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JP6293153B2 - シクロデキストリンとカプセル化された気体分子との包接複合体 - Google Patents

シクロデキストリンとカプセル化された気体分子との包接複合体 Download PDF

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Description

本発明は分子カプセル化の分野に関する。より具体的には、この発明はエチレン等のガスがシクロデキストリン内にある包接複合体、および果実の熟成等の用途におけるその使用に関する。
本願における背景技術へのいかなる参照も、そのような技術がオーストラリアや他所において周知の一般的知識であることを自認するものとして解釈されないものとする。
消費者の期待は、スーパーマーケットや食料品販売店が定期的に季節ごとの果実、例えばバナナ、リンゴ、マンゴーやアボカドを、熟した状態またはそれに近い状態で提供することである。これは、果実が、硬度、甘味および色の点で食用に適した状態付近でなくてはならないこと、したがって消費者にとって望ましい状態でなくてはならないことを意味する。
これを達成するための課題としてしばしば挙げられるのは、果実が販売地点から地理的に離れた地域で栽培されることである。オーストラリアのような国では、果実は道路によって極端に長い距離を輸送されることがあり、輸入果実の場合には船による長い輸送時間が必要となることも多い。既に熟した状態にある果実は、輸送中、目的地に到達する時間までに熟し過ぎてしまう。熟した果実は軟らかいため、相当な割合の果実が輸送中に傷んでしまうことになる。
これらの理由のため、多くのクリマクテリック果実は未熟な状態で収穫される。そのため、果実は比較的硬く、安全に輸送することができる。果実はその後、専用の熟成室に運ばれ、小売業者に流通する前に熟成を促進させる。
熟成室は、その果実が栽培された熱および湿度の気候条件を再現することを試みた制御された環境を作り出す。熟成効果は主に、熟成室にエチレンガスを導入することによってもたらされる。エチレンは、天然では例えばバナナのような多くの果実によって放出され、熟成剤として知られている。
熟成室の使用には、いくつかの不都合がある。第一に、これはサプライチェーンの長さをかなり増大させ、その結果、遅延、そして時に低品質の果実のせいで、果実生産者および小売業者の売上げおよび利益を失わせる。これは、価格が最も高い季節の初めの頃の、供給量が限られている場合に特に顕著である。第二に、熟成室の操作者は、果実の熟成料として20〜30セント/kgを請求し、これはサプライチェーンの効率、利益性および透明性を低下させ、また、少数の卸売業者に支配が集約されてしまう。第三に、市場における存在の小ささや法外な費用のため、全ての栽培者が熟成室を安定して利用できる訳ではなく、そのため、例えば核果類の栽培者は、結局は未熟な果実を市場に提供することになり得る。これは、消費者がその果実を更に購入するのを躊躇させ、その市場に著しいダメージを与え得る。最後に、発展途上国のこうした栽培者には、インフラの欠如のため、高性能の熟成室の選択肢が全くないこともある。
熟成室の使用に伴う遅延がなく、小売業者に直接配達できるような代替的な方法で果実を熟成可能であることが有益である。これは、果実が比較的硬い未熟な状態で輸送され、輸送の終期でのみ軟化させることにより、傷みを最小限にするのを可能にする。
エチレンは可燃性が高いため、トラックの中の高濃度のエチレンは危険であるという問題がある。さらに、エチレンはボンベから極めて急速に分配されるため、このエチレン濃度を包含させるためにトラックの改造が必要となり得る。また、加圧ボンベの運送に固有の危険もある。
分子カプセル化技術は、シクロデキストリン(CD)のような巨大分子ホストの中にエチレンをゲスト分子として捕捉するのに用いられてきた。しかし、現行の方法は、エチレンをCD内にほんの少量内包させるために、比較的長期間にわたり非常に高い圧力を必要とする。Hoら(非特許文献1)は、α−CDにエチレンを包接させて約1:1のエチレン対CDのモル比を示す結晶性包接複合体を形成する手段を提示している。使用された方法は、α−CDを水に溶解し、続いて加圧環境においてエチレンガスに曝露することを含む。結晶性エチレン/α−CD包接複合体の収率は、圧力および時間の増加とともにある程度向上することが判明した。しかしながら、得られた最大収率は1.5MPaの圧力で5日後に45%未満であった。
輸送中の果実の熟成に安全に使用でき、比較的低コストで入手可能な、放出の制御されたエチレン供給源を提供することが有益である。
「フードケミストリー(Food Chemistry)」、2011年、第127巻、p.572−580
本発明の目的は、上述した不都合または問題点の1つ以上を解決または改善する、あるいは少なくとも有効な代替法を提供するエチレン/CD包接複合体を提供することにある。
本発明の他の好ましい目的は、下記の説明から明らかになるであろう。
本発明の第1の態様によれば、非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体が提供される。
非晶質シクロデキストリンはα−、β−またはγ−シクロデキストリン、あるいはそれらのアルキル化、ヒドロキシル化またはスルホン化誘導体であってもよい。
好ましくは、非晶質シクロデキストリンは非晶質α−シクロデキストリンまたはその誘導体である。
非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体内にカプセル化される気体分子は、非水素原子6個未満の小分子とすることができる。
好ましくは、気体分子はメタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、ブチレン、1−メチルシクロプロペン、二酸化炭素および亜酸化窒素のうちから選択される。
最も好ましくは、気体分子はエチレンである。
非晶質α−シクロデキストリンとカプセル化されたエチレンとの包接複合体は、図1に示すようなXRDデータによって特定される。非晶質α−シクロデキストリンは、図10に示すようなXRDデータによって特定される。
非晶質α−シクロデキストリンとカプセル化されたエチレンとの包接複合体は、α−シクロデキストリン1モル当たり、少なくとも0.1、0.3、0.5、0.7、好ましくは少なくとも0.8、より好ましくは少なくとも0.85、さらに好ましくは少なくとも0.90、より一層好ましくは少なくとも0.95モルのエチレンを含む。
本発明の第2の態様によれば、非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体を製造する方法であって、
(a)シクロデキストリンまたはその誘導体の溶液を提供する工程;
(b)シクロデキストリンの溶液から溶媒を能動的に除去し、固体の非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体の粉末を形成する工程;および
(c)固体の非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体の粉末を、気体分子に曝露する工程
を含み、それにより非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体を製造する方法が提供される。
適切なシクロデキストリンおよび気体分子、ならびにそれらの相対量は、第1の態様において既述したとおりである。
溶媒は、極性溶液、半極性溶液またはイオン溶液であってもよい。
好ましくは、シクロデキストリンの溶液は水溶液である。
溶媒を除去する工程は、溶媒を蒸発させる工程、シクロデキストリンの溶液を噴霧乾燥させる工程、およびシクロデキストリンの溶液を凍結乾燥させる工程のうちの少なくともいずれかを含むことができる。
好ましくは、シクロデキストリンまたはその誘導体はα−シクロデキストリンであり、溶液を噴霧乾燥する工程は、α−シクロデキストリンの溶液を噴霧器に供給して溶液を液滴状に霧化する工程を含むことができる。
α−シクロデキストリンの溶液を噴霧乾燥する工程は、可溶化α−シクロデキストリンの霧化液滴を乾燥ガスに曝露することによって乾燥させる工程をさらに含んでもよい。
乾燥ガスの温度は、使用する溶媒の性質に応じて変動する。適切には、乾燥ガスは200℃〜150℃の入口温度および60℃〜90℃の出口温度に加熱される。好ましくは、入口温度は約180℃であり、出口温度は約80℃である。
好ましくは、非晶質シクロデキストリンは気体分子への曝露前は実質的に乾燥している。
非晶質シクロデキストリン粉末は、閉鎖された気密環境において気体分子に曝露されてもよい。
非晶質シクロデキストリン粉末は加圧下で気体分子に曝露されてもよい。
適切には、非晶質シクロデキストリン粉末は大気圧を超える圧力で気体分子に曝露される。適切には、上記曝露は約0.1MPa以上約5MPa未満、好ましくは約0.5MPa〜約3MPa、より好ましくは約1.0MPa〜約2.0MPaの圧力にある。
一実施形態において、非晶質シクロデキストリン粉末は、1時間〜120時間、好ましくは約5時間〜約96時間、より好ましくは約12時間〜約72時間、さらに好ましくは約24時間〜約54時間にわたり気体分子に曝露される。
本発明の第3の態様は、第2の態様の方法によって製造された非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体に属する。
好ましくは、非晶質シクロデキストリンはα−シクロデキストリンであり、カプセル化された気体分子はエチレンである。
本発明の第4の態様によれば、第1または第3の態様の非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体を有効量で含む果実熟成用組成物が提供される。
果実熟成用組成物は、所定量の結晶性シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体をさらに含んでもよい。
好ましい実施形態において、結晶性シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体は、結晶性α−シクロデキストリンとカプセル化されたエチレンとの包接複合体である。
好ましくは、非晶質包接複合体と結晶性包接複合体との比率は、約1:9から9:1の間である。
結晶性シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体は、結晶性シクロデキストリンを可溶化し、その溶液を加圧下で気体分子に曝露することにより、結晶性シクロデキストリンとカプセル化された気体分子との包接複合体の沈殿を生じさせることで形成することができる。
別法として、結晶性シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体は、第1または第3の態様の非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体を水分に曝露し、結晶形態に変換させることにより形成することができる。
適切には、水分への曝露は、溶解およびその後の結晶形態の晶出のために任意選択の加熱とともにエチレン雰囲気下で生じる。
果実熟成用組成物は、所定量の潮解性の塩を含んでもよい。
潮解性の塩は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、炭酸カリウム、リン酸カリウム、クエン酸鉄アンモニウム、水酸化カリウム、および水酸化ナトリウムのうちから選択することができる。
本発明の第5の態様は、有効量の第1または第3の態様の非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体、または第4の態様の果実熟成用組成物に果実を曝露する工程を含む果実の熟成方法に属する。
一実施形態において、非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体または果実熟成用組成物に果実を曝露する工程は、果実が輸送されている間に生じる。
上記曝露は、制御式放出装置を介して行われてもよい。
非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体または果実熟成用組成物への果実の曝露は、果実の熟成をもたらすために包接複合体を可溶化または部分的に溶解してカプセル化された気体分子を放出することを必要としない。
非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体または果実熟成用組成物への果実の曝露は、約10〜20℃の範囲の温度で行われてもよい。
本発明の第6の態様は、制御式放出装置であって、
(a)非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体を入れるのに適したキャビティを画定する容器本体;および
(b)前記キャビティから気体分子を放出するための放出開口
を含む装置に属する。
一実施形態において、放出開口は、手動で外される密封用部品または圧力逃がし弁によって開閉されてもよい。
容器本体は、気密性の軟質袋であってもよい。
本発明の第7の態様は、
(a)制御式放出装置;および
(b)制御式放出装置内に配置された非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体
を含む果実熟成システムに属する。
制御式放出装置は、第6の態様において既述したようなものであってよく、包接複合体は第1または第3の態様のものであるか、あるいは第4の態様の果実熟成用組成物である。
第8の態様において、本発明は、非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体との包接複合体内に気体分子を維持するための制御式放出装置の使用に及ぶ。
第9の態様において、本発明は、結晶性α−シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化されたエチレンとの包接複合体の製造方法であって、
(a)α−シクロデキストリンまたはその誘導体の溶液を提供する工程;
(b)α−シクロデキストリンまたはその誘導体の溶液から溶媒を能動的に除去し、固体の非晶質α−シクロデキストリンまたはその誘導体の粉末を形成する工程;
(c)固体の非晶質α−シクロデキストリンまたはその誘導体の粉末をエチレンに曝露して、非晶質α−シクロデキストリンまたはその誘導体の包接複合体を形成する工程;および
(d)非晶質α−シクロデキストリンまたはその誘導体の包接複合体を水と接触させる工程
を含み、それにより結晶性α−シクロデキストリンまたはその誘導体の包接複合体を製造する方法に属する。
上記の個々の項で参照された本発明の様々な特徴および実施形態は、必要であれば変更を加えた上で他の項にも適用される。したがって、ある項において特定された特徴を、必要に応じて他の項において特定された特徴と組み合わせることができる。
本発明の更なる特徴および利点は、下記の詳細な説明から明らかになるであろう。
(a)純粋な非晶質α−CDの、(b)エチレンをカプセル化した非晶質α−CDの、および(c)エチレンをカプセル化した湿潤化非晶質α−CDのX線回折分析(XRD)である。 (a)純粋な結晶性α−CDの、(b)エチレンをカプセル化した結晶性α−CDのXRD分析である。 純粋な非晶質α−CDの走査型電子顕微鏡写真(SEM)である。 エチレンをカプセル化した非晶質α−CDの包接複合体のSEMである。 およびAは純粋な結晶性α−CDの、BおよびBは、溶液中で形成され包接複合体結晶として沈殿した、そのエチレンとの包接複合体の、一連のSEMスキャンである。 純粋な非晶質α−CD、および本発明の包接複合体である「カプセル化非晶質CD」のCP−MS 13C NMRスペクトルである。 非晶質α−CDをエチレンに曝露し、そこからのその放出を制御するための1つの実験的配置を描いたものである。 本明細書に記載の制御式放出装置の一実施形態の図である。 図8の制御式放出装置の斜視図であり、蓋が外されたところを示す。 本明細書に記載の方法によって形成された純粋な非晶質α−CDのX線回折分析(XRD)である。 非晶質α−CDからのエチレンの放出に起因するヘッドスペース圧力を測定するための1つの実験的配置を描いたものである。 非晶質α−CD内にカプセル化されたエチレン濃度を時間とともにグラフで表したものである。 様々な水分含量における非晶質α−CDの水分活性の吸着等温線である。 20%の水分含量まで曝露した後の非晶質α−CDのXRDである。 30%の水分含量まで曝露した後の非晶質α−CDのXRDである。 40%の水分含量まで曝露した後の非晶質α−CDのXRDである。 様々な湿度レベルにおける非晶質α−CDエチレン包接複合体からのエチレン放出率比を時間とともにグラフで表したものである。 様々な水分含量まで曝露し、その後乾燥させた後の、結晶性α−CDエチレン包接複合体内のエチレンの保持率をグラフで表したものである。 非晶質α−CDエチレン包接複合体からのエチレンの放出に起因するヘッドスペース圧力を時間とともにグラフで表したものである。 図19に示す結果の最初の12時間をグラフで表したものである。 非晶質α−CD二酸化炭素包接複合体からの二酸化炭素の放出率をグラフで表したものである。 潮解性の塩の存在下および非存在下での、相対湿度97%における非晶質α−CD二酸化炭素包接複合体からの二酸化炭素の放出率をグラフで表したものである。 輸送実験におけるマンゴーの熟成中に得られたエチレン濃度をグラフで表したものである。 輸送実験における熟成中のマンゴーの色の変化をグラフで表したものである。 輸送実験における熟成中のマンゴーの硬度の変化をグラフで表したものである。
本発明が容易に理解され実施されるように、添付図面を参照して好ましい実施形態を例示の目的で記載する。
〔図面の詳細な説明〕
本発明は少なくとも部分的に、α−シクロデキストリン(α−CD)が非晶質形態にある場合に、α−CDとカプセル化されたエチレンとの包接複合体がより効果的かつ効率的な方法で形成されるという発見に基づいている。特に、α−CDを噴霧乾燥させて粉末状のα−CDを非晶質の分子構造で形成すると、エチレンガスはその後、他の方法を用いて達成されるよりも短期間かつ大幅に高い収率で、固体α−CD粉末中に直接取り込まれることが示された。
本特許明細書において、第1および第2、左側および右側、前側および後側、上部および底部といった修飾語は、単に1つの要素または方法工程を他の要素または方法工程から明確にするために用いられ、その修飾語によって表される特定の相対的位置や順序を必ずしも必要としない。「含む」、「含有する」、あるいは同様の用語は、非排他的に含む意味であるように意図されており、したがって、要素のリストを含む方法、システムまたは装置は、これらの要素のみを含むのではなく、リストに挙げられていない他の要素を含み得る。
特に定義しない限り、本願で使用する全ての技術用語および科学用語は、本発明の属する分野の当業者に共通に理解されているであろう意味と同じ意味を持つ。
本願で用いられる時、「包接複合体」という用語は概して、ホスト分子が、ゲスト分子を収容可能なキャビティを画定している複合体を指す。ゲスト分子は共有結合されていないため、放出されることができる。特に、「本発明の包接複合体」という用語は、本願では実験の部に記載のように形成された、エチレン、二酸化炭素または他の気体分子が非晶質シクロデキストリンまたはその単純な誘導体内にカプセル化された包接複合体を指すために用いられている。好ましくは、シクロデキストリンはα−シクロデキストリンまたはその誘導体であり、気体分子はエチレンである。
「非晶質」という用語は、本願で用いられる時、結晶分子構造を持たない、すなわち、無秩序な構造が存在する任意のシクロデキストリンまたはその単純な誘導体を指す。非晶質形態は、溶液から結晶形態を出じさせるのではなく、シクロデキストリンまたはその誘導体の溶液から溶媒を能動的かつ急速に除去することにより得られる。好ましくは、非晶質形態は噴霧乾燥工程によって得られる。好ましい非晶質シクロデキストリンは非晶質α−シクロデキストリンである。
「果実熟成」および「果実の熟成」という用語は、本願で用いられる時、果実が少なくとも熟した状態に向かっていることを示す果実の色、硬度および/または糖度の変化を指す。果実は、本発明の包接複合体への曝露中に完熟に達しないかもしれないが、少なくとも部分的な熟成が確認できる程度に、熟成段階が誘発される。
本発明の第1の態様によれば、非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体が提供される。
非晶質シクロデキストリンはα−、β−またはγ−シクロデキストリン、あるいはそれらのアルキル化、ヒドロキシル化またはスルホン化誘導体であってもよい。α−、β−およびγ−シクロデキストリンは、それぞれ、その環状構造に6個、7個および8個の無水グルコース単位を有する天然のCDである。
好ましくは、非晶質シクロデキストリンは非晶質α−シクロデキストリンか、そのアルキル化、ヒドロキシル化またはスルホン化誘導体である。天然のα−CDは、α−1,4結合したD−グルコースの六員環オリゴマーであり、低い円錐台の形状を取るのものとして一般に説明される。α−CDは、直径約470〜530pmの最小のCDであり、疎水性のキャビティを提示する。
非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体内にカプセル化される気体分子は、非水素原子6個未満の小分子とすることができる。
好ましくは、気体分子はエチレン、メタン、エタン、プロパン、プロピレン、ブチレン、1−メチルシクロプロペン、二酸化炭素および亜酸化窒素のうちから選択される。
最も好ましくは、気体分子はエチレンである。
非晶質α−シクロデキストリンとカプセル化されたエチレンとの包接複合体は、図1の波形(b)に示すようなXRDデータによって特定され得る。図1は、(a)エチレンに曝露する前の純粋な非晶質α−CDの、(b)包接複合体としてエチレンをカプセル化した非晶質α−CD(1.0MPa、48時間)の、および(c)エチレンをカプセル化した湿潤化非晶質α−CD(0.2MPa、96時間)のXRD分析である。結晶構造は非晶質複合体よりもエチレンガスを強固に保持することから、非晶質複合体を結晶化するために複合体の湿潤化を行い、その後のエチレンガスの放出率の変化を評価した。非晶質α−シクロデキストリン自体、すなわちエチレンをカプセル化していないものは、図10に示すようなXRDデータによって特定され得る。
非晶質α−シクロデキストリンとカプセル化されたエチレンとの包接複合体は、α−シクロデキストリン1モル当たり、少なくとも0.1、0.3、0.5または0.7モルのエチレンを含むことができる。好ましくは、包接複合体は、α−シクロデキストリン1モル当たり少なくとも0.8、より好ましくは少なくとも0.85、さらに好ましくは少なくとも0.90、より一層好ましくは少なくとも0.95モルのエチレンを含む。本発明の1つの利点は、粉末状の固体α−CDを加圧下でエチレンに単純に曝露することにより、1:1の比(エチレンのモル数:α−CDのモル数)に近い包接複合体を形成できることである。
図2は(a)結晶性α−CDの、および(b)エチレンへの1.0MPa、48時間の曝露後に形成されたエチレン−結晶性α−CD包接複合体のXRD分析である。この図は、文献に記載されているような液体カプセル化工程により形成された時の包接複合体の結晶構造を裏付けている。図1および2のXRD波形の違いは、使用したα−CDの非晶質形態と結晶形態との構造の違いを示す。
図3〜5も、純粋な状態およびエチレン包接複合体の状態の両方において非晶質α−CDを特徴付け、結晶性α−CDから区別するのに役立つ。図3はα−CD水溶液の噴霧乾燥後に得られる非晶質α−CDを示し、図4は乾燥状態でエチレンと接触させ包接複合体を形成させた後の同じ非晶質α−CDを示す。図5のAおよびAの画像は純粋な結晶性α−CDを示し、BおよびBの画像は、溶液中で形成され包接複合体結晶として沈殿した、そのエチレンとの包接複合体を示す。図5のこれらの画像における違い、ならびに図3および4のそれらの違いは顕著であり、したがって、この複合体で使用したシクロデキストリンの非晶質形態が、結晶形態とは構造的に大きく異なることを裏付けている。
非晶質α−CDとカプセル化されたエチレンとの包接複合体は、図6に示すようなNMRによっても特徴付けられる。上側の波形には特徴的なエチレンピークの存在が明らかに見て取れ、これは包接の成功を示す。非晶質α−CD内のエチレンの存在は、包接複合体の一部を容器に入れて封止することによっても(図11に示すように)実証および定量可能である。非晶質α−CDは最終的にはそのエチレンを放出するが、これは、バイアル内に複合体を溶解するのに十分な量の水があることによって、迅速であること、および完了に向かって促進されることが好ましい。バイアルのヘッドスペースは、カプセル化されていたエチレンの全てを含有することになり、これはガスクロマトグラフィー分析を用いてサンプリングされ、エチレン標準と比較され得る。これにより、包接複合体に含まれていたエチレンの量が数値化される。
非晶質α−CD、および、エチレンならびに二酸化炭素をカプセル化して形成された非晶質α−CD包接複合体の両方についての更なる特性化データは、実験の部に提供されている。
本願で実証された実施形態はα−CDに関するものであるが、他のシクロデキストリンも使用できることが理解されよう。種々のシクロデキストリン誘導体が本分野で知られており、市販されている。本願での使用に適したシクロデキストリンの誘導体は、アルキル誘導体、アルコキシ誘導体、ヒドロキシアルキル誘導体、スルホン化誘導体およびヘテロアルキル誘導体を含み得る。誘導体化は、シクロデキストリンの遊離のヒドロキシル基のうちの1つにおける反応によってもよい。
本発明の第2の態様によれば、非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体を製造する方法であって、
(a)シクロデキストリンまたはその誘導体の溶液を提供する工程;
(b)シクロデキストリンまたはその誘導体の溶液から溶媒を能動的に除去し、固体の非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体の粉末を形成する工程;および
(c)固体の非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体の粉末を、気体分子に曝露する工程
を含み、それにより非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体を製造する方法が提供される。
適切なシクロデキストリンおよび気体分子は、第1の態様において既述したようなものである。特に、固体の乾燥非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体はα−シクロデキストリンであり、カプセル化された気体分子はエチレンであることが好ましい。
溶媒は、極性溶液、半極性溶液またはイオン溶液であってもよい。
好ましくは、シクロデキストリンの溶液は水溶液である。より好ましくは、溶媒は水である。水は、塩化カルシウム等の潮解性の塩を含むイオン性塩を含んでもよい。
溶媒を能動的に除去する工程は、溶媒を蒸発させる工程、α−シクロデキストリンの溶液を噴霧乾燥させる工程、およびα−シクロデキストリンの溶液を凍結乾燥させる工程のうちの少なくともいずれかを含むことができる。溶媒は減圧下で除去してもよい。減圧下で溶媒を除去するには、ロータリーエバポレーターまたは同様の装置が適切である。これに代えて、加熱雰囲気での溶媒の単純な蒸発でも十分な場合がある。
α−シクロデキストリンの溶液を噴霧乾燥させる工程は、α−シクロデキストリンの溶液を噴霧器に供給して溶液を液滴状に霧化する工程を含んでもよい。
α−シクロデキストリンの溶液を噴霧乾燥させる工程は、霧化された可溶化α−シクロデキストリンの液滴を乾燥ガスに曝露することにより乾燥させる工程をさらに含んでもよい。
噴霧乾燥は、溶媒を急速に除去して所望の非晶質α−シクロデキストリンを得るための迅速かつ効率的な方法であり、好ましい工程である。当業者には、溶媒を急速に除去する他の手段を利用可能であり、適切な代替手段となり得ることが理解されよう。
乾燥ガスの温度は、使用する溶媒の性質に応じて変動し得る。溶媒を急速に蒸発させるのに十分な温度である限り、その温度は有効である。適切には、乾燥ガスは200℃〜150℃の入口温度および60℃〜90℃の出口温度に加熱される。好ましくは、入口温度は約180℃であり、出口温度は約80℃である。
好ましくは、非晶質シクロデキストリンは気体分子への曝露前は実質的に乾燥している。
非晶質シクロデキストリン粉末は、閉鎖された気密環境において気体分子に曝露されてもよい。
非晶質シクロデキストリン粉末は、加圧下で気体分子に曝露されてもよい。この方法のための適切な容器が図7に示されている。
適切には、非晶質シクロデキストリン粉末は約0.1MPa以上約5MPa未満、好ましくは約0.5MPa〜約3MPa、より好ましくは約1.0MPa〜約2.0MPaの圧力で気体分子に曝露される。
一実施形態において、非晶質シクロデキストリン粉末は、1時間〜120時間、好ましくは約5時間〜約96時間、より好ましくは約12時間〜約72時間、さらに好ましくは約24時間〜約54時間にわたり気体分子に曝露される。
一実施形態において、第2の態様の方法は、上記工程(a)、(b)および(c)を含み、さらに非晶質α−シクロデキストリンを水分と接触させて結晶形態に変換させる工程を含む、非晶質α−シクロデキストリンおよび結晶性α−シクロデキストリン、またはそれらの誘導体とカプセル化されたエチレンとの包接複合体の混合物を製造する方法であってもよい。
このような混合型包接複合体組成物には多くの利点がある。実験の部に示されるように、エチレンをカプセル化した非晶質α−シクロデキストリンは、大部分のエチレンを包接複合体内に維持したまま、少なくともある程度、結晶形態に変換可能であることが判明した。これは、驚くほど安定な複合体を生成することが分かった。これにより、いつでも使用できる密閉容器内でエチレンを包接複合体内に維持することができる。
非晶質α−シクロデキストリンの無秩序な構造のために、これは特徴的な利点をもたらし得る比較的急速な放出剤形である。しかしながら、短期放出および長期放出の両方を提供するためには、エチレンをカプセル化した非晶質α−シクロデキストリンを水分と単純に接触させれば、その複合体の一部を結晶形態に変換させることができ、それによって直ちに包接複合体の持続放出剤形が提供されることが本願で示された。
本発明の第3の態様は、第2の態様の方法によって製造された非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体に属する。
包接複合体は、第1の態様において既述したとおりである。
好ましくは、非晶質シクロデキストリンはα−シクロデキストリンであり、カプセル化された気体分子はエチレンである。
包接複合体は、エチレンをカプセル化した非晶質α−シクロデキストリン/結晶性α−シクロデキストリンの両方の混合物であってもよく、ここで、結晶性α−シクロデキストリンは非晶質α−シクロデキストリンを水分と接触させることにより生成される。
好ましくは、非晶質α−シクロデキストリンを水分と接触させ、包接複合体混合物はその後の使用のために密閉容器内に配置される。
本発明の第4の態様によれば、第1または第3の態様の非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体を有効量で含む果実熟成用組成物が提供される。
果実熟成用組成物は、所定量の結晶性シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体をさらに含んでもよい。
好ましい実施形態において、結晶性シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体は、エチレンをカプセル化した結晶性α−シクロデキストリンの包接複合体である。非晶質シクロデキストリン包接複合体は、第1の態様において既述したようなものである。
好ましくは、非晶質包接複合体と結晶性包接複合体との比率は、約1:9から9:1の間である。
結晶性シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体は、結晶性シクロデキストリンを可溶化し、その溶液を加圧下で気体分子に曝露することにより、結晶性シクロデキストリンとカプセル化された気体分子との包接複合体の沈殿を生じさせることで形成することができる。
しかしながら、好ましい実施形態では、結晶性α−シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化されたエチレンとの包接複合体は、第1または第3の態様の非晶質α−シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化されたエチレンとの包接複合体を水分に曝露して結晶形態に変換させることにより形成される。
変換は、第2および第3の態様に関して既述したとおりである。
好ましくはα−CD内のエチレンであるこの結晶性および非晶質包接複合体の混合型組成物は、果実の熟成時の使用において利点をもたらす。非晶質α−CD包接複合体は有利なことに、結晶性同等物と比較してエチレンを急速に放出する。これは、果実の熟成を開始するのに必要な約10ppmの大気濃度を迅速に達成するのに有効である。しかしながら、長期間にわたってこのレベルを維持するために、そして非晶質α−CD包接複合体を含有する制御式放出装置からのエチレンの制御された放出の代替手段または追加手段として、非晶質包接複合体からのエチレン放出が減少していく時にエチレンの放出を開始する所定量の結晶形態を含むことが有効な場合がある。これにより、迅速性と持続性とを併せ持つ放出組成物が得られる。
気体分子をカプセル化した非晶質シクロデキストリンは高収率で得ることができるが、既述したように、比較的急速な放出特性を有する。本願のアプローチによる高収率を生かしつつ、包接複合体の持続放出剤形を提供することも希望するのであれば、この変換方法は所望の柔軟性を提供する。非晶質シクロデキストリンはエチレン雰囲気下で一時的に溶液の中に入るものの、また、気体分子が何であれ、これはシクロデキストリンが溶液状態の時にエチレンをカプセル化する方法ではないことが理解されよう。このような方法は、比較的高い圧力および長い期間を必要とするが、これらは非晶質から結晶性への変換方法には必要とされない。
果実熟成用組成物は、所定量の潮解性の塩を含んでもよい。
潮解性の塩は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、炭酸カリウム、リン酸カリウム、クエン酸鉄アンモニウム、水酸化カリウム、および水酸化ナトリウムのうちから選択することができる。実験の部に示されるように、潮解性の塩は、包接複合体から放出される気体分子の総量を大幅に増大させ得る。したがって、これらの使用は複合体からの気体分子の放出率および合計放出量の制御に役立つ。
果実熟成用組成物は、所定量の水分をさらに含んでもよい。水分の量は、組成物中の包接複合体の重量の5〜50%としてもよい。一実施形態において、水分の量は10〜40%、15〜30%または約20%である。所定量の水分を導入することは、非晶質α−CD包接複合体からエチレンをより急速に放出させるのに有効となり得る。
本発明の第5の態様は、有効量の第1または第3の態様の非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体、または第4の態様の果実熟成用組成物に果実を曝露する工程を含む果実の熟成方法に属する。
好ましくは、非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体または果実熟成用組成物に果実を曝露する工程は、果実が輸送されている間に生じる。
上記曝露は、制御式放出装置を介して行われてもよい。
非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体または果実熟成用組成物への果実の曝露は、果実の熟成をもたらすために包接複合体を可溶化または部分的に溶解してカプセル化された気体分子を放出することを必要としない。
非晶質シクロデキストリンとカプセル化された気体分子との包接複合体または果実熟成用組成物への果実の曝露は、約10〜20℃の範囲の温度で行われてもよい。
非晶質シクロデキストリンとカプセル化された気体分子との包接複合体は、非常に好ましい実施形態において、非晶質α−シクロデキストリンとカプセル化されたエチレンとの包接複合体である。上述したような他のシクロデキストリンおよび気体ゲスト分子が適切な場合もある。
この方法は、包接複合体の水分含量を、組成物中の包接複合体の重量の5〜50%に制御する工程をさらに含んでもよい。一実施形態において、水分の量は10〜40%、15〜30%または約20%に制御される。
この方法は、包接複合体に潮解性の塩を導入して気体分子の全体的放出を高める工程をさらに含んでもよい。
この態様は、専用の熟成室での追加の貯蔵期間を要することなく、果実を輸送中に迅速に熟成させる有効な手段を提供する。したがって、果実が売り出せる状態になるまでにかかる時間が短縮され、熟成費用も大幅に抑えられる。
本発明の第6の態様は、制御式放出装置であって、
(a)非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体を入れるのに適したキャビティを画定する容器本体;および
(b)前記キャビティから気体分子を放出するための放出開口
を含む装置に属する。
一実施形態において、放出開口は、手動で外される密封用部品または圧力逃がし弁によって開閉されてもよい。
容器本体は、気密性の軟質袋であってもよい。
手動で外される密封用部品は、周囲大気への包接複合体の曝露をもたらす蓋または同様の部品としてもよい。別法として、容器に破断可能なシール、または容易に裂けて容器本体を開口させる部分を設けてもよい。
適切には、手動で外される密封用部品または圧力逃がし弁は、キャビティ内のエチレン圧力が大気圧を超えた時に開口して、キャビティから外部環境までの流路を提供する。
図8は、本発明の包接複合体とともに使用するのに適した制御式放出装置10の一実施形態の図であり、図9は図8の制御式放出装置の斜視図であり、キャップが外されたところを示す。制御式放出装置10は、外周範囲に沿って気密封止部12を設けた軟質箔製の袋11の形態の容器本体を有する。より硬質形態の容器も適切であると考えられ、環境によっては有利かもしれない。袋11は切り落とし部13を有し、ここからガス出口14が延出する。ガス出口14は蓋15で閉じられる。図9は、ガス出口14が蓋15を受けるためにねじ切り加工されていること、また、これに放出開口16が設けられていることを示す。放出開口16は袋11の内側キャビティとつながっているため、本発明の包接複合体がこの袋に包含されている時、放出されたエチレンは放出開口16から漏れ出て、熟成対象の果実と接触することができる。蓋15が取り外された後にのみエチレン放出が生じるように、蓋15はガス出口14とともに気密封止を形成することができる。別法として、放出開口16は最初は箔で覆われており、穴を開けることでエチレン放出が生じるようにしてもよい。これは、放出が誤発生しないようにするのに役立つ。
本発明の第7の態様は、
(a)制御式放出装置;および
(b)制御式放出装置内に配置された非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体
を含む果実熟成システムに属する。
制御式放出装置は第6の態様において既述したようなものであり、包接複合体は第1または第3の態様のものであるか、あるいは第4の態様の果実熟成用組成物である。
第8の態様において、本発明は、非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体との包接複合体内に気体分子を維持するための制御式放出装置の使用に及ぶ。
気体分子は、圧力制御、または、包接複合体内と気相との成分のモル比の制御に基づいて包接複合体内に維持されてもよい。
実験の部
〔材料〕
結晶性α−シクロデキストリン(純度99%)を塩水港精糖株式会社(コンソーシアム・フュア・エレクトロヒーミッシェ・インダストリー・ゲーエムベーハー(Consortium fuer Elektrochemische Industrie GmbH)、独国ミュンヘン、またはワッカー・バイオケムグループ(Wacker Biochem Group)から入手可能)から入手した。エチレンはBOC(BOC、オーストラリア)からガスボンベで提供された。すべての溶媒、化学物質は分析グレードのものであった。
〔噴霧乾燥による非晶質α−シクロデキストリンの調製〕
第1の製造(バッチ1)では、市販の結晶性α−CD粉末をMilli−Q脱イオン水に溶解してα−CDの溶液(7% w/w)を調製した。この溶液を、ビュッヒミニスプレードライヤー(Buechi Mini Spray Drier)B−290(ビュッヒ・ラボテクニック・アクチェンゲゼルシャフト(Buechi Labortechnik AG)、私書箱(Postfach)、スイス)を用いて、170℃/70℃の入口/出口空気温度で乾燥させた。噴霧乾燥させた非晶質α−CD粉末が得られ、これを後の使用のために、デシケータ内で乾燥剤としての五酸化二リンとともに保管した。この試料を用いて図1のXRDを生成した。
第2の製造(バッチ2)では、結晶性α−CD粉末をMilli−Q脱イオン水に溶解して10リットルの飽和α−CD溶液(10% w/w、25℃)を最初に調製した。噴霧乾燥器の入口空気温度を約180℃に調整し、熱/送風機のスイッチを入れた。その後、入口空気速度送風機をゆっくりとレベル4に合わせた。噴霧器圧縮空気入口は0.4MPa(4bar)に設定した。サイクロンの出口で出口温度が約70℃に達したとき、噴霧器への圧縮空気の供給のスイッチを入れ、ポンプでゆっくりと水を噴霧器内へ送り始めた。入口温度および出口温度をその後180/80℃ T入口/T出口に設定した。調製した10リットルの飽和α−CD溶液(10% w/w、25℃)を導入した。乾燥の完了後、粉末をサイクロンから回収した。このように形成されたバッチ2α−CDのXRDを図10として示す。
〔非晶質α−シクロデキストリン内へのエチレンのカプセル化〕
次に、バッチ1の乾燥非晶質α−CD粉末を容器に移し、容器を密閉してから、制御された圧力下でエチレンガスを導入した。図7は、非晶質α−CDをエチレンに曝露するのに適切な実験装置の構成を示す。図11では、同様の装置が、圧力変化に基づき容器のヘッドスペースへのエチレンの放出を測定するセンサとともに使用されている。表1は、非晶質α−CD内に導入されたエチレンの量をモル/モルで示す。
比較のため、乾燥市販結晶性α−CDについて同じカプセル化実験を行った。結果を表2に示す。
バッチ2の乾燥非晶質α−CD粉末を、直径41.5mm、深さ107.5mmの多層プラスチック容器に加えた。続いてこの容器を圧力容器のチャンバー(直径52mm、深さ220mm)に入れた。エチレンガスを設定圧力で所定時間、圧力容器内に流し込んだ。特に、バッチ1実験がこの圧力で成功したことから、粉末をエチレンに1.5MPaで最大48時間曝露した。
最適なカプセル化を達成するためのエチレン曝露に必要な時間を決定するために、曝露されたα−CD粉末の試料を1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間および48時間(25℃)で取った。非晶質α−CD粉末内のエチレンを、α−CD粉末を水に溶解することによるヘッドスペース分析を用いたガスクロマトグラフィー(GC)によって定量した。2ミリグラムの粉末を量り取り、16.5mLの気密ネジ蓋式アンバーバイアル(スペルコ社(Supelco)、米国ベルフォント)に移し、3mm厚さのPTFE/シリコーン隔膜(CRS社、米国ルイビル)をはめ込んだ。1ミリリットルの蒸留水をバイアルに加えた。蓋がしっかりと密閉されるまで、バイアル内のα−CD試料から水が隔てられている状態を維持した。その後、IKA KS 130ベーシックシェーカー(IKA社、独国シュタウフェン)上で、720rpmで5分間バイアルを穏やかに振とうし、α−CD粉末を完全に溶解させた。その後、ヘッドスペースをGC解析のためにサンプリングした。サンプリングされたエチレンのピーク面積を記録し、エチレン標準(BOC社、オーストラリア ニュウーサウスウェールズ州)に基づいてエチレン濃度に変換した。
包接複合体におけるエチレンのα−CDへの包接率は、湿潤基準で計算され、α−CDに対するカプセル化されたエチレンの比率として表される。包接複合体中のエチレンは、ヘッドスペース内のエチレンおよび水に溶解したエチレンを含んだ。水に溶解したエチレンは、ヘンリーの法則による理論値に基づき推定した。
実際のエチレン分析について、GC(Shimadzu 17A、日本 東京)に、Porapak N(100〜120メッシュ)(ウォーター社(Water)、マサチューセッツ州ミルフォード)を充填したステンレス鋼カラム(3m×1.2mm)を装着した。これを、40mL/分のヘリウムをキャリアガスとして、オーブン温度90℃、検出器(FID)温度150℃、注入キャップ1温度105℃で作動させた。500マイクロリットルのヘッドスペースガスをガスタイトシリンジ(SGE株式会社、オーストラリア リングウッド)を用いて手作業で取り出し、GCに注入した。エチレン標準(BOC社、オーストラリア)およびCLASS−GC10バージョン1.6ソフトウェア(島津製作所、日本 東京)に基づいてエチレンを定量した。この最適化実験の結果を下の表3に、グラフを図12に示す。
これらの実験は、示された条件下で、非晶質α−CD1モル当たり最大で0.876モル(バッチ1実験)および0.98モル(バッチ2)のエチレンをカプセル化できることを明確に示している。バッチ間の差は、最適化された工程条件によるバッチ2の生成物の質の向上によるものと考えられる。これらの結果は、包接複合体内の商業的に有益なレベルのエチレンを実証しており、このレベルは実際に1:1のエチレン対非晶質α−CDモル比に近く、包接複合体が比較的少量で存在する時に果実の熟成を誘発するのに間違いなく十分である。さらに、最大レベルに近いエチレン0.87モル/非晶質α−CD1モルをたった24時間で達成できる。
乾燥結晶性α−CDに関する結果は、有効量のエチレンをカプセル化するアプローチとしては不成功であることを示している。このために、シクロデキストリンへのカプセル化のこれまでの試みは、シクロデキストリンが溶液の状態の時に気体分子をカプセル化することに集中していた。したがって、従来の考え方は、固体状態にあるシクロデキストリンはゲスト分子をカプセル化するのに効率的ではないというものであった。よって、本解決手段によってエチレンガスの乾燥粉末非晶質α−CDへのカプセル化が成功したが、これが成功するアプローチであるとは合理的に予測できたものではないことが理解されよう。
本願で得られるエチレン1.0モル/非晶質α−CD1モルに近いレベルは、気体エチレンの曝露の対象となった非晶質α−CDの全体量を表すことが理解されよう。すなわち、エチレン約0.98モル/非晶質α−CD1モルを示す包接複合体の収率は、記載された条件下で実質的に100%である。
エチレンを負荷するために結晶性α−CD溶液を用いた他者のこれまでの試みでは、良好なカプセル化レベルが得られているが、もたらされる生成物の収率は低い。これは、依然として溶解しているα−CDを更なる実験に再使用するために追加の努力を必要とする。また、無駄な処理空間の観点から費用がかかる。この無駄な処理空間は、実用的な量の結晶性α−CDを溶解するのに使用しなければならない比較的大きい溶媒体積に起因する。例えば、10リットルの水には約1Kgの結晶性α−CDを溶解可能であると考えられ、恐らくそのうちのたった20〜30%が、その後、包接複合体沈殿生成物(200〜300g)として得られる。本発明のカプセル化方法は、エチレンの取り込みに固体乾燥粉末α−CDを利用するので、処理空間の利用は遥かに効率的である。
〔非晶質α−CDに対する水分の効果〕
非晶質α−CDを、効果的に結晶化して結晶形態を取らせる前に曝露することができる水分のレベルを確認するために、23℃で2週間にわたり閉じた容器内でバッチ2の非晶質α−CDを20%、30%および40%の水分含量まで湿潤させた。水分活性を追跡した結果を図13に示す。水分活性はアクアラブ(Aqualab)水分活性メーター(デカゴンデバイセズ社(Decagon Devices,Inc.)、米国プルマン)を用いて測定した。約0.5gの粉末試料をアクアラブに入れ、2分間の平衡化期間後にAを読み取った。図13には、20%の水分含量で、非晶質α−CDは、水分活性の観点では結晶性α−CDと同様に挙動することが示される。これは、この水分含量で結晶化することを裏付けている。図14〜16は、水分含量20%(図14)、30%(図15)および40%(図16)の非晶質α−CDのXRDである。これは、図10と共に、α−CDの非晶質形態と結晶形態との間の物理的な差を明確に示している。したがって、XRDパターンの違いは、α−CDが非晶質形態にあるか結晶形態にあるかの指標として用いることができる。
比較のために、非晶質α−CD出発材料(すなわち、エチレンがカプセル化されていない)の水分含量を測定した。結果は、水分含量が5.10%±0.78であり、水分活性が0.16であることを示した。非晶質α−CDの最終水分含量は、噴霧乾燥器の入口温度および出口温度を含む操作温度とともに変動し得ることは理解されよう。
エチレン−α−CD包接複合体からのエチレンガスの放出に対する相対湿度(RH)の効果も確認した。1.5MPaで48時間(25℃)のカプセル化から得られた非晶質α−CD粉末を使用した(上記バッチ2)。この実験において、RHは飽和塩化ナトリウム溶液、飽和塩化マグネシウム溶液、および飽和塩化リチウム溶液を用いてそれぞれ11.15%、32.73%、および75.32%に制御した。飽和塩溶液は、実験の実施前に調製し、18リットルプラスチック容器の中で少なくとも24時間平衡化した。ヘッドスペース分析を用いたガスクロマトグラフィー(GC)によって包接複合体内のエチレンを定量した。その後、1グラムの複合体を50×10mmプラスチック製ペトリ皿に量り取り、相対湿度の制御された18リットルのプラスチック容器に入れ、気密蓋をした。エチレンをカプセル化した包接複合体の試料を、25℃において、0時間、1時間、2時間、3時間、5時間、7時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、および120時間で取った。部屋の湿度は52±5%(25℃)であった。結果を表4に示すとともに、図17のグラフにも示す。
結果は、異なる相対湿度が非晶質エチレン−α−CD包接複合体からのエチレンの放出に大きく影響することを示す(p<0.05)。放出率比は、時間の経過とともに複合体から放出されたエチレンの相対量を表す。複合体からのエチレンの放出は、カプセル化された生成物の保存可能期間をより長い期間に決定するのにも重要であった。75.32%RHでは、エチレン放出比は12時間、72時間、および120時間の時間間隔で最高の放出を示し、次に32.73%RHおよび11.15%RHがそれぞれ続いた。したがって、高い相対湿度環境は非晶質複合体の水分取り込みを促進し、その結果エチレン放出比の上昇をもたらす。シクロデキストリンは吸湿性であり、水分に曝露されるとその水分を吸収する。高い相対湿度は水の吸着および溶解の促進をもたらし、これは包接複合体の崩壊の原因となり得る。
図17は、120時間の期間にわたるエチレンα−CD包接複合体からのエチレンガスの放出を示す。繰り返しになるが、エチレンの放出はRHに顕著に依存し、75.32%の値では32.73%RHおよび11.15%RHと比較して最も急速な放出であった。75.32%RHでのエチレン放出は5時間で平衡に達し、一方、32.73%RHおよび11.15%RHはそうなるまでにより長い時間がかかった。相対湿度75.32%での結果において、約72時間後に放出率比の僅かな減少がみられる。表4にも、75.32%RHでエチレン放出率比が5時間から120時間まで減少し、120時間で0.94の比であることが示された。5時間で、エチレン放出比は最高の放出率となり、その後、7時間で平衡に達し、そこから減少した。5時間目以降、システムの雰囲気中には更なるエチレンガスの放出がなかったため、すべてのエチレンガスが複合体から放出され、一定(0.97)になる(表4参照)と考えられた。72時間の0.97から120時間の0.94への減少は、針からガスを抜き出すときに生じた可能性がある僅かな漏れのせいかもしれない。したがって、ゴム製シールに形成された、ガスを抜き出している小孔もまた、その漏れの一因かもしれない。これらの結果は、エチレンの放出率が、周囲環境の相対湿度によって制御可能であることを強く示唆している。
〔非晶質結晶化α−CD包接複合体の再結晶化および乾燥〕
エチレンをカプセル化した非晶質α−CDの挙動をさらに理解するために、直前に記載したのと同様の実験を行い、閉じた環境でバッチ2のα−CD包接複合体を20%、25%または30%のいずれかの水分レベルまで湿潤させて、系を12時間平衡化した。上述したように、これは少なくともある程度の再結晶化をもたらすはずである。再結晶化材料はその後、40、45および50℃の3つの異なる温度で乾燥させ、試料中のエチレン濃度を測定した。結果を下の表5に列記する。また、図18は45℃の乾燥温度で得られた結果のグラフである。
結果は、非晶質α−CDエチレン包接複合体から再結晶化されたものである再結晶化複合体生成物が、大気圧で気体分子をより良好に保持し、したがって、大気圧で異なる大きさの包装容器内に容易に包装できることを示す。これらの結果は、この実験の最適な条件が水分20%、乾燥温度45℃であったことを示す。よって、再結晶化工程および乾燥工程中に、最大ガス濃度を保持するために記載された条件を最適化可能である。
20%に湿潤させた再結晶化試料を密閉容器中で8ヵ月間放置し、その後容器を開けてエチレンレベルを測定した。意外にもエチレンの濃度は変化していなかったことから、これは湿潤化/再結晶化包接複合体が非常に安定であることを示す。このことはまた、再結晶化材料が水分と接触した後で密閉容器の中に包装される限り、前の段落に概説した乾燥手順が実際には必要ないこと、すなわち任意選択であることを示す。さらに、20%湿潤化試料が依然として流動性の粉末であったことから、取扱いに適しているということも述べておく。乾燥工程を採用しない場合、湿潤化包接複合体と共にシリカゲル、クレイまたはゼオライトのような乾燥剤を密閉容器内に含めることが、安定化を更に助けるのに有利な場合がある。これらの結果は、エチレンとの非晶質/結晶性α−CD包接複合体の混合物を簡単に形成可能であり、これが顕著に優れた持続放出特性をもたらし、長期間保存でき、かつ既存の手段よりもエネルギーの消費が少ないことを示す。
〔非晶質α−CD包接複合体からのエチレンの圧力測定〕
デジタル圧力計を用いてエチレン−α−CD包接複合体(バッチ2)からのエチレンガスの圧力を測定した。40グラムの包接複合体を40mLガラス瓶に量り取った。気密蓋をし、圧力計ヘッドスペース分析を用いて圧力を定量した。包接複合体粉末は、瓶の中で120時間(5日間)(25℃)保持した。エチレンガス放出の圧力を、0時間、0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、3時間、5時間、7時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、および120時間の時間間隔で調べた。
図19は、圧力が0時間から12時間で劇的に上昇し、その後120時間に向かって次第に低下したことを示す。12時間の結果は1.53bar(0.153MPa)の最高圧力を示した。12時間から120時間まで圧力はやや減少し、120時間での圧力は0.74bar(0.074MPa)であった。図20は、図19に示される結果の0〜12時間の拡大図を示す。圧力は約7時間から12時間で平衡に達し、その後、圧力はある程度低下した。これは、圧力測定中の僅かな漏れ、および、自然に生じる放出過程の逆行、すなわち、非晶質α−CD内へのガスの逆転浸透を含む内部要因に起因した可能性がある。系内での非晶質α−CD複合体への自然に生じるガス浸透の逆転は、圧力がガスを複合体内へ押し戻すのに十分高いときに発生する。
1.53bar(0.153MPa)の圧力を用いて、ヘッドスペースに放出されたエチレンの百分率を計算した。この百分率は、ヘッドスペース内の割合が11.33%であったことを示し、これは非晶質α−CD複合体内部のエチレンガスが約90%であったことを示す。これにより、エチレンガスが徐々に放出され、圧力に反比例して増加することが示された。これらの結果は、非晶質包接複合体が制御放出/圧力制御製品パッケージの中に包装されている場合、エチレン放出の制御が可能であることを示す。
〔COをカプセル化した非晶質α−CDおよびその後の放出特性〕
エチレンを用いたバッチ2において上述した方法で、二酸化炭素を非晶質シクロデキストリンとともに15bar(1.5MPa)で48時間かけて複合体にした。この所定の条件において、複合体にされたCOの重量比率は1.35%(COの重量/複合体粉末の重量×100)であった。複合体粉末を、潮解性の塩(CaCl)の存在下または非存在下で、異なる湿度(23℃で33、75および98%の相対湿度)での放出特性について調査した。結果を図21および22に示す。
図21は、ガス放出率が湿度レベルの増加とともに上昇するという、エチレンについて既に示され考察された結果を反映しており、放出は初期に急上昇し、30〜40分後に放出率は漸減する。図22は、潮解性の塩の使用が非晶質α−CD包接複合体の可溶化を助け、放出ガスの総量を増大させることを示す。したがって、任意の放出組成物において、このような塩を採用することが有益かもしれない。
〔輸送中の果実の熟成のための非晶質α−CD包接複合体の使用〕
表1に特定される、エチレンをカプセル化した非晶質α−CD100gを、20トンの未熟なマンゴーを積んだ閉まっているトレーラーの中に配置した。容器は図7に示すようなものとした。マンゴーは、オーストラリア ノーザンテリトリーのキャサリンから南オーストラリア州アデレードまで4日間輸送された。100gの包接複合体は、積まれた20トンの未熟なマンゴーを熟成させるのに十分であり、これらのマンゴーは7日後には売り出せる状態になることが分かった。これは標準的な方法で熟成させたマンゴー、すなわち輸送後に熟成室での熟成を経たものよりも6日早い。
輸送中のエチレン濃度を測定し、図23に示す。ここで、(a)で示される線は発生源におけるエチレン濃度を、(b)はマンゴーコンテナの中心部のエチレン濃度を表す。この図から、24時間の期間内に、マンゴーの熟成を開始するのに必要な約10ppmの限界エチレン濃度に達したことが分かる。このレベルは少なくとも40時間まで維持され、そこから先はデータ記録装置が故障してしまった。
本願の包接複合体の熟成効果は、図24および25に見られる。図24は、包接複合体で処理されたマンゴーの期待される色の変化が、どのような供給源からのエチレンにも曝露されなかった対照マンゴーよりも早く生じたことを示す。図25は処理されたマンゴーの硬度における同様の早期の変化を反映しており、軟らかい熟成した状態への変化を示している。
したがって、本発明はエチレン等の気体分子をカプセル化した非晶質CDの新規な包接複合体を提供する。また、気体ゲスト分子を乾燥非晶質CD粉末に直接曝露することによる、そのような複合体を形成する新規な方法も提供される。この包接複合体の生成は、既存の方法と比較して迅速に生じ、非晶質CDのほぼすべてが包接複合体形態に変換される。これらの包接複合体は、果実、特に輸送中の果実の熟成に有利であることが示された。これらの使用は、加圧容器からエチレンを直接放出するよりも安全であるのに、急速な放出動態により、果実の近くでエチレンの果実熟成レベルを短期間で達成することが可能となる。更なる利点は、本発明の包接複合体は、エチレンを放出するのに高い温度や高湿度の雰囲気を必要としない点である。
本発明の様々な実施形態についての上記説明は、関連分野の当業者に説明する目的で提供されている。本発明を網羅するようにも、1つの開示された実施形態に限定するようにも意図されていない。上述したように、本発明の多数の代替例および変更例が、上記教示の分野の当業者には明らかであろう。したがって、いくつかの代替実施形態を具体的に説明したが、他の実施形態も明らかであるか、当業者によって比較的容易に開発されるであろう。よって、本明細書は、上述した発明の趣旨及び範囲に含まれる本発明の全ての代替例、変更例および変形例を含むように意図されている。

Claims (39)

  1. 非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体であって、気体分子がメタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、ブチレン、1−メチルシクロプロペン、二酸化炭素および亜酸化窒素のうちから選択される包接複合体
  2. 非晶質シクロデキストリンはα−、β−またはγ−シクロデキストリン、あるいはそれらのアルキル化、ヒドロキシル化またはスルホン化誘導体である、請求項1に記載の包接複合体。
  3. 非晶質シクロデキストリンは非晶質α−シクロデキストリンである、請求項1または2に記載の包接複合体。
  4. 気体分子はエチレンである、請求項に記載の包接複合体。
  5. α−シクロデキストリン1モル当たり少なくとも0.7モルのエチレンを含む、請求項に記載の包接複合体。
  6. α−シクロデキストリン1モル当たり少なくとも0.90モルのエチレンを含む、請求項に記載の包接複合体。
  7. 図1に示されるXRDデータによって特定される、請求項1に記載の包接複合体。
  8. 非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体を製造する方法であって、
    (a)シクロデキストリンまたはその誘導体の溶液を提供する工程;
    (b)シクロデキストリンの溶液から溶媒を能動的に除去し、固体の非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体の粉末を形成する工程;および
    (c)固体の非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体の粉末を、気体分子に曝露する工程
    を含み、それにより非晶質シクロデキストリンとカプセル化された気体分子との包接複合体を製造する方法。
  9. シクロデキストリンはα−、β−またはγ−シクロデキストリン、あるいはそれらのアルキル化、ヒドロキシル化またはスルホン化誘導体である、請求項に記載の方法。
  10. シクロデキストリンはα−シクロデキストリンである、請求項に記載の方法。
  11. 気体分子はメタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、ブチレン、1−メチルシクロプロペン、二酸化炭素および亜酸化窒素のうちから選択される、請求項10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 気体分子はエチレンである、請求項11に記載の方法。
  13. 溶媒を除去する工程は、溶媒を蒸発させる工程、溶液を凍結乾燥させる工程、およびシクロデキストリンの溶液を噴霧乾燥させる工程のうちの少なくともいずれかを含む、請求項に記載の方法。
  14. 溶液は、極性溶媒、半極性溶媒またはイオン性溶媒を用いて形成される、請求項13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 溶液は水溶液である、請求項に記載の方法。
  16. 非晶質シクロデキストリンは、気体分子への曝露前は乾燥している、請求項15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 非晶質シクロデキストリン粉末は、閉鎖された気密環境において気体分子に曝露される、請求項16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 非晶質シクロデキストリン粉末は大気圧を超える圧力で気体分子に曝露される、請求項17に記載の方法。
  19. 非晶質シクロデキストリン粉末は0.5MPa〜3MPaの圧力で気体分子に曝露される、請求項18に記載の方法。
  20. 非晶質シクロデキストリン粉末は1.0MPa〜2.0MPaの圧力で気体分子に曝露される、請求項19に記載の方法。
  21. 非晶質シクロデキストリン粉末は5時間〜96時間にわたり気体分子に曝露される、請求項20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 非晶質シクロデキストリン粉末は24時間〜54時間にわたり気体分子に曝露される、請求項21に記載の方法。
  23. 非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体を有効量で含む果実熟成用組成物であって、気体分子がメタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、ブチレン、1−メチルシクロプロペン、二酸化炭素および亜酸化窒素のうちから選択される果実熟成用組成物
  24. シクロデキストリンはα−、β−またはγ−シクロデキストリン、あるいはそれらのアルキル化、ヒドロキシル化またはスルホン化誘導体である、請求項23に記載の果実熟成用組成物。
  25. シクロデキストリンはα−シクロデキストリンである、請求項24に記載の果実熟成用組成物。
  26. 気体分子はエチレンである、請求項23〜25のいずれか一項に記載の果実熟成用組成物。
  27. 所定量の結晶性シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体を含む、請求項2326のいずれか一項に記載の果実熟成用組成物であって、気体分子がメタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、ブチレン、1−メチルシクロプロペン、二酸化炭素および亜酸化窒素のうちから選択される果実熟成用組成物
  28. 結晶性シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体は、エチレンをカプセル化した結晶性α−シクロデキストリンまたはその誘導体の包接複合体である、請求項27に記載の果実熟成用組成物。
  29. 所定量の潮解性の塩を含む、請求項2328のいずれか一項に記載の果実熟成用組成物。
  30. 潮解性の塩は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、炭酸カリウム、リン酸カリウム、クエン酸鉄アンモニウム、水酸化カリウム、および水酸化ナトリウムのうちから選択される、請求項29に記載の果実熟成用組成物。
  31. 有効量の請求項1〜のいずれか一項に記載の非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体、または請求項2330のいずれか一項に記載の果実熟成用組成物に果実を曝露する工程を含む果実の熟成方法。
  32. 包接複合体または組成物に果実を曝露する工程は、果実が輸送されている間に生じる、請求項31に記載の方法。
  33. 前記曝露は制御式放出装置を介して行われる、請求項31または32に記載の方法。
  34. 非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体または果実熟成用組成物への果実の曝露は、果実の熟成をもたらすために包接複合体を可溶化または部分的に溶解してカプセル化された気体分子を放出することを必要としない、請求項3133のいずれか一項に記載の方法。
  35. 非晶質シクロデキストリンとカプセル化された気体分子との包接複合体または果実熟成用組成物への果実の曝露は、10〜20℃の範囲の温度で行われる、請求項3134のいずれか一項に記載の方法。
  36. (a)制御式放出装置;
    (b)制御式放出装置内に配置された、請求項1〜のいずれか一項に記載の非晶質シクロデキストリンまたはその誘導体とカプセル化された気体分子との包接複合体
    を含む果実熟成システム。
  37. 制御式放出装置は、キャビティを画定する容器本体および前記キャビティから気体分子を放出するための放出開口を含む、請求項36に記載の果実熟成システム。
  38. 放出開口は、手動で外される密封用部品または自動式圧力逃がし弁によって開閉される、請求項36または37に記載の果実熟成システム。
  39. 容器本体は気密性の軟質袋である、請求項37に記載の果実熟成システム。
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