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JP6287276B2 - 更生タイヤ - Google Patents

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JP6287276B2
JP6287276B2 JP2014017811A JP2014017811A JP6287276B2 JP 6287276 B2 JP6287276 B2 JP 6287276B2 JP 2014017811 A JP2014017811 A JP 2014017811A JP 2014017811 A JP2014017811 A JP 2014017811A JP 6287276 B2 JP6287276 B2 JP 6287276B2
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Description

この発明は、更生タイヤに関し、さらに詳しくは、特に、小型トラック用の更生タイヤにおける耐偏摩耗性能を向上できる更生タイヤに関する。
従来は、トラック・バスなどに装着される重荷重用タイヤについて、更生が行われていたが、近年では、小型トラック用タイヤについても、更生が行われつつある。かかる小型トラック用の更生タイヤとして、特許文献1に記載される技術が知られている。
特開2009−040179号公報
また、小型トラック用タイヤは、例えば、空車状態にて走行する場合もあるため、タイヤの規格最大荷重で使用されることが少ない。このため、更生タイヤを車両の後輪かつ複輪に装着する使用条件下では、トレッド部センター領域が摩耗し易い傾向にある。
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、特に、小型トラック用タイヤにおける耐偏摩耗性能を向上できる更生タイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる更生タイヤは、トレッドと、台タイヤとを備える小型トラック用の更生タイヤであって、前記台タイヤが、カーカス層と、前記カーカス層のタイヤ径方向外側に配置されるベルト層とを有し、タイヤ赤道面からトレッド幅TWの35[%]の位置におけるトレッドプロファイルの落ち込み角度θが、1.0[deg]≦θ≦6.0[deg]の範囲にあり、トレッド幅TWとタイヤ総幅SWとが、0.73≦TW/SW≦0.80の範囲にあり、リム径の測定点からタイヤ最大幅位置までのタイヤ径方向の距離SDHと、タイヤ断面高さSHとが、0.52≦SDH/SH≦0.60の範囲にあり、且つ、タイヤ赤道面におけるトレッドゲージDccと、タイヤ赤道面からトレッド幅の35[%]の位置におけるトレッドゲージDtとが、0.70≦Dcc/Dt≦1.30の関係を有することを特徴とする。
この発明にかかる更生タイヤでは、トレッド部ショルダー領域におけるトレッドプロファイルの落ち込み角度θが小さく設定されることにより、空車時などの負荷率が低い使用条件下にも、トレッド部ショルダー領域の陸部が適正に接地し得る。これにより、トレッド部ショルダー領域の接地状態が適正に確保されて、トレッド部センター領域の偏摩耗が抑制される利点がある。
図1は、この発明の実施の形態にかかる更生タイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。 図2は、図1に記載した更生タイヤの作用を示す説明図である。 図3は、図1に記載した更生タイヤを示す拡大図である。 図4は、図1に記載した更生タイヤを示す拡大図である。 図5は、図1に記載した更生タイヤの変形例を示す説明図である。 図6は、この発明の実施の形態にかかる更生タイヤの性能試験の結果を示す図表である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
[更生タイヤ]
図1は、この発明の実施の形態にかかる更生タイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。同図は、タイヤ径方向の片側領域の断面図を示している。また、同図は、一例として、小型トラック用の更生タイヤを示している。
同図において、タイヤ子午線方向の断面とは、タイヤ回転軸(図示省略)を含む平面でタイヤを切断したときの断面をいう。また、符号CLは、タイヤ赤道面であり、タイヤ回転軸方向にかかるタイヤの中心点を通りタイヤ回転軸に垂直な平面をいう。また、符号Tは、トレッド端である。また、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向をいい、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向をいう。
更生タイヤ10は、残溝が寿命に達したタイヤのトレッドゴムを貼り替えて再利用されるタイヤであり、例えば、重荷重用タイヤ、小型トラック用タイヤなどに用いられる。
図1に示すように、更生タイヤ10は、トレッド20と、台タイヤ30とを備える。トレッド20は、トレッド部を構成するゴム部材であり、更生タイヤ10の製造時に新たに追加される。台タイヤ30は、残溝が寿命に達したタイヤのトレッドゴムの一部およびサイドウォールゴムの一部を切除し、その外周面をバフ処理して成形される。かかる更生タイヤ10は、後述するように、リモールド方式あるいはプレキュア方式により製造される。
また、更生タイヤ10は、一般的な構成要素として、一対のビードコア11、11と、一対のビードフィラー12、12と、カーカス層13と、複数のベルトプライ141〜143(図1では、一対の交差ベルト141、142およびベルトカバー143)を積層して成るベルト層14と、トレッド部を構成するトレッドゴム15と、左右のサイドウォール部を構成するサイドウォールゴム16、16と、左右のビード部を構成するリムクッションゴム17、17とを備える。これらの構成要素のうち、トレッドゴム15は、新たに追加されたトレッド20と、台タイヤ30の残留トレッド301とから成る。また、サイドウォールゴム16およびリムクッションゴム17は、台タイヤ30に含まれる。
また、図1の構成では、更生タイヤ10が、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝21、22と、これらの周方向主溝21、22に区画されて成る複数の陸部31、32とをトレッド面に備えている。また、これらの周方向主溝21、22および陸部31、32が、タイヤ赤道面CLを中心として左右対称に配置されている。
周方向主溝とは、摩耗末期を示すウェアインジケータを有する周方向溝であり、一般に、5.0[mm]以上の溝幅および7.5[mm]以上の溝深さを有する。溝幅は、トレッド踏面における溝幅の最大値として測定され、溝開口部に形成された切欠部や面取部を除外して測定される。また、溝深さは、トレッド踏面から溝底までの最大値として測定され、溝底に形成された部分的な凹凸部などを除外して測定される。
[リモールド方式による更生タイヤ]
リモールド方式により製造される更生タイヤ10では、トレッド20が、材料段階にて未加硫のゴムであり、製品段階にて更生タイヤ10のトレッド部を構成する。また、トレッド20が、例えば、ストリップ状の未加硫ゴム、板状の未加硫ゴムなどから構成され得る。
かかるリモールド方式による更生タイヤ10は、以下の工程により製造される(図示省略)。
まず、残溝が寿命に達したタイヤのトレッドゴムが切除され、その外周面にバフ処理が施されて、台タイヤ30が取得される。このバフ処理は、タイヤに内圧を付与した状態で行われる。
次に、トレッド20が、台タイヤ30の外周面に配置される。このとき、(a)ストリップ状の未加硫ゴムが台タイヤ30の外周面に螺旋状に巻き付けられて、トレッド20が形成されても良いし、(b)基礎となる板状のゴム部材が台タイヤ30の外周面に巻き付けられ、その外周にストリップ状の未加硫ゴムが螺旋状に巻き付けられて、トレッド20が形成されても良い。後者(b)の場合には、前者(a)の場合と比較して、トレッド20の設置工程に要する時間を短縮できる。
次に、加硫工程が行われる。この加硫工程では、トレッド20および台タイヤ30の組立体が、タイヤ成形金型を有するタイヤ加硫モールド(図示省略)に充填される。次に、トレッド20および台タイヤ30の組立体が加圧装置により径方向外方に拡張されて、トレッド20がタイヤ成形金型に押圧される。また、トレッド20および台タイヤ30の組立体が加熱されることにより、トレッド20が加硫されて、タイヤ成形金型の形状がトレッド20に転写される。その後に、加硫後のタイヤがタイヤ加硫モールドから取り出される。
[プレキュア方式による更生タイヤ]
一方、プレキュア方式により製造される更生タイヤ10では、トレッド20が、材料段階にて加硫済みのトレッドゴム(プレキュアトレッド)であり、更生タイヤ10のトレッド部を構成する。また、トレッド20が、板状構造あるいは環状構造を有し、その外周面に更生タイヤ10の新品時のトレッドパターンを予め有する。
かかるプレキュア方式による更生タイヤ10は、以下の工程により製造される(図示省略)。
まず、残溝が寿命に達したタイヤのトレッドゴムが切除され、その外周面にバフ処理が施されて、台タイヤ30が取得される。このバフ処理は、タイヤに内圧を付与した状態で行われる。
次に、クッションゴム(図示省略)が、台タイヤ30の外周面の全周に渡って貼り付けられる。クッションゴムは、材料段階にてシート状の未加硫ゴムである。その後に、トレッド20が、台タイヤ30の外周面に配置されてクッションゴムを介して台タイヤ30に接着される。
このとき、トレッド20が板状構造を有する場合には、トレッド20が台タイヤ30を一周して巻き付けられて、固定部材(図示省略)により両端部を仮止めして固定される。一方、トレッド20が環状構造を有する構成では、トレッド20が専用の拡縮径装置(図示省略)により拡径および縮径されて台タイヤ30の外周に嵌め合わされて配置される。
次に、加硫工程が行われる。この加硫工程では、トレッド20および台タイヤ30の組立体が加硫缶(図示省略)に収容されて、加硫缶内の空気が真空吸引され、その後に、加熱および加圧が行われて、クッションゴムが加硫される。その後に、加硫後のタイヤが加硫缶から取り出される。
[タイヤプロファイル]
従来は、トラック・バスなどに装着される重荷重用タイヤについて、更生が行われていたが、近年では、小型トラック用タイヤについても、更生が行われつつある。
一般的な更生タイヤは、車両の走行安全性を確保するために、車両の後輪かつ複輪の一方に装着することが推奨されている。また、かかるタイヤ装着方法は、通常、タイヤのカタログに記載されている。
また、小型トラック用タイヤは、例えば、空車状態にて走行する場合もあるため、タイヤの規格最大荷重で使用されることが少ない。このため、更生タイヤを車両の後輪かつ複輪に装着する使用条件下では、トレッド部センター領域が摩耗し易い傾向にある。
そこで、この更生タイヤ10は、特に、小型トラック用タイヤにおけるトレッド部センター領域の偏摩耗(いわゆるセンター摩耗)を抑制するために、以下の構成を採用している。
この更生タイヤ10では、図1において、トレッド幅TWと、タイヤ総幅SWとが、0.70≦TW/SW≦0.80の関係を有する。また、比TW/SWが、0.73≦TW/SW≦0.78の範囲にあることがより好ましい。
トレッド幅TWは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態としたときのタイヤのトレッド模様部分の両端の直線距離として測定される。
タイヤ総幅SWは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態としたときのサイドウォール間の(タイヤ側面の模様、文字などのすべての部分を含む)直線距離として測定される。
ここで、規定リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。ただし、JATMAにおいて、乗用車用タイヤの場合には、規定内圧が空気圧180[kPa]であり、規定荷重が最大負荷能力の88[%]である。
また、図1において、リム径の測定点Pからタイヤ最大幅位置Qまでのタイヤ径方向の距離SDHと、タイヤ断面高さSHとが、0.50≦SDH/SH≦0.60の関係を有する。また、比SDH/SHが、0.52≦SDH/SH≦0.58の範囲にあることがより好ましい。
タイヤ最大幅位置Qは、JATMA規定のタイヤ断面幅の最大幅位置をいう。なお、タイヤ断面幅は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態として測定される。
タイヤ断面高さSHは、タイヤ外径とリム径との差の1/2の距離であり、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態として測定される。
また、タイヤ赤道面CLからトレッド幅TWの35[%]の位置におけるトレッドプロファイルの落ち込み角度θ(後述する図3参照)が、1.0[deg]≦θ≦6.0[deg]の範囲にあることが好ましく、1.5[deg]≦θ≦4.5[deg]の範囲にある。
落ち込み角度θは、タイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態として次のように測定される。まず、タイヤ赤道面CLからトレッド幅TWの35[%]の位置におけるトレッドプロファイル上の点をとる。次に、このトレッド幅TWの35[%]の位置の点と、タイヤ赤道面CLとトレッドプロファイルとの交点を通る直線を引く。そして、この直線と、タイヤ赤道面CLとトレッドプロファイルとの交点を通りタイヤ幅方向に平行な直線とのなす角を、落ち込み角度として測定する。
図2は、図1に記載した更生タイヤの作用を示す説明図である。同図は、従来例および実施例Aの試験タイヤの評価結果を示している。
図2において、実接地幅は、次のように測定された。まず、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与する。次に、規定荷重を基準とした所定の比率の荷重をタイヤに付与する。タイヤを静止状態にて平板に対して垂直に置き、規定荷重を基準とした所定の比率の荷重をタイヤに付与する。そして、各荷重におけるタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大直線距離が、実接地幅として測定される。
この更生タイヤ10では、比TW/SWおよび比SDH/SHが適正化され、また、トレッド部ショルダー領域におけるトレッドプロファイルの落ち込み角度θが小さく設定されることにより、タイヤ赤道面CLからショルダー部に至るプロファイルがフラットとなる。すると、負荷率(荷重)が低い使用条件下にも、トレッド部ショルダー領域の陸部が適正に接地し得る。これにより、トレッド部ショルダー領域の接地状態が適正に確保されて、トレッド部センター領域の偏摩耗が抑制される。
なお、この更生タイヤ10では、すべての周方向主溝21、22が、タイヤ赤道面CLからトレッド幅TWの32[%]以上38[%]以下の距離にある領域から外れた位置に配置されることが好ましい(図1参照)。かかる構成では、すべての周方向主溝21、22がタイヤ接地端付近から外れた位置に配置されるので、コーナリング時におけるタイヤ接地端付近の剛性が確保される。これにより、ステアリング性能が向上し、より低い舵角でコーナリング力が得られる。
[カーカス層およびベルト層]
この更生タイヤ10は、上記のように、カーカス層13と、カーカス層13のタイヤ径方向外側に配置されるベルト層14とを備える(図1および図3参照)。
例えば、図1に示す小型トラック用の更生タイヤ10では、カーカス層13およびベルト層14が、台タイヤ30に含まれている。また、カーカス層13が、左右一対のビードコア11、11間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成している。また、カーカス層13の両端部が、ビードコア11およびビードフィラー12を包み込むようにタイヤ幅方向外側に巻き返されて係止されている。また、カーカス層13が、スチールあるいは有機繊維材(例えば、アラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなど)から成る複数のカーカスコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で80[deg]以上95[deg]以下のカーカス角度(タイヤ周方向に対するカーカスコードの繊維方向の傾斜角)を有している。
また、ベルト層14が、一対の交差ベルト141、142と、ベルトカバー143とを積層して成り、カーカス層13の外周に掛け廻されて配置されている。
また、一対の交差ベルト141、142が、スチールあるいは有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で10[deg]以上55[deg]以下のベルト角度を有している。また、一対の交差ベルト141、142が、相互に異符号のベルト角度(タイヤ周方向に対するベルトコードの繊維方向の傾斜角)を有し、ベルトコードの繊維方向を相互に交差させて積層されている(クロスプライ構造)。なお、3枚以上の交差ベルトが積層されて配置されても良い(図示省略)。
また、ベルトカバー143が、コートゴムで被覆されたスチールあるいは有機繊維材から成る複数のコードを圧延加工して構成されている。また、ベルトカバー143が、絶対値で0[deg]以上10[deg]以下のベルト角度を有することが好ましく、0[deg]以上5[deg]以下のベルト角度を有することがより好ましい。また、ベルトカバー143が、交差ベルト141、142のタイヤ径方向外側に積層されて配置されている。
また、図1の構成において、幅広な交差ベルト141のベルト幅Wbと、カーカス層13のカーカス断面幅Waとが、0.65≦Wb/Wa≦0.90の関係を有することが好ましく、0.68≦Wb/Wa≦0.80の関係を有することがより好ましい。これにより、比Wb/Waが適正化されて、タイヤの乗心地性が向上する。
カーカス断面幅Waは、カーカス層13の左右の最大幅位置のタイヤ幅方向の距離であり、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態として測定される。
ベルト幅Wbは、タイヤ子午線方向の断面視におけるタイヤ幅方向の最も外側にあるベルトコードのタイヤ幅方向の距離であり、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態として測定される。
また、幅広な交差ベルト141のベルト幅Wbと、トレッド幅TWとが、0.70≦Wb/TW≦1.00の範囲にあることが好ましい。
[トレッドプロファイル]
図3は、図1に記載した更生タイヤを示す拡大図である。同図は、更生タイヤ10のトレッド部の拡大断面図を示している。
図3において、トレッド幅TWの測定点(トレッド端)Tにおけるトレッドプロファイルの落ち込み量d1と、タイヤ赤道面CLからトレッド幅TWの35[%]の位置におけるトレッドプロファイルの落ち込み量d2とが、0.2≦d2/d1≦0.8の関係を有することが好ましく、0.3≦d2/d1≦0.6の関係を有することがより好ましい。これにより、比d2/d1が適正化されて、空車時などの負荷率が低い使用条件下におけるトレッド部の接地幅が適正に確保される。
落ち込み量d1、d2は、タイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態として測定される。また、トレッド幅TWの測定点Tにおける落ち込み量d1は、トレッド幅TWの測定点Tと、タイヤ赤道面CLを通りタイヤ幅方向に平行な直線との距離として測定される。また、トレッド幅TWの35[%]の位置における落ち込み量d2は、タイヤ赤道面CLからトレッド幅TWの35[%]の位置におけるトレッドプロファイル上の点と、タイヤ赤道面CLとトレッドプロファイルとの交点を通りタイヤ幅方向に平行な直線との距離として測定される。
[ベルトカバー]
また、この更生タイヤ10では、単一あるいは複数のベルトカバー143が、少なくともタイヤ赤道面CLに交差する位置と、一対の交差ベルト141、142のタイヤ幅方向外側の端部とを覆って配置されることが好ましい。
かかる構成では、ベルトカバー143が、タイヤ赤道面CLに交差する位置を覆うことにより、トレッド部センター領域の径成長が抑制されて、タイヤ赤道面CLからショルダー部に至るプロファイルがフラットとなる。これにより、トレッド部ショルダー領域の接地状態が適正に確保されて、トレッド部センター領域の偏摩耗が抑制される。
また、図3において、ベルトカバー143が、少なくともタイヤ赤道面CLからトレッド幅TWの25[%]の位置までの領域を連続的に覆って配置されることが好ましく、タイヤ赤道面CLからトレッド幅TWの35[%]の位置までの領域を連続的に覆って配置されることがより好ましい。かかる構成では、トレッド部センター領域における径成長が抑制されるので、トレッド部ショルダー領域の接地状態が適正に確保されて、トレッド部センター領域の偏摩耗が抑制される利点がある。
また、図3において、積層された複数のベルトカバー143、144が、タイヤ赤道面CLからトレッド幅TWの25[%]の位置よりもタイヤ幅方向外側の領域に配置されることが好ましい。これにより、トレッド部ショルダー領域の剛性が補強されて、トレッド部ショルダー領域の偏摩耗が抑制される。なお、タイヤが車両の複輪に装着される使用条件下では、車両の特性上、複輪のうち車幅方向内側の車輪に装着されたタイヤの左右のショルダー領域に偏摩耗が生じ易い傾向にある。
また、図1において、ベルトカバー143のタイヤ幅方向外側にある左右の端部間の距離Wcと、トレッド幅TWとが、0.75≦Wc/TW≦1.00の関係を有することが好ましく、0.80≦Wc/TW≦0.90の関係を有することがより好ましい。これにより、ベルト分担率の上昇に伴う交差ベルト141、142の端部の変位量を効果的に低減できる。
距離Wcは、タイヤ子午線方向の断面視におけるタイヤ幅方向の最も外側にあるベルトコードのタイヤ幅方向の距離であり、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に無負荷状態として測定される。また、ベルトカバー143がタイヤ幅方向に分割された構造を有する構成(図示省略)では、最もタイヤ幅方向外側にあるベルトカバーの左右の端部を基準として、距離Wcが測定される。
また、ベルトカバー143のエンド数が、40[本/50mm]以上60[本/50mm]以下の範囲にあることが好ましい。また、ベルトカバー143を構成する糸の太さが、1100[dtex]以上1500[dtex]以下の範囲にあることが好ましい。これらにより、ベルトカバー143の構造が適正化される。
例えば、図1の構成では、単層のベルトカバー143が、いわゆるフルカバー構造を有し、タイヤ幅方向に連続的に延在してベルト層14の全域を覆って配置されている。また、ベルトカバー143が、幅広な交差ベルト141の端部まで延在することにより、一対の交差ベルト141、142の端部を同時に覆っている。また、図3に示すように、付加的なベルトカバー144が、上記のベルトカバー143のタイヤ径方向外側に積層されている。この付加的なベルトカバー144は、一対の交差ベルト141、142の左右の端部を覆う位置に部分的に配置されて、いわゆるエッジカバーとして機能する。このため、交差ベルト141、142の左右の端部には、複数層のベルトカバー143、144がそれぞれ配置されて、ベルトカバーの積層枚数がタイヤ赤道面CLに交差する位置よりも多くなっている。これにより、交差ベルト141、142の端部に対する拘束力が高められている。
しかし、これに限らず、フルカバー構造を有する複数のベルトカバー143が、積層されてベルト層14の全域を覆って配置されても良い(図示省略)。したがって、ベルトカバー143が、多層構造を有しても良い。また、ベルトカバー143のタイヤ径方向外側に、さらにベルトプライが配置されても良い(図示省略)。したがって、ベルトカバー143が、ベルト層14の最外層に配置されていなくとも良い。
また、複数のベルトカバーが、タイヤ赤道面CLに交差する位置と、一対の交差ベルト141、142のタイヤ幅方向外側の端部を覆う位置とにそれぞれ部分的に配置されても良い(図示省略)。このとき、各位置に配置されたベルトカバーが、相互にラップして配置されても良いし、相互に離間して配置されても良い。また、タイヤ赤道面CLに配置されたベルトカバーが、幅広な交差ベルト141のベルト幅Wb(図1参照)の5[%]以上の領域を覆うベルト幅を有することが好ましい。また、一対の交差ベルト141、142の端部に配置されたベルトカバーが、幅広な交差ベルト141のベルト幅Wbの10[%]以上の領域を覆うベルト幅を有することが好ましい。
[トレッドゴムのゲージ]
また、図3において、タイヤ赤道面CLにおけるトレッドゲージDccと、タイヤ赤道面CLからトレッド幅TWの35[%]の位置におけるトレッドゲージDtとが、0.70≦Dcc/Dt≦1.30の関係を有することが好ましい。これにより、トレッド部センター領域のトレッドゲージDccとトレッド部ショルダー領域のトレッドゲージDtとが均一化される。
トレッドゲージDccは、タイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤ赤道面CLとトレッドプロファイルとの交点と、ベルト層14の最もタイヤ径方向外側にあるベルトプライ(図3では、ベルトカバー143)のベルトコード面との距離として測定される。ベルトコード面は、ベルトプライを構成する複数のベルトコードのタイヤ径方向外側の端部を含む面として定義される。
トレッドゲージDtは、タイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤ赤道面CLからトレッド幅の35[%]の位置にある点と、ベルト層14の最もタイヤ径方向外側にあるベルトプライ(図3では、ベルトカバー143)のベルトコード面との距離として測定される。
また、図3において、タイヤ赤道面CLにおけるトレッドゲージDccと、ベルトカバー143のタイヤ幅方向外側の端部からトレッド端TまでのトレッドゲージDshとが、1.00≦Dsh/Dcc≦1.70の関係を有することが好ましく、1.20≦Dsh/Dcc≦1.40の関係を有することがより好ましい。これにより、Dsh/Dccが適正化されて、タイヤの乗心地性および耐久性が確保される。
トレッドゲージDshは、タイヤ子午線方向の断面視にて、ベルトカバー143を構成するベルトコードのうち、タイヤ幅方向の最も外側にあるベルトコードの端面を基準として測定される。
図4は、図1に記載した更生タイヤを示す拡大図である。同図は、更生タイヤ10の周方向主溝21、22の拡大断面図を示している。
図4において、タイヤ赤道面CLに最も近い周方向主溝21の新ゴム溝下ゲージGa1が、1.0[mm]≦Ga1≦5.0[mm]の範囲にあることが好ましく、2.0[mm]≦Ga1≦3.0[mm]の範囲にあることがより好ましい。これにより、トレッド部センター領域の周方向主溝21の新ゴム溝下ゲージGa1が適正化されて、ベルト耐久性が向上する。
タイヤ赤道面CLに最も近い周方向主溝21とは、タイヤ赤道面CL上に周方向主溝21を有する構成(図1参照)では、この周方向主溝21が該当し、タイヤ赤道面CL上に陸部を有する構成(図示省略)では、タイヤ赤道面CLに最も近い周方向主溝21が該当する。
また、図4において、タイヤ幅方向の最も外側にある周方向主溝22の新ゴム溝下ゲージGa2が、タイヤ赤道面CLに最も近い周方向主溝21の新ゴム溝下ゲージGa1に対して、Ga2<Ga1の関係を有することが好ましい。このように、トレッド部ショルダー領域の周方向主溝22の新ゴム溝下ゲージGa2を、トレッド部センター領域の周方向主溝21の新ゴム溝下ゲージGa1よりも小さくすることにより、タイヤ転動時におけるショルダー領域の発熱を抑制できる。これにより、ベルト耐久性が向上する。
また、新ゴム溝下ゲージGa2が、1.0[mm]≦Ga2≦4.0[mm]の範囲にあることが好ましく、1.3[mm]≦Ga2≦3.0[mm]の範囲にあることがより好ましい。これにより、トレッド部ショルダー領域の周方向主溝22の新ゴム溝下ゲージGa2が適正化されて、ベルト耐久性が向上する。
新ゴム溝下ゲージGa1、Ga2は、更生により新たに追加されたトレッド20における溝下ゲージであり、タイヤ子午線方向の断面視にて、周方向主溝21、22の最大溝深さ位置からトレッド20のタイヤ径方向内側の周面までの距離として測定される。
また、図4において、タイヤ赤道面CLに最も近い周方向主溝21の溝深さD1と、タイヤ赤道面CLにおけるトレッドゲージDccとが、1.30≦Dcc/D1≦1.55の関係を有することが好ましく、1.40≦Dcc/D1≦1.50の関係を有することがより好ましい。これにより、比Dcc/D1が適正化されて、タイヤの耐偏摩耗性が向上する。
[変形例]
図5は、図1に記載した更生タイヤの変形例を示す説明図である。同図は、ショルダー部のプロファイルを示している。
図1の構成では、図3に示すように、更生タイヤ10が、タイヤ子午線方向の断面視にて、スクエア形状を有するショルダー部を備えている。かかる構成では、トレッド幅TWの測定点が、ショルダー陸部32のタイヤ幅方向外側のエッジ部となる。
しかし、これに限らず、更生タイヤ10が、タイヤ子午線方向の断面視にて、ラウンド形状(図5参照)あるいは面取り形状(図示省略)を有するショルダー部を備えても良い。
かかる構成では、トレッド幅TWの測定点が、タイヤ子午線方向の断面視におけるショルダー陸部32の接地面の延長線と、バットレス部(ショルダー部の非接地領域)のプロファイルの延長線との交点T’により定義される。
また、トレッドゲージDshが、タイヤ子午線方向の断面視にて、上記の交点T’からベルトカバー143を構成するベルトコードのうちタイヤ幅方向の最も外側にあるベルトコードの端面に引いた直線上におけるトレッドゴムの厚さとして測定される。
[効果]
以上説明したように、この更生タイヤ10は、トレッド20と、台タイヤ30とを備える(図1参照)。また、台タイヤ30が、カーカス層13と、カーカス層13のタイヤ径方向外側に配置されるベルト層14とを有する。また、タイヤ赤道面CLからトレッド幅TWの35[%]の位置におけるトレッドプロファイルの落ち込み角度θが、1.0[deg]≦θ≦6.0[deg]の範囲にある(図3参照)。
かかる構成では、トレッド部ショルダー領域におけるトレッドプロファイルの落ち込み角度θが小さく設定されることにより、空車時などの負荷率が低い使用条件下にも、トレッド部ショルダー領域の陸部が適正に接地し得る。これにより、トレッド部ショルダー領域の接地状態が適正に確保されて、トレッド部センター領域の偏摩耗が抑制される利点がある。
また、この更生タイヤ10では、トレッド幅TWの測定点Tにおけるトレッドプロファイルの落ち込み量d1と、タイヤ赤道面CLからトレッド幅TWの35[%]の位置におけるトレッドプロファイルの落ち込み量d2とが、0.2≦d2/d1≦0.8の関係を有する(図3参照)。これにより、比d2/d1が適正化される利点がある。すなわち、0.2≦d2/d1であることにより、空車時などの負荷率が低い使用条件下にて、トレッド部ショルダー領域が適正に接地することにより、トレッド部の接地幅が適正に確保されて、トレッド部センター領域の偏摩耗が抑制される。また、d2/d1≦0.8であることにより、タイヤの直進性や轍からの抜け出し容易性が向上する。
また、この更生タイヤ10は、ベルト層14が、一対の交差ベルト141、142と、一対の交差ベルト141、142のタイヤ径方向外側に配置されるベルトカバー143とを有する。また、ベルトカバー143が、少なくともタイヤ赤道面CLからトレッド幅TWの25[%]の位置までの領域を覆って配置される(図1参照)。かかる構成では、トレッド部センター領域における径成長が抑制されるので、タイヤの接地形状が適正化されて、トレッド部センター領域の偏摩耗が抑制される利点がある。
また、この更生タイヤ10では、積層された複数のベルトカバー143、144が、タイヤ赤道面CLからトレッド幅TWの25[%]の位置よりもタイヤ幅方向外側の領域に配置される(図3参照)。かかる構成では、トレッド部ショルダー領域の剛性が補強されるので、トレッド部ショルダー領域の偏摩耗が抑制される利点がある。
また、この更生タイヤ10では、タイヤ赤道面CLにおけるトレッドゲージDccと、タイヤ赤道面CLからトレッド幅の35[%]の位置におけるトレッドゲージDtとが、0.70≦Dcc/Dt≦1.30の関係を有する(図3参照)。これにより、トレッド部センター領域のトレッドゲージDccとトレッド部ショルダー領域のトレッドゲージDtとが均一化されて、タイヤの偏摩耗が効果的に抑制される利点がある。
また、この更生タイヤ10では、すべての周方向主溝21、22が、タイヤ赤道面CLからトレッド幅TWの32[%]以上38[%]以下の距離にある領域から外れた位置に配置される(図1参照)。かかる構成では、すべての周方向主溝21、22がタイヤ接地端付近から外れた位置に配置されるので、コーナリング時におけるタイヤ接地端付近の剛性が確保される。すると、ステアリング性能が向上し、より低い舵角でコーナリング力が得られる。これにより、タイヤの偏摩耗が抑制される利点がある。
また、この更生タイヤ10では、ベルト層14が、一対の交差ベルト141、142と、一対の交差ベルト141、142のタイヤ径方向外側に配置されるベルトカバー143とを有する。また、トレッド幅TWと、タイヤ総幅SWとが、0.70≦TW/SW≦0.80の関係を有する。また、リム径の測定点Pからタイヤ最大幅位置Qまでのタイヤ径方向の距離SDHと、タイヤ断面高さSHとが、0.50≦SDH/SH≦0.60の関係を有する。かかる構成では、プロファイルを規定する比TW/SWおよび比SDH/SHが適正化されるので、トレッド部ショルダー領域の接地状態が適正に確保されて、トレッド部センター領域の偏摩耗が抑制される利点がある(図2参照)。
また、この更生タイヤ10は、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝21、22と、周方向主溝21、22に区画されて成る複数の陸部31、32とをトレッド面に備える。また、タイヤ赤道面CLに最も近い周方向主溝21の新ゴム溝下ゲージGa1が、1.0[mm]≦Ga1≦5.0[mm]の範囲にある(図4参照)。かかる構成では、トレッド部センター領域にある周方向主溝21の新ゴム溝下ゲージGa1が適正化される利点がある。すなわち、1.0[mm]≦Ga1であることにより、周方向主溝21の新ゴム溝下ゲージGa1が確保される。すると、トレッド20の新ゴムが台タイヤ30の旧ゴム(残留トレッド301)よりも柔らかい(残留トレッド301は劣化して硬くなっている)ので、新ゴムと旧ゴムとの界面に作用する力が分散されて、タイヤの耐久性が確保される。また、Ga1≦5.0[mm]であることにより、周方向主溝21の新ゴム溝下ゲージGa1が過大となることが防止される。すると、トレッドゴムのボリューム過多による発熱が抑制されて、タイヤの耐久性が向上する。
また、この更生タイヤ10では、タイヤ幅方向の最も外側にある周方向主溝22の新ゴム溝下ゲージGa2が、Ga2<Ga1かつ1.0[mm]≦Ga2≦4.0[mm]の範囲にある(図4参照)。かかる構成では、トレッド部ショルダー領域にある周方向主溝22の新ゴム溝下ゲージGa2が適正化される利点がある。すなわち、Ga2<Ga1であることにより、ベルト層14の端部における周辺ゴムの歪みが低減されて、ベルト耐久性が確保される利点がある。また、1.0[mm]≦Ga2であることにより、周方向主溝22の新ゴム溝下ゲージGa2が確保される。すると、トレッド20の新ゴムが台タイヤ30の旧ゴム(残留トレッド301)よりも柔らかい(残留トレッド301は劣化して硬くなっている)ので、新ゴムと旧ゴムとの界面に作用する力が分散されて、タイヤの耐久性が確保される。また、Ga2≦4.0[mm]であることにより、周方向主溝22の新ゴム溝下ゲージGa2が過大となることが防止される。すると、トレッドゴムのボリューム過多による発熱が抑制されて、タイヤの耐久性が向上する。
また、この更生タイヤ10では、カーカス層13が、有機繊維材から成る複数のカーカスコードを配列して構成される。更生タイヤ10では、一般に、更生によりタイヤ寿命が延びて、走行距離が増加する。このため、カーカス層が有機繊維材から成る構成では、カーカス層の強度が低下して、トレッド部センター領域とショルダー領域との径成長差が大きくなり、トレッド部センター領域が偏摩耗しやすい傾向にある。したがって、かかる有機繊維材から成るカーカス層13を備える構成を適用対象とすることにより、トレッド部センター領域の偏摩耗抑制効果を顕著に得られる利点がある。
また、この更生タイヤ10では、ベルトカバー143が、有機繊維材から成ると共にタイヤ周方向に対して±5[deg]以下の角度で配列された複数のコードから構成される。更生タイヤ10では、一般に、更生によりタイヤ寿命が延びて、走行距離が増加する。このため、ベルトカバーが有機繊維材から成る構成では、ベルトカバーの強度が低下して、トレッド部センター領域とショルダー領域との径成長差が大きくなり、トレッド部センター領域が偏摩耗し易い傾向にある。したがって、かかる有機繊維材から成るベルトカバー143を備える構成を適用対象とすることにより、トレッド部センター領域の偏摩耗抑制効果を顕著に得られる利点がある。
また、この更生タイヤ10では、タイヤ赤道面CLに最も近い周方向主溝21の溝深さD1(図4参照)と、タイヤ赤道面CLにおけるトレッドゲージDcc(図3参照)とが、1.30≦Dcc/D1≦1.55の関係を有する。これにより、比Dcc/D1が適正化される利点がある。すなわち、1.30≦Dcc/D1であることにより、トレッド部センター領域におけるトレッドゴムのボリュームが確保されて、タイヤの耐偏摩耗性が向上する。また、Dcc/D1≦1.55であることにより、トレッドゴムのボリューム過多が抑制されて、タイヤの耐偏摩耗性が向上する。
また、この更生タイヤ10では、幅広な交差ベルト141のベルト幅Wbと、カーカス層13のカーカス断面幅Waとが、0.65≦Wb/Wa≦0.90の関係を有する(図1参照)。これにより、比Wb/Waが適正化される利点がある。すなわち、0.65≦Wb/Waであることにより、ベルト幅Wbが確保されて、ベルト層14のタイヤ幅方向外側の端部における周辺ゴムの歪みが低減される利点がある。また、Wb/Wa≦0.90であることにより、ベルトプライの端部とサイドウォール部との距離が確保されるので、タイヤ転動時におけるベルトプライの端部の動きが抑制されて、タイヤの耐久性が向上する。
また、この更生タイヤ10では、ベルトカバー143のエンド数が、40[本/50mm]以上60[本/50mm]以下の範囲にある。これにより、ベルトカバー143のエンド数が適正化される利点がある。
また、この更生タイヤ10では、ベルトカバー143を構成する糸の太さが、1100[dtex]以上1500[dtex]以下の範囲にある。これにより、ベルトカバー143の糸の太さが適正化される利点がある。
[適用対象]
また、この更生タイヤ10は、70[%]以下の偏平率を有する低偏平タイヤに適用され、特に、JATMAに規定される小型トラック用タイヤに適用される。かかる低偏平な小型トラック用タイヤでは、荷物の積載時と無積載時とで、トレッド部の接地状態が変化し易い。すなわち、荷物の積載時には、トレッド部のセンター領域およびショルダー領域が一様に接地するが、無積載時には、トレッド部センター領域の径成長が顕在化して、トレッド部ショルダー領域の接地面積が減少する傾向にある。このため、トレッド部センター領域が摩耗し易く、偏摩耗が発生し易い。したがって、かかる低偏平な小型トラック用タイヤを適用対象とすることにより、トレッド部センター領域の偏摩耗の抑制効果を顕著に得られる利点がある。
図6および図7は、この発明の実施の形態にかかる更生タイヤの性能試験の結果を示す図表である。
この性能試験では、複数種類の試験タイヤについて、(1)外径成長率、(2)耐センター摩耗性能、(3)耐ショルダー摩耗性能および(4)直進性能に関する評価が行われた。また、タイヤサイズ205/70R16 111/109 LTの試験タイヤがJATMA規定の適用リムに組み付けられ、この試験タイヤにJATMA規定の最高空気圧が付与される。また、試験車両として、最大積載量2.0[ton]の小型トラックが用いられる。
(1)外径成長率は、試験タイヤをJATMA規定の適用リムに装着して無負荷状態とし、この試験タイヤにJATMA規定の最高空気圧を付与したときのタイヤ外径の最大値を測定する。そして、大気圧条件下のタイヤ外径を基準(100)としてタイヤの外径成長率が算出される。
(2)耐センター摩耗性能に関する評価では、試験タイヤにJATMA規定の最大負荷を基準とした80[%]の荷重が付与される。そして、試験車両が舗装路を5万[km]走行し、その後にトレッド部センター領域の陸部に発生した偏摩耗が観察されて、評価が行われる。この評価は、指数評価により行われ、その数値が大きいほど好ましい。
(3)耐ショルダー摩耗性能に関する評価では、試験タイヤが試験車両の後輪かつ内輪に装着され、試験タイヤにJATMA規定の最大負荷を基準とした40[%]あるいは80[%]の荷重が付与される。そして、試験車両が舗装路を5万[km]走行し、その後にトレッド部ショルダー領域の陸部に発生した偏摩耗が観察されて、評価が行われる。この評価は、指数評価により行われ、その数値が大きいほど好ましい。
(4)直進性能に関する評価では、試験タイヤにJATMA規定の最大負荷を基準とした80[%]の荷重が付与され、試験車両が直進コースを走行して、専門のテストドライバーが官能評価を行う。この評価は、指数評価により行われ、その数値が大きいほど好ましい。
実施例1〜8の試験タイヤは、図1に記載した構造を備え、ベルトカバー143が、トレッド部センター領域および交差ベルト141、142の端部を覆うフルカバー構造を有する。また、タイヤ総幅SWがSW=204[mm]であり、タイヤ断面高さSHがSH=143.7[mm]である。また、タイヤ赤道面CLにおけるトレッドゲージDccがDcc=13.7[mm]である。また、幅広な交差ベルト141のベルト幅WbがWb=150[mm]である。
従来例の試験タイヤは、実施例1の試験タイヤと同様の構成を有する。
試験結果が示すように、実施例1〜8の試験タイヤでは、タイヤの耐偏摩耗性能が向上することが分かる。
10:更生タイヤ、20:トレッド、30:台タイヤ、301:残留トレッド、11:ビードコア、12:ビードフィラー、13:カーカス層、14:ベルト層、141、142:交差ベルト、143、144:ベルトカバー、15:トレッドゴム、16:サイドウォールゴム、17:リムクッションゴム、21、22:周方向主溝、31、32:陸部

Claims (11)

  1. トレッドと、台タイヤとを備える小型トラック用の更生タイヤであって、
    前記台タイヤが、カーカス層と、前記カーカス層のタイヤ径方向外側に配置されるベルト層とを有し、
    タイヤ赤道面からトレッド幅TWの35[%]の位置におけるトレッドプロファイルの落ち込み角度θが、1.0[deg]≦θ≦6.0[deg]の範囲にあり、
    トレッド幅TWとタイヤ総幅SWとが、0.73≦TW/SW≦0.80の範囲にあり、
    リム径の測定点からタイヤ最大幅位置までのタイヤ径方向の距離SDHと、タイヤ断面高さSHとが、0.52≦SDH/SH≦0.60の範囲にあり、且つ、
    タイヤ赤道面におけるトレッドゲージDccと、タイヤ赤道面からトレッド幅の35[%]の位置におけるトレッドゲージDtとが、0.70≦Dcc/Dt≦1.30の関係を有することを特徴とする更生タイヤ。
  2. トレッド幅の測定点におけるトレッドプロファイルの落ち込み量d1と、タイヤ赤道面からトレッド幅の35[%]の位置におけるトレッドプロファイルの落ち込み量d2とが、0.2≦d2/d1≦0.8の関係を有する請求項1に記載の更生タイヤ。
  3. 前記ベルト層が、一対の交差ベルトと、前記一対の交差ベルトのタイヤ径方向外側に配置されるベルトカバーとを有し、且つ、
    前記ベルトカバーが、少なくともタイヤ赤道面からトレッド幅の25[%]の位置までの領域を覆って配置される請求項1または2に記載の更生タイヤ。
  4. 前記ベルト層が、一対の交差ベルトと、前記一対の交差ベルトのタイヤ径方向外側に配置されるベルトカバーとを有し、且つ、
    積層された複数の前記ベルトカバーが、タイヤ赤道面からトレッド幅の25[%]の位置よりもタイヤ幅方向外側の領域に配置される請求項1〜3のいずれか一つに記載の更生タイヤ。
  5. タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、前記周方向主溝に区画されて成る複数の陸部とをトレッド面に備え、且つ、
    すべての前記周方向主溝が、タイヤ赤道面からトレッド幅の32[%]以上38[%]以下の距離にある領域から外れた位置に配置される請求項1〜のいずれか一つに記載の更生タイヤ。
  6. 前記カーカス層が、有機繊維材から成る複数のカーカスコードを配列して構成される請求項1〜のいずれか一つに記載の更生タイヤ。
  7. 前記ベルト層が、一対の交差ベルトと、前記一対の交差ベルトのタイヤ径方向外側に配置されるベルトカバーとを有し、且つ、
    前記ベルトカバーが、有機繊維材から成ると共にタイヤ周方向に対して±5[deg]以下の角度で配列された複数のコードから構成される請求項1〜のいずれか一つに記載の更生タイヤ。
  8. タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、前記周方向主溝に区画されて成る複数の陸部とをトレッド面に備え、且つ、
    タイヤ赤道面に最も近い前記周方向主溝の溝深さD1と、タイヤ赤道面におけるトレッドゲージDccとが、1.30≦Dcc/D1≦1.55の関係を有する請求項1〜のいずれか一つに記載の更生タイヤ。
  9. 前記ベルトカバーのエンド数が、40[本/50mm]以上60[本/50mm]以下の範囲にある請求項1〜のいずれか一つに記載の更生タイヤ。
  10. 前記ベルトカバーを構成する糸の太さが、1100[dtex]以上1500[dtex]以下の範囲にある請求項1〜のいずれか一つに記載の更生タイヤ。
  11. 70[%]以下の偏平率を有する請求項1〜10のいずれか一つに記載の更生タイヤ。
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