JP6284729B2 - 外用組成物 - Google Patents
外用組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6284729B2 JP6284729B2 JP2013198246A JP2013198246A JP6284729B2 JP 6284729 B2 JP6284729 B2 JP 6284729B2 JP 2013198246 A JP2013198246 A JP 2013198246A JP 2013198246 A JP2013198246 A JP 2013198246A JP 6284729 B2 JP6284729 B2 JP 6284729B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- composition
- derivatives
- weight
- derivative
- external
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
Description
PQQには、多くの生理活性があることが知られており、医薬品、医薬部外品、化粧品、又はサプリメントの有効成分としての使用が期待されている。このような生理活性として、活性酸素及びラジカルの消去作用、細胞増殖促進作用、紫外線吸収作用、神経成長因子産生促進作用、脳機能改善作用、育毛作用、顔色改善作用、メラニン産生抑制又は美白作用、ミトコンドリア賦活作用、及び抗疲労作用などが知られている。
また、PQQは、光安定性が悪く、光照射によって分解が促進される。
特許文献2には、特定の紫外線吸収剤を含む組成物に、軽質流動イソパラフィン及びシリコーンパウダーを組合わせて配合することにより、べたつき感、きしみ感を低減できることが開示されているが、シリコーンパウダーは凝集や沈殿などが起こる場合があり、製剤の自由度が制限される。また、ケイ皮酸誘導体系の紫外線吸収剤においては、特にべたつき感に対して充分な効果が得られていないことが開示されており、紫外線吸収剤の選択性も制限される。
(i) 紫外線吸収剤を含む外用組成物は、きしみ感やべたつき感が感じられて使用感が悪い場合があるが、そこに、PQQ又はその塩を配合することにより、きしみ感やべたつき感が増大する。
(ii) PQQ又はその塩及び紫外線吸収剤を含む外用組成物に、脂溶性ビタミン類、パラベン類、アルカンジオール類、フェノキシエタノール、及び/又はベヘニルアルコールを配合することにより、きしみ感、べたつき感が著しく低減する。
(iii) PQQ又はその塩及び紫外線吸収剤を含む外用組成物に、脂溶性ビタミン類、パラベン類、アルカンジオール類、フェノキシエタノール、及び/又はベヘニルアルコールを配合することにより、PQQ又はその塩の光安定性が、顕著に向上する。
(iv) PQQ又はその塩及び紫外線吸収剤を含む外用組成物に、脂溶性ビタミン類、パラベン類、アルカンジオール類、フェノキシエタノール、及び/又はベヘニルアルコールを配合することにより、組成物の粘度変化(特に粘度低下)が、顕著に抑制される。
項1. (a)ピロロキノリンキノン、又は薬学的若しくは生理的に許容されるその塩、(b)紫外線吸収剤、並びに(c)脂溶性ビタミン類、パラベン類、アルカンジオール類、フェノキシエタノール、及びベヘニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む外用組成物。
項2. 紫外線吸収剤が、ケイ皮酸誘導体、ベンザルマロナート誘導体、トリアジン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンジリデンショウノウ誘導体、フェニルベンゾイルイミダゾール誘導体、アントラニル誘導体及びイミダゾリジン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種である項1に記載の外用組成物。
項3. 脂溶性ビタミン類が、トコフェロール類及びその誘導体、レチノール類及びその誘導体、アスコルビン酸誘導体、ユビキノン類及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種である項1又は2に記載の外用組成物。
項4. さらに、アクリル酸系増粘剤を含む項1〜3の何れかに記載の外用組成物。
項5. ピロロキノリンキノン、又は薬学的若しくは生理的に許容されるその塩を、組成物の全量に対して、0.00001〜1重量%含む項1〜4の何れかに記載の外用組成物。
項6. 紫外線吸収剤を、組成物の全量に対して、0.01〜30重量%含む項1〜5の何れかに記載の外用組成物。
項7. ピロロキノリンキノン、又は薬学的若しくは生理的に許容されるその塩の1重量部に対して、紫外線吸収剤を0.01〜20000重量部含む項1〜6の何れかに記載の外用組成物。
項8. 脂溶性ビタミン類、パラベン類、アルカンジオール類、フェノキシエタノール、及びベヘニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を、組成物の全量に対して、0.0001〜5重量%含む項1〜6の何れかに記載の外用組成物。
項9. ピロロキノリンキノン、又は薬学的若しくは生理的に許容されるその塩の1重量部に対して、脂溶性ビタミン類、パラベン類、アルカンジオール類、フェノキシエタノール、及びベヘニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を0.01〜2000重量部含む項1〜8の何れかに記載の外用組成物。
項10. 紫外線からの皮膚又は毛髪の保護用である項1〜9の何れかに記載の外用組成物。
また、本発明の外用組成物は、脂溶性ビタミン類、パラベン類、アルカンジオール類、フェノキシエタノール、及び/又はベヘニルアルコールを含むことにより、紫外線吸収剤による光安定化効果が増強されて、光に対するPQQ又はその塩の安定性が著しく向上している。
また、本発明の外用組成物は、脂溶性ビタミン類、パラベン類、アルカンジオール類、フェノキシエタノール、及び/又はベヘニルアルコールを含むことにより、粘度の変化が抑制されている。
本発明の外用組成物は、(a)PQQ又はその塩、(b)紫外線吸収剤、並びに(c)脂溶性ビタミン類、パラベン類、アルカンジオール類、フェノキシエタノール、及びベヘニルアルコールからなる群より選択される少なくとも1種を含む外用組成物である。
PQQは動物、植物、及び細菌など多様な生物体内に存在するので、種々の生物から抽出できる。また、PQQは、市販品を購入できる。
PQQの生理学的又は薬学的に許容されるその塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、及びリチウム塩のようなアルカリ金属塩;カルシウム塩、及びマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩などが挙げられる。塩の中では、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩が好ましい。
また、組成物中のPQQ又はその塩の含有量は、組成物の全量に対して、1重量%以下が好ましく、0.3重量%以下がより好ましく、0.1重量%以下がさらにより好ましく、0.03重量%以下が特により好ましい。上記範囲であれば、製剤中での溶解性が良好で、また外用組成物としての外観の点で優れたものとなる。
紫外線吸収剤としては、ケイ皮酸誘導体、ベンザルマロナート誘導体、トリアジン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンジリデンショウノウ誘導体、フェニルベンゾイルイミダゾール誘導体、アントラニル誘導体、イミダゾリジン誘導体等の有機紫外線吸収剤が挙げられる。
紫外線吸収剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
また、外用組成物中の紫外線吸収剤の含有量は、組成物の全量に対して、30重量%以下が好ましく、25重量%以下がより好ましく、20重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、良好な使用感が得られる。
また、PQQ又はその塩の含有量に対する紫外線吸収剤の含有量の比率は、PQQ又はその塩1重量部に対して、20000重量部以下が好ましく、10000重量部以下がより好ましく、5000重量部以下がさらにより好ましく、2000重量部以下が特に好ましい。上記範囲であれば、良好な使用感が得られる。
脂溶性ビタミン類
脂溶性ビタミン類としては、トコフェロール類及びその誘導体、レチノール類及びその誘導体、アスコルビン酸誘導体、ユビキノン類及びその誘導体等が挙げられる。
パラベン類としては、炭素数8〜14のものが挙げられ、具体的にはメチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベン、イソブチルパラベン、イソプロピルパラベン、ペンチルパラベン、ヘキシルパラベン、へプチルパラベン、ベンジルパラベン等が挙げられる。
アルカンジオール類としては、炭素数3〜10のものが挙げられ、具体的には、1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール等が挙げられる。
また、外用組成物中の(c)成分の含有量は、組成物の全量に対して、5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましく、1重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、使用感が良好な組成物となる。
また、PQQ又はその塩の含有量に対する(c)成分の含有量の比率は、PQQ又はその塩1重量部に対して、2000重量部以下が好ましく、1000重量部以下がより好ましく、500重量部以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、使用感が良好な組成物となる。
また、紫外線吸収剤の含有量に対する(c)成分の含有量の比率は、紫外線吸収剤1重量部に対して、500重量部以下が好ましく、300重量以下がより好ましく、100重量部以下がさらにより好ましく、50重量部以下が特に好ましい。上記範囲であれば、使用感が良好な組成物となる。
本発明の外用組成物は増粘剤を含むことができ、これにより、水溶性化合物であるPQQ又はその塩と、通常は脂溶性化合物である紫外線吸収剤との混合性が良好になる。
増粘剤としては、例えば、アクリル酸アクリル共重合体、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム)コポリマー、カルボキシビニルポリマーのようなアクリル酸系増粘剤(即ち、(メタ)アクリル酸モノマー及び/又は(メタ)アクリル酸アルキルモノマーを構成成分としてなるポリマー、コポリマー、又はクロスポリマー);メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びカルボキシエチルセルロースのようなセルロース系増粘剤;ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラト硫酸、又はこれらの塩のようなムコ多糖;グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、カラギーナン、キサンタンガム、カードランのような増粘多糖類;ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;ポリエチレングリコール;ベントナイト;アルギン酸;マクロゴールなどが挙げられる。
増粘剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
また、増粘剤の含有量は、組成物の全量に対して、5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましく、1.5重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、安定性が良い製剤を作製できる。
本発明の組成物のpHは、2.5以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上がさらにより好ましい。また、9以下が好ましく、8.5以下がより好ましく、8以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、PQQ及びその誘導体又はその塩が安定に保たれる。
本発明の外用組成物は、(a)PQQ又はその塩、(b)紫外線吸収剤、並びに(c)脂溶性ビタミン類、パラベン類、アルカンジオール類、フェノキシエタノール、及びベヘニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を、医薬品、医薬部外品、又は化粧品等の外用組成物に使用できる、薬学的又は生理学的に許容される基剤又は担体、及び必要に応じて医薬品、医薬部外品、又は化粧品等の外用組成物に使用できる添加剤と共に混合して、医薬品、医薬部外品、又は化粧品用の外用組成物とすることができる。
医薬部外品又は化粧品用の外用組成物とする場合も、上記の医薬品と同様の形態にすることができる。また、それ以外にも、スティック剤、及び不織布に薬液を含浸させたシート剤等が挙げられる。
医薬品、医薬部外品、又は化粧品等の外用組成物に使用される、薬学的又は生理学的に許容される基剤又は担体としては、スクワラン、ワセリン、α−オレフィンオリゴマー、及び軽質流動パラフィンのような炭化水素;メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコン、フェニル変性シリコーン、及びシリコーンレジンのようなシリコーン油;セタノール、セトステアリルアルコール、及びステアリルアルコールのような高級アルコール;コレステロール、フィトステロール、及びヒドロキシステアリン酸フィトステリルのようなステロール類;ラノリン、オレンジラフィー油、スクワラン、及び馬油のような動物油;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カチオン化グアガム、及びアセチル化ヒアルロン酸のような天然高分子誘導体;ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、及びアクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体のような合成高分子;カラギーナン、アルギン酸、セルロース、グアーガム、クインスシード、デキストラン、ジェランガム、及びヒアルロン酸のような天然高分子;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、ホホバ油、及びトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルのようなエステル類;デキストリン、及びマルトデキストリンのような多糖類;エタノール、及びイソプロパノールのような低級アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールエーテル;ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、イソプレングリコール、ジグリセリン、及びジプロピレングリコールなどの多価アルコール;コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、及びクエン酸などの有機酸;並びに水などの水系基剤などが挙げられる。
基剤又は担体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、医薬品、医薬部外品、又は化粧品等の外用組成物に添加される添加剤、例えば、界面活性剤、保存剤、pH調整剤、安定化剤、防腐剤、着色剤、香料、及び/又はパール光沢付与剤等を添加することができる。
本発明の外用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、PQQ又はその塩以外の薬理活性成分又は生理活性成分を含むことができる。
その他の薬理活性成分又は生理活性成分の具体例としては、例えば、保湿成分、抗炎症成分、抗菌又は殺菌成分、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、角質軟化成分、及び収斂成分等が挙げられる。
質のような脂質などが挙げられる。
紫外線防御成分としては、例えば、ケイ酸亜鉛、ケイ酸セリウム、ケイ酸チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化鉄等の無機化合物、それらの無機化合物を含水ケイ酸、無水ケイ酸、水酸化アルミニウム、マイカやタルク等の無機粉体で被覆したり、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂粉体に複合化したもの、さらにシリコーン油や脂肪酸アルミニウム塩等で処理したものなどが挙げられる。
本発明の外用組成物(皮膚外用剤)は、使用対象の皮膚の状態、年齢、性別などによって異なるが、例えば以下の方法とすればよい。即ち、1日数回(例えば、約1〜5回、好ましくは1〜3回)、1回当たり適量(例えば、約0.05〜5g)を皮膚に塗布、貼付、又は噴霧などにより適用すればよい。また、PQQ又はその塩の1日使用量が、例えば、約0.0005〜0.05g、好ましくは約0.001〜0.02g、より好ましくは約0.002〜0.01gとなるように組成物を塗布すればよい。また、塗布期間は、特に制限はないが、例えば、約2週間〜6ヶ月、好ましくは約1〜6ヶ月間とすればよい。
本発明の外用組成物は、PQQ又はその塩の生理活性を期待して、種々の皮膚疾患や皮膚トラブルを有する人に好適に使用できる。特に、シワ、タルミを有する人、肌のキメが乱れている人、敏感肌の人が好適な対象となる。また、特に光老化による皮膚トラブルの予防のため、正常な肌を有する人も好適な使用対象となる。
本発明の外用組成物は、紫外線からの皮膚や毛髪の保護、日焼け予防などのための日焼け止め化粧料、紫外線防御用化粧料としても好適に使用することができる。
本発明は、(a)PQQ又はその塩、及び(b)紫外線吸収剤を含む組成物(特に、外用組成物)に、(c)脂溶性ビタミン類、パラベン類、アルカンジオール類、フェノキシエタノール、及びベヘニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を添加する、当該組成物の使用感の向上方法、当該組成物のきしみ感又はべたつき感の抑制方法、PQQ又はその塩の光安定性の向上方法、及び当該組成物の粘度変化(例えば粘度低下)の抑制方法(特に、光照射による粘度低下の抑制方法)を包含する。
各成分の種類、各成分の含有量、組成物のpH、組成物の性状などは、上記説明した本発明の外用組成物の場合と同じである。
外用組成物の使用感(きしみ感)の評価を行った。
具体的には、表1、表2の組成に従って調製した実施例及び比較例の各外用組成物の米粒大の量を、5名の判定員(平均年齢36歳、女性)の前腕内側部に、塗布し、約3cm四方に指で塗り伸ばした直後のきしみ感をVAS法により評価した。評点は、きしみ感がある場合を評点0とし、きしみ感がない場合を評点100とした。
紫外線吸収剤を配合した化粧品は、使用感においてきしみ感を感じやすく使用感が悪いという難点があった。紫外線吸収剤のパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル又はジメチコジエチルベンザルマロネートにPQQ-2Naを配合したところ、それぞれパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジメチコジエチルベンザルマロネートのみの場合(比較例1、4)よりも、きしみ感が増し、使用感が悪化した(比較例2、5)。しかし、そこに酢酸トコフェロール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、パルミチン酸レチノール、又はテトラヘキシルデカン酸アスコルビルを配合すると、PQQ-2Na添加によるきしみ感増大が抑制されただけでなく、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル及びジメチコジエチルベンザルマロネート単独の場合よりもきしみ感が抑えられ、使用感が著しく向上した(実施例1〜7)。
紫外線吸収剤としてジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸−2−エチルヘキシル、2,4,6−トリス〔4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ〕−1,3,5−トリアジン、又は2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを用いた場合でも、これら紫外線吸収剤とPQQ-2Naを組合わせた製剤と比較して、パルミチン酸レチノール、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、δ−トコフェロール、コエンザイムQ10、又はベヘニルアルコールを配合した組成物では、きしみ感が抑えられ、使用感が著しく向上した(実施例8〜10)。
外用組成物のべたつき感を評価した。
具体的には、表4、表5の組成に従って調製した実施例及び比較例の各外用組成物の米粒大の量を、5名の判定員(平均年齢36歳、女性)の前腕内側部に塗布し、約3cm四方に指で塗り伸ばした直後のべたつき感をVAS法により評価した。評点は、べたつく場合を評点0とし、べたつかない場合を評点100とした。
結果を表4に示す通り、紫外線吸収剤のパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルにPQQ-2Naを配合すると、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルのみの場合(比較例9)よりも、べたつき感が増し、使用感が悪化した(比較例10、比較例11)。しかし、そこにフェノキシエタノール、又は1,2−ヘキサンジオールを配合すると、PQQ-2Na添加によるべたつき感増大が抑制されただけでなく、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル単独の場合よりもべたつき感が抑えられ、使用感が著しく向上した(実施例11、12)。
また、結果を表5に示す通り、PQQ-2Naに加えて紫外線吸収剤のジメチコジエチルベンザルマロネートを10重量%配合した組成物(比較例12)に比べて、そこにパルミチン酸レチノールを配合した組成物(実施例13)は、紫外線吸収剤によるべたつきが抑えられ、使用感が著しく優れていた。
PQQ-2Naに加えて、紫外線吸収剤としてジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸−2−エチルヘキシル、2,4,6−トリス〔4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ〕−1,3,5−トリアジン、又は2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを用いた組成物(比較例13〜15))に比べて、そこにコエンザイムQ10、ベヘニルアルコール、又はδ−トコフェロールを配合した組成物(実施例14〜16)は、べたつき感が抑えられ、使用感が著しく優れていた。
外用組成物中のPQQ-2Na又はその塩の光安定性を評価した。
具体的には、表7、表8の組成に従って調製した実施例および比較例の各外用組成物を、ガラス製スクリューバイアル(容量10mL)に2gずつ充填し、サンテスター(機器名:SUNTESTET XLS+)にて積算照射量3万kJ/m2(765W/m2×3hr)の光照射を行った後に、HPLCによりPQQ-2Naの残存量を定量した。
さらに以下の式に従により、PQQ残存率を算出した。
PQQ-2Na残存率(%)
=(照射サンプルのPQQ-2Na含有量/未照射サンプルのPQQ-2Na含有量)×100
PQQ-2Naを含む組成物に、紫外線吸収剤であるパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルを加えた比較例17に、さらに酢酸トコフェロール、フェノキシエタノール、又はプロピルパラベンを配合することにより、PQQ-2Naの光安定性が著しく向上した(実施例17〜19)。これにより、(a)、(b)、及び(c)の3成分を配合することにより、使用感に優れ、かつPQQ又はその塩の光安定性に優れる製剤となることが確認できた。
外用組成物中のPQQ-2Na又はその塩の光安定性を評価した。
具体的には、表9に示す組成の実施例および比較例の各外用組成物を調製し、ガラス製スクリューバイアル(容量10mL)に2gずつ充填した。そのサンプルを光安定性試験装置(Light−Tron LT−120 D3CJ型、ナガノ科学株式会社)を用いて、D65ランプを光原として、積算照射量120万lx・hr(5000lx×240時間)の光を照射した。「光安定性の評価No.2」と同じ方法で、HPLCを用いてPQQ-2Naの残存量を測定し、PQQ-2Naの残存率を算出した。
PQQ-2Naを含む組成物に、紫外線吸収剤である4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンを加えた比較例24、及び紫外線吸収剤である2−[−4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステルを加えた比較例25に、それぞれ酢酸トコフェロールを配合することにより、PQQ-2Naの光安定性が著しく向上した(実施例22、及び実施例23)。
外用剤においては、製剤の粘度安定性を保つことが重要となる。そのため、本発明の外用組成物の粘度安定性を評価した。
具体的には、表10に示す各外用組成物を調製し、ガラス製スクリューバイアル(容量30mL)にねじ口の最上部まで充填し、サンテスター(機器名:SUNTEST XLS+)にて積算照射量12万kJ/m2(365W/m2×92hr)の光照射を行い、25℃にて恒常化後、回転粘度計(TVB−10H、ローターNo.:H7)にて5rpmにおける粘度を測定し、粘度安定性を以下の式2に従い算出した。
粘度維持率(%)=〔(エージング品の粘度)/(スタート品の粘度)〕×100
Claims (10)
- (a)ピロロキノリンキノン、又は薬学的若しくは生理的に許容されるその塩、(b)紫外線吸収剤、並びに(c)脂溶性ビタミン類、パラベン類、アルカンジオール類、フェノキシエタノール、及びベヘニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む外用組成物であり、
(b)紫外線吸収剤が、ベンザルマロナート誘導体、トリアジン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンジリデンショウノウ誘導体、フェニルベンゾイルイミダゾール誘導体、アントラニル誘導体及びイミダゾリジン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種である、外用組成物(ただし、前記ピロロキノリンキノンは還元型ピロロキノリンキノンでない)。 - (a)ピロロキノリンキノン、又は薬学的若しくは生理的に許容されるその塩、(b)紫外線吸収剤、並びに(c)脂溶性ビタミン類、パラベン類、アルカンジオール類、フェノキシエタノール、及びベヘニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む外用組成物であり、
アルカンジオール類が、1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、及び1,10−デカンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、外用組成物(ただし、前記ピロロキノリンキノンは還元型ピロロキノリンキノンでない)。 - 紫外線吸収剤が、ケイ皮酸誘導体、ベンザルマロナート誘導体、トリアジン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンジリデンショウノウ誘導体、フェニルベンゾイルイミダゾール誘導体、アントラニル誘導体及びイミダゾリジン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の外用組成物。
- 脂溶性ビタミン類が、トコフェロール類及びその誘導体、レチノール類及びその誘導体、アスコルビン酸誘導体、ユビキノン類及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3の何れかに記載の外用組成物。
- ピロロキノリンキノン、又は薬学的若しくは生理的に許容されるその塩を、組成物の全量に対して、0.00001〜1重量%含む請求項1〜4の何れかに記載の外用組成物。
- 紫外線吸収剤を、組成物の全量に対して、0.01〜30重量%含む請求項1〜5の何れかに記載の外用組成物。
- ピロロキノリンキノン、又は薬学的若しくは生理的に許容されるその塩の1重量部に対して、紫外線吸収剤を0.01〜20000重量部含む請求項1〜6の何れかに記載の外用組成物。
- 脂溶性ビタミン類、パラベン類、アルカンジオール類、フェノキシエタノール、及びベヘニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を、組成物の全量に対して、0.0001〜5重量%含む請求項1〜7の何れかに記載の外用組成物。
- ピロロキノリンキノン、又は薬学的若しくは生理的に許容されるその塩の1重量部に対して、脂溶性ビタミン類、パラベン類、アルカンジオール類、フェノキシエタノール、及びベヘニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を0.01〜2000重量部含む請求項1〜8の何れかに記載の外用組成物。
- 紫外線からの皮膚又は毛髪の保護用である請求項1〜9の何れかに記載の外用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013198246A JP6284729B2 (ja) | 2013-09-25 | 2013-09-25 | 外用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013198246A JP6284729B2 (ja) | 2013-09-25 | 2013-09-25 | 外用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015063485A JP2015063485A (ja) | 2015-04-09 |
JP6284729B2 true JP6284729B2 (ja) | 2018-02-28 |
Family
ID=52831706
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013198246A Active JP6284729B2 (ja) | 2013-09-25 | 2013-09-25 | 外用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6284729B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016166220A1 (en) * | 2015-04-16 | 2016-10-20 | Siniq Gmbh | Composition for covering and protecting scars |
CN113940907B (zh) * | 2021-11-29 | 2023-04-25 | 广州大唐化妆品有限公司 | 一种含有协同抑菌成分的去屑组合物及其应用 |
Family Cites Families (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02142713A (ja) * | 1988-11-25 | 1990-05-31 | Shiseido Co Ltd | 皮膚外用剤 |
JPH03112912A (ja) * | 1989-09-27 | 1991-05-14 | Sanko Seibutsu Kagaku Kenkyusho:Kk | 化粧料組成物 |
JPH05221841A (ja) * | 1992-02-18 | 1993-08-31 | Pola Chem Ind Inc | 化粧料 |
JP3625493B2 (ja) * | 1994-07-07 | 2005-03-02 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 紫外線吸収剤及び皮膚外用剤 |
JPH0899856A (ja) * | 1994-09-29 | 1996-04-16 | Shiseido Co Ltd | 皮膚外用剤 |
JPH09249545A (ja) * | 1996-03-12 | 1997-09-22 | Shiseido Co Ltd | 皮膚外用剤 |
JPH11335258A (ja) * | 1998-05-19 | 1999-12-07 | Fancl Corp | 化粧料 |
JP4657323B2 (ja) * | 2008-07-02 | 2011-03-23 | 株式会社資生堂 | 含水組成物 |
JP2011026226A (ja) * | 2009-07-23 | 2011-02-10 | Mitsubishi Gas Chemical Co Inc | ピロロキノリンキノン類を含む液体の保存方法 |
JP2011037786A (ja) * | 2009-08-13 | 2011-02-24 | Hakuto Co Ltd | 充分な抗菌性を有し、かつ保湿性に優れた化粧料 |
JP2011068566A (ja) * | 2009-09-24 | 2011-04-07 | Shiseido Co Ltd | 日焼け止め化粧料 |
JP2012097020A (ja) * | 2010-11-01 | 2012-05-24 | Mitsubishi Gas Chemical Co Inc | 一重項酸素の消去方法 |
CN102688155A (zh) * | 2011-03-23 | 2012-09-26 | 日本乐敦制药株式会社 | 外用组合物 |
JP2013151480A (ja) * | 2011-12-26 | 2013-08-08 | Rohto Pharmaceutical Co Ltd | 外用組成物の安定化方法 |
JP6001881B2 (ja) * | 2012-03-06 | 2016-10-05 | 株式会社日本色材工業研究所 | 油中水型乳化日焼け止め化粧料 |
-
2013
- 2013-09-25 JP JP2013198246A patent/JP6284729B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015063485A (ja) | 2015-04-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5876962B2 (ja) | 外用組成物 | |
US10835572B2 (en) | Composition for external application | |
JP6430109B2 (ja) | 外用組成物 | |
JP2021165314A (ja) | 皮膚外用組成物 | |
WO2018062469A1 (ja) | 皮膚外用組成物 | |
JP7084567B2 (ja) | ニコチンアミドとアミノ酸とを含むグルタチオン前駆体を含むパーソナルケア組成物 | |
JP5934164B2 (ja) | 外用組成物 | |
JP7294770B2 (ja) | 皮膚外用組成物、紫外線吸収剤の機能低下抑制用組成物及び紫外線吸収剤の機能低下抑制方法 | |
JP6975516B2 (ja) | 外用組成物、化粧料、経皮吸収促進用組成物、外用組成物における有効成分の経皮吸収性を高める方法、経皮投与型医薬及び点眼用組成物 | |
JP2020007375A (ja) | 皮膚外用組成物 | |
JP5951277B2 (ja) | アゼライン酸を含有する外用組成物 | |
JP6416473B2 (ja) | 外用組成物 | |
JP6284729B2 (ja) | 外用組成物 | |
JP6403487B2 (ja) | 外用剤 | |
JP2016094361A (ja) | 微小粒子状物質防御用外用剤 | |
JP6329757B2 (ja) | 外用組成物 | |
WO2012008457A1 (ja) | 外用組成物 | |
JP2012036174A (ja) | 外用組成物 | |
JP5902410B2 (ja) | 外用組成物 | |
JP2015063486A (ja) | 外用組成物 | |
JP6284730B2 (ja) | 外用組成物 | |
JP5734686B2 (ja) | 皮膚外用組成物 | |
JP2015017080A (ja) | 日焼け止め組成物 | |
JP2016222585A (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP2012158567A (ja) | 皮膚外用組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160824 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170411 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170502 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170619 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170801 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20170929 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20171108 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180109 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180131 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6284729 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |