JP6296583B1 - 粘着剤、粘着テープ、及び粘着剤の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の一実施形態の粘着剤は、(メタ)アクリル系共重合体のエマルション(以下、単に「エマルション」と記載することがある。)、及びそのエマルションに添加されたリン酸エステル系化合物を含有する。エマルションにおける(メタ)アクリル系共重合体は、以下の(A)〜(C)成分をそれぞれ特定の割合で含有する単量体成分が重合した共重合体である。
(A)炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル 90〜98質量%
(B)(メタ)アクリロニトリル 1〜9質量%
(C)カルボキシ基を有する不飽和モノマー 0.5〜3質量%
((A)成分)
エマルションにおける(メタ)アクリル系共重合体を構成する単量体成分として、(A)炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが使用される。この(メタ)アクリル酸エステルにおける炭素数4〜12のアルキル基は、直鎖でも分岐鎖でもよい。炭素数4〜12のアルキル基としては、例えば、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基(2,2−ジメチルプロピル基)、イソペンチル基(3−メチルブチル基)、sec−ペンチル基(1−メチルブチル基)、tert−ペンチル基(1,1−ジメチルプロピル基)、n−ヘキシル基、イソヘキシル基(4−メチルペンチル基)、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、イソオクチル基、1−メチルヘプチル基、ノニル基、デシル基、及びドデシル基等を挙げることができる。炭素数4〜12のアルキル基は、置換されていてもよい。その置換基としては、例えば、ヒドロキシ基;アミノ基;フェニル基;並びにメトキシ基、エトキシ基、及びフェノキシ基等のアルコキシ基;並びにフッ素原子、塩素原子、及び臭素原子等のハロゲン原子;等を挙げることができる。
エマルションにおける(メタ)アクリル系共重合体を構成する単量体成分として、(B)(メタ)アクリロニトリル、すなわち、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルの少なくとも一方が使用される。これらのなかでも、アクリロニトリルを用いることがより好ましい。
エマルションにおける(メタ)アクリル系共重合体を構成する単量体成分として、(C)カルボキシ基を有する不飽和モノマーが使用される。カルボキシ基を有する不飽和モノマーは、カルボキシ基と不飽和結合を有するモノマーである。カルボキシ基を有する不飽和モノマーとしては、不飽和カルボン酸が好ましく、α,β−不飽和カルボン酸がより好ましい。カルボキシ基を有する不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸ハーフエステル、及びマレイン酸ハーフエステル等を挙げることができる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらのなかでも、(メタ)アクリル酸を用いることがより好ましく、メタクリル酸を用いることがさらに好ましい。
エマルションにおける(メタ)アクリル系共重合体を構成する単量体成分には、上述の(A)〜(C)成分に加えて、(A)〜(C)成分と共重合可能なその他の単量体が使用されてもよい。その他の単量体としては、上述の(A)成分以外の(メタ)アクリル酸エステル(以下、「その他の(メタ)アクリル酸エステル」と記載することがある。)を挙げることができる。その他の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、及びイソプロピル(メタ)アクリレート等の炭素数3以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを挙げることができる。炭素数3以下のアルキル基は、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、フェニル基、アルコキシ基、及びハロゲン原子等で置換されていてもよい。置換された炭素数3以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
(メタ)アクリル系共重合体のエマルションは、上述の通り、それぞれ特定の割合の(A)〜(C)成分を含有する単量体成分を重合させることで得られる。重合方法は特に限定されないが、単量体成分を重合させる際にエマルションも得られることから、乳化重合法が好ましく、上述の単量体成分をアニオン性界面活性剤の存在下に乳化重合させることがより好ましい。この乳化重合方法であれば、特に限定されず、例えば、1段重合方法、多段重合方法、及びこれらの組み合わせによる方法等のいずれの乳化重合方法でエマルションを製造してもよい。
本発明の一実施形態の粘着剤は、前述の(メタ)アクリル系共重合体のエマルションとともに、そのエマルションに添加されたリン酸エステル系化合物を含有する。このリン酸エステル系化合物は、(メタ)アクリル系共重合体のエマルションが得られた後に、そのエマルションに添加されることで、粘着剤に含有される。すなわち、リン酸エステル系化合物は、エマルションにおける(メタ)アクリル系共重合体の合成(重合)の際に使用される界面活性剤等の材料とは別途の材料として、粘着剤に含有される。
粘着剤には、さらに、前述の(メタ)アクリル系共重合体を架橋させ得る架橋剤を含有させてもよい。そのような架橋剤としては、例えば、2官能以上の(メタ)アクリレート、1分子中にグリシジル基を少なくとも2個有するグリシジル化合物、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するイソシアネート化合物、1分子中にアジリジニル基を少なくとも2個有するアジリジン化合物等を挙げることができる。粘着剤には、1種又は2種以上の架橋剤を用いることができる。
本発明の一実施形態の粘着剤は、(メタ)アクリル系共重合体のエマルションを含有するため、そのエマルションにおける液状媒体である水を含有することができる。また、粘着剤には、水と混じり合うことができる溶剤を1種又は2種以上含有してもよい。粘着剤の固形分は、30〜75質量%であることが好ましく、40〜70質量%であることがより好ましく、45〜65質量%であることがさらに好ましい。
粘着剤には、必要に応じて、各種の添加剤を含有させることができる。粘着剤に使用することが可能な添加剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物、及びヒンダードアミン系化合物等の光安定性及び紫外線吸収剤を挙げることができる。また、添加剤としては、例えば、顔料及び染料等の着色剤、可塑剤、分散剤、消泡剤、レベリング剤、濡れ剤、ワックス、粘着性付与剤、pH調整剤、粘度調整剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、殺菌剤、防錆剤、難燃剤、湿潤剤、酸化防止剤、及び老化防止剤等を挙げることができる。
粘着剤のpHは、特に限定されないが、6.0〜10.0であることが好ましく、6.5〜9.5であることがより好ましく、7.0〜9.0であることがさらに好ましい。本明細書において、粘着剤のpHは、JIS K6833−1:2008の規定に準拠して測定される値をとることができ、25℃での値である。
本発明の一実施形態の粘着剤の製造方法は、前述の(A)〜(C)成分をそれぞれ特定の割合で含有する単量体成分を重合させて(メタ)アクリル系共重合体のエマルションを製造する工程と、製造した(メタ)アクリル系共重合体のエマルションにリン酸エステル系化合物を添加する工程とを含む。
本発明の一実施形態の粘着テープは、基材と、基材の少なくとも一方の面に設けられた粘着剤層とを備える。粘着剤層は、前述の本発明の一実施形態の粘着剤で形成された層である。粘着テープにおける粘着剤層は、基材の一方の面(片面)に設けられていてもよいし、両面に設けられていてもよい。好ましくは、基材と、基材の一方の面に設けられた粘着剤層とを備える片面粘着テープである。
[1](A)炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル90〜98質量%、(B)(メタ)アクリロニトリル1〜9質量%、及び(C)カルボキシ基を有する不飽和モノマー0.5〜3質量%を含有する単量体成分が重合した(メタ)アクリル系共重合体のエマルションと、前記(メタ)アクリル系共重合体のエマルションに添加されたリン酸エステル系化合物と、を含有する粘着剤。
[2]前記(メタ)アクリル系共重合体は、アルカリ金属の過硫酸塩の存在下に前記単量体成分が重合したものであり、かつ、アルカリ金属化合物で中和されている前記[1]に記載の粘着剤。
[3]ガラスシーリング用のマスキングテープ用である前記[1]又は[2]に記載の粘着剤。
[4]前記(C)カルボキシ基を有する不飽和モノマーが、(メタ)アクリル酸を含む前記[1]〜[3]のいずれかに記載の粘着剤。
[5]前記リン酸エステル系化合物が、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸及びその塩の少なくともいずれかを含む前記[1]〜[4]のいずれかに記載の粘着剤。
[6]基材と、前記基材の少なくとも一方の面に設けられた、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の粘着剤で形成された粘着剤層と、を備える粘着テープ。
[7](A)炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル90〜98質量%、(B)(メタ)アクリロニトリル1〜9質量%、及び(C)カルボキシ基を有する不飽和モノマー0.5〜3質量%を含有する単量体成分を重合させて(メタ)アクリル系共重合体のエマルションを製造する工程と、前記(メタ)アクリル系共重合体のエマルションにリン酸エステル系化合物を添加する工程と、を含む粘着剤の製造方法。
[8]前記(メタ)アクリル系共重合体のエマルションを製造する工程は、前記単量体成分を、重合開始剤としてアルカリ金属の過硫酸塩の存在下に重合させる工程であり、かつ、その工程後、前記エマルションにアルカリ金属化合物を添加して前記(メタ)アクリル系共重合体を中和する工程をさらに含む前記[7]に記載の粘着剤の製造方法。
(実施例1)
2−エチルヘキシルアクリレート(以下、「2EHA」と記す。)95.0質量部、アクリロニトリル(以下、「AN」と記す。)5.0質量部、メタクリル酸(以下、「mAAc」と記す。)1.0質量部、連鎖移動剤(n−ドデシルメルカプタン)0.04質量部、イオン交換水35.0質量部、反応性のアニオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸アンモニウム(第一工業製薬社製、商品名「アクアロンKH−05」)1.2質量部、及び非反応性のアニオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩(日本乳化剤社製、商品名「ニューコール707SF」)0.8質量部を混合し、プレエマルションを調製した。
実施例1において、(メタ)アクリル系共重合体のエマルションの作製に使用した単量体成分(2EHA、AN、及びmAAc)の量を、後記表1に示す通りに変更したこと以外は、実施例1で述べた方法と同様の方法により、粘着剤を得た。なお、比較例1では単量体成分としてANを使用しなかった。
実施例1において、(メタ)アクリル系共重合体のエマルションに添加したリン酸エステル系化合物の量を、後記表1に示す通りに変更したこと以外は、実施例1で述べた方法と同様の方法により、粘着剤を得た。
実施例1において、(メタ)アクリル系共重合体のエマルションの作製に使用した重合開始剤を、5質量%に希釈した過硫酸アンモニウム水溶液10質量部(過硫酸アンモニウムとして0.5質量部)に変更したこと以外は、実施例1で述べた方法と同様の方法により、粘着剤を得た。
実施例1において、エマルション中の(メタ)アクリル系共重合体の中和に使用した水酸化カリウム水溶液を、アンモニア水(後記表1中「NH3」と記す。)に変更したこと以外は、実施例1で述べた方法と同様の方法により、粘着剤を得た。
実施例1において、(メタ)アクリル系共重合体のエマルションの作製に使用した重合開始剤を、5質量%に希釈した過硫酸アンモニウム水溶液10質量部(過硫酸アンモニウムとして0.5質量部)に変更したこと、及びエマルション中の(メタ)アクリル系共重合体の中和に使用した水酸化カリウム水溶液を、アンモニア水に変更したこと以外は、実施例1で述べた方法と同様の方法により、粘着剤を得た。
実施例1において、(メタ)アクリル系共重合体のエマルションに添加したリン酸エステル系化合物を使用しなかったこと以外は、実施例1で述べた方法と同様の方法により、粘着剤を得た。
実施例、参考例及び比較例で得られた各粘着剤を用いて、それぞれの粘着剤について、マスキングテープ試料を作製した。まず、幅150mm、長さ300mm、厚さ70μmの和紙基材の片面に、アンカーコート剤(サイデン化学社製、商品名「サイビノールEK−61」)を塗工して常温(23±2℃)で30分間放置し、アンカーコート層を形成した。次に、粘着剤100質量部に対して、エポキシ系架橋剤としての多官能グリシジル化合物(1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン;三菱ガス化学社製、商品名「テトラッド−C」)をトルエンで5質量%に希釈した溶液を2.0質量部(多官能グリシジル化合物として約0.1質量部)添加した。そして、和紙基材に設けたアンカーコート層上に、上記エポキシ系架橋剤を添加した後の粘着剤を、乾燥後の粘着剤層の厚さが30μmになるように塗布し、100℃で120秒間乾燥した。粘着剤塗工面にポリエステル製のラミネートフィルム加工のセパレーターを貼り合わせた後、40℃の環境下で3日間放置した。このようにして、和紙基材に粘着剤層が設けられたマスキングテープ試料(以下、単に「テープ試料」と記載することがある。)を作製した。なお、実使用におけるマスキングテープでは、テープ状の和紙基材の背面(自背面)に粘着剤層が重ね貼りされて巻かれた構成となるが、本試験例では、シート状の和紙基材を用いたため、サンプルとして扱いやすいように、自背面の代わりに上記セパレーターを用いた。
(低速剥離時及び高速剥離時の剥離力)
作製した各テープ試料について、温度23±2℃、相対湿度50±5%において、JIS Z0237:2009で規定される180°引きはがし粘着力試験方法に準じて、低速剥離時及び高速剥離時の各剥離力(粘着力)を測定した。具体的には、テープ試料を幅10mm、長さ70mmに切断し、テープ試料の粘着面を被着体に貼り合わせ、圧着ローラを用いて19.6Nの荷重で1往復圧着した。被着体には、ステンレス板(SUS304 #280研磨面;以下、単に「SUS板」と記載する。)とガラス板を用いた。テープ試料と被着体とを圧着させてから20分間養生させた後、テンシロン引張試験機により、テープ試料をその背面側から引張速度300mm/分で180°方向に引きはがし、低速剥離時の剥離力を測定した。また、それとは別には、テープ試料と被着体とを圧着させてから24時間養生させた後、テンシロン引張試験機により、テープ試料をその背面側から引張速度30m/分で180°方向に引きはがし、高速剥離時の剥離力(N/10mm)を測定した。
作製した各テープ試料について、温度23±2℃、相対湿度50±5%において、自背面(テープ試料における粘着剤層とは反対側の和紙基材の表面)に対するテープ試料の保持力を測定した。具体的には、被着体とするテープ試料をSUS板に貼りつけ、その被着体(テープ試料)の背面に、幅15mm、長さ140mmに切断した評価対象とするテープ試料の粘着面を貼り合わせ、200gの圧着ローラで1往復圧着した。圧着してから1時間後、圧着したテープ試料を専用ジグにセットし、かつ、評価対象であるテープ試料の端部に、粘着面に対して90°方向に引きはがす荷重がかかるように6gのおもりを取り付けた。そして、おもりを取り付けてから。評価対象であるテープ試料が自背面(被着体であるテープ試料の背面)からはがれ落ちるまでの経過時間(分)を測定した。このようにして、マスキングテープの実使用時における自背面への重ね貼りが可能であるか、重ね貼りの際にすぐに剥がれてしまわないかを確認する試験を行った。
作製した各テープ試料について、テープ試料を水中に浸漬させた後の糊残りの程度(耐水糊残り性)を評価した。具体的には、テープ試料を幅20mm、長さ70mmに切断し、ゴム板に貼り付けた後、30分間放置した。その後、テープ試料を貼り付けたゴム板を水中に20分間浸漬させ、取り出した直後のテープ試料の再剥離性、及び常温(23±2℃)で表面の水分を拭き取り60分間放置して乾燥させた後の再剥離性を確認し、糊残りの程度を以下の評価基準にしたがって評価した。なお、この試験では、ゴム板へのテープ試料の貼り付けと、ゴム板からのテープ試料の剥離を手作業で行った。
A:糊残りがなく、ゴム板からテープ試料をきれいに剥離できた。
B:糊残りが若干あったが、実用上問題ないレベルでゴム板からテープ試料を剥離できた。
C:ゴム板からテープ試料を剥離した際に、糊残りが目立っていた。
作製した各テープ試料について、SUS板を結露させた面に対する粘着性を評価した。具体的には、SUS板を−20℃の恒温槽に1時間放置した後、恒温槽からSUS板を常温(23±2°)環境に取り出してから1分後に、そのSUS板の結露した面に、幅10mm、長さ70mmに切断したテープ試料を貼り付けた。テープ試料の貼り付け条件やSUS板からのテープ試料の引きはがし条件は、上述の「低速剥離時の剥離力」の測定方法の説明で述べたことと同様にして、結露面に対する粘着力(N/10mm)を測定した。
作製した各テープ試料について、耐熱性を評価した。具体的には、テープ試料を幅20mm、長さ70mmに切断し、テープ試料の粘着面をゴム板に貼り合わせ、圧着ローラを用いて19.6Nの荷重で1往復圧着した。圧着してから30分間放置した後、温度80℃の熱風乾燥機中で30分間加熱した。熱風乾燥機中でテープ試料を剥離した際の状態、及び熱風乾燥機から取り出し、室温(23±2℃)まで放冷した後にテープ試料を剥離した際の状態を確認し、以下の評価基準にしたがって評価した。なお、被着体からのテープ試料の剥離条件は、手動で任意の速度で剥離を行った。
A:糊残りがなく、ゴム板からテープ試料をきれいに剥離できた。
B:糊残りが若干あったが、実用上問題ないレベルでゴム板からテープ試料を剥離できた。
C:ゴム板からテープ試料を剥離した際に、糊残りが目立っていた。
作製した各テープ試料について、被着体に一定期間貼り付けた後に剥離した際の貼り跡の程度を評価した。具体的には、テープ試料を幅15mm、長さ140mmに切断し、テープ試料の粘着面を被着体に貼り合わせ、圧着ローラを用いて19.6Nの荷重で1往復圧着した。被着体には、SUS板とアルミニウム板を用いた。圧着後のテープ試料及び被着体を、温度50℃かつ相対湿度90%の恒温槽に120時間放置した後に恒温槽から取り出し、常温(23±2℃)下で、テープ試料を剥離した。被着体からのテープ試料の剥離条件は、上述の「低速剥離時の剥離力」の測定方法の説明で述べた条件と同様にした。そして、被着体(SUS板とアルミニウム板)におけるテープ試料の貼り跡の程度を以下の評価基準にしたがって評価した。
A:被着体において、テープ試料を貼っていた跡が目視で確認し難かった(貼り跡がないか、目立たなかった)。
B:被着体において、テープ試料を貼っていた跡がうっすら確認された。
C:被着体において、テープ試料を貼っていた跡がはっきり確認された。
Claims (8)
- (A)炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル90〜98質量%、(B)(メタ)アクリロニトリル1〜9質量%、及び(C)カルボキシ基を有する不飽和モノマー0.5〜3質量%を含有する単量体成分が重合した(メタ)アクリル系共重合体のエマルションと、
前記(メタ)アクリル系共重合体のエマルションに添加されたリン酸エステル系化合物と、を含有し、
前記(メタ)アクリル系共重合体は、アルカリ金属の過硫酸塩の存在下に前記単量体成分が重合したものであり、かつ、アルカリ金属化合物で中和されている、粘着剤。 - 前記(メタ)アクリル系共重合体は、前記(A)〜(C)成分の総量100質量部に対して、0.1〜1.0質量部の前記アルカリ金属の過硫酸塩の存在下に前記単量体成分が重合したものである請求項1に記載の粘着剤。
- ガラスシーリング用のマスキングテープ用である請求項1又は2に記載の粘着剤。
- 前記(C)カルボキシ基を有する不飽和モノマーが、(メタ)アクリル酸を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着剤。
- 前記リン酸エステル系化合物が、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸及びその塩の少なくともいずれかを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着剤。
- 基材と、前記基材の少なくとも一方の面に設けられた、請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘着剤で形成された粘着剤層と、を備える粘着テープ。
- (A)炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル90〜98質量%、(B)(メタ)アクリロニトリル1〜9質量%、及び(C)カルボキシ基を有する不飽和モノマー0.5〜3質量%を含有する単量体成分を重合させて(メタ)アクリル系共重合体のエマルションを製造する工程と、
前記(メタ)アクリル系共重合体のエマルションにリン酸エステル系化合物を添加する工程と、を含み、
前記(メタ)アクリル系共重合体のエマルションを製造する工程は、前記単量体成分を、重合開始剤としてアルカリ金属の過硫酸塩の存在下に重合させる工程であり、かつ、
その工程後、前記エマルションにアルカリ金属化合物を添加して前記(メタ)アクリル系共重合体を中和する工程をさらに含む粘着剤の製造方法。 - 前記単量体成分を、重合開始剤としてアルカリ金属の過硫酸塩の存在下に重合させる工程において、前記アルカリ金属の過硫酸塩を、前記(A)〜(C)成分の総量100質量部に対して、0.1〜1.0質量部使用する請求項7に記載の粘着剤の製造方法。
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