以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る光硬化性導電材料用導電性粒子(以下、光硬化性導電材料用導電性粒子を、導電性粒子Xと記載することがある)は、光硬化性を有するバインダー樹脂中に分散され、光硬化性を有する光硬化性導電材料を得るために用いられる。本発明に係る光硬化性導電材料用導電性粒子は、導電部を少なくとも表面に有する導電性粒子本体と、上記導電性粒子本体の表面上に配置されており、かつ金属物質を除く無機物質を含む1つ以上の光反射物質とを備える。上記光反射物質は、光反射性を有する。上記導電性粒子本体は表面に、複数の突起を有する。上記光反射物質の材料の屈折率は1.6以上である。
本発明に係る光硬化性導電材料用導電性粒子における上述した構成の採用により、接続対象部材の電極間を電気的に接続した場合に、接続対象部材の接続信頼性を高め、かつ電極間の導通信頼性を高めることができる光硬化性導電材料を得ることが可能である。
導電部の表面に複数の突起を有する導電性粒子を用いただけでは、電極間などに位置していることで光が直接照射されなかったバインダー樹脂部分を、十分に硬化させることはできないことがある。また、光反射層を表面に有する光反射導電性粒子を用いただけでは、光反射層が電極間の導通を妨げることによって、電極間の導通不良が生じたり、電極間の接続抵抗が高くなったりすることがある。
これに対して、本発明では、新規な構成が初めて採用されている。特に、光硬化性導電材料用導電性粒子が、導電性粒子本体の表面上に1つ以上の光反射物質を有するだけでなく、該光反射物質が金属物質を除く無機物質を含み、更に上記導電性粒子本体が表面に複数の突起を有する。従って、上記光硬化性導電材料用導電性粒子を光硬化性を有するバインダー樹脂中に分散させて、光硬化性を有する光硬化性導電材料を得た後、光硬化性を有するバインダー樹脂を硬化させる際に、光硬化性導電材料用導電性粒子によって光を反射させることで、電極間などに位置することで光が直接照射されにくいバインダー樹脂部分にも、光を照射させることができ、バインダー樹脂を十分に硬化させることができる。さらに、上記突起によって、上記光硬化性導電材料用導電性粒子と上記電極とを効果的に接触させることができる。このため、上記接続信頼性及び上記導通信頼性の双方が高くなる。また、上記突起によって、上記電極の表面及び上記導電部の表面の酸化被膜を効果的に排除することができ、この結果、電極間の接続抵抗を効果的に低くすることができる。
上記導電性粒子本体における上記突起の平均高さは好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上、更に好ましくは200nm以上、好ましくは600nm以下、より好ましくは550nm以下、更に好ましくは500nm以下である。上記突起の平均高さが上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の導通信頼性がより一層高くなり、かつ電極間の接続抵抗がより一層低くなり、かつ接続対象部材の接続信頼性がより一層高くなる。
上記導電性粒子本体の表面積1μm2あたりの上記突起の数(平均個数)は好ましくは1個以上、より好ましくは2個以上、更に好ましくは5個以上、好ましくは40個以下、より好ましくは35個以下、更に好ましくは30個以下である。上記突起の数が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の導通信頼性がより一層高くなり、かつ電極間の接続抵抗がより一層低くなり、かつ接続対象部材の接続信頼性がより一層高くなる。
上記導電性粒子本体の全表面積100%中、上記突起がある部分の表面積は、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下である。上記導電性粒子本体の全表面積100%中、上記突起がない部分の表面積は、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、好ましくは85%以下、より好ましくは80%以下である。上記突起がある部分の表面積が相対的に多くなると、導通性がより一層良好になる。上記突起がない部分の表面積が相対的に多くなると、絶縁性がより一層良好になる。
上記導電性粒子本体における上記突起の平均高さ、上記突起の個数、上記突起がある部分の表面積及び上記突起がない部分の表面積は、SEM観察写真を画像解析することにより、測定可能である。
上記光反射物質の材料の屈折率は、1.6以上である。従って、上記光反射物質は、光反射性を有する。光反射効率をより一層高める観点からは、上記屈折率は高いほどよい。上記光反射物質の材料の屈折率は、好ましくは1.7以上、より好ましくは1.8以上である。
上記光反射物質は、光反射層又は光反射粒子であることが好ましい。上記光反射物質は光反射層であってもよく、光反射粒子であってもよい。電極間の導通信頼性をより一層高め、かつ電極間の接続抵抗をより一層低くする観点からは、上記光反射物質は、光反射粒子であることが好ましい。上記光反射物質が上記光反射粒子である場合に、上記光硬化性導電材料用導電性粒子は、複数の上記光反射物質(光反射粒子)を備えることが好ましい。
上記導電性粒子本体の表面積全体に占める上記光反射粒子により被覆されている部分の面積である被覆率は、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上、更に好ましくは20%以上、好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは70%以下である。上記被覆率が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の導通信頼性がより一層高くなり、かつ電極間の接続抵抗がより一層低くなり、かつ接続対象部材の接続信頼性がより一層高くなる。
上記導電性粒子本体の表面積全体に占める上記光反射粒子により被覆されている部分の面積である被覆率は、以下のようにして求められる。
走査型電子顕微鏡(SEM)での観察により100個の光硬化性用導電性粒子を観察し、上記導電性粒子Xにおける上記導電性粒子本体の被覆率X1(%)(付着率X1(%)ともいう)を求める。上記被覆率は、上記導電性粒子本体の表面積全体に占める上記光反射粒子により被覆されている部分の面積(投影面積)である。
具体的には、図8に示すように、上記被覆率は、上記導電性粒子Xにおける導電性粒子本体Aを一方向から走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した場合、導電性粒子本体Aの導電部の外表面(外周縁)の円内に存在する光反射粒子B1を1個、導電性粒子本体Aの導電部の外表面(外周縁)の円周上に存在する光反射粒子B2を0.5個とカウントし、導電性粒子本体Aの投影面積に対する光反射粒子の投影面積の割合で示す。
すなわち、上記被覆率は下記式(1)で表される。
被覆率(%)=(((円内の光反射粒子の数)×1+(円周上の光反射粒子の数)×0.5)×光反射粒子の投影面積)/(導電性粒子本体の投影面積)×100 ・・・式(1)
接続対象部材の接続信頼性及び電極間の導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電性粒子本体における上記突起の平均高さが、上記光反射層の平均厚みよりも大きいか、又は上記光反射粒子の平均粒子径よりも大きいことが好ましい。本発明では、光反射層及び光反射粒子は、上記導電性粒子Xの表面の光の反射性を高めるために用いられているので、光反射層の平均厚み及び光反射粒子の平均粒子径は小さくてもよい。上記導電性粒子本体における上記突起の平均高さは、上記光反射層の平均厚み又は上記光反射粒子の平均粒子径の1.5倍以上であることが好ましく、2倍以上であることがより好ましく、2.5倍以上であることが更に好ましい。上記導電性粒子本体における上記突起の平均高さは、上記光反射層の平均厚み又は上記光反射粒子の平均粒子径の150倍以下であることが好ましく、100倍以下であることがより好ましい。
上記導電性粒子本体における上記突起の平均高さが、上記光反射層の平均厚み又は上記光反射粒子の平均粒子径の上記下限以上(特に1.5倍以上)であることで、上記下限未満(特に1.5倍未満)である場合と比べて、接続対象部材の電極間を電気的に接続した場合に、接続対象部材の接続信頼性をより一層高め、かつ電極間の導通信頼性をより一層高めることができる光硬化性導電材料を得ることが可能である。接続信頼性及び導通信頼性を高めるために、上記導電性粒子本体における上記突起の平均高さと、上記光反射層の平均厚み又は上記光反射粒子の平均粒子径との関係を上記の関係を満足するようにすることには大きな意味がある。
上突起の平均高さが、50nm以上かつ600nm以下であり、上記導電性粒子本体における上記突起の平均高さが、上記光反射層の平均厚み又は上記光反射粒子の平均粒子径の1.5倍以上であることが特に好ましい。この場合には、接続信頼性及び導通信頼性がかなり高くなる。
上記光反射粒子の平均粒子径は、数平均粒子径を示す。上記平均粒子径は、粒度分布測定装置等を用いて求められる。
上記バインダー樹脂は、熱硬化性及び光硬化性を有することが好ましい。この場合には、例えば、熱の付与により光硬化性導電材料の流動性を低下させた後に、光の照射により光硬化性導電材料を硬化させることができる。このため、光硬化性導電材料が過度に濡れ拡がるのを抑えることができる。光硬化性及び熱硬化性を有するバインダー樹脂は、光硬化性及び熱硬化性導電材料である。
本発明に係る光硬化性導電材料は、熱の付与後に光の照射が行われ、熱の付与及び光の照射により上記バインダー樹脂を硬化させて用いられることが好ましい。このようにバインダー樹脂を硬化させることで、本発明の効果がより一層効果的に得られる。
次に、本発明に係る光硬化性導電材料用導電性粒子について、具体的に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光硬化性導電材料用導電性粒子を示す断面図である。
図1に示す光硬化性導電材料用導電性粒子21は、導電性粒子本体22と、導電性粒子本体22の表面上に配置された複数の光反射粒子23とを備える。光反射粒子23は、金属物質を除く無機物質を含む。導電性粒子本体22の表面に、光反射粒子23が付着している。光反射粒子23は、屈折率が1.6以上である材料により形成されている。
導電性粒子本体22は、基材粒子31と、基材粒子31の表面上に配置された導電部32とを有する。導電性粒子本体22では、導電部32は導電層である。導電部32は、基材粒子31の表面を覆っている。導電性粒子本体22は、基材粒子31の表面が導電部32により被覆された被覆粒子である。導電性粒子本体22は表面に導電部32を有する。
上記導電性粒子Xは、少なくとも表面に導電部を有していればよい。導電性粒子本体22のように、中心部が導電部とは異なる基材粒子であってもよい。導電性粒子本体の全体が、導電部であってもよい。
光硬化性導電材料用導電性粒子21は、導電性の表面に複数の突起21aを有する。導電性粒子本体22は、基材粒子31の表面上に複数の芯物質33を有する。導電部32は、基材粒子31と芯物質33とを被覆している。芯物質33を導電部32が被覆していることにより、導電性粒子本体22は表面に複数の突起22aを有する。また、導電部32は表面(外表面)に複数の突起32aを有する。芯物質33により導電部32の表面が隆起されており、複数の突起22a,32aが形成されている。
本実施形態では、突起22aの平均高さは、光反射粒子23の平均粒子径よりも大きい。従って、光硬化性導電材料用導電性粒子21全体でみたときに、突起22aの先端は、光反射粒子23の外表面よりも外側に突出している。突起22aの先端は、光反射粒子23よりも、光硬化性導電材料用導電性粒子21の中心から離れている。突起22aの先端が、光反射粒子23の外表面よりも外側に突出していることで、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る光硬化性導電材料用導電性粒子を示す断面図である。
図2に示す光硬化性導電材料用導電性粒子41は、導電性粒子本体42と、導電性粒子本体42の表面上に配置された複数の光反射粒子23とを備える。光硬化性導電材料用導電性粒子21と光硬化性導電材料用導電性粒子41とでは、芯物質33の有無のみが相違している。光硬化性導電材料用導電性粒子41は、芯物質を有さない。
光硬化性導電材料用導電性粒子41は、導電性の表面に突起41aを有する。導電性粒子本体42は、基材粒子31と、基材粒子31の表面上に配置された導電部32Aとを有する。導電部32Aは導電層である。導電性粒子本体42は、導電性粒子本体22のように芯物質を有さない。導電部32Aは、第1の部分と、該第1の部分よりも厚みが厚い第2の部分とを有する。従って、導電性粒子本体42は表面に複数の突起42aを有する。また、導電部32Aは表面(外表面)に複数の突起32Aaを有する。複数の突起41a,42a,32Aaを除く部分が、導電部32Aの上記第1の部分である。複数の突起41a,42a,32Aaは、導電部32Aの厚みが厚い上記第2の部分である。
光硬化性導電材料用導電性粒子41のように、突起を形成するために、芯物質を必ずしも用いなくてもよい。
図3は、本発明の第3の実施形態に係る光硬化性導電材料用導電性粒子を示す断面図である。
図3に示す光硬化性導電材料用導電性粒子51は、導電性粒子本体52と、導電性粒子本体52の表面上に配置された複数の光反射粒子23とを備える。
導電性粒子本体52は、基材粒子31と、基材粒子31の表面上に配置された導電部32Bとを有する。導電部32Bは導電層である。導電部32Bは、基材粒子31の表面上に配置された第1の導電部32Bxと、第1の導電部32Bxの表面上に配置された第2の導電部32Byとを有する。
光硬化性導電材料用導電性粒子51は、導電性の表面に複数の突起51aを有する。導電性粒子本体52は、第1の導電部32Bxの表面上に複数の芯物質33を有する。第2の導電部32Byは、第1の導電部32Bxと芯物質33とを被覆している。基材粒子31と芯物質33とは間隔を隔てて配置されている。基材粒子31と芯物質33との間には、第1の導電部32Bxが存在する。芯物質33を第2の導電部32Byが被覆していることにより、導電性粒子本体52は表面に複数の突起52aを有する。また、導電部32Bは表面(外表面)に突起32Baを有する。芯物質33により導電部32B及び第2の導電部32Byの表面が隆起されており、複数の突起51a,52a,32Baが形成されている。
光硬化性導電材料用導電性粒子51のように、導電部は、多層構造を有していてもよい。さらに、突起を形成するために、芯物質を内層の第1の導電部上に配置して、外層の第2の導電部により芯物質及び第1の導電部を被覆してもよい。
図4は、本発明の第4の実施形態に係る光硬化性導電材料用導電性粒子を示す断面図である。
図4に示す光硬化性導電材料用導電性粒子61は、導電性粒子本体22と、導電性粒子本体22の表面上に配置された複数の光反射層62とを備える。すなわち、光硬化性導電材料用導電性粒子61では、光反射物質は光反射層62である。光反射層62は、屈折率が1.6以上である材料により形成されている。
なお、光硬化性導電材料用導電性粒子61では、導電性粒子本体22の表面全体が光反射層62により被覆されている。光硬化性導電材料用導電性粒子61は、外表面に複数の突起61aを有する。導電性粒子本体の表面の一部の領域が、光反射層により被覆されていてもよい。例えば、導電性粒子本体の突起間の領域のみで、導電性粒子本体の表面上に光反射層が配置されていてもよい。
第4の実施形態では、突起22a,31a,61aの平均高さは、光反射層62の平均厚みよりも大きい。
図5は、本発明の第5の実施形態に係る光硬化性導電材料用導電性粒子を示す断面図である。
図5に示す光硬化性導電材料用導電性粒子71は、導電性粒子本体22と、導電性粒子本体22の表面上に配置された複数の光反射粒子23と、導電性粒子本体22の表面上に配置された複数の絶縁物質72とを備える。なお、図5では、光反射粒子23と絶縁物質72とは、ハッチングの斜線の方向が90度異なるように図示されている。
導電性粒子本体22の表面の少なくとも一部の領域が、絶縁物質72により被覆されている。絶縁物質72は絶縁性を有する材料により形成されており、絶縁粒子である。このように、上記導電性粒子Xは、導電性粒子本体の表面上に配置された絶縁物質を有していてもよい。該絶縁物質は絶縁粒子であることが好ましい。
なお、光の反射効率がより一層高くなることから、導電性粒子21,41,51,61,71のうち、光反射層62を備える光硬化性導電材料用導電性粒子61よりも、光反射粒子23を備える光硬化性導電材料用導電性粒子21,41,51,71の方が好ましい。
次に、図6を参照しつつ、本発明の第1の実施形態に係る光硬化性導電材料用導電性粒子を用いた接続構造体について、具体的に説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態に係る光硬化性導電材料用導電性粒子を用いた接続構造体の一例を示す断面図である。
図6に示す接続構造体1は、第1の電極2aを表面に有する第1の接続対象部材2と、第2の電極3aを表面に有する第2の接続対象部材3と、第1の接続対象部材2と第2の接続対象部材3とを接続している接続部4とを備える。第1の電極2aと第2の電極3aとは、光硬化性導電材料用導電性粒子21における導電性粒子本体22(符号の図示は省略)により電気的に接続されている。
接続部4は、光硬化性導電材料用導電性粒子21と、光硬化性を有するバインダー樹脂とを含む光硬化性導電材料に光を照射して、かつバインダー樹脂を硬化させることで形成されている。接続部4は、硬化したバインダー樹脂11を含む。光硬化性導電材料用導電性粒子21にかえて、光硬化性導電材料用導電性粒子41,51,61,71などの他の光硬化性導電材料用導電性粒子を用いてもよい。
図6に示す接続構造体1は、具体的には、例えば、図7(a)〜(c)に示す状態を経て、以下のようにして得ることができる。ここでは、上記光硬化性導電材料として、光硬化性導電材料用導電性粒子21と、熱硬化性及び光硬化性を有するバインダー樹脂11Aとを含む光硬化性導電材料を用いている。この光硬化性導電材料は、光硬化性及び熱硬化性導電材料である。バインダー樹脂11Aは、硬化前のバインダー樹脂である。なお、熱硬化性を有さず、光硬化性のみを有するバインダー樹脂を用いてもよい。
図7(a)に示すように、第1の電極2aを表面(上面)に有する第1の接続対象部材2を用意する。また、複数の光硬化性導電材料用導電性粒子21とバインダー樹脂11Aとを含む光硬化性導電材料を用意する。次に、第1の接続対象部材2の第1の電極2a側の表面上に、上記光硬化性導電材料を用いて、光硬化性導電材料層4Aを配置する。このとき、第1の電極2a上に、1つ又は複数の光硬化性導電材料用導電性粒子21が配置されていることが好ましい。ここでは、上記光硬化性導電材料として、導電ペーストを用いているので、導電ペーストの配置は、導電ペーストの塗布により行われている。光硬化性導電材料層4Aは、導電ペースト層である。
次に、図7(b)に示すように、光硬化性導電材料層4Aの第1の接続対象部材2側とは反対の表面上に、第2の電極3aを表面に有する第2の接続対象部材3を、第2の電極3a側から配置する。すなわち、第1の接続対象部材2と第2の接続対象部材3との間に、光硬化性導電材料層4Aを配置する。また、第1の電極2aと第2の電極3aとが対向するように、第2の接続対象部材3を配置する。このとき、第1の電極2aと第2の電極3aとの間に光硬化性導電材料用導電性粒子21が位置するように、上記光硬化性導電材料を配置する。
次に、第2の接続対象部材3の配置時又は配置後に、第1の接続対象部材2と第2の接続対象部材3とを熱圧着させる。それによって、バインダー樹脂11Aに熱を付与して、バインダー樹脂11A及び光硬化性導電材料層4Aの硬化を進行させる。この結果、図7(c)に示すように、バインダー樹脂11B及び光硬化性導電材料層4Bを形成する。バインダー樹脂11B及び光硬化性導電材料層4Bは、例えば、Bステージ化されたバインダー樹脂及びBステージ化された光硬化性導電材料層である。
上記光硬化性導電材料層に熱を付与することにより硬化を進行させる場合には、上記光硬化性導電材料層を適度に硬化させるための加熱温度は好ましくは80℃以上、好ましくは130℃以下、より好ましくは110℃以下である。
なお、熱の付与は、上記第2の接続対象部材の配置前、配置時又は配置後に行われ、配置前に行われてもよく、配置時に行われてもよく、配置後に行われてもよい。但し、熱の付与は、配置時又は配置後に行われることが好ましく、配置後に行われることがより好ましい。なお、熱の付与は必ずしも行われなくてもよい。バインダー樹脂11A及び光硬化性導電材料層4Aに、熱を付与せずに、光を照射してもよい。
さらに、熱の付与後に、光硬化性導電材料層4Bに光を照射する。本実施形態では、第1の接続対象部材2が透光性を有する。このため、第1の接続対象部材2の光硬化性導電材料層4B側とは反対の表面側からバインダー樹脂11Bに、矢印Y1,Y2,Y3で示す方向に光を照射している。光の照射により、バインダー樹脂11B及び光硬化性導電材料層4Bを硬化させる。それによって、第1の接続対象部材2と第2の接続対象部材3とを接続している接続部4を、光硬化性導電材料層4Bにより形成する。
光を照射すると、矢印Y1で示す光は、バインダー樹脂11B内を通過し、第2の接続対象部材3に至る。矢印Y2で示す光は、バインダー樹脂11B内の光硬化性導電材料用導電性粒子21の表面に至る。矢印Y3で示す光は、第1の接続対象部材2内を部分的に通過するが、第1の電極2aにより通過が妨げられる。光硬化性導電材料用導電性粒子21の表面に至った光は、光硬化性導電材料用導電性粒子21の表面により反射される。すなわち、光硬化性導電材料用導電性粒子21を含む光硬化性導電材料層4Bに光を照射すると、光硬化性導電材料用導電性粒子21によって矢印Zで示す方向に反射される光がある。矢印Zで示す方向に反射された光は、第1の電極2a及び第2の電極3a間のバインダー樹脂11Bを硬化させる。この結果、第1,第2の電極2a,3a間に位置するバインダー樹脂11Bを十分に硬化させることができ、それによって全体が良好に硬化したバインダー樹脂11を含む接続部4が形成される。
光を照射する際に用いる光源は特に限定されない。該光源としては、例えば、波長420nm以下に十分な発光分布を有する光源や、波長420nm以下の特定波長に強い発光を有する光源等が挙げられる。波長420nm以下に十分な発光分布を有する光源の具体例としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、及びメタルハライドランプ等が挙げられる。また、波長420nm以下の特定波長に強い発光を有する光源の具体例としては、LEDランプ等が挙げられる。なかでもLEDランプが好ましい。LEDランプを用いた場合には、被照射物自身の発熱が非常に少なくなり、発熱による上記光硬化性導電材料の過度の熱劣化を防ぐことができる。
光の照射により上記光硬化性導電材料層を硬化させるために、上記光硬化性導電材料層を適度に硬化させるための光照射強度は、例えば、波長365nmにピークを有するLEDランプ光源を用いる場合は、好ましくは100〜3000mJ/cm2程度である。また、上記光硬化性導電材料層を適度に硬化させるための光の照射エネルギーは、好ましくは500mJ/cm2以上、より好ましくは2000mJ/cm2以上、好ましくは100000mJ/cm2以下、より好ましくは20000mJ/cm2以下である。
なお、光の照射は、上記第2の接続対象部材の配置前、配置時又は配置後に行われ、配置前に行われてもよく、配置時に行われてもよく、配置後に行われてもよい。但し、光の照射は、配置時又は配置後に行われることが好ましく、配置後に行われることがより好ましい。また、熱の付与後に、光の照射が行われることが好ましい。
上記のようにして、図6に示す接続構造体1が得られる。ここでは、光硬化性導電材料用導電性粒子21と、光硬化性を有するバインダー樹脂11Aとを含む光硬化性導電材料が用いられているので、第1,第2の電極2a,3a間のバインダー樹脂11Bを十分に硬化させることができる。この結果、接続部4と、第1,第2の接続対象部材2,3との接続信頼性が高くなる。また、導電性粒子本体22(導電性粒子)により電気的に接続される第1,第2の電極2a,3a間の導通信頼性を高くし、かつ第1,第2の電極2a,3a間の接続抵抗を低くすることができる。
以下、光硬化性導電材料用導電性粒子、光硬化性導電材料及び接続構造体の他の詳細を説明する。
(光硬化性導電材料用導電性粒子(導電性粒子X))
上記基材粒子としては、樹脂粒子、金属粒子を除く無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子及び金属粒子等が挙げられる。上記基材粒子は、金属粒子を除く基材粒子であることが好ましく、樹脂粒子、金属粒子を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子であることがより好ましく、樹脂粒子又は有機無機ハイブリッド粒子が更に好ましい。
上記基材粒子は、樹脂により形成された樹脂粒子であることが好ましい。電極間を接続する際には、上記導電性粒子Xを電極間に配置した後、一般的に上記導電性粒子Xを圧縮させる。基材粒子が樹脂粒子であると、圧縮により上記導電性粒子Xが変形しやすく、上記導電性粒子Xと電極との接触面積が大きくなる。このため、電極間の導通信頼性が高くなる。
上記樹脂粒子の材料として、種々の有機物が好適に用いられる。上記樹脂粒子の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂;ポリアルキレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、及び、エチレン性不飽和基を有する種々の重合性単量体を1種もしくは2種以上重合させて得られる重合体等が挙げられる。また、エチレン性不飽和基を有する種々の重合性単量体を1種もしくは2種以上重合させることにより、光硬化性導電材料に適した任意の圧縮時の物性を有する樹脂粒子を設計及び合成可能である。また、基材粒子の硬度を好適な範囲に容易に制御できるので、上記樹脂粒子の材料は、エチレン性不飽和基を複数有する重合性単量体を1種又は2種以上重合させた重合体であることが好ましい。
上記樹脂粒子を、エチレン性不飽和基を有する単量体を重合させて得る場合には、該エチレン性不飽和基を有する単量体としては、非架橋性の単量体と架橋性の単量体とが挙げられる。
上記非架橋性の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の酸素原子含有(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル含有単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル等のビニルエーテル類;酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の酸ビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン等の不飽和炭化水素;トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、塩化ビニル、フッ化ビニル、クロルスチレン等のハロゲン含有単量体等が挙げられる。
上記架橋性の単量体としては、例えば、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、ビニルトリメトキシシラン等のシラン含有単量体等が挙げられる。
上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を、公知の方法により重合させることで、上記樹脂粒子が得られる。この方法としては、例えば、ラジカル重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法、及び非架橋の種粒子を用いてラジカル重合開始剤とともに単量体を膨潤させて重合する方法等が挙げられる。
上記基材粒子が金属粒子を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子である場合には、基材粒子の材料である無機物としては、シリカ及びカーボンブラック等が挙げられる。上記シリカにより形成された粒子としては特に限定されないが、例えば、加水分解性のアルコキシシリル基を2つ以上有するケイ素化合物を加水分解して架橋重合体粒子を形成した後に、必要に応じて焼成を行うことにより得られる粒子が挙げられる。上記有機無機ハイブリッド粒子としては、例えば、架橋したアルコキシシリルポリマーとアクリル樹脂とにより形成された有機無機ハイブリッド粒子等が挙げられる。
上記基材粒子が金属粒子である場合には、該金属粒子の材料である金属としては、銀、銅、ニッケル、ケイ素、金及びチタン等が挙げられる。但し、基材粒子は金属粒子ではないことが好ましい。
上記基材粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、より一層好ましくは1μm以上、更に好ましくは1.5μm以上、特に好ましくは2μm以上、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、より一層好ましくは300μm以下、更に好ましくは100μm以下、更に好ましくは50μm以下、更に一層好ましくは30μm以下、特に好ましくは5μm以下、最も好ましくは3μm以下である。基材粒子の平均粒子径が上記下限以上であると、上記導電性粒子Xと電極との接触面積が大きくなるため、電極間の導通信頼性がより一層高くなり、上記導電性粒子Xを介して接続された電極間の接続抵抗がより一層低くなる。さらに、基材粒子の表面に導電部を無電解めっきにより形成する際に凝集し難くなり、凝集した上記導電性粒子Xが形成されにくくなる。基材粒子の平均粒子径が上記上限以下であると、上記導電性粒子Xが十分に圧縮されやすく、電極間の接続抵抗がより一層低くなり、更に電極間の間隔が狭くなる。
上記基材粒子の平均粒子径は、0.1μm以上、5μm以下であることが特に好ましい。上記基材粒子の平均粒子径が0.1〜5μmの範囲内であると、電極間の間隔が小さくなり、かつ導電部の厚みを厚くしても、小さい上記導電性粒子Xが得られる。電極間の間隔をより一層小さくしたり、導電部の厚みを厚くしても、より一層小さい上記導電性粒子Xを得たりする観点からは、上記基材粒子の平均粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは2μm以上、好ましくは3μm以下である。
上記基材粒子の上記平均粒子径は数平均粒子径を示す。該平均粒子径は、例えばコールターカウンター(ベックマンコールター社製)を用いて測定可能である。
上記導電部の厚み(複数の導電部がある場合には、複数の導電部全体の厚み)は、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、更に好ましくは20nm以上、特に好ましくは50nm以上、好ましくは1000nm以下、より好ましくは800nm以下、更に好ましくは500nm以下、特に好ましくは400nm以下、最も好ましくは300nm以下である。上記導電部の厚みが上記下限以上であると、上記導電性粒子Xの導電性がより一層良好になる。上記導電部の厚みが上記上限以下であると、基材粒子と導電部との熱膨張率の差が小さくなり、基材粒子から導電部が剥離し難くなる。
上記基材粒子の表面上に上記導電部を形成する方法としては、無電解めっきにより上記導電部を形成する方法、並びに電気めっきにより上記導電部を形成する方法等が挙げられる。
上記導電部は、金属を含むことが好ましい。上記導電部の材料である金属は、特に限定されない。該金属としては、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、亜鉛、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、タングステン、モリブデン及びカドミウム、並びにこれらの合金等が挙げられる。また、上記金属として、錫ドープ酸化インジウム(ITO)を用いてもよい。上記金属は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記導電性粒子は表面に、複数の突起を有する。上記芯物質が上記導電部中に埋め込まれていることによって、上記導電部の外表面に突起を容易に形成可能である。上記導電性粒子Xにより接続される電極の表面には、酸化被膜が形成されていることが多い。突起を有する導電性粒子を用いた場合には、電極間に上記導電性粒子Xを配置して圧着させることにより、突起により上記酸化被膜が効果的に排除される。このため、電極と上記導電性粒子本体とがより一層確実に接触し、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。さらに、突起によって、上記導電性粒子Xと電極との間のバインダー樹脂が効果的に排除される。このため、電極間の導通信頼性が高くなる。
上記導電性粒子本体の表面に突起を形成する方法としては、基材粒子の表面に芯物質を付着させた後、無電解めっきにより導電部を形成する方法、並びに基材粒子の表面に無電解めっきにより導電部を形成した後、芯物質を付着させ、更に無電解めっきにより導電部を形成する方法等が挙げられる。上記突起を形成する他の方法としては、基材粒子の表面上に、第1の導電部を形成した後、該第1の導電部上に芯物質を配置し、次に第2の導電部を形成する方法、並びに基材粒子の表面上に導電部を形成する途中段階で、芯物質を添加する方法等が挙げられる。
上記基材粒子の表面に芯物質を付着させる方法としては、例えば、基材粒子の分散液中に、芯物質を添加し、基材粒子の表面に芯物質を、例えば、ファンデルワールス力により集積させ、付着させる方法、並びに基材粒子を入れた容器に、芯物質を添加し、容器の回転等による機械的な作用により基材粒子の表面に芯物質を付着させる方法等が挙げられる。なかでも、付着させる芯物質の量を制御しやすいため、分散液中の基材粒子の表面に芯物質を集積させ、付着させる方法が好ましい。
上記芯物質の材料としては、導電性物質及び非導電性物質が挙げられる。上記導電性物質としては、金属、金属の酸化物、黒鉛等の導電性非金属及び導電性ポリマー等が挙げられる。上記導電性ポリマーとしては、ポリアセチレン等が挙げられる。上記非導電性物質としては、シリカ、アルミナ及びジルコニア等が挙げられる。なかでも、導電性を高めることができ、更に接続抵抗を効果的に低くすることができるので、金属が好ましい。上記芯物質は金属粒子であることが好ましい。
上記金属としては、例えば、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、鉛、錫、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム及びカドミウム等の金属、並びに錫−鉛合金、錫−銅合金、錫−銀合金、錫−鉛−銀合金及び炭化タングステン等の2種類以上の金属で構成される合金等が挙げられる。なかでも、ニッケル、銅、銀又は金が好ましく、銅、銀又は金が更に好ましい。上記芯物質の材料である金属は、上記導電部の材料である金属と同じであってもよく、異なっていてもよい。上記芯物質の材料は、ニッケルを含むことが好ましい。また、上記金属の酸化物としては、アルミナ、シリカ及びジルコニア等が挙げられる。
上記芯物質の形状は特に限定されない。芯物質の形状は塊状であることが好ましい。芯物質としては、例えば、粒子状の塊、複数の微小粒子が凝集した凝集塊、及び不定形の塊等が挙げられる。
上記芯物質の平均径(平均粒子径)は、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.05μm以上、好ましくは0.9μm以下、より好ましくは0.2μm以下である。上記芯物質の平均径が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗が効果的に低くなる。
上記芯物質の平均径(平均粒子径)は、数平均径(数平均粒子径)を示す。芯物質の平均径は、任意の芯物質50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求められる。
上記導電性粒子Xは、光反射物質を有する。上記光反射物質の材料は、屈折率が1.6以上であれば特に限定されない。上記光反射物質の材料としては、TiO2(酸化チタン)、ZnO(酸化亜鉛)及びAl2O3(アルミナ)等が挙げられる。
上記光反射物質は、金属物質を除く無機物質を含む。上記光反射粒子は、無機粒子単独でもよいが、無機粒子が樹脂で被覆された粒子や、無機粒子が樹脂粒子内部に分散された粒子でもよい。
光の反射効率をより一層高め、かつ接続対象部材の接続信頼性をより一層高める観点からは、上記光反射物質の材料は、TiO2、ZnO又はAl2O3であることが好ましい。
上記導電性粒子本体の表面上に光反射粒子を付着させる方法としては、化学的方法、及び物理的もしくは機械的方法等が挙げられる。上記化学的方法としては、ファンデルワールス力又は静電気力によるヘテロ凝集法により、導電性粒子本体の表面上に光反射粒子を付着させ、さらに必要に応じて化学結合させる方法が挙げられる。上記物理的もしくは機械的方法としては、スプレードライ、ハイブリダイゼーション、静電付着法、噴霧法、ディッピング及び真空蒸着による方法等が挙げられる。なかでも、上記光反射粒子が脱離し難いことから、上記導電性粒子本体の表面上に、化学結合を介して上記光反射粒子を付着させる方法が好ましい。
上記光反射粒子は、ヘテロ凝集によって導電性粒子本体の表面上に付着させるために極性官能基を有することが好ましい。該極性官能基としては、例えば、アンモニウム基、スルホニウム基、リン酸基及びヒドロキシシリル基等が挙げられる。上記極性官能基は、上記極性官能基と不飽和二重結合とを有する単量体を共重合することによって導入可能である。
上記アンモニウム基を有する単量体としては、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、及びN,N,N−トリメチル−N−2−メタクリロイルオキシエチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。上記スルホニウムを有する単量体としては、メタクリル酸フェニルジメチルスルホニウムメチル硫酸塩等が挙げられる。上記リン酸基を有する単量体としては、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート、及びアシッドホスホオキシポリオキシプロピレングリコールモノメタクリレート等が挙げられる。上記ヒドロキシシリル基を有する単量体としては、ビニルトリヒドロキシシラン、及び3−メタクリロキシプロピルトリヒドロキシシラン等が挙げられる。
上記光反射粒子の表面に極性官能基を導入する別の方法としては、上記不飽和二重結合を有する単量体を重合する際の開始剤として、極性基を有するラジカル開始剤を用いる方法が挙げられる。上記ラジカル開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシ−ブチル)]−プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、及び2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)及びこれらの塩等が挙げられる。
上記導電性粒子Xは、上記導電性粒子本体の表面上に配置された絶縁物質を備えることが好ましい。上記導電性粒子Xは、上記導電性粒子本体の表面上において、上記光反射物質の表面上に配置されていてもよい。この場合には、上記導電性粒子Xを電極間の接続に用いると、隣接する電極間の短絡を防止できる。具体的には、複数の上記導電性粒子Xが接触したときに、複数の導電性粒子本体間に絶縁物質が存在するので、上下の電極間ではなく横方向に隣り合う電極間の短絡を防止できる。なお、電極間の接続の際に、2つの電極で上記導電性粒子Xを加圧することにより、導電層と電極との間の絶縁物質を容易に排除できる。上記絶縁物質の材料の屈折率は1.6未満であってもよい。
電極間の圧着時に上記絶縁物質をより一層容易に排除できることから、上記絶縁物質は、絶縁粒子であることが好ましい。
上記絶縁物質の材料は、有機物質又は有機無機ハイブリッド物質であることが好ましい。すなわち、上記絶縁物質(絶縁粒子など)は、有機物質又は有機無機ハイブリッド物質により形成されていることが好ましい。
上記絶縁物質の材料である絶縁性樹脂の具体例としては、ポリオレフィン類、(メタ)アクリレート重合体、(メタ)アクリレート共重合体、ブロックポリマー、熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂の架橋物、熱硬化性樹脂及び水溶性樹脂等が挙げられる。
上記ポリオレフィン類としては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。上記(メタ)アクリレート重合体としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート及びポリブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記ブロックポリマーとしては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、SB型スチレン−ブタジエンブロック共重合体、及びSBS型スチレン−ブタジエンブロック共重合体、並びにこれらの水素添加物等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、ビニル重合体及びビニル共重合体等が挙げられる。上記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びメラミン樹脂等が挙げられる。上記水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド及びメチルセルロース等が挙げられる。なかでも、水溶性樹脂が好ましく、ポリビニルアルコールがより好ましい。
上記導電性粒子本体の表面上に絶縁物質を配置する方法としては、化学的方法、及び物理的もしくは機械的方法等が挙げられる。上記化学的方法としては、例えば、界面重合法、粒子存在下での懸濁重合法及び乳化重合法等が挙げられる。上記物理的もしくは機械的方法としては、スプレードライ、ハイブリダイゼーション、静電付着法、噴霧法、ディッピング及び真空蒸着による方法等が挙げられる。なかでも、絶縁物質が脱離し難いことから、上記導電性粒子本体の表面に、化学結合を介して上記絶縁物質を配置する方法が好ましい。
上記絶縁物質の平均径(平均粒子径)は、上記導電性粒子Xの粒子径及び上記導電性粒子Xの用途等によって適宜選択できる。上記絶縁物質の平均径(平均粒子径)は好ましくは0.005μm以上、より好ましくは0.01μm以上、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下である。絶縁物質の平均径が上記下限以上であると、上記導電性粒子Xがバインダー樹脂中に分散されたときに、複数の上記導電性粒子Xにおける導電性粒子本体同士が接触し難くなる。絶縁粒子の平均径が上記上限以下であると、電極間の接続の際に、電極と導電性粒子本体との間の絶縁物質を排除するために、圧力を高くしすぎる必要がなくなり、高温に加熱する必要もなくなる。
上記絶縁物質の「平均径(平均粒子径)」は、数平均径(数平均粒子径)を示す。絶縁物質の平均径は、粒度分布測定装置等を用いて求められる。
(光硬化性導電材料)
上記光硬化性導電材料は、電極間の電気的な接続に用いられることが好ましく、回路接続材料であることが好ましい。上記光硬化性導電材料は、上述した光硬化性導電材料用導電性粒子と、光硬化性を有するバインダー樹脂とを含む。上記光硬化性導電材料は、異方性導電材料であることが好ましい。該異方性導電材料には、上下の電極間を導通するための導電材料が含まれる。
上記光硬化性導電材料は、導電ペースト及び導電フィルムとして使用され得る。上記光硬化性導電材料が導電フィルムである場合には、上記導電性粒子Xを含む導電フィルムに、上記導電性粒子X及び導電性粒子を含まないフィルムが積層されていてもよい。上記導電ペーストは、異方性導電ペーストであることが好ましい。上記導電フィルムは、異方性導電フィルムであることが好ましい。
接続構造体における接続部にボイドが発生するのを抑制し、導通信頼性をより一層高める観点からは、上記光硬化性導電材料は、導電ペーストであることが好ましい。上記光硬化性導電材料は、導電ペーストであり、かつペースト状の状態で接続対象部材の上面に塗工されることが好ましい。
上記バインダー樹脂は光硬化性を有する。上記バインダー樹脂は、光硬化性化合物(光の照射により硬化可能な化合物)と、光硬化開始剤とを含むことが好ましい。上記バインダー樹脂は、熱硬化性及び光硬化性を有することが好ましい。上記バインダー樹脂は、光硬化性化合物(光の照射により硬化可能な化合物)と、光硬化開始剤と、熱硬化性化合物(熱の付与により硬化可能な化合物)と、熱硬化剤とを含むことも好ましい。
上記バインダー樹脂中に上記導電性粒子Xを分散させる方法は、従来公知の分散方法を用いることができ特に限定されない。上記バインダー樹脂中に上記導電性粒子Xを分散させる方法としては、例えば、上記バインダー樹脂中に上記導電性粒子Xを添加した後、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法、上記導電性粒子Xを水又は有機溶剤中にホモジナイザー等を用いて均一に分散させた後、上記バインダー樹脂中に添加し、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法、並びに上記バインダー樹脂を水又は有機溶剤等で希釈した後、上記導電性粒子Xを添加し、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法等が挙げられる。
上記光硬化性導電材料100重量%中、上記バインダー樹脂の含有量は好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上、好ましくは90.99重量%以下である。上記バインダー樹脂の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間に上記導電性粒子Xが効率的に配置され、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。
上記光硬化性導電材料100重量%中、上記導電性粒子Xの含有量は好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、更に好ましくは1重量%以上、特に好ましくは5重量%以上、好ましくは80重量%以下、より好ましくは40重量%以下、更に好ましくは30重量%以下、特に好ましくは20重量%以下、最も好ましくは10重量%以下である。上記導電性粒子Xの含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。
光硬化性化合物:
光の照射によって硬化するように、上記光硬化性導電材料は、光硬化性化合物を含む。
上記光硬化性化合物としては特に限定されず、(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物及び環状エーテル基を有する光硬化性化合物等が挙げられる。
上記光硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物であることが好ましい。(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物の使用により、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。電極間の導通信頼性を効果的に高める観点からは、上記光硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基を1個又は2個有することが好ましい。
上記(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物としては、エポキシ基及びチイラン基を有さず、かつ(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物、及びエポキシ基又はチイラン基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物が挙げられる。
上記(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物として、(メタ)アクリル酸と水酸基を有する化合物とを反応させて得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート、又はイソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート等が好適に用いられる。上記「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基とメタクリロイル基とを示す。上記「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルとを示す。上記「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートとを示す。
上記(メタ)アクリル酸と水酸基を有する化合物とを反応させて得られるエステル化合物は特に限定されない。該エステル化合物として、単官能のエステル化合物、2官能のエステル化合物及び3官能以上のエステル化合物のいずれも用いることができる。
上記エポキシ基又はチイラン基を有し、かつ(メタ)アクリロイル基を有する光硬化性化合物は、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有する化合物の一部のエポキシ基又は一部のチイラン基を、(メタ)アクリロイル基に変換することにより得られた光硬化性化合物であることが好ましい。このような光硬化性化合物は、部分(メタ)アクリレート化エポキシ化合物又は部分(メタ)アクリレート化エピスルフィド化合物である。
上記光硬化性化合物は、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有する化合物と、(メタ)アクリル酸との反応物であることが好ましい。この反応物は、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有する化合物と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って触媒の存在下で反応することにより得られる。エポキシ基又はチイラン基の20%以上が(メタ)アクリロイル基に変換(転化率)されていることが好ましい。該転化率は、より好ましくは30%以上、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下である。エポキシ基又はチイラン基の40%以上、60%以下が(メタ)アクリロイル基に変換されていることが最も好ましい。
上記部分(メタ)アクリレート化エポキシ化合物としては、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、カルボン酸無水物変性エポキシ(メタ)アクリレート、及びフェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記光硬化性化合物として、エポキシ基を2個以上又はチイラン基を2個以上有するフェノキシ樹脂の一部のエポキシ基又は一部のチイラン基を(メタ)アクリロイル基に変換した変性フェノキシ樹脂を用いてもよい。すなわち、エポキシ基又はチイラン基と(メタ)アクリロイル基とを有する変性フェノキシ樹脂を用いてもよい。
また、上記光硬化性化合物は、架橋性化合物であってもよく、非架橋性化合物であってもよい。
上記架橋性化合物の具体例としては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、ジビニルベンゼン、ポリエステル(メタ)アクリレート、及びウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記非架橋性化合物の具体例としては、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート及びテトラデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
光硬化開始剤:
上記光硬化開始剤は特に限定されない。上記光硬化開始剤として、従来公知の光硬化開始剤を使用可能である。上記光硬化開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光硬化開始剤としては、特に限定されず、アセトフェノン光硬化開始剤、ベンゾフェノン光硬化開始剤、チオキサントン、ケタール光硬化開始剤、ハロゲン化ケトン、カチオン光硬化開始剤、アシルホスフィノキシド及びアシルホスフォナート等が挙げられる。
上記アセトフェノン光硬化開始剤の具体例としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、及び2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン等が挙げられる。上記ケタール光硬化開始剤の具体例としては、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
上記光硬化開始剤は、光ラジカル開始剤であることが好ましい。該光ラジカル開始剤としては、特に限定されず、アセトフェノン光ラジカル開始剤、ベンゾフェノン光ラジカル開始剤、チオキサントン、ケタール光ラジカル開始剤、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド及びアシルホスフォナート等が挙げられる。
上記アセトフェノン光ラジカル開始剤の具体例としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、及び2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン等が挙げられる。上記ケタール光ラジカル開始剤の具体例としては、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
上記カチオン光硬化開始剤としては、ヨードニウム系カチオン硬化剤、オキソニウム系カチオン硬化剤及びスルホニウム系カチオン硬化剤等が挙げられる。上記ヨードニウム系カチオン硬化剤としては、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。上記オキソニウム系カチオン硬化剤としては、トリメチルオキソニウムテトラフルオロボラート等が挙げられる。上記スルホニウム系カチオン硬化剤としては、トリ−p−トリルスルホニウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。
上記光硬化開始剤の含有量は特に限定されない。上記光硬化性化合物100重量部に対して、上記光硬化開始剤の含有量は、好ましくは0.05重量部以上、より好ましくは0.15重量部以上、好ましくは2重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。上記光硬化開始剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、光硬化性導電材料が適度に光硬化する。
熱硬化性化合物:
上記熱硬化性化合物は熱硬化性を有する。上記熱硬化性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱硬化性化合物としては、オキセタン化合物、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物、(メタ)アクリル化合物、フェノール化合物、アミノ化合物、不飽和ポリエステル化合物、ポリウレタン化合物、シリコーン化合物及びポリイミド化合物等が挙げられる。
上記光硬化性導電材料の硬化を容易に制御したり、接続構造体における導通信頼性をより一層高めたりする観点からは、上記熱硬化性化合物は、エポキシ基又はチイラン基を有する熱硬化性化合物を含むことが好ましく、チイラン基を有する熱硬化性化合物を含むことがより好ましい。エポキシ基を有する熱硬化性化合物は、エポキシ化合物である。チイラン基を有する熱硬化性化合物は、エピスルフィド化合物である。光硬化性導電材料の硬化性を高める観点からは、上記熱硬化性化合物100重量%中、上記エポキシ基又はチイラン基を有する化合物の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、100重量%以下である。上記熱硬化性化合物の全量が上記エポキシ基又はチイラン基を有する化合物であってもよい。
上記エピスルフィド化合物は、エポキシ基ではなくチイラン基を有するので、低温で速やかに硬化させることができる。すなわち、チイラン基を有するエピスルフィド化合物は、エポキシ基を有するエポキシ化合物と比較して、チイラン基に由来してより一層低い温度で硬化可能である。
上記エポキシ基又はチイラン基を有する熱硬化性化合物は、芳香族環を有することが好ましい。上記芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、テトラセン環、クリセン環、トリフェニレン環、テトラフェン環、ピレン環、ペンタセン環、ピセン環及びペリレン環等が挙げられる。なかでも、上記芳香族環は、ベンゼン環、ナフタレン環又はアントラセン環であることが好ましく、ベンゼン環又はナフタレン環であることがより好ましい。また、平面構造を有するためにより一層速やかに硬化可能であるので、ナフタレン環が好ましい。
上記熱硬化性化合物は、フェノキシ樹脂を含んでいてもよい。この場合に、フェノキシ樹脂と、上記エポキシ基又はチイラン基を有する熱硬化性化合物とを併用してもよい。この場合に、上記エポキシ基又はチイラン基を有する熱硬化性化合物は、フェノキシ樹脂ではないことが好ましい。
接続構造体における電極間の導通信頼性をより一層高める観点からは、上記フェノキシ樹脂の重量平均分子量は、好ましくは20000以上、好ましくは70000以下である。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算での重量平均分子量を示す。
上記フェノキシ樹脂と、上記エポキシ基又はチイラン基を有する熱硬化性化合物とを併用する場合には、上記バインダー樹脂は、上記フェノキシ樹脂と上記エポキシ基又はチイラン基を有する熱硬化性化合物とを重量比で、1:99〜99:1で含むことが好ましく、10:90〜90:10で含むことがより好ましく、20:80〜80:20で含むことが更に好ましく、30:70〜70:30で含むことが特に好ましい。
熱硬化性化合物を用いる場合には、光硬化性化合物と熱硬化性化合物との配合比は、光硬化性化合物と熱硬化性化合物との種類に応じて適宜調整される。上記バインダー樹脂は、光硬化性化合物と熱硬化性化合物とを重量比で、1:99〜90:10で含むことが好ましく、5:95〜70:30で含むことがより好ましく、10:90〜50:50で含むことが更に好ましい。上記バインダー樹脂は、光硬化性化合物と熱硬化性化合物とを重量比で、1:99〜50:50で含むことが特に好ましい。
熱硬化剤:
上記熱硬化剤は特に限定されない。上記熱硬化剤として、従来公知の熱硬化剤を使用可能である。上記熱硬化剤としては、イミダゾール硬化剤、アミン硬化剤、フェノール硬化剤、ポリチオール硬化剤及び酸無水物等が挙げられる。上記熱硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光硬化性導電材料を低温でより一層速やかに硬化可能であるので、上記熱硬化剤は、イミダゾール硬化剤、ポリチオール硬化剤又はアミン硬化剤であることが好ましい。また、光硬化性導電材料の保存安定性を高めることができるので、潜在性の硬化剤が好ましい。該潜在性の硬化剤は、潜在性イミダゾール硬化剤、潜在性ポリチオール硬化剤又は潜在性アミン硬化剤であることが好ましい。上記熱硬化剤は、ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂等の高分子物質で被覆されていてもよい。
上記イミダゾール硬化剤としては、特に限定されず、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン及び2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物等が挙げられる。
上記ポリチオール硬化剤としては、特に限定されず、トリメチロールプロパントリス−3−メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス−3−メルカプトプロピオネート及びジペンタエリスリトールヘキサ−3−メルカプトプロピオネート等が挙げられる。
上記アミン硬化剤としては、特に限定されず、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ[5.5]ウンデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、メタフェニレンジアミン及びジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
上記熱硬化剤の含有量は特に限定されない。上記熱硬化性化合物100重量部に対して、上記熱硬化剤の含有量は、好ましくは5重量部以上、より好ましくは10重量部以上、好ましくは40重量部以下、より好ましくは30重量部以下、更に好ましくは20重量部以下である。上記熱硬化剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、光硬化性導電材料が十分に熱硬化する。
(接続構造体の他の詳細)
上記接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びにプリント基板、フレキシブルプリント基板、ガラスエポキシ基板及びガラス基板等の回路基板である電子部品等が挙げられる。上記接続対象部材は電子部品であることが好ましい。
本発明に係る接続構造体の製造方法及び本発明に係る接続構造体は、例えば、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続(FOG(Film on Glass))、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))、半導体チップとガラス基板との接続(COG(Chip on Glass))、又はフレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board))等に適用できる。なかでも、上記光硬化性導電材料用導電性粒子及び上記光硬化性導電材料は、FOG用途又はCOG用途に好適であり、COG用途により好適である。上記光硬化性導電材料用導電性粒子及び上記光硬化性導電材料は、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続、又は半導体チップとガラス基板との接続に適用することが好ましく、半導体チップとガラス基板との接続に適用することがより好ましい。
本発明に係る接続構造体の製造方法及び本発明に係る接続構造体では、上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材との組み合わせが、ガラス基板とフレキシブルプリント基板又は半導体チップとの組み合わせであることが好ましく、ガラス基板と半導体チップとの組み合わせであることがより好ましい。上記第1の接続対象部材及び上記第2の接続対象部材のいずれが、ガラス基板であってもよく、フレキシブルプリント基板又は半導体チップであってもよい。
上記接続対象部材に設けられている電極としては、金電極、ニッケル電極、錫電極、アルミニウム電極、銅電極、銀電極、モリブデン電極及びタングステン電極等の金属電極が挙げられる。上記接続対象部材がフレキシブルプリント基板である場合には、上記電極は金電極、ニッケル電極、錫電極又は銅電極であることが好ましい。上記接続対象部材がガラス基板である場合には、上記電極はアルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極又はタングステン電極であることが好ましい。なお、上記電極がアルミニウム電極である場合には、アルミニウムのみで形成された電極であってもよく、金属酸化物層の表面にアルミニウム層が積層された電極であってもよい。上記金属酸化物層の材料としては、3価の金属元素がドープされた酸化インジウム及び3価の金属元素がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記3価の金属元素としては、Sn、Al及びGa等が挙げられる。
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)光硬化性導電材料用導電性粒子
ジビニルベンゼン樹脂粒子(平均粒子径3μm)の表面がニッケルめっき層(厚み0.1μm)により被覆されており、かつニッケルめっき層の外表面に突起を有する導電性粒子本体と、該導電性粒子本体の表面上に付着している複数の光反射粒子(材料:酸化チタン(屈折率2.52))とを有する光硬化性導電材料用導電性粒子を用意した。
上記導電性粒子本体の表面積全体に占める上記光反射粒子により被覆されている部分の面積である被覆率は60%であった。上記導電性粒子本体における突起の平均高さは、350nmであった。上記光反射粒子の平均粒子径は120nmであった。上記導電性粒子本体の全表面積100%中、突起がある部分の表面積は50%であった。上記導電性粒子本体の全表面積100%中、突起がない部分の表面積は50%であった。上記導電性粒子本体の表面積1μm2あたりの上記突起の数は5個であった。
(2)異方性導電フィルム(光硬化性導電材料)の作製
フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製「PKHC」)45重量部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製「エピコート1009」)25重量部と、光カチオン重合開始剤(三新化学工業社製「サンエイドSI−80」)10重量部と、シランカップリング剤(東レダウコーニングシリコーン社製「SH6040」)2重量部と、得られた光硬化性導電材料用導電性粒子20重量部とをトルエンと混合し、固形分50%の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を剥離処理されたポリエチレンテレフタレート上に塗布し、溶媒を乾燥させて、厚みが20μmである異方性導電フィルムを得た。
(3)接続構造体の作製
L/Sが15μm/15μmのTi−Al−Tiである複層電極パターンを上面に有する透明ガラス基板(第1の接続対象部材)を用意した。また、L/Sが15μm/15μmであるニッケル電極パターンを下面に有する半導体チップ(第2の接続対象部材)を用意した。
上記透明ガラス基板上のチップ搭載部分に、得られた異方性導電フィルムを貼り、次に、上記半導体チップを電極同士が対向するように積層した。その後、ヘッドの温度を調整しながら、半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せた。接続条件に関しては、110℃、60MPaで5秒間の加熱及び押圧と、ガラス基板側からの紫外線照射とを同時に行った。具体的には、加熱及び押圧のみを開始して2秒経過後から紫外線照射を開始し、加熱押圧開始から10秒後に加熱及び押圧と紫外線照射とを同時に終了させた。その後、圧力を開放して、接続構造体を得た。なお、光源から異方性導電フィルムに照射する紫外線照射量は、10J/cm2とした。
(実施例2)
光反射粒子により被覆されている部分の面積である被覆率を10%に設定したこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性導電材料用導電性粒子、異方性導電フィルム及び接続構造体を得た。
(実施例3)
光反射粒子により被覆されている部分の面積である被覆率を90%に設定したこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性導電材料用導電性粒子、異方性導電フィルム及び接続構造体を得た。
(実施例4)
光反射粒子の平均粒子径を50nmに設定したこと以外は、実施例1と同様にして、光硬化性導電材料用導電性粒子、異方性導電フィルム及び接続構造体を得た。
(実施例5)
有機物質により形成された絶縁粒子を導電性粒子本体の表面上に付着させたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性導電材料用導電性粒子、異方性導電フィルム及び接続構造体を得た。
(実施例6)
有機無機ハイブリッド物質により形成された絶縁粒子を導電性粒子本体の表面上に付着させたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性導電材料用導電性粒子、異方性導電フィルム及び接続構造体を得た。
(実施例7)
光反射粒子の材質を酸化亜鉛(屈折率1.95)に変更したこと、並びに光反射粒子の平均粒子径を110nmに設定したこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性導電材料用導電性粒子、異方性導電フィルム及び接続構造体を得た。
(実施例8)
光反射粒子の材質をアルミナ(屈折率1.76)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性導電材料用導電性粒子、異方性導電フィルム及び接続構造体を得た。
(実施例9)
光反射粒子の平均粒子径を175nmに設定したこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性導電材料用導電性粒子、異方性導電フィルム及び接続構造体を得た。
(実施例10)
光反射粒子の平均粒子径を230nmに設定したこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性導電材料用導電性粒子、異方性導電フィルム及び接続構造体を得た。
(実施例11)
光反射粒子の平均粒子径を280nmに設定したこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性導電材料用導電性粒子、異方性導電フィルム及び接続構造体を得た。
(実施例12)
光反射粒子の平均粒子径を120nmに設定したこと、並びに突起の平均高さを360nmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性導電材料用導電性粒子、異方性導電フィルム及び接続構造体を得た。
(実施例13)
光反射粒子の平均粒子径を20nmに設定したこと、並びに突起の平均高さを60nmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性導電材料用導電性粒子、異方性導電フィルム及び接続構造体を得た。
(実施例14)
光反射粒子の平均粒子径を200nmに設定したこと、並びに突起の平均高さを600nmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性導電材料用導電性粒子、異方性導電フィルム及び接続構造体を得た。
(実施例15)
光反射粒子の平均粒子径を10nmに設定したこと、並びに突起の平均高さを30nmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性導電材料用導電性粒子、異方性導電フィルム及び接続構造体を得た。
(実施例16)
光反射粒子の平均粒子径を250nmに設定したこと、並びに突起の平均高さを750nmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性導電材料用導電性粒子、異方性導電フィルム及び接続構造体を得た。
(実施例17)
ジビニルベンゼン樹脂粒子(平均粒子径3μm)を、ジビニルベンゼン樹脂粒子(平均粒子径2μm)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性導電材料用導電性粒子、異方性導電フィルム及び接続構造体を得た。
(比較例1)
光反射粒子の材質をシリカ(屈折率1.45)に変更したこと、並びに光反射粒子の平均粒子径を110nmに設定したこと並びに光反射粒子により被覆されている部分の面積である被覆率を50%に設定したこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性導電材料用導電性粒子、異方性導電フィルム及び接続構造体を得た。
(比較例2)
光反射粒子の材質をPMMA(ポリメチルメタクリレート(屈折率1.49))に変更したこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性導電材料用導電性粒子、異方性導電フィルム及び接続構造体を得た。
(比較例3)
表面に突起を有さない導電性粒子本体を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性導電材料用導電性粒子、異方性導電フィルム及び接続構造体を得た。
(比較例4)
導電性粒子本体の表面上に光反射粒子を配置しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、光硬化性導電材料用導電性粒子、異方性導電フィルム及び接続構造体を得た。
(評価)
(1)バインダー樹脂の反応性
バインダー樹脂の反応性は、赤外分光光度計を用いて、接続構造体を得る際の実装前と実装後のエポキシ環の吸収波長の減衰量(%)から算出した。得られた接続構造体におけるバインダー樹脂の反応性を下記の基準で判定した。
[バインダー樹脂の反応性の判定基準]
○○:異方性導電フィルム中のバインダー樹脂であるエポキシ樹脂の80%以上が反応している
○:異方性導電フィルム中のバインダー樹脂であるエポキシ樹脂の60%以上、80%未満が反応している
△:異方性導電フィルム中のバインダー樹脂であるエポキシ樹脂の45%以上、60%未満が反応している
△△:異方性導電フィルム中のバインダー樹脂であるエポキシ樹脂の30%以上、45%未満が反応している
×:異方性導電フィルム中のバインダー樹脂であるエポキシ樹脂の30%未満が反応している
(2)電極間の導通信頼性
4端子法により、得られた接続構造体における電極間の抵抗値を測定した。その後、85℃及び湿度85%の環境下で500時間処理した接続構造体における電極間の抵抗値を再度測定した。高温高湿環境下に放置した後の抵抗値の上昇倍率に従って、電極間の導通信頼性を下記の評価基準で評価した。
[電極間の導通信頼性の判定基準]
○○:抵抗値上昇倍率が2倍未満
○:抵抗値上昇倍率が2倍以上、4倍未満
△:抵抗値上昇倍率が4倍以上、6倍未満
△△:抵抗値上昇倍率が6倍以上、8倍未満
×:抵抗値上昇倍率が8倍以上
結果を下記の表1に示す。