JP6270444B2 - コーティング組成物及び反射防止膜 - Google Patents
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Description
〔1〕
金属酸化物(A)と、重合体粒子(B)と、を含み、
粘度が5〜50cpであり、
表面張力が30〜40mN/mである、コーティング組成物。
〔2〕
加水分解性珪素化合物(C)をさらに含む、前項〔1〕に記載のコーティング組成物。
〔3〕
前記金属酸化物(A)が、アスペクト比(長径/短径)が3未満の球状の金属酸化物(a1)及び/又はアスペクト比(長径/短径)が3〜25の鎖状の金属酸化物(a2)を含む、前項〔1〕又は〔2〕に記載のコーティング組成物。
〔4〕
前記重合体粒子(B)が、水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と、を重合して得られる重合体粒子を含む、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のコーティング組成物。
〔5〕
前記重合体粒子(B)が、水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)を重合して得られる重合体粒子と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を重合して得られる重合体粒子と、を含む、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のコーティング組成物。
〔6〕
基材と、該基材の少なくとも一方の表面に配された、前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のコーティング組成物を含む反射防止層と、を有する、反射防止膜。
〔7〕
前記反射防止層は、前記基材上に前記コーティング組成物を塗布及び乾燥させた後に、400℃〜1000℃で熱処理して得られる層である、前項〔6〕に記載の反射防止膜。
〔8〕
前記基材表面の十点平均高さRzが、1〜1000μmである、前項〔6〕又は〔7〕に記載の反射防止膜。
〔9〕
基材と、該基材の少なくとも一方の表面に前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のコーティング組成物を塗布及び乾燥させた後に、400℃〜1000℃で熱処理して反射防止層を得る工程を含む、反射防止膜の製造方法。
〔10〕
基材と、該基材の少なくとも一方の表面に配された、珪素化合物を含む反射防止層と、を有し、
前記基材表面の十点平均高さRzが、1〜1000μmであり、
前記反射防止層の膜厚が80〜150nmの範囲にある面積の割合が、70%以上である、反射防止膜。
本実施の形態のコーティング組成物は、
金属酸化物(A)と、重合体粒子(B)とを含み、
粘度が5〜50cpであり、
表面張力が30〜40mN/mである。
本実施の形態のコーティング組成物の粘度は、5〜50cpであり、好ましくは8〜30cpであり、より好ましくは8〜20cpである。コーティング組成物の粘度が5cp以上であることにより、表面凹凸構造を有する基材表面にコーティング組成物を塗布した際の膜厚ムラがより低減する。また、コーティング組成物の粘度が50cp以下であることにより、コーティング組成物の配合安定性がより向上する。
本実施の形態のコーティング組成物の表面張力は、30〜40mN/mであり、好ましくは30〜35mN/mである。コーティング組成物の表面張力が上記範囲内であることにより、表面凹凸構造を有する基材表面に塗布した際の膜厚ムラがより低減する。
金属酸化物(A)としては、特に限定されないが、例えば、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、亜鉛、スズ、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、アンチモン、モリブデンなどの酸化物が挙げられる。また、金属酸化物(A)としては、特に限定されないが、例えば、アスペクト比(長径/短径)が3未満の球状の金属酸化物(a1)及び/又はアスペクト比(長径/短径)が3〜25の鎖状の金属酸化物(a2)を含むものが好ましい。
ここで、球状の金属酸化物(a1)のアスペクト比(長径/短径)が3未満の粒子状態で存在している金属酸化物をいう。球状の金属酸化物(a1)は、一次粒子であっても、凝集粒子であってもよい。球状の金属酸化物(a1)が凝集粒子である場合には、その形状は、完全な球である必要はなく、例えば、角があってもよい。このような金属酸化物(a1)を有することにより、表面親水性による防汚性がより向上する傾向にある。
鎖状の金属酸化物(a2)は、アスペクト比(長径/短径)が3〜25の金属酸化物であり、特に限定されないが、例えば、金属酸化物(微)粒子の一次粒子が数珠状に連結した複合粒子などが挙げられる。このような金属酸化物(a2)を用いることにより、塗膜の空隙率が増加し、反射防止特性により優れる傾向にある。
重合体粒子(B)を構成する重合体としては、特に限定されないが、例えば、ポリウレタン系重合体、ポリエステル系重合体、ポリ(メタ)アクリレート系重合体、ポリビニルアセテート系重合体、ポリブタジエン系重合体、ポリ塩化ビニル系重合体、塩素化ポリプロピレン系重合体、ポリエチレン系重合体、ポリスチレン系重合体、ポリスチレン−(メタ)アクリレート系共重合体、ロジン系誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物、セルロース系樹脂などのポリカルボニル化合物などから構成される重合体等が挙げられる。
加水分解性珪素化合物(b1)としては、特に限定されず、例えば、下記式(1)で表される化合物、シランカップリング剤、又はこれら1種又は2種以上の縮合生成物等が挙げられる。また、加水分解性珪素化合物(b1)は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
SiWxRy (1)
(式中、Wは、各々独立に、ハロゲン原子、水素原子、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアセトキシ基、炭素数1〜20のオキシム基、エノキシ基、アミノキシ基、及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の加水分解性基を表す。Rは、直鎖状又は分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基から選ばれる少なくとも1種の炭化水素基を表す。xは1以上4以下の整数であり、yは0以上3以下の整数である。また、x+y=4である。)
重合体粒子(B)の製造に用いる2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)としては、特に限定されないが、例えば、N−アルキル又はN−アルキレン置換(メタ)アクリルアミド等を例示することができる。N−アルキル又はN−アルキレン置換(メタ)アクリルアミドとしては、特に限定されないが、例えばN−メチルアクリルアミド、N−メチルメタアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−エチルメタアクリルアミド、N−メチル−N−エチルアクリルアミド、N−メチル−N−エチルメタアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタアクリルアミド、N−n−プロピルメタアクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−メタクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルピペリジン、N−アクリロイルヘキサヒドロアゼピン、N−アクリロイルモルホリン、N−メタクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミド等を挙げることができる。また、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
重合体粒子(B)の重合を、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と、該ビニル単量体(b2)と共重合可能な他のビニル単量体(b3)と、共に行うことにより、生成する重合体粒子(B)の特性(ガラス転移温度、分子量、水素結合力、極性、分散安定性、耐候性、加水分解性珪素化合物(b1)の重合生成物との相溶性等)をより効果的に制御することが可能となり好ましい。
重合体粒子(B)は、水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と、必要に応じて他のビニル単量体(b3)とを、好ましくは重合触媒存在下で、重合することにより得ることができる。
重合体粒子(B)の合成に使用する乳化剤としては、特に限定されず、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤;酸性乳化剤のアルカリ金属(Li、Na、K等)塩、酸性乳化剤のアンモニウム塩、脂肪酸石鹸等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、アルキルピリジニウムブロミド、イミダゾリニウムラウレート等の四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩型のカチオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル等のノニオン型界面活性剤やラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤等が挙げられる。
加水分解性珪素化合物(b1)の重合触媒としては、重合に用いる単量体の成分等に応じて適宜選択でき、特に限定されないが、例えば、塩酸、フッ酸等のハロゲン化水素類;酢酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸等のカルボン酸類;硫酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類;アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤類;酸性又は弱酸性の無機塩、フタル酸、リン酸、硝酸のような酸性化合物類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、酢酸ナトリウム、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシランのような塩基性化合物類;ジブチル錫オクチレート、ジブチル錫ジラウレートのような錫化合物等が挙げられる。これらの中で、重合触媒のみならず乳化剤としての作用を有する観点から、酸性乳化剤類が好ましく、炭素数が5〜30のアルキルベンゼンスルホン酸がより好ましい。
本実施の形態のコーティング組成物は、加水分解性珪素化合物(C)をさらに含むことが好ましい。本実施の形態のコーティング組成物が加水分解性珪素化合物(C)を含むことにより、加水分解性珪素化合物(C)が有しうるシラノール基と金属酸化物(A)の表面に存在しうる水酸基とが縮合反応をして結合が形成されたり、あるいは、加水分解性珪素化合物(C)と金属酸化物(A)との間に水素結合が形成されると考えられる。これにより、本実施の形態のコーティング組成物から得られる反射防止層の機械的強度がより向上する傾向にある。
R1 nSiX4-n (2)
(式(2)中、R1は、各々独立に、水素原子、又はハロゲン基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基若しくはエポキシ基を有してもよい、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基若しくは炭素数6〜10のアリール基を表す。Xは、各々独立に、加水分解性基を表し、nは0〜3の整数である。)
X3Si−R2 n−SiX3 (3)
(式(3)中、Xは、各々独立に、加水分解性基を表し、R2は、炭素数1〜6のアルキレン基又はフェニレン基を表す。nは0又は1である。)
R3−(O−Si(OR3)2)n−OR3 (4)
(式(4)中、R3は、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基を表す。nは2〜8の整数である。)
コーティング組成物には、その用途及び使用方法などに応じて、通常、塗料や成型用樹脂に添加配合される成分、例えば、増粘剤、レベリング剤、チクソ化剤、消泡剤、凍結安定剤、艶消し剤、架橋反応触媒、顔料、硬化触媒、架橋剤、充填剤、皮張り防止剤、分散剤、湿潤剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レオロジーコントロール剤、消泡剤、成膜助剤、防錆剤、染料、可塑剤、潤滑剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、消臭剤、黄変防止剤、静電防止剤又は帯電調整剤等を配合することができる。
第1の態様における反射防止膜は、基材と、該基材の少なくとも一方の表面に配された、上記コーティング組成物を含む反射防止層と、を有する。本実施の形態の反射防止膜の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、上述のコーティング組成物を基材に塗布及び乾燥させる方法が挙げられる。
上述のコーティング組成物を基材に塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、スプレー吹き付け法、フローコーティング法、ロールコート法、刷毛塗り法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、バーコート法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等が挙げられる。
基材としては、特に限定されないが、例えば、ガラス等の無機基材や、合成樹脂、天然樹脂等の有機基材や、それらの組み合わせ等を挙げることができる。
本実施の形態の反射防止膜は、透明性、反射防止特性に優れているので、太陽電池用の部材(ガラス、及びモジュール等)、太陽電池用集光レンズ、光電池、液晶ディスプレイ、メガネ、窓ガラス、テレビ等において、光透過性の向上及び/又は映り込みの防止を必要としている部材の反射防止膜として用いることができる。
反射防止膜の製造方法は、基材と、該基材の少なくとも一方の表面に上記コーティング組成物を塗布及び乾燥させた後に、400℃〜1000℃で熱処理して反射防止層を得る工程を含む。本実施の形態の反射防止膜の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、上述のコーティング組成物を基材に塗布及び乾燥させる方法が挙げられる。
振動式粘度計CJV5000(AND株式会社製)を用いて、液温25℃におけるコーティング組成物の粘度を評価した。
自動表面張力計CBVP−Z(協和界面化学株式会社製)を用いて、液温25℃におけるコーティング組成物の表面張力を評価した。
分光光度計V670(日本分光株式会社製)を用いて、400〜1100nmの分光透過率を測定し、ISO9050に規定される評価方法に従い、反射防止膜の透過率を評価した。
FE−3000型反射分光計(大塚電子株式会社製)を用いて、波長230〜800nmの範囲での反射スペクトルを測定し、最小二乗法解析により反射防止膜の膜厚を評価した。
カラー3Dレーザー顕微鏡VK−9700(株式会社キーエンス製)を用いてカラー画像を撮影し、前記FE−3000型反射分光計(大塚電子株式会社製)により評価した膜厚が80〜150nmの範囲と同様の干渉色を示すカラー画像の面積を画像解析ソフトImage Jを用いて算出し、反射防止層の膜厚均一割合を評価した。
カラー3Dレーザー顕微鏡VK−9700(株式会社キーエンス製)を用いて、テクスチャーガラス基材表面の、JIS B0601に規定される十点平均高さRzを評価した。
JIS S6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS K5400に規定される鉛筆硬度の評価方法に従い、1kg荷重における反射防止膜の鉛筆硬度を評価した。
反射防止層の表面に脱イオン水の滴(1.0μL)を乗せ、20℃で10秒間放置した後、日本国協和界面科学製CA−X150型接触角計を用いて反射防止膜の初期接触角を測定した。反射防止層に対する水の接触角が小さいほど、皮膜表面の親水性が高いと評価した。
・重合体粒子(B−1)水分散体の合成
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、及びドデシルベンゼンスルホン酸7gを投入した後、撹拌しながら80℃に加温して混合液(1)を得た。得られた混合液(1)に、ジメチルジメトキシシラン185g及びフェニルトリメトキシシラン117gの混合液(2)を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下して混合液(3)を得た。その後、反応容器中の温度が80℃の状態で混合液(3)を約1時間撹拌した。次に、得られた混合液(3)に、アクリル酸ブチル150g、テトラエトキシシラン30g、フェニルトリメトキシシラン145g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3gの混合液(4)と、ジエチルアクリルアミド165g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、及びイオン交換水1900gの混合液(5)とを、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下して混合物(6)を得た。さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で混合物(6)を約2時間撹拌した。その後、混合物(6)を室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し、数平均粒子径87nmの重合体粒子(B−1)の水分散体(固形分14.09質量%)を得た。
27%エタノール水溶液60gに、重合体粒子(B)として合成例1で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)の水分散体1.8g、球状の金属酸化物(a1)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)2.5g、鎖状の金属酸化物(a2)の原料として平均直径約12nmのシリカ一次粒子から構成された、平均長径が約70nm、大部分の粒子が、アスペクト比(長径/短径)が3〜25の範囲内の数珠状シリカの水性分散液(商品名「スノーテックスOUP」、日産化学工業(株)製、固形分15重量%)12.0g、加水分解性珪素化合物(C)としてテトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製)1.7g、粘度調整剤としてポリビニルアルコール(和光純薬工業(株)製、重合度約2000)の5wt%水溶液22.0g、及び表面張力調整剤として2−ブトキシエタノール(和光純薬工業(株)製)0.50gを混合及び攪拌し、コーティング組成物(D−1)を得た。得られたコーティング組成物(D−1)の粘度は10.4cp、表面張力は33.2mN/mであった。
27%エタノール水溶液60gに、重合体粒子(B)として合成例1で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)の水分散体9.5g、球状の金属酸化物(a1)の原料として平均粒子径15nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)6.7g、加水分解性珪素化合物(C)としてテトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製)1.2g、粘度調整剤としてポリビニルアルコール(和光純薬工業(株)製、2000)の5wt%水溶液24.0g、及び表面張力調整剤として2−ブトキシエタノール(和光純薬工業(株)製)0.5gを混合及び攪拌し、コーティング組成物(D−2)を得た。得られたコーティング組成物(D−2)の粘度は11.5cp、表面張力は32.1mN/mであった。
27%エタノール水溶液60gに、重合体粒子(B)として合成例1で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)の水分散体9.5g、球状の金属酸化物(a1)の原料として平均粒子径10nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOS」、日産化学工業(株)製、固形分20質量%)7.9g、粘度調整剤としてポリビニルアルコール(和光純薬工業(株)製、重合度約2000)の5wt%水溶液24.0g、及び表面張力調整剤として2−ブトキシエタノール(和光純薬工業(株)製)0.5gを混合及び攪拌し、コーティング組成物(D−3)を得た。得られたコーティング組成物(D−3)の粘度は11.3cp、表面張力は32.5mN/mであった。
20%エタノール水溶液80gに、重合体粒子(B)として合成例1で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)の水分散体1.8g、球状の金属酸化物(a1)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)2.5g、鎖状の金属酸化物(a2)の原料として平均直径約12nmのシリカ一次粒子から構成された、平均長径が約70nm、大部分の粒子が、アスペクト比(長径/短径)が3〜25の範囲内の数珠状シリカの水性分散液(商品名「スノーテックスOUP」、日産化学工業(株)製、固形分15重量%)12.0g、加水分解性珪素化合物(C)としてテトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製)1.7g、及び表面張力調整剤として2−ブトキシエタノール(和光純薬工業(株)製)0.50gを混合及び攪拌し、コーティング組成物(D−3)を得た。得られたコーティング組成物(D−3)の粘度は3.5cp、表面張力は33.5mN/mであった。
十点平均高さRzが50μmである、表面凹凸構造を有するテクスチャーガラス基材に上記コーティング組成物(D−3)をバーコーターを用いて平均膜厚が120nmとなるように塗布した後、70℃で30分間乾燥を行い、反射防止層(E−3)を有する試験板(G−3)を得た。
純水66gに、重合体粒子(B)として合成例1で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)の水分散体1.8g、球状の金属酸化物(a1)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)2.5g、鎖状の金属酸化物(a2)の原料として平均直径約12nmのシリカ一次粒子から構成された、平均長径が約70nm、大部分の粒子が、アスペクト比(長径/短径)が3〜25の範囲内の数珠状シリカの水性分散液(商品名「スノーテックスOUP」、日産化学工業(株)製、固形分15重量%)12.0g、加水分解性珪素化合物(C)としてテトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製)1.7g、及び粘度調整剤としてポリビニルアルコール(和光純薬工業(株)製、重合度約2000)の5wt%水溶液16.0gを混合及び攪拌し、コーティング組成物(D−4)を得た。得られたコーティング組成物(D−4)の粘度は7.5cp、表面張力は46.5mN/mであった。
27%エタノール水溶液27gに、重合体粒子(B)として合成例1で合成した重合体エマルジョン粒子(B−1)の水分散体1.8g、球状の金属酸化物(a1)の原料として平均粒子径5nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOXS」、日産化学工業(株)製、固形分10質量%)2.5g、鎖状の金属酸化物(a2)の原料として平均直径約12nmのシリカ一次粒子から構成された、平均長径が約70nm、大部分の粒子が、アスペクト比(長径/短径)が3〜25の範囲内の数珠状シリカの水性分散液(商品名「スノーテックスOUP」、日産化学工業(株)製、固形分15重量%)12.0g、加水分解性珪素化合物(C)としてテトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製)1.7g、粘度調整剤としてポリビニルアルコール(和光純薬工業(株)製、重合度約2000)の5wt%水溶液55.0g、及び表面張力調整剤として2−ブトキシエタノール(和光純薬工業(株)製)0.50gを混合及び攪拌し、コーティング組成物(D−4)を得た。得られたコーティング組成物(D−4)の粘度は60.5cp、表面張力は35.5mN/mであったが、配合安定性が低くかった。コーティング組成物(D−4)は粘度が高すぎ、試験に使用することができなかった。
Claims (8)
- 金属酸化物(A)と、重合体粒子(B)と、を含み、
粘度が5〜50cpであり、
表面張力が30〜40mN/mであり、
増粘剤を、コーティング組成物の総量に対して、0.01〜5.0質量%含み、かつ表面張力調整剤を、コーティング組成物の総量に対して、0.05〜5.0質量%含み、
前記重合体粒子(B)が、水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と、を重合して得られる重合体粒子を含む、コーティング組成物。 - 金属酸化物(A)と、重合体粒子(B)と、を含み、
粘度が5〜50cpであり、
表面張力が30〜40mN/mであり、
増粘剤を、コーティング組成物の総量に対して、0.01〜5.0質量%含み、かつ表面張力調整剤を、コーティング組成物の総量に対して、0.05〜5.0質量%含み、
前記重合体粒子(B)が、水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)を重合して得られる重合体粒子と、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を重合して得られる重合体粒子と、を含む、コーティング組成物。 - 加水分解性珪素化合物(C)をさらに含む、請求項1又は2に記載のコーティング組成物。
- 前記金属酸化物(A)が、アスペクト比(長径/短径)が3未満の球状の金属酸化物(a1)及び/又はアスペクト比(長径/短径)が3〜25の鎖状の金属酸化物(a2)を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーティング組成物。
- 基材と、該基材の少なくとも一方の表面に配された、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコーティング組成物を含む反射防止層と、を有する、反射防止膜。
- 前記反射防止層は、前記基材上に前記コーティング組成物を塗布及び乾燥させた後に、400℃〜1000℃で熱処理して得られる層である、請求項5に記載の反射防止膜。
- 前記基材表面の十点平均高さRzが、1〜1000μmである、請求項5又は6に記載の反射防止膜。
- 基材と、該基材の少なくとも一方の表面に請求項1〜4のいずれか1項に記載のコーティング組成物を塗布及び乾燥させた後に、400℃〜1000℃で熱処理して反射防止層を得る工程を含む、反射防止膜の製造方法。
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