないことが望ましく、例えば、ポリプロピレンにおける分岐の量は、0から10分岐/1000炭素原子の範囲、例えば、0から5分岐/1000炭素原子の範囲、例えば、1から5分岐/1000炭素原子の範囲にある。ASTM D1238−10(230℃/2.16kg)を使用して決定した、ポリプロピレンのメルトマスフローレートは、0.3〜100g/10分に及ぶことが好ましい。ポリプロピレンのメルトマスフローレートが1から25g/10分に及ぶことが好ましく、2から12g/10分に及ぶことがより好ましい。
本発明の組成物において、ポリプロピレンの量は、この組成物中の直鎖状低密度ポリエチレンまたは高密度ポリエチレンおよびポリプロピレンの総質量に基づいて、0.005から10質量%である。
前記組成物中のポリプロピレンの量が、この組成物中の直鎖状低密度ポリエチレンおよびポリプロピレンの総質量に基づいて、少なくとも0.01、例えば、少なくとも0.02、例えば、少なくとも0.03、例えば、少なくとも0.04、例えば、少なくとも0.05、例えば、少なくとも0.1、例えば、少なくとも0.2、例えば、少なくとも0.3、例えば、少なくとも0.4、例えば、少なくとも0.5、例えば、少なくとも0.7、例えば、少なくとも1、例えば、少なくとも2および/または例えば、多くとも8、例えば、多くとも6、例えば、多くとも5質量%であることが好ましい。前記組成物中のポリプロピレンの量が、直鎖状低密度ポリエチレンおよびポリプロピレンの総質量に基づいて約0.01から約5質量%であることが好ましい。
必要に応じて、本発明の組成物中に添加剤が存在してもよい。その添加剤は、例えば、LLDPEまたはHDPEのPPとの溶融混合の前または最中に加えてよい。適切な添加剤の例としては、以下に限られないが、LLDPEまたはHDPEに通常使用される添加剤、例えば、酸化防止剤、酸掃去剤、加工助剤、滑剤、界面活性剤、発泡剤、紫外線吸収剤、消光剤、帯電防止剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、顔料、染料および充填剤、並びに過酸化物などの硬化剤が挙げられる。添加剤は、全組成物に基づいて0.001質量%から10質量%などの、当該技術分野で周知の通常効果的な量で存在してよい。
したがって、本発明は、添加剤をさらに含む本発明の組成物にも関する。
本発明の組成物は、直鎖状低密度ポリエチレンまたは高密度ポリエチレンをポリプロピレン(PP)と溶融混合することによって、調製してもよい。
したがって、本発明は、本発明の組成物を調製する方法であって、
直鎖状低密度ポリエチレンまたは高密度ポリエチレンをポリプロピレンおよび随意的な添加剤と溶融混合する工程、
を有してなる方法にも関する。
直鎖状低密度ポリエチレンまたは高密度ポリエチレンを溶融混合する前に、ポリプロピレンおよび随意的な添加剤を、ミキサ、例えば、ドライ・ブレンダー(Henschellから購入されるような)内で予混合してもよい。前記ポリエチレンおよび前記ポリプロピレンは粉末または顆粒の形態で予混合または溶融混合されることが好ましいが、ペレットの形態で溶融混合することはそれほど好ましくないであろう。
溶融混合後、溶融混合において得られた組成物をペレット化してもよい。
溶融混合により、LLDPEまたはHDPEおよびPPが、PPのTmまたはTcおよびLLDPEまたはHDPEのTmまたはTcを超える温度で混合されることを意味する。溶融混合は、当業者に公知の技法を使用して、例えば、押出機内で、例えば、一軸スクリューまたは二軸スクリュー押出機、好ましくは二軸スクリュー押出機内で行ってもよい。
温度、圧力、剪断量、押出機が使用される場合には、スクリュー速度およびスクリュー設計などの、溶融混合に適した条件は、当業者に公知である。
押出機を使用する場合、二軸スクリュー押出機などの従来の押出機を使用してよい。その温度は、要求に応じて、押出機の異なる区域に亘り異なっても差し支えない。例えば、温度は、供給区域における180℃からダイでの300℃まで変動してもよい。押出機内の温度が165から250℃まで変動することが好ましい;同様に、押出機のスクリュー速度が、必要に応じて、変えられてもよい。典型的なスクリュー速度は、約100rpmから約400rpmの範囲にある。
本発明の組成物の光学的性質、特に透明度は、ポリプロピレンを含有しないLLDPEまたはHDPE組成物と比べて改善されていることが分かった。本発明の目的に関して、組成物の透明度は、ASTM D1746−09にしたがって測定される。ASTM D1746−09にしたがって測定された組成物の透明度が、少なくとも10、例えば、少なくとも20、例えば、少なくとも30、例えば、少なくとも50、例えば、少なくとも60、例えば、少なくとも70、例えば、少なくとも80%、例えば、少なくとも90%であることが好ましい。
薄肉射出成形の用途の1つに、薄肉パッケージがある。薄肉射出成形により製造された薄肉パッケージは、パッケージのより持続可能な方法の要望に対する答えを提供する。何故ならば、この射出成形には、材料とエネルギーがそれほど必要ないからである。結果として、薄肉射出成形により製造された薄肉パッケージは、パッケージのカーボンフットプリントを減少させる。
したがって、別の態様において、本発明は、本発明の組成物の射出成形、特に、薄肉射出成形における使用に関する。
(薄肉)射出成形の最適な条件は、使用する正確な組成に依存する。一般に、射出成形の温度は、本発明の組成物中のポリプロピレンのTmまたはTc辺り、例えば、約150から約200℃の範囲、例えば、約150から約170℃の範囲、例えば、約155から約165℃である。前記組成物を成形型に射出する最適充填速度(概して、薄肉射出成形について、0.5秒未満)および圧力、冷却に要する時間などは、当業者によって容易に決定できる。短いサイクル時間にとって、組成物が成形型内にある時間をできるだけ短く維持することが望ましい。
薄肉の定義は動的である。何故ならば、この定義は、それが使用される用途に依存するからである。本発明の枠内で、「薄肉」により、0.5から3.5、好ましくは0.5から2mmの範囲の肉厚を意味する。
薄肉パッケージ品目の例としては、以下に限られないが、タブ型容器、トレイ、広口瓶、容器、蓋、プレートおよびカップなどの、食品パッケージ品目が挙げられる。
本発明の組成物は、高い熱変形温度並びに凍結温度辺りでの低い脆性を有するであろうから、その組成物から製造された物品は、高温並びに低温で使用できる。
高温と低温の両方での使用が望ましい応用分野は、例えば、食品用途、例えば、電子レンジに使用できる、冷凍庫で使える、およびオーブンに入れて使える容器および容器の充填前に滅菌が必要とされるが、容器内の医薬を低温(例えば、4から7℃)で貯蔵する必要のある医療用途である。
別の態様において、本発明は、本発明の組成物から構成された物品であって、射出成形、好ましくは薄肉射出成形により調製された物品に関する。
さらに別の態様において、本発明は、本発明の組成物を成形型、好ましくは薄肉成形型内に射出する工程を有してなる方法であって、薄肉成形型が、0.5から2mmの範囲の肉厚を有する空間を提供する成形型である、方法に関する。
薄肉成形された物品の例としては、以下に限られないが、(食品)パッケージ、携帯電話構成部材、ラップトップ/ノート型コンピュータの構成部材、ハンドヘルド機器および医療機器、書類ケース、貯蔵容器、ペンの胴および繊維製品、例えば、生地、ソックス、ハンカチ、下着のためのパッケージが挙げられる。
本発明を説明目的で詳細に記載してきたが、そのような詳細は、その目的のためだけであり、特許請求の範囲に定義された本発明の精神および範囲から逸脱せずに、当業者によりそこに変更を行えることが理解されよう。
本発明は、ここに記載された特徴の可能な組合せの全てに関し、特に、特許請求の範囲に存在する特徴の組合せが好ましいことにさらに留意されたい。
「含む(comprising)」という用語は、他の要素の存在を排除するものではないことにさらに留意されたい。しかしながら、特定の成分を含む生成物についての記載は、これらの成分からなる生成物も開示していることも理解すべきである。同様に、特定の工程を含む方法についての記載は、これらの工程からなる方法も開示していることも理解すべきである。
これから、本発明を以下の実施例により説明するが、それらには制限されない。
実施例1〜6
LLDPE顆粒、ポリプロピレン顆粒および添加剤(主要な酸化防止剤のIrganox1076および酸掃去剤としてのステアリン酸亜鉛)をHenschelミキサ(ドライ・ブレンダー)に加え、次いで、約200℃の溶融温度でニーディング・ブロックを備えた共回転二軸スクリュー押出機(ZSK30)内で混合し、ペレット化した。この二軸スクリュー押出機のスクリュー速度は約200rpmであり、供給速度は約30kg/時であった。
ポリプロピレンの量は、使用したLLDPEおよびPPに基づいて、0から3質量%まで様々であった。表1に、調製した異なる組成物の成分が纏められている。
Figure 0006302918
1Sabic(登録商標)−LLDPE M500026は、ASTM D1238−10(190℃/2.16kg)を使用して決定した、50g/10分のメルトマスフローレートおよびASTM D1505−10を使用して測定した、926kg/m3の密度を有する、Saudi Basic Industries Corporationから得た、直鎖状低密度射出成形グレードである。
2Sabic(登録商標)−LLDPE M200024は、ASTM D1238−10(190℃/2.16kg)を使用して決定した、20g/10分のメルトマスフローレートおよびASTM D1505−10を使用して測定した、924kg/m3の密度を有する、Saudi Basic Industries Corporationから得た、直鎖状低密度射出成形グレードである。
3使用したポリプロピレンホモポリマーは、Sabic(登録商標)PP500Pであり、これは、110℃のTc、162℃のTm、40%の結晶化度およびASTM D1238−10(230℃/2.16kg)を使用して決定した、3.0g/10分のメルトマスフローレートを有した。Sabic(登録商標)PP500Pは、核形成剤を含有しない。Sabic(登録商標)PP500Pは、どのような分岐剤も含有しない。したがって、その分岐指数g’は、0.98超であり、1000の炭素原子当たりの分岐の量は、1分岐/1000炭素原子未満である。
以下のパラメータを測定した:
結晶化温度(Tc)は、ここに記載されたように、ASTM D3418−08にしたがって測定した。
2つのサンプルについて行った第2の加熱曲線の溶融温度(Tm)も記録した(平均の2回目の加熱)。
融解熱(ΔHf)は、ASTM D3418−08にしたがって測定した。
結晶化度(Xc2)は、ASTM D3418−08にしたがって測定した。
硬度は、ASTM D2240−05(2010)にしたがって測定した。
光沢は、45°の角度でASTM D2457−08e1にしたがって測定した。
ヘイズは、ASTM D1003−11e1にしたがって測定した。
熱変形温度(HDT)は、3.2mmのサンプルについて0.455MPaで、ASTM法D648−07を使用し、サンプルが0.25mm歪むまで温度を2℃/分で上昇させて測定した。
ビカー硬度としても知られている、ビカー軟化点(Vicat)は、プラスチックなどの明確な融点を持たない物質の軟化点の決定である。ビカー軟化点は、円形断面を有する1mm2の針および10Nの荷重を使用した、ASTM D1525−09を使用し、針の貫通が1mmに到達するまで、温度を2℃/分で上昇させて測定した。
透過率は、ASTM D1746−09にしたがって測定した。
ヘイズは、ASTM D1003−11e1にしたがって測定した。
透明度は、ASTM D1746−09にしたがって測定した。
得られた組成物を160℃辺りの温度で射出成形して、3.2mm厚の、犬の骨、曲げアイゾットバーおよび矩形の板を得た。
機械的性質は、ASTM D638−10にしたがって、3.2mm厚の、犬の骨およびバーについて測定した。引張特性は、115mmのゲージ長にして、50mm/分の引張試験速度で測定した(別記しない限り)。曲げ特定は、54.5mmのスパンおよび1.4mm/分の試験速度を使用して測定した。
測定した性質は、曲げ割線係数(MPaで表されたEf−sec)、および引張割線係数(MPaで表されたE−sec)、並びに引張降伏応力σy(MPa)、引張降伏歪みεy(%)、引張破壊応力σb(MPa)および引張破壊歪みεb(%)であった。
比較例Aおよび実施例1の測定結果が、下記の表2および3(機械的性質)に示されている。
Figure 0006302918
上の表2から分かるように、LLDPEに3質量%のポリプロピレンを添加すると、HDTおよび/またはVicatが増加する。これは、この組成物が(薄肉)射出成形に使用された場合、サイクル時間が減少するであろうことを意味する。LLDPEに3質量%のポリプロピレンを添加すると、透明度が10倍に増加する。さらに、結晶化度は、LLDPEへの3質量%のPPの添加により、わずかに減少している。LLDPEに3質量%のポリプロピレンを添加しても、測定した他の性質に著しくは影響しない。
したがって、本発明の組成物について、LLDPEの光学的性質、特に、透明度が増加している。さらに、本発明の組成物は、Vicatおよび/またはHDTの増加により、サイクル時間が減少するであろうから、(薄肉)射出成形用途に使用するのに極めて適している。この全ては、測定した性質などの、他の性質に著しく影響を与えずに、本発明によって達成される。
Figure 0006302918
上の表3から分かるように、本発明のLLDPE組成物の機械的性質も、3質量%のPPの添加から恩恵を受けている。引張および曲げ割線係数の20%の増加が観察される。さらに、降伏歪みと破壊歪みの減少を伴って、降伏応力および破壊応力が増加している。
したがって、本発明の組成物について、改善された機械的性質も得られるであろう。
同じPPを0、0.01、0.5および1質量%含む、LLDPE−M500026の異なるバッチにして、実施例1を繰り返した。前記性質を、ここに示したように測定した。透明度の測定について、3.2mmまたは2mmの板を使用した。結果が、下記の表4に示されている。
Figure 0006302918
上の表4から分かるように、LLDPEにポリプロピレンを添加すると、HDTおよび/またはVicatが増加する。これは、本発明の組成物が(薄肉)射出成形に使用された場合、サイクル時間が減少するであろうことを意味する。ポリプロピレンの添加は、本発明による実施例2、3および4の場合のように、本発明の組成物の透明度も増加させるであろう。
同じPPを0、1、2および3質量%含む、LLDPE−M500026の異なるバッチにして、実施例1を繰り返した。前記性質を、ここに示したように測定した。透明度の測定について、3.2mmの板を使用した。結果が、下記の表5に示されている。
Figure 0006302918
上の表5から分かるように、本発明の組成物中のPPの存在は、実施例5、6および7により示されるように、透明度を増加させるであろう。
異なるメルトフローインデックスを有するLLDPEについて、実施例1を繰り返した。
比較例Bおよび実施例8〜12に関する測定結果が、下記の表6に示されている。
Figure 0006302918
表6から分かるように、LLDPEにPPを添加すると、LLDPEの透明度が著しく向上する。
LLDPEにポリプロピレンを添加すると、HDTおよび/またはVicatが増加する。これは、本発明の組成物が(薄肉)射出成形に使用された場合、サイクル時間が減少するであろうことを意味する。
さらに、降伏歪みと破壊歪みの減少を伴って、降伏応力が増加し、破壊応力が減少する。
したがって、本発明の組成物について、透明度が増加する。さらに、本発明の組成物は、Vicatおよび/またはHDTの増加により、サイクル時間が減少するであろうから、(薄肉)射出成形用途に使用するのに極めて適している。この全ては、測定した性質などの、他の性質に著しく影響を与えずに、本発明によって達成される。
したがって、本発明の組成物について、改善された機械的性質も得られるであろう。
実施例13〜15
LLDPEの顆粒の代わりに、Sabic(登録商標)−HDPE M3000054のペレットを、ペレット形態にある様々な量のSabic(登録商標)PP500P(全組成物に基づいて0;0.5;1または3質量%)と溶融混合して、実施例1を繰り返した。Sabic(登録商標)−HDPE M3000054は、ASTM D1238−10(190℃/2.16kg)を使用して決定した、30g/10分のメルトマスフローレートおよびASTM D1505−10を使用して測定した、954kg/m3の密度を有する高密度射出成形グレードであり、Saudi Basic Industries Corporationから得た。Sabic(登録商標)PP500Pは、110℃のTc、およびASTM D1238−10(230℃/2.16kg)を使用して決定した、3.0g/10分のメルトマスフローレートを有するポリプロピレンホモポリマーである。Sabic(登録商標)PP500Pは、核形成剤を含有していない。
得られたHDPE/PP組成物を160℃辺りの温度で射出成形した。透明度を、ASTM D1746−09にしたがって、3.2mm厚のサンプルについて測定した。
結果が、下記の表7に示されている。
Figure 0006302918
表7から分かるように、HDPEの透明度も、PPの存在によって、本発明の組成物において著しく増加している。
実施例16および17
様々な量のPP(0ppm;500ppm=0.05質量%;1000ppm=0.1質量%)について、実施例13〜15を繰り返した。その結果が、下記の表8に示されている。
Figure 0006302918
表8から分かるように、少量のPPをHDPEに添加すると、HDPEの透明度が著しく向上するのに対し、他の(機械的)性質は維持されている。
実施例18および19:HDPE−200056
LLDPEの顆粒の代わりに、Sabic(登録商標)−HDPE M200056のペレットを、粉末形態にある様々な量のSabic(登録商標)PP500P(全組成物に基づいて0;0.5;1質量%)と溶融混合して、実施例1を繰り返した。Sabic(登録商標)−HDPE M200056は、ASTM D1238−10(190℃/2.16kg)を使用して決定した、20g/10分のメルトマスフローレートおよびASTM D1505−10を使用して測定した、956kg/m3の密度を有する高密度射出成形グレードであり、Saudi Basic Industries Corporationから得た。
これらの実験の結果が、下記の表9に与えられている。
Figure 0006302918
表9から分かるように、HDPEの透明度は、PPの存在によって、本発明の組成物において著しく増加している。

Claims (14)

  1. (i)ASTM D−1238(190℃/2.16kg)を使用して測定して4から125g/10分の範囲のメルトマスフローレートを有する直鎖状低密度ポリエチレン、またはASTM D−1238(190℃/2.16kg)を使用して測定して4から125g/10分の範囲のメルトマスフローレートを有する高密度ポリエチレンと、
    (ii)ポリプロピレンと、
    を含む組成物であって、
    前記ポリプロピレンの量が、前記直鎖状低密度ポリエチレンまたは高密度ポリエチレンと該ポリプロピレンとの総質量に基づいて0.005から10質量%であり、該ポリプロピレンが140℃から200℃の溶融温度(T)および/または100℃から140℃の結晶化温度(T)を有し、前記TおよびTは、10mgのサンプルについて10℃/分の走査速度を使用し、および第2の加熱サイクルを使用し、ASTM D3418−08にしたがう示差走査熱量測定法を用いて測定されたものであり、
    該組成物は、安息香酸塩、置換安息香酸塩、ジカルボン酸金属塩、ヘキサヒドロフタル酸金属塩、リン酸エステル塩、グリセロレート塩、ジアミド、トリアミド、テトラミド、松脂誘導体、ジアセタール誘導体、2,6−ナフタレンジカルボキサミド、ポリビニルシクロヘキサン、タルク、顔料およびそれらの組合せからなる群より選択される核形成剤または清澄剤を0.05ppm未満しか含まない、組成物。
  2. 前記ポリプロピレンの結晶化度が、10mgのサンプルについて10℃/分の走査速度を使用し、および第2の加熱サイクルを使用し、ASTM D3418−08にしたがう示差走査熱量測定法を用いて測定して、少なくとも35%である、請求項1記載の組成物。
  3. ASTM D1238−10(230℃/2.16kg)を使用して決定した前記ポリプロピレンのメルトマスフローレートが、0.3から100g/10分に及ぶ、請求項1または2記載の組成物。
  4. 前記ポリプロピレンの量が、前記直鎖状低密度ポリエチレンまたは前記高密度ポリエチレンと該ポリプロピレンとの総質量に基づいて0.01から5質量%である、請求項1からいずれか1項記載の組成物。
  5. ASTM D1746にしたがって測定された透明度が少なくとも30%である、請求項1からいずれか1項記載の組成物。
  6. 添加剤をさらに含む、請求項1からいずれか1項記載の組成物。
  7. 射出成形に使用するための請求項1からいずれか1項記載の組成物。
  8. 薄肉射出成形に使用するための請求項1からいずれか1項記載の組成物。
  9. 請求項1からいずれか1項記載の組成物から構成された射出成形物品。
  10. 請求項1からいずれか1項記載の組成物から構成された薄肉射出成形物品。
  11. 請求項1からいずれか1項記載の組成物を成形型内に射出する工程を有してなる方法。
  12. 請求項1からいずれか1項記載の組成物を薄肉成形型内に射出する工程を有してなり、前記薄肉成形型が、0.5から2mmの範囲の肉厚を有する空間を提供する成形型である、方法。
  13. 請求項1からいずれか1項記載の組成物を調製する方法であって、前記直鎖状低密度ポリエチレンまたは前記高密度ポリエチレンを、前記ポリプロピレン溶融混合する工程を有してなる方法。
  14. 請求項6記載の組成物を調製する方法であって、前記直鎖状低密度ポリエチレンまたは前記高密度ポリエチレンを、前記ポリプロピレンおよび添加剤と溶融混合する工程を有してなる方法
JP2015536184A 2012-10-15 2013-10-15 ポリプロピレンを含むポリエチレン組成物 Active JP6302918B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP12007130 2012-10-15
EP12007130.3 2012-10-15
PCT/EP2013/071485 WO2014060391A1 (en) 2012-10-15 2013-10-15 Polyethylene compositions comprising polypropylene

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2015532331A JP2015532331A (ja) 2015-11-09
JP2015532331A5 JP2015532331A5 (ja) 2016-12-08
JP6302918B2 true JP6302918B2 (ja) 2018-03-28

Family

ID=47048936

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015536184A Active JP6302918B2 (ja) 2012-10-15 2013-10-15 ポリプロピレンを含むポリエチレン組成物

Country Status (7)

Country Link
US (1) US9120921B2 (ja)
EP (1) EP2906628B1 (ja)
JP (1) JP6302918B2 (ja)
CN (1) CN104837915A (ja)
BR (1) BR112015008300A2 (ja)
EA (1) EA032320B1 (ja)
WO (1) WO2014060391A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9994692B2 (en) 2014-11-25 2018-06-12 Milliken & Company Process for extruding polypropylene
US9994695B2 (en) 2014-11-25 2018-06-12 Milliken & Company Process for extruding polypropylene
US10414086B2 (en) 2015-05-07 2019-09-17 Fina Technology, Inc. Polyethylene for superior sheet extrusion thermoforming performance
CN109642060A (zh) * 2016-08-11 2019-04-16 Sabic环球技术有限责任公司 用于盖和封闭件的聚合物组合物
CN108727684B (zh) * 2017-04-18 2020-09-04 广东金发科技有限公司 聚丙烯复合材料及其制备方法、由其制备的片材或异型材及应用
CN111757887B (zh) * 2018-01-24 2023-08-01 Sabic环球技术有限责任公司 用于烯烃聚合的1,2-亚苯基桥接的1-茚基-2-茚基茂金属络合物
ES2906707T3 (es) * 2019-05-16 2022-04-20 Borealis Ag Composición heterofásica de polipropileno
EP4017914A4 (en) * 2019-08-06 2023-05-03 Public Joint Stock Company "Sibur Holding" POLYETHYLENE COMPOSITION

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS581736A (ja) 1981-06-25 1983-01-07 Adeka Argus Chem Co Ltd ポリオレフイン系樹脂組成物
US5049605A (en) 1989-09-20 1991-09-17 Milliken Research Corporation Bis(3,4-dialkylbenzylidene) sorbitol acetals and compositions containing same
JP3046428B2 (ja) 1991-12-05 2000-05-29 旭電化工業株式会社 結晶性合成樹脂組成物
EP1277790A3 (en) 1998-03-04 2004-07-28 Ciba SC Holding AG Nucleators for crystallizable thermoplastic polymers
US6534574B1 (en) 2001-03-24 2003-03-18 Milliken & Company Highly nucleated thermoplastic articles
US6465551B1 (en) 2001-03-24 2002-10-15 Milliken & Company Bicyclo[2.2.1]heptane dicarboxylate salts as polyolefin nucleators
AU2004210907B2 (en) 2003-02-14 2009-02-19 Ciba Specialty Chemicals Holding Inc. Resin compositions
GB0316082D0 (en) 2003-07-09 2003-08-13 Council Cent Lab Res Councils Method of fabricating an electron multiplier array
US7456231B2 (en) * 2005-02-02 2008-11-25 Shawcor Ltd. Radiation-crosslinked polyolefin compositions
CN101268131A (zh) * 2005-09-16 2008-09-17 美利肯公司 包括成核剂或澄清剂的聚合物组合物
US7786203B2 (en) * 2005-09-16 2010-08-31 Milliken & Company Polymer compositions comprising nucleating or clarifying agents and articles made using such compositions
CN101490163A (zh) 2007-05-02 2009-07-22 陶氏环球技术公司 高密度聚乙烯组合物、其制备方法、由其制得的注塑制品以及该制品的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015532331A (ja) 2015-11-09
EA032320B1 (ru) 2019-05-31
EA201500423A1 (ru) 2015-09-30
CN104837915A (zh) 2015-08-12
US9120921B2 (en) 2015-09-01
EP2906628A1 (en) 2015-08-19
BR112015008300A2 (pt) 2017-07-04
US20140107270A1 (en) 2014-04-17
EP2906628B1 (en) 2017-07-26
WO2014060391A1 (en) 2014-04-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6302918B2 (ja) ポリプロピレンを含むポリエチレン組成物
KR101361432B1 (ko) 고도로 유동화가능한 헤테로상 폴리프로필렌
ES2536254T3 (es) Copolímero de polipropileno al azar con alto flujo del fundido
KR101971044B1 (ko) 컨테이너용 핵화된 폴리프로필렌 조성물
US9394073B2 (en) Extrusion blow molded bottles
JP2010510366A (ja) ポリオレフィン組成物
ES2755382T3 (es) Composición de polipropileno heterofásico
CN111433279B (zh) 多相聚丙烯组合物
KR101185710B1 (ko) 투명성 및 내충격 특성이 우수한 폴리프로필렌 수지 조성물
CN111989364B (zh) 以丙烯己烯无规共聚物作为基体的多相聚丙烯
CN102821928B (zh) 用于将聚丙烯转化为高透明度结晶变体的方法以及由该方法产生的制品
US10626249B2 (en) Polyolefin compositions
JP7375165B2 (ja) 医療用途向け射出成形品
JP2004182955A (ja) プロピレン樹脂組成物およびその用途
WO2016078974A1 (en) Polypropylene compositions
CN101959665B (zh) 聚烯烃组合物
RU2451699C2 (ru) Полиолефиновые композиции
JP7515284B2 (ja) プロピレン系樹脂組成物および成形体
JP7417082B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂用の結晶核剤組成物、及び該結晶核剤組成物を含むポリオレフィン系樹脂組成物
JP6287562B2 (ja) 射出成形用プロピレン系樹脂組成物および射出成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161017

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161017

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20170706

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170911

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170921

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20171106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180123

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180305

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6302918

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250