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JP6277143B2 - 電源装置およびacアダプタ - Google Patents

電源装置およびacアダプタ Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、電源装置およびACアダプタに関する。
デジタル家電やOA機器等の機器には、商用交流電源から直流電力を得るための電源装置が搭載されている。交流電源から直流電力を得る電源装置としては、ダイオード整流回路、力率改善回路(PFC)、DC/DC変換器の3つの回路を有するものが知られている。例えば、図9は、従来の電源装置の回路構成を示す。ダイオード整流回路は、交流電圧を整流し直流電圧へ変換する。ダイオード整流器で整流した電圧は、交流電圧同様に振幅が大きく変動するため、平滑コンデンサを接続し電圧を平滑する。平滑コンデンサを接続すると、整流器は平滑コンデンサよりも交流電圧が大きい場合にのみダイオードが導通する動作となる。このため、交流電源から整流器に流れ込む電流は交流電圧ピーク付近のみ振幅を持った力率の悪い波形となる。PFC回路は、ダイオード整流回路と平滑コンデンサの間に接続し、力率改善を行う。DC/DC変換器は、整流回路とPFC回路で得られた直流電圧を所望の電圧に変換する。
しかしながら、多段構成の回路では、回路全体の損失がそれぞれの回路で生じる損失の和となる。このため、多段構成の回路を適用した電源装置は、各々の回路の効率が良くても、電源装置全体としての効率向上には限界がある。
本発明は、リプルを抑制できる電源装置およびACアダプタを提供することを目的とする。
実施形態によれば、電源装置は、Hブリッジと、第1インダクタと、第2インダクタと、第1キャパシタと、トランスと、整流器と、第1の電圧検出手段と、電流検出手段と、第2の電圧検出手段と、第3の電圧検出手段と、制御部とを有する。Hブリッジは、直列接続した第1及び第2スイッチと、直列接続した第3及び第4スイッチと、キャパシタと、が並列接続される。制御部は、第1の電圧検出手段、電流検出手段、第2の電圧検出手段及び第3の電圧検出手段が検出する値に基づいて、第1及び第2スイッチの接続点と第3及び第4スイッチの接続点との間の電圧値が零となる零電圧期間の長さを前記交流電源の電源周波数に伴って変化させるスイッチング信号を生成し、生成したスイッチング信号により各スイッチを制御する。
図1は、第1の実施形態に係る電源装置の構成例を示す図である。 図2は、第1の実施形態に係る電源装置における制御装置の構成例を示すブロック図である。 図3(a)は、交流電源電圧の波形を示す。図3(b)は、電源(第1インダクタ)電流の波形を示す。図3(c)は、Hブリッジの線間電圧の波形を示す。図3(d)は、第2インダクタ電流の波形を示す。図3(e)は、トランスの2次側電流の波形を示す。図3(f)は、出力電圧(負荷電圧)の波形を示す。 図4は、スイッチング周波数に対する電圧のゲイン特性を示す図である。 図5は、2レベルPWMによるHブリッジの線間電圧と各スイッチング素子に対する駆動信号との例を示す図である。 図6は、3レベルPWMによるHブリッジの線間電圧と各スイッチング素子に対する駆動信号との例を示す図である。 図7は、3レベルPWMに用いる変調率の例を示す図である。 図8は、第2の実施形態に係る電源装置の構成例を示す図である。 図9は、従来の電源装置の回路構成例を示す図である。
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る電源装置1の構成例を示す図である。
電源装置1は、電源回路11と制御装置(制御部)12とを備える。電源装置1は、制御装置12が電源回路11を制御することにより交流電源2からの交流電力を負荷3に供給する直流電力に変換する。また、電源装置1は、交流電源2に接続するプラグおよび負荷3に接続するプラグを設けることによりACアダプタとして実現できる。
電源回路11は、第1インダクタL1、第2インダクタL2、トランスT、第1キャパシタC1、Hブリッジ21、整流器22、第2キャパシタCout、入力電圧検出部(第1の電圧検出手段)23、電源電流検出部(電流検出手段)24、ブリッジキャパシタ電圧検出部(第2の電圧検出手段)25、及び、出力電圧検出部(第3の電圧検出手段)26を備える。
また、Hブリッジ21は、スイッチング素子(スイッチ)S1P、S1N、S2P、S2N、ダイオードD1P、D1N、D2P、D2N、及び、ブリッジキャパシタCdcを備える。
Hブリッジ21は、直列に接続された第1及び第2スイッチング素子S1P、S1Nと、直列に接続された第3及び第4スイッチング素子S2P、S2Nと、直列に接続されたブリッジキャパシタCdcと、が互いに並列に接続されている。以下の説明では、直列接続される第1スイッチング素子S1Pと第2スイッチング素子S1Nとの接続点はA点とする。第1スイッチング素子S1Pと第2スイッチング素子S1Nとは、A側のハーフブリッジを構成する。また、直列接続される第3スイッチング素子S2Pと第4スイッチング素子S2Nとの接続点は、B点とする。第3スイッチング素子S2Pと第4スイッチング素子S2Nとは、B側のハーフブリッジを構成する。また、A点及びB点間の電圧(AB間電圧)Vabは、Hブリッジ21の出力電圧(線間電圧)である。
第1スイッチング素子S1Pのソース端子は、A点を介して第2スイッチング素子S1Nのドレイン端子に接続される。第1スイッチング素子S1Pのドレイン端子は、第3スイッチング素子S2Pのドレイン端子に接続される。第2スイッチング素子S1Nのソース端子は、第4スイッチング素子S2Nのソース端子に接続される。第3スイッチング素子S2Pのソース端子は、B点を介して第4スイッチング素子S2Nのドレイン端子に接続される。また、ブリッジキャパシタCdcの一端は、第1スイッチング素子S1Pのドレイン端子と第3スイッチング素子S2Pのドレイン端子とに接続される。ブリッジキャパシタCdcの他端は、第2スイッチング素子S1Nのソース端子と第4スイッチング素子S2Nのソース端子とに接続される。
各スイッチング素子S1P、S1N、S2P、S2Nには、それぞれダイオードD1P、D1N、D2P、D2Nが並列に接続される。スイッチング素子S1P、S1N、S2P、S2Nは、自己消弧型の素子でMOSFET等を用いることができる。例えば、スイッチング素子S1P、S1N、S2P、S2Nは、N型電界効果トランジスタ(MOSFET)を用いることができる。ダイオードD1P、D1N、D2P、D2Nは、MOSFET等のボディーダイオードで代用しても良い。各スイッチング素子S1P、S1N、S2P、S2Nのゲート端子は、制御装置12に接続される。各スイッチング素子S1P、S1N、S2P、S2Nは、制御装置12がゲート端子に与えるスイッチング信号によりオンオフする。
第1インダクタL1および第2インダクタL2は、交流電源2とHブリッジ21のA点との間に直列に接続される。トランスTの1次巻線T1は、交流電源2とHブリッジ21のB点との間に直列に接続される。また、第1キャパシタC1は、第1インダクタL1と第2インダクタL2との接続点と、交流電源2とトランスTの1次巻線T1との接続点との間に接続される。第1インダクタL1と第1キャパシタC1とは、交流電源2に直列接続された閉ループを形成し、ローパスフィルタを構成する。
また、トランスTの2次巻線T2(トランスTの2次側)には、整流器22を接続する。整流器22は、ダイオードやMOSFET等のスイッチング素子で構成される。図1に示す構成例において、整流器22は、第5ダイオードD5および第6ダイオードD6を備える。第5ダイオードD5及び第6ダイオードD6の各アノード端子は、それぞれトランスTの2次巻線T2の両端に接続される。第5ダイオードD5及び第6ダイオードD6の各カソード端子は互いに接続される。第5ダイオードD5及び第6ダイオードD6の各カソード端子の接続点とトランスTの2次巻線T2の中点との間には、第2キャパシタCoutが接続される。ダイオードD5、D6及び第2キャパシタCoutは、整流平滑回路を構成する。第2キャパシタCoutには、負荷3が並列に接続される。
入力電圧(電源電圧)検出部23は、交流電源2から電源回路11に入力される交流の電源電圧Vacを検出する。入力電圧検出部23は、第1の電圧検出手段として機能する。入力電圧検出部23は、交流電源2の両端に並列接続される。入力電圧検出部23は、電源電圧Vacの瞬時値を示す検出値を制御装置12に出力する。
電源電流(第1インダクタ電流)検出部24は、交流電源2に流す交流の電源電流(第1インダクタ電流)Iacを検出する。電源電流検出部24は、電流検出手段として機能する。電源電流検出部24は、例えば、交流電源2と第1インダクタL1との間に直列接続される。電源電流検出部24は、電源電流Iacの瞬時値を示す検出値を制御装置12へ出力する。
ブリッジキャパシタ電圧検出部25は、Hブリッジ21においてブリッジキャパシタCdcにかかるブリッジキャパシタ電圧(キャパシタ電圧)Vdcを検出する。ブリッジキャパシタ電圧検出部25は、第2の電圧検出手段として機能する。ブリッジキャパシタ電圧検出部25は、ブリッジキャパシタCdcの両端に並列接続される。ブリッジキャパシタ電圧検出部25は、キャパシタ電圧Vdcの瞬時値を示す検出値を制御装置12へ出力する。
出力電圧(負荷電圧)検出部26は、第2キャパシタCoutの出力電圧Voutを検出する。出力電圧検出部26は、第3の電圧検出手段として機能する。出力電圧検出部26は、負荷3側の第2キャパシタCoutの両端に並列接続される。また、第2キャパシタCoutは負荷3に並列接続されるものであるから、出力電圧検出部26が検出する出力電圧Voutは負荷3に出力する出力電圧である。出力電圧検出部26は、出力電圧Voutの瞬時値を示す検出値を制御装置12へ出力する。
次に、制御装置12の構成例について説明する。
制御装置12は、電源回路11の各部で検出される電圧値及び電流値に基づいてHブリッジ21における4つのスイッチング素子に対する各スイッチング信号を生成する。制御装置12は、4つのスイッチング素子をオンオフすることにより、電源回路11における力率の制御とともに出力電圧の制御を行う。
制御装置12は、力率の制御として、交流の電源電圧Vacと同位相の電源電流(第1インダクタ電流)Iacを流すように4つのスイッチング素子を制御する。制御装置12は、電圧Vac、電流Iac、キャパシタ電圧Vdcの検出値に基づき、電流Iacが電圧Vacと同位相になるように各スイッチング素子をオンオフする。また、制御装置12は、出力電圧の制御として、出力電圧Voutが設定値になるように、4つのスイッチング素子を制御する。制御装置12は、電圧Voutの検出値に基づき、電圧Voutと出力電圧指令値(出力電圧の設定値)との偏差を解消するように、各スイッチング素子をオンオフする。
図2は、制御装置12の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、制御装置12は、系統電流制御部12A、出力電圧制御部12BおよびPWM生成部12Cを有する。
系統電流制御部12Aは、キャパシタ電圧設定部31、減算部32、電圧制御器(AVR)33、PLL(phase-locked loop)34、正弦波生成部35、乗算部36、減算部37、電流制御器(ACR)38、除算部39を有する。
キャパシタ電圧設定部31は、キャパシタ電圧Vdcに対する電圧指令値Vdc_refを設定する。キャパシタ電圧設定部31は、予め設定される電圧指令値Vdc_refを減算部32に出力する。
減算部32は、ブリッジキャパシタ電圧検出部25が検知するキャパシタ電圧Vdcからキャパシタ電圧設定部31が設定する電圧指令値Vdc_refを減算することにより偏差Vdc_difを算出する。減算部32は、算出した偏差Vdc_dif(=Vdc−Vdc_ref)を電圧制御器(AVR)33へ出力する。
電圧制御器(AVR)33は、減算部32が算出した偏差Vdc_difに基づくPI演算により、交流電源電流(第1インダクタ電流)Iacに対する振幅指令値Iac_amp_Refを生成する。電圧制御器33は、生成した振幅指令値Iac_amp_refを乗算部36に出力する。
PLL34は、電源電圧検出部23が検出する電源電圧Vacの位相ωtを検出する。PLL34は、検出した電源電圧の位相ωtを正弦波生成部35へ出力する。
正弦波生成部35は、PLL34が検出した電源電圧位相ωtと同位相の正弦波sin ωtを生成する。正弦波生成部35は、生成した正弦波sin・ωtを乗算部36へ出力する。
乗算部36は、振幅指令値Iac_amp_refと正弦波sin ωtとを乗じる。乗算部36は、振幅指令値Iac_amp_refと正弦波sin ωtとを乗じることにより、電源電圧Vacと同位相の電流指令値Iac_refを計算する。乗算部36は、計算した電流指令値Iac_refを減算部37へ出力する。
減算部37は、乗算部36が計算した電流指令値Iac_refから、電源電流検出部24が検出した電源電流(第1インダクタ電流)Iacの値を減算する。減算部37は、算出した偏差Iac_dif(=Iac_ref−Iac)を電流制御器(ACR)38へ出力する。
電流制御器(ACR)38は、減算部37が計算した偏差Iac_difに基づくPI演算により、Hブリッジ21におけるAB間の出力電圧Vabに対する出力電圧指令値Vab_refを生成する。電流制御部38は、生成した出力電圧指令値Vab_refを除算部39へ出力する。
除算部39は、電流制御器(ACR)38から取得する出力電圧指令値Vab_refをブリッジキャパシタ電圧検出部25が検出したキャパシタ電圧Vdcの値で除算する。除算部39は、算出した出力電圧指令値Vab_refとキャパシタ電圧Vdcとの比を変調率指令値D(=Vab_ref/Vdc)としてPWM生成部12Cへ出力する。
次に、出力電圧制御部12Bの構成について説明する。
出力電圧制御部12Bは、出力電圧設定部41、減算部42、電圧制御器(AVR)43、およびキャリア生成部44を有する。
出力電圧設定部41は、出力電圧Voutに対する出力電圧指令値Vout_refを設定する。出力電圧設定部41は、予め設定された出力電圧Voutに対する出力電圧指令値Vout_refを減算部42に出力する。
減算部42は、出力電圧検出部26が検出した出力電圧Voutから出力電圧設定部41が設定する出力電圧指令値Vout_refを減算することにより偏差Vout_difを算出する。減算部42は、算出した偏差Vout_dif(=Vout−Vout_ref)を電圧制御器(AVR)43へ出力する。
電圧制御器(AVR)43は、減算部42から取得する偏差Vout_difに基づくPI演算により、キャリア周波数fcを生成する。電圧制御器43は、生成したキャリア周波数fcをキャリア生成部44へ出力する。
キャリア生成部44は、電圧制御器(AVR)43から受けたキャリア周波数fcをもつ三角波キャリアのキャリア信号Scを生成する。キャリア生成部44は、生成したキャリア信号ScをPWM生成部12Cへ出力する。
次に、PWM生成部12Cの構成について説明する。
PWM生成部12Cは、加算値設定部51、加算部52、乗算部53、加算部54、乗算部55、コンパレータ61、62、および、NOT回路63、64を有する。
加算値設定部51は、変調率に加算する変調率加算値Daddを設定する。加算部52は、変調率指令値Dと変調率加算値Daddとを加算する。加算部52は、変調率指令値Dと変調率加算値Daddとを加算した値を変調率指令値Daとしてコンパレータ61の非反転入力端子へ出力する。すなわち、コンパレータ61の非反転入力端子へ供給される変調率指令値Daは、Da=D+Daddの信号である。
コンパレータ61は、非反転入力端子に変調率指令値Daが入力される。他方、コンパレータ61の反転入力端子には、キャリア生成部44が生成したキャリア信号Scが入力される。コンパレータ61は、変調率指令値Daとキャリア信号Scとを比較し、「1」又は「0」の値をもつスイッチング信号Ahi_PWMを出力する。例えば、コンパレータ61は、Sc<Daの場合には「1」のスイッチング信号Ahi_PWMを出力し、Sc≧Daの場合には「0」のスイッチング信号Ahi_PWMを出力する。コンパレータ61は、生成したスイッチング信号Ahi_PWMを第1のスイッチング信号Ahi_PWMとして第1スイッチング素子S1Pのゲート端子へ出力するとともに、スイッチング信号Ahi_PWMをNOT回路63へ出力する。
NOT回路63は、コンパレータ61から供給されるスイッチング信号Ahi_PWMを反転させることにより、第2のスイッチング信号Alo_PWMを生成する。NOT回路63は、生成した第2のスイッチング信号Alo_PWMを第2スイッチング素子S1Nのゲート端子へ出力する。
また、乗算部53は、変調率指令値Dと−1とを乗算する。乗算部53は、変調率指令値Dに−1を乗算した値(つまり、−D)を加算部54へ出力する。加算部54は、−Dと変調率加算値Daddとを加算する。加算部54は、−Dと変調率加算値Daddとを加算した値を変調率指令値Dbとしてコンパレータ62の非反転入力端子へ出力する。すなわち、コンパレータ62の非反転入力端子へ供給される変調率指令値Dbは、Db=−D+Daddの信号である。
乗算部56は、三角波のキャリア信号Scと−1とを乗算する。つまり、乗算部56は、キャリア信号Scに−1を乗算することにより、キャリア信号Scを反転した信号(キャリア信号の反転信号)(−Sc)を生成する。乗算部56は、キャリア信号の反転信号(−Sc)をコンパレータ62の反転入力端子へ出力する。
コンパレータ62は、非反転入力端子に変調率指令値Dbが入力される。他方、コンパレータ62の反転入力端子には、キャリア生成部44が生成した三角波キャリアのキャリア信号Scを反転した信号(−Sc)が入力される。コンパレータ62は、変調率指令値Dbとキャリア信号の反転信号(−Sc)とを比較し、「1」又は「0」の値をもつスイッチング信号Bhi_PWMを出力する。例えば、コンパレータ62は、−Sc<Dbの場合には「1」のスイッチング信号Bhi_PWMを出力し、−Sc≧Dbの場合には「0」のスイッチング信号Bhi_PWMを出力する。
コンパレータ62は、生成したスイッチング信号Bhi_PWMを第3のスイッチング信号Bhi_PWMとして第3スイッチング素子S2Pのゲート端子へ出力するとともに、スイッチング信号Bhi_PWMをNOT回路64へ出力する。
NOT回路64は、コンパレータ62から受けたスイッチング信号Bhi_PWMを反転させることにより、第4のスイッチング信号Blo_PWMを生成する。NOT回路64は、生成した第4のスイッチング信号Blo_PWMを第4スイッチング素子S2Nのゲート端子へ出力する。
以上により、制御装置12は、電源回路11のHブリッジ21における各スイッチング素子に対するスイッチング信号を生成し、各スイッチング素子のオンオフを制御する。
次に、上記のように構成される電源装置1の動作原理を説明する。
電源装置1は、Hブリッジ21を含む電源回路11と制御装置12とを有する。Hブリッジ21は、4つのスイッチング素子とブリッジキャパシタCdcとを有する。制御装置12は、ブリッジキャパシタCdcに充電されているブリッジキャパシタ電圧(キャパシタ電圧)Vdcを元に生成した各スイッチング素子に対するスイッチング信号を出力する。このような制御装置12の制御により、電源回路11は、出力電圧としてブリッジキャパシタCdcの電圧を上限とする任意の電圧を出力することができる。
スイッチングにより電圧を出力する方法としては、PWM(Pulse Width Modulation)やPDM(Pulse Density Modulation)等を用いる。また、PWM、PDMの生成法は、キャリア比較やヒステリシスコンパレータ等、種々の公知のものが適用できる。なお、Hブリッジ21のキャパシタへの充電方法および、その電圧制御方法としては、交流電源電圧を利用した充電及び制御が実現可能である。
図3は、電源回路11の各部における電圧波形および電流波形を示す図である。図3(a)は、電源電圧Vacの電圧波形を示す。図3(b)は、電源(第1インダクタ)電流Iacの電流波形を示す。図3(c)は、Hブリッジ21の線間電圧(AB間)電圧Vabの電圧波形を示す。図3(d)は、第2インダクタ電流Il2の電流波形を示す。図3(e)は、トランスTの2次側電流It2の電流波形を示す。図3(f)は、出力電圧(負荷電圧)Voutの電圧波形を示す。
ここで、Hブリッジ21から電源電圧Vacを打ち消す方向に交流電源電圧相当の電圧Vabを出力する場合を考える。Hブリッジ21におけるAB間の出力電圧Vabには、図3(c)に示すように、スイッチングによる高調波成分と出力する電圧の50Hzや60Hzの低周波成分とが含まれる。出力する交流電圧は、交流電源と同一な50Hzや60Hzの出力である。これに対して、制御装置12が制御する各スイッチング素子のスイッチング周波数は、それよりも十分高い数十〜数百キロHzの周波数を用いる。
直列接続される第1インダクタL1、第2インダクタ及びトランスTの1次巻線T1には、電源電圧VacとHブリッジ21の出力電圧Vabとの差分が印加される。Hブリッジ21と第1インダクタL1の間には、キャパシタC1が接続される。Hブリッジ21の出力電圧Vabの高周波成分は、キャパシタC1により減衰する。このため、第1インダクタL1に対しては、Hブリッジの出力電圧Vabに含まれる50Hzや60Hzの低周波成分と電源電圧の差分が印加される。
第2インダクタL2とトランスTの1次巻線T1にも、電源電圧VacとHブリッジ21の出力電圧Vabとの差分が印加される。Hブリッジ21は、交流電源を打ち消す大きさの交流電圧を出力する。このため、第2インダクタL2とトランスTの1巻線T1とには、それぞれHブリッジ21の出力電圧Vabと電源電圧Vacとの差分であるHブリッジ21のスイッチングによる高周波成分が印加される。第2インダクタL2とトランスTの1次巻線T1に対しても、第1インダクタL1と同様に、Hブリッジ21の出力電圧Vabの低周波成分と電源電圧Vacとの差分が印加される。第1インダクタL1は、第2インダクタL2およびトランスTの1次巻線T1にあらわれる励磁インダクタンスよりも十倍以上と十分大きな値とする。このため、電圧Vabの低周波成分の大部分は第1インダクタL1に印加される。
すなわち、第1インダクタL1に印加されるHブリッジ21の出力電圧Vabの低周波成分と電源電圧Vacとの差分の大きさは、Hブリッジ21の出力電圧を調整することで任意に制御可能である。言い換えると、第1インダクタL1に流れる第1インダクタ電流(交流電源2から電源装置1に流入する電源電流)Iacは、Hブリッジ21の出力電圧Vabの低周波成分を調整することで制御可能となる。この特性を利用して、電源装置1は、Hブリッジ21における各スイッチング素子のスイッチングを制御することにより、整流器およびPFCとして動作する。
第2インダクタL2とトランスTの1次巻線T1とには電圧Vabの高周波電圧が印加される。トランスTの1次巻線T1に印加される高周波電圧は、トランスTの2次巻線T2に励起される。トランスTの2次巻線T2に励起された電圧は、整流器22によって整流され、第2キャパシタCoutで平滑化されることにより直流電圧となる。平滑化された直流電圧は、負荷3に供給される。
また、トランスTの1次巻線T1に印加される高周波電圧の大きさによってトランスTの2次巻線T2に接続される負荷3へ出力する電圧(負荷電圧)Voutが決まる。Hブリッジ21の出力電圧Vabから得られる高周波電圧は、トランスTの1次巻線T1と第2インダクタL2とのそれぞれに印加される。このため、トランスTの1次巻線T1に印加される高調波電圧は、第2インダクタL2により分圧された電圧となる。第2インダクタL2およびトランスTの1次巻線T1に印加される電圧は、Hブリッジ21の各スイッチング素子のスイッチングにより生じる高周波電圧である。この高周波電圧の周波数は、スイッチング素子に対するスイッチング周波数によって変化する。第2インダクタL2は、一定のインダクタを有するため、周波数によってインピーダンスが変化する。この特性を利用して、電源装置1は、第2インダクタL2に印加する電圧を加減することによりトランスに印加される電圧を調整し、負荷電圧を制御する。
次に、Hブリッジ21におけるブリッジキャパシタCdcへの充電およびその電圧制御方法について説明する。
まず、起動時において、ブリッジキャパシタCdcは、全く充電されていない状態である。この状態において、電源装置1に交流電源2を接続すると、第1インダクタL1等を介してHブリッジ21のAB間に交流電源2からの電源電圧Vacが印加される。キャパシタCdcが全く充電されていない状態であれば、印加される交流の電源電圧Vacにより各スイッチング素子に並列に接続される各ダイオードが点弧する。点弧した各ダイオードは、ブリッジキャパシタCdcに対して全波整流回路として動作する。
ブリッジキャパシタCdcは、交流の電源電圧Vacのピーク値程度まで充電される。ここで、ブリッジキャパシタCdcが交流電源の電源電圧Vacまで充電されると、Hブリッジ21は、交流電源電圧の電源電圧相当の電圧を出力することが可能となる。上述したように、第1インダクタL1を流れる第1インダクタ電流(電源電流)Iacは、Hブリッジ21の出力電圧Vabを制御することにより制御することが可能となる。制御装置12は、交流電源電圧と同相の電流となるように第1インダクタL1を流れる第1インダクタ電流(電源電流)Iacを制御することにより、電源回路11に対して有効電力を供給することができる。
ここで、第1インダクタL1は電源装置1の定格容量に対して数%のインピーダンスしか持たないものとする。このため、電流制御を行うために第1インダクタL1に印加する電圧は交流電源電圧の数%程度である。すなわち、Hブリッジ21の出力電圧Vabには交流の電源電圧Vacを打ち消す成分と第1インダクタL1の電流を制御するための電圧とが含まれるが、電流を制御するための電圧は数%である。このため、Hブリッジ21の出力電圧Vabの大部分は、交流の電源電圧Vacと近似の正弦波電圧となる。
従って、交流電源2と同位相の電源電流(インダクタ電流)を電源回路11に流し込むように制御して得られる有効電力の大部分は、Hブリッジ21へ供給される。交流電源2からHブリッジ21へ電力を与える方向に電流を流した場合、Hブリッジ21におけるキャパシタ電圧Vdcは上昇する。一方、Hブリッジ21から交流電源2へ電力を与える方向に電流を流せば、Hブリッジ21のキャパシタ電圧Vdcは下降する。従って、電源装置1は、制御装置12が交流電源電圧と同位相の電源電流成分を制御することによりHブリッジ21におけるキャパシタ電圧を制御できる。
次に、電源周波数の2倍周波数の電圧リプルについて説明する。
Hブリッジのキャパシタ電圧Vdcは、電源電流Iacに純粋な正弦波の交流電流を流そうと制御した場合、以下の式(1)で示される電源周波数の2倍周波数の電圧リプルを生じる。
式(1)において、近似した式の右辺は、第1項のVdc_avgがキャパシタ電圧の平均値であり、第2項のsin関数の係数がリプルの振幅である。式(1)によれば、ブリッジキャパシタCdcの容量が大きいと、リプルは、小さくなる。これに対して、電流Iac_rmsが大きく、ブリッジキャパシタCdcの容量が小さいと、リプルは、大きくなる。
また、トランスTで2次側へ電力を供給する場合、実効的な電圧は、トランスへの印加電圧パルスが50%パルスの場合に最も大きくなる。これに対して、印加電圧パルスが細い場合、或いは、印加電圧パルスがほとんどオンしている場合、トランスTの2次側の実効的な電力は減少する。トランスTの2次側への電力伝達量を高調波実効割合と定義すると、高調波実効割合は、インバータの変調率に関係する。たとえば、高調波実効割合は、パルス幅が50%となる変調率0の点で、最大となる。これに対して、変調率が1あるいは−1に近づくほど、高調波実効割合は、減少する。系統電流制御により変調率は、電源周波数(ω)で変動する。このため、高調波実効割合は、電源周波数の2倍周波数(2ω)で変動する。
すなわち、トランスTの2次側への電力伝達の源となるキャパシタ電圧には、2ωのリプルが発生する。更に、インバータの変調率に起因する高調波実効割合にも、2ωのリプルが存在する。この結果、最終的にトランスTの2次側に発生する電圧には、必然的に2ωのリプルが発生する。
一般に、トランスTの2次側の出力電圧は、一定の電圧が望ましい。このため、上記の2ωのリプルを無くすように制御をする必要がある。本実施形態の制御装置12は、スイッチング周波数の変化ではなく、Hブリッジ21の各ブリッジの変調率を個別に制御することで2ωのリプルをキャンセルする。
例えば、2次側の電圧の大きさは、Hブリッジ21のスイッチング周波数により制御することもできる。図4は、Hブリッジ21の出力電圧Vabを入力とし、トランスTの2次側の出力電圧Voutを出力とした伝達関数の周波数特性を示している。制御装置12は、図4に示す伝達関数のピークよりも高周波側で電源回路11を制御する。例えば、制御装置12は、出力電圧を高くしたい場合にはスイッチング周波数を低くし、出力電圧を低くしたい場合にはスイッチング周波数を高くする。制御装置12は、2ωの周期でスイッチング周波数を可変すれば、原理的には、2ωのリプルを抑制できる。
しかし、頻繁にスイッチング周波数を可変しながらの制御では、スイッチング周波数を変化させる制御帯域によっては、2ωのリプルを完全に消去できない問題がある。また、一般にスイッチング周波数には上限と下限が設定されるため、2ωのリプルを打ち消すためのスイッチング周波数の変化幅にも制限が生じる問題がある。このような問題を解決するため、本実施形態に係る制御装置12は、スイッチング周波数の変化ではなく、PWMの変調率を制御することにより2ωのリプルをキャンセルする。
図5は、本実施形態に係る電源装置1における3レベルのPWMと比較するための2レベルのPWMの例を示す図である。図5は、2レベルのPWMによる各スイッチング素子に対するスイッチング(駆動)信号とHブリッジ21の出力電圧Vabの波形との例を示す。
図5に示す2レベルPWMでは、第1スイッチング素子S1Pに対するスイッチング信号(Ahi_Pwm)と第4スイッチング素子S2Nに対するスイッチング信号(Blo_Pwm)とは同じデューティとなる。また、第3スイッチング素子S2Pに対するスイッチング信号(Bhi_PWM)と第2スイッチング素子S1Nに対するスイッチング信号(Alo_Pwm)とは同じデューティとなる。また、図5に示す2レベルのPWMでは、第1スイッチング素子S1P及び第2スイッチング素子S1NからなるA側のハーフブリッジに対する変調率Daに‐1を乗じた値が第3スイッチング素子S2P及び第4スイッチング素子S2NからなるB側のハーフブリッジに対する変調率Dbとなる。
なお、図5に示す2レベルPWM制御は、図2に示す制御装置12においてDaddを零(0)とした場合の動作となる。例えば、A側ハーフブリッジのPWMは、三角波のキャリア信号Scと変調率Daとの比較により生成できる。また、B側ハーフブリッジのPWMは、キャリア信号Scとしての三角波の位相を180度反転した三角波の反転信号(−Sc)と変調率Dbとを比較することで生成できる。
これに対し、本電源装置1は、Hブリッジ21の出力電圧を、2レベルのPWMではなく、電圧値が零(0)となる零電圧期間を設けた3レベルのPWMで制御する。また、電源装置1は、零電圧期間の長さを電源周波数ωの2倍の周波数2ωで変化させることにより、トランスTの2次側の出力電圧に生じる2ωのリプルを抑制する。
図6は、零電圧期間を設けた場合におけるHブリッジ21の線間電圧のPWM波形を示している。図5に示す電圧Vabと図6に示す電圧Vabとは、PWMの1周期分を平均すると同じ値となる。図5に示す2レベルPWMは、Hブリッジの線間電圧Vabに正電圧期間及び負電圧期間のみを設ける。図5に示す電圧Vabは、正側のパルス幅と負側のパルス幅とが同程度で、正のパルスと負のパルスとが交互に現れることで平均的な電圧値が0となる。これに対し、図6に示す3レベルPWMは、Hブリッジの線間電圧Vabに、正電圧期間、負電圧期間及び零電圧期間を設ける。図6に示す電圧Vabは、正側のパルス幅と負側のパルス幅とが図5よりも短くなり、正のパルスと負のパルスとの間に零電圧期間が現れる。図6に示す電圧Vabも、正のパルスと負のパルスとが同程度の幅であるため、平均的な線間電圧は零である。
上述した2レベルPWM及び3レベルPWMは、何れも系統電流の制御(整流及び力率制御)に影響を与えない。一方、トランスTの2次側への電力伝達という点では、2レベルPWMと3レベルPWMとは特徴が異なる。上述したように、トランスTの電力伝達は、高調波実効割合が大きい方が大きくなる。このため、2レベルPWMは、変調率が零の付近で最大の電圧を送ることができる。これに対して、3レベルPWMは、零電圧期間を設けたことにより、高調波実効割合が低下し、トランスTの2次側電圧が2レベルPWMに比べて低下する。
このような3レベルPWMの特徴を利用し、本実施形態に係る制御装置12は、零電圧期間の長さを2ωの周波数で変化させる。つまり、制御装置12は、線間電圧Vabのピークおよびボトム付近では零電圧期間を零とし、零クロス付近では零電圧期間の長さが最大となるように変化させる。図2に示す制御装置12は、変調率加算値Daddにより零電圧期間を設定する。すなわち、変調率加算値Daddは、Hブリッジの線間電圧Vabに零電圧期間を加えるため、A側の変調率Da及びB側の変調率Dbに加える。
図7は、変調率指令値D、変調率加算値Dadd、および、変調率指令値Da、および変調率指令値Dbの例を示す図である。
変調率指令値Daは、Hブリッジ21におけるA側ハーフブリッジへの変調率であり、変調率指令値Dbは、Hブリッジ21におけるB側ハーフブリッジへの変調率である。図7に示す例では、変調率指令値Daは、D+Daddとし、変調率指令値Dbは、−D+Daddとしている。これにより、制御装置12は、Hブリッジの線間電圧Vabに、変調率加算値Daddに応じた零電圧期間を設ける。すなわち、変調率加算値Daddは、電源周波数の2倍周波数で零電圧期間を設けるものである。
上述したように、本実施形態に係る電源装置1は、電源周波数ωの2倍の周波数2ωで変化する高調波実効割合をほぼ一定に制御する。これにより、本実施形態に係る電源装置1は、出力電圧における2ωのリプルを抑制できる。これは、スイッチング周波数の変化幅を抑制できることを意味する。スイッチング周波数の変化幅を抑制できるということは、図4に示すような電圧伝達の周波数特性において、確保すべき周波数範囲が狭くても良いということになる。従って、電源回路11は、第1インダクタL1,第2インダクタL2、トランスT、第1キャパシタC1に対する設計上の制約が少なくなり、効率を上げることができる。周波数変化範囲を狭くすると、コンバータ効率を上げることが容易であるという点はLLCコンバータ等と同様である。
以上のように、第1の実施形態に係る電源装置は、Hブリッジの出力電圧の低周波成分を制御することで入力電流を制御するPFCの動作を実現できる。また、第1の実施形態に係る電源装置は、Hブリッジのブリッジコンデンサ電圧を制御することで整流器の動作を実現できる。さらに、第1の実施形態に係る電源装置は、Hブリッジのうちトランスに接続されたハーフブリッジのスイッチング素子に対するスイッチング周波数を可変することで、負荷電圧を制御するDC/DC変換器の動作を実現できる。つまり、第1の実施形態に係る電源装置は、整流器、PFC及びDC/DC変換器の3つの回路機能を1つのHブリッジで実現できるため、低損失で、かつ、部品点数を低減できる。これらに加えて、本実施形態に係る電源装置は、零電圧期間を与える3レベルPWMでHブリッジを制御することによりリプルを抑制できる。電源装置は、零電圧期間を交流電源の2倍周波数で変化させることにより出力電圧における交流電源の2倍周波数のリプルを抑制でき、周波数変化の抑制および効率を上げることが可能になる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
図8は、第2の実施形態に係る電源装置101の構成を示す図である。
図8に示す電源装置101は、電源回路111と制御装置112とを備える。図8に示す構成において、第1の実施形態で説明した構成と同一の構成要素により実現できるものついては同一符号を付して詳細な説明を省略するものとする。
電源回路111は、負荷3に係る出力電圧Voutを検出する代わりに、トランスTに電圧検出用の3次巻線T3を用いて電圧Vout´を検出する。制御装置212は、電圧検出用の3次巻線T3を用いて検出する電圧Vout´に基づいて第3及び第4スイッチング素子S2P及びS2Nのスイッチング周波数を可変することにより、負荷3へ出力する出力(負荷)電圧Voutを制御する。
すなわち、電源回路111は、図1に示す出力電圧検出部26に代えて、出力(負荷)電圧検出部126を備える。出力電圧検出部126は、第4の電圧検出手段として機能する。図8に示す構成例において、出力電圧検出部126は、トランスTの3次巻線T3と整流回路と電圧検出部とを有する。トランスTの3次巻線T3は、1次巻線T1に電磁的に結合する。トランスTの3次巻線T3は、トランスTに現れる電圧を検出する。整流回路は、3次巻線T3が検出する電圧を整流する。例えば、整流回路は、2つのダイオードおよびキャパシタなどにより構成する。電圧検出部は、整流回路が整流した電圧Vout´を検出する。
トランスTの2次巻線T2および3次巻線T3に現れる電圧は、トランスTの1次巻線T1に印加される電圧によって決まる。トランスTの2次巻線T2に現れる電圧と3次巻線T3に現れる電圧は、同様の挙動を示す。このため、制御装置112は、トランスTの3次巻線T3を用いて検出する電圧値に基づいて、トランスTの2次側における負荷電圧Voutを制御する。すなわち、電源装置101は、トランスTの2次巻線T2に接続された負荷3にかかる出力電圧Voutを直接的に検出しなくとも、トランスTに追加した3次巻線を用いて検出する電圧値に基づき、負荷電圧Voutを制御できる。
一般に、ACアダプタなどの電源装置の制御装置は、トランスTの1次側の電位を基準として構成されることが多い。これに対し、トランスTの2次側の電圧を検出するには絶縁アンプ等の部品が必要となる。つまり、第2の実施形態に係る電源装置は、トランスTの1次側にトランスTに3次巻線T3を追加して検出する電圧Vout´に基づいてスイッチング周波数を制御する。これにより、第2の実施形態に係る電源装置は、絶縁アンプ等の追加の部品なしで上述の制御を実現できる。
上記のように、第2の実施形態に係る電源装置は、第1の実施形態と同様な整流器、PFCおよびDC/DC変換器の3つの回路機能を1つのHブリッジを含む電源回路で実現できるとともに、絶縁アンプ等の追加の部品なしで実現できる。さらに、第2の実施形態の電源装置は、第1の実施形態で説明した零電圧期間を設ける3レベルPWMによってリプルを抑制する。この結果、第2の実施形態に係る電源装置は、部品点数の削減、よび低損失を実現できる回路構成でリプルを抑制し、効率を上げることが可能になる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載した内容を付記する。
[1]
直列接続した第1及び第2スイッチと、直列接続した第3及び第4スイッチと、キャパシタと、が並列接続されるHブリッジと、
交流電源に一端が接続される第1インダクタと、
前記第1インダクタの他端と前記第1及び第2スイッチの接続点との間に直列接続される第2インダクタと、
前記交流電源に一端が接続される第1キャパシタと、
前記第1キャパシタの他端と前記第3及び第4スイッチの接続点との間に直列接続される1次巻線と、前記1次巻線に電磁的に結合する2次巻線とを有するトランスと、
前記トランスの2次巻線に接続される整流器と、
前記交流電源の電源電圧を検出する第1の電圧検出手段と、
前記第1インダクタを流れる電源電流を検出する電流検出手段と、
前記Hブリッジの前記キャパシタの電圧を検出する第2の電圧検出手段と、
前記整流器が出力する負荷電圧を検出する第3の電圧検出手段と、
前記第1の電圧検出手段、前記電流検出手段、前記第2の電圧検出手段及び前記第3の電圧検出手段が検出する値に基づいて、前記第1及び第2スイッチの接続点と前記第3及び第4スイッチの接続点との間の電圧値が零となる零電圧期間を設けるスイッチング信号を生成し、生成したスイッチング信号により前記各スイッチを制御する制御部と、
を具備することを特徴とする電源装置。
[2]
前記制御部は、前記第1及び第2スイッチの接続点と前記第3及び第4スイッチの接続点との間の電圧が、零電圧期間、正電圧期間及び負電圧期間の3つのレベルの電圧となるスイッチング信号を前記各スイッチに与える、
ことを特徴とする前記[1]に記載の電源装置。
[3]
前記制御部は、前記零電圧期間の長さを前記交流電源の電源周波数に伴って変化させる、
ことを特徴とする前記[1]又は[2]の何れかに記載の電源装置。
[4]
前記トランスに設けた3次巻線により電圧を検出する第4の電圧検出手段を有し、
前記制御部は、前記第3の電圧検出手段が検出する値に代えて前記第4の電圧検出手段が検出する値に基づいて前記各スイッチを制御する、
ことを特徴とする前記[1]乃至[3]の何れかに記載の電源装置。
[5]
前記[1]乃至[4]の何れかに記載の電源装置を有するACアダプタ。
1、101…電源装置、11、111…電源回路、12、112…制御装置(制御部)、21…Hブリッジ、22…整流器、23…入力電圧検出部(第1の電圧検出手段)、24…電源電流検出部(電流検出手段)、25…ブリッジキャパシタ電圧検出部(第2の電圧検出手段)、26…出力電圧検出部(第3の電圧検出手段)、126…負荷電圧検出部(第4の電圧検出手段)、C1…第1キャパシタ、Cdc…ブリッジキャパシタ、L1…第1インダクタ、L2…第2インダクタ、S1N…第2スイッチング素子(スイッチ)、S1P…第1スイッチング素子(スイッチ)、S2N…第4スイッチング素子(スイッチ)、S2P…第3スイッチング素子(スイッチ)、T…トランス、T1…1次巻線、T2…2次巻線、T3…3次巻線。

Claims (5)

  1. 直列接続した第1及び第2スイッチと、直列接続した第3及び第4スイッチと、キャパシタと、が並列接続されるHブリッジと、
    交流電源に一端が接続される第1インダクタと、
    前記第1インダクタの他端と前記第1及び第2スイッチの接続点との間に直列接続される第2インダクタと、
    前記交流電源に一端が接続される第1キャパシタと、
    前記第1キャパシタの他端と前記第3及び第4スイッチの接続点との間に直列接続される1次巻線と、前記1次巻線に電磁的に結合する2次巻線とを有するトランスと、
    前記トランスの2次巻線に接続される整流器と、
    前記交流電源の電源電圧を検出する第1の電圧検出手段と、
    前記第1インダクタを流れる電源電流を検出する電流検出手段と、
    前記Hブリッジの前記キャパシタの電圧を検出する第2の電圧検出手段と、
    前記整流器が出力する負荷電圧を検出する第3の電圧検出手段と、
    前記第1の電圧検出手段、前記電流検出手段、前記第2の電圧検出手段及び前記第3の電圧検出手段が検出する値に基づいて、前記第1及び第2スイッチの接続点と前記第3及び第4スイッチの接続点との間の電圧値が零となる零電圧期間の長さを前記交流電源の電源周波数に伴って変化させるスイッチング信号を生成し、生成したスイッチング信号により前記各スイッチを制御する制御部と、
    を具備することを特徴とする電源装置。
  2. 前記トランスに設けた3次巻線により電圧を検出する第4の電圧検出手段を有し、
    前記制御部は、前記第3の電圧検出手段が検出する値に代えて前記第4の電圧検出手段が検出する値に基づいて前記各スイッチを制御する、
    ことを特徴とする前記請求項に記載の電源装置。
  3. 直列接続した第1及び第2スイッチと、直列接続した第3及び第4スイッチと、キャパシタと、が並列接続されるHブリッジと、
    交流電源に一端が接続される第1インダクタと、
    前記第1インダクタの他端と前記第1及び第2スイッチの接続点との間に直列接続される第2インダクタと、
    前記交流電源に一端が接続される第1キャパシタと、
    前記第1キャパシタの他端と前記第3及び第4スイッチの接続点との間に直列接続される1次巻線と、前記1次巻線に電磁的に結合する2次巻線とを有するトランスと、
    前記トランスの2次巻線に接続される整流器と、
    前記交流電源の電源電圧を検出する第1の電圧検出手段と、
    前記第1インダクタを流れる電源電流を検出する電流検出手段と、
    前記Hブリッジの前記キャパシタの電圧を検出する第2の電圧検出手段と、
    前記トランスに設けた3次巻線により電圧を検出する第3の電圧検出手段と、
    前記第1の電圧検出手段、前記電流検出手段、前記第2の電圧検出手段及び前記第3の電圧検出手段が検出する値に基づいて、前記第1及び第2スイッチの接続点と前記第3及び第4スイッチの接続点との間の電圧値が零となる零電圧期間を設けるスイッチング信号を生成し、生成したスイッチング信号により前記各スイッチを制御する制御部と、
    を具備することを特徴とする電源装置。
  4. 前記制御部は、前記第1及び第2スイッチの接続点と前記第3及び第4スイッチの接続点との間の電圧が、零電圧期間、正電圧期間及び負電圧期間の3つのレベルの電圧となるスイッチング信号を前記各スイッチに与える、
    ことを特徴とする前記請求項1乃至3の何れか1項に記載の電源装置。
  5. 前記請求項1乃至4の何れか1項に記載電源装置を有するACアダプタ。
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