JP6294136B2 - ポリイソシアネート組成物 - Google Patents
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Description
[1]
水酸基を有するスルホン酸アミン塩と、ポリイソシアネートとの反応により得られる変性ポリイソシアネートを含み、
該水酸基を有するスルホン酸アミン塩が、下記一般式(1)で表される水酸基を有するスルホン酸と、下記一般式(2)で表される環構造を含むアミン化合物から選ばれる少なくとも一種のアミン化合物との塩である、ポリイソシアネート組成物。
[2]
該ポリイソシアネートが、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートおよび芳香脂肪族ポリイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも一種である、[1]に記載のポリイソシアネート組成物。
[3]
水酸基を有するスルホン酸アミン塩と、ポリイソシアネートとを、イソシアネート基/水酸基の当量比が2から400の範囲で反応させる工程を含み、
該水酸基を有するスルホン酸アミン塩が、下記一般式(1)で表される水酸基を有するスルホン酸と、下記一般式(2)で表される環構造を含むアミン化合物から選ばれる少なくとも一種のアミン化合物との塩である、変性ポリイソシアネートを含むポリイソシアネート組成物の製造方法。
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、水酸基を有するスルホン酸アミン塩と、ポリイソシアネートとの反応により得られる変性ポリイソシアネートを含み、
該水酸基を有するスルホン酸アミン塩が、下記一般式(1)で表される水酸基を有するスルホン酸と、下記一般式(2)で表される環構造を含むアミン化合物から選ばれる少なくとも一種のアミン化合物との塩である。
なお、本実施形態のポリイソシアネート組成物は、通常、未反応のポリイソシアネートを含む。また、後述する本実施形態のポリイソシアネート組成物の各種特性は、特段言及の無い限り、上記反応により得られる変性ポリイソシアネートと、未反応のポリイソシアネートとを含んだ状態での特性である。
本実施形態に用いるポリイソシアネートは、特に限定されないが、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種類のジイソシアネート化合物、および/またはこれらジイソシアネート化合物から誘導されるポリイソシアネート化合物が挙げられる。本実施形態に用いるポリイソシアネートは、工業的に入手しやすい観点で、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートおよび芳香脂肪族ポリイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
本実施形態に用いる水酸基を有するスルホン酸アミン塩としては、下記一般式(1)で表される水酸基を有するスルホン酸と、下記一般式(2)で表される環構造を含むアミン化合物から選ばれる少なくとも一種のアミン化合物との塩が好ましい。
中でもR1は炭素原子数1から6の炭化水素基、炭素原子数6から10のアリール基が好ましい。
中でも、R2、R3およびR4のうち少なくとも一つが5員または6員のシクロアルキル基を含むか、R2とR3とが互いに結合した5員または6員環を形成するか、R2とR3とが酸素原子を介して互いに結合した5員または6員環を形成するのが好ましい。また、上記式(2)で表されるアミン化合物は、2つ以上の環構造を含んでいてもよい。
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、原料のポリイソイソシアネートのイソシアネート基100当量に対し、水酸基を有するスルホン酸アミン塩が、乳化性と塗膜物性との観点から、0.25から50当量の割合で変性されていることが好ましく、0.5から20当量の割合で変性されていることがより好ましく、1から10当量の割合で変性されていることがさらに好ましい。
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、上述した変性ポリイソシアネートと未反応ポリイソシアネートとを含む組成物である。本実施形態のポリイソシアネート組成物は、上述した変性ポリイソシアネートおよび未反応ポリイソシアネート以外に他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、特に限定されないが、例えば、溶剤、酸化防止剤、光安定剤、重合禁止剤、界面活性剤が挙げられる。
本実施形態のポリイソシアネート組成物の製造方法は、例えば、上述した水酸基を有するスルホン酸アミン塩と、ポリイソシアネートとを混合反応させる工程を含むことが好ましい。
本実施形態のコーティング組成物は、上述のポリイソシアネート組成物を含む。
本実施形態コーティング基材は、上述のコーティング組成物によってコーティングされたコーティング基材である。
(イソシアネート基含有率の測定)
イソシアネート基含有率の測定は、JIS K7301−1995(熱硬化性ウレタンエラストマー用トリレンジイソシアネート型プレポリマー試験方法)に記載の方法に従って実施した。
(1)試料1gを200mL三角フラスコに採取し、該フラスコにトルエン20mLを添加し、試料を溶解させた。
(2)その後、前記フラスコに2.0Nのジ-n-ブチルアミン・トルエン溶液20mLを添加し、15分間静置した。
(3)前記フラスコに2−プロパノール70mLを添加し、溶解させて溶液を得た。
(4)上記(3)で得られた溶液について、1mol/L塩酸を用いて滴定を行い、試料滴定量を求めた。
(5)試料を添加しない場合にも、上記(1)〜(3)と同様の方法で測定を実施し、ブランク滴定量を求めた。
イソシアネート基含有率(重量%)=(ブランク滴定量−試料滴定量)×42/[試料重量(g)×1,000]×100%。
アルミニウム製カップの重量を精秤し、試料約1gを入れて、加熱乾燥前のカップ重量を精秤した。前記試料を入れたカップを105℃の乾燥機中で3時間加熱した。前記加熱後のカップを室温まで冷却した後、再度カップの重量を精秤した。試料中の乾燥残分の重量%を不揮発分とした。
不揮発分(重量%)=(加熱乾燥後のカップ重量−アルミニウム製カップ重量)/(加熱乾燥前のカップ重量−アルミニウム製カップ重量)×100%。
以下の装置および条件を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)によりポリスチレン基準の数平均分子量を測定した。
カラム:東ソー(株)製 TSKgelSuperH1000(商品名)×1本、TSKgelSuperH2000(商品名)×1本、TSKgelSuperH3000(商品名)×1本、
キャリアー:テトラハイドロフラン
検出方法:示差屈折計
(平均官能基数)
平均官能基数は、ポリイソシアネート1分子が統計的に有するイソシアネート官能基の数であり、ポリイソシアネートの数平均分子量とイソシアネート基含有率とから以下のとおり算出した。
平均官能基数=ポリイソシアネートの数平均分子量×イソシアネート基含有率(重量%)/42
[製造例1(スルホン酸アミン塩の製造)]
2−ヒドロキシエタンスルホン酸70重量%水溶液20重量部に、1−プロパノールを10重量部添加して撹拌して溶液を得た。更に、当量比1となるようにN−エチルモルホリンを量り取り、同重量部の1−プロパノールで希釈した液を、撹拌中の前記溶液に滴下していった。滴下開始から1時間後に撹拌を止め、エバポレータ―で脱水および脱溶剤し、固形分99.8重量%の2−ヒドロキシエタンスルホン酸N−エチルモルホリン塩を得た。
N−エチルモルホリンに代えてN−メチルピロリジンを用いた以外は製造例1と同様にして固形分99.9重量%の2−ヒドロキシエタンスルホン酸N−メチルピロリジン塩を得た。
N−エチルモルホリンに代えてN−メチルピペリジンを用いた以外は製造例1と同様にして固形分99.8重量%の2−ヒドロキシエタンスルホン酸N−メチルピペリジン塩を得た。
N−エチルモルホリンに代えてN−メチルモルホリンを用いた以外は製造例1と同様にして固形分99.8重量%の2−ヒドロキシエタンスルホン酸N−メチルモルホリン塩を得た。
N−エチルモルホリンに代えてN,N−ジメチルシクロヘキシルアミンを用いた以外は製造例1と同様にして固形分99.7重量%の2−ヒドロキシエタンスルホン酸N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン塩を得た。
3−ヒドロキシプロパンスルホン酸80重量%水溶液20重量部に、1−プロパノールを10重量部添加して撹拌して溶液を得た。更に、当量比1となるようにN,N−ジメチルベンジルアミンを量り取り、同重量部の1−プロパノールで希釈した液を、撹拌中の前記溶液に滴下していった。滴下開始から1時間後に撹拌を止め、エバポレータ―で脱水および脱溶剤し、固形分99.8重量%の3−ヒドロキシプロパンスルホン酸N,N−ジメチルベンジルアミン塩を得た。
4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸85重量%水溶液20重量部に、1−プロパノールを10重量部添加して撹拌して溶液を得た。更に、当量比1となるようにN,N−ジシクロヘキシルメチルアミンを量り取り、同重量部の1−プロパノールで希釈した液を、撹拌中の前記溶液に滴下していった。滴下開始から1時間後に撹拌を止め、エバポレータ―で脱水および脱溶剤した後、アセトンを添加して固形分50重量%の4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン塩を得た。
N,N−ジシクロヘキシルメチルアミンに代えてN−イソブチルモルホリンを用いた以外は製造例7と同様にして固形分50重量%の4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸N−イソブチルモルホリン塩を得た。
N−エチルモルホリンに代えてN−メチルピロリドンを用いた以外は製造例1と同様にして固形分99.8重量%の2−ヒドロキシエタンスルホン酸N−メチルピロリドン塩を得た。
N−エチルモルホリンに代えてトリエチルアミンを用いた以外は製造例1と同様にして固形分99.8重量%の2−ヒドロキシエタンスルホン酸トリエチルアミン塩を得た。
イソシアヌレート構造を有するイソシアネートプレポリマー(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「デュラネートTPA−100(イソシアネート基含有率:23重量%、不揮発分:100重量%)」)100重量部に、製造例1で得られた2−ヒドロキシエタンスルホン酸N−エチルモルホリン塩4.0重量部(イソシアネート基/水酸基の当量比:33.3)とアセトン20重量部とを添加し、窒素下、還流下、70℃で10時間攪拌して反応を行った。その後、還流を外して100℃で1時間撹拌して反応を継続した。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。得られた組成物は、不揮発分:98.2重量%、イソシアネート基含有率:20.9重量%であった。また、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:630、平均官能基数:3.1であった。
イソシアヌレート構造を有するイソシアネートプレポリマー(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「デュラネートTPA−100(イソシアネート基含有率:23重量%、不揮発分:100重量%)」)90重量部に、2−エチル−1−ヘキサノール10重量部と、製造例2で作製した2−ヒドロキシエタンスルホン酸N−メチルピロリジン塩2.6重量部(イソシアネート基/水酸基の当量比:33.3)とを添加し、窒素下、還流下、120℃で4時間攪拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。得られた組成物は、不揮発分:100重量%、イソシアネート基含有率:16.3重量%であった。
イソシアヌレート構造を有するイソシアネートプレポリマー(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「デュラネートTPA−100(イソシアネート基含有率:23重量%、不揮発分:100重量%)」)95重量部に、1,3−ブタンジオール5重量部と、製造例3で作製した2−ヒドロキシエタンスルホン酸N−メチルピペリジン塩3.7重量部(イソシアネート基/水酸基の当量比:25)とアセトン20重量部とジブチルスズジラウレート0.005重量部とを添加し、窒素下、還流下、70℃で10時間攪拌して反応を行った。その後、還流を外して100℃で1時間撹拌して反応を継続した。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。得られた組成物は、不揮発分:99.0重量%、イソシアネート基含有率:15.4重量%であった。また、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:950、平均官能基数:3.5であった。
イソシアヌレート構造を有するイソシアネートプレポリマー(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「デュラネートTLA−100(イソシアネート基含有率:23.2重量%、不揮発分:100重量%)」)100重量部に、製造例4で作製した2−ヒドロキシエタンスルホン酸N−メチルモルホリン塩3.8重量部(イソシアネート基/水酸基の当量比:33.3)とアセトン20重量部とジブチルスズジラウレート0.005重量部とを添加し、窒素下、還流下、70℃で10時間攪拌して反応を行った。その後、還流を外して100℃で1時間撹拌して反応を継続した。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。得られた組成物は、不揮発分:98.8重量%、イソシアネート基含有率:21.0重量%であった。また、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:550、平均官能基数:2.8であった。
イソシアヌレート構造を有するイソシアネートプレポリマー(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「デュラネートTKA−100(イソシアネート基含有率:21.7重量%、不揮発分:100重量%)」)100重量部に、製造例5で作製した2−ヒドロキシエタンスルホン酸N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン塩5.2重量部(イソシアネート基/水酸基の当量比:25)を添加し、窒素下、120℃で4時間攪拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。得られた組成物は、不揮発分:100重量%、イソシアネート基含有率:19.6重量%であった。また、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:680、平均官能基数:3.2であった。
ビウレット構造を有するイソシアネートプレポリマー(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「デュラネート24A−100(イソシアネート基含有率:23.5重量%、不揮発分:100重量%)」)100重量部に、製造例6で作製した3−ヒドロキシプロパンスルホン酸N,N−ジメチルベンジルアミン塩7.5重量部(イソシアネート基/水酸基の当量比:20)を添加し、窒素下、90℃で8時間攪拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。得られた組成物は、不揮発分:100重量%、イソシアネート基含有率:20.7重量%であった。
イソシアヌレート構造を有するHDI系プレポリマー(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「デュラネートTPA−100(イソシアネート基含有率:23重量%、不揮発分:100重量%)」)70重量部に、イソシアヌレート構造を有するIPDI系プレポリマー(エボニックインダストリーズ製、商品名「VESTANAT T1890(イソシアネート基含有率:17重量%、不揮発分:100重量%)」30重量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30重量部とを添加し、120℃に加熱してペレット状のT1890を溶解させて溶液を得た。その後、得られた溶液に、製造例7で作製した4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン塩溶液15重量部(イソシアネート基/水酸基の当量比:25)を添加し、窒素下、還流下、120℃で4時間攪拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。得られた組成物は、不揮発分:79重量%、イソシアネート基含有率:19.0重量%であった。また、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:630、平均官能基数:2.9であった。
イソシアヌレート構造を有するイソシアネートプレポリマー(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「デュラネートTPA−100(イソシアネート基含有率:23重量%、不揮発分:100重量%)」)100重量部に、製造例8で作製した4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸N−イソブチルモルホリン塩溶液10.4重量部(イソシアネート基/水酸基の当量比:33.3)とアセトン20重量部とジブチルスズジラウレート0.005重量部とを添加し、窒素下、還流下、70℃で10時間攪拌して反応を行った。その後、還流を外して100℃で1時間撹拌して反応を継続した。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。得られた組成物は、不揮発分:99.2重量%、イソシアネート基含有率:21.0重量%であった。
イソシアヌレート構造を有するイソシアネートプレポリマー(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「デュラネートTPA−100(イソシアネート基含有率23重量%、不揮発分100重量%)」)100重量部に、製造例9で作製した2−ヒドロキシエタンスルホン酸N−メチルピロリドン塩4.9重量部(イソシアネート基/水酸基の当量比:25)を添加し、窒素下、120℃で4時間攪拌した。撹拌を止めて観察したところ、無数の油滴が浮遊していた。更に2時間撹拌を続けたが、大きな変化が見られず、変性ポリイソシアネートを含む組成物が得られなかったため終了とした。
イソシアヌレート構造を有するイソシアネートプレポリマー(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「デュラネートTPA−100(イソシアネート基含有率:23重量%、不揮発分:100重量%)」)100重量部に、製造例10で作製した2−ヒドロキシエタンスルホン酸トリエチルアミン塩5.0重量部(イソシアネート基/水酸基の当量比:25)とアセトン20重量部とジブチルスズジラウレート0.005重量部とを添加し、窒素下、還流下、70℃で10時間攪拌して反応を行った。その後、還流を外して100℃で1時間撹拌して反応を継続した。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。得られた組成物は、不揮発分:98.5重量%、イソシアネート基含有率:20.5重量%であった。また、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:600、平均官能基数:2.9であった。
イソシアヌレート構造を有するイソシアネートプレポリマー(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「デュラネートTPA−100(イソシアネート基含有率:23重量%、平均官能基数:3.2、不揮発分:100重量%)」)100重量部に、3−シクロヘキシルアミノプロパンスルホン酸4.8重量部とN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン2.8重量部(イソシアネート基/水酸基の当量比:25)とを添加し、窒素下、120℃で4時間攪拌して反応を行った。反応終了後、変性ポリイソシアネートを含む組成物を得た。得られた組成物は、不揮発分:100重量%、イソシアネート基含有率:20.5重量%であった。また、得られた組成物中のポリイソシアネートは、数平均分子量:600、平均官能基数:2.9であった。
実施例1から8、および比較例1から3で得られた変性ポリイソシアネートを含む組成物の評価を以下のとおり行った。評価結果を表1に示す。
得られた変性ポリイソシアネートの異物や濁りの有無を目視で評価した。判定方法は以下のとおりとした。
×:異物または濁りあり
[評価2(変性ポリイソシアネートを含む組成物の乳化力評価)]
(1)100mLフラスコと、吉野紙との重量を測定した。
(2)変性ポリイソシアネートを含む組成物を、固形分換算で16gとなるように100mLフラスコに採取し、脱イオン水24gを添加した。
(3)プロペラ羽を使用し、200rpmで3分間、100mLフラスコ内の溶液を撹拌した後、(1)で秤量した吉野紙で濾過した。
(4)吉野紙に残った濾過残渣と、100mLフラスコに残った残渣とを合わせて105℃の乾燥機中で1時間加熱し、重量(g)を求めた。
(5)以下の計算方法で、変性ポリイソシアネートを含む組成物が水へ分散した割合を求めた。
水へ分散した割合(重量%)=100%−((4)で求めた残渣を含む100mLフラスコと吉野紙との合計重量(g)−(1)で測定した100mLフラスコと吉野紙との合計重量(g))/((2)で採取した変性ポリイソシアネートを含む組成物の重量(g)×不揮発分(重量%))×100%
判定方法は以下のとおりとした。
△:60重量%以上80重量%未満
×:60重量%未満
[製造例11(アクリル系ポリオール水分散体の製造)]
反応器として、撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口のセパラブルフラスコを用いた。該反応器内を窒素雰囲気にし、エチレングリコールモノブチルエーテル300重量部を仕込み、攪拌下、反応器内温度を80℃に保持した。該反応器に、モノマーとしてメタクリル酸メチル146.3重量部、スチレン105重量部、アクリル酸−n−ブチル257.6重量部、メタクリル酸14重量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル177.1重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.7重量部、および連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン0.3重量部を均一に混合した混合物を4.5時間かけて一定速度で連続的に加えた。その後反応器内温度を80℃のまま2時間保持した。その後、反応器内の混合物を、冷却し、アンモニア25重量%水溶液を11.6重量部加えて15分間撹拌した。さらに反応器内の混合物を、攪拌下、イオン交換水を1300重量部加えて水分散体を得た。得られた水分散体を、ロータリーエバポレーターを用いて固形分が約45重量%になるまで濃縮した。その後、得られた濃縮物を、アンモニア25重量%水溶液でpH8.0に調整し、アクリル系ポリオールの水分散体を得た。得られたアクリル系ポリオールの水分散体は、水分散体中の粒子の平均粒子径が90nmであり、ポリオール樹脂分のヒドロキシル基濃度が仕込み原材料からの計算値で3.3重量%であり、ポリオール樹脂分の数平均分子量が9600であった。
実施例1から8、および比較例1から3で得られた変性ポリイソシアネートを含む組成物を用いて、下記のようにコーティング組成物を作製した。
製造例11で作製したポリオール水分散体40gを容器に計り取り、変性ポリイソシアネートを含む組成物中のイソシアネート基とポリオール水分散体中のヒドロキシル基とのモル比が、NCO/OH=1.25になるように、変性ポリイソシアネートを含む組成物を加えて混合物を得た。更に前記混合物に、コーティング組成物の固形分が42重量%となるように脱イオン水を加え、プロペラ羽を使用し、600rpmで10分間撹拌し、コーティング組成物を作製した。
作製したコーティング組成物を用いて、以下の評価を行った。
コーティング組成物中のイソシアネート基の濃度変化は、日本分光株式会社製FT/IR−4200typeA(商品名)を用いた赤外吸収スペクトル測定(検出器:TGS、積算回数:16回、分解:4cm-1)において、イソシアヌレートの吸収ピーク(波数1686cm-1付近)に対するイソシアネートの吸収ピーク(波数2271cm-1付近)の強度比から算出した。コーティング組成物作製直後を0時間とし、そのときのイソシアネートの吸収ピーク強度/イソシアヌレートの吸収ピーク強度=X0とし、n時間後のピーク強度比=Xnを求め、イソシアネート基の保持率=Xn/X0を算出し、80%以上を保持できる時間を評価した。判定方法は以下の通りとした。
○:3時間以上
×:3時間未満
[評価2(塗膜評価)]
上記のコーティング組成物を用いて塗膜を作製し、外観と耐溶剤性との評価を行った。
上記のコーティング組成物を用いて、ガラス板上に、厚さ40μmの塗膜を塗装し、23℃/50%RHの雰囲気下で7日間乾燥させた。得られた塗膜を目視で評価した。判定方法は以下のとおりとした。
△:やや白濁、またはややクレタリングあり
×:白濁、またはクレタリング多数あり
(塗膜の耐溶剤性評価)
上記のコーティング組成物を用いて、ガラス板上に、厚さ40μmの塗膜を塗装し、23℃/50%RHの雰囲気下で7日間乾燥させた。得られた塗膜上にキシレンを1g含ませた直径10mmのコットンボールを10分間置き、表面に残ったキシレンを除いた後の塗膜の様子を観察した。判定方法は以下のとおりとした。
△:やや白濁、またはやや凹みあり
×:白濁、または凹みあり
評価結果を表1に示す。
Claims (5)
- 水酸基を有するスルホン酸アミン塩と、ポリイソシアネートとの反応により得られる変性ポリイソシアネートを含み、
該水酸基を有するスルホン酸アミン塩が、下記一般式(1)で表される水酸基を有するスルホン酸と、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジエチルベンジルアミン、N,N−ジベンジルメチルアミン、トリベンジルアミン、N,N−ジメチル−4−メチルベンジルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン、N,N−ジシクロヘキシルエチルアミン、トリシクロヘキシルアミン、N−メチルピロリジン、N−エチルピロリジン、N−プロピルピロリジン、N−ブチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N−プロピルピペリジン、N−ブチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−プロピルモルホリン、N−ブチルモルホリン、N−sec−ブチルモルホリン、N−tert−ブチルモルホリン、N−イソブチルモルホリン及びキヌクリジンから選ばれる少なくとも一種のアミン化合物との塩である、ポリイソシアネート組成物。
- 該ポリイソシアネートが、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートおよび芳香脂肪族ポリイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
- 水酸基を有するスルホン酸アミン塩と、ポリイソシアネートとを、イソシアネート基/水酸基の当量比が2から400の範囲で反応させる工程を含み、
該水酸基を有するスルホン酸アミン塩が、下記一般式(1)で表される水酸基を有するスルホン酸と、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジエチルベンジルアミン、N,N−ジベンジルメチルアミン、トリベンジルアミン、N,N−ジメチル−4−メチルベンジルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン、N,N−ジシクロヘキシルエチルアミン、トリシクロヘキシルアミン、N−メチルピロリジン、N−エチルピロリジン、N−プロピルピロリジン、N−ブチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N−プロピルピペリジン、N−ブチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−プロピルモルホリン、N−ブチルモルホリン、N−sec−ブチルモルホリン、N−tert−ブチルモルホリン、N−イソブチルモルホリン及びキヌクリジンから選ばれる少なくとも一種のアミン化合物との塩である、変性ポリイソシアネートを含むポリイソシアネート組成物の製造方法。
- 請求項1または2に記載のポリイソシアネート組成物を含む、コーティング組成物。
- 請求項4に記載のコーティング組成物によってコーティングされたコーティング基材。
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